説明

濾過装置の製造方法

【課題】 本発明は、作業効率に優れた濾過装置の製造方法の提供を課題としている。
【解決手段】濾過槽本体の底盤部との間、ならびに、横導管どうしの間に空隙部を設けて複数の横導管を配列した後に、前記空隙部にセメント組成物を流入させて前記底盤部との間の空隙部に続けて横導管どうしの間の空隙部に前記セメント組成物を連続的に充填させ、しかも、前記横導管の浮上を規制することによりセメント組成物が固化された後の横導管の上面部の位置に高低差が形成されることを抑制させてセメント組成物の充填を実施することを特徴とする濾過装置の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾過装置の製造方法に関し、より詳しくは、例えば、被処理水が収容される濾過槽本体の内部に粒状物が充填されて形成されている濾層に前記被処理水を下向流で通水させて該濾層の下方側に配列された複数の横導管で集水するように形成された濾過装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、河川水、湖沼水、排水等の濾過処理などにおいて、濾過を実施するための槽本体(以下「濾過槽本体」ともいう)がモルタルやコンクリートなどのセメント組成物により形成されており、該濾過槽本体内に、砂利、砂、活性炭およびプラスチック濾材などの粒状媒体が充填されて濾層が形成されている濾過装置が用いられている。
このような濾過装置ならびに該濾過装置を用いた濾過方法としては、例えば、下記特許文献1や下記特許文献2に記載されているようなものが知られている。
すなわち、複数のオリフィスが形成されている横導管が複数並列する状態で濾層の下方に配列されている濾過装置を用いて、前記濾層に被処理水を下向流で通水させ、この濾層を通過した通過水(濾過水)を前記オリフィスを通じて横導管の管内に集水して濾過槽本体の外部に搬出する濾過方法が知られている。
【0003】
このような集水のためのオリフィス群が形成された横導管は、“有孔ブロック”などとも呼ばれており、前記集水のみならずオリフィスから水を逆流させたり空気を放出(散気)させたりして濾層を逆洗浄すべく用いられたりもしている。
濾過装置の内、集水のみならず上記のような散気を実施する濾過装置を製造する際には、散気時に横導管内に滞留する空気の浮力によって横導管が浮上してしまうことを防止すべく濾過槽本体の底面を形成する底盤部に前記横導管を固定する作業が実施されている。
【0004】
ところで、モルタルやコンクリートなどのセメント組成物は、固化前はスラリー状であり、必ずしも良好なる流動性を有するものではない。
そのため、通常、固化後には表面に凹凸が形成されており、濾過槽本体の底盤部にも、通常、不陸が生じてしまっている。
したがって、この底盤部に直接横導管を載置して固定すると横導管が傾斜された状態となり、散気時には、上下方向の位置が高い箇所に形成されているオリフィスからより多くの空気が放出されて散気状態に偏りが生じてしまうこととなる。
【0005】
このようなことから横導管の固定作業においては、従来、濾過槽本体の底盤部上に改めてモルタルなどを打設して、このモルタル上に横導管を配列し、横導管の下面側をモルタル中に侵入させ、その侵入深さを調整することにより配列された横導管すべてにおいて上面側の高さ位置が略均一となるようにレベル調整作業が実施されている。
この底盤部上には、作業中の横導管の位置を安定させる目的で流動性がある程度低く調整されたモルタルが打設されてレベル調整が実施されている。
このようなことから、従来の濾過装置の製造方法においては、レベル調整の作業性が悪く、特に、横導管の配列本数多くなるほど(工事規模が拡大するほど)多大な手間を必要としている。
【0006】
また、横導管の固定作業においては、互いに間隔を設けて並列する状態となるように、隣接する横導管どうしの間に空隙部を設けて配列を実施して前記レベル出し作業を行い、このレベル出し作業終了後に、横導管どうしの間の空隙部にモルタルを充填して、固化させることが行われている。
このことから、従来、底盤部上に打設されたモルタルの方が横導管どうしの間の空隙部に充填されたモルタルよりも養生が進んだ状態となっている。
そして、このモルタルの硬化の進行度合いの差も工事規模が拡大するほど顕著なものとなるおそれがある。
すなわち、横導管の固定は、横導管どうしの間で固化されたセメント組成物の強度ならびに、このセメント組成物と、底盤部上に打設されて固化されたセメント組成物との接合強度によっても左右されることから養生の差が大きくなると横導管を優れた強度で底盤部に固定することが困難となるおそれを有する。
【0007】
このようなことを防止すべく、作業を行う人員数を増大させてレベル出し作業と、横導管の間の空隙部へのモルタルの充填作業とを同時進行的に実施させることも考え得るが、一部の工程にのみ多くの人員を配置することは濾過装置の製造における全体の作業効率の観点からは好ましいことではない。
すなわち、従来の濾過装置の製造方法においては、濾過装置を効率よく製造することが困難で、特に、規模の拡大にともなう作業効率の低下を抑制させることが困難であるという問題を有している。
【0008】
【特許文献1】特開平7−39891号公報
【特許文献2】特開昭52−35441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、作業効率に優れた濾過装置の製造方法の提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、例えば、濾過槽本体の底盤部と横導管との間に支持材などを介在させるなどして前記濾過槽本体の底盤部との間に空隙部を設けるとともに、横導管どうしの間に空隙部を設けて横導管を配列して底盤部との間の空隙部に続けて横導管どうしの間の空隙部にかけてセメント組成物を連続的に充填させることにより底盤部との間に充填されたセメント組成物と横導管どうしの間に充填されたセメント組成物との間に養生の差が生じるおそれを低減しうることを見出した。
また、本発明者らは、濾過槽本体の底盤部との間、ならびに、横導管どうしの間に設けた空隙部にセメント組成物を連続的に充填させる際に、単に、流動性の高いセメント組成物用いて作業性を向上させようとすると、空隙部にセメント組成物を充填させる際にセメント組成物から受ける浮力によって横導管が浮上して、その垂直方向における位置が乱れるおそれがあるところ、この浮上を規制しつつセメント組成物の充填を実施することによりセメント組成物充填後の横導管の位置に乱れが生じることを抑制させうることを見出し本発明の完成にいたったのである。
【0011】
すなわち、本発明は、前記課題を解決すべく、濾過槽本体に形成された濾層に被処理水を下向流で通水させて前記濾層の下方で集水するとともに前記濾層に散気を実施し得るように上面部に複数のオリフィスを有する横導管が前記濾過槽本体の底盤部の上方に配列されて固定されており、しかも、横導管の下面部と濾過槽本体の底盤部との間ならびに横導管どうしの間に充填されたセメント組成物が固化されることにより前記横導管が前記上面部を露出させた状態で固化されたセメント組成物中に埋設されて固定されている濾過装置の製造方法であって、前記濾過槽本体の底盤部との間、ならびに、横導管どうしの間に空隙部を設けて複数の横導管を配列した後に、前記空隙部に前記セメント組成物を流入させて、前記底盤部との間の空隙部に続けて横導管どうしの間の空隙部に前記セメント組成物を連続的に充填させ、しかも、前記横導管の浮上を規制することによりセメント組成物が固化された後の横導管の上面部の位置に高低差が形成されることを抑制させてセメント組成物の充填を実施することを特徴とする濾過装置の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
従来は、レベル調整作業のために充填に用いるセメント組成物の流動性が制限されていたが、本発明によれば、より流動性の高いセメント組成物を用いうる。
したがって、優れた作業性で濾過装置を製造しうる。
また、底盤部との間に充填されたセメント組成物と横導管どうしの間に充填されたセメント組成物との間に養生の差が生じることを抑制しつつセメント組成物を充填させうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
まず、図1、図2を参照しつつ、本実施形態の製造方法によって製造される濾過装置について説明する。
なお、図1は、濾過装置の部分切欠斜視図であり、図中の100は、濾過装置を示しており、101は、この濾過装置100に用いられる濾過槽本体を示している。
103は、この濾過槽本体101の底面をなす底盤部101aの上方に配列された横導管(以下「有孔ブロック103」ともいう)を示している。
また、図2は、この有孔ブロック103の構造を示す斜視図である。
【0014】
この図にも示されているように、本実施形態の濾過装置100には、被処理水が収容される濾過槽本体101と、前記被処理水を下向流で通水させるべく前記濾過槽本体101内に形成されている濾層102と、前記濾層102を通過した通過水(濾過水)を集水するとともに前記濾層に散気を実施すべく前記濾過槽本体101の底面をなす底盤部101aの上方且つ濾層102の下方に配された複数の有孔ブロック103とが備えられている。
また、本実施形態の濾過装置100には、前記濾層102を支持するための支持材層105が前記濾層102と前記有孔ブロック103との間に備えられている。
【0015】
本実施形態の濾過装置100は、前記有孔ブロック103に流入された通過水をさらに集水槽110にて集合させて、配水管111を介して濾過槽本体101の外部に排出させるよう構成されている。
そして、本実施形態の濾過装置100には、前記濾層102の逆洗浄等のために有孔ブロック103による散気時を実施させるべく、該有孔ブロック103内に空気を供給する気体供給配管104が備えられている。
また、本実施形態の濾過装置100には、濾層102の逆洗浄によって濾層102の上面側に噴出する水(洗浄排水)を濾過槽本体101から外部に排出するための排水トラフ106と、該排水トラフ106から前記洗浄排水が流入される排水ピット107とが備えられている。
【0016】
前記濾過槽本体101には、本実施形態においては、平面視矩形の底盤部101aが形成されており、該底盤部101aの周縁に立設された側壁101b1、101b2、101b3、101b4により略直方体形状の内部スペースが形成されている。
また、この底盤部101aは、モルタルやコンクリートなどのセメント組成物が打設、固化されて形成されており、通常、表面にわずかな不陸が形成されている。
【0017】
前記濾層102は、従来公知の濾過装置における濾層と同様に構成されており、砂、アンスラサイト、活性炭、プラスチック濾材等の粒状物(濾過媒体)が濾過槽本体101の深さ方向に一定の厚みとなるように充填されて形成されている。
なお、要すれば、前記濾過媒体には、微生物を表面に付着させて用いることも可能である。
前記支持材層105も、従来公知の濾過装置における支持材層と同様に構成されており、本実施形態においては、多孔プレートが用いられている。
前記多孔プレートは、例えば、直径数mmのビーズを多数接合して構成された板状構造のものを用いうる。
この多孔プレートを形成する前記ビーズとしては、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂といったプラスチックの他、セラミック、焼結金属等が使用可能である。
該多孔プレートに代えて砂利を敷き詰めて支持材層105を形成させることも可能であり、砂利を用いた場合、前記濾層102を形成する粒状物よりも粒径の大きな砂利を濾過槽本体101の深さ方向に一定の厚みとなるように充填して形成することができる。
【0018】
前記有孔ブロック103は、本実施形態においては、図2に示すように矩形管形状を有する外殻13aと、この外殻13a内に配された、二枚の仕切り壁により断面が逆V字状となるように形成された内殻13bとを有している。
しかも、前記内殻13bは、その前記仕切り壁により形成されている逆V字状の頂部を外殻の上面部13cの内表面の略中央部に沿って当接させ、この頂部から逆V字状に伸びる二枚の仕切り壁の内の一方13b1の先端部を外殻13aの側面部13dの内の一方13d1の内表面の略中央部に沿って当接させ、他方13b2の先端部を前記一方の側面部13d1と対向する側面部13d2の内表面の略中央部に沿って当接させて外殻13a内に配されている。
このことにより、互いに対向する側面部13d1、13d2の下方側の約半分と外殻13aの下面部13eと前記内殻13bとにより断面逆ホームベース形に形成された中央通路13fと、該中央通路13fの上部左右に形成された側部通路13gとが有孔ブロック103に形成されている。
また、有孔ブロック103は、その上面部13cを形成する前記外殻13aに複数のオリフィス13h1が一群をなして形成されている。
また、前記内殻13bには、前記外殻13aに形成されているオリフィス13h1と同様の大きさのオリフィス13h2が、その上方箇所(逆V字状の頂部に近い箇所)に形成されており、下方箇所(側面部13d1、13d2に近い箇所)には、外殻13aに形成されているオリフィス13h1や、上方箇所に形成されているオリフィス13h2に比べて径大なるオリフィス13h3が形成されている(図4等参照)。
【0019】
また、有孔ブロック103には、両側面部13d1、13d2の外表面側に側面部13d1、13d2の高さ方向中央部から下方に向けて延在する複数のリブ13iが形成されており、この複数のリブ13iの内の多くはその下端を側面部13dの下端よりも上方に位置させて形成されているが、何本かは、側面部13dの下端に達し、下面部13eを横断するリブ13j(以下「下面側リブ13j」ともいう)と連設されている。
この有孔ブロック103の下面側リブ13jは、一つの有孔ブロック103中に複数本形成されており、有孔ブロック103を水平面に載置した際には、すべての下面側リブ13jがこの水平面に接するか、近接する状態となり、しかも、有孔ブロック103の上面部13cを略水平とさせ得るように形成されている。
【0020】
また、有孔ブロック103には、両側面部13d1、13d2の高さ方向中央部に位置する箇所に外方に向けて突出する突片13kが備えられている。
さらに、有孔ブロック103には、有孔ブロック103どうしを連結可能とすべく、両端部に互いに嵌合可能な構造が形成されている。
すなわち、一端部の外周面の形状が、他端部の内周面の形状と略同一に形成されており、しかも、この一端部の外周面には、係止用突片13mが形成されており、他端部には、この係止用突片13mが係合される係止穴13nが形成されている。
また、この有孔ブロック103は、係止用突片13mを他の有孔ブロックの係止穴13nに係止させて連結した際に、この二本の有孔ブロックの中央通路13fどうしならびに側部通路13gどうしがそれぞれ連続した状態となるように形成されている。
【0021】
さらに、本実施形態の有孔ブロック103には、前記支持材層105を形成する多孔プレート13pが有孔ブロック103の上面部13cを覆う状態となるように取り付けられている。
すなわち、本実施形態の有孔ブロック103には、当該有孔ブロック103を底盤部101aの上方に配列することにより、同時に前記支持材層105を形成し得るように、前記多孔プレート13pが取り付けられている。
【0022】
本実施形態においては、前記有孔ブロック103は、その上面部13cを除いた他部が固化されたモルタル108(以下「モルタル固化体108」ともいう)中に埋設された状態で底盤部101aに固定されている。
そして、有孔ブロック103は、側面部13dと下面部13eがモルタル固化体108に埋没した状態で底盤部101aに固定されており、しかも、前記突片13kがモルタル固化体108中に侵入されていることから、該突片13kがモルタル固化体108に係止されて散気時の浮上が抑制されている。
この有孔ブロック103は、濾過槽本体101の対向する一方の側壁101b1から他方の側壁101b3にかけて列をなすように前記係止用突片13mと前記係止穴13nとを係合させて連結されており、しかも、複数本の列103a、103b、103c・・・が互いに間隔を設けて並列する状態となるように配列されて備えられている。
【0023】
また、この前記有孔ブロック103は、前記複数本の列103a、103b、103c・・・と直交する方向に延在されて前記底盤部101aの上に設けられている複数本のレール109の上に載置された状態でモルタル108に埋設されている。
前記レール109は、有孔ブロック103をその下面側から支持する支持材として用いられており、モルタルが角棒状に固化されて形成されている。
また、このレール109は、その上面側が略水平となるようにその高さが調整されており、レベル調整が施された状態で濾過装置100に備えられている。
そして、この水平レベル調整が施されたレール109上に下面側リブ13jが位置するように有孔ブロック103が配列されて濾過装置100全体における有孔ブロック103の上面部13cの高低差が抑制されている。
また、有孔ブロック103は、互いに間隔を設けて並列する状態となるようにこの支持材(レール109)上に配列されている。
【0024】
なお、後段において詳述するが、有孔ブロック103は、隣接する有孔ブロック103の間(例えば、列103aと列103bとの間や、列103bと列103cとの間)に充填されているモルタル固化体108aと、前記レール109によって隔てられた底盤部101aと有孔ブロック103の下面部13eとの間に充填されているモルタル固化体108bとは、同じモルタルが連続的に打設されて固化されることにより、その養生期間に実質的な差が設けられていない状態で固化されたものである。
【0025】
前記気体供給配管104は、前記有孔ブロック103に水や空気を供給して、前記有孔ブロック103の上面部13cに形成されているオリフィス13h1からこれら(水、空気等)の流体を噴出させて支持材層105ならびに濾層102に上向流で通過させて濾層102の逆洗浄を実施し得るように設けられており、上記のごとく配列された有孔ブロック103よりも下方に位置している。
しかも、濾過槽本体101の一側壁101b3に沿って有孔ブロック103の列方向と直交するように配置されている。
該気体供給配管104の直上に設置された有孔ブロック103の下面部13eには、前記中央通路13fからの濾過水の排出及び中央通路12fへの前記逆洗浄用空気の供給を実施するための開口部(図示せず)が設けられている。
【0026】
前記集水槽110は、前記開口部が設けられた有孔ブロック103の下方に備えられており、各有孔ブロック103で集められた水を更に集水すべく、有孔ブロック103の下面部13eよりもさらに下方に向けて掘り込まれた状態となるように形成されている。
【0027】
前記配水管111は、前記集水槽110から濾過水を濾過装置100の外部に排出させ得るように一端部が濾過槽本体101の外部に開口され、他端部が前記集水槽110に開口されて濾過装置100に備えられている。
【0028】
また、前記排水トラフ106は、この逆洗浄によって濾層102の上方に噴出された洗浄排水を前記排水ピット107に流入させ得るように形成されている。
なお、この気体供給配管104、排水トラフ106、排水ピット107の具体的な構成については、従来公知の濾過装置に用いられている気体供給配管、排水トラフ、排水ピットと同様のものである。
なお、上記には挙げていないが、従来公知の濾過装置と同様にその他の種々の構成が、前記濾過装置100にも備えられている。
【0029】
次いで、この濾過装置100を製造する製造方法について図3乃至図5を参照しつつ説明する。
図3は、有孔ブロック103の配列方法を示す斜視図であり、図中200は、モルタルの打設時に有孔ブロック103が浮上することを防止すべく設けられた管材であり、300は、前記管材200を固定すべく設けられた浮上規制機構を示している。
また、図4は、この図3のA−A’線矢視断面図を示しており、図5は、モルタルの打設方法を示す図4と同様の断面図である。
【0030】
本実施形態における濾過装置100の製造方法においては、まず、コンクリートなどのセメント組成物を用いて前記濾過槽本体101の底盤部101a、側壁101b1、101b2、101b3、101b4などを形成する。
なお、通常、底盤部101aにはわずかな不陸が形成される。
その後、多孔プレート13pが取り付けられた有孔ブロック103をこの底盤部101a上に配列してモルタルにて固定する固定作業を実施し、有孔ブロック103の配列と共に形成される支持材層105の上に濾材を充填して濾層102を形成させる。
さらに、付随的な工程は、適宜、実施して濾過装置100を製造することができる。
なお、多孔プレート13pに代えて砂利などを用いる場合は、濾材を充填する前に、モルタルで固定された有孔ブロック103上に砂利などを充填することで支持材層105を形成させることができる。
【0031】
なお、有孔ブロック103の固定作業は、より詳しくは、次の工程を順次実施して行われうる。
1)底盤部の表面に上面側の高さ位置が調整された(水平レベルの調整がされた)レールを設けるレール形成工程。
2)有孔ブロックの配列前に、有孔ブロックの浮上を規制する浮上規制機構の取り付け準備を行う浮上規制機構準備工程。
3)有孔ブロックをレール上に載置して配列する配列工程。
4)浮上規制機構を設ける浮上規制機構取り付け工程。
5)有孔ブロックと底盤部との間の空隙部と、該空隙部に続けて、有孔ブロック間の空隙部の一部にかけてモルタルを連続的に充填する第一充填工程。
6)第一充填工程後に、改めて、隣接している有孔ブロック間の空隙部の残部にモルタルを充填する第二充填工程。
7)第一充填工程、第二充填工程にて充填したモルタルを養生固化させる養生工程。
次に、これらの各工程について、さらに詳細に説明する。
【0032】
1)レール形成工程
このレール形成工程は、有孔ブロック103を載置するレール109を作製する工程であり、有孔ブロック103をこのレール上に載置して配列することにより、有孔ブロック103の下面部13eと底盤部101aとの間に、このレール109の高さ分だけ広い空隙部V1を形成させて後段における第一充填工程の実施を容易にさせるべく行われる。
また、上面側の高さ位置(水平レベル)が調整されたレールを作製することで、このレール109の上に有孔ブロック103を配列した場合には自動的に有孔ブロック103の上面部13cの高さ位置が濾過装置100全体で略均一な状態となる。
【0033】
このレール形成工程においては、まず、この不陸が形成された底盤部101aに対して複数本のレール109をモルタルによって形成させる。
このレール109は、レールの形成位置に沿って底盤部101aに立設させた2枚の板材の間にセルフレベリング性の良好なるモルタルを流し込んで固化させることにより形成させうる。
このレール109の敷設方向は、通常、配列される有孔ブロック103の列方向に略直交する方向とされ、形成するレールのピッチ(隣接するレールの中心間距離)は、通常、一定の値とされる。
このレール109を底盤部101a上に設けるピッチについては、有孔ブロック103の配列時に、このレール109によって直接支持されない有孔ブロックが生じることを抑制すべく有孔ブロック103の長さ(連結時における1ブロック分の長さ)以下とすることが好ましい。
【0034】
なお、このレール109は、有孔ブロック103を配列した際に、その下面側リブ13jが位置する箇所を通るように形成させることが好ましい。
また、このレール109は、通常、有孔ブロックの長さに対して十分小さな幅に形成される。
したがって、このレール109の幅(図3の“W”)が、あまりに狭いと有孔ブロック103の配列時におけるわずかな位置ずれにより下面側リブ13jが位置する箇所を通過しなくなるおそれがある。
一方で、幅広なものを形成させる場合には、有孔ブロック103の配列に慎重な作業がともなうおそれを抑制し得るもののレールの形成に手間を要することとなる。
このような観点から、レール109の幅は、50〜150mmとすることが好ましく、特に、有孔ブロックを配列するスペースが広い面積(例えば、5m×5mを超える面積)となって有孔ブロックの位置ずれが生じやすい場合においてはレール109の幅を50〜150mmのいずれかとすることが好ましい。
また、レール109の高さ(図3の“T”)は、10〜50mmであることが後段の第一充填工程の作業性をより良好な状態にし得る点において好適である。
【0035】
なお、要すれば、モルタルに代えて、例えば、角パイプを用いてレールを形成させることも可能である。
すなわち、スペーサなどによって上面側の高さ位置を調整しつつ角パイプを敷設してレールを設けることも可能である。
本実施形態においては、底盤部の上に支持材を設ける工程が簡略化されうる点において、支持材としてレールを例示しているが、要すれば、支持材をレールのような線状に設けられるものに代えてブロック状のものなど点在する状態で設けられるものとすることもできる。
【0036】
2)浮上規制機構準備工程
この浮上規制機構準備工程は、後段の第一充填工程においてモルタルを充填させた際に配列した有孔ブロック103が固化前のモルタルから受ける浮力によって浮上することを防止するための浮上規制機構300の一部構成を有孔ブロック103の配列前に準備するものである。
この浮上規制機構準備工程においては、有孔ブロックの浮上規制機構300を構成する管材200と、該管材200を底盤部101aに対して固定するためのアイボルト301と、前記管材200と前記アイボルト301とを結ぶ番線(針金)302との内、アイボルト301を底盤部101aに固定する作業を実施する。
より詳しくは、前記管材200の延在方向(有孔ブロックの列方向と直交する方向)に沿って底盤部101aにケミカルアンカーなどの手段によってアイボルト301を固定する。
【0037】
なお、一つの有孔ブロックに対してより多くの前記管材200を用いる方が、より確実に有孔ブロックの浮上を抑制させ得る反面、このアイボルト301の取り付け本数が増大するとともに管材200の取り付け作業もその手間を増大させてしまうこととなる。
このような点において、管材200は、有孔ブロックに対してその連結方向に一つ置き、又は二つ置きに配して、管材200によって直接浮上が抑制される有孔ブロックの割合を、全体の1/3〜1/2の割合とすることが好適である。
特に、本実施形態に用いられている有孔ブロックは、両端が嵌合された状態で連結されることから、連結方向に一つ置きに管材200を配して有孔ブロックの浮上を抑制することでその間の有孔ブロックも両端部に連結された有孔ブロックにより浮上が抑制されることとなり好適である。
したがって、アイボルト301の固定箇所は、通常、管材200の配置によって決定され、例えば、有孔ブロックの長さの2倍から3倍のピッチとすることができる。
【0038】
3)配列工程
この配列工程は、濾過槽本体101の底盤部101aと有孔ブロック103との間に空隙部V1を設けた状態、ならびに、隣接する有孔ブロックどうしの間に空隙部V2を設けた状態となるように有孔ブロックを並列に配列する工程である。
なお、底盤部101aと有孔ブロック103との間の空隙部V1は、前記レール形成工によって形成されたレール109上に有孔ブロック103を載置することにより形成されることとなる。
したがって、有孔ブロック103どうしを必要な数だけ連結して列を形成し、形成された有孔ブロック103の列を所定の間隔を設けてレール109の上に載置することにより濾過槽本体101の底盤部101aとの間、ならびに、隣接する有孔ブロックどうしの間に空隙部を設けて並列された状態となるように有孔ブロック103を配列することができる。
【0039】
この有孔ブロック103どうしの間の空隙部V2の形成幅(図3の“D”)については、より狭くすることで濾過装置における有孔ブロックの設置密度を向上させることができる。
本実施形態の製造方法においては、底盤部101aとの間の空隙部V1に続けて、隣接している有孔ブロックの間の空隙部V2にモルタルを連続的に充填させることから、これらの空隙部に充填されたモルタルの養生期間に実質上の差が形成されず、十分な接合強度を発揮させ得る。
しかも、本実施形態の濾過装置の製造方法においては、浮上を規制する機構が設けられていることから、有孔ブロックの間の間隔(空隙部V2の形成幅)を減少させてもこの間に充填されるモルタル強度低下によって散気時における有孔ブロックの浮上のおそれを抑制させ得る。
したがって、従来の製造方法による濾過装置の作製時に比べて有孔ブロックの間の間隔を適宜調整することが容易で、本実施形態の濾過装置の製造方法によれば、濾過装置の用途に応じた有孔ブロックのレイアウトを実施することが容易となる。
すなわち、装置設計の自由度を向上させることができる。
【0040】
なお、底盤部101aと有孔ブロック103との間に空隙部V1に対するモルタルの充填作業(第一充填作業)の作業性を良好なるものとさせ得る点においては、この空隙部V2の形成幅は、30〜70mmであることが特に好ましい。
【0041】
4)浮上規制機構取り付け工程
この浮上規制機構取り付け工程においては、配列工程によりレール109上に載置されて配列された有孔ブロック103上に管材200を渡して、浮上規制機構準備工程において底盤部101aに固定されたアイボルト301に対する前記管材200の固定を実施する。
なお、本実施形態の濾過装置100においては、多孔プレート13pが取り付けられた有孔ブロックを用いることから、前記管材200を多孔プレート13pの上に渡してアイボルト301に対して固定する。
この管材200とアイボルト301との固定は、アイボルトのアイに挿通させた線材を管材に締結させる方法を採用することができ、本実施形態においては、番線302によって管材200をアイボルト301に繋ぎ止める方法が採用されている。
なお、管材200を下方に付勢した状態で管材200をアイボルト301に固定して、有孔ブロック103を多孔プレート13pとともにレール109と管材200とにより挟持させて上下方向のみならず左右への移動も拘束させて有孔ブロック103の位置を固定させることが好ましい。
【0042】
また、このように有孔ブロック103を固定する方法に代えて、管材200の下面側が、有孔ブロック103の上面部13cよりも上方に位置するように管材200を底盤部に立設させたアンカーロッド等の棒材によって固定する事も可能である。
すなわち、有孔ブロック103の上下方向の位置を管材200で固定することなく、モルタルの充填によって有孔ブロック103を敢えて一旦浮上させた後に管材200の下面側に有孔ブロック103の上面部13cを当接させて浮上を停止させ、所定以上に浮上させないように規制することで上面部13cのレベル調整をさせることも可能である。
この場合には、管材200の下面側の高さ位置を濾過装置100全体において略一定としておくことでモルタルが固化した後の有孔ブロックの上面部の高さ位置を濾過装置100全体において略一定とさせ得る。
しかも、このようにして有孔ブロックが一定以上に浮上することを規制しつつモルタルを充填、固化させる場合には、レール形成工程における水平レベル調整が不要となるばかりでなく、レールの形成自体も不要なものとさせ得る。
すなわち、下面側リブ13jの下方への突出長さの分だけの空隙部を底盤部101aと有孔ブロック103との間に形成させてモルタルの充填を実施させることも可能である。
なお、このような方法は、有孔ブロック103の上面部13cの高さ位置を均整化させる点(高低差の抑制効果)において、管材200とレール109とによる有孔ブロック103の位置の固定を実施してモルタルを充填する場合に比べてやや劣るものの工程を大幅に簡略化させうる。
【0043】
なお、ここでは、有孔ブロックの浮上を規制する手段として管材を用いる場合を例示しているが、棒状のものであれば管以外に中実のものであっても良く、アングル材やチャンネル材なども使用可能である。
また、本発明においては、浮上を規制する手段を番線(針金)などに限定するものでもない。
さらに、接着剤などによって、有孔ブロックの下面側リブをレールに接着させて有孔ブロックの浮上を規制することも可能である。
【0044】
5)第一充填工程
この第一充填工程は、有孔ブロックどうしの間の空隙部V2から、モルタルを充填させる工程である。
本実施形態においては、モルタルがオーバーフローして有孔ブロック103の上方に固定されている多孔プレート13pや、さらには有孔ブロック103の上面部13cに形成されているオリフィス13h1に目詰まりを生じさせるおそれを抑制し得る点において、有孔ブロック103の下面部13eから上面部13cまでの一部にモルタルを充填させる工程(当該第一充填工程)と残部を充填させる工程(後段の第二充填工程)との二回に分けた充填工程を実施する。
この第一充填工程においては、養生期間に実質上差が設けられていないモルタル固化体によって、散気時における有孔ブロックの浮上をより確実に防止させうる点において、有孔ブロックの下面部から上面部までの高さの半分以上高さにまでモルタルを充填させることが好ましく、有孔ブロックに、突片13kが設けられている場合には、図5に示すように、この突片13kが埋設される高さにまでモルタルを充填させることが好ましい。
【0045】
この第一充填工程においては、従来の製造方法において用いられていたモルタルに比べて、スランプフローの大きな、ワーカビリティーの高いモルタルを用いうる。
例えば、セメント:砂=1:2の配合比率で、セメント600kg/m3、水:セメント比(w/c)=49%に調整されたモルタルを用いることができ、このモルタルを有孔ブロックどうしの間の空隙部V2から流入させて、底盤部101aとの間の空隙部V1から、この有孔ブロックどうしの間の空隙部V2にかけて連続的に前記モルタルを充填させる。
このとき、有孔ブロックどうしの間の空隙部V2に流入させたモルタルは、下方に流動して底盤部101aとの間の空隙部V1に流入される。
そして、この底盤部101aとの間の空隙部V1がモルタルで充満された後に有孔ブロック103間の空隙部V2にモルタルが充填されることとなる。
このモルタルの充填時、特に、底盤部101aとの間の空隙部V1がモルタルで充満された後は、従来であれば、有孔ブロックがモルタルから受ける浮力によって浮上するおそれがあったが、本実施形態においては、有孔ブロックが管材200によって固定されていることから作業期間全般において有孔ブロックの浮上が規制されることとなる。
しかも、底盤部101aとの間の空隙部V1と有孔ブロックどうしの間の空隙部V2とに連続的にモルタルが充填されることから、底盤部101a側の空隙部V1と有孔ブロック103間の空隙部V2との間に実質上の養生期間の差が形成されないこととなる。
【0046】
また、本実施形態においては、有孔ブロック103がレール109上に載置されていることから、有孔ブロック(多孔プレート)の上を作業員が歩行してモルタルの充填作業を実施しても、有孔ブロック103の上面部13cの高さ位置に乱れが生じるおそれがない。
すなわち、従来の濾過装置製造方法においては、底盤部に一旦打設したモルタル上に有孔ブロックを配列して上面部の高さ位置を調整した後に、有孔ブロックどうしの間の空隙部にモルタルを充填させることが行われていた。
そのため、底盤部に打設したモルタルの流動性が十分低下している状態でなければ有孔ブロックの上を作業員が歩行することは困難であった。
したがって、流動性の低い(展延性の悪い)モルタルを用いて作業性の低下された状態で作業を実施するか、底盤部上に打設したモルタルの養生を進行させて有孔ブロック間に充填するモルタルと底盤部上に打設したモルタルとの接合信頼性を低下させて作業を実施するかしなければならなかったが、本実施形態は、流動性の良好なモルタルを用いて作業することができモルタルの充填作業に要する時間を従来に比べて短縮させうる。
しかも、配列された有孔ブロック(多孔プレート)の上を作業員が歩行して作業を実施することもでき優れた作業性が発揮されうる。
特に、大面積(例えば50m2以上)の領域にモルタルを打設する場合において、本発明の効果はより顕著に発揮されうる。
【0047】
6)第二充填工程
この第二充填工程は、第一充填工程の残り、すなわち、有孔ブロックどうしの間の空隙部V2の内の未だモルタルが充填されていない残りの部分にモルタルを充填する工程である。
この第二充填工程も、第一充填工程と同様のモルタルを用いて実施することが可能である。
このように、二度以上に分けてモルタルの充填を実施することにより、モルタルがオーバーフローしてしまうおそれを抑制させ得る。
なお、第一充填工程において充填したモルタルの流動性がこの第二充填工程前に十分低下されており、有孔ブロック103が浮上するおそれが低い場合には、図5に示すように、この第二充填工程を実施する前に前記番線302を切断するか、あるいは管材200側にて番線302の締結を解くかして、管材200を撤去することも可能である。
この管材200のように有孔ブロックの上方においてその浮上を規制する部材を予め撤去することにより有孔ブロック上(多孔プレート上)の作業員の移動が容易となって第二充填工程の作業性を向上させうる。
【0048】
7)養生工程
この養生工程は、第一充填工程ならびに第二充填工程で充填されたモルタルを固化させるもので、一般的なモルタルの養生期間を設定することが可能である。
なお、要すれば、前記管材200の撤去をこの第二充填工程後に実施することも可能である。
そして、この養生工程を経た後は、異物の除去など以後の工程を実施させて濾過装置を製造することができる。
【0049】
なお、ここでは詳述しないが、従来公知の濾過装置の製造方法における種々の改良を本実施形態の濾過装置の製造方法にもその効果を損ねない範囲において採用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】濾過装置を示す部分切欠斜視図。
【図2】有孔ブロック(横導管)を示す斜視図。
【図3】有孔ブロック(横導管)固定方法を示す斜視図。
【図4】図3のA−A’矢視断面図。
【図5】モルタル(セメント組成物)の充填方法を示す断面図。
【符号の説明】
【0051】
13a:外殻、13b:内殻、13b1:(一方の)仕切り壁、13b2 :(他方の)仕切り壁、13c:上面部、13d、13d1、13d2:側面部、13e:下面部、13f:中央通路、13g:側部通路、13h1、13h2、13h3:オリフィス、13i:リブ、13j:下面側リブ、13k:突片、13m:係止用突片、13n:係止穴、13p:多孔プレート、100:濾過装置、101:濾過槽本体、101a:底盤部、101b1、101b2、101b3、101b4:側壁、102:濾層、103:有孔ブロック(横導管)、103a、103b、103c:(有孔ブロックの)列、104:気液搬送配管、105:支持材層、106:排水トラフ、107:排水ピット、108:モルタル固化体、108a:モルタル固化体、108b:モルタル固化体、109:レール、110:集水槽、111:配水管、200:管材、300:浮上規制機構、301:アイボルト、302:番線(針金)、V1:(底盤部との間の)空隙部、V2:(有孔ブロックどうしの間の)空隙部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過槽本体に形成された濾層に被処理水を下向流で通水させて前記濾層の下方で集水するとともに前記濾層に散気を実施し得るように上面部に複数のオリフィスを有する横導管が前記濾過槽本体の底盤部の上方に配列されて固定されており、しかも、横導管の下面部と濾過槽本体の底盤部との間ならびに横導管どうしの間に充填されたセメント組成物が固化されることにより前記横導管が前記上面部を露出させた状態で固化されたセメント組成物中に埋設されて固定されている濾過装置の製造方法であって、
前記濾過槽本体の底盤部との間、ならびに、横導管どうしの間に空隙部を設けて複数の横導管を配列した後に、前記空隙部に前記セメント組成物を流入させて、前記底盤部との間の空隙部に続けて横導管どうしの間の空隙部に前記セメント組成物を連続的に充填させ、しかも、前記横導管の浮上を規制することによりセメント組成物が固化された後の横導管の上面部の位置に高低差が形成されることを抑制させてセメント組成物の充填を実施することを特徴とする濾過装置の製造方法。
【請求項2】
前記横導管の下面部の一部に当接させて横導管を支持し得るように形成された支持材を前記底盤部の上に配置し、しかも、前記横導管を支持させた際に前記上面部の位置に高低差が形成されることを抑制しうるように高さ調整を実施して前記支持材を前記底盤部の上に配置して、該支持材で前記横導管を支持させた状態を保持しつつ前記セメント組成物の充填を実施することでセメント組成物が固化された後の横導管の上面部の位置に高低差が形成されることを抑制させる請求項1記載の濾過装置の製造方法。
【請求項3】
前記支持材が前記底盤部の上に形成された複数のレールであり、配列される前記横導管の長手方向と交差する方向に沿って前記レールを底盤部の上に設けて、該レールの前記高さ調整を実施し、該レール上に前記横導管を配列して前記セメント組成物の充填を実施する請求項2記載の濾過装置の製造方法。
【請求項4】
前記配列された横導管と交差する方向に延在され、しかも、複数本の横導管を横断する状態で前記横導管の上方に固定されて設けられる棒状体で前記横導管の浮上を規制することによりセメント組成物が固化された後の横導管の上面部の位置に高低差が形成されることを抑制させてセメント組成物の充填を実施する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の濾過装置の製造方法。
【請求項5】
前記棒状体と前記支持材とで横導管を挟持して前記横導管の位置を固定させた状態で前記セメント組成物の充填を実施する請求項4記載の濾過装置の製造方法。
【請求項6】
前記底盤部との間の空隙部に続けて横導管どうしの間の空隙部の一部までを連続的にセメント組成物で充填する第一の充填工程と、横導管どうしの間の空隙部の残部の内の一部または全部に前記セメント組成物を充填する第二の充填工程との2回以上の充填工程により前記セメント組成物の充填を実施する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の濾過装置の製造方法。
【請求項7】
前記横導管の下面部から上面部までの高さの半分以上が前記セメント組成物で埋設される状態となるように前記第一の充填工程を実施する請求項6記載の濾過装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−226246(P2009−226246A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−71288(P2008−71288)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】