説明

潤滑剤添加剤としてのエポキシドとのメルカプトベンゾチアゾール、メルカプトチアゾリンおよびメルカプトベンズイミダゾールの反応生成物

【課題】既知亜鉛およびリン含有添加剤の前述の欠点を考慮して、亜鉛もリンも含有しない、あるいは、少なくとも、それらを実質的削減量で含有する潤滑剤添加剤であって、潤滑剤組成物の耐摩耗性を向上しうる添加剤、およびそれを含んでなる組成物を提供する。
【解決手段】チアゾイルチオアルコール、イミダゾールイルチオアルコール、メルカプトベンゾまたはメルカプトチアゾリンまたはメルカプトベンズイミダゾールの各種エポキシドとの反応生成物、およびこれを潤滑剤用無灰耐磨耗添加剤として含有する組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
我々は、潤滑剤添加剤としてのエポキシドとのメルカプトベンゾチアゾールの反応生成物と題した2003年8月15日提出の米国仮出願番号60/495,117に対する合衆国法典、120条、タイトル35の恩典を主張するものである。
【0002】
1.発明の分野
本発明は、潤滑剤、特に潤滑油、さらに特に各種エポキシドとのメルカプトベンゾチアゾール、メルカプトチアゾリンおよびメルカプトベンズイミダゾールの反応生成物であるアルコールから誘導される無灰および非リン含有耐磨耗添加剤クラスに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
潤滑油の開発において、潤滑油に耐疲労性、耐磨耗性および極圧特性を付与する添加剤を提供する試みが多数なされてきた。ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)は、50年以上もの間、耐磨耗添加剤として配合油に使用されている。しかし、ジアルキルジチオリン酸亜鉛は、灰を発生させ、これが、自動車の排気ガス中の微粒子の原因となっており、規制当局は、環境への亜鉛放出を削減しようとしている。さらに、ZDDPの一成分であるリンも、汚染削減のために自動車に使用されている触媒変換機の寿命を制限すると考えられている。毒物学的および環境上の理由で、エンジン使用中に生じる微粒子および汚染を制限することは重要であるが、潤滑油の耐磨耗性を減じることなく維持することも重要である。
【0004】
既知亜鉛およびリン含有添加剤の前述の欠点を考慮して、亜鉛もリンも含有しない、あるいは、少なくとも、それらを実質的削減量で含有する潤滑油添加剤を提供する努力がなされている。
【0005】
非亜鉛、即ち、無灰、非リン含有潤滑油添加剤の具体例は、米国特許第5,512,190号に開示されている2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールと不飽和モノ−、ジ−およびトリ−グリセリドの反応生成物、米国特許第5,514,189号のジアルキルジチオカルバメート−誘導有機エーテルである。
【0006】
米国特許第5,512,190号は、潤滑油に耐磨耗性を提供する添加剤を開示している。当該添加剤は、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールと不飽和モノ−、ジ−およびトリグリセリド混合物の反応生成物である。不飽和モノ−、ジ−およびトリグリセリド混合物をジエタノールアミンと反応させて反応中間体を提供し、当該反応中間体を2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールと反応させることによって生成される耐磨耗性保有潤滑油添加剤も開示されている。
【0007】
米国特許第5,514,189号は、ジアルキルジチオカルバメート−誘導有機エーテルが、潤滑剤および燃料に有効な耐摩耗/抗酸化添加剤であると判明したことを開示している。
【0008】
米国特許第5,084,195号および第5,300,243号は、潤滑剤または油圧作動油に特定した耐磨耗添加剤として、N−アシル−チオウレタンチオウレアを開示している。
【0009】
メルカプトベンゾチアゾール(MBT)のエポキシドとの反応は、Camenzindらによる一群の特許の中で説明されている(EP0 894 793;米国特許第6,100,406号;米国特許第6,255,259号)。米国特許第6,255,259号の実施例1は、MBTのプロピレンオキサイドとの反応を説明している。しかし、得られる中間体は、Camenzindによって、自己の権利において潤滑剤添加剤として有用性を有するとは認識されていない。むしろ、当該MBTを、さらに、フェノール系酸化防止剤と反応させ、混合フェノール/MBT添加剤を形成する。同じことが実施例12でも言えて、その場合、グリシダルネオデカノエート(Glydexx(登録商標)N−10)をMBTと反応させているが、やはり、生成物を、フェノール系酸化防止剤誘導体とさらに反応させている。当該中間体が耐磨耗性能について検討されたことは、示されていない。
【0010】
この多段階法は、反応段階の追加が、加工費を増加させ、望ましくない廃棄物を追加するに違いないので、不利である。
【0011】
Zhangら(Wear,1999,224(1),50−55)は、グリシダルジチオカルバメートがベンゾチアゾイルチオ部分に結合した潤滑剤添加剤としてジチオカルバメートを評価した。
【化1】


Zhangらは、ジアルキルジチオカルバメート基を導入することによって、オイル中のMBTの溶解度を向上させた。ジチオカルバメート基は、長い間、耐磨耗および極圧活性を有することが知られている。しかし、ジチオカルバメートは、銅を腐食させ、エンジンシールを攻撃するので、望ましくないとも思われる。さらに、ジチオカルバメート基は、添加剤へのイオウ含量追加に寄与する。これは、最近の低イオウ潤滑剤の傾向の観点から望ましくなく、順次、政府の低イオウ燃料への要請によって推進されている。
【0012】
Camenzindも、Zhangも、潤滑剤添加剤として有用性を有することが周知の追加官能基を含有しないエポキシドとのメルカプトベンゾチアゾールの反応物が、優れた耐磨耗性能を有する添加剤になることを開示または示唆していない。
【0013】
米国特許第6,187,726は、以下の構造の置換型線状チオウレアを含む化合物および潤滑剤組成物を開示しており、
【化2】


式中、
、RおよびRは、独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アルカリール、アラルキルおよび水素から成る群から選択され、
は、アルキル、アルケニルおよびそれらの組み合わせから成る群から選択され、
Xは、(i)Rがアルキレンある場合またはアルキレンである場合のみ、メチレン、(ii)酸素、および(iii)イオウから成る群から選択され、
Aは、アルキレンおよびアリールから成る群から選択される。
【0014】
米国特許第6,551,966号は、
(A)潤滑剤、および
(B)次式の少なくとも1個の5−アルキル−2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール化合物であって、
【化3】


式中、
が、炭素原子1〜30個の炭化水素または官能基結合炭化水素である化合物、
を含む組成物を開示している。
【0015】
米国特許第6,559,107号は、
(A)潤滑剤、および
(B)次式の少なくとも1個の5−アルキル−2−チオン−1,3,4−チアジアゾリン化合物であって、
【化4】


式中、
が、炭素原子1〜30個の炭化水素または官能基結合炭化水素であり、
およびRが、独立して、炭素原子1〜30個の炭化水素または官能基結合炭化水素および水素から成る群から選択され、
Xが酸素、イオウまたは窒素である化合物、
を含む組成物を開示している。
【0016】
米国特許第6,566,311号は、
(A)潤滑剤、および
(B)次式の少なくとも1個の1,3,4−オキサジアゾール化合物であって、
【化5】


式中、
が、水素、線状または枝分れアルキル、アルケニル、アルカリール、アリール、アルキルエーテルおよびアルキルエステルから成る群から選択され、
、RおよびRが、独立して、水素、線状または枝分れアルキル、アルケニル、アルカリールおよびアリールから成る群から選択され、
いずれかのアルキル部分が、任意に、その内部に、酸素エーテル、エステルまたはアミド基を含有できる化合物
を含む組成物を開示している。
前記参考文献の開示内容は、参照することによって、本明細書にそのまま組み入れられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
(発明の要旨)
上記のように、ジチオリン酸亜鉛などのリン含有潤滑剤耐磨耗剤は、触媒変換機などの排気後処理装置の寿命の現在および将来の目標に適合しない。現在、チアゾイルチオアルコール、イミダゾールイルチオアルコール、メルカプトベンゾチアゾールまたはメルカプトチアゾリンまたはメルカプトベンズイミダゾールの各種エポキシドとの反応生成物は、潤滑剤用無灰耐磨耗添加剤として有用であることが認められている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
さらに特に、本発明は、
(A)潤滑剤、および
(B)次式のアルコールから成る群から選択される少なくとも1個の化合物
を含む組成物を指向し、当該式が
【化6】


および
【化7】


であり、
式中、
YはNまたはSであり、
、R、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルカリール、アリール、アルコキシおよびアルキルエステルから成る群から選択され、
は、水素、アルキル、アルコキシ、式(CHCOのカルボキシルアルキル基から成る群から選択され、
式中、
pは1〜18であり、
はヒドロカルビルであり、
は、水素、CHOR11、アルキルおよびアルケニルから成る群から選択され、
この場合、
前記アルキルおよびアルケニル基は、場合により、OH、オキシランまたはXで置換され、
11は、炭素原子1〜36個のアルキル、炭素原子6〜約50個のアルカリール、およびアリールから成る群から選択され、かつ、エーテルまたはエステル官能基を含有でき、
Xは、
【化8】


または、
【化9】


の構造であり、
あるいは、RおよびRは、融合し、炭素原子3〜10個、好ましくは5または6個の環を形成し、これは、さらに、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールまたはアルコキシ基で置換されることができ、また、エーテルまたはエステル官能基を含有することができ、
およびRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールおよびアルコキシから成る群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(発明を実施するための好ましい形態)
本発明に従って、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2−メルカプトチアゾリンおよび2−メルカプトベンズイミダゾールの各種エポキシドとの反応生成物は、潤滑剤用の無灰耐磨耗添加剤として有用である。上記のように、さらに具体的には、本発明は、
(A)潤滑剤、および
(B)次式のアルコールから成る群から選択される少なくとも1個の化合物
を含む組成物を指向し、
【化10】


および
【化11】


式中、
Yは、窒素またはイオウ、好ましくはイオウであり、
、R、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルカリール、アリール、アルコキシおよびアルキルエステルから成る群から選択され、好ましくは水素であり、
は、水素、アルキル、アルコキシ、式(CHCOのカルボキシアルキルから成る群から選択され、
式中、pは1〜18であり、Rはヒドロカルビルであり、
は水素、CHOR11、アルキルおよびアルケニルから成る群から選択され、
当該アルキルおよびアルケニル基は、任意に、OH、オキシランまたはXで置換され、
11は、炭素原子1〜36個のアルキル、炭素原子6〜約50個のアルカリール、およびアリールから成る群から選択され、かつ、エーテルまたはエステル官能基を含有でき、
Xは、
【化12】


または、
【化13】


の式を有し、
あるいは、RおよびRは、融合し、炭素原子3〜10個、好ましくは5または6個の環を形成し、これが、さらに、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールまたはアルコキシ基で置換されることができ、エーテルまたはエステル官能基を含有でき、
およびRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールまたはアルコキシから成る群から選択される。
【0020】
本発明の潤滑剤は、潤滑油であるのが特に好ましい。
【0021】
他に規定されない限り、本発明の実施に用いられるアルコールの上記の記述において、参照されたいずれのアルキルまたはアルケニル基も、もしくは、当該基団を含むいずれかの部分、例えばアルコキシ基は、1〜18個の炭素原子を有するのが好ましい。
【0022】
本明細書で使用する場合、用語「ヒドロカルビル」は、炭化水素、並びに、実質的に炭化水素基を含む。「実質的に炭化水素」は、ヘテロ原子置換基を含有する基団を示し、主として当該基団の炭化水素の性質を変化させない。
【0023】
ヒドロカルビル基の例は、以下のものを含み、
(1)炭化水素置換基、即ち、脂肪族(例、アルキルまたはアルケニル)、脂環式(例シクロアルキル、シクロアルケニル)置換基、芳香族置換基、芳香族−、脂肪族‐および脂環式‐置換芳香族置換基など、並びに、環が分子の別の部分を介して完成される環状置換基(即ち、例えば、いずれかの2種類の指示置換基が合わせて脂環式ラジカルを形成する)、
(2)置換炭化水素置換基、即ち、本発明の文脈上、当該置換基の、主に、炭化水素の性質を変化させない非炭化水素基を含有する置換基で、当業者が、当該基団を気付くことになり(例、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、スルフォキシなど)、
(3)へテロ原子置換基、即ち、主として、本発明の前後関係の範囲内の炭化水素の特性を有しながら、その他が炭素原子から成る環または鎖の中に存在する炭素以外の原子を含有することになる置換基(例、アルコキシまたはアルキルチオ)である。適切なヘテロ原子は、当該技術の普通の熟練者に明らかになり、例えばイオウ、酸素、窒素、および、ピリジル、フリル、チエニル、イミダゾリルなどの置換基を含む。好ましくは、当該ヒドロカルビル基の全10個の炭素原子ごとに、約2種類を越えない、さらに好ましくは1種類を越えないヘテロ置換基が存在することになる。最も好ましくは、ヒドロカルビル基に当該へテロ置換基が存在しない、即ち、当該ヒドロカルビル基は、純粋に炭化水素である。
【0024】
上記の式中、Rはヒドロカルビルである。Rの例は、
非置換型フェニル、
1個以上のアルキル基で置換されたフェニル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、これらの異性体など、
1個以上のアルコキシ基で置換されたフェニル、例えば、メトキシ、エトキシプロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノノキシ、デコキシ、これらの異性体など、
1個以上のアルキルアミノまたはアリールアミノ基で置換されたフェニル、
ナフチルおよびアルキル置換ナフチル、
直鎖または枝分れ鎖アルキルまたはアルケニル基であって、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、オレイル、ノナデシル、エイコシル、ヘネイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、トリアコシル、それらの異性体など
さらに、
シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルおよびシクロドデシルなどの環状アルキル基、
を含むが、それらに制約されない。
【0025】
本発明の実施に用いられるアルコールの調製への使用に適したエポキシドは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシエイコサン、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド、フェニルプロピレンオキサイド、4−ノニルフェニルグリシダルエーテル、ブチルグリシダルエーテル、2−エチルヘキシルグリシダルエーテル、C〜C18アルキルグリシダルエーテル、グリシダルヘキサデシルエーテル、O−クレシルグリシダルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシダルエーテル、1,2−エポキシ−2−フェノキシプロパン、フルフリルグリシダルエーテル、グリシダル4−メトキシフェニルエーテル、グリシダル2−メチルフェニルエーテル、不飽和C〜C36カルボン酸のエポキシ化C〜C18エステル、特にC12〜C20酸のエポキシ化エステル(例、エポキシ化タル油酸メチル、エポキシ化タル油酸ブチル、エポキシ化タル油酸2−エチルヘキシル、エポキシ化タル油酸オクチル、および、エポキシ化オレイン酸メチル、エポキシ化オレイン酸ブチル、エポキシ化オレイン酸2−エチルヘキシル、エポキシ化オレイン酸オクチルなど)、エポキシ化不飽和油、(例、エポキシ化大豆油、エポキシ化ナタネ油など)を含む。適正条件下で、ビニルシクロヘキサンジエポキシドおよびグリセロールプロポキシレート・トリグリシダルエーテルおよび1個以上のエポキシド部分を含有する類似試薬から、適切な可溶性を有する誘導体を調製し、機能材料を生成できる、と予想される。適正条件下で、2−メルカプトベンズオキサゾールおよび、機能材料を生成すると思われる本明細書に記述のエポキシド試薬からも、適切な可溶性を有する誘導体を調製できる、と予想される。
【0026】
特定の条件下で、窒素との前記エポキシドの反応によって、反応混合物の少なくとも一部に対する複素環窒素の置換を達成できることが、当業者に明らかになる。それほどではないが、前記エポキシド基(オキシラン)内部の位置(2−位)での、複素環分子、特にそのメルカプト基の置換によって、一級アルコールの生成を予想することもできる。
【0027】
本発明の実施での使用に好ましいアルコール添加剤は、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−デカノール、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−ドデカノール、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−テトラデカノール、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−ヘキサデカノール、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−オクタデカノール、2−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−シクロヘキサノール,α−[(2−ベンゾチアゾイルチオ)メチル]−ベンゼンメタノール、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−3−(4−ノニルフェノキシ)−プロパン−2−オール、エポキシ化タル油酸2−エチルヘキシルのメルカプトベンゾチアゾールとの反応生成物、エポキシ化大豆油のメルカプトベンゾチアゾールとの反応生成物、2−チアゾイルチオ−シクロヘキサノール、1−チアゾイルチオ−2−ドデカノール、1−ベンズイミダゾイルチオ−2−ドデカノールなどを含むが、それらに制約されない。
【0028】
本発明の実施での使用に特に好ましいアルコール添加剤は、以下の構造を有する化合物を含み、
【化14】


式中、
n=1〜約36、さらに好ましくは1〜約18、最も好ましくは8〜12であり、
【化15】


(この場合、上記一般式のRとRは、融合されている)
【化16】


式中、
ZCHCH(OH)R基は、メルカプトベンゾチアゾールの、エポキシ化不飽和酸エステル(オレイン酸、リノール酸、リノレン酸またはエレオステアリン酸のエポキシ化エステル、あるいは、エポキシ化タル油(タル油酸)エステルとの反応物からの残基であり、タル油酸およびオレイン酸エステルが好ましい実施態様であり、タル油酸2−エチルヘキシルの反応生成物が特に好ましく、
【化17】


式中、
11は、C〜約C18アルキル、さらに好ましくはC4〜12、またはアリールまたはアルキル置換アリール、特にノニルフェニルなどのC〜C12置換フェニルである。
【0029】
本発明のアルコール添加剤は、現在使用されているジアルキルジチオリン酸亜鉛の部分または完全代替物として使用できる。当該添加剤は、潤滑油中に典型的に見られる他の添加剤、並びに、他の無灰耐磨耗添加剤と配合しても使用できる。本発明のベンゾチアゾイルチオアルコール添加剤は、これらの他の典型的添加剤と相乗効果も示し、オイル性能特性を向上させることもできる。潤滑油中に典型的に見られる添加剤は、例えば、分散剤、清浄剤、腐蝕防止/錆止め剤、酸化防止剤、耐磨耗剤、消泡剤、摩擦調整剤、シール膨潤剤、解乳化剤、粘度指数(VI)向上剤、流動点降下剤などである。例えば、有用な潤滑油組成物添加剤の記述については、米国特許第5,498,809号を参照されたい。当該特許の開示内容は、参照することによって、本明細書にそのまま組み入れられている。分散剤の例は、ポリイソブチレンスクシンイミド、コハク酸ポリイソブチレンエステル、Mannich塩基無灰分散剤などを含む。清浄剤の例は、金属フェネート、金属硫化フェネート、スルホン酸金属塩、アルキルサリチル酸金属塩などを含む。酸化防止剤の例は、アルキル化ジフェニルアミン、N−アルキル化フェニレンジアミン、アルキル化フェニルα−ナフチルアミン、ヒンダードフェノール、アルキル化ハイドロキノン、ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、アルキリデンビスフェノール、油溶性銅化合物などを含む。本発明の添加剤との配合で使用可能な耐磨耗添加剤の例は、有機ホウ酸塩、有機亜リン酸塩、有機イオウ含有化合物、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジアリールジチオリン酸亜鉛、リン硫化炭化水素などを含む。以下は、当該添加剤の典型例であり、Lubrizol Corporationから市販されている。即ち、とりわけ、Lubrizol 677A、Lubrizol 1095、Lubrizol 1097、Lubrizol 1360、Lubrizol 1395、Lubrizol 5139、Lubrizol 5604である。摩擦調整剤の例は、脂肪酸エステルおよびアミド、有機モリブデン硫化および非硫化化合物、ジアルキルチオカルバミン酸モリブデン、ジアルキルジチオリン酸モリブデンなどを含む。消泡剤の例は、ポリシロキサンなどである。錆止め剤の例は、ポリオキシアルキレンポリオールなどである。VI向上剤の例は、オレフィンコポリマーおよび分散剤オレフィンコポリマーなどを含む。流動点降下剤の例は、ポリメタクリレートなどである。
【0030】
使用可能な代表的な普通の耐磨耗剤は、例えば、ジアルキルジチオリン酸亜鉛およびジアリールジチオリン酸亜鉛を含む。
【0031】
適切なリン酸塩は、ジチオリン酸ジヒドロカルビルを含み、この場合、ヒドロカルビル基は、少なくとも平均3個の炭素原子を含有する。特に有用なのは、少なくとも1個のジヒドロカルビルジチオリン酸の金属塩であり、この場合、ヒドロカルビル基は、少なくとも平均3個の炭素原子を含有する。ジチオリン酸ジヒドロカルビルを誘導できる酸は、次式の酸で表すことができ、
【化18】


式中、
およびRは、同一でも、異なることもでき、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アルカリールまたは前記基団のいずれかの置換された実質的に炭化水素ラジカル誘導体であり、
当該酸中のRおよびRは、それぞれ、平均して少なくとも3個の炭素原子を有する。「実質的に炭化水素」は、ラジカルであって、当該ラジカルの炭化水素特性に実質的に(物質として)影響を与えないエーテル、エステル、ニトロ、または、ハロゲンなどの置換基(ラジカル部分1個当たり置換基1〜4個)を含有するラジカルを意味する。
【0032】
適切なRおよびRラジカルの具体例は、イソプロピル、イソブチル、n−ブチル、sec−ブチル、n−ヘキシル、ヘプチル、2−エチルヘキシル、ジイソブチル、イソオクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ブチルフェニル、o,p−デペンチルフェニル、オクチルフェニル、ポリイソブテン−(分子量350)−置換フェニル、テトラプロピレン−置換フェニル、β−オクチルブチルナフチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、クロロフェニル、クロロペンチル、o−ジクロロフェニル、ブロモフェニル、ナフチルフェニル、2−メチルシクロヘキシル、ベンジル、クロロベンジル、クロロペンチル、ジクロロフェニル、ニトロフェニル、ジクロロデシルおよびキセニルラジカルを含む。炭素原子約3〜約30個を有するアルキルラジカル、および、炭素原子約6〜約30個を有するアリールラジカルが好ましい。特に好ましいRおよびRラジカルは、炭素原子4〜18個のアルキルである。
【0033】
ジチオリン酸は、五硫化リンとアルコールまたはフェノールの反応によって容易に入手可能である。当該反応は、温度約20℃〜200℃での、アルコールまたはフェノール4モルの五硫化リン1モルとの混合を含む。当該反応が起こると、硫化水素が放出される。アルコール、フェノールまたはその両方の混合物、例えば、C〜C30アルコール、C〜C30芳香族アルコールなどの混合物、を用いることができる。
【0034】
リン酸塩の生成に有用な金属は、I群金属、II群金属、アルミニウム、鉛、錫、モリブデン、マンガン、コバルトおよびニッケルを含む。亜鉛が、好ましい金属である。前記酸と反応可能な金属化合物の例は、酸化リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、リチウムペンチレート(=ペントキシド)、酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメチレート(=メトキシド)、ナトリウムプロピレート(=プロポキシド)、ナトリウムフェノキシド、酸化カリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、カリウムメチレート、酸化銀、炭酸銀、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、マグネシウムエチレート、マグネシウムプロピレート、マグネシウムフェノキシド、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、カルシウムメチレート、カルシウムプロピレート、カルシウムペンチレート、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、亜鉛プロピレート、酸化ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、酸化カドミウム、水酸化カドミウム、炭酸カドミウム、カドミウムエチレート、酸化バリウム、水酸化バリウム、バリウム水和物、炭酸バリウム、バリウムエチレート、バリウムペンチレート、酸化アルミニウム、アルミニウムプロピレート、酸化鉛、水酸化鉛、炭酸鉛、酸化錫、錫ブチレート、酸化コバルト、水酸化コバルト、炭酸コバルト、コバルトペンチレート、酸化ニッケル、水酸化ニッケルおよび炭酸ニッケルを含む。
【0035】
ある場合、特定の成分、特に、金属反応物質と併用して使用される、少量の酢酸金属塩または酢酸などのカルボン酸またはカルボン酸金属塩、の取り込みは、当該反応を促進し、改良された生成物を生じる。例えば、所要量の酸化亜鉛と配合した約5%までの酢酸亜鉛の使用は、ジチオリン酸亜鉛の形成を促進する。
【0036】
ジチオリン酸金属塩の調製は、技術上周知であり、米国特許第3,293,181号、第3,397,145号、第3,396,109号、第3,442,804号を含む多数の交付済み特許に記述されており、それらの開示内容は、参照することによって本明細書に組み入れられている。耐磨耗添加剤としても有用なのは、米国特許第3,637,499号に記述されているものなど、ジチオリン酸化合物のアミン誘導体であり、当該特許の開示内容は、参照することによって、そのまま本明細書に組み入れられている。
【0037】
亜鉛塩は、潤滑油中の耐磨耗添加剤として、当該潤滑油組成物の総重量に基づいて0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜2重量%の量で使用されるのが最も一般的である。当該亜鉛塩は、周知の技術に従って、最初に、通常、アルコールまたはフェノールのPとの反応によってジチオリン酸を形成し、次に、当該ジチオリン酸を適切な亜鉛化合物で中和することによって調製できる。
【0038】
アルコール混合物は、一級および二級アルコール混合物を含めて使用できる。二級アルコールは、一般に、耐磨耗性を向上させ、一級アルコールは、熱安定性を付与する。これら2種類のアルコールの混合物が特に有用である。一般に、どんな塩基性または中性の亜鉛化合物でも使用できるが、酸化物、水酸化物および炭酸塩が最も一般的に用いられている。市販添加剤は、中和反応において過剰の塩基性亜鉛化合物を使用するため、過剰の亜鉛を含有することが多い。
【0039】
亜鉛ジヒドロカルビルジチオフォスフェート(ZDDP)は、ジチオリン酸のジヒドロカルビルエステルの油溶性塩であり、次式によって表すことができ、
【化19】


式中、
およびRは、前式に関して述べたとおりである。
【0040】
本発明の実施での使用に特に好ましい添加剤は、アルキル化ジフェニルアミン、ヒンダードアルキル化フェノール、ヒンダードアルキル化フェノールエステル、ジチオカルバミン酸モリブデン、金属フェナート、金属硫化フェナート、スルホン酸金属塩、アルキルサリチル酸金属塩を含む。
【0041】
潤滑剤組成物
組成物は、これらの添加剤を含有する場合、当該組成物中の添加剤が通常の付随機能を提供するのに有効であるような量でベースオイル中にブレンドされるのが典型的である。当該添加剤の代表的な有効量を表1に示す。
【表1】

【0042】
他の添加剤を用いる場合、必ずではないが、本発明の対象添加剤の濃縮溶液または分散液を前記の他の添加剤の1種類以上と合わせて、添加剤濃縮物を調製し(添加剤パッケージとして本明細書に言及されている添加剤混合物である場合は、前記濃縮物)するのが望ましいと思われ、それによって、数種類の添加剤を前記基油に一斉に添加し、潤滑油組成物を形成することができる。当該添加剤濃縮物の潤滑油への溶解は、溶媒によって、および/または、軽度加熱しながら混合することによって促進できるが、これは不可欠ではない。当該濃縮物または添加剤パッケージは、典型的には、当該添加剤パッケージを所定量の基本潤滑剤と配合する場合に、最終配合物中に望みの濃度を提供する適正量で添加剤を含有するように配合される。よって、本発明の対象添加剤は、少量のベースオイルまたは他の相溶性溶媒に、他の望みの添加剤と共に添加し、残りのベースオイルと、適当な比率で、典型的には添加剤約2.5〜約90重量%、好ましくは約15〜約75重量%、さらに好ましくは約25〜約60重量%の総量で添加剤中に有効成分を含有する添加剤パッケージを形成することができる。最終配合物は、典型的には、約1〜20重量%の残りのベースオイルとの添加剤パッケージを使用できる。
【0043】
本明細書で表示される全重量%(他に規定されない限り)、当該添加剤の有効成分(AI)含量、および/または、いずれかの添加剤パッケージまたは配合物の総量に基づいており、これは、各添加剤のAI重量+全オイルまたは希釈剤の重量の和になる。
【0044】
一般に、本発明の潤滑剤組成物は、約0.05〜約30重量%の範囲の濃度の添加剤を含有する。オイル組成物の総重量に基づいた約0.1〜約10重量%の範囲の添加剤の濃度範囲が好ましい。さらに好ましい濃度範囲は、約0.2〜約5重量%である。当該添加剤のオイル濃縮物は、キャリアまたは潤滑油粘度希釈剤中に、約1〜約75重量%の添加剤反応生成物を含有できる。
【0045】
一般に、本発明の添加剤は、多様な潤滑油ベースストック中で有用である。当該潤滑油ベースストックは、100℃で約2〜約200cSt、さらに好ましくは約3〜約150cSt、最も好ましくは約3〜約100cStの動粘度を有するいずれかの天然または合成潤滑油ベースストック画分である。潤滑油ベースストックは、天然潤滑油、合成潤滑油またはそれらの混合物から誘導できる。適切な潤滑油ベースストックは、合成ワックスおよびワックスの異性化によって得られるベースストック、並びに、原油の芳香族および極性成分の(溶媒抽出よりもむしろ)水素化分解によって生成される水素化分解物ベースストックを含む。天然潤滑油は、ラード油などの動物油、植物油(例、ナタネ油、ヒマシ油、ヒマワリ油)、石油、鉱物油、石炭またはシェール油から誘導されるオイルを含む。
【0046】
合成油は、炭化水素油およびハロ置換炭化水素油を含み、重合および共重合オレフィン、アルキルベンゼン、ポリフェノール、アルキル化ジフェニルエーテル、アルキル化ジフェニルスルフィド、並びに、それらの誘導体、類似体、同族体などである。合成潤滑油は、アルキレンオキサイドポリマー、共重合体、コポリマーおよびそれらの誘導体も含み、その場合、末端ヒドロキシル基は、エステル化、エーテル化などで修飾されている。
【0047】
別の適切なクラスの合成潤滑油は、ジカルボン酸の多様なアルコールとのエステルを含む。合成油として有用なエステルは、C〜C20モノカルボン酸およびポリオールおよびポリオールエーテルから生成されるものも含む。
【0048】
珪素系油(ポリアルキル−、ポリアリール−、ポリアルコキシ−、またはポリアリールオキシ−シロキサン油およびシリケート油など)は、別の有用なクラスの合成潤滑油を含む。他の合成潤滑油は、リン含有酸の液体エステル、重合テトラヒドロフラン、ポリα−オレフィンなどを含む。
【0049】
潤滑油は、非精製油、精製油、再精製油またはそれらの混合油から誘導できる。非精製油は、天然資源または合成資源(例、石炭、シェールまたはタールおよびビチューメン)から、精製や処理を追加せずに、直接得られる。非精製油の例は、それぞれ、レトルト操作から直接得られるシェール油、蒸留から直接得られる石油、またはエステル化法から直接得られるエステル油を含み、それぞれ、その後、追加処理を行わずに使用される。精製油は、1種類以上の性質を向上させるために当該精製油が1回以上の精製段階で処理されている点を除いて、非精製油と同様である。適切な精製技術は、蒸留、水素化精製、脱ロウ、溶媒抽出、酸または塩基抽出、濾過、パーコレーションなどを含み、これらは、すべて、当業者に周知である。再精製油は、精製油の入手に使用される方法と同様の方法で精製油を処理することによって得られる。これらの再精製油は、再生(reclaimed)油または再加工(再生、reprocessed)油としても周知であり、しばしば、使用済み添加剤およびオイル分解物の除去技術によって追加的に加工される。
【0050】
ワックスの水素異性化から誘導される潤滑油ベースストックも、単独で、あるいは、前記の天然および/または合成ベースストックと配合して使用することができる。当該ワックス異性化油は、水素異性化触媒上、天然または合成ワックスまたはそれらの混合物の水素異性化によって生成される。天然ワックスは、典型的には、鉱物油の溶媒脱ロウによって回収されるスラックワックスであり、合成ワックスは、典型的には、Fischer−Tropsch法によって生成されるワックスである。得られた異性体は、典型的には、溶媒脱ロウおよび分画に供され、特定の粘度範囲を有する各種分画が回収される。ワックス異性体は、非常に高い粘度指数、一般に少なくとも130、好ましくは少なくとも135以上のVIを有し、脱ロウ後、約−20℃以下の流動点を有することも特徴とする。
【0051】
本発明の添加剤は、多様な燃料および潤滑油組成物の成分として、特に有用である。当該添加剤は、天然および合成潤滑油およびそれらの混合物を含めた様々な、潤滑粘度を有するオイル中に含まれることができる。当該添加剤は、火花着火および圧縮着火式内燃エンジン用クランクケーキ潤滑油に含まれることができる。当該組成物は、ガスエンジン潤滑剤、タービン潤滑剤、自動変速用オイル、ギア潤滑剤、コンプレッサー潤滑剤、工作油、作動油、および他の潤滑油およびグリース組成物中でも使用できる。当該添加剤は、自動車燃料組成物中でも使用できる。
【0052】
本発明の長所および重要な特徴は、以下の実施例からさらに明らかになる。
【実施例】
【0053】
四球耐磨耗性試験
完全配合潤滑油中のメルカプトベンゾチアゾール‐エポキシド反応生成物の耐磨耗性を、ASTM D 4172試験条件下で、四球磨耗試験において測定した。これらの実施例の試験は、Falex変速四球磨耗試験機で実施した。4つの球を正四面体に配列する。下位の3つの球を、潤滑剤を満たした試験カップにしっかりと固定する。上位の球は、モーター駆動チャック(掴み器)で保持する。上位の球を下位の固定球と反対方向に回転させる。重り/レバーアーム装置で上方に荷重をかける。荷重は、連続可変空圧荷重装置で行う。ヒーターを作動させ、昇温させる。3つの固定スチール球を被験サンプル10mL中に沈め、4つ目のスチール球を3つの固定球の最上部で回転させ、点々接触させる。装置は、75℃、荷重40kg、回転速度1,200rpmで作動させる。完全配合潤滑油は、モーターオイル中に典型的に見られる全添加剤(表1に示すとおりの各種耐磨耗剤を含む)、並びに、0.5重量%クメンヒドロパーオキサイドを含有し、運転中のエンジン内の環境を模倣するのに役立てる。当該添加剤をモーターオイル配合物中の有効性について検討し、ジチオリン酸亜鉛を含有する同一配合物および含有しない配合物と比較する。
【0054】
一部のこれらの添加剤の性能は、四球磨耗試験において、比較対照のジチオリン酸亜鉛(ZDDP)の性能よりも優れている。表1を参照されたい。
【0055】
Cameron−Plint TE77高周波摩擦機耐磨耗試験
これらの製品の耐磨耗性の測定に使用する別の試験法は、プレート上の滑り球に基づくCameron−Plint試験である。試験パーツ(硬度800±20kg/mmの直径6mm AISI 52100スチール球、および、RC 60/0.4ミクロンの硬化研磨NSOH B01ゲージプレート)を、工業用ヘキサンでゆすいだ後、15分間超音波処理する。この手順をイソプロピルアルコールで繰り返す。被験パーツを窒素で乾燥し、TE77にセットする。油浴をサンプル10mlで満たす。当該試験を周波数30ヘルツ、荷重100ニュートン、振幅2〜35mmで実施する。当該試験は、室温下、試験パーツおよびオイルで開始する。直ちに、温度を15分間かけて50℃まで上昇させ、15分間保つ。次に、温度を15分間かけて100℃まで急上昇させ、45分間保つ。3回目に温度を15分間かけて150℃まで上昇させた後、最後に、150℃で15分間保つ。当該試験の合計時間は、2時間である。当該試験終了時、Leica Stereo Zoom(登録商標)立体顕微鏡およびMitutoyo 164シリーズDigimatic Headを使って、6mm球の磨耗痕直径を測定する。
【0056】
(実施例1)
1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−デカノール
【化20】


100mlの四つ口フラスコ(攪拌機、冷却器、熱電対プローブおよびジョウゴ装備)に、1,2−エポキシデカン15.0g(Sigma−Aldrichから入手、95%)を仕込んだ。当該エポキシドを、攪拌しながら110℃まで加熱した。メルカプトベンゾチアゾール15.8g(Crompton)を、30分間かけて添加した。反応物を、110℃で60分間攪拌し、室温まで冷却した。当該反応物をヘキサン中に取り込み、水酸化ナトリウム水溶液で抽出した。トルエンおよび希酢酸を添加し、混合物を分離させた。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、ロータリーエバポレーションで溶媒を除去し、淡黄色の液体24.7gを得た。
【0057】
(実施例2)
1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−ドデカノール
100mlの四つ口フラスコ(攪拌機、冷却器、熱電対プローブおよびジョウゴ装備)に、1,2−エポキシドデカン18.4g(95%)を仕込んだ。当該エポキシドを、攪拌しながら110℃まで加熱した。メルカプトベンゾチアゾール16.7g(Crompton)を、30分間かけて添加した。反応物を、110℃で60分間攪拌し、冷却した。
【0058】
オレンジ色の液体生成物をヘキサン30gに溶解し、攪拌した。沈殿が生じ、これを、濾過によって除去した。反応混合物は、一晩放置すると、混濁した。当該反応混合物に2回目の濾過を行い、ロータリーエバポレーションでヘキサンを除去し、コハク色の液体29.5gを得た。
【0059】
(実施例3)
1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−テトラデカノール
100mlの四つ口フラスコ(攪拌機、冷却器、熱電対プローブおよびジョウゴ装備)に、1,2−エポキシテトラデカン25.2g(Sigma−Aldrichから入手、85%)を仕込んだ。当該エポキシドを、攪拌しながら110℃まで加熱した。メルカプトベンゾチアオゾール16.7g(Crompton)を、30分間かけて添加した。反応物を、110℃で30分間攪拌し、3日間室温での放置により固化する粘性黄色液体40.9gを得た。
【0060】
(実施例4)
1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−ヘキサデカノール
100mlの四つ口フラスコ(攪拌機、冷却器、熱電対プローブおよびジョウゴ装備)に、1,2−エポキシヘキサデカン28.2g(Sigma−Aldrichから入手、85%)を仕込んだ。当該エポキシドを、攪拌しながら110℃まで加熱した。メルカプトベンゾチアゾール16.7g(Crompton)を、30分間かけて添加した。反応物を、110℃で30分間攪拌し、冷却時固化する粘性黄色液体44.1gを得た。
【0061】
(実施例5)
1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−オクタカノール
100mlの四つ口フラスコ(攪拌機、冷却器、熱電対プローブおよびジョウゴ装備)に、1,2−エポキシオクタデカン25.0g(Sigma−Aldrichから入手、85%)を仕込んだ。当該エポキシドを、攪拌しながら110℃まで加熱した。メルカプトベンゾチアゾール13.3g(Crompton)を、30分間かけて添加した。反応物を、30分間攪拌し、冷却時固化する粘性黄色液体37.5gを得た。
【0062】
(実施例6)
2−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−シクロヘキサノール
【化21】


500mlの四つ口フラスコ(攪拌機、冷却器、熱電対プローブおよびジョウゴ装備)に、シクロヘキセンオキサイド98.2gを仕込んだ。当該エポキシドを、攪拌しながら110℃まで加熱した。メルカプトベンゾチアゾール(167.3g)を約45分間かけて添加した。添加は、反応温度を119℃よりも低く保つ速度で行った。次に、反応物を110℃で60分間攪拌した後、室温まで冷却した。収量、赤色液体255.5g。
【0063】
(実施例7)
2−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−シクロヘキサノール
500mlの四つ口フラスコ(攪拌機、冷却器、熱電対プローブおよびジョウゴ装備)に、シクロヘキセンオキサイド(Sigma−Aldrichから入手、98%)98.2gを仕込んだ。当該エポキシドを、攪拌しながら110℃まで加熱した。メルカプトベンゾチアゾール167.3g(Crompton)を約45分間かけて添加した。添加は、反応温度を119℃よりも低く保つ速度で行った。次に、反応物を110℃で60分間攪拌した後、室温まで冷却した。収量、赤色液体255.5g。
【0064】
(実施例8)
α−[(2−ベンゾチアゾイルチオ)メチル]−ベンゼンメタノール
【化22】


100mlの四つ口フラスコ(攪拌機、冷却器、熱電対プローブおよびジョウゴ装備)に、スチレンオキサイド(Sigma−Aldrichから入手、97%)24.0gを仕込んだ。当該エポキシドを、攪拌しながら110℃まで加熱した。メルカプトベンゾチアゾール33.4g(Crompton)を約50分間かけて添加した。添加は、反応温度を120℃よりも低く、一般には115℃よりも低く保つ速度で行った。次に、反応物を105℃で60分間攪拌した後、室温まで冷却した。収量、粘性褐色液体55.3g。
【0065】
(実施例9)
1−(2−ベンゾイルチアゾイルチオ)−3−(4−ノニルフェノキシ)−プロパン−2−オール
【化23】


100mlの三つ口フラスコ(攪拌機、窒素流入口、熱電対プローブ装備)に、グリシダル4−ノニルフェニルエーテル(Sigma−Aldrichから入手、工業用)22.4gおよびメルカプトベンゾチアゾール12.5g(Crompton)を仕込んだ。混合物を攪拌しながら105℃まで加熱した。135℃までの発熱後、反応物を冷却し、110℃で約80分間維持した。生成物を室温まで冷却し、キシレンに取り込み、希水酸化ナトリウムで抽出し、水で2回洗浄した。溶媒をロータリーエバポレーションで除去し、粘性、透明、コハク色の液体を得た。
【0066】
(実施例10)
エポキシ化タル油酸2−エチルヘキシルのメルカプトベンゾチアゾールとの反応生成物
250mLのフラスコに、Drapex(登録商標)4.4エポキシ化タル油酸2−エチルヘキシル57.38g(Crompton)を仕込んだ後、110℃まで加熱した。メルカプトベンゾチアゾール28.06gを1〜2gづつ110分間に亘って添加した。添加中、温度を108〜112℃に保った。反応混合物を110℃でさらに25分間攪拌し、次に、キシレンに取り込み、添加用漏斗に移した。イソプロパノールを添加し、反応混合物を50mLの0.4%NaOHおよび50mLの水で抽出した。酢酸エチルを添加し、反応混合物を希NaOHと、次に、水で2回抽出した。反応混合物を水で洗浄した。ロータリーエバポレーションで溶媒を除去し、粘性透明のコハク色液体82.0gを得た。
【0067】
(実施例11)
エポキシ化タル油酸2−エチルヘキシルのメルカプトベンゾチアゾールとの反応生成物
オーバーヘッドスターラー、冷却器、窒素流入口、熱電対および下部流出バルブを装備した1L重合がまにDrapex4.4エポキシ化タル油酸2−エチルヘキシル252.1g(Crompton)を仕込んだ後、攪拌しながら110℃まで加熱した。次に、メルカプトベンゾチアゾール117.1gを35分間かけてフラスコにゆっくりと添加した。次に、反応物を110℃で1時間攪拌した。その後、キシレンを添加した。次に、反応混合物をNaOH水溶液で抽出し、70℃の水で2回洗浄した。ロータリーエバポレーションで溶媒を除去し、粘性透明の濃コハク色液体341.9gを得た。
【0068】
(実施例12)
エポキシ化大豆油のメルカプトベンゾチアゾールとの反応生成物
250mLのフラスコに、エポキシ化大豆油52.06g(Crompton)を仕込んだ後、110℃まで加熱した。メルカプトベンゾチアゾール38.0gを1〜2gづつ120分間をかけて添加した。添加中、温度を108〜112℃に保った。反応混合物を110℃でさらに25分間攪拌し、次に、キシレンに取り込み、添加用漏斗に移した。イソプロパノールおよび酢酸エチルを添加し、反応混合物を希NaOHと、次に、水で、2回抽出した。ロータリーエバポレーションで溶媒を除去し、粘性透明のコハク色液体86.1gを得た。
【0069】
(実施例13)
2−チアゾイルチオ−シクロヘキサノール
【化24】


シクロヘキセンオキサイド(0.078mol)を22℃の水/イソプロパノール中メルカプトチアゾリンナトリウム0.076molに1時間かけて添加した。反応物を、36℃で1時間攪拌した。生成物を酢酸エチルに取り込み、希酢酸で抽出した。当該生成物を水で洗浄した後、イソプロパノールを添加し、再度、生成物を水で洗浄した。生成物の混合物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、2℃で保存した。生成物を白色結晶(3.88g、針状、mp81〜82.5℃)として単離した。
【0070】
(実施例14)
1−チアゾイルチオ−2−ドデカノール
【化25】


オーバーヘッドスターラー、窒素流入口および熱電対を装備した100mLの三口フラスコに、水酸化ナトリウム2.19g、水32ml、次に、メルカプトチアゾリン6.38gを仕込んだ。1,2−エポキシドデカンを、23℃で、シリンジで、25分間かけて添加した。反応物を70℃まで加熱し、イソプロパノール30mLを添加した。反応物を65℃で30分間攪拌した後、分液漏斗に移した。水相を除去した。対象材料をイソプロパノール、酢酸エチルおよびキシレンで希釈し、希酢酸で洗浄し、次に、水で2回洗浄した。ロータリーエバポレーションで溶媒を除去し、放置時に結晶化する透明オイル16.1gを得た。
【0071】
(実施例15)
1−ベンズイミダゾイルチオ−2−ドデカノール
【化26】


オーバーヘッドスターラー、窒素流入口および熱電対を装備した100mLの三口フラスコに、水酸化ナトリウム1.52g、水15ml、次に、イソプロパノール15mLを仕込んだ。メルカプトベンズイミダゾール5.42gを添加した。生じた透明溶液を4℃まで冷却した。1,2−エポキシドデカン7.5mLを添加し、反応物を4〜6℃で30分間攪拌した後、16℃まで加温した。氷酢酸2.2mLを添加した。有機部分をキシレンおよび酢酸エチルに取り込み、水で2回洗浄した。ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、オイル6.3gを得た。当該オイルは、放置時、固化し、光沢のある白色フレークになった。
【0072】
(実施例16)
1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−3−ブチオキシ−プロパン−2−オール
【化27】


100mLのフラスコに、メルカプトベンゾチアゾールナトリウム25重量%溶液46gを仕込んだ。次に、ブチルグリシダルエーテルを、23℃で、この溶液にゆっくりと添加した。その後、この混合物を25℃で2.0時間攪拌した。次に、当該反応混合物を酢酸でpH9とし、キシレン中に抽出した。次に、このキシレン溶液を、75℃下、水で2回洗浄した。ロータリーエバポレーションで揮発性物質を除去し、黄色液体15.7gを得た。
【0073】
【表2−1】


【表2−2】

【0074】
本発明を基礎付ける原理から逸脱することなく実施可能な多くの変更および修正を考慮して、本発明に与えられた保護範囲の理解のために、添付された特許請求の範囲を参照されたい。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)潤滑剤、および
(B)次式のアルコールから成る群から選択される少なくとも1個の化合物
を含む組成物であって、
当該式が
【化1】


および
【化2】


であり、
式中、
YがNまたはSであり、
、R、RおよびRが、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルカリール、アリール、アルコキシおよびアルキルエステルから成る群から選択され、
が、水素、アルキル、アルコキシ、式(CHCOのカルボキシルアルキル基から成る群から選択され、
式中、
pが1〜18であり、
がヒドロカルビルであり、
が、水素、CHOR11、アルキルおよびアルケニルから成る群から選択され、
この場合、
前記アルキルおよびアルケニル基が、場合により、OH、オキシランまたはXで置換され、
11が、炭素原子1〜36個のアルキル、炭素原子6〜約50個のアルカリール、およびアリールから成る群から選択され、かつ、エーテルまたはエステル官能基を含有でき、
Xが、
【化3】


または、
【化4】


の構造であり、
あるいは、RおよびRが、融合し、炭素原子3〜10個、好ましくは5または6個の環を形成し、これが、さらに、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールまたはアルコキシ基で置換されることができ、また、エーテルまたはエステル官能基を含有することができる組成物。
【請求項2】
Bが1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−デカノール、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−ドデカノール、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−テトラデカノール、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−ヘキサデカノール、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−オクタデカノール、2−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−シクロヘキサノール、α−[(2−ベンゾチアゾイルチオ)メチル]−ベンゼンメタノール、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−3−(4−ノニルフェノキシ)−プロパン−2−オール、エポキシ化タル油酸2−エチルヘキシルのメルカプトベンゾチアゾールとの反応生成物、エポキシ化大豆油のメルカプトベンゾチアゾールとの反応生成物、2−チアゾイルチオ−シクロヘキサノール、1−チアゾイルチオ−2−ドデカノール、1−ベンズイミダゾイルチオ−2−ドデカノールから成る群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
Bが
【化5】


であって、
式中、
n=1〜約36であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
Bが、
【化6】


であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
Bが、
【化7】


であって、
式中、
ZCHCH(OH)R基が、メルカプトベンゾチアゾールの、エポキシ化不飽和酸エステル、あるいは、エポキシ化タル油エステルとの反応物からの残基であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
Bが、
【化8】


であって、
式中、
11がC〜約C18アルキルまたはアリールまたはアルキル置換アリールであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記潤滑剤が潤滑油であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
Bが、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−デカノール、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−ドデカノール、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−テトラデカノール、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−ヘキサデカノール、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−2−オクタデカノール、2−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−シクロヘキサノール、α−[(2−ベンゾチアゾイルチオ)メチル]−ベンゼンメタノール、1−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−3−(4−ノニルフェノキシ)−プロパン−2−オール、エポキシ化タル油酸2−エチルヘキシルのメルカプトベンゾチアゾールとの反応生成物、エポキシ化大豆油のメルカプトベンゾチアゾールとの反応生成物、2−チアゾイルチオ−シクロヘキサノール、1−チアゾイルチオ−2−ドデカノール、1−ベンズイミダゾイルチオ−2−ドデカノールから成る群から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記アルコールが約0.01〜約10重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
さらに、分散剤、清浄剤、腐蝕防止/錆止め剤、粘度指数(VI)向上剤、流動点降下剤、酸化防止剤、摩擦調整剤から成る群から選択される少なくとも1種類の添加剤を含む、請求項8の組成物。
【請求項11】
さらに、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジアリールジチオリン酸亜鉛およびそれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
さらに、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジアリールジチオリン酸亜鉛およびそれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
さらに、アルキル化ジフェニルアミン、N−アルキル化フェニレンジアミン、アルキル化フェニルα−ナフチルアミン、ヒンダードアルキル化フェノール、ヒンダードアルキル化フェノールエステル、ジチオカルバミン酸モリブデン、金属フェネート、金属硫化フェネート、スルホン酸金属塩およびアルキルサリチル酸金属塩から成る群から選択される少なくとも1種類の添加剤を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項14】
次式の化合物
【化9】

【請求項15】
次式の化合物
【化10】

【請求項16】
次式の化合物
【化11】

【請求項17】
次式の化合物
【化12】

【請求項18】
次式の化合物
【化13】

【請求項19】
次式の化合物
【化14】

【請求項20】
次式の化合物
【化15】

【請求項21】
次式の化合物
【化16】

【請求項22】
次式の化合物
【化17】


【公開番号】特開2010−77451(P2010−77451A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6376(P2010−6376)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【分割の表示】特願2006−523224(P2006−523224)の分割
【原出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(505365356)ケムチュア コーポレイション (50)
【Fターム(参考)】