説明

灯油タンク、及び灯油タンクホルダ

【課題】 単独の場合、及び複数を連結した場合でも持ち運びの負担を大きく低減し、その利便性を向上させる灯油タンク、及び灯油タンクホルダを提供する。
【解決手段】 灯油タンク本体11の一側面側に対し複数のフレーム用孔16を設け、各フレーム用孔16に挿通する複数のフレーム22を有するとともに、各々22の上端側に取っ手部24を有する取っ手構造部21を設け、灯油タンク本体11の底面側に複数のローラ37及び複数の凸状足38を設る。灯油タンク本体11の一側面側に対し連結凹部31を有する雌側連結部32を設け、他側面に対し連結凸部34を有する雄側連結部35を設ける。連結凸部34は、他の灯油タンク本体の連結凹部31内に進入することでその灯油タンクを連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数(複数の灯油タンクまたは複数の灯油タンクホルダ)を互いに連結してもローラで持ち運びの負担を低減する灯油タンク、及び灯油タンクホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
灯油タンクは一般に樹脂製のポリタンクにキャップで灯油の密閉保護を図り、灯油は必要に応じて抜き出して利用する。灯油タンクは特に取っ手部分をもって所望の地点に自由に持ち運びができる点に利点があり、一般家庭への普及は非常に多い。しかし灯油タンク内に最大に灯油を充填した状態では重量的にもかなり重くなり女性や高齢者等にはその持ち運びには大変な負担がかかる。
【0003】
灯油タンクの従来例には、灯油の移しかえの煩わしさや持ち運びの負担を低減し、石油ストーブに小型のタンク容器を使用可能とする多段灯油タンクが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記多段灯油タンクは、ケース本体の下面中央部にバルブを設け、上面中央部にバルブの外周カバーと嵌合し得る円筒形の開口部を設け、かつ、開口部の内側にバルブを押圧できる当接手段を設けたものである。ケース本体を垂直に多段に重ねてバルブと開口部とを接続し、全体として一つの給油タンクとして利用する。一つひとつのケース本体を小型化して各々の持ち運びの便を図ることが可能である。
【0005】
【特許文献1】特開平10−96511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の上記多段灯油タンクは、水平のケース本体を垂直方向に多段階に重ねることで一つの灯油タンクを構成するものであるため、多段にし過ぎると地震等の際に倒れてしまう危険がある。しかも一度に全てを持ち運ぶ際の負担は依然として大きくその利便性の点では非常に不十分なものである。
【0007】
本発明は、上記従来の技術の問題点を解決し、単独(一つの灯油タンクまたは灯油タンクホルダ)の場合、及び複数(複数の灯油タンクまたは複数の灯油タンクホルダ)を連結した場合でも持ち運びの負担を大きく低減し、その利便性を向上させる灯油タンク、及び灯油タンクホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1の本発明は、灯油を充填しキャップで密閉保護する灯油タンクであって、灯油タンク本体の一側面側に対し互いに所定間隔分離れた位置で縦方向を向く複数のフレーム用孔を設け、前記複数のフレーム用孔に個別に摺動自在に挿通する複数のフレームを有するとともに、当該複数のフレームの各々の上端側に一体の取っ手を有する取っ手構造部を設け、前記灯油タンク本体の底面側の前記取っ手構造部に近い側に並列に並ぶ複数のローラを設け、かつ、前記灯油タンク本体の底面側の前記複数のローラに対向する側に離間して複数の凸状足を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の本発明は、前記取っ手構造部の前記各フレームまたは前記各フレーム用孔には、前記各フレームの完全な抜けを防止する抜け防止構造を有することを特徴とする。
【0010】
請求項3の本発明は、前記灯油タンク本体の前記一側面側に対し縦方向の左右の内側または横方向の上下の内側に連結凹部を有する雌側連結部を設け、前記灯油タンク本体の前記一側面に対向する他側面側に対し縦方向または横方向の外側に突出する連結凸部を有する雄側連結部を設け、前記雄側連結部の連結凸部は、他の灯油タンク本体の前記雌側連結部の前記連結凹部内に進入することで当該他の灯油タンクを連結することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、灯油を充填しキャップで密閉保護する灯油タンクであって、前記複数のフレーム用孔、及び前記取っ手構造部の構成をあらかじめ除いてあることを特徴とする。
【0012】
請求項5の本発明は、灯油を充填しキャップで密閉保護する灯油タンクであって、前記複数のフレーム用孔、及び前記取っ手構造部の構成をあらかじめ除いてあるとともに、前記ローラに代って凸状足を設けてあることを特徴とする。
【0013】
請求項6の本発明は、灯油を充填しキャップで密閉保護する灯油タンクを保持する灯油タンクホルダであって、内側に前記灯油タンクを収容し保持し得る縦方向のコ字状の形状を有するホルダ本体を有し、前記ホルダ本体の一方の一側面側に対し互いに所定間隔分離れた位置で縦方向を向く複数のフレーム用孔を設け、前記複数のフレーム用孔に個別に摺動自在に挿通する複数のフレームを有するとともに、当該複数のフレームの各々の上端側に一体の取っ手を有する取っ手構造部を設け、前記ホルダ本体の底面側の前記取っ手構造部に近い側に並列に並ぶ複数のローラを設け、かつ、前記ホルダ本体の底面側の前記複数のローラに対向する側に離間して複数の凸状足を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項7の本発明は、前記取っ手構造部の前記各フレームまたは前記各フレーム用孔には、前記各フレームの完全な抜けを防止する抜け防止構造を有することを特徴とする。
【0015】
請求項8の本発明は、前記ホルダ本体の前記一側面側に対し縦方向の左右の内側または横方向の上下の内側に連結凹部を有する雌側連結部を設け、前記ホルダ本体の前記一側面に対向する他側面側に対し縦方向または横方向の外側に突出する連結凸部を有する雄側連結部を設け、前記雄側連結部の連結凸部は、他のホルダ本体の前記雌側連結部の前記連結凹部内に進入することで当該他のホルダ本体を連結することを特徴とする。
【0016】
請求項9の本発明は、灯油を充填しキャップで密閉保護する灯油タンクを保持する灯油タンクホルダであって、前記複数のフレーム用孔、及び前記取っ手構造部の構成をあらかじめ除いてあることを特徴とする。
【0017】
請求項10の本発明は、灯油を充填しキャップで密閉保護する灯油タンクを保持する灯油タンクホルダであって、前記複数のフレーム用孔、及び前記取っ手構造部の構成をあらかじめ除いてあるとともに、前記ローラに代って凸状足を設けてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、単独の場合、及び複数を連結した場合でも持ち運びの負担を大きく低減し、その利便性を向上させることができる。しかも灯油タンク自体の基本的な構成を根本的に変えることはなく、デザイン性の面においても既存の灯油タンクと全く違和感なく十分な好感を与える。勿論、灯油タンクホルダは既存の灯油タンクをそのまま利用することができ、その分生産コストも安く、かつ一般の好感度も十分で、その汎用性及び利便性の点にも利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図1及び図2を参照して、本発明に係る灯油タンクの好ましい実施の形態について説明する。図1は本例の灯油タンクの全体的構成を説明する断面図であり、図2は本例の灯油タンクの一部構成を説明する上面図である。
【0020】
灯油タンク1は、図1及び図2に示すように、灯油タンク本体11を有する。灯油タンク本体11は、例えば樹脂のインサート成形により既存の灯油タンクと同様に中空の立方体的な形状を基本として構成されている。灯油タンク本体11は、灯油の充填空間を構成する四方及び上下二方の六方を囲む内壁部分12が主構成要素である。
【0021】
灯油タンク本体11の上面側には、その中央に窪む部分がありその二箇所の開放端を繋ぐタンク取っ手13が成形されている。上面側の他の位置には雄ネジを含む筒状開口(図示省略)が形成されている。その筒状開口は雌ネジを含むキャップ14で自由に閉塞することが可能で、内部に充填した灯油をキャップ14で完全に密閉し得る。
【0022】
灯油タンク本体11の一方の側面の外側にはその一面にわたって所定の肉厚の増厚部分15があらかじめインサート成形時に一体に成形されている。増厚部分15には二箇所の縦方向にフレーム用孔16が成形されている(図2参照)。各フレーム用孔16の上端の開口側には段差状の小径部17が抜け防止構造として構成されている。段差状の小径部17は後述する取っ手構造部21のフレーム22の抜けを防止する。
【0023】
一方、灯油タンク1は取っ手構造部21を備える。取っ手構造部21は灯油タンク本体11のフレーム用孔16に挿通される複数のフレーム22を有する。各フレーム22の下方先端には段差状の大径部23を有しており、大径部23がフレーム用孔16の段差状の小径部17に当接することでフレーム22の抜けを防止する。フレーム22に大径部23を構成する場合、フレーム用孔16の下方の開放口からフレーム22の下端に大径部23を所定の工法で接続するという態様がある。
【0024】
各フレーム22の上端には、双方の上端を接続する取っ手部24が設けられており、取っ手部24を引上げることで各フレーム22を各フレーム用孔16の外へ引き出すことが可能である。取っ手部24を引くことで各フレーム22を介して灯油タンク1を引いて運ぶことが可能である。従って各フレーム22にはある程度の強度が必要であるため、各フレーム用孔16とともにその横断面視の形状が楕円形状や長方形状となる所定の金属の構成を採用することも好ましい。フレーム用孔16も金属パイプ等で補強することも好ましい。
【0025】
一方、増厚部分15の外壁側には、縦方向に向かって左右の内側に連結凹部(図2参照)31を有する雌側連結部32が成形されている。
【0026】
灯油タンク本体11の他方の側面の外側にもその一面にわたって所定の肉厚の増厚部分33があらかじめインサート成形時に一体に成形されている。増厚部分33の外壁側には外側に突出する連結凸部34(図2参照)を有する雄側連結部35が成形されている。連結凸部34の横断面視の形状は連結凹部31のその形状と同一である。即ち連結凸部34は本例の灯油タンク1と等しい構成の他の灯油タンクに構成された連結凹部31内にその縦方向に進入させることで、その灯油タンクを連結することが可能である。
【0027】
灯油タンク本体11の底面側には、取っ手構造部21に近い側にローラ装着用の二つの凹部36が所定間隔分離れて並列に並んで成形されており、各凹部36内にローラ37が装着されている。ローラ37にはその転動方向を自由に変えられるキャスタ等を用いても良い。灯油タンク本体11の底面側の二つのローラ37に対向する側には離間して二つの凸状足38が一体成形されている。灯油タンク1は、各ローラ37及び各凸状足38をもって水平面上において垂直姿勢を維持することが可能である。ただし、各凸状足38に代ってローラ37の構成を採用しても良い。
【0028】
尚、図1においては、フレーム用孔16、連結凹部31、及びローラ37の位置が各々統一されていないが、これは作図の都合上である。即ち実際にはその各々16,31,37は灯油タンク本体11の一側面の面方向に所謂一列の配列となるように構成することがスリム化を図る上で好ましい(図2参照、図2はその具体例を示す)。
【0029】
本例の灯油タンク1は、図3に示すように、雌側連結部32及び雄側連結部35を用いることで二つ以上の灯油タンク1を連結することが可能である。一番手前の灯油タンク1の取っ手部24を上に引き上げて例えば手前に引いてゆくことで、一番手前の灯油タンク1のローラ37を支点に連結後の各灯油タンク1を傾けながら、そのローラ37の転動とともに各灯油タンク1を同時に任意の地点に軽い負荷で持ち運ぶことが可能である。各灯油タンク1に凸状足38を用いず全てローラ37を採用した場合はさらに軽い負荷で各灯油タンク1を同時に任意の地点に持ち運ぶことが可能である。
【0030】
本例の灯油タンク1は、あらかじめインサート成形で容易に成形することが可能であり生産に際しても低コスト化が容易である。しかも流通する既存の灯油タンクの形状をそのまま活かすことが可能であり、既存の一般の好感度を全く損なうことなく一般に提供することができる。
【0031】
尚、複数の灯油タンク1を連結する場合、二つ目以降の灯油タンク1にはあらかじめ複数のフレーム用孔16、及び取っ手構造部21の構成をあらかじめ除いておくという構成も好ましく、もしくは、複数のフレーム用孔16、及び取っ手構造部21の構成をあらかじめ除いておくとともに、各ローラ37の代りに凸状足を設けておくという構成を採用することも好ましい。
【0032】
また、本例の灯油タンク1は、面積の大きい側の側面を中心に本発明の各構成を備える場合を例に説明したが、面積の小さい側の側面を中心に本発明の各構成を備える場合を考えても良い。
【0033】
一方、本例の灯油タンク1は、複数の灯油タンク1を連結させる場合に縦に並べる構成を説明したが、横に並べ連結できる構成としても良い。
【0034】
次に、図4及び図5を参照して、本発明に係る灯油タンクホルダの好ましい実施の形態について説明する。図4は本例の灯油タンクホルダの全体的構成を説明する一部切欠側面図であり、図5は本例の灯油タンクホルダの一部構成を説明する上面図である。
【0035】
灯油タンクホルダ2は、図4及び図5に示すように、ホルダ本体41を有する。ホルダ本体41は、例えば樹脂のインサート成形により既存の灯油タンクを収容し保持し得る縦方向のコ字状の形状を有する側壁体42,71をその主構成要素とする。側壁体42,72は双方の下端側が底面壁体70で一体の構成となる。尚、ホルダ本体41は、内部もしくは内壁等にコ字状の金属体を用いることで補強しても良い。
【0036】
ホルダ本体41の一方の側壁体42には二箇所の縦方向にフレーム用孔43が成形されている(図5参照)。各フレーム用孔43の上端の開口側には段差状の小径部44が抜け防止構造として構成されている。段差状の小径部44は後述する取っ手構造部51のフレームの抜けを防止する。
【0037】
一方、灯油タンクホルダ2は取っ手構造部51を備える。取っ手構造部51はホルダ本体41のフレーム用孔43に挿通される複数のフレーム52を有する。各フレーム52の下方先端には段差状の大径部53を有しており、大径部53がフレーム用孔43の段差状の小径部44に当接することでフレーム52の抜けを防止する。フレーム52に大径部53を構成する場合も、フレーム用孔43の下方の開放口からフレーム52の下端に大径部53を所定の工法で接続するという態様がある。
【0038】
各フレーム52の上端には、双方の上端を接続する取っ手部54が設けられており、取っ手部54を引上げることで各フレーム52を各フレーム用孔43の外へ引き出すことが可能である。取っ手部54を引くことで各フレーム52を介して灯油タンクを収容したホルダ本体41を引いて運ぶことが可能である。各フレーム52にもある程度の強度が必要であるため、各フレーム用孔43とともにその横断面視の形状が楕円形状となる所定の金属の構成を採用することも同じく好ましい。フレーム用孔43も金属パイプ等で補強することも好ましい。
【0039】
一方、側壁体42には、縦方向に向かって例えば横断面視の形状が台形状の複数の連結凹部(図5参照)61を有する雌側連結部62が成形されている。
【0040】
ホルダ本体41の他方の側壁体71には外側に突出する例えば横断面視の形状が同じく台形状の複数の連結凸部72(図5参照)を有する雄側連結部73が成形されている。各連結凸部72の形状サイズは各連結凹部61のその形状サイズと同一である。即ち連結凸部72は本例の灯油タンクホルダ2と等しい構成の他の灯油タンクホルダに構成された連結凹部61内にその縦方向に進入させることで、その灯油タンクホルダを連結することが可能である。
【0041】
ホルダ本体41の底面壁体70の裏面側には、取っ手構造部51に近い側にローラ装着用の二つの凹部74が所定間隔分離れて並列に並んで成形されており、各凹部74内にローラ75が装着されている。ローラ75には同じくその転動方向を自由に変えられるキャスタ等を用いても良い。ホルダ本体41の底面壁体70の裏面側の二つのローラ75に対向する側には離間して二つの凸状足76が一体成形されている。灯油タンクホルダ2は、各ローラ75及び各凸状足76をもって水平面上において垂直姿勢を維持することが可能である。ただし、各凸状足76に代ってローラ75の構成を採用しても良い。
【0042】
尚、図4においても、フレーム用孔43、連結凹部61、及びローラ75の位置が各々統一されていないが、これも作図の都合上である。即ち実際にはその各々43,61,75も、ホルダ本体41の一側面の面方向に所謂一列の配列となるように構成することがスリム化を図る上で好ましい(図5参照、図5はその具体例を示す)。
【0043】
本例の灯油タンクホルダ2は、図6に示すように、雌側連結部62及び雄側連結部73を用いることで二つ以上の灯油タンクホルダ2を連結することが可能である。一番手前の灯油タンクを収容した灯油タンクホルダ2の取っ手部54を上に引き上げて例えば手前に引いてゆくことで、一番手前の灯油タンクホルダ2のローラ75を支点に連結後の各灯油タンクホルダ(各々灯油タンクTを収容する)2を傾けながら、そのローラ75の転動とともに各灯油タンクホルダ2内の各灯油タンクを同時に任意の地点に軽い負荷で持ち運ぶことが可能である。各灯油タンクホルダ2に凸状足76を用いず全てローラ75を採用した場合はさらに軽い負荷で各灯油タンクを同時に任意の地点に持ち運ぶことが可能である。
【0044】
本例の灯油タンクホルダ2は、あらかじめインサート成形で容易に成形することが可能であり生産に際しても灯油タンク1よりもさらに低コスト化が可能である。しかも流通する既存の灯油タンクをそのまま活用することができるため、資源の有効活用とともに、一般の利便性をさらに向上させることができる。
【0045】
尚、複数の灯油タンクホルダ2を連結する場合、二つ目以降の灯油タンクホルダ2にはあらかじめ複数のフレーム用孔43、及び取っ手構造部51の構成をあらかじめ除いておくという構成も好ましい。一方、複数のフレーム用孔43、及び取っ手構造部51の構成をあらかじめ除いておくとともに、各ローラ75の代りに凸状足を設けておくという構成を採用することも好ましい。
【0046】
一方、上記実施の形態で示す灯油タンク1、及び灯油タンクホルダ2においては、各々、連結凹部31,61の構成が、その上方端が開放口となるとともに、下方端は底面となり、連結凸部34,72は、連結凹部31,61のその上方端の開放口から下方の方向へと進入させることで双方の連結を図るという態様であった。
【0047】
しかし、その逆の態様を採用しても構わない。即ち、連結凹部31,61の構成が、その下方端が開放口となるとともに、上方端は所定厚の天面となり、連結凸部34,72は、相対的に連結凹部31,61のその下方端の開放口から上方の方向へと進入させることで双方の連結を図るという態様を採用しても良い。この場合、一方の連結後の灯油タンク1もしくは灯油タンクホルダ2をローラ37,75を支点に傾ける際、他方の連結後の灯油タンク1もしくは灯油タンクホルダ2は、連結時の連結凸部34,72の上端面が連結凹部31,61の天面を押し上げるという作用を得て、その天面のより安定した強度をもってより安定して傾きながら持ち上げられるものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、灯油を充填し密閉する灯油タンクに利用することが可能であり、灯油タンクを収容し保持(載置)する灯油タンクホルダに利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の灯油タンクの構成を説明する断面図である。
【図2】本発明の灯油タンクの構成を説明する上面図である。
【図3】本発明の灯油タンクの連結の状態を説明する説明図である。
【図4】本発明の灯油タンクホルダの構成を説明する一部切欠側面図である。
【図5】本発明の灯油タンクホルダの構成を説明する上面図である。
【図6】本発明の灯油タンクホルダの連結の状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1 灯油タンク
2 灯油タンクホルダ
11 灯油タンクホルダ
12 内壁部分
13 タンク取っ手
14 キャップ
15 増厚部分
16 フレーム用孔
17 小径部
21 取っ手構造部
22 フレーム
23 大径部
24 取っ手部
31 連結凹部
32 雌側連結部
33 増厚部分
34 連結凸部
35 雄側連結部
36 凹部
37 ローラ
38 凸状足
41 ホルダ本体
42 側壁体
43 フレーム用孔
44 小径部
51 取っ手構造部
52 フレーム
53 大径部
54 取っ手部
61 連結凹部
62 雌側連結部
70 底面壁体
71 側壁体
72 連結凸部
73 雄側連結部
74 凹部
75 ローラ
76 凸状足
T 灯油タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯油を充填しキャップで密閉保護する灯油タンクであって、
灯油タンク本体の一側面側に対し互いに所定間隔分離れた位置で縦方向を向く複数のフレーム用孔を設け、
前記複数のフレーム用孔に個別に摺動自在に挿通する複数のフレームを有するとともに、当該複数のフレームの各々の上端側に一体の取っ手を有する取っ手構造部を設け、
前記灯油タンク本体の底面側の前記取っ手構造部に近い側に並列に並ぶ複数のローラを設け、
かつ、前記灯油タンク本体の底面側の前記複数のローラに対向する側に離間して複数の凸状足を設けたことを特徴とする灯油タンク。
【請求項2】
前記取っ手構造部の前記各フレームまたは前記各フレーム用孔には、前記各フレームの完全な抜けを防止する抜け防止構造を有することを特徴とする請求項1に記載の灯油タンク。
【請求項3】
前記灯油タンク本体の前記一側面側に対し縦方向の左右の内側または横方向の上下の内側に連結凹部を有する雌側連結部を設け、
前記灯油タンク本体の前記一側面に対向する他側面側に対し縦方向または横方向の外側に突出する連結凸部を有する雄側連結部を設け、
前記雄側連結部の連結凸部は、他の灯油タンク本体の前記雌側連結部の前記連結凹部内に進入することで当該他の灯油タンクを連結することを特徴とする請求項1または2に記載の灯油タンク。
【請求項4】
灯油を充填しキャップで密閉保護する灯油タンクであって、
前記複数のフレーム用孔、及び前記取っ手構造部の構成をあらかじめ除いてあることを特徴とする請求項1または3に記載の灯油タンク。
【請求項5】
灯油を充填しキャップで密閉保護する灯油タンクであって、
前記複数のフレーム用孔、及び前記取っ手構造部の構成をあらかじめ除いてあるとともに、前記ローラに代って凸状足を設けてあることを特徴とする請求項3に記載の灯油タンク。
【請求項6】
灯油を充填しキャップで密閉保護する灯油タンクを保持する灯油タンクホルダであって、
内側に前記灯油タンクを収容し保持し得る縦方向のコ字状の形状を有するホルダ本体を有し、
前記ホルダ本体の一方の一側面側に対し互いに所定間隔分離れた位置で縦方向を向く複数のフレーム用孔を設け、
前記複数のフレーム用孔に個別に摺動自在に挿通する複数のフレームを有するとともに、当該複数のフレームの各々の上端側に一体の取っ手を有する取っ手構造部を設け、
前記ホルダ本体の底面側の前記取っ手構造部に近い側に並列に並ぶ複数のローラを設け、
かつ、前記ホルダ本体の底面側の前記複数のローラに対向する側に離間して複数の凸状足を設けたことを特徴とする灯油タンクホルダ。
【請求項7】
前記取っ手構造部の前記各フレームまたは前記各フレーム用孔には、前記各フレームの完全な抜けを防止する抜け防止構造を有することを特徴とする請求項6に記載の灯油タンクホルダ。
【請求項8】
前記ホルダ本体の前記一側面側に対し縦方向の左右の内側または横方向の上下の内側に連結凹部を有する雌側連結部を設け、
前記ホルダ本体の前記一側面に対向する他側面側に対し縦方向または横方向の外側に突出する連結凸部を有する雄側連結部を設け、
前記雄側連結部の連結凸部は、他のホルダ本体の前記雌側連結部の前記連結凹部内に進入することで当該他のホルダ本体を連結することを特徴とする請求項6または7に記載の灯油タンクホルダ。
【請求項9】
灯油を充填しキャップで密閉保護する灯油タンクを保持する灯油タンクホルダであって、
前記複数のフレーム用孔、及び前記取っ手構造部の構成をあらかじめ除いてあることを特徴とする請求項6または8に記載の灯油タンクホルダ。
【請求項10】
灯油を充填しキャップで密閉保護する灯油タンクを保持する灯油タンクホルダであって、
前記複数のフレーム用孔、及び前記取っ手構造部の構成をあらかじめ除いてあるとともに、前記ローラに代って凸状足を設けてあることを特徴とする請求項8に記載の灯油タンクホルダ。









【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−240052(P2007−240052A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−61935(P2006−61935)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(506079397)
【Fターム(参考)】