説明

濃縮シャンプー

25から38重量%のC10−C14エーテルスルフェートを清浄化用界面活性剤として含み、0.5から5%の塩を含み、組成物のゼロ剪断粘度が2から2000Pa.sであり、組成物が90容量%以上のネマチックディスコチック相の組成物を含む濃縮シャンプー組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は濃縮シャンプーに関する。
【背景技術】
【0002】
WO 94/16680は身体洗浄用濃縮組成物を開示している。
【0003】
US 2005/043194は単相の希釈増粘性組成物を開示している。
【0004】
US 2003/134760は透明なシャンプー組成物を開示している。
【0005】
EP−A−1250938は在宅手入れ用水溶性濃縮組成物を開示している。
【0006】
US 2003/215479は毛髪化粧用製品または皮膚化粧用製品の製造方法を開示している。
【0007】
WO 01/25378は構造化界面活性剤系を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第94/16680号
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/043194号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2003/134760号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1250938号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2003/215479号明細書
【特許文献6】国際公開第01/25378号
【発明の概要】
【0009】
従来技術にもかかわらず、改良された濃縮シャンプー組成物が依然として要望されている。
【0010】
そのような要望に応じて、請求項1に記載の濃縮シャンプー組成物が提供される。
【0011】
本発明の組成物の多くは相図ではネマチックディスコチック相で存在する。ネマチックディスコチック相は当業界の標準用語であり、NMR造影において容易に認められる非軸整列円盤によって容易に同定できる相を意味する。
【0012】
一般的なシャンプー組成物の相挙動としては、普通の非濃縮シャンプー組成物は等方性相で存在するであろう。一般的に界面活性剤濃度が高いときには六方相が存在するであろうが、この相は過度に粘性の組成物を与えるので一般の消費者には適さない。もっと高い界面活性剤濃度ではラメラ相が存在するであろうが、この相は等方性相と同じようには有効成分を配達することができない。それでも配合業者が標準的な非濃縮シャンプーを配合するときに相図を問題にすることは普通はほとんどない。これらの組成物のレオロジーは一般的には界面活性剤ミセルのサイズを増大するように塩によって調節される。言い換えると、塩は組成物を増粘するために使用される。六方相の組成物に対して、塩はそれらの組成物の相図をさらにラメラ相まで押し進めるであろう。しかしながらラメラ相の組成物はシリコーンのような材料の付着性がよくないのでシャンプー組成物には適さない。したがって、適正なレオロジーを有しているという点で等方性組成物のように挙動しながらも六方相またはラメラ相になることなくシリコーンのような材料を付着することができる組成物の製造が可能であることは驚嘆すべきである。
【0013】
われわれは、普通には六方相で存在する組成物に塩を添加してもその粘性が実際に増加しないこと、むしろ粘性が低下することを意外にも知見した。得られた組成物はネマチックディスコチック相で存在する。
【0014】
言い換えると、濃縮組成物に塩を添加したときに、ネマチックディスコチック相が形成され、この相は等方性相の組成物と同様のレオロジーを与える。
【0015】
好ましくはゼロ剪断粘度が10から200Pa.sである。
【0016】
好ましくは組成物が95容量%以上、好ましくは99容量%以上のネマチックディスコチック相の組成物を含む。
【0017】
組成物はシャンプー組成物に常用の界面活性剤をいずれか1種類含むかまたは混合物として含み得る。好ましくは界面活性剤が、アニオン性、非イオン性および双イオン性およびそれらの混合物から選択される。好ましくは、清浄化用界面活性剤がアニオン性界面活性剤である。
【0018】
濃縮シャンプー組成物中に存在する界面活性剤のレベルは濃縮の程度に相関関係を有しており、一般的には普通の非濃縮シャンプーに見出されるレベルの2倍または3倍である。
【0019】
好ましくは清浄化用界面活性剤が30から37重量%の量で存在する。
【0020】
好ましい実施態様において、清浄化用界面活性剤はC10−C14アルキルエーテルスルフェート、より好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウムを含む。より好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウムが1から3、最も好ましくは1から1.4の平均EO数を含む。
【0021】
濃縮シャンプーはまた、界面活性助剤を含む。好ましい界面活性助剤は両性界面活性剤である。より好ましくは、界面活性助剤がココアミドプロピルベタインまたはコカミドMEAである。
【0022】
好ましくは界面活性助剤が組成物の0.5から5重量%、より好ましくは1から3重量%、最も好ましくは組成物の1.5から2.5重量%の量で存在する。
【0023】
好ましくは組成物がアニオン性界面活性剤と界面活性助剤とを10:1から17:1、より好ましくは12:1から16:1、最も好ましくは13:1から15:1の重量比で含む。
【0024】
好ましくは塩がナトリウム塩であり、より好ましくは塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムから選択される。
【0025】
塩が塩化ナトリウムの場合、塩化ナトリウムが組成物の1から3重量%の量で存在するのが好ましい。
【0026】
塩が硫酸ナトリウムの場合、硫酸ナトリウムが組成物の2から4重量%の量で存在するのが好ましい。
【0027】
好ましくは濃縮シャンプーが油を含む。塩によって相構造の変化がもたらされ、濃縮シャンプー組成物はネマチックディスコチック相以外では可能でなかった材料を担持することができる。適切な材料は油を含む。
【0028】
好ましくは油が鉱油、植物油、動物油またはそれらの混合物から選択され、より好ましくは鉱油である。
【0029】
好ましくは濃縮シャンプーがココヤシ油およびパーム核油から選択された油を含み得る。
【0030】
本発明のシャンプーは増粘剤、真珠光沢剤、シリコーン、脂肪質、着色剤、香料などのようなシャンプー組成物に常用のいかなる材料も含み得る。
【実施例1】
【0031】
以下は標準方法によって製造された配合物である。
【0032】
【表1】

【実施例2】
【0033】
塩化ナトリウム
【0034】
【表2】

A 0%のNaCl
B 0.5%のNaCl
C 1%のNaCl
D 2%のNaCl

L1 等方性相
NK ネマチックディスコチック相
La ラメラ相
H1 六方相
【0035】
硫酸ナトリウム
【0036】
【表3】

A 0%の硫酸ナトリウム
B 1%の硫酸ナトリウム
C 2%の硫酸ナトリウム
D 3%の硫酸ナトリウム
E 4%の硫酸ナトリウム
【0037】
鉱油
【0038】
【表4】

A 0%の鉱油
B 1%の鉱油
C 2%の鉱油
D 3%の鉱油
E 4%の鉱油
【0039】
併用
【0040】
【表5】

A 0%のNaClと1%の鉱油
B 1%のNaClと1%の鉱油
【実施例3】
【0041】
少量サンプルを調製し、多相が存在するならばそれらの比を確認し、相構造を同定するための方法
配合物を5gバッチで調製した。全部の成分を20ml容のクリンプトップガラスGCバイアルに加え、ブチルゴム栓で閉じ、アルミニウムクリンプによってクリンプシールした。次に85℃のオーブンで3から4時間または一夜加熱した。サンプルを放冷し、シールを開き、かき混ぜて、再度シールし、再び85℃で3から4時間または一夜加熱した。サンプルが均質になるまでまたは再加熱しても変化が生じなくなるまでこのサイクルを繰り返した。サンプルが2つ以上の相に分離して多相の存在を示すか否かを確認するために、いったん冷却したバイアル中のサンプルを目視で評価した。存在する複数の相の量の比は、バイアル中で各相が占めている垂直距離を測定することによって得られる。10×対物レンズの付いた偏光光学顕微鏡Olympus BX51によって冷却サンプルを観察し、観察した組織を使用して界面活性剤相を同定した(S.Hassan,W.Rowe & GJT.Tiddy,Handbook of Applied Surfactant and Colloid Chemistry Vol.1,p.465)。多相が存在するならば、各相から材料のサンプルを抽出し個々に試験した。
【0042】
ゼロ剪断粘度の測定方法
シャンプーのレオロジーはTA Instruments ARG2 Control Stress Rheometerを使用して25℃で測定した。シャンプーの降伏応力で測定した剪断粘度をゼロ剪断粘度の値とした。降伏応力はひずみ頻度曲線から同定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
25から38重量%のC10−C14エーテルスルフェートを清浄化用界面活性剤として含み、0.5から5%の塩を含み、組成物のゼロ剪断粘度が2から2000Pa.sであり、組成物が90容量%以上のネマチックディスコチック相の組成物を含む濃縮シャンプー組成物。
【請求項2】
ゼロ剪断粘度が10から200Pa.sである請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
95容量%以上のネマチックディスコチック相の組成物を含む請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
塩がナトリウム塩である請求項1から3のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項5】
塩が塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムから選択される請求項1から4のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項6】
塩が塩化ナトリウムであり、組成物の1から3重量%の量で存在する請求項6に記載のシャンプー組成物。
【請求項7】
塩が硫酸ナトリウムであり、組成物の2から4重量%の量で存在する請求項6に記載のシャンプー組成物。
【請求項8】
さらに油を含む請求項1から7のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項9】
油が鉱油、植物油、動物油またはそれらの混合物から選択される請求項9に記載のシャンプー組成物。
【請求項10】
油がココヤシ油およびパーム核油から選択される請求項9に記載のシャンプー組成物。
【請求項11】
清浄化用界面活性剤がアニオン性界面活性剤である請求項1から10のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項12】
清浄化用界面活性剤が30から70重量%の量で存在する請求項1から11のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項13】
組成物が0.5から5重量%の界面活性助剤を含む請求項1から12のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項14】
清浄化用界面活性剤がラウリルエーテル硫酸ナトリウムを含む請求項1から13のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項15】
組成物がココアミドプロピルベタインまたはコカミドMEAを含む請求項1から14のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。

【公表番号】特表2012−508207(P2012−508207A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535062(P2011−535062)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/062550
【国際公開番号】WO2010/052073
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】