説明

炭酸水膨張剤

【課題】ベイキングパウダーの如く、炭酸ガスが発生した後に多くの副産物例えば水酸化物や硫酸塩や燐酸塩などがパン内に残留しない膨張剤の提供。
【解決手段】二酸化炭素を適当な濃度で含有する炭酸水を、従来の膨張剤に替えてパン類や菓子類やその他加工食品や飼料類などの膨張剤として使用する。

【発明の詳細な説明】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イーストやベイキングパウダーに代替して、適当な濃度の炭酸水(二酸化炭素を飽和させた水すなわち「炭酸水膨張剤」)を、パン類や菓子類やその他加工食品や飼料類などの膨張剤(パンや菓子の製造時にガスを発生させて多孔性にするために用いる)として使用する方法およびこの方法を以て製造したパン類や菓子類やその他加工食品や飼料類など。
【請求項2】
「請求項1」における「炭酸水膨張剤」において、下記の関係から、大体の目安として、100ccの水に対して、炭酸ガス(二酸化炭素)200cc〜300ccくらいの割合で、即ち重さにして、0.39g〜0.59gの割合で、飽和させた濃度の各種容量の瓶や缶に詰めた家庭用および業務用の、Baking Carbonated Water と呼ぶことにする、炭酸水膨張剤。
記、日清製粉のベーキングパウダー(BP)は次のような成分構成になっている。
焼ミョウバン(Al(SO・KSO) 23%
燐酸二水素カルシウム(Ca(HPO) 8%
燐酸−水素カルシウム(CaHPO) 1%
燐酸二水素ナトリウム(無水)(NaHPO) 5%
d−酒石酸水素カリウム((CHOH)COOK・COOH) 4%
炭酸水素ナトリウム(重曹)(NaHCO) 27%
澱粉 32%
このBPにおける重曹の酸化反応関係は次のようである。
Al(SO・KSO+8NaHCO→Al(OH)+2KOH+4NaSO+8CO
3Ca(HPO+4NaHCO→Ca(PO+4NaOH+4CO
3CaHPO+2NaHCO→Ca(PO+2NaOH+2CO
NaHPO+2NaHCO→NaPO+2HO+2CO
(CHOH)・COOK・COOH+NaHCO→(CHOH)・COOK・COONa+HO+CO
これから判るよいに、重曹の分子と同数の炭酸ガスの分子が発生するので、また重曹の1グラム分子は、Na(23g)+H(1g)+C(12g)+O(48g)=NaHCO(84g)であり、炭酸ガスの1グラム分子は、C(12g)+O(32g)=CO(44g)であるから、重曹27gから、27g/84g=x/44gから、x=14.143gの炭酸ガスが発生する。
今、ホットケーキ風コンソメ風味パンの場合、小麦粉150gに対して、他社のものも同じであるが、日清のBPは5gを必要とする。この内の重曹の量は5g×27%=1.35gである。いま、27gの重曹から14.143gの炭酸ガスが発生するのであるから、1.35gの重曹から炭酸ガスは、14.143g/27g=x/1.35gから、x=0.707gが生じる。つまり、小麦粉150gからこのパンを作るには、0.707gの炭酸ガスがあれば宜しいと言うことになる。
ところで、「気体1gは、0℃・1気圧では22.4lを占め、その分子数は6.022×1023である(アポガドロの法則)」ので、炭酸ガス1グラム分子には6.022×1023個の分子が含まれていることになるので、炭酸ガス0.707gには、x/0.707g=6.022×1023/44gから、x=9.676×1021個の分子が含まれていることになる。
従って、炭酸ガス0.707gの容積は、6.022×1023/22.4l=9.676×1021/xから、x=0.360l=360mlとなる。
150gの小麦粉で以てホットケーキ風コンソメ風味パンを作る場合、このパンの含水率は50%くらいと思われるので、その水分の量は、x/150+x=0.50から、x=150gとなる。この場合では、150mlの水に360mlの炭酸ガスを溶かせば宜しいことになる。
炭酸ガスは、「常温・常圧(ほぼ1気圧)において、水1容に対してガス1容が溶け(化学辞典、1015頁、東京化学同人)」、「一定温度・一定量の溶媒に溶ける気体の質量は、圧力に比例する(ヘンリーの法則)」ので、この場合、炭酸ガスの飽和溶解圧力を常圧の2倍に即ち約2気圧にすれば宜しいことになる。また、砂糖味のホットケーキなどでは、卵や牛乳など水分のあるものを混入するので、その分水量は控えなくてはならないが、約3気圧飽和炭酸水くらいまで必要となる。
なお、BPと異なって多く用いたから副作用があると言うものではないので、濃い目なものとし、使用に際しては水を差して用いるようにするのが経済的であろう。
【請求項3】
「請求項1」における「炭酸水膨張剤」を家庭用および業務用において自家用に造るにおいて必要な炭酸ガスを需要先に供給する場合の炭酸ガスボンベとしては、炭酸ガスは、「常温・常圧(ほぼ1気圧)において、水1容に対してガス1容が溶け(化学辞典、1015頁、東京化学同人)」、又、「一定温度・一定量の溶媒に溶ける気体の質量は、圧力に比例する(ヘンリーの法則)」ので、水1容にガス2容を溶きたい場合には、圧力を常圧の2倍に即ちほぼ2気圧に上げれば宜しいことから判るように、所定量の水に噴入する、ガスボンベからの噴出炭酸ガスの所定量における圧力を以て、出来上がる炭酸水の濃度を知ることが出来るので、これを可能とする、噴出ガス量設定計器とその場合の噴出ガス圧力設定計器とを、亦必要ならば圧力安定器を、専属的に或いはアダプター的に設けた、家庭用あるいは業務用の炭酸ガスボンベ。
【請求項4】
「請求項1」におけるパン類や菓子類において、各種の「スープ」で以て味付けするパン類や菓子類。
【請求項5】
「請求項1]や「請求項3」におけるパン類や菓子類を含めたパン類や菓子類において、「はったい粉」を適当な割合混入するパン類や菓子類。
【請求項6】
「請求項1」や「請求項3」や「請求項4」におけるパン類や菓子類を含めたパン類や菓子類そしてチーズ類や蒲鉾類やソーセージ類や卵焼類やはんぺん(方餅)類や揚げはん類などにおいて「菎蒻精粉(食物繊維79.9%含有(最新食品標準成分表・全国調理師養成施設協会)」を適当な割合混入するパン類や菓子類やチーズ類や蒲鉾類やソーセージ類や卵焼類やはんぺん(方餅)類や揚げはん類など。
【請求項7】
「請求項1」や「請求項2」や「請求項3」などにおける「炭酸水膨張剤」用の「炭酸ガス」を自動車や暖房機器や発電所などの排気ガスから採取するに、「水酸化カルシウムは固体または水溶液の状態で二酸化炭素を吸収して水に不溶性の炭酸カルシウムに変わる(万有百科事典・化学、346頁)性質(Ca(OH)+CO→CaCO+HO)」を応用して、それらのそれぞれの排気系統に、水酸化カルシウムを適当に詰めうる排気炭酸ガス吸収装置を設けて、排気中の炭酸ガスを吸収させ、その結果表面的に炭酸カルシウムに変って吸収性能の落ちた炭酸ガス吸収剤を、石油スタンドなどにおいて新しいものに取替え、その際の「使用済み炭酸ガス吸収剤(炭酸カルシウム)」は焼いて、炭酸ガスと酸化カルシウムとして(CaCO→CO+CaO)、炭酸ガスは炭酸水膨張剤用として回収し、片や酸化カルシウムは水と反応させて水酸化カルシウムに還元して(CaO+HO→Ca(OH)+15.33kcal)、再び「炭酸ガス吸収剤」として使用し、片や発生する熱は上記の炭酸カルシウム加焼の熱源の一部とするようにする、自動車や暖房機器や発電所や製鉄所やセメント工場などの化石燃料燃焼における排気ガス中の「炭酸ガス」を、「水酸化カルシウム」を循環再生的吸収媒体として用いて、採取して「炭酸水膨張剤用炭酸ガス」に利用する方法、およびこの水酸化カルシウム循環再生使用炭酸ガス吸収採取過程における諸装置。
【請求項8】
「請求項1」や「請求項4」における「炭酸水膨張剤」使用のパン類や菓子類に、そしてその他のパン類や菓子類に、また麺類に使用する「半搗き麦」や「七分搗き麦」の粉やその他の穀類の粉を造るのに使用する製粉機として、その粉穀機構をローラー砕麦式に代替して碾穀式として、碾穀されたものが回転雄螺子式送碾麦機構で以て再び碾に戻される過程において篩を設けて適合粉を選別し、残りは碾に戻って挽かれて又篩に掛って戻るとするを繰り返す内に総て適合な粉と化すように主機構をする「碾穀式」製粉機。
【請求項9】
「請求項5」や「請求項6」における食物繊維を補強したパン類や菓子類と同じように、米飯においても食物繊維を補強するには、半搗き米や七分搗き米を使用したいが、それには常に新鮮な玄米を必要とするので、飯米の流通は「籾」で以て流通させる以外にないが、そこでは、飯米の卸店や小売店や家庭において使用できる各種サイズの「籾摺り機」が必要となるが、そこで現在の「ローラー式剥殻方式」と「殻・実送風選別方式」では広い設営場所と疹の元となる砕殻粉の飛散防止対策が必要であり、これを小仕掛けに纏めることは能殆であるので、剥殻は唐碾(トウス・籾摺り用の歯は木製で幅が狭くて溝の幅が広い碾であった)で以て行ない、碾籾されて出る玄米と籾殻とを回転雄螺子式碾籾機構で以て再び唐碾に戻す過程(A)において籾殻が砕けるようにし、次にその砕殻が篩を通して外部へ排除されるようにし、残った籾混じり玄米は唐碾の別のホッパー(2)に溜まるようにし、元のポッパー(1)の籾が空になると、2のホッパーが開いて、またAの過程を経過して、1のホッパーに殆ど剥殻された玄米が溜まって行くようにする、家庭用や業務用の「唐碾式」籾摺り機。

【公開番号】特開2007−6703(P2007−6703A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−71713(P2004−71713)
【出願日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【出願人】(594052526)
【出願人】(502234662)
【出願人】(502378678)
【出願人】(502395365)
【Fターム(参考)】