説明

炊飯器

【課題】簡易な構成で、蓋体と内蓋との間に蒸気口ユニットを着脱可能に取り付けることのできる炊飯器を得る。
【解決手段】内釜2内の蒸気を排出するための案内筒13を備えた内蓋11と、蓋体10と内蓋11とに挟まれた空間に配置される円筒状流路23、及び内蓋11に設けられた案内筒13からの蒸気を円筒状流路23内部に導入する流路導入部23aを備え、蒸気を炊飯器本体1の外部に排出するための蒸気口ユニット20とを備え、蒸気口ユニット20と内蓋11上面のいずれか一方には係止片30を設け、他方には係止片30を一方向からは乗り越えさせるが他方向からは係止させる係止爪31を設け、案内筒13と流路導入部23aのいずれか一方を他方に嵌入させ、係止片30を係止爪31に係止させることにより、蒸気口ユニット20を蓋体10と内蓋11とに挟まれた空間に着脱可能に取り付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炊飯器に係り、より詳しくは、炊飯時に生じるおねばの吹きこぼれを抑制することのできる炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の炊飯器は、蒸気口ユニットの底部に円筒状の連結部を設け、この蒸気口ユニットを取り付ける際には、「蓋体2の収容部3a内に収容してその連結部14を上蓋3に設けた貫通穴3bから下蓋4の連結穴4aにシール部材4bを介して挿入し、取り付ける」ようになっている(例えば、特許文献1参照)。
また、蓋体と内蓋との間に収容され、内蓋の上面にリベット止め等により固定される排気ダクト部材を備えた炊飯器が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3820541号公報(第4頁−第5頁、図1)
【特許文献2】特許第3549457号公報(第4頁−第5頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の炊飯器によれば、蒸気口ユニットは蓋体の上面に露出しているとともに、蒸気口ユニットの取り付けは円筒状の連結部を連結穴に挿入することによって行われている。このため、蒸気口ユニットの取り付けが不十分であると、蓋体を開けたときに蒸気口ユニットが脱落するおそれがあった。
【0005】
特許文献2に記載の炊飯器によれば、排気ダクト部材(蒸気口ユニット)が内蓋の上面に固定されている。このため、おねば等で汚れやすい内蓋及び蒸気口ユニットの洗浄が困難であった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡単な構成で、蓋体と内蓋とに挟まれた空間に蒸気口ユニットを着脱可能に取り付けることのできる炊飯器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る炊飯器は、炊飯器本体と、前記炊飯器本体内に着脱可能に収容される内釜と、前記炊飯器本体の上部開口部を覆う蓋体と、前記蓋体の下面に着脱可能に装着されて前記内釜の上部開口部を覆うとともに、前記内釜内の蒸気を排出するための蒸気排出口を備えた内蓋と、前記内釜を加熱する加熱手段と、前記蓋体と前記内蓋とに挟まれた空間に配置される流路、及び前記内蓋に設けられた前記蒸気排出口からの蒸気を前記流路内部に導入する導入口を備え、蒸気を前記炊飯器本体の外部に排出するための蒸気口ユニットとを備え、前記蒸気口ユニットと前記内蓋上面のいずれか一方には係止片を設け、他方には前記係止片を一方向からは乗り越えさせるが他方向からは係止させる係止爪を設け、前記蒸気排出口と前記導入口のいずれか一方を他方に嵌入させ、前記係止片を前記係止爪に係止させることにより、前記蒸気口ユニットを前記蓋体と前記内蓋とに挟まれた空間に着脱可能に取り付けたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る炊飯器は、蓋体と前記内蓋との間に設けられた流路を有し、蒸気を炊飯器本体の外部に排出する蒸気口ユニットを備えた。そして、蒸気口ユニットと内蓋上面のいずれか一方には係止片を設け、他方には係止片を一方向からは乗り越えさせるが他方向からは係止させる係止爪を設け、蒸気排出口と前記導入口のいずれか一方を他方に嵌入させ、前記係止片を前記係止爪に係止させることにより、前記蒸気口ユニットを前記内蓋に着脱可能に取り付ける。このため、蒸気口ユニットを取り付けるための別部材を設けることなく、蓋体と内蓋に挟まれた空間に蒸気口ユニットを着脱可能に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係る炊飯器の断面図である。
【図2】実施の形態1に係る蒸気口ユニット近傍の切断状態の斜視図である。
【図3】実施の形態1に係る蒸気口ユニット近傍の要部を示す分解斜視図である。
【図4】実施の形態1に係る蒸気口ユニット近傍の断面図である。
【図5】図4と直交する方向における蒸気口ユニット近傍の断面図である。
【図6】図1の蒸気口ユニットの切断状態の他の例を示す斜視図である。
【図7】図4の主要部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1において、炊飯器本体1には水、米などが入れられる有底筒状で上面が開口した内釜2が着脱可能に収容されており、電磁誘導コイルの如き加熱手段3により加熱して炊飯するようになっている。炊飯器本体1は上部に開口部を有し、この開口部は蓋体10により開閉される。蓋体10の内側には内蓋11が着脱可能に設けられており、内蓋11の周縁部には、蓋体を閉じたときに内釜2(後述)の上面と蓋体10との間から蒸気が外部に漏れないように、内釜2の開口部をシールする環状の固定枠(シールゴム)12が設けられている。そして、炊飯器の蓋体10を閉じたときに、内蓋11の周縁部の固定枠12が内釜2の上端部外周に設けたフランジ2aに密接する。
【0011】
蓋体10と内蓋11とに挟まれた空間には、蒸気に混入するおねばを分離する遠心分離式のおねば分離機構(遠心分離式の気液分離機構)を有する蒸気口ユニット20が設けられている。
このおねば分離機構は、内部に円筒状流路23(後述)が設けられており、内蓋11内と連通する案内筒13から入ったおねばを含む蒸気が円筒状流路23の内部を進むとき、遠心力でおねばを分離する。そして、おねばをおねば戻し穴15から排出して内釜2に戻し、蒸気を蒸気排出口23bを介して蓋体10上部の外部排出孔27から外部に排出するようにしてある。このおねば分離機構の流入、流出方向は製品高さを抑えるために水平になるようにしてある。なお、おねば分離機構の流入、流出方向を製品(地面)に対して垂直になるようにしてもよい。
【0012】
図2は実施の形態1に係る蒸気口ユニット近傍の切断状態の斜視図、図3は蒸気口ユニット近傍の要部を示す分解斜視図、図4は蒸気口ユニット近傍の断面図、図5は図4と直交する方向における蒸気口ユニット近傍の断面図である。図2〜図5を参照して、蒸気からおねばを分離して蒸気を排出する構成について説明する。
【0013】
内蓋11の上面には、内釜2内の蒸気を排出するための案内筒13が上方に向かって起立している。案内筒13の下端部には内釜2内と連通し案内筒13内に蒸気を導入させるための導入孔13aが開口しており、上端部には案内筒13内から蒸気を排出させるための排出孔13bが開口している。案内筒13の上端側(排出孔13b側)の外周には、周方向外側に向かって突出する突部13cが形成されている。突部13cは、案内筒13を流路導入部23a(後述する)に挿入したときの抜け止めとしての機能を有する。また、本実施の形態では、突部13cは先端側に向かって徐々に径が小さくなるよう構成されていて、流路導入部23aに挿入しやすくなっている。なお、本実施の形態では、案内筒13が、本発明の内蓋に備えられた「蒸気排出部」に相当する。
【0014】
案内筒13の下部周囲には、円筒状流路23の底面よりも低くなるよう形成された溜まり凹部14が設けられている。溜まり凹部14の底面には、溜まり凹部14内と内釜2内とを連通させるおねば戻し穴15が設けられている。おねば戻し穴15には、上下動可能に設けられた開閉弁16が取り付けられている。
【0015】
開閉弁16は、内釜2内の内圧が低いときには下降して、おねば戻し穴15を開口状態に保持する。また、炊飯中、すなわち内釜2の内圧が高いときにはこの内圧により開閉弁16は上昇し、おねば戻し穴15を塞ぐ。なお、開閉弁16は、耐熱性を有し、経年変化しにくい例えばシリコンゴムの如き材料からなる。
【0016】
蓋体10と内蓋11とに挟まれた空間には、例えばほぼ円筒状のケースからなりおねばを含む蒸気が通過する円筒状流路23が設けられている。この円筒状流路23は、ほぼ閉じられた空間部(内部空間)を形成し、おねばを含んだ蒸気の流入口として底部に流路導入部23aを有し、流路導入部23aの反対側(下流側)には蒸気排出口23bとおねば排出口23cを有している。
【0017】
円筒状流路23の内部には、おねばを含む蒸気の進行方向に対してほぼ直交する螺線状の仕切板(螺線状の翼)26が設けられており、円筒状流路23の内部に螺線状の流路を形成している。そして、蒸気とおねばの混合流体を旋回流によって蒸気とおねばに分離するようになっている。螺線状の仕切板26は、シリコンゴム等の弾性を持った材料で構成されている。
【0018】
なお、上記のような螺線状の仕切板26に代えて、図6に示すように、円筒状流路23の流路方向の中心部に軸26Aを設けてもよい。この場合、軸26Aの断面形状は、流路導入部23aから下流方向に向かって径が小さくなるほぼ円錐形の円筒軸とすることが望ましい。
【0019】
円筒状流路23への蒸気の流入口である流路導入部23aは、円筒状流路23の外殻の円筒中心から一方の側にずらした位置、すなわち、円筒状流路23の内壁のほぼ接線方向となる位置に設けてある。これによって、おねばを含む蒸気を円筒状流路23内で強制的に旋回させて、その遠心力によって蒸気とおねばとを分離するようにしてある。
【0020】
案内筒13の先端(突部13cを備えた側)を、流路導入部23aの開口部内に嵌入させることにより、案内筒13と円筒状流路23とが接続されておねばを含む蒸気の流通が可能となる。流路導入部23aの内周部と、案内筒13の先端側外周部との間には、シリコンゴム等の弾性力を有する材料からなるパッキン等のシール部材25が設けられている。すなわち、シール部材25を挟んで案内筒13の先端が流路導入部23aの開口部に嵌入されている。シール部材25の弾性により、案内筒13と流路導入部23aとのシール性を確保しているとともに、案内筒13と流路導入部23aとの嵌合状態を安定させている。また、シール部材25の高さをある程度高く設定することで、仮に案内筒13の先端と流路導入部23aとの嵌合状態が不十分であっても、両者のシール性を確保することができる。
【0021】
なお、本実施の形態では案内筒13を流路導入部23aの開口部に嵌入させる例を示したが、嵌入する側とされる側を逆にして、流路導入部23aを案内筒13の開口部に嵌入させる構成とすることもできる。すなわち、いずれか一方の開口部に、他方の開口部周壁部分を嵌入させればよい。
【0022】
円筒状流路23の出口側(下流側)のほぼ中心部には蒸気排出口23bが設けられており、また、円筒状流路23の下流側の下部外周側にはおねば排出口23cが設けられている。螺旋状の仕切板26を備えた円筒状流路23において、おねばを含む蒸気はその遠心力で旋回流をなし、おねばは円筒状流路23の径方向外側に分離し、蒸気は円筒状流路23の中心部へと分離して、それぞれを蒸気排出口23b、おねば排出口23cから排出する。円筒状流路23は、その断面積が流路導入部23a側から蒸気排出口23b側に向かって大きくなるようにしてあり、断面積が大きくなるにしたがっておねばを含む蒸気の通過速度が遅くなり、おねばが下側に落ちやすいようになっている。また、円筒状流路23の底面は、溜まり凹部14におねばが溜まりやすいように、溜まり凹部14に向かって下降する傾斜面となっている。
【0023】
なお、蒸気排出口23bは円筒状流路23の出口側のほぼ中心部に設けてあるが、中心部の径方向外側であっておねば排出口23cの反対側にずらしてもよく、このようにすると、蒸気の旋回が蒸気排出口23bで遅くなるので蒸気が排出しやすくなる。
また、おねば排出口23cは旋回流の外側に設けておねばを分離するが、この場合、旋回流の外側下部に設けたおねば排出口23c部分のケース内の空間部の断面形状をおねば排出口23c側に向かって大きくしてもよく、特に円筒状流路である場合は、円筒断面形状を排出口側に向かって大きくして部分的なスクロール形状とすることができる。
【0024】
円筒状流路23の出口側に設けた蒸気排出口23bは筒状に形成された蒸気流出筒24の入口部として構成されており、円筒状流路23から蒸気出口である外部排出孔27近傍まで延設してある。こうすることによって、分離された蒸気が円筒状流路23の外部へ流出したおねばと再混合するのを防ぐことができる。なお、蒸気流出筒24はその下流側で外部排出孔27の近傍まで延設してあるが、外部排出孔27に直結させることもでき、このようにすると、外部へ流出したおねばと再混合するのを防ぐことができる。
また、蒸気排出口23b、すなわち蒸気流出筒24の上流側は、円筒状流路23の内側(上流側)に筒状に延設されており、分離したおねばがここから流出しないための「返し」的役割を果たしている。
こうして、円筒状流路23の出口側には、蒸気流出筒24が嵌合されている(図3参照)。
【0025】
図4に示すように、蒸気口ユニット20の下流側には、弾性変形可能な係止片30が設けられている。本実施の形態では、係止片30は、蒸気流出筒24を構成するケースに設けられている。係止片30は、蒸気流出筒24の底部から下方へ向かって延びる垂直部30aと垂直部30aの下端部から水平方向に延びる水平部30bからなり、断面ほぼL字形状を有している。また、内蓋11の上面側には、係止片30と対応する位置に係止爪31が設けられている。係止爪31は、図面上側からは係止片30を乗り越えさせることができるが、図面下側からは係止片30を係止させるように構成されている。なお、係止爪31は、内蓋11の上面側に直接設けてもよいし、内蓋11に着脱可能に取り付けられた別部材や固着された別部材を介して内蓋11に取り付けるようにしてもよい。
【0026】
図7は、図4の主要部の拡大図である。図7に示すように、蓋体10の下面と、円筒状流路23のケース上面との隙間をクリアランスXとする。また、係止状態にある係止片30と係止爪31との隙間をクリアランスYとする。そして、クリアランスXは、クリアランスY以下となるように構成されている。クリアランスXは、例えば0.7mm程度、クリアランスYは、例えば1mm程度である。
【0027】
次に、蒸気口ユニット20の取り付けについて説明する。ここで、内蓋11が蓋体10から取り外されており、蒸気口ユニット20も内蓋11から取り外されている状態であるものとする。まず、円筒状流路23の流路導入部23aに案内筒13の先端を嵌入させて、案内筒13と円筒状流路23とを連通させる。あわせて、係止片30を係止爪31の上方から押し当てて乗り越えさせ、係止爪31に係止片30を係止させることにより、蒸気口ユニット20を内蓋11の上面側に取り付ける。そして、内蓋11を、蓋体10の下面に取り付けることにより、蒸気口ユニット20が蓋体10と内蓋11との間に保持される。
ここで、クリアランスXは、クリアランスY以下となるように構成したので、係止片30の係止爪31への係止が不十分の状態であっても、内蓋11を蓋体10の下面に取り付けることにより、蓋体10の下面が円筒状流路23のケース上面を押圧して係止片30を係止爪31に係止させることができる。
【0028】
なお、本実施の形態では係止片30を蒸気流出筒24の底部に設ける例を示したが、円筒状流路23を構成するケースの外殻に設けてもよい。また、係止片30は、蒸気口ユニット20の下流側に設けるのが好ましい。このようにすることで、円筒状流路23の上流側では案内筒13と流路導入部23aとの嵌合構造により固定され、円筒状流路23の下流側では係止片30と係止爪31とにより固定されることとなるので、蒸気口ユニット20の長手方向の両端を固定でき、安定して保持できる。
また、係止片30を内蓋11側に設け、係止爪31を蒸気口ユニット20側に設けてもよい。
【0029】
次に、上記のようなおねば分離機構を有する蒸気口ユニット20を備えた炊飯器の作用を説明する。
水と米を入れた内釜2を炊飯器本体1内に収容して蓋体10を閉じ、操作部(図示せず)に設けた電源スイッチをONすると、加熱手段3の作用によって内釜2が加熱され、内釜2内の水が沸騰すると、おねばを含んだ蒸気が発生する。このとき、内釜2の内圧が上昇しているため、蒸気口ユニット20の開閉弁16は、押し上げられておねば戻し穴15を閉塞する。このため、おねばを含む蒸気は、案内筒13を通り、案内筒13の排出孔13bと円筒状流路23の流路導入部23aとの嵌合部を経由して、おねば分離機構の円筒状流路23内に導かれる。案内筒13の排出孔13bと円筒状流路23の流路導入部23aとの嵌合部には、シール部材25が設けられているため、この嵌合部から蒸気が漏れるのを抑制できる。
【0030】
案内筒13を出たおねばを含む蒸気は、円筒状流路23の内壁の接線方向から流路内部に流入し、螺線状の仕切板26に沿って螺線状の流路を強制的に旋回させられ、その遠心力によって蒸気とおねばに分離される。そして、蒸気は、蒸気排出口23bから蒸気流出筒24を通り、外部排出孔27から炊飯器本体1の外部に放出される。一方、おねばは、おねば排出口23cから排出され、溜まり凹部14に溜められる。
【0031】
その後、加熱が停止して、内釜2の内圧が低下すると、開閉弁16は、自重及びおねばの重量によって下降し、溜まり凹部14の底面に設けられたおねば戻し穴15を開口させる。これにより、溜まり凹部14内に溜まったおねばは、おねば戻し穴15から内釜2内に落下する。おねばが内釜2内のご飯に戻ることにより、おねばに含まれるおいしさの成分がご飯に与えられて、つやや粘りのあるおいしいご飯を炊くことができる。
【0032】
以上のように本実施の形態に係る炊飯器は、蓋体10と内蓋11とに挟まれた空間に設けられた円筒状流路23を有する蒸気口ユニット20とを備えた。そして、蒸気口ユニット20に係止片30を設け、内蓋11の上面側には係止片30を上方向からは乗り越えさせるが下方向からは係止させる係止爪31を設け、案内筒13の上端部を流路導入部23aの開口部に嵌入させ、係止片30を係止爪31に係止させることにより、蒸気口ユニット20を内蓋11に着脱可能に取り付けるようにした。このため、蒸気口ユニット20を取り付けるための別部材を設けることなく、蓋体10と内蓋11とに挟まれた空間に蒸気口ユニット20を着脱可能に取り付けることができる。また、蓋体10と内蓋11とに挟まれた空間に蒸気口ユニット20の流路を設けたので、蓋体10の下面に内蓋11を取り付けると蒸気口ユニット20が両者の間に狭持され、蒸気口ユニットが脱落するおそれがない。また、案内筒13と流路導入部23aとの嵌入構造、及び係止片30と係止爪31との係止構造は、いずれも取り扱いが容易であってユーザの操作負担も少ない。
【0033】
また、案内筒13の先端部を、シール部材25を介して流路導入部23aに嵌入させた。このため、シール部材25により案内筒13と流路導入部23aとの間が密閉され、蒸気漏れを抑制できる。また、シール部材25の弾性により、案内筒13と流路導入部23aとの嵌合状態を安定させることができる。
【0034】
また、円筒状流路23のケース上面と蓋体10の下面とのクリアランスが、係止状態にある係止片30と係止爪31とのクリアランス以下となるよう構成した。このため、係止片30の係止爪31への係止が不十分であっても、内蓋11を蓋体10に取り付けることで、蓋体10の下面により円筒状流路23が押圧されて、係止片30を係止爪31に係止させることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 炊飯器本体、2 内釜、2a フランジ、3 加熱手段、10 蓋体、11 内蓋、12 固定枠、13 案内筒、13a 導入孔、13b 排出孔、13c 突部、14 溜まり凹部、15 おねば戻し穴、16 開閉弁、20 蒸気口ユニット、23 円筒状流路、23a 流路導入部、23b 蒸気排出口、23c おねば排出口、24 蒸気流出筒、25 シール部材、26 仕切板、26A 軸、27 外部排出孔、30 係止片、30a 垂直部、30b 水平部、31 係止爪。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯器本体と、
前記炊飯器本体内に着脱可能に収容される内釜と、
前記炊飯器本体の上部開口部を覆う蓋体と、
前記蓋体の下面に着脱可能に装着されて前記内釜の上部開口部を覆うとともに、前記内釜内の蒸気を排出するための蒸気排出部を備えた内蓋と、
前記内釜を加熱する加熱手段と、
前記蓋体と前記内蓋とに挟まれた空間に配置される流路、及び前記内蓋に設けられた前記蒸気排出部からの蒸気を前記流路内部に導入する流路導入部を有し、蒸気を前記炊飯器本体の外部に排出するための蒸気口ユニットとを備え、
前記蒸気口ユニットと前記内蓋上面のいずれか一方には係止片を設け、他方には前記係止片を一方向からは乗り越えさせるが他方向からは係止させる係止爪を設け、
前記蒸気排出部と前記流路導入部のいずれか一方を他方に嵌入させ、前記係止片を前記係止爪に係止させることにより、前記蒸気口ユニットを前記蓋体と前記内蓋とに挟まれた空間に着脱可能に取り付けた
ことを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記蒸気排出部と前記流路導入部のいずれか一方は、シール部材を介して他方に嵌入されている
ことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
前記係止爪と前記係止片とが上下方向に係止可能に構成されており、
前記流路の上面と前記蓋体の下面とのクリアランスが、係止状態にある前記係止爪と前記係止片とのクリアランス以下となるよう構成した
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記流路の内部に、おねばを含む蒸気の進行方向に対してほぼ直交する螺旋状の仕切り板を設け、前記流路の内部に螺旋状の流路を形成した
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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