説明

点字内容照会システム、および点字内容照会プログラム

【課題】 視覚障害者は、点字を指先で触って情報を読み取るが、外出先等ではどこに点字による案内板等があるのかがわからなかったり、手袋をしていたり指先をけがしていたりすると点字を読み取ることができなかったりする。
【解決手段】 固有の番号を記憶しているICタグ41が、固有の番号を無線通信で送信し、携帯電話機20に接続されたICタグ読取機21または専用端末23が、ICタグ41が送信した固有の番号を受信する。携帯電話機20または専用端末23は、受信した固有の番号を検索解析装置10に送信し、検索解析装置10は、予め固有の番号に対応づけて記憶している情報を音声情報に変換して携帯電話機20または専用端末23に送信する。携帯電話機20または専用端末23は、受信した音声情報をヘッドフォン22を介して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点字で記載されている内容を音声で出力する点字内容照会システム、および点字内容照会プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
視覚障害者は、点字を指先で触って情報を読み取るが、外出先等ではどこに点字による案内板等があるのかがわからなかったり、手袋をしていたり指先をけがしていたりすると点字を読み取ることができなかったりするという問題がある。また、一般に、案内板等の点字は簡単な説明のみである(情報量が少ない)ため、視覚障害者が理解することが難しい場合がある。
【0003】
なお、視覚障害者端末の要求に応じて、文献等に記載されている文字を点字や音声情報等に変換して、電気通信回線を介して提供するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
乗車区間等を点字で示す点字カードを用いて乗車券を購入することができる自動券売機が提案されている(例えば、特許文献2参照。)
【0005】
【特許文献1】特開2002−32013号公報 (段落(0018)〜(0037)、図1)
【特許文献2】特開2003−77014号公報 (段落(0007)〜(0015)、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載されているシステムは、文献等に記載されている文字の点字や音声情報等への変換を行うが、日常生活への対応(例えば、道案内等)を考慮していない。
【0007】
また、特許文献2に記載されている自動券売機は、視覚障害者が所望の乗車券を購入することを可能にするが、視覚障害者がどのようにしてその自動券売機まで行くのかや、乗車券を購入した視覚障害者がどのようにして目的地に行く列車が入線するプラットホームまで行くのかについて、何ら考慮していない。
【0008】
そこで、本発明は、点字で記載されている内容を音声で出力する点字内容照会システム、および点字内容照会プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による点字内容照会システムは、点字が記載された点字シートに埋め込まれ、固有の文字列を記憶し、記憶している固有の文字列を無線通信で送信するICタグと、ICタグが送信した固有の文字列を受信する携帯情報端末と、固有の文字列と、携帯情報端末のユーザに提供する情報である提供情報とを対応づけて記憶する検索解析装置とを備え、携帯情報端末は、固有の文字列を受信すると、受信した固有の文字列を検索解析装置に送信し、検索解析装置は、携帯情報端末から固有の文字列を受信すると、固有の文字列に対応づけられた提供情報を音声情報に変換して携帯情報端末に送信し、携帯情報端末は、検索解析装置から音声情報を受信すると、音声情報に従って音声を出力することを特徴とする。
【0010】
検索解析装置は、音声情報に用いる言語を携帯情報端末のユーザに応じて記憶し、提供情報を音声情報に変換する際に、ユーザに応じた言語の音声情報に変換して携帯情報端末に音声情報を送信してもよい。そのような構成によれば、携帯情報端末は、ユーザに応じた言語の音声情報を出力することができる。
【0011】
検索解析装置は、携帯情報端末から固有の文字列を受信すると、固有の文字列に対応づけられた提供情報を携帯情報端末に送信してもよく、携帯情報端末は、検索解析装置から提供情報を受信すると、受信した提供情報を表示手段に表示させてもよい。そのような構成によれば、携帯情報端末は、提供情報を表示手段に表示させることができる。
【0012】
検索解析装置に、固有の文字列と提供情報とを対応づけて記憶させる登録用端末を備えてもよい。
【0013】
検索解析装置は、固有の文字列を記憶しているICタグが埋め込まれている点字シートに点字で記載されている内容を含む提供情報を、固有の文字列に対応づけて記憶していてもよい。
【0014】
本発明による点字内容照会プログラムは、点字が記載された点字シートに埋め込まれ、固有の文字列を記憶し、記憶している固有の文字列を無線通信で送信するICタグと、ICタグが送信した固有の文字列を受信する携帯情報端末と、固有の文字列と、携帯情報端末のユーザに提供する情報である提供情報とを対応づけて記憶する検索解析装置とを備えた点字内容照会システムの検索解析装置に搭載される点字内容照会プログラムであって、コンピュータに、携帯情報端末から、携帯情報端末が受信した固有の文字列を受信させる処理と、携帯情報端末から固有の文字列を受信すると、固有の文字列に対応づけられた提供情報を音声情報に変換して携帯情報端末に送信させる処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、点字シートに点字で記載されている内容を、携帯情報端末が音声で出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態の一構成例を説明する説明図である。
【0017】
本発明の実施の形態は、固有の番号(ユニークな番号)の情報である固有番号情報を記憶し、記憶している情報を無線通信を介して送信するICタグ41が埋め込まれている点字シート40、ICタグ41が送信した情報を受信するICタグ読取機21、ICタグ読取機21と音声を出力するヘッドフォン22とが接続されている携帯電話機(携帯情報端末)20、ICタグ41が記憶している固有の番号に対応する情報を記憶している検索解析装置10、検索解析装置10に固有番号情報を登録する登録用端末30、および携帯電話機20と検索解析装置10と登録用端末30とを接続する通信ネットワーク50を含む。なお、携帯情報端末としての携帯電話機20とICタグ読取機21との代わりに、ICタグ41が送信した情報を受信し、通信ネットワーク50を介して検索解析装置10と情報を送受信する専用端末23を含んでもよい。なお、ICタグ41が記憶している固有番号情報として、ICタグ41の固有の番号を例示しているが、ICタグ41の固有な文字列の情報であればよく、本発明においてICタグ41が記憶している情報は番号に限定されるものではない。
【0018】
携帯電話機20または専用端末23は、携帯電話機20または専用端末23の使用者の操作に応じて、携帯電話機20または専用端末23の利用者であるユーザの情報であるユーザ情報を、通信ネットワーク50を介して検索解析装置10に送信する。ユーザ情報は、例えば、携帯電話機20または専用端末23の携帯電話番号等である装置固有アドレス情報と、携帯情報端末20または専用端末23に出力させる音声の言語を示す情報とを含む。登録用端末30は、登録用端末30の使用者の操作に応じて、ユーザ情報およびユーザ情報の変更または削除を示す情報を通信ネットワーク50を介して検索解析装置10に送信してもよい。なお、携帯電話機20、専用端末23および登録用端末30の使用者には健常者を想定しており、携帯電話機20および専用端末23の利用者であるユーザには視覚障害者を想定している。
【0019】
携帯電話機20は、ICタグ読取機21がICタグ41が送信した固有番号情報を受信すると、ICタグ読取機21が受信した固有番号情報と装置固有アドレス情報とを検索解析装置10に通信ネットワーク50を介して送信する。また、携帯電話機20は、検索解析装置10から通信ネットワーク50を介して受信した音声を、ヘッドフォン22を介して出力する。
【0020】
図2は、検索解析装置10の一構成例を説明するブロック図である。検索解析装置10は、通信ネットワーク50を介して情報を受信する入力部11、入力部11が受信した情報を処理するデータ処理部12、情報を記憶する記憶部13、およびデータ処理部12が情報を処理した結果を通信ネットワーク50を介して送信する出力部14を含む。データ処理部12は、記憶部13が記憶している情報を検索する情報検索部122、入力部11が受信した情報に応じて、例えば、情報を情報検索部122に出力する利用要求受理部121、およびデータ処理部12の各部を制御する中央処理部123を含む。記憶部13は、ユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部131、固有番号情報を記憶する固有番号情報記憶部132、固有番号情報とユーザに提供する情報である提供情報とを対応づけて記憶する情報記憶部133、および提供情報を音声情報に変換する変換手法を記憶している音声変換手法記憶部134を含む。なお、提供情報を音声情報に変換する変換手法は、例えば、公知の機械翻訳および合成音声生成の手法である。
【0021】
検索解析装置10の入力部11は、通信ネットワーク50を介して携帯電話機20または専用端末23からユーザ情報を受信すると、利用要求受理部121にユーザ情報を出力し、利用要求受理部121は、ユーザ情報を中央処理部123に出力し、中央処理部123は、ユーザ情報を記憶部13のユーザ情報記憶部131に記憶させる。また、検索解析装置10の入力部11は、通信ネットワーク50を介して登録用端末30からユーザ情報およびユーザ情報の変更または削除の要求を示す情報を受信すると、利用要求受理部121にユーザ情報およびユーザ情報の変更または削除の要求を示す情報を出力し、利用要求受理部121は、ユーザ情報およびユーザ情報の変更または削除の要求を示す情報を中央処理部123に出力し、中央処理部123は、記憶部13のユーザ情報記憶部131が記憶しているユーザ情報の変更または削除を行う。なお、登録用端末30は、通信ネットワーク50を介して固有番号情報と提供情報とを対応づけて検索解析装置10に送信してもよい。そして、検索解析装置10では、入力部11が固有番号情報と提供情報とを受信すると、利用要求受理部121に固有番号情報と提供情報とを出力し、利用要求受理部121は、固有番号情報と提供情報とを中央処理部123に出力し、中央処理部123は、固有番号情報と提供情報とを記憶部13の情報記憶部133に対応づけて記憶させる。また、中央処理部123は、固有番号情報を、記憶部13の固有番号情報記憶部132に記憶させる。なお、検索解析装置10は、登録用端末30から通信ネットワーク50を介して提供情報を受信すると、検索解析装置10の中央処理部123は、固有番号情報記憶部132を検索して、固有番号の空き番号を提供情報と対応づけて情報記憶部133に記憶させてもよい。そして、中央処理部123は、提供情報と対応づけて情報記憶部133に記憶させた固有番号を、固有番号情報記憶部133に記憶させてもよい。
【0022】
検索解析装置10の入力部11は、通信ネットワーク50を介して携帯電話機20または専用端末23から固有番号情報と装置固有アドレス情報とを受信すると、利用要求受理部121に固有番号情報と装置固有アドレス情報とを出力し、利用要求受理部121は、固有番号情報と装置固有アドレス情報とを情報検索部122に出力する。情報検索部122は、利用要求受理部121が出力した固有番号情報に対応づけられた提供情報を情報記憶部133から読み出して、中央処理部123に出力する。また、情報検索部122は、利用要求受理部121が出力した装置固有アドレス情報を含むユーザ情報をユーザ情報記憶部131から読み出し、ユーザ情報が含む携帯情報端末20または専用端末23に出力させる音声の言語を示す情報にもとづいて、音声変換手法記憶部134から、提供情報を音声情報に変換する変換手法を特定し、特定した変換手法を中央処理部123に出力する。中央処理部123は、情報検索部122が特定した変換手法にもとづいて、提供情報を音声情報に変換し、変換した音声情報と提供情報とを出力部14に出力する。出力部14は、通信ネットワーク50を介して音声情報と提供情報とを携帯電話機20または専用端末23に送信する。
【0023】
提供情報は、例えば、点字による案内板を設置している位置を示す情報であったり、点字シート40に点字で記載されている内容の情報であったり、点字シート40や点字による案内板に点字で記載されている情報を補足する内容の情報であったりする。
【0024】
検索解析装置10は、コンピュータに、携帯情報端末(携帯電話機20または専用端末23)から、携帯情報端末(ICタグ読取機21または専用端末23)が受信した固有の番号を受信させる処理と、携帯情報端末(携帯電話機20または専用端末23)から固有の番号を受信すると、固有の番号に対応づけられた提供情報を音声情報に変換して携帯情報端末(携帯電話機20または専用端末23)に送信させる処理とを実行させることを特徴とする点字内容照会プログラムを搭載している。
【0025】
次に、本発明の実施の形態の動作について図面を参照して説明する。図3は、検索解析装置10のユーザ情報記憶部131にユーザ情報を記憶させる際の動作を説明するフローチャートである。図4は、検索解析装置10のユーザ情報記憶部131にユーザ情報を記憶させる際に、携帯電話機20または専用端末23の表示部(図示せず)に表示させる画面の例を示す説明図である。
【0026】
携帯電話機20または専用端末23の使用者は、携帯電話機20または専用端末23を操作して、通信ネットワーク50を介して検索解析装置10に接続させる(ステップS101)。携帯電話機20または専用端末23は、検索解析装置10に接続するとき、携帯電話番号等の装置固有アドレス情報を検索解析装置10に送信する。検索解析装置10では入力部11が装置固有アドレス情報を受信すると、受信した装置固有アドレス情報を中央処理部123に出力する。中央処理部123は、図4(a)の例に示す画面を表示させる情報を出力部14と通信ネットワーク50とを介して携帯電話機20または専用端末23に送信する。携帯電話機20または専用端末23は、図4(a)の例に示す画面を表示する。
【0027】
携帯電話機20または専用端末23の使用者は、携帯電話機20または専用端末23の利用者であるユーザに応じて言語を選択する(ステップS102)。携帯電話機20または専用端末23の使用者が、図4(a)の例に示す画面に従って、日本語以外の言語の選択を要求(「いいえ」を選択)すると、携帯電話機20または専用端末23は、日本語以外の言語の選択の要求を示す情報を検索解析装置10に送信する。検索解析装置10では入力部11が日本語以外の言語の選択の要求を示す情報を受信すると、受信した日本語以外の言語の選択の要求を示す情報を中央処理部123に出力する。中央処理部123は、図4(b)の例に示す画面を表示させる情報を出力部14と通信ネットワーク50とを介して携帯電話機20または専用端末23に送信する。携帯電話機20または専用端末23は、図4(b)の例に示す画面を表示する。
【0028】
携帯電話機20または専用端末23の使用者が、図4(a)または図4(b)の例に示す画面に従って言語を選択すると、携帯電話機20または専用端末23は、選択した言語を示す情報を通信ネットワーク50を介して検索解析装置10に送信する。検索解析装置10では、入力部11が言語を示す情報を受信すると、受信した言語を示す情報を中央処理部123に出力する。
【0029】
携帯電話機20または専用端末23の使用者が、言語の登録の指示を携帯電話機20または専用端末23に入力すると(ステップS103)、携帯電話機20または専用端末23は、言語の登録の指示を検索解析装置10に送信する。検索解析装置10では、入力部11が言語の登録の指示を受信すると、受信した言語の登録の指示を中央処理部123に出力する。中央処理部123は、言語を示す情報と装置固有アドレス情報とを、ユーザ情報としてユーザ情報記憶部131に記憶させる(ステップS104)。そして、中央処理部123は、図4(c)の例に示す画面を表示させる情報を出力部14と通信ネットワーク50とを介して携帯電話機20または専用端末23に送信する。携帯電話機20または専用端末23は、図4(c)の例に示す画面を表示する。
【0030】
次に、携帯電話機20または専用端末23が、検索解析装置10が記憶している情報を読み出す際の動作について説明する。図5は、携帯電話機20または専用端末23が、検索解析装置10が記憶している情報を読み出す際の動作を説明するフローチャートである。図6は、携帯電話機20または専用端末23が、検索解析装置10が記憶している情報を読み出す際に表示部に表示させる画面の例を示す説明図である。
【0031】
携帯電話機20または専用端末23の利用者であるユーザは、携帯電話機20または専用端末23を操作して、通信ネットワーク50を介して検索解析装置10に携帯電話機20または専用端末23を接続させる(ステップS201)。携帯電話機20または専用端末23は、検索解析装置10に接続するとき、携帯電話番号等の装置固有アドレス情報を検索解析装置10に送信する。検索解析装置10では入力部11が装置固有アドレス情報を受信すると、受信した装置固有アドレス情報を利用要求受理部121に出力する。利用要求受理部121は、装置固有アドレス情報を情報検索部122に出力する。情報検索部122は、装置固有アドレス情報を含むユーザ情報をユーザ情報記憶部131から読み出し、ユーザ情報が含む携帯情報端末20または専用端末23に出力させる音声の言語を示す情報にもとづいて、音声変換手法記憶部134から、提供情報を音声情報に変換する変換手法を特定し、特定した変換手法を中央処理部123に出力する。中央処理部123は、情報検索部122が特定した変換手法にもとづいて、図6(a)の例に示す画面が表示している情報を音声情報に変換し、変換した音声情報と、図6(a)の例に示す画面の情報とを出力部14に出力する。出力部14は、通信ネットワーク50を介して音声情報と図6(a)の例に示す画面の情報とを携帯電話機20または専用端末23に送信する。携帯電話機20または専用端末23は、図6(a)の例に示す画面を表示部に表示し、音声情報をヘッドフォン22を介して出力する。そして、携帯電話機20または専用端末23は待機状態になる(ステップS202)。
【0032】
ICタグ読取機21または専用端末23が、ICタグ41が送信した固有番号情報を受信すると(ステップS203)、携帯電話機20または専用端末23は、図6(b)の例に示す画面を表示部に表示し、ヘッドフォン22を介して図6(b)の例に示す画面を読み上げ、固有番号情報を受信したことをユーザに通知する(ステップS204)。
【0033】
ユーザが、情報が必要であると判断し(ステップS205)、図6(b)の例に示す画面に従って、いずれかのキーを2回押すと、携帯電話機20または専用端末23は、装置固有アドレス情報と受信した固有番号情報とを通信ネットワーク50を介して検索解析装置10に送信する(ステップS206)。
【0034】
検索解析装置10では、入力部11が装置固有アドレス情報と固有番号情報とを通信ネットワーク50を介して受信すると、利用要求受理部121に装置固有アドレス情報と固有番号情報とを出力し、利用要求受理部121は、装置固有アドレス情報と固有番号情報とを情報検索部122に出力する。情報検索部122は、利用要求受理部121が出力した固有番号情報に対応づけられた提供情報を情報記憶部133から読み出して、中央処理部123に出力する。また、情報検索部122は、利用要求受理部121が出力した装置固有アドレス情報を含むユーザ情報をユーザ情報記憶部131から読み出し、ユーザ情報が含む携帯情報端末20または専用端末23に出力させる音声の言語を示す情報にもとづいて、音声変換手法記憶部134から、提供情報を音声情報に変換する変換手法を特定し、特定した変換手法を中央処理部123に出力する。中央処理部123は、情報検索部122が特定した変換手法にもとづいて、提供情報を音声情報に変換し、変換した音声情報と提供情報とを出力部14に出力する。出力部14は、通信ネットワーク50を介して音声情報と提供情報とを携帯電話機20または専用端末23に送信する。携帯電話機20または専用端末23は、音声情報と提供情報とを受信する(ステップS207)。
【0035】
携帯情報端末20または専用端末23は、受信した音声情報をヘッドフォン22を介して出力し、受信した提供情報を表示部に表示する(ステップS208)。図6(c)は、携帯情報端末20または専用端末23が表示部に提供情報を表示する画面の一例である。携帯情報端末20または専用端末23は、図6(c)の例の画面で示したように、ユーザがいずれかのキーを押下するまで、ヘッドフォン22を介して音声情報の出力を繰り返す。ユーザがいずれかのキーを押下すると、携帯情報端末20または専用端末23は、音声情報の出力を終了し、固有番号情報の受信待ち状態となる。さらに、ユーザが点字内容紹介システムの利用を終了したい場合は、所定のキー操作を行って、検索解析装置10との接続を切断したり、携帯情報端末20または専用端末23の電源を切断したりする。
【0036】
以上、述べたように、この実施の形態によれば、提供情報が点字による案内板の位置を示す情報であれば、点字による案内板がどこに設置されているのかを視覚障害者に示すことができ、提供情報が点字シート40に点字で記載されている内容の情報であれば、点字を知らない視覚障害者や、手袋をしていたり、手にけがをしている視覚障害者に情報を提供することができ、提供情報が点字シート40や点字による案内板に点字で記載されている情報を補足する内容の情報であれば、点字シート40や点字による案内板に点字で記載されている情報を補足する情報を視覚障害者に提供することができる。
【0037】
また、この実施の形態によれば、視覚障害者は点字シート40に触れることなく提供情報を得ることができるため、点字シート40を清潔に保つことができる。
【0038】
さらに、この実施の形態によれば、ICタグ41を道路上の点字ブロックに取り付けると、点字ブロックの上を歩行する視覚障害者は提供情報を得ることができる。
【0039】
また、この実施の形態によれば、情報検索部122がユーザ情報にもとづいて変換手法を特定し、中央処理部123が、情報検索部122が特定した変換手法に従って提供情報を音声情報に変換するため、提供情報を外国語の音声に変換することができる。すると、視覚障害者に限らず、日本語を理解することができない外国人も、本発明を利用することにより提供情報を理解することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、視覚障害者等に音声で情報を提供するシステムに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態の一構成例を説明する説明図である。
【図2】検索解析装置の一構成例を説明するブロック図である。
【図3】検索解析装置のユーザ情報記憶部にユーザ情報を記憶させる際の動作を説明するフローチャートである。
【図4】検索解析装置のユーザ情報記憶部にユーザ情報を記憶させる際に、携帯電話機または専用端末の表示部に表示させる画面の例を示す説明図である。
【図5】携帯電話機または専用端末が、検索解析装置が記憶している情報を読み出す際の動作を説明するフローチャートである。
【図6】携帯電話機または専用端末が、検索解析装置が記憶している情報を読み出す際に表示部に表示させる画面の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
10 検索解析装置
11 入力部
12 データ処理部
13 記憶部
14 出力部
20 携帯電話機
21 ICタグ読取機
22 ヘッドフォン
23 専用端末
30 登録用端末
40 点字シート
41 ICタグ
50 通信ネットワーク
121 利用要求受理部
122 情報検索部
123 中央処理部
131 ユーザ情報記憶部
132 固有番号情報記憶部
133 情報記憶部
134 音声変換手法記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点字が記載された点字シートに埋め込まれ、固有の文字列を記憶し、記憶している前記固有の文字列を無線通信で送信するICタグと、
前記ICタグが送信した前記固有の文字列を受信する携帯情報端末と、
前記固有の文字列と、前記携帯情報端末のユーザに提供する情報である提供情報とを対応づけて記憶する検索解析装置とを備え、
前記携帯情報端末は、前記固有の文字列を受信すると、受信した前記固有の文字列を前記検索解析装置に送信し、
前記検索解析装置は、前記携帯情報端末から前記固有の文字列を受信すると、前記固有の文字列に対応づけられた前記提供情報を音声情報に変換して前記携帯情報端末に送信し、
前記携帯情報端末は、前記検索解析装置から前記音声情報を受信すると、前記音声情報に従って音声を出力する
ことを特徴とする点字内容照会システム。
【請求項2】
検索解析装置は、音声情報に用いる言語を携帯情報端末のユーザに応じて記憶し、提供情報を前記音声情報に変換する際に、前記ユーザに応じた言語の前記音声情報に変換して前記携帯情報端末に前記音声情報を送信する
請求項1記載の点字内容照会システム。
【請求項3】
検索解析装置は、携帯情報端末から固有の文字列を受信すると、前記固有の文字列に対応づけられた提供情報を前記携帯情報端末に送信し、
前記携帯情報端末は、前記検索解析装置から前記提供情報を受信すると、受信した前記提供情報を表示手段に表示させる
請求項1または請求項2記載の点字内容照会システム。
【請求項4】
検索解析装置に、固有の文字列と提供情報とを対応づけて記憶させる登録用端末を備えた
請求項1から請求項3のうちいずれか1項記載の点字内容照会システム。
【請求項5】
検索解析装置は、固有の文字列を記憶しているICタグが埋め込まれている点字シートに点字で記載されている内容を含む提供情報を、前記固有の文字列に対応づけて記憶している
請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載の点字内容照会システム。
【請求項6】
点字が記載された点字シートに埋め込まれ、固有の文字列を記憶し、記憶している前記固有の文字列を無線通信で送信するICタグと、前記ICタグが送信した前記固有の文字列を受信する携帯情報端末と、前記固有の文字列と、前記携帯情報端末のユーザに提供する情報である提供情報とを対応づけて記憶する検索解析装置とを備えた点字内容照会システムの前記検索解析装置に搭載される点字内容照会プログラムであって、
コンピュータに、
前記携帯情報端末から、前記携帯情報端末が受信した前記固有の文字列を受信させる処理と、
前記携帯情報端末から前記固有の文字列を受信すると、前記固有の文字列に対応づけられた前記提供情報を音声情報に変換して前記携帯情報端末に送信させる処理とを実行させる
ことを特徴とする点字内容照会プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−30617(P2006−30617A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209755(P2004−209755)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】