説明

点灯装置および、これを用いた灯具,車両

【課題】半導体発光ダイオード素子に並列接続された静電保護素子の破壊を防止することができる点灯装置および、これを用いた灯具,車両を提供する。
【解決手段】LED411,421にツェナーダイオードZD1,ZD2が並列接続された半導体光源41,42が直列接続された光源4に、所定のLED電流I1を供給する点灯部2と、点灯部2の動作を制御する制御部3とを備え、ツェナーダイオードZD1,ZD2は、動作電圧より大きい電圧が両端間に印加された場合、両端電圧を動作電圧にクランプし、制御部3は、半導体光源41,42の各々に印加される電圧を検出する誤差増幅回路34,差分回路36を有しており、誤差増幅回路34,差分回路36の検出値が、ツェナーダイオードZD1,ZD2の動作電圧以下となるように、LED電流I1を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯装置および、これを用いた灯具,車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、発光ダイオード(LED)などの半導体発光素子で構成された半導体光源を点灯させる点灯装置および、この点灯装置を用いた車両用の灯具が提供されている。
【0003】
また、取り扱い時に発生するおそれがある静電気からLEDを保護するために、1乃至複数個のLEDと並列にツェナーダイオードなどの静電保護素子が接続されたものが多く用いられている。なお、車両用の灯具などでは、所望の光量や光学特性を得るために、複数個の半導体光源を備えている。
【0004】
また、点灯装置は半導体光源に供給するLED電流を目標値に一致させるために、LED電流のフィードバック制御を行っている。しかし、LEDが接続部の断線等によってオープン状態となる故障(以下、オープン故障と称す)が生じた際に、LED電流のフィードバック制御によって半導体光源の両端に印加される電圧が上昇する。それによって、半導体光源の両端に印加される電圧が、ツェナーダイオードの動作電圧(ツェナー電圧)を超えるおそれがあった。そして、ツェナーダイオードに電流が定常的に流れることで、ツェナーダイオードが発熱して破壊するおそれがあった。
【0005】
そこで、ツェナーダイオードの破壊を防止する点灯装置がある(例えば、特許文献1)。従来の点灯装置は、光源に供給する出力電圧の最大値を、[半導体光源の順方向電圧×半導体光源の直列接続数]〜[半導体光源の順方向電圧×[半導体光源の直列接続数−1]+ツェナーダイオードの動作電圧]の範囲内に制限している。
【0006】
そして、十分な出力電圧の制限ができずにツェナーダイオードに電流が流れて熱破壊した場合、半導体光源の両端電圧が順方向電圧よりも低下したことを検出する補助検出手段の結果を用いてLEDのオープン故障の判断を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−86413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の点灯装置は、1つの半導体光源が接続される場合、出力電圧を制限することでツェナーダイオードの破壊を防止することができる。しかし、従来の点灯装置では、複数個の半導体光源を直列接続する場合において、個々のLEDの順方向電圧やツェナーダイオードの動作電圧のばらつきや温度特性などによっては、出力電圧の十分な制限を行うことができない。
【0009】
例えば、1個あたり順方向電圧が定格3.5V(ばらつき範囲3.1V〜3.9V)のLEDを4個直列接続し、この4個のLEDと並列に動作電圧20V(ばらつき範囲18V〜22V)のツェナーダイオードが接続されていると仮定する。この場合、半導体光源の順方向電圧は14V(ばらつき範囲12.4V〜15.6V)となる。そして、この半導体光源を2個直列接続することで負荷を構成した場合、1つのLEDがオープン故障した際に、ツェナーダイオードに電流を流さないために必要とされる出力電圧の制限範囲の上限は30.4V(=12.4V+18V)となる。しかし、半導体光源の順方向電圧が、ばらつき範囲の最大値(15.6V)のものを2個点灯するためには、出力電圧が31.2V(=15.6V×2)必要となり、出力電圧の上限を30.4Vに制限することはできない。
【0010】
さらに、出力電圧の制限が出来ずにツェナーダイオードが破壊した場合についても、破壊されたツェナーダイオードのインピーダンス値は定まっていない。すなわち、破壊したツェナーダイオードに電流を流した場合に発生する電圧値も定まらないので、必ずしも半導体光源の両端電圧は、順方向電圧よりも低下するとは限らない。したがって、従来の点灯装置に設けられた補助検出手段の結果をもってLEDのオープン故障の判断を行うことが出来ないおそれがある。そして、負荷が異常状態であるにも関わらず、点灯装置が負荷異常を検出できない場合、破壊したツェナーダイオードに電流を供給し続けることとなり、他の部品等にも影響がでるおそれがある。
【0011】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体発光ダイオード素子に並列接続された静電保護素子の破壊を防止することができる点灯装置および、これを用いた灯具,車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の点灯装置は、半導体発光素子に静電保護素子が並列接続された半導体光源が複数個直列接続された光源に、直流電力を供給する点灯部と、前記点灯部の動作を制御する制御部とを備え、前記静電保護素子は、動作電圧より大きい電圧が両端間に印加された場合、両端電圧を前記動作電圧にクランプし、前記制御部は、前記半導体光源の各々に印加される電圧を検出する電圧検出部を有しており、前記電圧検出部の全ての検出値が、前記静電保護素子の前記動作電圧以下となるように、前記直流電力を制御することを特徴とする。
【0013】
この点灯装置において、前記制御部は、複数の前記半導体光源の各々に印加される電圧のうち少なくとも1つが、上限閾値を所定時間上回った場合、負荷異常と判断し、前記直流電力の供給を低減することが好ましい。
【0014】
この点灯装置において、前記制御部は、複数の前記半導体光源の各々に印加される電圧のうち少なくとも1つが、下限閾値を所定時間下回った場合、負荷異常と判断し、複数の前記半導体光源の各々に印加される電圧の全てが、前記下限閾値を所定時間下回った場合、前記直流電力の供給を低減することが好ましい。
【0015】
この点灯装置において、前記制御部が前記負荷異常と判断した場合、負荷異常状態を報知する報知部を備えるが好ましい。
【0016】
本発明の灯具は、半導体発光素子に静電保護素子が並列接続された半導体光源が複数個直列接続された光源に、直流電力を供給する点灯部と、前記点灯部の動作を制御する制御部とを備え、前記静電保護素子は、動作電圧より大きい電圧が両端間に印加された場合、両端電圧を前記動作電圧にクランプし、前記制御部は、前記半導体光源の各々に印加される電圧を検出する電圧検出部を有しており、前記電圧検出部の全ての検出値が、前記静電保護素子の前記動作電圧以下となるように、前記直流電力を制御する点灯装置と、半導体発光素子に静電保護素子が並列接続された半導体光源が複数個直列接続された光源と、前記点灯装置と前記光源とが取り付けられる灯具本体とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の車両は、半導体発光素子に静電保護素子が並列接続された半導体光源が複数個直列接続された光源に、直流電力を供給する点灯部と、前記点灯部の動作を制御する制御部とを備え、前記静電保護素子は、動作電圧より大きい電圧が両端間に印加された場合、両端電圧を前記動作電圧にクランプし、前記制御部は、前記半導体光源の各々に印加される電圧を検出する電圧検出部を有しており、前記電圧検出部の全ての検出値が、前記静電保護素子の前記動作電圧以下となるように、前記直流電力を制御する点灯装置と、半導体発光素子に静電保護素子が並列接続された半導体光源が複数個直列接続された光源と、前記点灯装置と前記光源とが取り付けられる灯具本体とを備える灯具を車両本体に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明では、半導体発光ダイオード素子に並列接続された静電保護素子の破壊を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態1の点灯装置の回路構成図である。
【図2】同上の制御部の回路構成図である。
【図3】3つの半導体光源が接続された点灯装置の概略構成図である。
【図4】複数のLEDが接続された半導体光源を示す回路図である。
【図5】同上の実施形態2の点灯装置の回路構成図である。
【図6】同上の制御部の回路構成図である。
【図7】同上の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の灯具を示す概略図である。
【図9】本発明の車両を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
(実施形態1)
本実施形態の点灯装置1の回路構成図を図1に示す。本実施形態の点灯装置1は、点灯部2と制御部3とで構成されている。
【0022】
点灯部2は、コンデンサC1,C2とトランスT1とスイッチング素子Q1とダイオー
ドD1と抵抗R1とで構成されている。そして、点灯部2は、点灯装置1に設けられた入力端子1a,1bを介して直流電源E1から供給される直流電圧V1を変換してコンデンサC2の両端間に直流電圧V2を生成する。
【0023】
コンデンサC1は、直流電源E1の出力間(入力端子1a,1b間)に接続されており、直流電圧V1を平滑する。
【0024】
また、コンデンサC1と並列に、トランスT1の1次巻線T11と、nチャネルMOSFETからなるスイッチング素子Q1との直列回路が接続されている。また、トランスT1の2次巻線T12の両端間に、ダイオードD1とコンデンサC2との直列回路が接続されている。すなわち、トランスT1とスイッチング素子Q1とダイオードD1とコンデンサC2とで昇降圧タイプのフライバックコンバータを構成している。
【0025】
そして、スイッチング素子Q1のゲートは制御部3に接続されており、制御部3によってスイッチング素子Q1が高周波(例えば数100kHz)でスイッチング動作されることで、直流電圧V1を電力変換してコンデンサC2の両端間に直流電圧V2を生成する。
【0026】
また、コンデンサC2と直列に電流検出用の抵抗R1が接続されており、コンデンサC2の両端が点灯回路2の出力を構成している。
【0027】
そして、点灯回路2の出力は、出力端子1c,1dを介して光源4に接続されており、コンデンサC2の両端間に生成される直流電圧V2を電源として、光源4にLED電流I1を供給する。
【0028】
光源4は、2つの半導体光源41,42が直列接続されることで構成されており、半導体光源41が高圧側、半導体光源42が低圧側に接続されている。半導体光源41は、LED411とツェナーダイオードZD1とで構成されており、LED411とツェナーダイオードZD1とは互いに逆並列接続されている。半導体光源42は、LED421とツェナーダイオードZD2とで構成されており、LED421とツェナーダイオードZD2とは互いに逆並列接続されている。
【0029】
そして、LED411,421は、点灯装置1からLED電流I1が供給されることで点灯する。また、ツェナーダイオードZD1,ZD2は、サージ等からLED411,412を保護する静電保護素子として機能し、ツェナーダイオードZD1,ZD2の両端間にツェナー電圧より大きい電圧が印加された場合、ツェナー電圧にクランプする。
【0030】
そして、制御部3は、抵抗R1の両端電圧を検出することでLED電流I1を検出し、LED電流I1が目標値となるようにスイッチング素子Q1をスイッチング制御する。なお、抵抗R1は、一端がコンデンサC2に接続され、他端がグランドに接続されているので、制御部3は、LED電流I1に応じて抵抗R1の一端に発生する負の電圧を検出する。以下、この電圧をフィードバック電圧V3と称す。
【0031】
次に、制御部3の動作について図2を用いて説明する。なお、制御部3は、入出力端子3a〜3dを備えており、入出力端子3aはスイッチング素子Q1のゲートに接続され、入出力端子3bは、抵抗R1の一端に接続されている。また、入出力端子3cは、出力端子1cを介して半導体光源41のLED411のアノード側に接続されている。なお、以下、半導体光源41,42のLED411,421のアノード側,カソード側を、半導体光源41,42のアノード側,カソード側と称す。また、入出力端子3dは、点灯装置1に設けられた検出端子1eを介して、半導体光源41のカソード側と半導体光源42のアノード側との接続点に接続されている。
【0032】
制御部3は、反転増幅回路31と誤差演算増幅回路32と比較回路33,35,36と差動増幅回路34と、AND回路B1,B2とで構成されている。
【0033】
反転増幅回路31は、LED電流I1に応じて抵抗R1の一端に発生するフィードバック電圧V3を反転増幅して、誤差演算増幅回路32に出力する。
【0034】
反転増幅回路31は、オペアンプA1と抵抗R11,R12とコンデンサC11とで構成されている。オペアンプA1は、非反転入力端子がグランドに接続され、反転入力端子は、抵抗R11を介してフィードバック電圧V3が入力される。また、オペアンプA1の反転入力端子と出力端子との間に、抵抗R12とコンデンサC11とが互いに並列接続された並列回路が接続されている。そして、上記構成によって反転増幅回路31は、フィードバック電圧V3を負電圧から正電圧に反転増幅してフィードバック電圧V3aを生成して誤差演算増幅回路32に出力する。
【0035】
誤差演算増幅回路32は、オペアンプA2と抵抗R13,R14とコンデンサC12と基準電圧生成部E2とで構成されている。オペアンプA2は、非反転入力端子が基準電圧生成部E2に接続されており、基準電圧生成部E2が出力する基準電圧Vref1が入力され、反転入力端子が抵抗R13を介してオペアンプA1の出力に接続されており、フィードバック電圧V3aが入力される。また、オペアンプA2の非反転入力端子と出力端子との間に、抵抗R14とコンデンサC12との直列回路が接続されている。そして、上記構成によって誤差演算増幅回路32は、基準電圧Vref1とフィードバック電圧V3aとの差分を演算増幅してフィードバック電圧V3bを生成し、差分回路33に出力する。
【0036】
差分回路33は、コンパレータP1と発振回路331とで構成されている。コンパレータP1は、非反転入力端子がオペアンプA2の出力に接続されており、フィードバック電圧V3bが入力され、反転入力端子が発振回路331に接続されており、発振回路331が出力する三角波の高周波基準発振信号S1が入力される。そして、上記構成によって差分回路33は、フィードバック電圧V3aと高周波基準信号S1との差分に基づいて、出力レベルがハイレベルとローレベルとを交互に繰り返す制御信号S2を生成し、AND回路B1に出力する。なお、制御信号S2の出力レベルは、フィードバック電圧V3aが高周波基準信号S1の出力レベルより大きいときはハイレベルとなり、フィードバック電圧V3aが高周波基準信号S1の出力レベルより小さいときはローレベルとなる。
【0037】
AND回路B1は、入力が差分回路33の出力とAND回路B2の出力とに接続されており、出力が入出力端子3aを介してスイッチング素子Q1のゲートに接続されている。そして、AND回路B1は、差分回路33の出力とAND回路B2の出力とに基づいて、制御信号S3をスイッチング素子Q1のゲートに出力する。AND回路B2の出力レベルがハイレベルの場合、AND回路B1は、コンパレータP1が出力する制御信号S2に同期した制御信号S3を出力してスイッチング素子Q1のスイッチング制御を行う。なお、AND回路B2の出力レベルがローレベルの場合については後述する。
【0038】
制御信号S2のデューティ比は、オペアンプA2が出力するフィードバック電圧V3bによって決定され、基準電圧Vref1とフィードバック電圧V3aとが一致するように制御信号S2のデューティ比が制御される。すなわち、基準電圧Vref1を所望の値に設定することによって、光源4に所望のLED電流I1を供給することができる。例えば、基準電圧Vref1を大きく設定すると、フィードバック電圧V3aを基準電圧Vref1に一致させるために制御信号S2のオンデューティが大きくなり、LED電流I1が大きくなる。
【0039】
このように、反転増幅回路31と誤差演算増幅回路32と差分回路33とでLED電流I1をフィードバック制御してスイッチング素子Q1のスイッチング制御を行うことで、LED電流I1を所望の値に制御することができる。それによって、点灯部2は、半導体光源41,42に所定の直流電力を供給している。
【0040】
また、本実施形態の制御部3は、半導体光源41,42の各々に印加されている電圧を検出しており、この電圧が閾値を超えると点灯部1のスイッチング素子Q1のスイッチング動作を停止して、半導体光源41,42を保護する保護機能を備えている。以下に、この保護機能について説明する。
【0041】
制御部3は、入出力端子3cが半導体光源41のアノード側に接続されており、半導体光源41のアノード側と半導体光源42のカソード側との間の電圧(検出電圧V4a)を検出している。また、制御部3は、入出力端子3dが半導体光源41,42の接続点に接続されており、半導体光源42の両端間の電圧(検出電圧V4b)を検出している。そして、入出力端子3c,3dは、制御部3に設けられた差動増幅回路34に接続されており、検出電圧V4a,V4bの差分を演算することで、半導体光源41に印加されている電圧を検出する。なお、差動増幅回路34が本発明の電圧検出部に相当する。
【0042】
差動増幅回路34は、オペアンプA3と抵抗R15〜R18とで構成されている。オペアンプA3の非反転入力端子は、抵抗R17と抵抗R18との接続点に接続されており、抵抗R17の一端は入出力端子3cに接続され、抵抗R18の一端はグランドに接続されている。また、オペアンプA3の反転入力端子は、抵抗R16を介して入出力端子3dに接続され、反転入力端子と出力端子との間に抵抗R15が接続されている。そして、上記構成によって差動増幅回路34は、検出電圧V4aと検出電圧V4bとの差分を演算増幅して検出電圧V4cを生成し、差分回路35に出力する。この検出電圧V4cが半導体光源41に印加されている電圧に相当する。
【0043】
差分回路35は、コンパレータP2と基準電圧生成部E3とで構成されている。コンパレータP2は、非反転入力端子が基準電圧生成部E3に接続されており、基準電圧生成部E3が出力する基準電圧Vref2が入力され、反転入力端子がオペアンプA3に接続されており、検出電圧V4cが入力される。そして、上記構成によって差分回路35は、基準電圧Vref2と検出電圧V4cとの差分に基づいて、出力レベルがハイレベルまたはローレベルの制御信号S4をAND回路B2に出力する。すなわち、基準電圧Vref2が検出電圧V4cより大きい場合、制御信号S4の出力レベルはハイレベルとなり、基準電圧Vref2が検出電圧V4cより小さい場合、制御信号S4の出力レベルはローレベルとなる。
【0044】
また、制御部3の入出力端子3dは差分回路36に接続されており、半導体光源42に印加されている電圧(検出電圧V4b)を検出している。なお、差分回路36が本発明の電圧検出部に相当する。
【0045】
差分回路36は、コンパレータP3と基準電圧生成部E4と抵抗R19,R20とで構成されている。コンパレータP3は、非反転入力端子が基準電圧生成部E4に接続されており、基準電圧生成部E4が出力する基準電圧Vref3が入力され、反転入力端子には、検出電圧V4bを抵抗R19,R20で分圧した電圧(検出電圧V4d)が入力される。そして、上記構成によって差分回路36は、基準電圧Vref3と検出電圧V4dとの差分に基づいて、出力レベルがハイレベルまたはローレベルの制御信号S5をAND回路B2に出力する。すなわち、基準電圧Vref3が検出電圧V4cより大きい場合、制御信号S5の出力レベルはハイレベルとなり、基準電圧Vref3が検出電圧V4cより小さい場合、制御信号S5の出力レベルはローレベルとなる。
【0046】
そして、AND回路B2は、差分回路35,36が出力する制御信号S4,S5のうち、少なくともいずれか一方の出力レベルがローレベルとなると、AND回路B2がAND回路B1に出力する制御信号S6の出力レベルもローレベルとなる。そして、AND回路B1に入力される制御信号S6の出力レベルがローレベルとなると、差分回路33が出力する制御信号S2の出力レベルに関わらず、AND回路B1が出力する制御信号S3の出力レベルがローレベルとなる。すなわち、スイッチング素子Q1がオフ状態となり、スイッチング動作が停止して、光源4へのLED電流I1の供給が停止する。
【0047】
また、半導体光源41の両端電圧が、ツェナーダイオードZD1の動作電圧以上となる前にLED電流I1の供給を停止する必要がある。しがたって、基準電圧Vref2は、基準電圧Vref2に対応する半導体光源41の両端電圧が、LED411の正常時に取り得る順方向電圧の上限値(以下、上限順方向電圧と称す)と、ツェナーダイオードZD1の動作電圧の最小値との間の電圧値となるように設定される。
【0048】
同様に、基準電圧Vref3は、基準電圧Vref3に対応する半導体光源42の両端電圧が、LED421の上限順方向電圧と、ツェナーダイオードZD2の動作電圧の最小値との間の電圧値となるように設定される。
【0049】
したがって、例えば、半導体光源41のLED411がオープン破壊した場合、制御部3のフィードバック機能によって所定のLED電流I1を流すために半導体光源41に印加する電圧が大きくなる。しかし、本実施形態では、半導体光源41に印加される電圧を監視している。そして、半導体光源41に印加される電圧に相当する検出電圧V4cが、閾値である基準電圧Vref2より大きくなると、スイッチング素子Q1のスイッチング動作を停止して、LED電流I1の供給を停止する。それによって、LED411と並列接続されたツェナーダイオードZD1に、ツェナーダイオードZD1の動作電圧の上限を超えた電圧が印加される前にスイッチング動作を停止することで、ツェナーダイオードZD1の破壊を防止することができる。
【0050】
また、本実施形態では、半導体光源41,42の各々に印加される電圧を監視しているので、半導体光源42のLED421がオープンモードで破壊した場合でも、上記同様の制御が行われ、にツェナーダイオードZD2の破壊を防止することができる。半導体光源42に印加される電圧に相当する検出電圧V4dが、閾値である基準電圧Vref3より大きくなると、スイッチング素子Q1のスイッチング動作を停止して、LED電流I1の供給を停止する。それによって、LED421と並列接続されたツェナーダイオードZD2に、ツェナーダイオードZD2の動作電圧の上限を超えた電圧が印加される前にスイッチング動作を停止することで、ツェナーダイオードZD2の破壊を防止することができる。
【0051】
このように、本実施形態では、半導体光源41,42の各々に印加される電圧を監視している。そして、この電圧がツェナーダイオードZD1,ZD2の動作電圧を超える前にスイッチング動作を停止することで、ツェナーダイオードZD1,ZD2の破壊を防止することができる。
【0052】
また、半導体光源41,42が同一構成である場合、基準電圧Vref2,Vref3を同一の値に設定してもよい。
【0053】
また、半導体光源の数は2つに限定するものではなく、例えば図3に示すように、光源4は3つの半導体光源41〜43で構成されていてもよい。図3に示すように、光源4は、半導体光源41〜43が直列接続されることで構成されている。半導体光源41,42,43は、LED411,421,431と、LED411,421,431に並列接続されたツェナーダイオードZD1,ZD2,ZD3とで構成されている。
【0054】
また、点灯装置1は検出端子1e,1fを備えており、検出端子1eは半導体光源41,42の接続点に接続されており、検出端子1fは半導体光源42,43の接続点に接続されている。そして、点灯装置1は、出力端子1c,1dおよび検出端子1e,1fの電圧を検出することで、各半導体光源41〜43に印加される電圧を監視している。
【0055】
そして、上記で説明したように、半導体光源41〜43の各々に印加される電圧がツェナーダイオードZD1〜ZD3の動作電圧を超える前にスイッチング動作を停止することで、ツェナーダイオードZD1〜ZD3の破壊を防止することができる。
【0056】
また、上記では半導体光源41,42,43は各々の1つのLED411,421,431とツェナーダイオードZD1,ZD2,ZD3とで構成されているが、これに限定するものではない。例えば、図4に示すように、半導体光源41は、N個(Nは正の整数)のLED411と、N個のLED411と並列に接続されたツェナーダイオードZD1とで構成されていてもよい。この場合、半導体光源41の順方向電圧は、LED411の順方向電圧×Nとなる。
【0057】
また、各々の半導体光源41,42,43に設けられるLED411,421,431の個数は互いに異なる数であってもよい。
【0058】
(実施形態2)
本実施形態の点灯装置1の回路構成図を図5に示す。
【0059】
本実施形態の光源4は、半導体光源41,42で構成されている。半導体光源41は、4つのLED411a〜411dとツェナーダイオードZD1とで構成されており、LED411a〜411dは直列接続されており、LED411a〜411dと並列にツェナーダイオードZD1が接続されている。また、半導体光源42は、4つのLED421a〜421dとツェナーダイオードZD2とで構成されており、LED421a〜421dは直列接続されており、LED421a〜421dと並列にツェナーダイオードZD2が接続されている。
【0060】
また、本実施形態の制御部3は、信号出力端子3eを備えており、負荷に異常が発生した場合、外部に異常報知信号S7を出力する。なお、実施形態1と同一構成には同一符号を付して説明を省略する。以下に、制御部3の負荷異常検出機能について説明する。
【0061】
図6に本実施形態の制御部3の構成を示す。本実施形態の制御部3は実施形態1の構成に加えて、負荷の異常を検出する異常検出部37を備えている。
【0062】
異常検出部37は、マイクロコンピュータ371(以下、マイコン371と略称する)と、電圧検出部372,373と、信号出力部374とで構成されている。
【0063】
電圧検出部372は、抵抗R21,R22とコンデンサC13とで構成されており、制御部3の入出力端子3cに接続され、検出電圧V4aを検出している。電圧検出部372は、検出電圧V4aを抵抗R21と抵抗R22とで分圧して検出電圧V4eを生成し、この検出電圧V4eをマイコン371の入力端子371aに出力する。また、コンデンサC13は、抵抗R22と並列接続されており、検出電圧V4eを平滑している。
【0064】
電圧検出部373は、抵抗R23,R24とコンデンサC14とで構成されており、制御部3の入出力端子3dに接続され、検出電圧V4bを検出している。電圧検出部373は、検出電圧V4bを抵抗R23と抵抗R24とで分圧して検出電圧V4fを生成し、この検出電圧V4fをマイコン371の入力端子371bに出力する。また、コンデンサC14は、抵抗R24と並列接続されており、検出電圧V4fを平滑している。
【0065】
また、マイコン371は、A/D変換部を備えており、入力端子371a,371bに入力される検出電圧V4e,V4fをデジタル値に変換して信号処理を行う。
【0066】
信号出力部374は、NPN型のトランジスタからなるスイッチング素子Q11で構成されており、マイコン371の出力端子371cから出力される制御信号S8によってスイッチング制御されることで、外部に異常報知信号S7を出力する。信号出力部374が本発明の報知部に相当する。
【0067】
また、マイコン371は、半導体光源41,42のうち少なくともいずれか一方をオープン故障と判断した場合、出力端子371dからAND回路B1に出力される制御信号S9の出力レベルをローレベルとする。それによって、スイッチング素子Q1のスイッチング動作が停止し、LED電流I1の供給が停止する。
【0068】
以下に、図7に示すフローチャートを用いて、マイコン371の動作について説明する。
【0069】
マイコン371は、点灯装置1の出力状態の監視を開始し(F1)、電圧検出372,373から出力される検出電圧V4e,V4fを取得してデジタル値に変換する(F2)。
【0070】
そして、マイコン371は、検出電圧V4e,V4fから、半導体光源41,42の各両端間に印加されている電圧に相当する負荷電圧V4g,V4hを算出する(F3)。半導体光源41に印加されている電圧に相当する負荷電圧V4g=V4e―V4fとなり、半導体光源42に印加されている電圧に相当する負荷電圧V4h=V4fとなる。
【0071】
次に、マイコン371は、負荷電圧V4gが所定の上限閾値VH1より大きいか否かを判定する(F4)。マイコン371が半導体光源41の異常状態を検知するタイミングは、実施形態1で説明したLED電流I1の供給を停止するタイミングよりも早くする必要がある。したがって、上限閾値VH1に対応する半導体光源41の両端電圧が、基準電圧Vref2に対応する半導体光源41の両端電圧と、LED411a〜411dの上限順方向電圧の和との間の電圧値となるように上限閾値VH1が設定されている。
【0072】
また、マイコン371は、出力異常カウンタCH1を備えており、負荷電圧V4gが上限閾値VH1より大きい場合、出力異常カウンタCH1の値を1ずつカウントアップする(F11)。そして、マイコン371は、出力異常カウンタCH1のカウント値が閾値以上であるか否かを判定する(F12)。
【0073】
出力異常カウンタCH1のカウント値が閾値以上である場合、マイコン371は負荷オープン異常状態であると判断する。すなわち、半導体光源41のLED411a〜411dのうち、少なくともいずれか1つにオープン故障が発生し、それによる発生電圧の上昇が所定時間継続して発生したことをもって、マイコン371は半導体光源41がオープン異常状態であると判断する。
【0074】
そして、マイコン371は、半導体光源41がオープン異常状態であると判断すると、出力端子371cから信号出力部374に制御信号S8を出力してスイッチング素子Q11をスイッチング制御することで外部に異常報知信号S7を出力する(F23)。異常報知信号S7は、点灯装置1の外部に接続される負荷や装置等に応じて構成される。例えば、異常が発生していない通常時は、異常報知信号S7の出力レベルをハイレベルまたは、低周波でハイレベルとローレベルとを繰り返すように構成し、異常時は、異常報知信号S7の出力レベルをローレベルとするように構成する。
【0075】
さらに、マイコン371は、出力端子371dからAND回路B1に出力される制御信号S9の出力レベルをローレベルとし、点灯装置1から光源4へのLED電流I1の供給を停止する(F24)。
【0076】
一方、ステップF12において、出力異常カウンタCH1のカウント値が閾値未満である場合、マイコン371は半導体光源42の状態判断を行う。
【0077】
また、ステップF4において、負荷電圧V4gが上限閾値VH1よりも小さい場合、マイコン371は、負荷電圧V4gが下限閾値VL1よりも小さいか否かを判定する(F5)。下限閾値VL1は、下限閾値VL1に対応する半導体光源41の両端電圧が、LED411a〜411dが正常時に取り得る順方向電圧の下限値(以下、下限順方向電圧と称す)の和よりも小さくなるように設定される。また、下限閾値VL1は、上記条件を満たし、かつなるべく大きい値に設定しておく。
【0078】
また、マイコン371は、出力異常カウンタCL1を備えており、負荷電圧V4gが下限閾値VL1よりも小さい場合、出力異常カウンタCL1の値を1ずつカウントアップする(F13)。そして、マイコン371は、出力異常カウンタCL1のカウント値が閾値以上であるか否かを判定する(F14)。
【0079】
出力異常カウンタCL1のカウント値が閾値以上である場合、マイコン371は負荷ショート異常状態であると判断する。すなわち、半導体光源41のLED411a〜411dのうち少なくともいずれか1つにショート故障が発生し、それによる半導体光源41の順方向電圧の低下が所定時間継続して発生していることを検出する。それによって、マイコン371は半導体光源41がショート異常状態であると判断する。そして、マイコン371は、半導体光源41がショート異常状態であると判断すると、出力異常フラグFL1をセットする(F15)。そして、マイコン371は、出力端子371cから信号出力部374に制御信号S8を出力してスイッチング素子Q11をスイッチング制御することで外部に異常報知信号S7を出力し、その後、半導体光源42の状態判断を行う(F16)。
【0080】
一方、ステップF14において、出力異常カウンタCL1のカウント値が閾値未満である場合も、マイコン371は半導体光源42の状態の判断を行う。
【0081】
また、ステップF5において、負荷電圧V4gが下限閾値VL1よりも大きい場合も、マイコン371は、出力異常カウンタCH1,CL1のカウント値をクリアして、半導体光源42の状態判断を行う(F6)。
【0082】
このようにして、半導体光源41の状態判断を行い、続いて半導体光源42の状態判断を行う。半導体光源42の状態判断を行う場合についても、上記で説明した半導体光源41の状態判断と同様の処理が行われる。
【0083】
まず、マイコン371は、負荷電圧V4hが所定の上限閾値VH2より大きいか否かを判定する(F7)。上限閾値VH2に対応する半導体光源42の両端電圧が、基準電圧Vref3に対応する半導体光源42の両端電圧と、LED421a〜421dの上限順方向電圧の和との間の電圧値となるように上限閾値VH2が設定されている。
【0084】
また、マイコン371は、出力異常カウンタCH2を備えており、負荷電圧V4hが上限閾値VH2より大きい場合、出力異常カウンタCH2の値を1ずつカウントアップする(F17)。そして、マイコン371は、出力異常カウンタCH2のカウント値が閾値以上であるか否かを判定する(F18)。
【0085】
出力異常カウンタCH2のカウント値が閾値以上である場合、マイコン371は負荷オープン異常状態であると判断し、出力端子371cから信号出力部374に制御信号S8を出力してスイッチング素子Q11をスイッチング制御する。それによって、外部に異常報知信号S7を出力する(F23)。
【0086】
さらに、マイコン371は、出力端子371dからAND回路B1に出力される制御信号S9の出力レベルをローレベルとし、点灯装置1から光源4へのLED電流I1の供給を停止する(F24)。
【0087】
また、ステップF7において、負荷電圧V4hが上限閾値VH2よりも小さい場合、マイコン371は、負荷電圧V4hが下限閾値VL2よりも小さいか否かを判定する(F8)。下限閾値VL2は、下限閾値VL2に対応する半導体光源42の両端電圧が、LED421a〜421dの下限順方向電圧の和よりも小さくなるように設定される。また、下限閾値VL2は、上記条件を満たし、かつなるべく大きい値に設定しておく。
【0088】
また、マイコン371は、出力異常カウンタCL2を備えており、負荷電圧V4hが下限閾値VL2よりも小さい場合、出力異常カウンタCL2の値を1ずつカウントアップする(F19)。そして、マイコン371は、出力異常カウンタCL2のカウント値が閾値以上であるか否かを判定する(F19)。
【0089】
出力異常カウンタCL2のカウント値が閾値以上である場合、マイコン371は負荷ショート異常状態であると判断し、出力異常フラグFL2をセットする(F21)。そして、マイコン371は、出力端子371cから信号出力部374に制御信号S8を出力して、外部に異常報知信号S7を出力して、点灯装置1の出力状態の監視を継続する(F22)。
【0090】
また、ステップF8において、負荷電圧V4hが下限閾値VL2よりも大きい場合、マイコン371は、出力異常カウンタCH2,CL2のカウント値をクリアする(F9)。
【0091】
次に、マイコン371は、出力異常フラグFL1,FL2のセット状態を確認する(F10)。なお、ステップF18において出力異常カウンタCH2のカウント値が閾値未満である場合および、ステップF20において出力異常カウンタCL2のカウント値が閾値未満である場合、マイコン371は出力異常フラグFL1,FL2のセット状態を確認する。
【0092】
出力異常フラグFL1,FL2の両方がセットされている場合、マイコン371は、半導体光源41,42の両方がショート故障していると判断する。そして、マイコン371は、出力端子371dからAND回路B1に出力される制御信号S9の出力レベルをローレベルとし、点灯装置1から光源4へのLED電流I1の供給を停止する(F24)。
【0093】
一方、出力異常フラグFL1,FL2のうち、いずれか一方のみセットされている場合または、出力異常フラグFL1,FL2の両方ともセットされていない場合、マイコン371は、半導体光源41,42の状態監視を継続する。
【0094】
このように、上記構成および上記動作によって、本実施形態の点灯装置1は、半導体光源41,42のうち少なくとも一方がオープン故障した際に、LED電流I1の供給を停止するので、ツェナーダイオードZD1,ZD2の破壊を確実に防止することができる。また、点灯装置1は、半導体光源41,42がオープン故障した際に、速やかにLED電流I1の供給を停止するので、不必要な出力の発生を無くすことができ、安全性を向上させることができる。また、点灯装置1は、半導体光源41,42がオープン異常状態であると判断すると、外部に異常報知信号S7を出力するので、ユーザーは半導体光源41,42の異常を速やかに認識することができる。
【0095】
また、本実施形態の点灯装置1は、半導体光源41,42のオープン故障の検出だけでなく、半導体光源41,42のショート故障も検出することができる。点灯装置1は、半導体光源41,42の両方がショート故障した際に、LED電流I1の供給を停止すると共に、ユーザーに半導体光源41,42の異常を報知することができる。また、点灯装置1は半導体光源41,42のうち、いずれか一方のみがショート故障した場合は、外部に異常報知信号S7を出力して異常を報知すると共に、LED電流I1の供給を継続する。それによって、可能な限り点灯を継続することができ、不用意に消灯することがなく、安全性を向上させることができる。
【0096】
また、マイコン371は、出力異常カウンタCH1,CH2の閾値に応じた所定時間以上の間、負荷電圧V4g,V4hが上限閾値VH1,VH2を上回っている場合、負荷オープン異常状態と判断する。また、マイコン371は、出力異常カウンタCL1,CL2の閾値に応じた所定時間以上の間、負荷電圧V4g,V4hが下限閾値VL1,VL2を下回っている場合、負荷ショート異常状態と判断する。したがって、サージやノイズ等による瞬間的な負荷電圧V4g,V4hの変動によって、マイコン371が負荷異常状態である判断する誤動作を防止することができる。
【0097】
なお、半導体光源41,42が同一構成である場合は、上限閾値VH1,VH2を同一の値および、下限閾値VL1,VL2を同一の値に設定してもよい。
【0098】
また、本実施形態の光源4は2つの半導体光源41,42で構成されているが、3つ以上の半導体光源で構成されていてもよい。
【0099】
また、点灯部2は上記に示したフライバックコンバータの構成に限定するものではなく、他の構成であってもよい。例えば、点灯部2はチューク(CUK)コンバータなどで構成されていてもよい。
【0100】
また、図7に示したマイコン371の動作フローも上記に限定するものではなく、同様の効果が得られる構成であればよい。
【0101】
また、本実施形態では、マイコン371が負荷異常状態と判断した場合、信号出力部374から異常報知信号S7が出力され、点灯装置1の出力端子1gを介して外部機器に出力されるが、これに限定するものではない。例えば、点灯装置1に報知用LEDやブザー等の報知手段を設け、マイコン371が負荷異常状態と判断した場合、この報知手段を用いてユーザーに負荷異常状態を報知するように構成してもよい。
【0102】
(実施形態3)
本実施形態の灯具5の断面図を図8に示す。本実施形態の灯具5は、車両用のヘッドランプ(前照灯)を構成しており、実施形態1または2で示した点灯装置1を備えている。
【0103】
灯具5は、灯具本体51の下面部に筐体でケーシングされた点灯装置1が取り付けられている。
【0104】
また、半導体光源41,42が直列接続することで構成された光源4が、放熱板52に取り付けられており、レンズや反射板で構成される光学ユニット53と共に、光源ユニット54を構成している。光源ユニット54は、灯具本体51に光源ユニット固定用冶具55で固定されている。
【0105】
また、点灯装置1に接続された電源線Ca1は図示しないバッテリーに接続され、電源線Ca1を介してバッテリーから電源供給される。また、点灯装置1に接続された信号線Ca2は図示しない車両側ユニットに接続されており、信号線Ca2を介して車両側ユニットに異常報知信号S7が出力される。また、点灯装置1に接続された出力線Ca3は、光源4に接続され、出力線Ca3を介して光源4にLED電流I1が供給される。
【0106】
本実施形態の灯具5は、実施形態1または2に示した点灯装置1を備えているので、光源4を構成する半導体光源41,42の各々の状態を監視しており、半導体光源41,42がオープン故障した際に、LED電流I1の供給を停止する。それによって、半導体光源41,42に設けられたツェナーダイオードZD1,ZD2の破壊を防止することができる。さらに、点灯装置1は、負荷オープン異常状態と判断した場合、車両側ユニットに異常報知信号S7を出力するので、車両のドライバーに光源4の異常を確実に報知することができる。
【0107】
また、半導体光源41,42のうち、いずれか一方がショート故障した際は、ドライバーに光源4の異常を報知すると共に、LED電流I1の供給を継続して可能な限り点灯を継続する。それによって、例えば夜間運転時において半導体光源41,42のうち、いずれか一方がショート故障した際でも、点灯を継続して視界を確保することで、ドライバーの安全性を向上させることができる。
【0108】
(実施形態4)
本実施形態の車両6の外観図を図9に示す。本実施形態の車両6は、実施形態3に示した灯具5を、車両本体61前面の左右に設けられており、実施形態3と同様の効果を得ることができる。
【0109】
なお、灯具5は車両用のヘッドランプに限定するものではなく、例えばフォグランプなどを構成してもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 点灯装置
2 点灯部
3 制御部
4 光源
41,42 半導体光源
411,421 LED(半導体発光素子)
ZD1,ZD2 ツェナーダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光素子に静電保護素子が並列接続された半導体光源が複数個直列接続された光源に、所定の直流電力を供給する点灯部と、
前記点灯部の動作を制御する制御部とを備え、
前記静電保護素子は、動作電圧より大きい電圧が両端間に印加された場合、両端電圧を前記動作電圧にクランプし、
前記制御部は、前記半導体光源の各々に印加される電圧を検出する電圧検出部を有しており、前記電圧検出部の全ての検出値が、前記静電保護素子の前記動作電圧以下となるように、前記直流電力を制御することを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記制御部は、複数の前記半導体光源の各々に印加される電圧のうち少なくとも1つが、上限閾値を所定時間上回った場合、負荷異常と判断し、前記直流電力の供給を低減することを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
前記制御部は、複数の前記半導体光源の各々に印加される電圧のうち少なくとも1つが、下限閾値を所定時間下回った場合、負荷異常と判断し、
複数の前記半導体光源の各々に印加される電圧の全てが、前記下限閾値を所定時間下回った場合、前記直流電力の供給を低減することを特徴とする請求項1または2記載の点灯装置。
【請求項4】
前記制御部が前記負荷異常と判断した場合、負荷異常状態を報知する報知部を備えることを特徴とする請求項2または3記載の点灯装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の点灯装置と、
半導体発光素子に静電保護素子が並列接続された半導体光源が複数個直列接続された光源と、
前記点灯装置と前記光源とが取り付けられる灯具本体とを備えることを特徴とする灯具。
【請求項6】
請求項5記載の灯具を車両本体に備えることを特徴とする車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−133954(P2012−133954A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284008(P2010−284008)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】