説明

漸進的なアンプラグ複数カード本体

カード本体は、第1のカード本体(ID−1カード1)、第2のカード本体(プラグインカード2)、および第3のカード本体(ミニカード3)を備える。第1のカード本体は、第1の形状(ID−1形状)を有する。第2のカード本体は、第2の形状(プラグイン形状)を有する。第1のカード本体は、第2のカード本体を包含する。第3のカード本体は、第3の形状(ミニ形状)を有する。第2のカード本体は、第3のカード本体を包含する。第3のカード本体は、電子モジュールを受けるための空洞を有する。第1の境界は、第1の形状(ID−1形状)を第2の形状(プラグイン形状)から分離し、第1のカード本体間の機械的連結強度(ID−1カード1とプラグインカード2との間の連接)を画定する、第1の数の開口部5、6、7、17、18および第1の数のノッチ19および20を備える。第2の境界は、第2の形状(プラグイン形状)を第3の形状(ミニ形状)から分離し、第2のカード本体間の機械的連結強度(プラグインカード2とミニカード3との間の連接)を画定する、第2の数の開口部21および第2の数のノッチ11、12、13、14、15、16を備える。第2の機械的連結強度が、第1の機械的連結強度より大きくなるように、第1の数の開口部5、6、7、17、18の累積された長さは、第2の数の開口部21の累積された長さより長く、かつ第1の数のノッチ19および20の累積された長さは、第2の数のノッチ11、12、13、14、15、16の累積された長さより短い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数フォーマットカード、より詳しくは各カードが異なる規格に対応する複数フォーマットカードを備えるカード本体、および対応する製造方法に関する。
【0002】
本発明は、複数フォーマットカードを備えるカード本体のアンプラグ(unplugging)方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
スマートカードは、プラスチックカード本体に埋め込まれた電子モジュールを備える携帯電子装置である。この電子モジュールは、集積回路、および電子機器(例えば、携帯電話などの端子)に接続するための(接触域としても知られている)接点を備える。
【0004】
加入者識別モジュール(Subscriber Identification Module)またはSIMカードとして知られているスマートカードは、携帯電話使用者が、移動通信事業会社によって移動通信ネットワーク上で提供される異なるサービスにアクセスを得るために、携帯電話に挿入される。
【0005】
一般にSIMカードは、ETSI規格GSM11.11「加入者識別モジュール−移動装置(SIM−ME)インターフェースの規格(Specification of the Subscriber Identity Module−Mobile Equipment(SIM−ME)interface)」に規定される、25mm×15mmの規格化されたフォーマットを有する。そのようなSIMカードは、携帯電話使用者が、携帯電話の特定の空洞内にSIMカードを差し込むので、「プラグイン」カードとしても知られている。
【0006】
通常プラグインカードは、ISO規格7810で規定される85.6mm×54mmの規格化されたフォーマットを有するスマートカードを取り扱う製造装置で製造される。そのようなISO規格に準拠するカードは、「ID−1」カードとしても知られている。この製造工程は、ID−1カードが製造される第1のステップ、およびプラグインカードを画定するように、ID−1カード上に適切な空洞および部分的なプレカット形状が作られる第2のステップを含む。したがってカードは、それらが(プラグインカードが取り外されない限り)ID−1カードフォーマット、および(プラグインカードがID−1カードから取り外されるや否や)プラグインカードフォーマットの両方を順守するように製造される。
【0007】
カード製造者は、ID−1カードフォーマットを有するカードを供給する。空洞および部分的なプレカット形状によって、携帯電話使用者は、プラグインカードを携帯電話に挿入するために、ID−1カードからプラグインカードを手際よく取り外すことができる。
【0008】
現在では、15mm×12mmの規格化されたフォーマットを有する第3の型式のカードが、ETSI規格TS102221「スマートカード、UICCインターフェース、物理的および論理的特性(Smart card;UICC interface;Physical and logical characteristics)」によって規定されている。そのようなETSI規格準拠カードは、「ミニ」カードとしても知られている。このミニカードも、本明細書で前に説明したようなID−1カードおよびプラグインカードと同じ製造装置で、同様な製造工程に従って製造される。
【0009】
結果として、移動通信用途のために、スマートカードは、3つの異なる形態因子または形状、すなわち、「ID−1」、「プラグイン」、および「ミニ」を有する場合がある。ミニカードフォーマットは、プラグインカードフォーマットの内側に含まれている。プラグインカードフォーマットは、ID−1カードフォーマットの内側に含まれている。
【0010】
通常空洞が、適切な成形、またはダイとマトリックスを組み合わせる機械的な打ち抜きの使用によって、カード本体に形成される。3つの異なる形態因子を同じカード本体上に有するカード製造工程は、プラグインカードの境界とミニカードの境界が隣接することに起因して実施するのが困難である。特に、製造装置(例えば、工具)は、構成しかつ製造するのが困難である。この状況は、製造コストの増加に繋がる。
【0011】
通常、プラグインカードを、ID−1カードから取り外しまたは分離すべきであり、次いでミニカードを、プラグインカードから取り外しまたは分離すべきである。現在は、本明細書で前に説明した現行の製造方法に従って、携帯電話使用者に供給されるカードの構造は、適切な空洞および部分的なプレカット形状を介して、その上に境界が区切られたプラグインカードおよびミニカードを有するID−1カードフォーマットである。携帯電話使用者は、不本意にまたは間違ってこのミニカードを直接ID−1カードから分離する可能性があった。この動作は不可逆であるので、この携帯電話使用者は、プラグインカードフォーマットに準拠する携帯電話にもはやこのカードを挿入することはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の一目的は、従来技術の前述の欠点の少なくとも1つを克服する、カード本体および対応する製造方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、異なるフォーマットのカードを分離するのに必要な力(困難性)を段階に分けること(gradation)は、ID−1カード本体上の異なるカード本体形状の境界を画定するためのいくつかの開口部およびいくつかの部分切断の組合せによって得られる。
【0014】
開口部が、プラグインカードの境界を区切るために選択され、部分的刃切断が、ミニカードの境界を区切るために選択されるのが好ましい。より正確には、プラグインカードの周りの境界は、多数の開口部を備え、一方ミニカードの周りの境界は、多数の刃切断部(ノッチ)を備える。その結果、プラグインカードのID−1カードからの分離は、ミニカードのプラグインカードからの分離より機械的により容易になる。
【0015】
3つの異なるフォーマットのカードを組み合わせるカードは、プラグインカードをミニカードより容易な方法で取り外すことを可能にする構造を有する。その結果、プラグインカードを使用することを望む携帯電話使用者は、それをID−1カードから容易に取り外すであろう。さらに、ミニカードを使用することを望む携帯電話使用者は、最初にID−1カードから(容易に)プラグインカードを取り外し、続いてミニカードをプラグインカードから(より困難に)取り外すであろう。異なるカードを分離させるために携帯電話使用者によって加えられるべき力を段階に分けること(困難性を段階に分けること)は、誤った順番でそれらをアンプラグすることを防止する。結果として、携帯電話使用者が、誤ってID−1カードからミニカードを取り外すリスクが避けられ、少なくとも大きく減少する。
【0016】
本発明の製造方法によれば、この開口部およびノッチは、従来技術のカードを製造するために使用される装置と同じ製造装置によって、2つの異なるステップで形成される。
【0017】
一方では、ノッチは、ミニカードの境界を区切るのに好ましく、開口部は、プラグインカードの境界がミニカードの境界と近接する区域内で、プラグインカードの境界を区切るのに好ましいのと同様に、他方では、ノッチおよび開口部は、2つの異なる製造ステップで形成され、これらの製造装置に使用される工具(打ち抜き工具)は、構成および製造が容易である。
【0018】
したがって、本発明の製造方法は、その実施のためのどのような追加のコストも生じさせない。
【0019】
本発明は、例示の目的で示されかつ添付の図に限定されることはなく、添付の図では、類似の参照符号は同様な要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下の詳細な説明において、かつ本発明の目的のために、スマートカード、カード、およびカード本体の用語は、同等な用語であるとみなされる。
【0021】
図1Aは、本発明の第1の実施形態によるカード本体の裏面図を示す。このカード本体は、ほぼ平行6面体形状のID−1カード1、プラグインカード2、およびミニカード3を備える。
【0022】
電子モジュール境界4が、破線で示されている。それは、少なくとも1つの集積回路、および端子に接続するための接触域をカードの他方の側に備える。電子モジュールは、この分野の技術者によく知られており、これ以上説明しない。
【0023】
プラグインカード2およびミニカード3の角のところの1つの縁部は、携帯電話に挿入されるとき、その適切な位置決め用のフールプルーフ手段を形成できるように45°に切り取られている。
【0024】
第1の数の開口部5、7、6、18、および17、および第1の数のノッチ19および20の第1の組合せは、プラグインカード2の寸法および境界を画定する。第2の数の開口部21、および第2の数のノッチ11、12、13、14、15、および16の第2の組合せは、ミニカード3の寸法および境界を画定する。開口部およびノッチのこの数は、プラグインカード2の周りに大多数の開口部があり、かつミニカード3の周りに大多数のノッチが存在するように選択されている。この開口部5、6、7、17、18、および21は、カード本体を成形によって、または機械的打ち抜きによって得ることができる。ノッチ11、12、13、14、15、16、19、および20は、カード本体を完全に横切らない(例えば、刃による)機械的切断によって得られる。
【0025】
2つの連続する開口部5、7、6、18、および17の間に、それぞれのタブ8、9、および10が存在する。タブは、機械的な連結強度を画定する各カード本体間の連接部を形成し、製造工程中かつ製造工程後での、異なるカード本体の偶発的な分離を避ける。別法として、このタブのいくつかは、いくつかのノッチ19および20を有することもできる。ノッチは、このタブの片側または両側に作ることができる。
【0026】
図1Bは、図1Aの線A−A’に沿った断面を示す。プラグインカード2の境界は、開口部5および6によって画定される。ミニカード3の境界も、一方側のノッチ11および13、およびもう他方側のノッチ12および14によって画定される。
【0027】
したがって、プラグインカード2のID−1カード1からの分離は、それが、タブ8、9、および10(第1のカード本体間の機械的連結強度)によってのみ連接されているので容易であるが、一方ミニカード3のプラグインカード2からの分離は、ノッチが存在する(第1の強度より強い第2のカード本体間の機械的連結強度)のでより困難である。
【0028】
図2Aは、本発明の第2の実施形態によるカード本体の裏面図を示す。このカード本体は、ID−1カード1、プラグインカード2、およびミニカード3を備える。
【0029】
第2の実施形態によれば、2つの追加の開口部22および23が、ミニカード3の角に作られている。これらの開口部は、ノッチ11および12とノッチ15および16との間の明確な分離、およびノッチ13および14とノッチ15および16との間の明確な分離を作り出す。これは、アンプラグ動作中の材料の引き裂きを減少させ、アンプラグされた後の角のよりきれいなミニカードを得ることを可能にする。
【0030】
図2Bは、図2Aによるカード本体の拡大詳細部、特にそれぞれノッチ13、14と15、16との間の追加の開口部23の拡大詳細部を示す。
【0031】
第2の実施形態は、タブ8および9(図1A参照)が、ノッチ24および25で置き換えられている、考え得る代替も示す。タブの数、寸法、および位置に関して多数の可能性があるので、これは一例に過ぎない。
【0032】
図3は、本発明の第3の実施形態によるカード本体の裏面図である。
【0033】
この実施形態によれば、第3の角開口部26が、ノッチ11および12をノッチ27および28から分離する。ノッチ27および28は、45°に切り取られたミニカード3の角のところの縁部に設けられる。
【0034】
この第3の実施形態も、タブ10(図1A参照)がなくされ、開口部17および18が、唯一の開口部30によって連続に作られている、考え得る代替を示す。その結果、ただ1つの連接部のみ、プラグインカード2とID−1カード1との間に今までどおり存在する。この連接部は、ノッチ24および25によって切断される。この最後の例では、プラグインカードは、交互折り返しによってID−1カードから非常に容易に分離させることができる。
【0035】
最後に、第3の実施形態は、開口部21をより大きな開口部29で置き換えることにある、考え得る変形形態も示す。このより大きな開口部29によって、特に携帯電話の使用者が、自発的に自分の爪を差し込み、ミニカード3をプラグインカード2から容易に分離できるようになる。
【0036】
第3の実施形態は、プラグインカード型式に準拠する携帯電話内に嵌合させるために、分離した後、ミニカード3をプラグインカード2内に戻すことができる追加の利点を有する。実際には、ミニカード3の境界は、ミニカードをプラグインカードの中に良好に保持することを可能にする、多数のノッチ、特に平行6面体の各側面に少なくとも1つのノッチ13、14、15、16、27、28を備える。
【0037】
本明細書で前に示した例では、ノッチは、カード本体側面の各々で対合していた(図1B参照)。しかしながら、ノッチの数、寸法、および位置に関して多数の可能性が存在する。ノッチは、異なる境界上の異なる位置に配置できることを理解されたい。例えば、ノッチを他方の側面と正確に対合しないカードの一方の側面に設けること、ノッチをカードの一方の側面にのみ設けること、等が可能である。
【0038】
本明細書で前に説明した実施形態を使用して、携帯電話使用者は、当然優先してミニカードではなくプラグインカードをID−1カードからアンプラグするであろう。その後に、携帯電話使用者は、ミニカードをプラグインカードからアンプラグする工程に進むことを決めるであろう。加えるべきアンプラグ力を段階に分けることは、使用者が、ミニカードをID−1カードから直接アンプラグすることを防止する。
【0039】
本明細書で前に説明したカードを製造するために、本発明の製造方法は、知られた製造装置、すなわち従来技術のカードを製造するために使用された装置を使用している。
【0040】
異なるカード境界を形成する、異なる開口部およびノッチの打ち抜きは、いくつかのステップで行われる。上記で示す例では、ノッチ13および14は、開口部5に極めて近接しており、かつノッチ11および12は、開口部6に極めて近接している。これらの開口部およびノッチは、2ステップの打ち抜き装置によって、2つの異なるステップで製造するのが有利である。第1のステップ中、全ての開口部が形成される。第2のステップ中、全てのノッチが形成される。明らかに、第1と第2のステップの順番は逆にすることができる。
【0041】
部分的にプリカットされるノッチは、刃を使用して通常機械的に行われる。これらの刃は、ノッチを、カード本体を完全に横断させることなくカード本体の両側に、または一方側にのみ生成させることができる。
【0042】
開口部は、成形または機械的ダイ/マトリックス打ち抜きによって得ることができる。いくつかの開口部を成形によって、かついくつかを機械的打ち抜きによって、または全ての開口部を同じ技術を使用して製造することが可能である。
【0043】
本発明の製造方法を使用することは、通常の製造装置が使用できることに加えて、これらの製造装置用に使用される工具の構成および製造が容易であり、コスト効率が良いので有利である。
【0044】
結論
図面を参照した本明細書における前の詳細な説明は、以下の特徴を示す。カード本体は、第1のカード本体(ID−1カード1)、第2のカード本体(プラグインカード2)、および第3のカード本体(ミニカード3)を備える。
【0045】
第1のカード本体は、第1の形状(ID−1形状)を有する。
【0046】
第2のカード本体は、第2の形状(プラグイン形状)を含む。第1のカード本体は、第2のカード本体を包含する。
【0047】
第3のカード本体は、第3の形状(ミニ形状)を含む。第2のカード本体は、第3のカード本体を包含する。第3のカード本体は、電子モジュールを受けるための空洞を有する。
【0048】
第1の境界は、第1の形状(ID−1形状)を第2の形状(プラグイン形状)から分離し、第1のカード本体間の機械的連結強度(ID−1カード1とプラグインカード2との間の連接)を画定する、第1の数の開口部(開口部5、6、7、17、18)および第1の数のノッチ(ノッチ19および20)を備える。
【0049】
第2の境界は、第2の形状(プラグイン形状)を第3の形状(ミニ形状)から分離し、第2のカード本体間の機械的連結強度(プラグインカード2とミニカード3との間の連接)を画定する、第2の数の開口部(開口部21)および第2の数のノッチ(ノッチ11、12、13、14、15、16)を備える。
【0050】
第2の機械的連結強度(プラグインカード2とミニカード3との間の連接)が、第1の機械的連結強度(ID−1カード1とプラグインカード2との間の連接)より大きくなるように、第1の数の開口部(開口部5、6、7、17、18)の累積された長さは、第2の数の開口部(開口部21)の累積された長さより長く、かつ第1の数のノッチ(ノッチ19および20)の累積された長さは、第2の数のノッチ(ノッチ11、12、13、14、15、16)の累積された長さより短い。
【0051】
図4に示すように、開口部の第2の数はゼロであることが有利である。より大きな開口部29(図3参照)は、ノッチ27’および28’によって置き換えられる。角開口部22(図2A参照)、23(図2A参照)、および26(図3参照)は、取り除かれる。この構成で、このカード本体は、ISO7816−1規格によって規定される機械試験に適合する良好な機械的特性を示す。評価結果を表1に示す。
【表1】

)曲げ特性:10枚のカードをより短い方向およびより長い方向に曲げることによって実験された
より長い方向:耐屈曲性(f):20mm、周期性:30回/分の曲げ
より短い方向:耐屈曲性(f):10mm、周期性:30回/分の曲げ
**)h:ミリメートルで示すノッチのカードの各側面でのプレカット深さ。
【0052】
本明細書における前の詳細な説明は、以下の任意選択の特性をさらに示す。
【0053】
第1の境界は、少なくとも1つのタブ(タブ8、9、および10)を備える。
【0054】
第1、第2および第3の形状は、ほぼ平行6面体形状である。
【0055】
第2の境界は、追加の開口部(開口部22、23、および26)が設けられる少なくとも1つの角を備える。
【0056】
開口部のうちの少なくとも1つは、使用者が爪を差し込むことができる寸法を有する(開口部29)。
【0057】
第1のカード本体(ID−1カード1)は、ISO規格7810による約85.6mm×54mmの寸法を有する。
【0058】
第2のカード本体(プラグインカード2)は、ETSI規格GSM11.11による約25mm×15mmの寸法を有する。
【0059】
第3のカード本体(ミニカード3)は、ETSI規格TS102221による約15mm×12mmの寸法を有する。
【0060】
本明細書における前の詳細な説明は、以下のカード本体製造方法をさらに示す。この方法は、第1のカード本体を製造することにある第1の製造ステップ、および第2および第3のカード本体を製造することにある第2の製造ステップを含む。
【0061】
第1の製造ステップ中、第1の形状および電子モジュールを受けるための空洞を有する第1のカード本体(ID−1カード1)が製造される。
【0062】
第2の製造ステップ中、第2のカード本体(プラグインカード2)および第3のカード本体(ミニカード3)が製造される。第2のカード本体は、第1の境界によって第1の形状から分離される第2の形状を有する。第1のカード本体は、第2のカード本体を包含する。第3のカード本体は、第2の境界によって第2の形状から分離される第3の形状を有する。第2のカード本体は、第3のカード本体を包含する。
【0063】
電子モジュールは、この第2の製造ステップの前または後で、この空洞内に埋め込むことができる。
【0064】
より正確には、この第2の製造ステップは、2つの打ち抜きステップを含む。第1の打ち抜きステップは、第1の数の開口部および第2の数の開口部を打ち抜くことからなり、第1の数の開口部の累積長さは、第2の数の開口部の累積長さより長い。
【0065】
第2の打ち抜きステップは、第1の数のノッチおよび第2の数のノッチを打ち抜くことからなり、第1の数のノッチの累積長さは、第2の数のノッチの累積長さより短い。
【0066】
任意選択として、第1の打ち抜きステップおよび第2の打ち抜きステップは逆にすることができる。
【0067】
本明細書における前の詳細な説明は、以下のカード本体アンプラグ方法も示す。この方法は、2つのステップを含む。
【0068】
第1のステップ中、第1のカード本体間の機械的連結強度(ID−1カード1とプラグインカード2との間の連接)より大きな第1の力(アンプラグ力)が、第2および第3のカード本体(プラグインカード2およびミニカード3)を、第1のカード本体(ID−1カード1)から分離するように、第1のカード本体に対して第2および第3のカード本体によって構成される領域に加えられる。
【0069】
第2のステップ中、第2のカード本体間の機械的連結強度(プラグインカード2とミニカード3との間の連接)より大きな第2の力(アンプラグ力)が、第3のカード本体を、第2のカード本体から分離するように、第2のカード本体(プラグインカード2)に対して第3のカード本体(ミニカード3)上に加えられる。
【0070】
加えられるべき第2の力は、第1の力より大きい。
【0071】
本明細書における前の詳細な説明は、移動通信の分野の具体的な例(特定の規格による特定のカード寸法)を示す。しかしながら、本発明は、この具体的な用途に限定されず、異なるフォーマットのカードが含まれる他の用途(支払用途、輸送用途、安全保障用途、等)にも適用することができる。
【0072】
本明細書で前に行った見解は、図面を参照した詳細な説明が、本発明を限定することなく示すことを明示している。特許請求の範囲の範囲内に含まれる多くの代替形態が存在する。請求項のどのような参照符号も、その請求項を限定するものと解釈すべきではない。単語「備える(含む)」は、請求項に記載されたもの以外の他の要素またはステップの存在を除外しない。要素またはステップの前の単語「1つの(a、an)」は、複数のそのような要素またはステップの存在を除外しない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1A】本発明の第1の実施形態によるカード本体の概略裏面図である。
【図1B】図1Aの線A−A’に沿った断面図である。
【図2A】本発明の第2の実施形態によるカード本体の概略裏面図である。
【図2B】図2Aによるカード本体の詳細部分図である。
【図3】本発明の第3の実施形態によるカード本体の概略裏面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態によるカード本体の概略裏面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード本体であって、
a)第1の形状を有する第1のカード本体(1)と、
b)第2の形状を有する第2のカード本体とを備え、第1のカード本体(1)が、第2のカード本体(2)を包含し、前記カード本体がさらに、
c)第2の形状から第1の形状を分離する第1の境界を備え、該第1の境界が、第1のカード本体間の機械的連結強度を画定する第1の数の開口部(5、6、7、17、18)および第1の数のノッチ(19、20)を備え、前記カード本体がさらに、
d)第3の形状を有する第3のカード本体(3)を備え、第2のカード本体(2)が、第3のカード本体(3)を包含し、第3のカード本体が、電子モジュールを受けるための空洞(4)を有し、前記カード本体がさらに、
e)第3の形状(3)から第2の形状(2)を分離する第2の境界を備え、該第2の境界が、第2のカード本体間の機械的連結強度を画定する第2の数の開口部(21)および第2の数のノッチ(11、12、13、14、15、16)を備え、
第2の機械的連結強度が、第1の機械的連結強度より大きくなるように、第1の数の開口部(5、6、7、17、18)の累積された長さが、第2の数の開口部(21)の累積された長さより長く、かつ第1の数のノッチ(19、20)の累積された長さが、第2の数のノッチ(11、12、13、14、15、16)の累積された長さより短い、カード本体。
【請求項2】
第1および第2の境界が、少なくとも1つのタブ(8、9、10)を備える、請求項1に記載のカード本体。
【請求項3】
第1の形状(1)、第2の形状(2)、および第3の形状(3)が、ほぼ平行6面体形状である、請求項1または2に記載のカード本体。
【請求項4】
第2の境界が、追加の開口部(22、23、26)が設けられた少なくとも1つの角を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のカード本体。
【請求項5】
開口部(29)のうちの少なくとも1つが、使用者が爪を差し込むことができる寸法を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のカード本体。
【請求項6】
第1のカード本体(1)が、ISO規格7810による約85.6mm×54mmの寸法を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のカード本体。
【請求項7】
第2のカード本体(2)が、ETSI規格GSM11.11による約25mm×15mmの寸法を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のカード本体。
【請求項8】
第3のカード本体(3)が、ETSI規格TS102221による約15mm×12mmの寸法を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のカード本体。
【請求項9】
カード本体製造方法であって、
a)第1の形状、および電子モジュールを受けるための空洞を有する第1のカード本体(1)を製造することからなる、第1の製造ステップと、
b)第2の形状を有する第2のカード本体(2)と第3の形状を有する第3のカード本体(3)とを製造することからなる、第2の製造ステップとを含み、
第1のカード本体が、第2のカード本体を包含し、第1の形状および第2の形状が、第1の境界によって分離され、
第2のカード本体が、第3のカード本体を包含し、第2の形状および第3の形状が、第2の境界によって分離され、
第2の製造ステップがさらに、
b1)第1の数の開口部(5、6、7、17、18)および第2の数の開口部(21)を打ち抜くことからなるステップを含み、第1の数の開口部の累積長さが、第2の数の開口部の累積長さより長く、前記第2の製造ステップがさらに、
b2)第1の数のノッチ(19、20)および第2の数のノッチ(11、12、13、14、15、16)を打ち抜くことからなるステップを含み、第1の数のノッチの累積長さが、第2の数のノッチの累積長さより短い、カード本体製造方法。
【請求項10】
第1の打ち抜きステップと第2の打ち抜きステップが逆にされる、請求項9に記載のカード本体製造方法。
【請求項11】
カード本体アンプラグ方法であって、
カード本体が、
第1のカード本体(1)、第2のカード本体(2)、および第3のカード本体(3)を備え、
第1のカード本体が、第2のカード本体を包含し、かつ第1のカード本体間の機械的連結強度を画定する第1の境界によって分離され、
第2のカード本体が、第3のカード本体を包含し、かつ第2のカード本体間の機械的連結強度を画定する第2の境界によって分離され、
カード本体アンプラグ方法が、
a)第1のカード本体間の機械的連結強度より大きな第1の力を、第2および第3のカード本体(2、3)を第1のカード本体(1)から分離できるように、第1のカード本体(1)に対して第2のカード本体(2)および第3のカード本体(3)によって構成される領域に加えるステップと、
b)第2のカード本体間の機械的連結強度より大きな第2の力を、第3のカード本体を第2のカード本体から分離できるように、第2のカード本体(2)に対して第3のカード本体(3)上に加えるステップとを含み、
第2の力が、第1の力より大きい、カード本体アンプラグ方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−510210(P2008−510210A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525376(P2007−525376)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【国際出願番号】PCT/IB2005/002377
【国際公開番号】WO2006/016257
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(506321414)
【Fターム(参考)】