説明

炭酸ガスインジケーター、及びこれを用いた包装体

【課題】 水分の多い条件下でも、良好な外観及び色調を維持する炭酸ガスインジケーターを得る。
【解決手段】 基材と、該基材上にpH指示薬、結合剤、及び溶媒を含有する炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて印刷された指示部と、調湿乾燥剤とを含むことを特徴とする炭酸ガスインジケーター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品、飲料、及び薬品等を長期間保存するためのガス置換包装中の置換されたガス雰囲気が保持されていることを検出するためのインキ組成物を用いた炭酸ガスインジケーター、及びこれを配置した包装体に係り、特に、内容物の水分活性が高い場合の炭酸ガスインジケーター、及びこれを配置した包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、炭酸ガスを含む置換ガスを封入したガス置換包装のピンホール、及びシール不良の発生によるガス雰囲気の変化を簡単に確認し得る種々の炭酸ガスインジケーターが上市されている。
【0003】
例えば外装体内に、内容物と共に、炭酸ガスインジケーター及び炭酸ガスを封入した包装体の場合、外装体にピンホール等が発生して炭酸ガスが漏れると、炭酸ガスインジケーター周囲雰囲気中の炭酸ガス濃度が低下して、pH値が上がり、これに伴ってpH指示薬の色調が変化する。このように、炭酸ガスインジケーターを用いると、このpH指示薬の色調の変化を利用して、炭酸ガスインジケーター周囲雰囲気の炭酸ガス濃度の変化を視覚的に検知することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような炭酸ガスインジケーターとして、バインダー樹脂とpH指示薬を含む炭酸ガスインジケーター用インキを用い、支持体上にpH指示部を印刷したものがある。このようなpH指示部は、包装体に用いられる種々の外装体などにも印刷できるので、見やすく、便利である。pH指示部の鮮明な色調変化を保持するには水分の存在が不可欠であるので、バインダー樹脂としては、水に溶解または分散するものが使用されている。
【0005】
しかしながら、これらのインキを用いて印刷された炭酸ガスインジケーターは、その周囲雰囲気の相対湿度が高くなると、pH指示部に過剰の水分が供給されて炭酸ガスインジケーター用インキが再溶解して、炭酸ガスインジケーターの外観不良が発生するという問題があった。
【0006】
外装体内の相対湿度は、内容物や外部の温湿度、内部空間容積によって変わってくる。特に内容物によるところが大きい。食品や、飲料、医薬品は、それぞれ下記式で表されるような固有の水分活性を持っている。
【0007】
相対湿度(%RH)=水分活性×100
この水分活性が、外装体内の湿度が大きく変わる原因となっている。例えばコーヒー、のり、お茶、米菓、ビスケット、チョコレートは0.1ないし0.5、米、キャラメル、煮干し、医療用アンプルは0.5ないし0.7、みそ、生菓子、団子、パン粉、チーズ、ちくわ、餅、医療用薬液バッグ等は0.7ないし1を示す。水分量が高いものほど、相対湿度が高くなり、炭酸インジケーターの外観を損なう原因となっていた。
【0008】
また、水分量が高い内容物例えば医療用薬液バッグの場合、この医療用薬液バッグのフィルムすなわち一次容器の厚さを薄くしただけで、医療用薬液バッグと外装体間の空間の相対湿度が上昇し、炭酸インジケーターに過剰の水分が取り込まれて、炭酸インジケーター用インキが再溶解し、外観を損なうという問題があった。
【特許文献1】国際公開第01/044385号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、水分の多い条件下でも、良好な外観及び色調を維持する炭酸ガスインジケーターを提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、水分活性の高い内容物を封入した場合でも、良好な外観及び色調を維持する炭酸ガスインジケーターを備えた包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1に、基材と、該基材上にpH指示薬、結合剤、及び溶媒を含有する炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて印刷された指示部と、調湿乾燥剤とを含むことを特徴とする炭酸ガスインジケーターを提供する。
【0012】
本発明は、第2に、基材と、該基材上にpH指示薬、結合剤、及び溶媒を含有する炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて印刷された指示部と、調湿乾燥剤とを含む炭酸ガスインジケーターを、炭酸ガスを含む置換ガスを封入した外装体内に配置した包装体を提供する。
【0013】
本発明は、第3に、基材と、該基材上にpH指示薬、結合剤、及び溶媒を含有する炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて印刷された指示部とを含む炭酸ガスインジケーターと、調湿乾燥剤を含有する部材とを、炭酸ガスを含む置換ガスを封入した外装体内に配置した包装体を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、水分の多い条件下でも、良好な外観及び色調を維持する炭酸ガスインジケーターを提供することができる。
【0015】
本発明を用いると、炭酸ガスインジケーターの変色に必要な水分は確保し、過度の水分は保持しないので、炭酸ガスインジケーターの良好な応答性と外観が両立可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の炭酸ガスインジケーターは、基材と、基材上にpH指示薬、結合剤、及び溶媒を含有する炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて印刷された指示部と、調湿乾燥剤とを含む。
【0017】
また、本発明の包装体は、基材と、基材上にpH指示薬、結合剤、及び溶媒を含有する炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて印刷された指示部とを含む炭酸ガスインジケーターを、炭酸ガスを含む置換ガスを封入した外装体内に配置したものであって、外装体内に、さらに調湿乾燥剤が含まれている。この調湿乾燥剤は、炭酸ガスインジケーターを構成する部材中に混入されるか、あるいは、炭酸ガスインジケーター以外の部材に混入され得る。
【0018】
本発明の炭酸ガスインジケーターを用いると、炭酸ガスインジケーター周囲の湿度が上昇しても、調湿乾燥剤が余分な水分を吸収するので、pH指示部に過剰の水分が供給されることがなく、炭酸ガスインジケーターの外観不良を防止できる。
【0019】
本発明に使用される調湿乾燥剤の材料及び使用量は、炭酸ガスインジケーターの使用環境に応じて適宜選択し得る。
【0020】
例えば炭酸ガスインジケーター周囲の湿度が80%以上の場合は、飽和するまで水分を吸収し続ける乾燥剤、炭酸ガスインジケーター周囲の湿度が80%以下の場合は、例えば明礬のような水分を吸着及び放出し得る乾燥剤を、有効量使用し得る。
【0021】
明礬(化学式:MIII(SO・12HO(但し、M;一価イオン、MIII;三価イオン))は、湿度が極度に上昇した場合には水分を吸着し、極度に低下した場合は水分を放出する性質を有する。これにより、炭酸ガスインジケーターの使用環境が、高湿、低湿になりやすい条件である場合、あるいは湿度が変動する条件である場合でも、炭酸ガスインジケーター周囲の湿度を好適に維持し、湿度の増加による炭酸ガスインジケーターの外観不良、及び湿度の低下による指示部の変色の阻害を防止し得る。一価イオンとしては、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、タリウム、アンモニウム等が好適に使用できる。三価イオンとしては、アルミニウム、クロム、鉄、ガリウム、インジウム、チタン、マンガン、コバルト、及びイリジウム等が好適に使用できる。
【0022】
また、他の好ましい調湿乾燥剤として、シリカゲル、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、第二燐酸ナトリウム、塩化アンモニウム、スクロース、炭酸カリウム、明礬、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、第一硝酸アンモニウム、臭化カリウム、生石灰、ゼオライト、硫酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ケイ素、活性炭、及び粘土鉱物等の乾燥剤材料、及びポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びポリエチレングリコール等の吸水性ポリマー材料が挙げられる。これらの調湿乾燥剤は、炭酸ガスインジケーターの使用環境が高湿になりやすい条件を持つとき、その条件に応じて使用量を調整することにより、炭酸ガスインジケーター周囲の湿度を適度に維持できる。
【0023】
炭酸ガスインジケーターの外観不良、及び湿度の低下による指示部の変色の阻害を発生することなく、本発明の炭酸ガスインジケーターを好適に使用するためには、炭酸ガスインジケーター周囲の湿度を15%RH〜75%RH程度に保つことが好ましい。
【0024】
以下、図面を参照し、本発明をより詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の炭酸ガスインジケーターの第1の例を表す正面図、図2はその断面図である。
【0026】
図示するように、このインジケーター10は、例えばポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体1の両面に、例えばメタクレゾールパープル、炭酸ナトリウム、ポリビニルアセタール樹脂、微結晶セルロース、及び水からなる炭酸ガス検知用インキ組成物を円形状のパターンでスクリーン印刷により塗布して得られた指示部2が設けられ、その周囲を、炭酸ガス透過性を有する例えば多孔性のフィルム3で包囲した構成を有する。このインジケーターの指示部は、通常の空気中では、紫色を呈している。なお、図1及び図2では、支持体1の両面に指示部2を設けたが、片面のみに指示部を設けた構成も適用し得る。また、このインジケーターは、通気性フィルム3で包囲されているが、通気性フィルム3を用いないで、そのまま使用することができる。
【0027】
ここで、調湿乾燥剤として例えば明礬が、炭酸ガスインジケーターを構成する部材の少なくとも1つ例えば支持体1及び指示部2等に混入されている。これにより、炭酸ガスインジケーター周囲の湿度が上昇しても、調湿乾燥剤が余分な水分を吸収するので、pH指示部2に過剰の水分が供給されることがなく、炭酸ガスインジケーターの外観不良を防止できる。
【0028】
調湿乾燥剤を上記部材に混入する方法としては、例えば支持体材料であるポリエチレンテレフタレートフィルム中に練り込むこと、及び指示部を印刷するための炭酸ガス検知用インキ組成物中に添加することなどがあげられる。
【0029】
図3は、本発明の炭酸ガスインジケーターの第2の例の構成を表す断面図を示す。
【0030】
図示するように、この炭酸ガスインジケーター70は、片面のみに指示部を設けた例であって、支持体として例えばポリエステル樹脂にシリカを蒸着したフィルムからなる炭酸ガス不透過性を有する層71と、この炭酸ガス不透過性を有する層71上に例えばメタクレゾールパープル、炭酸ナトリウム、ポリビニルアセタール樹脂、微結晶セルロース、及び水からなる炭酸ガス検知用インキ組成物を円形状のパターンでスクリーン印刷により塗布して得られた指示部2と、炭酸ガス不透過性を有する層71上に設けられた指示部2を封止するように形成された、例えばポリエチレンフィルムからなる炭酸ガス透過性を有する層73とから構成される。
【0031】
本発明では、炭酸ガス不透過性を有する層として、24時間の測定で、0ないし50(ml/m)の炭酸ガス透過量を有する層を使用することができる。この炭酸ガス透過量が50(ml/m)より高いと、例えば炭酸ガス不透過性を有する層で包装体を形成した場合に、炭酸ガス雰囲気を十分に保持することが困難となる可能性がある。
【0032】
本発明では、炭酸ガス透過性を有する層として、24時間の測定で、500(ml/m)以上の炭酸ガス透過量を有する層を使用することができる。この炭酸ガス透過量が500(ml/m)以上であれば、炭酸ガス雰囲気変化に対し、指示部が十分な早さで応答し、適切な判定が可能である。
【0033】
この炭酸ガスインジケーター70は、炭酸ガス透過性を有する層73側からのみ炭酸ガスを透過して検知し、支持体側からは炭酸ガスを透過しない構成を有する。例えば支持体として包装体の外装体等を使用し、炭酸ガス不透過性を有する層71を外側に、炭酸ガス透過性を有する層73が内側になるように包装体を作成し、この炭酸ガスインジケーター70が包装体内部で機能するように、包装体を構成することができる。このようにして得られた包装体は、雰囲気の変化に対する応答性に優れ、かつ炭酸ガスの保持性が良好であるため内容物の保存性に優れる。
【0034】
本発明に使用可能な、24時間の測定で、0ないし50(ml/m)の炭酸ガス透過量を有する樹脂フィルムとしては、ポリエステル(PET)フィルムやナイロン(Ny)フィルム等の合成樹脂からなる基材フィルム上にシリカやアルミナ等を蒸着した透明蒸着フィルム、及びポリ塩化ビニリデン(PVDC)フィルム、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVOH)フィルム等があげられる。
【0035】
これらのフィルムは単独であるいは積層して使用することができる。また、使用目的に応じた強度や耐熱性等を得るために他の樹脂フィルムを積層することができる。例えば、突き刺し強度を得るために、ナイロンフィルム等を積層することができる。
【0036】
本発明に用いる、24時間の測定で、500(ml/m)以上の炭酸ガス透過量を有するフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン類があげられる。なお、低密度ポリエチレンや未延伸ポリプロピレンはヒートシール性を有しており、包装袋内層として最適である。
【0037】
指示部が印刷された支持体と、炭酸ガス透過量が24時間で50(ml/m)以下のフィルムと、炭酸ガス透過量が24時間で500(ml/m)以上のフィルム、及びその他のフィルムを貼り合わせる方法としては、公知の方式が利用可能であり、例えば接着剤を用いたドライラミネーションが利用可能である。
【0038】
ここで、調湿乾燥剤として例えば明礬が、炭酸ガスインジケーターを構成する部材の少なくとも1つに混入されている。炭酸ガスインジケーターを構成する部材としては、例えば炭酸ガス不透過性を有する層71、炭酸ガス透過性を有する層73、及び指示部2等があげられる。あるいは、炭酸ガス透過性を有する層73上に、調湿乾燥剤を含む層をさらに設けることもできる。この炭酸ガスインジケーターでは、炭酸ガスインジケーター周囲の湿度が上昇しても、調湿乾燥剤が余分な水分を吸収するので、pH指示部2に過剰の水分が供給されることがなく、炭酸ガスインジケーターの外観不良を防止できる。
【0039】
調湿乾燥剤を上記部材に混入する方法としては、例えば支持体材料である樹脂フィルム中に練り込むこと、及び指示部を印刷するための炭酸ガス検知用インキ組成物中に添加することなどがあげられる。
【0040】
図4は、本発明の炭酸ガスインジケーターの第3の例の構成を表す断面図を示す。
【0041】
図示するように、この炭酸ガスインジケーター50は、例えばアルミナ蒸着層(図示せず)を有するナイロンフィルム55と、これに接着剤層56を介して積層された、アルミナ蒸着層(図示せず)を有するポリエステルフィルム57とからなる支持体1と、支持体1上に形成されたアンカーコート層51と、アンカーコート層51上に例えばメタクレゾールパープル、炭酸ナトリウム、ポリビニルアセタール樹脂、微結晶セルロース、及び水からなる炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて所定のパターンでグラビア印刷された指示部2と、指示部2が印刷されたアンカーコート層51上に、この指示部2を封止するように形成されたオーバーコート層52とから構成される。このインジケーターの指示部2は、通常の空気中では、紫色を呈している。
【0042】
指示部2中のpH指示薬は、溶媒例えば水やアルコール化合物などの親水性溶媒を介して反応する。このため指示部2は、このような溶媒を含み得る。このため、指示部2は、水がたまりやすく、外観不良を起こしやすい。また、指示部2は、外的衝撃に弱く、この指示部2及びその周辺で剥離、破断し易い。この炭酸ガスインジケーター50のように、指示部2をアンカーコート層51とオーバーコート層52で挟み込むことにより、指示部2を構成する炭酸ガス検知用インキ組成物を保護し、外観不良、剥離、及び破断を防止することができる。さらに、耐光性、耐熱性を含めた炭酸ガスインジケーターの長期安定性が良好となる。
【0043】
このアンカーコート層51としては、非水溶性であり、支持体1とその上に形成される指示部2との密着性が良好な材料を、また、オーバーコート層52としては、炭酸ガス透過性、指示部2との密着性、及び任意に指示部2上にさらに設けられ得る例えば接着剤層または他の樹脂層との密着性が良好な材料を好ましく使用することができる。
【0044】
このような材料として、例えばウレタン系樹脂及びポリビニルアセタール樹脂等を単独でまたは組み合わせて使用することができる。
【0045】
例えばウレタン樹脂は、支持体1と指示部2との密着性を強固にし、支持体1と指示部2との剥離、破断等を効果的に防止し得る。また、ポリビニルアセタール樹脂は、支持体1との密着性が良好であり、かつ親水基を有する。親水基の存在により、ポリビニルアセタール樹脂は、指示部2中の水分の飛散を防止し、外部例えば空気中からの水分を取り込みやすくすることができる。これにより、ポリビニルアセタール樹脂は、少なくとも指示部2中のpH指示薬が機能するために十分な量の水分の維持を助ける作用を有する。
【0046】
なお、ここでは、支持体1の片面のみに指示部を設けたが、支持体1の両面に指示部2を設けた構成も適用し得る。また、支持体1の片面のみに指示部を設ける場合には、必要に応じて、支持体として前述の炭酸ガス不透過性を有する層を、また、オーバーコート層上に炭酸ガス透過性を有する層を各々適用することができる。
【0047】
さらに、ここでは、調湿乾燥剤として例えば明礬等が、炭酸ガスインジケーターを構成する部材の少なくとも1つ例えば支持体1、アンカーコート層51、オーバーコート層52、任意に設けられ得る接着層、及び指示部2等に混入されている。あるいは、オーバーコート層52上に調湿乾燥剤を含む層をさらに設けることができる。これにより、炭酸ガスインジケーター周囲の湿度が上昇しても、調湿乾燥剤が余分な水分を吸収するので、pH指示部2に過剰の水分が供給されることがなく、炭酸ガスインジケーターの外観不良を防止できる。
【0048】
調湿乾燥剤を上記部材に混入する方法としては、例えば支持体、アンカーコート層、オーバーコート層、任意に設けられ得る接着層材料中に練り込むこと、及び指示部を印刷するための炭酸ガス検知用インキ組成物中に添加することなどがあげられる。
【0049】
また、図5は、炭酸ガスインジケーターの第4の例の構成を表す断面図である。
【0050】
図示するように、この炭酸ガスインジケーター60は、上述の炭酸ガスインジケーター50の改良例であって、アンカーコート層51の代わりに、支持体1上に第1のアンカーコート層53と第2のアンカーコート層54の積層構造が使用されていること以外は、図4に示す炭酸ガスインジケーターと同様の構造を有する。好ましくは第1のアンカーコート層53の周縁部とオーバーコート層52とが密着されることにより指示部2及び第2のアンカーコート層54が2つの層52,53内に封入されている。
【0051】
第1のアンカーコート層としては、支持体1と密着性の良い非水溶性材料例えばウレタン系樹脂等が好ましく使用される。
【0052】
また、第2のアンカーコート層としては、第1のアンカーコート層及び指示部2との密着性が良好であり、さらに好ましくは親水基を有し、水を含む指示部2に対し保水効果を有する材料例えばポリビニルアセタール樹脂等が好ましく使用される。
【0053】
アンカーコート層及びオーバーコート層の塗布方法としては、印刷法例えばスクリーン印刷法、凹版印刷法、及びグラビア印刷法等や、コーティング法例えばロールコーティング、スプレーコーティング、及びディップコーティング等が好適に使用される。
【0054】
この炭酸ガスインジケーター60では、アンカーコート層を2層に分けて形成しているので、第1のアンカーコート層53により、支持体1と指示部2との密着性を強固にする作用、第2のアンカーコート層54により、少なくとも指示部2中のpH指示薬が機能するために十分な量の水分を確保する作用が得られる。従って、炭酸ガスインジケーター、図4に示す炭酸ガスインジケーター50のように、アンカーコート層を1層だけ形成するよりも、より強固な密着性と、指示部に対するより効果的な保水性とが実現できる。さらに、耐光性、耐熱性を含めた炭酸ガスインジケーターの長期安定性がさらに良好となる。
【0055】
なお、ここでは、支持体1の片面のみに指示部を設けたが、支持体1の両面に指示部2を設けた構成も適用し得る。また、支持体1の片面のみに指示部を設ける場合には、必要に応じて、支持体として前述の炭酸ガス不透過性を有する層を、また、オーバーコート層上に炭酸ガス透過性を有する層を各々適用することができる。
【0056】
また、調湿乾燥剤を適用可能な部材は、アンカーコート層51のかわりに、さらに第1のアンカーコート層53及び第2のアンカーコート層54があげられること以外は、図4に示す炭酸ガスインジケーターと同様である。あるいは、オーバーコート層52上に調湿乾燥剤を含む層をさらに設けることができる。また調湿乾燥剤を設けることにより、これにより、炭酸ガスインジケーター周囲の湿度が上昇しても、調湿乾燥剤が余分な水分を吸収するので、pH指示部に過剰の水分が供給されることがなく、炭酸ガスインジケーターの外観不良を防止できる。
【0057】
図6に、本発明にかかるガス置換包装体の第1の例を表す図を示す。図示するように、このガス置換包装体20は、例えば薬液、飲料等の内容物を収納したポリエチレン製の容器11と、調湿乾燥剤を含む炭酸ガスインジケーター10とを、置換ガスとして窒素50容量%、二酸化炭素50容量%混合ガス13を用いて、ガスバリアー性の積層フィルムからなる外装体12に封入した構成を有する。
【0058】
この包装体中のインジケーターの指示部2は、封入時には黄色を呈している。しかしながら、包装体にピンホールあるいはシール不良等が発生し、置換ガスが漏れ出して代わりに周囲の大気が混入すると、包装体内の炭酸ガス濃度が低下する。このため、インジケーター10周囲のガス雰囲気が変化して、指示部2の色調が黄色からうす茶色、さらには紫色へとpHに応じて変化する。この色調の変化を視認することにより、包装体内の炭酸ガスを含む雰囲気が保持されているかどうかを容易に確認することができる。また、調湿乾燥剤が設けられているので、炭酸ガスインジケーター周囲の湿度が上昇しても、調湿乾燥剤が余分な水分を吸収するので、pH指示部に過剰の水分が供給されることがなく、炭酸ガスインジケーターの外観不良を防止できる。
【0059】
なお、炭酸ガスインジケーター10の代わりに、上述の炭酸ガスインジケーターの第3の例及び第4の例を適用することができる。
【0060】
図7には、本発明にかかるガス置換包装体の第2の例を示す。
【0061】
図示するように、包装体30は、例えばブロック生肉等の内容物を真空包装したポリエチレンフィルム製の容器14の表面に、容器14の外装部を支持体としてスクリーン印刷により形成された指示部2と、この指示部2上に被覆された通気性材料からなる被覆層5と、例えば外装部、指示部、あるいは被覆層等に設けられた調湿乾燥剤とを有する炭酸ガスインジケーター18を設け、置換ガスとして窒素50容量%、二酸化炭素50容量%混合ガス13を用いて、ガスバリアー性の積層フィルムからなる外装体12で封入した構成を有する。
【0062】
また、被覆層5を設けない以外は、図7の包装体30と同様の構成を有する包装体とすることもできる。
【0063】
この包装体30でも、図6に示す包装体と同様に、この色調の変化を視認することにより、包装体内の炭酸ガスを含むガス雰囲気が保持されているかどうかを容易に確認することができる。また、調湿乾燥剤が設けられているので、炭酸ガスインジケーター周囲の湿度が上昇しても、調湿乾燥剤が余分な水分を吸収するので、pH指示部に過剰の水分が供給されることがなく、炭酸ガスインジケーターの外観不良を防止できる。
【0064】
なお、炭酸ガスインジケーター18の代わりに、上述の炭酸ガスインジケーターの第2の例、第3の例及び第4の例を適用することができる。
【0065】
図8には、本発明にかかるガス置換包装体の第3の例を示す。
【0066】
図6、図7に示した包装体以外に、図8に示すように指示部2を外装体12上に印刷、又は指示部2を設けた支持体1からなるインジケーター10を外装体12に接着する等の方法で、包装体と一体化して使用しても良い。調湿乾燥剤は、支持体1、指示部2、及び外装体12等に設けることができる。
【0067】
また、調湿乾燥剤が設けられているので、炭酸ガスインジケーター周囲の湿度が上昇しても、調湿乾燥剤が余分な水分を吸収するので、pH指示部に過剰の水分が供給されることがなく、炭酸ガスインジケーターの外観不良を防止できる。
【0068】
この包装体40は、ガスバリアー性の積層フィルムからなる外装体12と、外装体12内面に、外装体12を支持体として例えばスクリーン印刷により設けられた指示部2とを有する炭酸ガスインジケーターとから構成される。この包装体40は、例えば2枚の積層フィルムを指示部2を内側にして配し、その間に内容物16を配置した後、窒素50容量%、二酸化炭素50容量%混合ガス13で置換しながら、外装体12周辺をヒートシールにより気密に封止することにより形成され得る。
【0069】
図9には、本発明にかかるガス置換包装体の第3の例に使用し得る炭酸ガスインジケーターの構造の一例を表す図を示す。
【0070】
外装体12を支持体として、指示部2を印刷したインジケーターの場合、図9に示すように、外装体12を構成するガスバリアー性材料31のガスバリアー層32の内面に指示部2を設け、指示部2の内面側を炭酸ガス透過性の保護フィルム33で覆うことも可能である。調湿乾燥剤は、例えばガスバリアー層32、指示部2、あるいは保護フィルム33等に設けることができる。
【0071】
このように指示部2が露出しない構成とすることにより、指示部2が直接、容器又は内容物と接触することがなく、また製造工程中や輸送中に指示部2が摩耗することを防ぐことができる。
【0072】
また、調湿乾燥剤が設けられているので、炭酸ガスインジケーター周囲の湿度が上昇しても、調湿乾燥剤が余分な水分を吸収するので、pH指示部に過剰の水分が供給されることがなく、炭酸ガスインジケーターの外観不良を防止できる。
【0073】
なお、炭酸ガスインジケーターの代わりに、上述の炭酸ガスインジケーターの第2の例、第3の例、及び第4の例を適用することができる。
【0074】
図10には、本発明にかかる炭酸ガスインジケーターの第4の例を包装体の外装体に適用した例を表す断面図を示す。
【0075】
図示するように、支持体となる外装体として、例えばアルミナ蒸着層(図示せず)を有するナイロンフィルム81とアルミナ蒸着層(図示せず)を有するポリエステルフィルム83とを接着剤層82を介して積層して得られた積層フィルムを使用する。この積層フィルムと、その上に図5に示す炭酸ガスインジケーターの第4の例と同様に、第1のアンカーコート層53と第2のアンカーコート層54の積層構造、指示部2、及びオーバーコート層52を順に設けることにより、炭酸ガスインジケーターが構成されている。また、この外装体上のその他の領域には、任意に、例えば商品名等の文字、あるいは画像等のパターンを有するインキ層17を炭酸ガスインジケーター80の作成と平行して設けることができる。さらに、このオーバーコート層52及びインキ層17上には、例えば接着層74を介して低密度ポリエチレンからなるシーラント層75が設けられている。
【0076】
このような炭酸ガスインジケーターが設けられた外装体を使用して例えば窒素50容量%、二酸化炭素50容量%混合ガス13を置換ガスとして内容物を封止することにより、炭酸ガスインジケーター付き包装体が得られる。
【0077】
得られた包装体では、指示部の強固な密着性と、指示部に対する効果的な保水性とが実現できる。さらに、耐光性、耐熱性を含めた炭酸ガスインジケーター付き包装体の長期安定性が良好となる。
【0078】
調湿乾燥剤は、例えば支持体のポリエステルフィルム83、オーバーコート層52、インキ層17、接着層74、シーラント層75、第1のアンカーコート層53、第2のアンカーコート層54、及び指示部2等に設けることが出来る。
【0079】
調湿乾燥剤が設けられていると、炭酸ガスインジケーター周囲の湿度が上昇しても、調湿乾燥剤が余分な水分を吸収するので、pH指示部に過剰の水分が供給されることがなく、炭酸ガスインジケーターの外観不良を防止できる。
【0080】
尚、上述の炭酸ガスインジケーター及び包装体の例では、pH指示薬として、メタクレゾールパープルを使用しているが、pH指示薬はこれに限定するものではなく、1種またはそれ以上のpH指示薬成分の組合せを使用することができる。
【0081】
さらに、図11には、本発明にかかる炭酸ガスインジケーターの第5の例の構造を表す断面図を示す。
【0082】
図示するように、この炭酸ガスインジケーターは、基材1,及び基材1上に設けられた指示部2、指示部2上に、接着層74を介して設けられた低密度ポリエチレンからなるシーラント層75を含む。
【0083】
ここで、調湿乾燥剤は、少なくとも基材1、接着層74、指示部2またはシーラント層75に適用することができる。あるいは、基材1、接着層74、指示部2及びシーラント層75の層間、及び基材1の接着層74とは反対の面上に調湿乾燥剤を含む層をさらに設けることができる。
【0084】
また、図12には、本発明にかかる炭酸ガスインジケーターの第6の例の構造を表す断面図を示す。
【0085】
図示するように、この炭酸ガスインジケーターは、基材1,及び基材1上に設けられた指示部2、基材1の指示部2が設けられた面とは反対の面上に、接着層74を介して設けられた低密度ポリエチレンからなるシーラント層75を含む。
【0086】
調湿乾燥剤は、少なくとも基材1、接着層74、指示部2またはシーラント層75に適用することができる。あるいは、基材1、接着層74、指示部2またはシーラント層75間、及び基材1の接着層74とは反対の面上に、調湿乾燥剤を含む層をさらに設けることができる。
【0087】
調湿乾燥剤は、基材、シーラント層に用いられる場合は、熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜400重量部添加される。好適には、5〜50重量部添加される。これにより、成形性を阻害することなく十分な調湿性を有する層を形成することができる。また、アンカーコート層、オーバーコート層、接着剤層に用いられる場合には、バインダー樹脂100重量部に対して5〜500重量部添加される。これにより、調湿機能を保ちながら、充分な塗膜強度を保つことが可能となる。
【0088】
調湿乾燥剤は、炭酸ガスインジケーターを構成する部材のうち少なくとも一層に添加すれば良く、内容物や包材内の空間容積に応じて適宜複数の層に添加すればよい。
【0089】
例えば指示層に直接接触する部材例えば基材、アンダーコート、シーラント、接着剤、及びオーバーコート等、指示層に直接接触しない部材例えば基材の反対側の層、及び印刷層等があげられる。
【0090】
乾燥剤には、湿度に関係無く水分を吸収し続けるものがあるが、極端に低湿度になると、酸化還元速度が遅くなるのみならず、インジケーター成分が析出することもあるため、極端な低湿度になるような乾燥剤の使用は不適切である。本発明に使用される調湿乾燥剤は、乾燥剤としての性能、及び包材内というように、包材内湿度を適度に調整可能である。結果、極端に低湿になることで色素の酸化還元反応に必要な水分量が不足したり、また逆に過剰な水分がインジケーター層に到達することによる外観不良が発生することを回避することができる。
【0091】
本発明に使用され得る炭酸ガス検知用インキ組成物は、pH指示薬、結合剤、及び溶媒を含む、またはさらにアルカリ性物質を含むことができる。
【0092】
炭酸ガスは、水に溶けて弱い酸性を呈する。本発明のインキ組成物では、周囲雰囲気中の炭酸ガスが十分に存在すると、pH値が低くなるが、炭酸ガス濃度が低下するに従ってpH値が上がり、これに伴って、pH指示薬の色調が変化する。この色調の変化を観察することにより、周囲雰囲気の炭酸ガス濃度の変化を検知することができる。アルカリ性物質を含む構成とすると、前記色調の変化をより明確に検知することができる。
【0093】
本発明によれば、このインキ組成物を用いて、炭酸ガス雰囲気の包装体内に指示部を設けることにより、置換したガス雰囲気中の炭酸ガス濃度の変化を指示部の色調により判断して、包装体のピンホール、及びシール不良の発生を簡単に確認することができる。
【0094】
また、本発明の炭酸ガスインジケーターは、支持体と、この支持体上に形成された指示部とを含み、この指示部は、炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて形成される。
【0095】
本発明の包装体は、食品、飲料、薬品等の内容物を収容する容器、またはこの容器を収納した外装体内が炭酸ガス雰囲気を有する包装体であって、この容器内、あるいは外装体内に炭酸ガスインジケーターが配置されている。
【0096】
このようなインジケーターを、炭酸ガス雰囲気の包装体内に設けると、包装体内が大気と通じて炭酸ガスが抜けた場合に、置換したガス雰囲気中の炭酸ガス濃度の変化を指示部の色調により判断できる。このため、包装体のピンホール、及びシール不良の発生、あるいはいたずら、運搬、あるいは保管時における、包装体の開封及び損傷等の有無を、インジケーターの表示色が炭酸ガス濃度が低いときの色に変化することにより簡単に確認することができる。
【0097】
本発明のピンホール検知方法は、上記炭酸ガス検知用インジケーターを、炭酸ガス雰囲気を有する炭酸ガス不透過性の外装体内に配置して包装体を形成し、指示部の表示色により、包装体のピンホールの発生を検知する。
【0098】
pH指示薬としては、炭酸ガス濃度0ないし100%の範囲内で、その濃度の影響により色調変化を伴うもの、またはアルカリ性物質の濃度変化に応じたpHの変動に対して色調変化を伴うものであればどのようなものでも使用できる。
【0099】
下記表1に好ましいpH指示薬及びその呈色範囲を示す。
【表1】

【0100】
特に好ましいpH指示薬としては、安全性及び呈色反応の変化がわかりやすいことなどからメタクレゾールパープル、パラキシレノールブルーがあげられる。
【0101】
本発明に用いられるアルカリ性物質は、例えばトリエタノールアミン、ポリエチレンイミンなどの有機アルカリ、及び水酸化アルカリ、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリ及びアンモニア等から選択することができる。インキ組成物に対する配合比としては、好ましくは0ないし5重量%添加することができる。5重量%を超えるアルカリ性物質を添加しても、その効果は同等である。
【0102】
溶媒としては、インキ組成物の各成分を均一にかつ安定に溶解または分散することのできるものが選択され、エーテル類、芳香族炭化水素、エステル類、アルコール類、ケトン類等が挙げられる。特に、アルコール類が好ましい。また、色素、アルカリ性物質等を溶解させてインキ組成物とし、且つインジケーターとしての良好な発色を得るためには、水が含まれることが好ましい。アルコール類等の溶剤と水の割合としては、水1重量部に対して、溶剤が0.1〜50重量部であることが好ましい。溶剤の添加量が1重量部未満であると、印刷適性に劣り、一様なインジケーター層形成が困難となる。また、溶剤が50重量部を超えると、バインダー樹脂以外の成分が不溶となる傾向がある。
【0103】
バインダー樹脂は、pH指示薬、アルカリ性物質、吸水性粉末を支持体上に固着するために使用されるもので、このような結合剤としては、例えばポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケタール、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、酢酸ビニル部分ケン化物、ポリビニルアルコール部分ケン化物、エチレンビニルアルコール等があげられる。
【0104】
本発明に用いられる炭酸ガスインジケーターはさらに吸水剤を含有し得る。これにより、指示部となるインキ層中に水などの溶媒を保持して炭酸ガスの吸収を容易にせしめ、pH指示薬の呈色反応を促進させることができる。吸水剤としては、水等の溶媒を含んだときに極端な酸性或いはアルカリ性を示さないものが選択され、例えばでんぷん、カオリン、合成シリカ、ガラス、微結晶セルロース、イオン交換セルロース、及びケイ酸アルミニウム等を用いることができる。
【0105】
また、本発明に用いられる炭酸ガスインジケーターは、さらに多価アルコールを含むことが好ましい。多価アルコールは保湿剤として作用し、指示部となるインキ層中に水等の溶媒を保持して炭酸ガスの吸収を容易にせしめ、pH指示薬の呈色反応を促進させることができる。
【0106】
多価アルコールとしては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びポリエチレングリコール等が使用可能である。より好ましくはグリセリンを使用することができる。
【0107】
pH指示薬は、指示薬そのものの色調の変化で判断するだけでなく、他の色の色素との混色による色調の変化で判断することができる。
【0108】
また、この他インキの塗工性向上のため、炭酸ガス検知用インキの発色に影響を与えない範囲で各種薬剤例えば界面活性剤、ニス、コンパウンド、乾燥抑制剤、及びドライヤー等を添加することも可能である。
【0109】
この炭酸ガス検知用インキ組成物は、好ましくは液状であり、基材へのインキの塗布方法としては、印刷法例えばスクリーン印刷法、凹版印刷法、及びグラビア印刷法等や、コーティング法例えばロールコーティング、スプレーコーティング、及びディップコーティング等が好適に使用される。
【0110】
基材としては、炭酸ガスインジケーターと反応せず、しかも試薬の呈色を阻害しないものがよい。このような基材として、例えば紙、合成紙、不繊布、合成樹脂フィルム等を用いることができる。合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、セロハン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、及びこれらのシリカ、アルミナなどの透明蒸着フィルム等を目的、使用形態に合わせて用いることができる。
【0111】
炭酸ガスインジケーター層を保護し、外観不良、剥離、及び破断を防止する目的で、アンカーコート層、オーバーコート層を設けることが出来る。このアンカーコート層としては、非水溶性であり、基材とその上に形成される炭酸ガスインジケーター層との密着性が良好な材料を、オーバーコート層としては、酸素透過性、炭酸ガスインジケーター層との密着性、及び任意に炭酸ガスインジケーター層上に更に設けられ得る接着剤層または他の樹脂層との良好な密着性を有する材料を好ましく使用することが出来る。アンカーコート層、及び/またはオーバーコート層は必要に応じて2層以上設けることも出来る。
【0112】
シーラント層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等、酸素透過性、水蒸気透過性のあるものを適宜選択可能である。
【実施例】
【0113】
以下、実施例について具体的に説明する。
【0114】
実施例1
下記の組成を有する炭酸ガスインジケーター用インキ組成物を用意した。
【0115】
パラキシレノールブルー 1重量部
ポリビニルブチラール樹脂 7重量部
水酸化ナトリウム 4重量部
グリセリン 5重量部
下記の組成を有するアンカーコート層、及びオーバーコート層用組成物として、酸化チタン15重量部、及びポリエステルポリウレタン樹脂30重量部を含む組成物を用意した。
【0116】
12μm厚のポリエステルフィルムの片側に、アンカーコート層0.5μm、インジケーター層1μm、及びオーバーコート層1μmを、グラビア印刷法により順次積層させた。一方、12μm厚のポリエステルフィルムのインジケーター層が形成された面とは反対側の面に、金属酸化物を蒸着した12μm厚のポリエステルフィルムを、2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて積層させた。
【0117】
更に、オーバーコート層上に、印刷面を覆う形で、焼カリウム明礬(無水KAl(SO)を添加した低密度ポリエチレンフィルム60μm(低密度ポリエチレン/焼カリウム明礬重量比=100/20を中間層とした3層構成:層厚(μm)は<低密度ポリエチレン/カリウム明礬添加低密度ポリエチレン/低密度ポリエチレンが、各々、20/20/20)を積層させ、炭酸ガスインジケーターを得た。
【0118】
図13に、得られた炭酸ガスインジケーターの構成を表す断面図を示す。
【0119】
図示するように、この炭酸ガスインジケーター101は、金属酸化物を蒸着したポリエステルフィルム61に、2液硬化型ウレタン系接着剤62を介してポリエステルフィルム63が積層された支持体1と、支持体1上に形成されたアンカーコート層51と、アンカーコート層51上に上記炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて所定のパターンでグラビア印刷された指示部2と、指示部2が印刷されたアンカーコート層51上に、この指示部2を封止するように形成されたオーバーコート層52と、オーバーコート層52上に、印刷面を覆う形で構成された、低密度ポリエチレン74/カリウム添加低密度ポリエチレン76/低密度ポリエチレン75の積層フィルムとを有する。
【0120】
この炭酸インジケーターを使用し、以下のような試験、及び評価を行った。
【0121】
応答試験
上記炭酸ガスインジケーターが印刷された支持体を外装体として使用して、炭酸ガスインジケーターを内側にして袋体を作製し、袋体内部を炭酸ガス50%窒素50%に置換して封止した。6時間放置後、大気下における呈色と、炭酸ガス置換後の呈色とを比較した。得られた結果を下記表2に示す。
【0122】
外観試験
上記炭酸ガスインジケーターが印刷された支持体を用いて10cm×10cmの袋体を作製した。
【0123】
袋体内部に20ml 蒸留水入りポリエチレンバッグを充填して炭酸ガス置換して、封止した。袋体とポリエチレンバッグとの空間部の容積(ヘッドスペース)は15mlとした。40℃,湿度75%の環境で2週間放置し、炭酸ガスインジケーターの外観を,大気下における外観と比較して観察した。インジケーター印刷部に異常が認められない場合を○、水たまり上の外観不良が認められた場合を×と評価した。得られた結果を下記表3に示す。
【0124】
実施例2
オーバーコート層に、印刷面を覆う形で、焼カリウム明礬を添加した3層構成の低密度ポリエチレンフィルムを積層する代わりに、カリウム明礬を含む2液硬化型ウレタン系接着剤(接着剤樹脂分/カリウム明礬の重量比=100/27)を用いて低密度ポリエチレンフィルム60μm厚を積層させること以外は、実施例1と同様にして、炭酸ガスインジケーターを得た。
【0125】
図14に、得られた炭酸ガスインジケータの構成を表す断面図を示す。
【0126】
図示するように、この炭酸ガスインジケーター102は、金属酸化物を蒸着したポリエステルフィルム61に、2液硬化型ウレタン系接着剤62を介してポリエステルフィルム63が積層された支持体1と、支持体1上に形成されたアンカーコート層51と、アンカーコート層51上に上記炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて所定のパターンでグラビア印刷された指示部2と、指示部2が印刷されたアンカーコート層51上に、この指示部2を封止するように形成されたオーバーコート層52と、オーバーコート層52上に、印刷面を覆う形で構成された、カリウム明礬を含む2液硬化型ウレタン系接着剤層96と、低密度ポリエチレン75とを有する。
【0127】
得られた炭酸ガスインジケータについて、実施例1と同様にして、応答試験、及び外観試験を行った。得られた結果を下記表2及び表3に各々示す。
【0128】
実施例3
12μm厚のポリエステルフィルムのインジケーター層が形成された面とは反対側の面に、金属酸化物を蒸着した12μm厚のポリエステルフィルムを、カリウム明礬を含む2液硬化型ウレタン系接着剤(接着剤樹脂/カリウム明礬の重量比=100/27)を用いて積層させた。
【0129】
更に、オーバーコート層上に、印刷面を覆う形で、2液硬化型ウレタン系接着剤を用いてポリプロピレン樹脂層60μm厚を積層させること以外は実施例1と同様にして、炭酸ガスインジケーターを得た。
【0130】
得られた炭酸ガスインジケーターの構成を表す概略図を図15に示す。
【0131】
図示するように、この炭酸ガスインジケーター103は、金属酸化物を蒸着したポリエステルフィルム61に、カリウム明礬を含む2液硬化型ウレタン系接着剤92を介してポリエステルフィルム63が積層された支持体と、支持体上にに形成されたアンカーコート層51と、アンカーコート層51上に上記炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて所定のパターンでグラビア印刷された指示部2と、指示部2が印刷されたアンカーコート層51上に、この指示部2を封止するように形成されたオーバーコート層52と、オーバーコート層52上に、印刷面を覆う形で構成された、2液硬化型ウレタン系接着剤層76と、低密度ポリエチレン75とを有する。
【0132】
得られた炭酸ガスインジケータについて、実施例1と同様にして、応答試験、及び外観試験を行った。得られた結果を下記表2及び表3に各々示す。
【0133】
実施例4
12μm厚のポリエステルフィルムの代わりに、12μm厚のカリウム明礬を含むポリエステルフィルム(ポリエステル樹脂/カリウム明礬の重量比=100/5)を用い、インジケーター層が形成された面とは反対側の面に、金属酸化物を蒸着した12μm厚のポリエステルフィルムを2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて積層させ、更にオーバーコート層上に印刷面を覆う形で2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて低密度ポリエチレンフィルム60μm厚を積層させること以外は実施例1と同様にして炭酸ガスインジケーターを得た。
【0134】
得られた炭酸ガスインジケーターの構成を表す概略図を図16に示す。
【0135】
図示するように、この炭酸ガスインジケーター104は、金属酸化物を蒸着したポリエステルフィルム61に、2液硬化型ウレタン系接着剤62を介してカリウム明礬を含むポリエステルフィルム93が積層された支持体と、支持体のカリウム明礬を含むポリエステルフィルム93上に形成されたアンカーコート層51と、アンカーコート層51上に上記炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて所定のパターンでグラビア印刷された指示部2と、指示部2が印刷されたアンカーコート層51上に、この指示部2を封止するように形成されたオーバーコート層52と、オーバーコート層52上に、印刷面を覆う形で構成された、2液硬化型ウレタン系接着剤層76と、低密度ポリエチレン75とを有する。
【0136】
得られた炭酸ガスインジケータについて、実施例1と同様にして、応答試験、及び外観試験を行った。得られた結果を下記表2及び表3に各々示す。
【0137】
実施例5
酸化チタン10重量部、カリウム明礬10重量部、ポリエステルポリウレタン樹脂15重量部を含むアンカーコート層を使用し、インジケーター層が形成された面とは反対側の面に、金属酸化物を蒸着した12μm厚のポリエステルフィルムを2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて積層させ、更にオーバーコート層上に印刷面を覆う形で2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて低密度ポリエチレンフィルム60μm厚を積層させること以外は実施例1と同様にして炭酸ガスインジケーターを得た。
【0138】
得られた炭酸ガスインジケーターの構成を表す概略図を図17に示す。
【0139】
図示するように、この炭酸ガスインジケーター105は、金属酸化物を蒸着したポリエステルフィルム61に、2液硬化型ウレタン系接着剤62を介してポリエステルフィルム63が積層された支持体と、支持体のポリエステルフィルム63上に形成されたカリウム明礬を含むアンカーコート層91と、アンカーコート層81上に上記炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて所定のパターンでグラビア印刷された指示部2と、指示部2が印刷されたアンカーコート層91上に、この指示部2を封止するように形成されたオーバーコート層52と、オーバーコート層52上に、印刷面を覆う形で構成された、2液硬化型ウレタン系接着剤層76と、低密度ポリエチレン75とを有する。
【0140】
得られた炭酸ガスインジケータについて、実施例1と同様にして、応答試験、及び外観試験を行った。得られた結果を下記表2及び表3に各々示す。
【0141】
実施例6
酸化チタン10重量部、カリウム明礬4重量部、ポリエステルポリウレタン樹脂15重量部を含むオーバーコート層を使用し、インジケーター層が形成された面とは反対側の面に、金属酸化物を蒸着した12μm厚のポリエステルフィルムを2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて積層させ、更にオーバーコート層上に印刷面を覆う形で2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて低密度ポリエチレンフィルム60μm厚を積層させること以外は実施例1と同様にして炭酸ガスインジケーターを得た。
【0142】
得られた炭酸ガスインジケーターの構成を表す概略図を図18に示す。
【0143】
図示するように、この炭酸ガスインジケーター106は、金属酸化物を蒸着したポリエステルフィルム61に、2液硬化型ウレタン系接着剤62を介してポリエステルフィルム63が積層された支持体と、支持体のポリエステルフィルム63上に形成されたアンカーコート層51と、アンカーコート層51上に上記炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて所定のパターンでグラビア印刷された指示部2と、指示部2が印刷されたアンカーコート層51上に、この指示部2を封止するように形成された、カリウム明礬を含有するオーバーコート層98と、オーバーコート層9−上に、印刷面を覆う形で構成された、2液硬化型ウレタン系接着剤層76と、低密度ポリエチレン75とを有する。
【0144】
得られた炭酸ガスインジケータについて、実施例1と同様にして、応答試験、及び外観試験を行った。得られた結果を下記表2及び表3に各々示す。
【0145】
実施例7
12μm厚のポリエステルフィルムの片側の、アンカーコート層0.5μm、インジケーター層1μm、及びオーバーコート層を積層した領域以外の領域に、カリウム明礬30重量%を含む墨インキを3μmの厚さに積層させ、インジケーター層が形成された面とは反対側の面に、金属酸化物を蒸着した12μm厚のポリエステルフィルムを2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて積層させ、更にオーバーコート層上に印刷面を覆う形で2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて低密度ポリエチレンフィルム60μm厚を積層させること以外は実施例1と同様にして炭酸ガスインジケーターを得た。
【0146】
得られた炭酸ガスインジケーターの構成を表す概略図を図19に示す。
【0147】
図示するように、この炭酸ガスインジケーター107は、金属酸化物を蒸着したポリエステルフィルム61に、2液硬化型ウレタン系接着剤62を介してポリエステルフィルム63が積層された支持体と、支持体のポリエステルフィルム63上に形成されたアンカーコート層51と、アンカーコート層51上に上記炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて所定のパターンでグラビア印刷された指示部2と、指示部2が印刷されたアンカーコート層51上に、この指示部2を封止するように形成されたオーバーコート層52と、ポリエステルフィルム63上のアンカーコート層51が形成されていない領域上にカリウム明礬を含有する墨インキを用いて設けられた印刷層90と、オーバーコート層52上に、印刷面を覆う形で構成された、2液硬化型ウレタン系接着剤層76と、低密度ポリエチレン75とを有する。
【0148】
得られた炭酸ガスインジケータについて、実施例1と同様にして、応答試験、及び外観試験を行った。得られた結果を下記表2及び表3に各々示す。
【0149】
比較例1
インジケーター層が形成された面とは反対側の面に、金属酸化物を蒸着した12μm厚のポリエステルフィルムを2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて積層させ、更にオーバーコート層上に印刷面を覆う形で2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて低密度ポリエチレンフィルム60μm厚を積層させること以外は実施例1と同様にして、カリウム明礬等の調湿乾燥剤を含まない比較の炭酸ガスインジケーターを得た。
【0150】
得られた炭酸ガスインジケータについて、実施例1と同様にして、応答試験、及び外観試験を行った。得られた結果を下記表2及び表3に各々示す。
【表2】

【0151】
【表3】

【0152】
表2から、大気開放条件下で1日放置した後の色味は1日経過後には全ての水準で青色を呈した。これにより、本発明の炭酸ガスインジケーターは、大気下、炭酸ガス50%置換環境下において、発色がよく、色の違いが容易に判断できることがわかった。
【0153】
また、表3より、比較例のように調湿乾燥剤が含まれない構成を用いると、吸水により指示部に水がたまるのに対し、実施例ではそのような現象はみられなかった。また、比較例において、包材内湿度の値から見て、外観不良は、炭酸ガスインジケーター層に過剰な水分が与えられたことによると推察される。それに対し、調湿乾燥剤を使用した実施例では、包材内湿度が制御されることにより炭酸ガスインジケーター層に保持される水分量が適量に保たれ、外観不良は発生しなかった。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本発明の炭酸ガスインジケーターの第1の例を表す正面図
【図2】図1の断面図
【図3】本発明の炭酸ガスインジケーターの第2の例の構成を表す断面図
【図4】本発明の炭酸ガスインジケーターの第3の例の構成を表す断面図
【図5】炭酸ガスインジケーターの第4の例の構成を表す断面図
【図6】本発明にかかるガス置換包装体の第1の例を表す図
【図7】本発明にかかるガス置換包装体の第2の例を表す図
【図8】本発明にかかるガス置換包装体の第3の例を表す図
【図9】本発明にかかるガス置換包装体の第3の例に使用し得る炭酸ガスインジケーターの構造の一例を表す図
【図10】本発明にかかる炭酸ガスインジケーターの第4の例を包装体の外装体に適用した例を表す断面図
【図11】本発明にかかる炭酸ガスインジケーターの第5の例の構造を表す断面図
【図12】本発明にかかる炭酸ガスインジケーターの第6の例の構造を表す断面図
【図13】実施例で得られた炭酸ガスインジケーターの構成の一例を表す断面図
【図14】実施例で得られた炭酸ガスインジケーターの構成の一例を表す断面図
【図15】実施例で得られた炭酸ガスインジケーターの構成の一例を表す断面図
【図16】実施例で得られた炭酸ガスインジケーターの構成の一例を表す断面図
【図17】実施例で得られた炭酸ガスインジケーターの構成の一例を表す断面図
【図18】実施例で得られた炭酸ガスインジケーターの構成の一例を表す断面図
【図19】実施例で得られた炭酸ガスインジケーターの構成の一例を表す断面図
【符号の説明】
【0155】
1…支持体、2,90…指示部、3…炭酸ガスインジケーター、5,73…炭酸ガス透過性フィルム、8…被覆層、10、18、50、60、70、80…炭酸ガスインジケーター、11,14,16…容器、12…外装体、13…炭酸ガス含有ガス、17…インキ層、20、30、40…包装体、31…積層体、32…ガスバリアー層、33…保護フィルム、35,41…第1の炭酸ガス検知層、36,42,44…疎水層、37,43…第2の炭酸ガス検知層、45…第3の炭酸ガス検知層、51…アンカーコート層、52…オーバーコート層、53…第1のアンカーコート層、54…第2のアンカーコート層、55、81…ナイロンフィルム、56、74、82…接着剤層、57、83…アルミナ蒸着ポリエステルフィルム、61…金属酸化物蒸着ポリエステルフィルム、62…2液硬化型ウレタン系接着剤、63…ポリエステルフィルム、71…炭酸ガス不透過性フィルム、75…シーラント層、90…調湿乾燥剤含有印刷層、91…調湿乾燥剤含有アンカーコート層、92、93、96…調湿乾燥剤含有接着剤層、98…調湿乾燥剤含有オーバーコート層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、該基材上にpH指示薬、結合剤、及び溶媒を含有する炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて印刷された指示部と、調湿乾燥剤とを含むことを特徴とする炭酸ガスインジケーター。
【請求項2】
前記指示部上に接着層を介してシーラント層が積層されていることを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガスインジケーター。
【請求項3】
前記接着層及び前記シーラント層のうち少なくとも一方が、前記調湿乾燥剤を含有することを特徴とする請求項2に記載の炭酸ガスインジケーター。
【請求項4】
前記指示部と接着層との間にオーバーコートがさらに形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の炭酸ガスインジケーター。
【請求項5】
前記オーバーコート層が前記調湿乾燥剤を含有することを特徴とする請求項4に記載の炭酸ガスインジケーター。
【請求項6】
前記基材は、支持体、または支持体と、該支持体及び該指示部間に形成されたアンカーコートとの積層体であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の炭酸ガスインジケーター。
【請求項7】
前記支持体及び前記アンカーコートのうち少なくとも一方が、前記調湿乾燥剤を含有することを特徴とする請求項6に記載の炭酸ガスインジケーター。
【請求項8】
前記基材は、前記支持体と、前記支持体上に設けられた調湿乾燥剤を含有する接着剤層と、該接着剤を介して前記支持体と接着された表面層との積層体を含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の炭酸ガスインジケーター。
【請求項9】
前記炭酸ガス検知用インキ組成物は、さらに調湿乾燥剤を含有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の炭酸ガスインジケーター。
【請求項10】
前記調湿乾燥剤がMIII(SO・12HO(但し、M;一価イオン、MIII;三価イオン)であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の炭酸ガスインジケーター。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の炭酸ガスインジケーターを、炭酸ガスを含む置換ガスを封入した外装体内に配置したことを特徴とする包装体。
【請求項12】
前記基材は、その少なくとも一部が前記外装体に含まれていることを特徴とする請求項11に記載の包装体。
【請求項13】
基材と、該基材上にpH指示薬、結合剤、及び溶媒を含有する炭酸ガス検知用インキ組成物を用いて印刷された指示部とを含む炭酸ガスインジケーターと、調湿乾燥剤を含有する部材とを、炭酸ガスを含む置換ガスを封入した外装体内に配置したことを特徴とする包装体。
【請求項14】
前記炭酸ガスインジケーター上、または外装体内面上に前記調湿乾燥剤を含有する部材がさらに形成されていることを特徴とする請求項13に記載の包装体。
【請求項15】
前記調湿乾燥剤を含有する部材は、印刷層であることを特徴とする請求項14に記載の包装体。
【請求項16】
前記外装体内に炭酸ガスを発生する薬剤を収容するための炭酸ガス透過性一次容器がさらに封入されていることを特徴とする請求項13ないし15に記載の包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−85633(P2009−85633A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−252516(P2007−252516)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【出願人】(000149435)株式会社大塚製薬工場 (154)
【Fターム(参考)】