説明

炭化水素クラッキング用の希土類Y−ゼオライト含有触媒およびその製造方法

本発明は、炭化水素クラッキング用の希土類Y−ゼオライト含有触媒およびその製造方法を開示する。該触媒は、希土類金属Y−ゼオライト結晶格子中の、REで計算した希土類金属含有量が4〜15重量%であり、本来の単位セルサイズが2.440nm〜2.465nmであり、800℃で17時間の100%蒸気エージング処理の後の平衡単位セルサイズが2.435nmを超えることを特徴とする。該触媒は、希土類金属Y−ゼオライトを、その含水量が10重量%未満になるまで乾燥させ、次いで、SiCl:Y−ゼオライトの重量比=0.1〜0.9:1で、乾燥空気により運ばれるSiClガスと反応させ、さらに乾燥空気で掃気し、脱陽イオンされた水で洗浄し、可溶性副生成物を除去する工程、得られた希土類金属Y−ゼオライトを結合剤およびクレーと混合し、パルプ化し、噴霧乾燥により成形する工程で得られる。本発明で開示する触媒のゼオライト含有量は、重油をクラッキングし、オレフィン含有量を低下させるために先行技術で製造される触媒と比較して、5〜25%少ない。該触媒は、良好なクラッキング活性、高い水熱安定性、および高い重油転化率ならびにガソリン、乾性ガスおよびコークスの優れた選択性を特徴とし、その上、製造されるガソリン中のオレフィン含有量は、効果的に減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素クラッキング用の触媒およびその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、炭化水素クラッキング用の希土類Y−ゼオライト含有触媒およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、原油が重質になる傾向が強くなり、環境保護の重要性が高まるにつれて、炭化水素製品の品質に対する要求が益々厳しくなっている。1980年代に、無鉛ガソリン製造の進歩により、接触分解製法および触媒の開発が促進された。シリカ含有量が高いY−ゼオライトならびに各種の触媒およびオクタン価の高い補助成分が製造され、安価な重質油を付加価値の高い軽質製品に転化するのに使用された。
【0003】
精油工業では、低品質残油の処理が長年にわたり問題になっている。低品質残油を処理し、より多くの残油を原料油に混合する時に、軽質油の収率が高く、オレフィンおよび硫黄分が低く、ならびに環境にとっても好ましい燃料をどのようにして得るかが、緊急に解決しなければならない重要な問題である。
【0004】
米国特許3293192号およびSociety of Chemical Engineering (London) Monograph Molecular Sieves, P. 186 (1968)で、C.V. MC. DanielおよびP.K. Maherが、シリカ含有量が高いY−ゼオライトの製造に使用する水熱脱アルミニウム法を報告して以来、この方法は広く使用されている。米国特許公開3,442,715号は、脱アルミニウム化されたY−ゼオライト(DAY)を開示しており、US3,449,070は、超安定性Y−ゼオライト(USY)を開示しており、米国特許公開4,51,694号および4,401,556号は、超安定性疎水性Y−ゼオライト、等を開示している。超安定性Y−ゼオライト(USY)は、Si/Al比が高く、水熱安定性が高く、水素移動活性が低く、コークスの選択性が良好であり、重質油を処理した時のオクタン価が高い触媒を製造するのに使用できるので、広く使用され、進化している。
【0005】
重質油処理の開発が進むにつれて、シリカ含有量が高い超安定性Y−ゼオライトの特徴、例えば高Si/Al比、高水熱安定性および低水素移動活性は、より劣悪な低品質重質油にはもはや好適ではなく、接触分解による燃料浄化に対する環境的な必要条件を満たすことができない。高い水熱安定性、高い分解活性、良好な水素移動活性、コークスの安定性および選択性、ガソリンのオレフィンおよび硫黄含有量を効果的に低下させながら、重質油の転化率を増加する能力を有する種類のゼオライトを見出すことが緊急に求められている。
【0006】
シリカ含有量が高いY−ゼオライトの活性を強化するために、米国特許公開4,840,724号は、希土類金属イオン交換により超安定性Y−ゼオライトの希土類金属含有量を増加する方法を開示している。水熱法によるシリカ含有量が高いY−ゼオライト(USY)の製造に使用されるこの方法は、多くの水熱交換および高温か焼手順を有する。シリカの補充が伴う脱アルミニウム化の方法では、多くの脱アルミニウムされた孔が形成され、骨格から移動するシリカにより早期に充填することができず、そのために通常、ゼオライト結晶格子の崩壊につながる。発生するシリカおよびアルミナ断片がゼオライトの通路を閉塞する傾向があり、容易に除去されず、希土類金属のイオン交換レベルが低下することになる。希土類金属超安定性Y−ゼオライト(REUSY)では、希土類金属含有量を表すのに使用される最高RE含有量が、多数回のイオン交換およびか焼の後では、約3重量%に過ぎない。そのような低RE含有量では、低品質原油の強力な処理(deep treating)における触媒に対する高い分解活性および安定した水素移動活性の必要条件に到底適合できない。
【0007】
Y−ゼオライトの活性を高め、NaYゼオライトの高イオン交換容量を活用するために、高希土類金属含有量のREHYおよびREYゼオライトを、多数回のイオン交換および高温か焼手順により製造し、ゼオライトの希土類金属含有量を増加させている。REHYのRE含有量は、約6〜16重量%に、REYゼオライトのRE含有量は、約8〜20重量%に増加したが、これは、ゼオライトの水素移動活性を強化し、それによって分解活性を強化する目的を達成するための必要条件を満たすことができる。
【0008】
しかし、アンモニウムイオンと希土類金属イオンの間のイオン交換および高温か焼を数多く行う水熱方法は、通常、REYおよびREHYゼオライトの結晶格子の崩壊につながる。発生するシリカおよびアルミナ断片がゼオライトの通路を閉塞する傾向があり、容易に除去されず、このために希土類金属イオン(RE3+)のゼオライトのβ−ケージ(cage)への移動効果を抑制することになる。REHYおよびREYゼオライトには、本来の結晶セルがほとんど収縮せず、Si/Al比が低く、単位セルサイズが2.470nmであり、ゼオライト骨格構造が不安定であるという致命的な欠陥がある。その結果、製造された触媒は本来、分解活性および水素移動活性が高いが、反応装置中で容易に失活し、活性成分として使用するY−ゼオライトの水熱安定性、平衡活性ならびに平衡単位セルサイズが低い。製造工程中に、触媒の活性が急速に低下し、本来の水素移動活性が失われ、コークス選択性が低下するので、大量の新しい触媒を加えて活性を維持する必要がある。炭化水素の製造では、触媒の分解活性および水素移動活性の安定性が低いと、触媒の消費量が高くなり、コークスの収率が高くなり、装置の可動が不安定になる。そのため、これらのゼオライトは、低品質原油の強力な処理に広く使用できず、環境的に好ましい燃料を製造し、ガソリンのオレフィン含有量を下げる目的を達成できない。
【発明の開示】
【0009】
本発明の目的は、先行技術における上記の欠点を解決し、低品質原油の処理、環境的に好ましい燃料の製造およびガソリンのオレフィン含有量低下に好適である、炭化水素クラッキング用の希土類金属Y−ゼオライト含有触媒および該触媒の製造方法を提供することである。
【0010】
本発明により提供する炭化水素クラッキング用の希土類金属Y−ゼオライト含有触媒は、希土類金属Y−ゼオライト結晶格子中の、REで計算した希土類金属含有量が4〜15重量%、好ましくは6〜12重量%であることを特徴とする。本来の単位セルサイズは2.440nm〜2.465nm、好ましくは2.445nm〜2.460nm、より好ましくは2.450〜2.458nmである。800℃で17時間の100%蒸気エージング処理の後の平衡単位セルサイズは、2.435nmを超え、好ましくは2.440nmを超え、より好ましくは2.445nmを超える。
【0011】
本発明の触媒中の希土類金属Y−ゼオライト含有量は10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%、より好ましくは15〜35重量%である。
【0012】
本発明の触媒中の希土類金属Y−ゼオライトは、骨格中のSi/Al比が比較的高く、Si/Al比は6〜20、好ましくは8〜15、より好ましくは8.3〜8.8である。NaOの含有量は1.0重量%未満、好ましくは0.5重量%未満である。
【0013】
本発明の触媒中の希土類金属Y−ゼオライトは、通路が閉塞されてなく、通路の中を希土類金属イオン(RE3+)が超−ケージからβ−ケージへ効果的に移動できる。より多くの希土類金属イオン(RE3+)がゼオライトのβ−ケージに入り、結晶格子の安定性を強化する。β−ケージ中の大量の希土類金属は、厳しい蒸気エージング処理の後でもなお維持され、安定したヒドロキシル構造を形成する。800℃で17時間の100%蒸気エージング後でも、2.435nmを超える、さらには2.440nmを超える平衡単位セルサイズが維持される。本来の単位セルサイズの差のため、このゼオライトは、平衡単位セルサイズの変化が2.435nm〜2.455nmで、明らかな構造的安定性を有する。構造安定性のために、このゼオライトの示差熱崩壊温度(differential thermal collapse temperature)は1000℃より高く、好ましくは1000〜1056℃である。
【0014】
FT−IRにより分析されたヒドロキシル構造のスペクトルは、β−ケージのヒドロキシル構造に対する典型的なピーク3540cm−1が、REYゼオライトおよびREHYゼオライトのそれより明らかに強いことを示している。FT−IRにより分析されたB酸の酸性度スペクトルは、B酸の酸性度および酸性度の安定性が、REHYおよびREYゼオライトのそれよりもはるかに高いことを示している。例えば、図1から、本発明の触媒に使用する、RE10重量%を含む希土類金属Y−ゼオライト(RESY)に対する3540cm−1に近いβ−ケージのヒドロキシル構造のピークは、RE16.6重量%を含むREYゼオライトのそれよりも明らかに強く、RE13.6重量%を含むREHYゼオライトのそれよりもはるかに強いことが分かる。図2から、RHSYに対するB酸の酸性度は、REHYおよびREYゼオライトのそれよりもはるかに高い。
【0015】
本発明の触媒中にある希土類金属Y−ゼオライトにより、希土類金属イオン交換度が低いREUSYゼオライトの欠点、および本来の単位セルサイズが大きく、示差熱崩壊温度が低く、NaO含有量が高く、水熱安定性も劣るREYおよびREHYゼオライトの欠点が解決される。本希土類金属Y−ゼオライトは、本来の単位セルサイズが小さく、Si/Al比が高く、REUSYゼオライトと全く同じように良好な水熱安定性を有するのみならず、希土類金属含有量も高く、REYおよびREHYゼオライトと全く同じように優れた水素移動活性も有する。同時に、本希土類金属Y−ゼオライトは、平衡単位セルサイズが低く、構造安定性が劣るREY、REHYおよびREUSYの欠点も克服する。
【0016】
本発明で開示する触媒は、クラッキング活性成分としてMFI構造を有するゼオライトを含むことができる。MFI構造を有するゼオライトは、ZSM−5またはMFI構造を有する一種以上のゼオライト、例えば中国特許公開1052290A、中国特許公開1058382A、中国特許公開1147420Aおよび中国特許公開1194181Aに開示されている、シリカ含有量が高い五員環希土類金属ゼオライト(ZRPと呼ぶ)から選択する。このゼオライトは、希土類金属含有量が2〜23重量%(酸化物で計算して)およびNa含有量が5.0%未満であるREYまたはREHYゼオライトを使用して製造する。MFI構造を有するゼオライトと希土類金属Y−ゼオライトの重量比は0.01〜0.5である。
【0017】
本発明は、炭化水素クラッキング用の希土類金属Y−ゼオライト含有触媒の製造方法であって、下記の工程、すなわち
(1)希土類金属Y−ゼオライトを、その含水量が10重量%未満になるまで乾燥させ、次いで、SiCl:Y−ゼオライトの重量比=0.1〜0.9:1で、乾燥空気により運ばれるSiClガスと150〜600℃で10分間〜6時間反応させ、さらに乾燥空気で5分間〜2時間掃気し、脱陽イオンされた水で洗浄し、ゼオライト中の残留可溶性副生成物(可溶性副生成物は、Na、Cl、Al3+およびSi4+であり、そのほとんどがNa、Cl、Al3+である)を除去する工程、
(2)工程(1)で得た希土類金属Y−ゼオライト10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%、結合剤10〜60重量%、好ましくは15〜40重量%、およびクレー2〜75重量%、好ましくは20〜60重量%を含んでなる原料を混合し、パルプ化し、噴霧乾燥により成形する工程
を含んでなる方法も提供する。
【0018】
本発明により提供する方法では、工程(1)に記載する希土類金属Y−ゼオライトの製造方法は、本発明者による出願N01115612.0に記載されている。SiClの気相化学法および気体状態における物質の容易な(fasile)拡散性により、動的半径0.687nmのSiClが気体状態でゼオライトの通路中にこの製造方法で導入される。NaYゼオライトの高いイオン交換能力との効果的な組合せで、同形置換反応が行われ、脱アルミニウムおよびシリカの補充が起こる。
【0019】
工程(1)に記載する希土類金属Y−ゼオライトは、工業で広く使用されているREYおよびREHYゼオライトでも、NaYゼオライトの希土類金属イオン交換生成物でもよい。
【0020】
一般的に、REHYゼオライトの、REで計算された希土類金属含有量は、6〜16重量%であり、NaO含有量は4重量%を超える。REYゼオライトの、REで計算された希土類金属含有量は、10〜18重量%であり、NaO含有量は2重量%を超える。NaYゼオライトの希土類金属イオン交換工程では、Si/Al比が3.5を超えるNaYゼオライトおよび希土類金属塩化物溶液を、NaY:RECl:HO=1:0.1〜0.25:5〜15の重量比、80〜90℃で30〜60分間、3.5を超えるpHの下で交換することにより行い、次いで、乾燥させても、乾燥させなくてもよい。
【0021】
本発明の方法では、工程(1)に記載する希土類金属Y−ゼオライトの製造に使用する、REHYおよびREY原料または希土類金属塩化物溶液でイオン交換したNaYゼオライトを、反応前に、それらの含水量が10重量%未満、好ましくは5重量%未満になるように乾燥させなければならない。
【0022】
本発明の方法では、工程(2)に記載する結合剤は、プソイドベーマイト、アルミナゾル、シリカゾルおよびリン−アルミナゾルの一種以上、好ましくは二重アルミナ結合剤、から選択し、その際、プソイドベーマイトとアルミナゾルの重量比は10〜40:0〜30、好ましくは15〜25:2〜25である。二重アルミナ結合剤を使用する場合、プソイドベーマイトの酸処理における酸とアルミナの重量比は、0.1〜0.6:1、好ましくは0.15〜0.35:1である。一般的に、酸処理は、40〜90℃で0.5〜6時間、塩酸を加えて行う。酸処理後のプソイドベーマイトは、アルミナゾルまたはリン−アルミナゾルと共に使用することができる。
【0023】
本発明の方法では、クレーは、クラッキング触媒マトリックスに通常使用されるクレー、例えばカオリン、ハロイサイト、モンモリロン石、ベントナイトまたはセピオライト、等、である。
【0024】
本発明の方法では、触媒は、ゼオライト、クレーおよび結合剤を含んでなる原料を、従来の方法でパルプ化し、均質化し、入口温度550〜600℃、出口温度250〜300℃で噴霧乾燥することにより、得られる。
【0025】
本発明で提供する触媒は、あらゆる種類の原油、特に低品質原油、例えばあらゆる種類の残油(重油)、の処理に使用できる。残油は、完全常圧残油、常圧残油と混合された蒸留油および減圧残油と混合された蒸留油を主として含む。
【0026】
本発明で提供する触媒は、先行技術におけるクラッキング活性成分としてREUSY、REHY、REYおよびP−REHYを使用する触媒と比較して、良好なクラッキング活性、高い水熱安定性、および高い重油転化率ならびにガソリン、乾性ガスおよびコークスの優れた選択性を特徴とする。製造されるガソリン中のオレフィン含有量は、水素移動活性が高いために、効果的に減少する。触媒のゼオライト含有量は、重油をクラッキングし、オレフィン含有量を低下させるために先行技術で製造される触媒と比較して、5〜25%減少する。
【実施の態様】
【0027】
本発明を下記の例で説明する。これらの例および比較例で、試料のヒドロキシル構造スペクトルおよび酸性度グラフは、FT−IRにより得た。
【0028】
これらの例で、試料のREおよびAl含有量は、蛍光分析により測定した。比表面積および細孔容積は、低温窒素吸着−脱着法により測定した。
【0029】
軽油に対するマイクロ活性試験は、460℃で、原料として蒸留範囲が235〜335℃であるDagang軽質ディーゼルを使用し、触媒−油比3.2および重量毎時空間速度(WHSV)16h−1で行う。
【0030】
重油に対するマイクロ活性試験は、482℃で、触媒−油比4で行う。
【0031】
例1〜7は、製造手順および本発明で開示する触媒中の希土類金属Y−ゼオライトの物理化学的パラメータを例示する。
【0032】
例1
乾燥ベース85%のNaYゼオライト(Si/Al比4.0、単位セルサイズ2.473nm、Al含有量24.8%、NaO含有量16%、Zhoucun Catalyst Factory, Qilu Petrochemical Company製)を、NaY:RECl:HO=1:0.21:10の希土類金属溶液で、80〜90℃で60分間イオン交換し、含水量が10%未満になり、RE含有量が16%(その際、La含有量4.16%、Ce含有量8.16%、および他の希土類金属酸化物の含有量3.68%である)になるまで乾燥させた。NaY:SiCl=1:0.4で、イオン交換されたNaYゼオライトを、乾燥空気により運ばれるSiClガスと550℃で120分間反応させ、乾燥空気で20分間掃気し、次いで洗浄し、濾過し、ClおよびNaを除去し、試料(RHSY−1と呼ぶ)を得た。物理化学的パラメータを表1に示す。
【0033】
例2
乾燥ベース75%のNaYゼオライト(Si/Al比5.05、単位セルサイズ2.466nm、Al含有量21.2%、NaO含有量15.8%、Zhoucun Catalyst Factory, Qilu Petrochemical Company製)を、NaY:RECl:HO=1:0.25:10の希土類金属溶液で、80〜95℃で40分間イオン交換し、次いで濾過し、洗浄し、乾燥させ、脱水した。NaY:SiCl=1:0.25の比で、イオン交換されたNaYゼオライトを、乾燥空気により運ばれるSiClガスと450℃で60分間反応させ、乾燥空気で120分間掃気し、次いで洗浄し、濾過し、試料(RHSY−2と呼ぶ)を得た。物理化学的パラメータを表1に示す。
【0034】
例3
REHYゼオライト(RE含有量13.4%、その際、La含有量10.7%、Ce含有量2.1%、他の希土類金属酸化物の含有量0.6%であり、単位セルサイズ2.469nm、示差熱崩壊温度985℃、NaO含有量4.4%、Zhoucun Catalyst Factory, Qilu Petrochemical Company製)を反応器に入れ、含水量5%未満になるまで乾燥させた。次いで、REHY:SiCl=1:0.75の比で、乾燥させたREHYゼオライトを、乾燥空気により運ばれるSiClガスと350℃で3時間反応させ、乾燥空気で60分間掃気し、次いで洗浄し、濾過し、試料(RHSY−3と呼ぶ)を得た。物理化学的パラメータを表1に示す。
【0035】
例4
乾燥ベース85%のNaYゼオライト(Si/Al比4.0、単位セルサイズ2.473nm、Al含有量24.8%、NaO含有量16%、Zhoucun Catalyst Factory, Qilu Petrochemical Company製)を、NaY:RECl:HO=1:0.21:10の希土類金属溶液で、80〜90℃で60分間イオン交換し、含水量が7%未満になり、RE含有量が16%(その際、La含有量4.16%、Ce含有量8.16%、および他の希土類金属酸化物の含有量3.68%である)になるまで乾燥させた。NaY:SiCl=1:0.5で、イオン交換されたNaYゼオライトを、乾燥空気により運ばれるSiClガスと300℃で5時間反応させ、乾燥空気で20分間掃気し、次いで洗浄し、濾過し、試料(RHSY−4と呼ぶ)を得た。物理化学的パラメータを表1に示す。800℃で17時間の100%蒸気エージング処理後の、FT−IRによるRHSY−4のヒドロキシル構造のスペクトルおよび酸性度グラフをそれぞれ図1および2に示す。
【0036】
例5
乾燥ベース85%のREYゼオライト(RE含有量18.8%、その際、La含有量14.8%、Ce含有量2.9%、他の希土類金属酸化物の含有量1.1%であり、単位セルサイズ2.469nm、示差熱崩壊温度980℃、NaO含有量2.7%、Zhoucun Catalyst Factory, Qilu Petrochemical Company製)を反応器に入れ、含水量5%未満になるまで乾燥させた。次いで、REHY:SiCl=1:0.8の比で、乾燥させたREYゼオライトを、乾燥空気により運ばれるSiClガスと350℃で120分間反応させ、乾燥空気で20分間掃気し、次いで洗浄し、濾過し、試料(RHSY−5と呼ぶ)を得た。物理化学的パラメータを表1に示す。
【0037】
例6
乾燥ベース85%のNaYゼオライト(Si/Al比4.0、単位セルサイズ2.473nm、Al含有量24.8%、NaO含有量16%、Zhoucun Catalyst Factory, Qilu Petrochemical Company製)を、NaY:RECl:HO=1:0.25:10の希土類金属溶液で、80〜90℃で60分間イオン交換し、RE含有量が16%(その際、La含有量4.16%、Ce含有量8.16%、および他の希土類金属酸化物の含有量3.68%であった。NaY:SiCl=1:0.4で、イオン交換されたNaYゼオライトを、乾燥空気により運ばれるSiClガスと300℃で4時間反応させ、乾燥空気で20分間掃気し、次いで洗浄し、濾過し、試料(RHSY−6と呼ぶ)を得た。物理化学的パラメータを表1に示す。
【0038】
例7
乾燥ベース75%のNaYゼオライト(Si/Al比5.05、単位セルサイズ2.466nm、Al含有量21.2%、NaO含有量15.8%、Zhoucun Catalyst Factory, Qilu Petrochemical Company製)を、NaY:RECl:HO=1:0.20:10の希土類金属溶液で、80〜95℃で40分間イオン交換し、次いで濾過し、洗浄した。NaY:SiCl=1:0.3の比で、イオン交換されたNaYゼオライトを、乾燥空気により運ばれるSiClガスと250℃で60分間反応させ、乾燥空気で120分間掃気し、次いで洗浄し、濾過し、試料(RHSY−7と呼ぶ)を得た。物理化学的パラメータを表1に示す。
【0039】
比較例1
REYゼオライト(RE含有量16.6%、その際、La含有量12.9%、Ce含有量2.1%、他の希土類金属酸化物の含有量1.1%であり、単位セルサイズ2.470nm、示差熱崩壊温度980℃、NaO含有量2.7%、Zhoucun Catalyst Factory, Qilu Petrochemical Company製)を比較試料として使用し、その物理化学的パラメータを表1に示す。800℃で17時間の100%蒸気エージング処理後の、FT−IRによるREYゼオライトのヒドロキシル構造のスペクトルおよび酸性度グラフをそれぞれ図1および2に示す。
【0040】
比較例2
REHYゼオライト(RE含有量13.6%、その際、La含有量11.4%、Ce含有量1.9%、他の希土類金属酸化物の含有量0.3%であり、単位セルサイズ2.469nm、示差熱崩壊温度985℃、NaO含有量4.4%、Zhoucun Catalyst Factory, Qilu Petrochemical Company製)を比較試料として使用し、その物理化学的パラメータを表1に示す。800℃で17時間の100%蒸気エージング処理後の、FT−IRによるREYゼオライトのヒドロキシル構造のスペクトルおよび酸性度グラフをそれぞれ図1および2に示す。
【0041】
【表1】

【0042】
下記の例により、本発明で開示する触媒の製造手順を例示する。
【0043】
例8
Suzhou Kaolin(乾燥ベース83%、Chinese Kaolin Company製)2.0kgを脱陽イオン水10.7kg中に入れ、1.5時間攪拌した。プソイドベーマイト(乾燥ベース65%、Shandong Aluminium Company製)0.8kgを加え、さらに1時間攪拌した。HCl(工業等級)0.036Lを加え、10分間攪拌した。得られたスラリーを60℃に加熱し、1時間エージングさせた。アルミナゾル(Al含有量21.5%、Qilu Catalyst Factory製)2kgをこのスラリーと混合し、1時間攪拌した。最後に、例1で製造した希土類金属Y−ゼオライトRHSY−1(乾燥ベース80%)1.8kgを加え、0.5時間攪拌した。触媒を噴霧乾燥により製造し、RC−1と呼ぶ。この触媒の特性を表2に示す。
【0044】
比較例3
この比較例は、Y−ゼオライトとしてREUSYを使用する触媒の製造手順を例示する。
Suzhou Kaolin(乾燥ベース83%、Chinese Kaolin Company製)2.1kgを脱陽イオン水10.7kg中に入れ、1.5時間攪拌した。プソイドベーマイト(乾燥ベース65%、Shandong Aluminium Company製)0.65kgを加え、さらに1時間攪拌した。HCl(工業等級)0.036Lを加え、10分間攪拌した。得られたスラリーを60℃に加熱し、1時間エージングさせた。アルミナゾル(Al含有量21.5%、Qilu Catalyst Factory製)2kgをこのスラリーと混合し、均質に攪拌した。混合希土類金属塩化物溶液(RE濃度285g/l)を加え、アンモニアを使用してpHを約3に調節し、0.5時間攪拌した。最後に、REUSYゼオライト(単位セルサイズ2.450nm、RE含有量3%、NaO含有量1.0%、乾燥ベース78%、Qilu Catalyst Factory製)2.3kgを加え、0.5時間攪拌した。触媒を噴霧乾燥により製造し、DM−1と呼ぶ。この触媒の特性を表3に示す。
【0045】
例9
Suzhou Kaolin(乾燥ベース83%、Chinese Kaolin Company製)1.9kgを脱陽イオン水20kg中に入れ、1.5時間攪拌した。プソイドベーマイト(乾燥ベース65%、Shandong Aluminium Company製)1.5kgを加え、さらに1時間攪拌した。HCl(工業等級)0.036Lを加え、10分間攪拌した。得られたスラリーを60℃に加熱し、1時間エージングさせた。例2で製造した希土類金属Y−ゼオライトRHSY−2(乾燥ベース75%)1.9kgを加え、0.5時間攪拌した。触媒を噴霧乾燥により製造し、RC−2と呼ぶ。この触媒の特性を表2に示す。
【0046】
比較例4
この比較例は、Y−ゼオライトとしてREHYおよびREUSYを使用する触媒の製造手順を例示する。
Suzhou Kaolin(乾燥ベース83%、Chinese Kaolin Company製)9.3kgを脱陽イオン水16kg中に入れ、1時間攪拌した。プソイドベーマイト(乾燥ベース65%、Shandong Aluminium Company製)1.2kgを加え、さらに1時間攪拌した。HCl(工業等級)0.16Lを加え、10分間攪拌した。得られたスラリーを60℃に加熱し、1時間エージングさせた。アルミナゾル(Al含有量21.5%、Qilu Catalyst Factory製)1.9kgをこのスラリーと混合し、0.5時間攪拌した。次いで、水熱法およびイオン交換法により製造したREHYゼオライト(単位セルサイズ2.469nm、RE含有量8.8%、NaO含有量4.2%、乾燥ベース85%、Qilu Catalyst Factory製)5.1kg、およびREUSYゼオライト(単位セルサイズ2.450nm、RE含有量3%、NaO含有量1.0%、乾燥ベース78%、Qilu Catalyst Factory製)2.7kgを加え、0.5時間攪拌した。触媒を噴霧乾燥および脱陽イオン水で洗浄することにより製造し、DM−2と呼ぶ。この触媒の特性を表3に示す。
【0047】
例10
Suzhou Kaolin(乾燥ベース83%、Chinese Kaolin Company製)1.7kgを脱陽イオン水15kg中に入れ、1時間攪拌した。アルミナゾル(Al含有量21.5%、Qilu Catalyst Factory製)4kgを加え、1時間攪拌した。最後に、例3で製造した希土類金属Y−ゼオライトRHSY−3(乾燥ベース85%、RE含有量8.9%、NaO含有量0.48%、示差熱崩壊温度1015℃)1.4kgを加え、0.5時間攪拌した。触媒を噴霧乾燥により製造し、RC−3と呼ぶ。この触媒の特性を表2に示す。
【0048】
例11
Suzhou Kaolin(乾燥ベース83%、Chinese Kaolin Company製)2.2kgを脱陽イオン水24kg中に入れ、1.5時間攪拌した。プソイドベーマイト(乾燥ベース65%、Shandong Aluminium Company製)1.2kgを加え、さらに1時間攪拌した。HCl(工業等級)0.04Lを加え、10分間攪拌した。得られたスラリーを60℃に加熱し、1時間エージングさせた。アルミナゾル(Al含有量21.5%、Qilu Catalyst Factory製)1.9kgをこのスラリーと混合し、0.5時間攪拌した。次いで、例4で製造した希土類金属Y−ゼオライトRHSY−4(乾燥ベース78%)2kgを加え、1時間攪拌した。触媒を噴霧乾燥により製造し、RC−4と呼ぶ。この触媒の特性を表2に示す。
【0049】
比較例5
この比較例は、結合剤としてアルミナゾルおよびプソイドベーマイトを使用し、ゼオライトとしてP−REHYおよびZRPを使用する比較用触媒の製造手順を例示する。
Suzhou Kaolin(乾燥ベース83%、Chinese Kaolin Company製)1.6kgを脱陽イオン水21kg中に入れ、1時間攪拌した。次いで、プソイドベーマイト(乾燥ベース65%、Shandong Aluminium Company製)1.2kgを加え、さらに1時間攪拌した。最後に、HCl(工業等級)0.04Lを加え、10分間攪拌した。得られたスラリーを60℃に加熱し、1時間エージングさせた。アルミナゾル(Al含有量21.5%、Qilu Catalyst Factory製)1.9kgをこのスラリーと混合し、1時間攪拌した。リン希土類金属水素Y−ゼオライトP−REHY−1(単位セルサイズ2.469nm、RE含有量8.2%、NaO含有量1.1%、P含有量2.4%、乾燥ベース85%、Qilu Catalyst Factory製)1.8kg、およびZRPゼオライト(Si/Al比50、NaO含有量1%未満、乾燥ベース90%、Qilu Catalyst Factory製)0.09kgを加え、1時間攪拌した。触媒を噴霧乾燥および脱陽イオン水で洗浄することにより製造し、DM−3と呼ぶ。この触媒の特性を表3に示す。
【0050】
例12
Suzhou Kaolin(乾燥ベース73%、Chinese Kaolin Company製)2.2kgを脱陽イオン水16.7kg中に入れ、1時間攪拌した。次いで、アルミナゾル(Al含有量21.5%、Qilu Catalyst Factory製)4.7kgを加え、1時間攪拌した。最後に、例5で製造した希土類金属Y−ゼオライトRHSY−5(乾燥ベース78%)1.1kg、およびZRPゼオライト(Si/Al比50、NaO含有量1%未満、乾燥ベース90%、Qilu Catalyst Factory製)0.06kgを加え、1時間攪拌した。触媒を噴霧乾燥により製造し、RC−5と呼ぶ。この触媒の特性を表2に示す。
【0051】
比較例6
この比較例は、ゼオライトとしてP−REHYおよびZRPを使用する触媒の製造手順を例示する。
Suzhou Kaolin(乾燥ベース73%、Chinese Kaolin Company製)2.2kgを脱陽イオン水16.7kg中に入れ、1時間攪拌した。次いで、アルミナゾル(Al含有量21.5%、Qilu Catalyst Factory製)4.7kgを加え、1時間攪拌した。最後に、リン希土類金属水素Y−ゼオライトP−REHY−2ゼオライト(単位セルサイズ2.467nm、RE含有量9%、NaO含有量1.1%、P含有量2.0%、乾燥ベース85%、Qilu Catalyst Factory製)2.2kg、およびZRPゼオライト(Si/Al比50、NaO含有量1%未満、乾燥ベース90%、Qilu Catalyst Factory製)0.06kgを加え、1時間攪拌した。触媒を噴霧乾燥および脱陽イオン水で洗浄することにより製造し、DM−4と呼ぶ。この触媒の特性を表3に示す。
【0052】
例13
Suzhou Kaolin(乾燥ベース83%、Chinese Kaolin Company製)2kgを脱陽イオン水15kg中に入れ、1時間攪拌した。次いで、シリカゾル(SiO含有量15.5%、Beijing Changhong Middle School Chemical Factory製)3.9kgを均質に混合した。最後に、例5で製造した希土類金属Y−ゼオライトRHSY−5(乾燥ベース78%)0.72kgを加え、1時間攪拌した。触媒を噴霧乾燥により製造し、RC−6と呼ぶ。この触媒の特性を表2に示す。
【0053】
例14
Suzhou Kaolin(乾燥ベース73%、Chinese Kaolin Company製)3.7kgを脱陽イオン水20kg中に入れ、1.5時間攪拌した。次いで、プソイドベーマイト(乾燥ベース65%、Shandong Aluminium Company製)1.5kgを加え、さらに1時間攪拌した。最後に、HCl(工業等級)0.25Lを加え、10分間攪拌した。得られたスラリーを60℃に加熱し、1時間エージングさせた。次いで、例6で製造した希土類金属Y−ゼオライトRHSY−6(乾燥ベース78%)1.5kgを加え、1時間攪拌した。触媒を噴霧乾燥により製造し、RC−7と呼ぶ。この触媒の特性を表2に示す。
【0054】
例15
Suzhou Kaolin(乾燥ベース73%、Chinese Kaolin Company製)2.2kgを脱陽イオン水12kg中に入れ、1.5時間攪拌した。次いで、プソイドベーマイト(乾燥ベース65%、Shandong Aluminium Company製)1.2kgを加え、さらに1時間攪拌した。最後に、HCl(工業等級)0.19Lを加え、10分間攪拌した。得られたスラリーを60℃に加熱し、1時間エージングさせた。次いで、例7で製造した希土類金属Y−ゼオライトRHSY−7(乾燥ベース78%)0.58kgを加え、1時間攪拌した。触媒を噴霧乾燥により製造し、RC−8と呼ぶ。この触媒の特性を表2に示す。
【0055】
比較例8
この比較例は、ゼオライトとしてREHYを使用する触媒の製造手順を例示する。
Suzhou Kaolin(乾燥ベース73%、Chinese Kaolin Company製)2.3kgを脱陽イオン水20kg中に入れ、1時間攪拌した。次いで、プソイドベーマイト(乾燥ベース65%、Shandong Aluminium Company製)1kgを加え、さらに1時間攪拌した。最後に、HCl(工業等級)0.2Lを加え、10分間攪拌した。得られたスラリーを60℃に加熱し、1時間エージングさせた。アルミナゾル(Al含有量21.5%、Qilu Catalyst Factory製)2.3kgをこのスラリーと混合し、0.5時間攪拌した。REHYゼオライト(単位セルサイズ2.469nm、RE含有量8.2%、NaO含有量4.2%、乾燥ベース83%、Qilu Catalyst Factory製)2.1kgを加え、1時間攪拌した。触媒を噴霧乾燥および脱陽イオン水で洗浄することにより製造し、DM−5と呼ぶ。この触媒の特性を表3に示す。
【0056】
比較例9
この比較例は、ゼオライトとしてREYを使用する比較用触媒の製造手順を例示する。
Suzhou Kaolin(乾燥ベース85%、Chinese Kaolin Company製)1.6kgを脱陽イオン水16kg中に入れ、1時間攪拌した。次いで、プソイドベーマイト(乾燥ベース65%、Shandong Aluminium Company製)1.2kgを加え、さらに1時間攪拌した。最後に、HCl(工業等級)0.16Lを加え、10分間攪拌した。得られたスラリーを60℃に加熱し、1時間エージングさせた。アルミナゾル(Al含有量21.5%、Qilu Catalyst Factory製)1.9kgをこのスラリーと混合し、0.5時間攪拌した。次いで、希土類金属ゼオライトREY(単位セルサイズ2.467nm、RE含有量13.7%、NaO含有量4.2%、乾燥ベース90%、Qilu Catalyst Factory製)2.1kgを加え、1時間攪拌した。触媒を噴霧乾燥および脱陽イオン水で洗浄することにより製造し、DM−6と呼ぶ。この触媒の特性を表3に示す。
【0057】
例16
Suzhou Kaolin(乾燥ベース73%、Chinese Kaolin Company製)1.6kgを脱陽イオン水15kg中に入れ、1時間攪拌した。次いで、プソイドベーマイト(乾燥ベース65%、Shandong Aluminium Company製)1.2kgを加え、さらに1時間攪拌した。最後に、HCl(工業等級)0.19Lを加え、10分間攪拌した。得られたスラリーを60℃に加熱し、1時間エージングさせた。アルミナゾル(Al含有量21.5%、Qilu Catalyst Factory製)0.7kgをこのスラリーと混合し、0.5時間攪拌した。次いで、例3で製造した希土類金属Y−ゼオライトRHSY−3(乾燥ベース85%)1.27kgを加え、1時間攪拌した。触媒を噴霧乾燥により製造し、RC−9と呼ぶ。この触媒の特性を表2に示す。
【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
下記の例は、本発明で開示する触媒の、あらゆる種類の炭化水素原料油に対するクラッキング特性を例示する。
【0061】
例17
原料油I(Liaoheワックス油、その特性を表4に示す)の接触分解を、固定流動床装置中、500℃、重量毎時空間速度(WHSV)12h−1、触媒−油比5、含水量(原料に対して)10重量%で、本発明で触媒として開示する触媒RC−1、RC−3(希土類金属Y−ゼオライト含有量35重量%)および比較触媒DM−1(ゼオライト含有量40重量%)を使用して行った。試験の前に、各供試触媒を800℃で8時間、100%蒸気雰囲気下で処理した。反応結果を表5に示す。
【0062】
【表4】

【0063】
【表5】

【0064】
表5から分かるように、本発明の触媒RC−1およびRC−3は、重油に対して高い転化率を有することが分かる。重油の未転化物含有量は、比較触媒DM−1のそれよりも少なく、特にRC−3では、重油の未転化物含有量は、比較触媒DM−1のそれよりも4%低い。軽油の収率は、比較触媒のそれよりも約1〜2%高い。生成物分布から見て、ガソリン、コークスおよび乾性ガスに対する選択性は、ほとんど同じ転化率で、比較触媒のそれよりも優れている。従って、本発明で開示する触媒は、重油に対して優れた分解触媒である。
【0065】
例18
原料油II(Wuhan3混合残油、その特性を表6に示す)の接触分解を、固定流動床装置中、500℃、触媒−油比5で、触媒として触媒RC−1、RC−3および比較触媒DM−1を使用して行った。試験の前に、各供試触媒を800℃で4時間、100%蒸気雰囲気下で処理した。得られた粗製ガソリンをクロマトグラフィーPNOAにより分析し、結果を表7に示す。
【0066】
【表6】

【0067】
【表7】

【0068】
表7から分かるように、本発明の触媒RC−1およびRC−3は、ガソリンのオレフィン含有量を下げるのに明らかな効果を有する。これらの触媒におけるガソリンのオレフィン含有量はそれぞれ17.3%および12.97%に達することができ、比較触媒DM−1の33.34%より低い。RC−1およびRC−3におけるi−パラフィンの含有量は、51.59%および55.14%で、比較触媒の39.41%より高いのに対し、オクタン価は比較的高いレベルのままである。従って、本発明で開示する触媒は、ガソリンのオレフィン含有量を下げるのに好ましい触媒である。
【0069】
例19
原料油III(Liaohe Anshanワックス油、その特性を表8に示す)の接触分解を、固定流動床装置中、510℃、重量毎時空間速度(WHSV)20h−1、触媒−油比5で、本発明で触媒として開示する触媒RC−2および比較触媒DM−2を使用して行った。試験の前に、各供試触媒を800℃で4時間、100%蒸気雰囲気下で処理した。反応結果を表9に示す。
【0070】
【表8】

【0071】
【表9】

【0072】
表9から分かるように、比較触媒DM−2(2種類のゼオライト、ゼオライト含有量41重量%)と比較して、本発明で提供する触媒RC−2(ゼオライト含有量32重量%)は、重油に対して高い転化率を有する。軽油の収率は、比較触媒のそれよりも、ほとんど2.8%高い。ほとんど同じオクタン価で、オレフィン含有量は6%低下し、オレフィン含有量の低下に対する高い活性を示す。
【0073】
例20
低品質の原料油IV(Liaoheワックス油:Liaohe軽油:Daqing減圧残油=55:20:25、その特性を表10に示す)の接触分解を、固定流動床装置中、500℃、重量毎時空間速度(WHSV)10h−1、触媒−油比6で、本発明で触媒として開示する触媒RC−2、RC−9および比較触媒DM−2を使用して行った。試験の前に、各供試触媒を800℃で12時間、100%蒸気雰囲気下で処理した。反応結果を表11に示す。触媒RC−9および比較触媒DM−2を固定流動床装置中で使用して得た粗製ガソリンをPNOAにより分析し、その結果を表12に示す。
【0074】
【表10】

【0075】
【表11】

【0076】
表11から分かるように、本発明で提供する触媒RC−2およびRC−9(ゼオライト含有量がそれぞれ32重量%および35重量%)は、比較触媒DM−2(ゼオライト含有量41重量%)より、低ゼオライト含有量および同じ担体の条件下で、はるかに高い分解活性を有する。軽油の収率は、比較触媒のそれよりもほとんど2〜3.5%高い。ガソリンの選択性とコークスの選択性の両方とも、比較触媒の選択性より高い。
【0077】
【表12】

【0078】
表12から分かるように、本発明で提供する触媒は、低品質原油のクラッキングに使用した場合にも、オレフィン含有量の低下に活性を示す。
【0079】
例21
原油V(Daqing常圧残油:Aman=20:80)の接触分解を、固定流動床装置中、520℃、重量毎時空間速度(WHSV)30h−1、触媒−油比4で、本発明で触媒として開示する触媒RC−4および比較触媒DM−5およびDM−6を使用して行った。試験の前に、各供試触媒を800℃で4時間、100%蒸気雰囲気下で処理した。反応結果を表13に示す。
【0080】
【表13】

【0081】
表13から分かるように、比較触媒REHYゼオライトを含むDM−5およびREYを含むDM−6と比較して、本発明で提供する触媒は、同様の転化率およびオレフィン含有量低下活性で、高い軽油収率ならびに優れたコークス選択性を有する。
【0082】
例22
原油VI(Daqing常圧残油、その特性を表14に示す)の接触分解を、固定流動床装置中、500℃、重量毎時空間速度(WHSV)30h−1、触媒−油比4で、本発明で触媒として開示する触媒RC−4および比較触媒DM−3(特にオレフィン含有量を低下させるための触媒)を使用して行った。試験の前に、各供試触媒を800℃で8時間、100%蒸気雰囲気下で処理した。反応結果を表15に示す。
【0083】
【表14】

【0084】
【表15】

【0085】
表15から分かるように、本発明で開示する触媒RC−4は、比較触媒DM−4よりゼオライト含有量が5%低く、ZRPゼオライトを含まないが、重油に対する転化率が高い。油の収率は、比較例のそれよりもほとんど2%高く、オレフィン含有量は、比較例のそれよりも5%低い。この触媒は、オレフィン含有量を下げる活性を有する。
【0086】
例23
重油に対するマイクロ活性試験を、触媒として触媒RC−5、RC−6、RC−7および比較触媒DM−3を使用して行った。試験の前に、各供試触媒を800℃で17時間、100%蒸気雰囲気下で処理した。反応結果を表16に示す。
【0087】
【表16】

【0088】
表16から分かるように、本発明で開示する触媒は、比較触媒よりもゼオライト含有量がはるかに低いが、それでも重油に対する転化率が高い。軽油の収率は、比較触媒のそれよりも5.5〜6.8%高い。特に、水素移動活性指数に関する各活性指数ΣC/Cは、比較触媒のそれよりも高い。これらはすべて、本発明で開示する触媒のオレフィン含有量低下活性が、オレフィン含有量低下に使用されている従来の触媒のそれよりも優れていることを示している。
【0089】
例24
例24
本発明で開示する触媒RC−1、RC−9および比較触媒DM−4を、100%蒸気雰囲気下、800℃で4時間、8時間および17時間でそれぞれエージングし、次いで窒素吸着(BET)試験にかけた。測定した比表面積を図3に示す。図3から分かるように、本発明で開示する触媒は、蒸気エージング処理の後でも高い比表面積を維持し、水熱安定性が高いことを示している。
【0090】
例25
本発明で開示する触媒RC−1、RC−2、RC−3、RC−4および比較触媒DM−2、DM−5、DM−6を、100%蒸気雰囲気下、800℃で17時間それぞれエージングし、次いで触媒中のゼオライトの平衡単位セルサイズをXRDにより測定した。測定結果を表17に示す。
【0091】
【表17】

【0092】
表17から分かるように、本発明で開示する各触媒の単位セルサイズは2.435nmより大きいが、各比較触媒の単位セルサイズは2.432nmより小さく、本発明で開示する各触媒は水熱安定性および構造的安定性が高いことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】触媒に使用するゼオライトの、800℃で17時間の100%蒸気エージング後のヒドロキシル構造のFT−IRスペクトルである。
【図2】触媒に使用するゼオライトに対する、800℃で17時間の100%蒸気エージング後の、B酸のグラフである。
【図3】蒸気エージング処理後の触媒のBETグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
希土類金属Y−ゼオライト結晶格子中の、REで計算した希土類金属含有量が4〜15重量%であり、もとの単位セルサイズが2.440nm〜2.465nmであり、800℃で17時間の100%蒸気エージング処理の後の平衡単位セルサイズが2.435nmを超える、炭化水素クラッキング用希土類金属Y−ゼオライト含有触媒。
【請求項2】
前記希土類金属Y−ゼオライト結晶格子中の、REで計算した前記希土類金属含有量が6〜12重量%である、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
前記希土類金属Y−ゼオライトのもとの単位セルサイズが2.445nm〜2.460nmであり、前記平衡単位セルサイズが2.440nmを超える、請求項1に記載の触媒。
【請求項4】
前記希土類金属Y−ゼオライトのもとの単位セルサイズが2.450nm〜2.458nmであり、前記平衡単位セルサイズが2.445nmを超える、請求項3に記載の触媒。
【請求項5】
前記希土類金属Y−ゼオライトのNaO含有量が1.0重量%未満である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項6】
前記希土類金属Y−ゼオライトのNaO含有量が0.5重量%未満である、請求項5に記載の触媒。
【請求項7】
前記希土類金属Y−ゼオライトのSi/Al比が6〜20である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項8】
前記希土類金属Y−ゼオライトのSi/Al比が8〜15である、請求項7に記載の触媒。
【請求項9】
前記希土類金属Y−ゼオライトの示差熱崩壊温度が1000℃より高い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項10】
前記示差熱崩壊温度が1000〜1056℃である、請求項9に記載の触媒。
【請求項11】
前記希土類金属Y−ゼオライトの含有量が10〜50重量%である、請求項1に記載の触媒。
【請求項12】
前記希土類金属Y−ゼオライトの含有量が15〜40重量%である、請求項11に記載の触媒。
【請求項13】
前記希土類金属Y−ゼオライトの含有量が15〜35重量%である、請求項12に記載の触媒。
【請求項14】
前記触媒がMFI構造を有するゼオライトを含んでなり、前記MFI構造を有するゼオライトと前記希土類金属Y−ゼオライトとの重量比が0.01〜0.5である、請求項1に記載の触媒。
【請求項15】
請求項1に記載の炭化水素クラッキング用触媒を製造する方法であって、
(1)前記希土類金属Y−ゼオライトを、その含水量が10重量%未満になるまで乾燥させ、次いで、SiCl:Y−ゼオライトの重量比=0.1〜0.9:1で、前記ゼオライトを、乾燥空気により運ばれるSiClガスと150〜600℃で10分間〜6時間反応させ、反応後に乾燥空気で5分間〜2時間掃気し、次いで脱陽イオンされた水により洗浄し、前記ゼオライト中の残留可溶性副生成物を除去する工程、
(2)前記工程(1)で得た希土類金属Y−ゼオライト10〜50重量%、結合剤10〜60重量%、およびクレー2〜75重量%を混合し、パルプ化し、噴霧乾燥により成形する工程
を有することを特徴とする、方法。
【請求項16】
前記工程(1)に記載の希土類金属Y−ゼオライトが、REHYおよびREYゼオライトの工業的製品、またはNaYゼオライトを希土類金属イオン交換し、乾燥させたもしくは乾燥させていない製品から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記工業的REHYゼオライトの、REで計算された前記希土類金属含有量が6〜16重量%であり、NaO含有量が4重量%を超える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記工業的REYゼオライトの、REで計算された前記希土類金属含有量が10〜20重量%であり、NaO含有量が2重量%を超える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記NaYゼオライトの希土類金属イオン交換工程が、Si/Al比が3.5を超えるNaYゼオライト、および、NaY:RECl:HO=1:0.1〜0.25:5〜15の重量比である希土類金属塩化物水溶液を、80〜90℃で30〜60分間、3.5を超えるpHの下で交換することにより行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記工程(1)に記載の希土類金属Y−ゼオライトの、乾燥後の含水量が5重量%未満である、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記工程(1)に記載の反応温度が200〜500℃である、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記希土類金属Y−ゼオライトの含有量が15〜40重量%である、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記結合剤の含有量が15〜40重量%である、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記クレーの含有量が20〜60重量%である、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記結合剤が、プソイドベーマイト、アルミナゾル、シリカゾルおよびリン−アルミナゾルの一種以上から選択される、請求項15または23に記載の方法。
【請求項26】
前記結合剤が、重量比10〜40:0〜30のプソイドベーマイトとアルミナゾルの二重アルミナ結合剤である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
プソイドベーマイトとアルミナゾルとの重量比が15〜25:2〜25である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記プソイドベーマイトの酸処理における酸とアルミナとの重量比が、二重アルミナ結合剤を使用する場合、0.1〜0.6である、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
前記酸とアルミナとの重量比が0.15〜0.35である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記クレーが、クラッキング触媒マトリックスに通常使用されるクレーである、請求項15または24に記載の方法。
【請求項31】
前記クレーが、カオリン、ハロイサイト、モンモリロン石、ベントナイトまたはセピオライトから選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
請求項1に記載の触媒の、残油処理における使用。
【請求項33】
前記残油が、完全常圧残油、常圧残油と混合された蒸留油または減圧残油と混合された蒸留油から選択される、請求項32に記載の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
希土類金属Y−ゼオライト結晶格子中の、REで計算した希土類金属含有量が4〜15重量%であり、もとの単位セルサイズが2.450nm〜2.458nmであり、800℃で17時間の100%蒸気エージング処理の後の平衡単位セルサイズが2.430nmを超える、炭化水素クラッキング用希土類金属Y−ゼオライト含有触媒。
【請求項2】
前記希土類金属Y−ゼオライト結晶格子中の、REで計算した前記希土類金属含有量が6〜12重量%である、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
前記平衡単位セルサイズが2.440nmを超える、請求項1に記載の触媒。
【請求項4】
前記平衡単位セルサイズが2.445nmを超える、請求項3に記載の触媒。
【請求項5】
前記希土類金属Y−ゼオライトのNaO含有量が1.0重量%未満である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項6】
前記希土類金属Y−ゼオライトの前記NaO含有量が0.5重量%未満である、請求項5に記載の触媒。
【請求項7】
前記希土類金属Y−ゼオライトのSi/Al比が6〜20である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項8】
前記希土類金属Y−ゼオライトのSi/Al比が8〜15である、請求項7に記載の触媒。
【請求項9】
前記希土類金属Y−ゼオライトの示差熱崩壊温度が1000℃より高い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項10】
前記示差熱崩壊温度が1000〜1056℃である、請求項9に記載の触媒。
【請求項11】
前記希土類金属Y−ゼオライトの含有量が10〜50重量%である、請求項1に記載の触媒。
【請求項12】
前記希土類金属Y−ゼオライトの含有量が15〜40重量%である、請求項11に記載の触媒。
【請求項13】
前記希土類金属Y−ゼオライトの含有量が15〜35重量%である、請求項12に記載の触媒。
【請求項14】
前記触媒がMFI構造を有するゼオライトを含んでなり、前記MFI構造を有するゼオライトと前記希土類金属Y−ゼオライトとの重量比が0.01〜0.5である、請求項1に記載の触媒。
【請求項15】
請求項1に記載の炭化水素クラッキング用触媒を製造する方法であって、
(1)前記希土類金属Y−ゼオライトを、その含水量が10重量%未満になるまで乾燥させ、次いで、SiCl:Y−ゼオライトの重量比=0.1〜0.9:1で、前記ゼオライトを、乾燥空気により運ばれるSiClガスと150〜600℃で10分間〜6時間反応させ、反応後に乾燥空気で5分間〜2時間掃気し、次いで脱陽イオンされた水により洗浄し、前記ゼオライト中の残留可溶性副生成物を除去する工程、
(2)前記工程(1)で得た希土類金属Y−ゼオライト10〜50重量%、結合剤10〜60重量%、およびクレー2〜75重量%を混合し、パルプ化し、噴霧乾燥により成形する工程
を有することを特徴とする、方法。
【請求項16】
前記工程(1)に記載の希土類金属Y−ゼオライトが、REHYおよびREYゼオライトの工業的製品、またはNaYゼオライトを希土類金属イオン交換し、乾燥させたもしくは乾燥させていない製品から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記工業的REHYゼオライトの、REで計算された前記希土類金属含有量が6〜16重量%であり、NaO含有量が4重量%を超える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記工業的REYゼオライトの、REで計算された前記希土類金属含有量が10〜20重量%であり、NaO含有量が2重量%を超える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記NaYゼオライトの希土類金属イオン交換工程が、Si/Al比が3.5を超えるNaYゼオライト、および、NaY:RECl:HO=1:0.1〜0.25:5〜10の重量比の希土類金属塩化物水溶液を、80〜90℃で30〜60分間、3.5を超えるpHの下で交換することにより行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記工程(1)に記載の希土類金属Y−ゼオライトの、乾燥後の含水量が5重量%未満である、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記工程(1)に記載の反応温度が200〜500℃である、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記希土類金属Y−ゼオライトの含有量が15〜40重量%である、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記結合剤の含有量が15〜40重量%である、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記クレーの含有量が20〜60重量%である、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記結合剤が、プソイドベーマイト、アルミナゾル、シリカゾルおよびリン−アルミナゾルの一種以上から選択される、請求項15または23に記載の方法。
【請求項26】
前記結合剤が、重量比10〜40:0〜30のプソイドベーマイトとアルミナゾルとの二重アルミナ結合剤である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記プソイドベーマイトとアルミナゾルとの重量比が15〜25:2〜25である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記プソイドベーマイトの酸処理における酸とアルミナとの重量比が、二重アルミナ結合剤を使用する場合、0.1〜0.6である、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
前記酸とアルミナとの重量比が0.15〜0.35である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記クレーが、クラッキング触媒マトリックスに通常使用されるクレーである、請求項15または24に記載の方法。
【請求項31】
前記クレーが、カオリン、ハロイサイト、モンモリロン石、ベントナイトまたはセピオライトから選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
請求項1に記載の触媒の、残油処理における使用。
【請求項33】
前記残油が、完全常圧残油、常圧残油と混合された蒸留油または減圧残油と混合された蒸留油から選択される、請求項32に記載の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2006−503689(P2006−503689A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−545688(P2004−545688)
【出願日】平成15年10月28日(2003.10.28)
【国際出願番号】PCT/CN2003/000910
【国際公開番号】WO2004/037413
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(501329404)中國石油化工股▲分▼有限公司 (13)
【出願人】(504427813)中国石油化工股▲分▼有限公司石油化工科学研究院 (10)
【Fターム(参考)】