説明

炊飯器

【課題】 内釜を加熱する際に発生する熱エネルギーを最大限に有効活用して、省エネルギー性の高い炊飯器を提供する。
【解決手段】鍋11と、鍋11を加熱する加熱コイル16と、鍋11の外底面と外側面を覆い、加熱コイル16を保持する鍋収容体7と、鍋11および鍋収容体7を収納する本体1と、を備えた炊飯器において、鍋収容体7の側面に良熱伝導材料で形成された伝熱体81を設けている。この場合、鍋収容体7の側面に設けた伝熱体81が、鍋11または加熱手段のいずれか一方から受熱して、鍋11の外側面を加熱するため、鍋11の外側面を特別に加熱する電力が廃止あるいは低減される。そのため、鍋11を加熱する際に発生する熱エネルギーを最大限に有効活用して、省エネルギー性の高い炊飯器を提供することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内釜を加熱して炊飯を行なう炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギー性の高い商品が好まれる現状下で、この種の炊飯器は、例えば特許文献1に示すような断熱材の追加や、消費エネルギー(電力)の極小化によって、省エネルギー性能の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−213770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上述した断熱材の追加は、製品サイズの大型化を伴う。また、消費エネルギー(電力)の極小化は、ご飯の炊上がりを悪化させる要因になり、何れも商品開発の際の大きな障害となっている。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、内釜を加熱する際に発生する熱エネルギーを最大限に有効活用して、省エネルギー性の高い炊飯器を提供することを、第1の目的とする。
【0006】
また、本発明の第2の目的は、内釜を加熱する際に発生する熱エネルギーを効率よく再利用できる炊飯器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明では、枠体の側面に設けた伝熱手段が、内釜または加熱手段のいずれか一方から受熱して、内釜の外側面を加熱するため、内釜の外側面を特別に加熱する電力が廃止あるいは低減される。そのため、内釜を加熱する際に発生する熱エネルギーを最大限に有効活用して、省エネルギー性の高い炊飯器を提供することが可能になる。
【0008】
請求項2の発明では、伝熱手段と内釜との近接した箇所を利用して、内釜から効率良く伝熱手段に受熱させることが可能になる。
【0009】
請求項3の発明では、伝熱手段と内釜のフランジ部との接触した箇所を利用して、伝熱手段から内釜に効率良く伝熱させ、内釜を加熱することが可能になる。
【0010】
請求項4の発明では、伝熱手段を1個ではなく複数個設けることで、内釜を加熱する際に発生する熱エネルギーを効率よく再利用できる。
【0011】
請求項5の発明では、誘導加熱手段から内釜への電磁誘導加熱によって、内釜を効率良く温度上昇させると共に、枠体の側面に設けた伝熱手段が内釜から受熱して、内釜の外側面を加熱するため、内釜の外側面を特別に加熱する電力が廃止あるいは低減される。そのため、内釜を加熱する際に発生する熱エネルギーを最大限に有効活用して、省エネルギー性の高い炊飯器を提供することが可能になる。
【0012】
請求項6の発明では、伝熱手段と内釜との近接した箇所を利用して、内釜から効率良く伝熱手段に受熱させることが可能になる。また、伝熱手段を誘導加熱手段の上方に配置することで、特に誘導加熱手段により発熱した内釜の熱を、誘導加熱手段の存在しない内釜の上方部分へ、伝熱手段を利用して効率よく伝熱できる。
【0013】
請求項7の発明では、伝熱手段と内釜のフランジ部との接触した箇所を利用して、伝熱手段から内釜に効率良く伝熱させ、内釜を加熱することが可能になる。
【0014】
請求項8の発明では、伝熱手段を1個ではなく複数個設けることで、内釜を加熱する際に発生する熱エネルギーを効率よく再利用できる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、内釜を加熱する際に発生する熱エネルギーを最大限に有効活用して、省エネルギー性の高い炊飯器を提供できる。
【0016】
請求項2の発明によれば、内釜から効率良く伝熱手段に受熱させることが可能になる。
【0017】
請求項3の発明によれば、伝熱手段から内釜に効率良く伝熱させ、内釜を加熱することが可能になる。
【0018】
請求項4の発明によれば、内釜を加熱する際に発生する熱エネルギーを効率よく再利用できる。
【0019】
請求項5の発明によれば、内釜を効率良く温度上昇させることができる上に、内釜を加熱する際に発生する熱エネルギーを最大限に有効活用して、省エネルギー性の高い炊飯器を提供できる。
【0020】
請求項6の発明によれば、内釜から効率良く伝熱手段に受熱させることが可能になると共に、誘導加熱手段の存在しない内釜の上方部分へ、伝熱手段を利用して効率よく伝熱できる。
【0021】
請求項7の発明によれば、伝熱手段から内釜に効率良く伝熱させ、内釜を加熱することが可能になる。
【0022】
請求項8の発明によれば、内釜を加熱する際に発生する熱エネルギーを効率よく再利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】一般的な炊飯器の全体縦断面図である。
【図2】同上、電気的構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第一実施例における炊飯器の要部縦断面図である。
【図4】同上、ヒートパイプ単体の平面図である。
【図5】本発明の第二実施例における炊飯器の要部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明における炊飯器の好ましい実施例を説明する。
【0025】
図1は、後述する各実施例に共通する炊飯器の基本的な全体構成を示している。同図において、炊飯器の外郭をなす本体1は、その上面と上側面を構成する上枠2と、側面を構成するほぼ筒状の外枠3と、外枠3の下方の底部開口を覆う底板4とにより構成される。また、上枠2の上面内周部から一体に垂下させて形成されるほぼ筒状の鍋収容部5と、この鍋収容部5の下面開口を覆って設けられる内枠6とにより、後述する鍋11を収納する有底筒状で非磁性材料からなる鍋収容体7が形成される。上枠2や底板4は、ポリプロピレン(PP)などの合成樹脂で形成され、外枠3はステンレスなどの金属部材で形成される。また、鍋収容部5もポリプロピレンなどの合成樹脂で形成され、内枠6はポリエチレンテレフタレート(PET)などの合成樹脂で形成される。
【0026】
11は、米や水などの被炊飯物を収容し、前記本体1を構成する鍋収容体7内に着脱自在に収納される有底筒状の鍋である。この鍋11は、熱伝導性のよいアルミニウムを主材料とした熱伝熱体としての鍋本体12と、この鍋本体12の外面の側面下部から底面部にかけて接合されたフェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体13とにより構成される。また、鍋11の上端周囲には、その外周側に延出する円環状のフランジ部14が形成される。鍋本体12の側面中央部から上部に発熱体13を設けないようにすることで、鍋11の軽量化を図っている。
【0027】
前記鍋11の発熱体13に対向して、内枠6の外面の側面下部および底面部には、鍋11の特に底部を電磁誘導加熱する誘導加熱手段として、加熱コイル16が配置される。そして、この加熱コイル16に高周波電流を供給すると、加熱コイル16から発生する交番磁界によって鍋11の発熱体13が発熱し、炊飯時や保温時に鍋11ひいては鍋11内の被炊飯物を加熱するようになっている。
【0028】
また、内枠6の底部中央部には、鍋11の底部外面と弾発的に接触するように、鍋温度検出手段としての温度センサ17が配置され、鍋11の温度を検知し、加熱コイル16による鍋11の底部の加熱温度を主に温度管理するようになっている。
【0029】
前記鍋収容体7の上端には、鍋11の側面上部、特にフランジ部14を加熱するためのコードヒータ18が円環状に配置される。このコードヒータ18は電熱式ヒータからなり、鍋収容体7の上端に載置して取付けられた熱放散抑止部材としてのヒータリング19上に保持されると共に、コードヒータ18を上から覆うようにしてヒータリング19に取付けられた金属板20を備えて、フランジヒータを構成している。この金属板20は、アルミニウム板などの熱伝導性が良い材料で形成され、本体1と後述する蓋体21との隙間に対向して位置している。そして、前記金属板20の上面に鍋11のフランジ部14の下面が載置し、鍋11が本体1の上枠2に吊られた状態で、鍋収容体7内に収容される。これにより、鍋11と鍋収容部5の上端における隙間が殆どない構成となるが、フランジ部14の一部に形成した鍋11の持ち手部(図示せず)は、金属板20の上面と非接触にし、部分的に隙間を形成することで、鍋11の外面に水が付着した状態で炊飯したときに、その隙間から蒸気が排出されるように構成してある。また、鍋11のフランジ部14は、平面視でコードヒータ18を覆うように、その外形がコードヒータ18と同等以上の大きさに形成される。
【0030】
蓋体21は、蓋体21の外観部品となる外蓋22と、外蓋22の下方を形成する外蓋カバー23から構成される。外蓋カバー23には、ステンレスやアルミニウムをアルマイトした金属製の放熱板24を設け、蓋体21の内部にあって、放熱板24の上面には、蓋加熱手段としての蓋ヒータ26が設けられている。この蓋ヒータ26は、コードヒータなどの電熱式ヒータや、電磁誘導加熱式による加熱コイルでもよい。
【0031】
前記上枠2の後方には、蓋体21と連結するヒンジ部28が設けられる。このヒンジ部28には、正面から見て左右方向に一対の孔(図示せず)が設けられていると共に、ねじりコイルバネなどで形成した付勢手段としてのヒンジバネ29が、その内部に収納される。一方、外蓋カバー23の後方にも、前記ヒンジ部28に設けた孔と対向するようにヒンジ受部としての外蓋カバーヒンジ孔(図示せず)が設けられる。そして、このヒンジ孔とヒンジ部28の孔に共通して、棒状のヒンジシャフト30を挿通することで、本体1と蓋体21がヒンジ部28のヒンジシャフト30を支点として開閉自在に軸支される。さらに、前記ヒンジバネ29の一端と他端が、外蓋カバー23と上枠2にそれぞれ引掛けられることで、蓋体21はヒンジバネ29の弾性反発力を利用して常時開方向に付勢される。
【0032】
蓋体21の前方上面には、操作手段としての蓋開ボタン32が露出状態で配設されると共に、前記外蓋カバーヒンジ孔の略反対側には、係合部に相当するクランプ34が配置される。このクランプ34は、蓋体21の内部に設けたクランプシャフト35を中心として、外蓋カバー23に対し回転自在に軸支される。蓋体21の内部には、クランプ34を蓋開ボタン32側に付勢するバネなどのクランプ付勢手段36が設けられ、これにより蓋開ボタン32を常時上方に押し上げる力が作用するようになっている。そして、クランプ付勢手段36の付勢力に抗して、蓋開ボタン32を押すと、クランプ34と本体1との係合が解除され、ヒンジバネ29によって蓋体21が自動的に開く構成となっている。
【0033】
41は、放熱板24の外側すなわち下側に着脱自在に設けられる内蓋組立体である。この内蓋組立体41は、鍋11の上方開口部とほぼ同径の円盤状を有し、ステンレスやアルミニウムをアルマイトした金属製の内蓋42と、鍋11と内蓋42との間をシールするために、当該内蓋42の外側全周に設けられ、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性部材からなる蓋パッキン43と、内釜である鍋11の内圧力を調整する調圧部44とを備えている。環状に形成された蓋パッキン43は、蓋体21を閉じた時(蓋閉時)に、鍋11のフランジ部14上面に当接して、この鍋11と内蓋42との間の隙間を塞ぎ、鍋11から発生する蒸気を密閉するものである。
【0034】
前記内蓋42,蓋パッキン43および調圧部44は、内蓋組立体41の外周に設けたパッキンベース45で一体化され、外蓋カバー23の内面に着脱可能に備えてある。この円環状のパッキンベース45は、内蓋42と蓋パッキン43とを装着するものであるが、ここには内蓋42の取付部と、蓋パッキン43の取付部の他に、外蓋カバー23への取付部と、使用者が内蓋組立体41を容易に着脱できるように、取手部をそれぞれ形成している。
【0035】
46は、蓋体21を本体1に閉じた状態で、鍋11内を通常の大気圧よりも低くするために設けた吸引手段である。この吸引手段46は、蓋体21の後部に設けた吸引駆動源としてのポンプ47と、このポンプ47から本体1および蓋体21を経て、内蓋42に設けた孔(図示せず)に至る管状の経路48とにより構成される。また、蓋体21の内部には、経路48の基端部を開閉する開閉手段としての電磁弁61(図2参照)が設けられる。電磁弁には、前記内蓋42の孔の周囲に向けて放熱板24から下方に突出した筒状の減圧パッキン(図示せず)が接続される。ここでの吸引手段46は電動のポンプ47によるポンプ式であるが、手動のピストン式でも構わない。
【0036】
そして、内蓋42を含む内蓋組立体41を蓋体21の下面に装着すると、減圧パッキンが弾性変形しながら内蓋42の上面に密閉当接し、これにより鍋11とポンプ47とを連通する経路46が形成される。また、内蓋組立体41を装着した状態で蓋体21を閉じると、蓋パッキン43が鍋11に密着して、密閉した鍋11とポンプ47との間が経路48により連通する。この状態からポンプ47を起動させると、電磁弁61ひいては経路48が開放して、鍋11内の空気が経路48およびポンプ47を通って本体1の外部に排出され、密閉した鍋11内の圧力が低下する。また、鍋11内の圧力が大気圧よりも一定値下がった場合に、電磁弁61ひいては経路48を閉塞して、鍋11内を減圧状態に保っている。さらに、スローリークにより鍋11内の圧力が上昇した場合にも、電磁弁61ひいては経路48を開放し、ポンプ47を起動させて、鍋11内を大気圧よりも低い状態に維持している。
【0037】
前記放熱板24には、蓋体21の特に内蓋42の温度を検知する蓋温度検知手段として、蓋ヒータ26による内蓋42の温度管理を行なうためのサーミスタ式の蓋温度センサ49が設けられていている。また、蓋体21の上面後方寄り部には、蓋体21の上面側から着脱可能な蒸気排出部としての蒸気排出ユニット50が設けられる。蒸気排出ユニット50と調圧部44は蓋体21の内部で連通しており、これらの蒸気排出ユニット50や調圧部44により、鍋11内で発生した蒸気を外部へ放出するための蒸気排出機構が形成される。
【0038】
前記本体1の前部には操作パネル51が設けられている。この操作パネル51の内側には、時間や選択したメニューを表示するLCD52や、図示しないが、現在の行程を表示するLEDや、炊飯を開始させたり、メニューを選択させたりする操作スイッチ53の他に、鍋11内の減圧状態を選択する減圧選択スイッチなどを配置した基板が配設される。操作パネル51にはボタン名などが表示され、電子部品である制御手段にほこりや水が付着することも防止している。なお、操作パネル51を蓋体21の正面側に設けてもよい。
【0039】
55は、本体1の内部前方に設けられた加熱制御手段である。この加熱制御手段55は、加熱手段である加熱コイル16を駆動させるための発熱素子56を基板に備えて構成される。この加熱コイル16を駆動する発熱素子56は、加熱コイル16の発振と共に加熱されるが、動作状態を保証する使用条件温度を有するので、一定温度以下で使用する必要がある。そのために、発熱素子56は、例えばアルミニウムのような熱伝導性の良好な材料で構成されるフィン状の放熱器57に熱的に接続され、冷却手段である冷却ファン58から発する風を放熱器57に当てて熱を奪うことにより、使用条件温度内で素子を駆動するようにしている。さらに、本体1の内部には、電源プラグ(図示せず)を巻き取るためのコードリール59が設けられる。
【0040】
冷却ファン58は、加熱制御手段55に取り付けられた放熱器57の下方、若しくは側部に配置されている。また、本体1の底部若しくは側部には、冷却ファン58から発し、加熱制御手段55に取り付けられた放熱器57から熱を奪って温かくなった風を、本体1の外部へ排出するための孔(図示せず)が複数設けられている。加熱制御手段55は製品内部すなわち本体1内に収納されるが、鍋11の外周囲のどの位置に配置してもよい。また、本体1の底部若しくは側部に設けた孔も、どの位置に配置してもよい。しかし、近年は製品の小形化設計が求められている背景もあり、加熱制御手段55や冷却ファン58と、温かな風を排出する孔は、鍋11をはさんで略反対位置に配置するのが好ましい。
【0041】
次に制御系統について、図2を参照しながら説明する。同図において、55は前述した加熱制御手段で、これは前記鍋温度センサ17および蓋温度センサ49からの各温度情報や、操作スイッチ53からの操作信号を受けて、炊飯時および保温時に鍋11の底部を加熱する加熱コイル16と、鍋11の側部を加熱するコードヒータ18と、蓋体21を加熱する蓋ヒータ26とを各々制御すると共に、前述したポンプ47や電磁弁61を各々制御するものである。
【0042】
加熱制御手段55は、鍋温度センサ17の検出温度に基づいて主に加熱コイル16が制御されて鍋11の底部を温度管理し、蓋温度センサ49の検出温度に基づいて主に蓋ヒータ26が制御されて放熱板24ひいては内蓋42を温度管理するようになっている。また加熱制御手段55は、自身の記憶手段(図示せず)に記憶されたプログラムの制御シーケンス上の機能として、炊飯時に前記鍋11内の被炊飯物を炊飯加熱する炊飯制御手段62と、保温時に鍋11内のご飯を所定の保温温度に保温加熱する保温制御手段63と、操作スイッチ53からの予約炊飯開始の指令を受けて、予め記憶手段に記憶された所定時間に鍋11内の被炊飯物が炊き上がるように炊飯制御手段62を制御する予約炊飯コースを実行可能な予約炊飯制御手段64を備えている。なお、前記所定時間は、操作スイッチ53の例えば時間キーや分キーを操作することで、適宜変更することができる。
【0043】
71は、加熱制御手段55からの制御信号を受けて、加熱コイル16に所定の高周波電流を供給する高周波インバータ回路などを内蔵した加熱コイル駆動手段である。またこれとは別に、加熱制御手段55の出力側には、加熱制御手段55からの制御信号を受けて、放熱板24や内蓋42を加熱するように蓋ヒータ26を駆動させる蓋ヒータ駆動手段72と、コードヒータ18をオンにするコードヒータ駆動手段73と、ポンプ47を駆動させるポンプ駆動手段74と、電磁弁61をオンまたはオフにする電磁弁駆動手段75と、前述したLCD52などを含む表示手段76を駆動させる表示駆動手段77が各々設けられる。前記炊飯制御手段62による炊飯時、および保温制御手段63による保温時には、鍋温度センサ17と蓋温度センサ49からの各温度検出により、加熱コイル16による鍋11の底部への加熱と、コードヒータ18による鍋11の側面への加熱と、蓋ヒータ26による蓋体21への加熱が行なわれるように構成する。また、前記炊飯制御手段62による炊飯が終了し、鍋11内の被調理物がご飯として炊き上がった後は、保温制御手段63による保温に自動的に移行し、鍋温度センサ17の検知温度に基づき、加熱コイル16やコードヒータ18による鍋11への加熱を調節することで、ご飯を所定の保温温度(約70℃〜76℃)に保温するように構成している。
【0044】
特に前記コードヒータ18による加熱について補足説明すると、炊飯後にご飯の温度が約100℃から約73℃の保温温度に低下するまでと、約73℃の保温安定時に、コードヒータ18を発熱させて、蓋体21と本体1との隙間の空間に金属板19から熱放射して、この隙間からの外気の侵入による冷えを抑制すると共に、鍋11のフランジ部14を加熱する。また、保温時にご飯を再加熱する期間にもコードヒータ18により鍋11のフランジ部14を加熱し、ご飯の加熱により発生する水分が鍋11の内面上部に結露することを防止するように構成している。
【0045】
さらに、本実施例における加熱制御手段55は、予約炊飯制御手段64による予約炊飯の待機時の炊飯が開始するまでの期間や、炊飯制御手段62が実質的な炊飯を開始するまでのひたし行程の期間や、保温制御手段63により前述した保温が安定する状態と判断した後で、鍋11内が大気圧より低くなるように、ポンプ47や減圧状態保持用の電磁弁61を動作させる減圧制御手段78としての機能をも備えている。
【0046】
上記構成の炊飯器における動作は、以下のとおりである。
【0047】
鍋11内に被炊飯物である米および水を入れ、操作スイッチ53の例えば炊飯キーを操作すると、炊飯制御手段62による炊飯が開始する。ここで炊飯制御手段62は、実質的な炊飯を開始する前に、鍋11内の米に対する吸水を促進させるために、鍋温度センサ17による鍋11の底部の温度検知に基づいて、加熱コイル16とコードヒータ18で鍋11の底部と側面部をそれぞれ加熱し、鍋11内の水温を約45〜60℃に15〜20分間保持するひたしを行なう。
【0048】
このひたし時には、減圧制御手段78が動作して鍋11内の圧力が大気圧よりも低くなるように、ポンプ47や電磁弁61が制御される。具体的には、ひたし行程が開始すると、減圧制御手段78は実質的な炊飯が開始する直前まで減圧選択スイッチをオンにすると共に、鍋11内が減圧中であることを表示手段76のLCD52に表示させる。これにより、使用者は鍋11内が減圧中であることを知ることができる。また、減圧制御手段78は、鍋11内から空気を排出するために、ポンプ47を駆動させる信号をポンプ駆動手段74に出力すると共に、このポンプ47に同期して電磁弁61ひいては経路48を開放させる信号を電磁弁駆動手段75に出力する。その後、減圧制御手段78はポンプ47の駆動を停止させ、且つ電磁弁61ひいては経路48を閉じて、鍋11内を減圧状態に維持し、スローリークによる圧力上昇を考慮して、所定時間が経過すると、減圧制御手段78は再びポンプ47を所定時間駆動させると共に、電磁弁61ひいては経路48を開放させて、鍋11内から空気を排出する。その後は上述した動作が繰り返されて、ポンプ47と電磁弁61が同時にオン,オフ制御され、鍋11内の圧力が所望の範囲内の値に維持される。
【0049】
こうして、ひたし時には鍋11内は減圧状態が維持される。また、この減圧時には、調圧部44により鍋11内の密閉が確保され、ひたし時に密閉状態で鍋11内を減圧でき、鍋11内において米に水を十分に吸水させることが可能になる。
【0050】
その後、所定時間のひたしが終了すると、炊飯制御手段62は実質的な炊飯動作を開始すると共に、減圧制御手段78による鍋11への減圧制御は中断し、減圧選択スイッチはオフになると共に、LCD52による減圧状態である旨の表示も停止する。併せて、ポンプ47および電磁弁61は、その後の保温が安定した状態になるまでオフ状態となる。また炊飯制御手段62は、調圧部44により鍋11内と蒸気排出ユニット50とを連通させる。これにより鍋11は、ほぼ大気圧に維持される。
【0051】
鍋11内の沸騰状態を検知すると、炊き上げ(沸騰継続加熱)とむらしが続けて行なわれるが、むらしの途中までは鍋11内を大気圧以上にするために、炊飯制御手段62は吸引手段46の作動を停止させつつ、調圧部44により鍋11内と蒸気排出ユニット50との連通を遮断する。
【0052】
炊飯行程に移行すると、炊飯制御手段62は加熱コイル16により鍋11を強加熱し、被炊飯物への沸騰加熱を行なう。この沸騰加熱時に鍋11の底部の温度が90℃以上になり、蓋体21の温度が90℃以上で安定したら、鍋11内が沸騰状態になったものとして、それまでよりも加熱量を低減した沸騰継続加熱に移行する。沸騰加熱の途中で、炊飯制御手段62は、調圧部44により鍋11内と蒸気排出ユニット50とを連通させ、鍋11をほぼ大気圧に維持する。なお、蓋体21の温度が90℃以上で安定したことは、蓋温度センサ49からの検出温度の温度上昇率により検知される。また、この沸騰検知において、鍋温度センサ17と蓋温度センサ49とにより、鍋11の底部および蓋体21がいずれも90℃以上になったことを確認でき、完全に鍋11内が沸騰したことを精度よく検知できる。
【0053】
また、前記鍋11の底部,鍋11の側面部または蓋体21のいずれかが120℃以上の通常ではあり得ない検知温度になったら、加熱制御手段55は何らかの異常があると判断して、炊飯加熱における加熱量を低減して全ての動作を停止する切状態にするか、後述するむらしに移行するか、保温を行ない、異常加熱を防止する。逆に、前記鍋11の底部または蓋体21のいずれかが90℃以上になって所定時間(例えば5分)経過しているのに、それ以外の鍋11の底部または蓋体21のいずれかが90℃未満で低い状態の場合、この温度の低い状態の鍋温度センサ17または蓋温度センサ49が、何らかの理由(汚れや傾きや接触不良など)で温度検知精度が悪化していると判断し、同様に炊飯加熱における加熱量を低減して全ての動作を停止する切状態にするか、むらしに移行するか、保温を行ない、これに対処する。
【0054】
鍋11内の沸騰状態を検知すると、炊き上げ(沸騰継続加熱)とむらしが続けて行なわれるが、むらしの途中までは鍋11内を大気圧以上にするために、炊飯制御手段62は吸引手段46の作動を停止させつつ、調圧部44により鍋11内と蒸気排出ユニット50との連通を遮断する。
【0055】
また、沸騰継続に移行すると、炊飯制御手段62は蓋ヒータ26による蓋加熱を開始させる。ここでの蓋加熱は、内蓋42の温度が100〜110℃になるように、蓋温度センサ49の検知温度により管理される。また沸騰継続加熱に移行したら、炊飯制御手段62は鍋11内と蒸気排出ユニット50との間を周期的に連通または遮断させる。これにより、鍋11に通じる調圧部44の密閉度を、選択したメニューに応じて最適なものに可変することができる。
【0056】
そして、鍋11の底部が所定の温度上昇を生じたら、鍋11内の炊上がりを検知して、炊飯制御手段62による炊飯行程を終了し、保温制御手段63により保温行程に移行して、最初のむらしに移行する。むらし中は蓋温度センサ49の検出温度による温度管理によって蓋ヒータ26を通断電し、内蓋42への露付きを防止すると共に、ご飯が焦げない程度に高温(98〜100℃)が保持されるように、鍋11の底部の温度を管理する。むらしは所定時間(15〜20分)続けられ、むらしが終了したら保温制御手段63による保温に移行する。
【0057】
また、むらしに移行すると、その後の保温開始直後に蓋体21が開けられることを考慮して、鍋11内を大気圧に戻す動作が行なわれる。保温制御手段63は、むらしの途中で調圧部44により鍋11内と蒸気排出ユニット50とを連通させる。保温行程に移行した直後は、鍋11内が外部と連通し、大気圧に維持される。
【0058】
保温になると、加熱コイル16にて鍋11の底部と側面下部を加熱すると共に、鍋11内に収容するご飯の温度よりも僅かに高く、蓋ヒータ26により蓋体21の下面を加熱し、さらに鍋11の側面をコードヒータ18でご飯が乾燥せず、かつ露が多量に付着しないように温度管理する。鍋11内のご飯の温度は70〜76℃に温度保持されるが、この保温時においても、鍋温度センサ17や蓋温度センサ49が相互に異常に高かったり、あるいは異常に低かったりした場合には、異常を検知してこの異常加熱を防止する。
【0059】
次に、本実施例で提案する炊飯器の要部構成について、図3〜図5を参照しながら説明する。なお、前述した炊飯器の基本的構成と共通する箇所には共通する符号を付す一方、異なる箇所や追加する箇所には別な符号を付して、詳しく説明する。
【0060】
図3は、本発明の第一実施例における炊飯器の要部縦断面図を示している。同図において、81は、鍋収容体7の外側面に複数本のヒートパイプ82を連結して設けた伝熱体である。伝熱体81は、鍋11の発熱体13に近接して配置される一端部83と、一端部83から連続して、鍋11の発熱体13を設けていない部分に近接周回して配置される中間部84と、中間部84から連続して、鍋11のフランジ部14がその上に載置される他端部85とからなり、全体で一本の螺旋リング状の棒体として形成される。各ヒートパイプ82は、鍋11の外形に合せて折曲げ部や扁平部が適宜形成され、隣接するヒートパイプ82,82の端部どうしが、熱的に連結される。また伝熱体81は、加熱コイル16の上方にあって、従来のフランジヒータ18や側面ヒータ(図示せず)などの加熱手段が存在しない部位に配置される。
【0061】
個々のヒートパイプ82は、密閉したコンテナ内に純水などの凝縮性流体を作動媒体として封入したものであり、これは例えば本願出願人が提示した特開2006−284020号公報や、特開2008−185283号公報などに具体的な構造が示されている。図4に示すように、ヒートパイプ82は、ワイヤメッシュ若しくはコンテナ88の内面に形成した溝部からなるウィック(図示せず)を、作動媒体を封入したコンテナ88の内部に設けている。また、ヒートパイプ82の本体をなす中空円筒状のコンテナ88は、その両端にTig溶接などの適宜手段による封止部86A,86Bが形成され、コンテナ88の内部を真空状態に密閉している。そして、外部からの熱により加熱部周辺の作動媒体が蒸発すると、その蒸気が低温・低圧の冷却部に流動した後に放熱して凝縮すると共に、加熱部にある作動媒体が蒸発して減少する際に発生する毛細管力を、前記コンテナ88内に設けたウィックにより高めることで、冷却部に溜まる作動媒体を加熱部へ効率よく運ぶようにしている。ここで、ヒートパイプ82の本体となるコンテナ88は、その素材が好ましくは熱伝導性の高い銅若しくは銅合金などの金属製パイプ材から形成される。
【0062】
本実施例において、上枠2は樹脂材料からなり、図1のフランジヒータ18に代わって、伝熱体81の他端部85が配置される。また、鍋11の下側面から上側面を外側から囲む内枠側面部としての鍋収容部5は、耐熱絶縁樹脂または金属板からなり、その外面に伝熱体81の中間部84が螺旋状に配置される。さらに鍋11の下側面から底面全体を外側から覆う内枠6は、耐熱絶縁樹脂からなり、その上端外面に伝熱体81の一端部83が配置される。伝熱体81の一端部83は、加熱コイル16で強加熱される磁性体金属の発熱体13に近接しており、前述したヒートパイプ82の加熱部として作用する。
【0063】
次に、図3に示す炊飯器の作用を説明すると、炊飯制御手段62による炊飯動作や、保温制御手段63による保温動作に伴い、加熱制御手段55から加熱コイル駆動手段71に制御信号が出力されると、加熱コイル16に高周波電流が供給され、鍋収容体7に収容された鍋11の発熱体13が発熱する。発熱体13からの熱は、熱伝熱体である鍋本体12に速やかに伝達されると共に、発熱体13の一端部83にも速やかに伝達され、そこから伝熱体81の中間部84を経て他端部85に熱が瞬時に移動する。そのため、鍋11を加熱する際に発生する熱エネルギーを伝熱体81により最大限に有効活用して、伝熱体81の中間部84に伝わった熱で鍋11の側面を加熱し、伝熱体81の他端部85に伝わった熱で鍋11のフランジ部14を効率的に加熱することができ、省エネルギー性の高い炊飯器を提供できる。
【0064】
以上のように本実施例では、内釜である鍋11と、この鍋11を加熱する加熱手段としての加熱コイル16と、鍋11の外底面と外側面を覆い、加熱コイル16を保持する枠体としての鍋収容体7と、鍋11および鍋収容体7を収納する本体1と、加熱コイル16を制御する制御手段としての加熱制御手段55と、鍋11の上面を覆う蓋体21と、を備えた炊飯器において、加熱コイル16により加熱された鍋11の熱エネルギーを受けて、その熱を鍋11の側部や上部に導く伝熱手段として、鍋収容体7の側面に良熱伝導材料で形成された伝熱体81を設けている。
【0065】
この場合の加熱手段は、加熱コイル16以外の例えば電熱式ヒータであってもよいが、何れにせよ鍋収容体7の側面に設けた伝熱体81が、鍋11または加熱手段のいずれか一方から受熱して、鍋11の外側面を加熱するため、鍋11の外側面を特別に加熱する電力が廃止あるいは低減される。そのため、鍋11を加熱する際に発生する熱エネルギーを最大限に有効活用して、省エネルギー性の高い炊飯器を提供することが可能になる。
【0066】
そして、伝熱体81の下部にある一端部83を鍋11と近接させることで、伝熱体81と鍋11との近接した箇所を利用して、鍋11から効率良く伝熱体81に受熱させることが可能になる。
【0067】
また本実施例では、特に磁性金属材料から構成される有底筒状の鍋11と、鍋11を電磁誘導加熱する誘導加熱手段としての加熱コイル16と、鍋11の外底面と外側面を覆い、加熱コイル16を保持する非金属材料からなる鍋収容体7と、鍋11および鍋収容体7を収納する本体1と、加熱コイル16を制御する加熱制御手段55と、鍋11の上面を覆う蓋体21と、を備えた炊飯器において、加熱コイル16により加熱された鍋11の熱エネルギーを受けて、その熱を鍋11の側部や上部に導く伝熱手段として、鍋収容体7の側面に良熱伝導材料で形成された伝熱体81を設けている。
【0068】
この場合は、誘導加熱手段である加熱コイル16から鍋11への電磁誘導加熱によって、鍋11を効率良く温度上昇させると共に、鍋収容体7の側面に設けた伝熱体81が鍋11から受熱して、鍋11の外側面を加熱するため、鍋11の外側面を特別に加熱する電力が廃止あるいは低減される。そのため、鍋11を加熱する際に発生する熱エネルギーを最大限に有効活用して、省エネルギー性の高い炊飯器を提供することが可能になる。
【0069】
また、この場合の伝熱体81は、加熱コイル16の上方に配置されており、伝熱体81の下部を鍋11と近接させている。そのため、伝熱体81と鍋11との近接した箇所を利用して、鍋11から効率良く伝熱体81に受熱させることが可能になる。また、伝熱体81を加熱コイル16の上方に配置することで、特に加熱コイル16により発熱した鍋11の発熱体13における熱を、加熱コイル16の存在しない鍋11の上方部分へ、伝熱体81を利用して効率よく伝熱できる。
【0070】
また本実施例では、伝熱体81の上部を鍋11のフランジ部14下面に接触させることで、伝熱体81と鍋11のフランジ部14との接触した箇所を利用して、伝熱体81から鍋11に効率良く伝熱させ、鍋11を加熱することが可能になる。
【0071】
また本実施例では、伝熱体81としてのヒートパイプ82を、1個ではなく複数個設けることで、鍋11を加熱する際に発生する熱エネルギーを、複数のヒートパイプ82で効率よく再利用できる。
【0072】
次に、鍋収容体7の側面に伝熱体81を設けた別の例として、本発明の第二実施例における炊飯器の要部縦断面図を図5に示す。本例では、複数個のヒートパイプ82を連結させずに、鍋11の外周に等間隔で配置させた伝熱体81が示されている。これらのヒートパイプ82は何れも、鍋11の収容方向である上下方向に沿って、鍋収容部5の外面に配置される。ここでも伝熱体81は、各ヒートパイプ82の下端部,中間部および上端部に対応して、一端部83,中間部84および他端部85を備えており、伝熱体81の一端部83は、加熱コイル16の上方にあって、鍋11の発熱体13に近接している。一方、伝熱体81の他端部85は、鍋11のフランジ部14には接しておらず、代わりに鍋収容部5を良熱伝導性の金属板(例えば、銅やアルミニウムなど)で形成して、その上端部を鍋11のフランジ部14に近接させている。その他の構成は、第一実施例と共通している。
【0073】
そして本例では、炊飯制御手段62による炊飯動作や、保温制御手段63による保温動作に伴い、加熱制御手段55から加熱コイル駆動手段71に制御信号が出力されると、加熱コイル16に高周波電流が供給され、鍋収容体7に収容された鍋11の発熱体13が発熱する。発熱体13からの熱は、熱伝熱体である鍋本体12に速やかに伝達されると共に、発熱体13の一端部83にも速やかに伝達され、そこから伝熱体81の中間部84を経て他端部85に熱が瞬時に移動する。そのため、鍋11を加熱する際に発生する熱エネルギーを伝熱体81により最大限に有効活用して、伝熱体81の中間部84に伝わった熱で鍋11の側面を加熱し、伝熱体81の他端部85に伝わった熱や、伝熱体81から鍋収容部5に伝わった熱で、鍋11のフランジ部14を効率的に加熱することができ、省エネルギー性の高い炊飯器を提供できる。
【0074】
また本例の炊飯器は、上記第一実施例で説明したものと共通する構成で、第一実施例と同様の作用効果を発揮する他に、各ヒートパイプ82は直線状で垂直に配置されるため、発熱体13から伝熱体81の一端部83に伝達した熱を、そのまま上部の中間部84や他端部85により瞬時に移動させることが可能になる。
【0075】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、鍋11の側面には伝熱体81を設けず、鍋11の上部だけに伝熱体81を設けて、フランジ部14を集中的に加熱する構成でもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 本体
7 鍋収容体(枠体)
11 鍋(内釜)
16 加熱コイル(加熱手段,誘導加熱手段)
81 伝熱体(伝熱手段)
82 ヒートパイプ(伝熱手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内釜と、前記内釜を加熱する加熱手段と、前記内釜の外底面と外側面を覆い、前記加熱手段を保持する枠体と、前記内釜及び前記枠体を収納する本体と、を備えた炊飯器において、
前記枠体の側面に良熱伝導材料で形成された伝熱手段を設けたことを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記伝熱手段の下部を前記内釜と近接させたことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
前記伝熱手段の上部を前記内釜のフランジ部下面に接触させたことを特徴とする請求項1または2記載の炊飯器。
【請求項4】
前記伝熱手段を複数個設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の炊飯器。
【請求項5】
磁性金属材料から構成される有底筒状の内釜と、前記内釜を電磁誘導加熱する誘導加熱手段と、前記内釜の外底面と外側面を覆い、前記加熱手段を保持する非金属材料からなる枠体と、前記内釜及び前記枠体を収納する本体と、を備えた炊飯器において、
前記枠体の側面に良熱伝導材料で形成された伝熱手段を設けたことを特徴とする炊飯器。
【請求項6】
前記伝熱手段は前記誘導加熱手段の上方に配置され、前記伝熱手段の下部を前記内釜と近接させたことを特徴とする請求項5記載の炊飯器。
【請求項7】
前記伝熱手段の上部を前記内釜のフランジ部下面に接触させたことを特徴とする請求項5または6記載の炊飯器。
【請求項8】
前記伝熱手段を複数個設けたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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