説明

点鼻用容器

【課題】使用時にノズルが鼻腔に対して上下動せずに液の噴出を行うことができ、取り扱い操作が簡単な点鼻用容器を提案する。
【解決手段】上部内面部に開口させた導入口51より上部外面部に開口させた不動吐出口49に流路を介して連通させ、且つ、容器体A内に垂下させたシリンダ20を支持する支持体B1と、シリンダ内を摺動するピストン60を備えて支持体に対して上方付勢状態で上下動可能に装着するとともに、押し下げによる内蔵ポンプ機構の作用で、上部側方に開口した可動吐出口80より容器体内の液を吐出する作動部材B2と、不動吐出口部分に基端部を嵌合して起立した点鼻用ノズルB3とを備え、可動吐出口と導入口とを、作動部材の上下動時を含めて常時連通させる連通機構を備え、容器体に対して下降する作動部材の押し下げにより、容器体に対して不動状態の点鼻用ノズルからの液の噴出が可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は点鼻用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
点鼻用容器として、鼻腔内に挿入使用するノズルを備えたポンプを、容器体に装着したものが提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
上記特許文献1に記載された点鼻用容器は、容器体に装着したポンプの、上下動可能に装着した作動部材の先端に、鼻腔内に挿入使用するノズルを嵌着し、作動部材を上下動させることで、容器体内の液を鼻腔内に導入する如く構成されている。作動部材の上下動は、例えばノズル周囲に突設した押釦を押下げることでの押下げと、作動部材の上方付勢力による上昇で行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−114102号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載された点鼻用容器は、ノズル周囲に突設した押釦を押し下げることで作用するため、使用時にノズルが鼻腔に対して上下動する。鼻腔内への液の噴出の場合には噴出口の位置が定まっている方が行い易く、また、鼻腔内でのノズルの移動による損傷等の不都合の虞もない。
【0006】
本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、使用時にノズルが鼻腔に対して上下動せずに液の噴出を行うことができ、取り扱い操作が簡単な点鼻用容器を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の手段として、以下の通り構成した。即ち、容器体Aと、点鼻用ディスペンサーBとを備え、点鼻用ディスペンサーBは、容器体Aに対して着脱可能に嵌合させるとともに、上部内面部に開口させた導入口51より上部外面部に開口させた不動吐出口49に流路を介して連通させ、且つ、容器体A内に垂下させたシリンダ20を支持する支持体B1と、シリンダ20内を摺動するピストン60を備えて支持体B1に対して上方付勢状態で上下動可能に装着するとともに、押し下げによる内蔵ポンプ機構の作用で、上部側方に開口した可動吐出口80より容器体A内の液を吐出する作動部材B2と、不動吐出口49部分に基端部を嵌合して起立した点鼻用ノズルB3とを備え、可動吐出口80と導入口51とを、作動部材B2の上下動時を含めて常時連通させる連通機構を備え、容器体Aに対して下降する作動部材B2の押し下げにより、容器体Aに対して不動状態の点鼻用ノズルB3からの液の噴出が可能に構成した。
【0008】
第2の手段として、上記第1の手段に於いて、上記連通機構が、導入口51の下方の支持体B1内周面に突設した環状の下部シール片52の先端縁を、対向する作動部材B2の外周面に液密摺動可能に嵌合させ、可動吐出口80の上方の作動部材B2外周面に突設した環状の上部シール片81の先端縁を、対向する支持体B1内周面に液密摺動可能に嵌合させて、下部シール片52と上部シール片81との間に常時可動吐出口80と導入口51とを連通する連通空間を画成してなる。
【0009】
第3の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段又は第2の手段に於いて、支持体B1の外側方に突設した支軸47の端面に不動吐出口49を開口し、支軸47に点鼻用ノズルB3の縦筒部91より延設した横筒部90を回動可能に嵌合させて、支持体B1に対して点鼻用ノズルB3の所定回動位置での液噴出を可能に構成した。
【0010】
第4の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第3の手段に於いて、点鼻用ノズルB3を垂直方向の360°の回動が可能に構成し、点鼻用ノズルB3の下方回動状態に於いて、点鼻用ノズルB3の下面に突設した係止用の突部93が作動部材B2の上部下面に回動当接して作動部材B2の押し下げを防止する如く構成した。
【0011】
第5の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第4の手段のいずれかの手段に於いて、支持体B1に位置決め用の突起44を設け、点鼻用ノズルB3の起立状態で、点鼻用ノズルB3に突設した係止用の突部93が位置決め用の突起44と係合する如く構成した。
【0012】
第6の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第5の手段のいずれかの手段に於いて、容器体Aが前後に長い筒状の胴部10を備え、胴部10上の長手方向後部位置に口頸部11を起立し、点鼻用ノズルB3を口頸部11前方位置に起立した。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、使用時に容器体Aに対して下降させて作動部材B2を押し下げれば点鼻用ノズルB3は容器体に対して上下動せずに点鼻用ノズルB3の噴出口97より液を噴出することができるため、鼻腔への液の噴出が的確に行えて、その使用操作も極めて簡便である。また、点鼻用ノズルB3が鼻腔内を上下動しないため、鼻腔内を損傷する等の虞も少ない。
【0014】
上記連通機構が、導入口51の下方の支持体B1内周面に突設した環状の下部シール片52の先端縁を、対向する作動部材B2の外周面に液密摺動可能に嵌合させ、可動吐出口80の上方の作動部材B2外周面に突設した環状の上部シール片81の先端縁を、対向する支持体B1内周面に液密摺動可能に嵌合させて、下部シール片52と上部シール片81との間に常時可動吐出口80と導入口51とを連通する連通空間を画成してなる場合には、その部分の構造が複雑とならず、そのための特別大きな占有空間を必要とせず、しかも、液の漏洩等を確実に防止できる利点がある。
【0015】
支持体B1の外側方に突設した支軸47の端面に不動吐出口49を開口し、支軸47に点鼻用ノズルB3の縦筒部91より延設した横筒部90を回動可能に嵌合させて、支持体B1に対して点鼻用ノズルB3の所定回動位置での液噴出を可能に構成した場合には、点鼻用ノズルB3を点鼻し易い角度で使用でき、より液の噴出が行い易くなる。
【0016】
点鼻用ノズルB3を垂直方向の360°の回動が可能に構成し、点鼻用ノズルB3の下方回動状態に於いて、点鼻用ノズルB3の下面に突設した係止用の突部93が作動部材B2の上部下面に回動当接して作動部材B2の押し下げを防止する如く構成した場合には、不使用時には作動部材B2の押し下げを確実に防止できる、無用な液の噴出を防止できる。また、点鼻用ノズルB3を下方へ回動させた状態で保管できるため、コンパクトな状態での保管が可能となる。
【0017】
支持体B1に位置決め用の突起44を設け、点鼻用ノズルB3の起立状態で、点鼻用ノズルB3に突設した係止用の突部93が位置決め用の突起44と係合する如く構成した場合には、点鼻用ノズルの起立状態を確実に維持することができる利点がある。
【0018】
容器体Aが前後に長い筒状の胴部10を備え、胴部10上の長手方向後部位置に口頸部11を起立し、点鼻用ノズルB3を口頸部11前方位置に起立した場合には、点鼻用ノズルB3が前方へ突出状態であっても容器全体のバランスを保って安定的に載置することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】点鼻用容器の一部切欠左側面図である。(実施例1)
【図2】点鼻用容器のオーバーキャップを外した状態の平面図である。(実施例1)
【図3】点鼻用容器の連通機構部分の要部拡大断面図である。(実施例1)
【図4】点鼻用容器の液噴出時の一部切欠左側面図である。(実施例1)
【図5】点鼻用容器を使用する際の説明図である。(実施例1)
【図6】点鼻用容器の一部切欠左側面図である。(実施例2)
【図7】点鼻用容器の連通機構部分の要部拡大断面図である。(実施例2)
【図8】点鼻用容器の使用を説明する正面図である。(実施例2)
【図9】点鼻用容器の液噴出時の一部切欠左側面図である。(実施例2)
【図10】点鼻用容器の一部切欠左側面図である。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図1は本発明点鼻用容器の実施例1を示し、点鼻用容器1は、容器体Aと、点鼻用ディスペンサーBと、オーバーキャップCとを備えている。
【0022】
容器体Aは合成樹脂製で、左側面からみた平面図の図2に示す如く前後に長い楕円筒状をなす胴部10を備え、 胴部10上の後部偏心位置に口頸部11を起立して構成している。
【0023】
点鼻用ディスペンサーBは、支持体B1と、点鼻用ノズルB3と、作動部材B2とを備えている。
【0024】
支持体B1は、容器体Aに対して着脱可能に嵌合させるとともに、容器体A内に垂下させたシリンダ20を支持し、点鼻用ノズルB3を支持する。本例に於いて支持体B1は、装着筒部材B1aと、支持筒部材B1bとで構成している。
【0025】
装着筒部材B1aは合成樹脂製で、容器体口頸部11外周に嵌合させた第1装着筒部30を備え、第1装着筒部30の上部は口頸部11上面に当接するフランジ部分を介して縮径されており、口頸部上方に起立している。また、第1装着筒部30の外周には、第1装着筒部30の外周下端部より延設したフランジ31を介して第1支持筒32を起立しており、第1支持筒32は支持筒部材B1bを嵌着させるためのものである。また、第1支持筒32の外周上下方向中間部から外方へ突設したフランジ33を介して下方へ外周壁34を垂設している。
【0026】
支持筒部材B1bは、第1支持筒32外周に嵌着した第2装着筒部40の上端より内方ヘ頂板41を延設し、頂板41の下面より第1支持筒32内面に嵌合する嵌合筒42を垂設するとともに、上面より第2支持筒43を起立している。頂板41の上面には点鼻用ノズルB3の所定起立位置を決定するための位置決め用の突起44を突設している。また、第2支持筒43の内周面より連結壁45を介して、第2支持筒43と二重筒状に摺動用壁46を立設している。第2支持筒43の前部には支軸47を突設している。支軸47には横筒状の切溝48を穿設し、切溝48の先端を支軸47の端面に開口する不動吐出口49として開口している。また、切溝48の下部後端と摺動用壁46内面とを連通する流路50を連結壁45中央部に穿設し、摺動用壁46内面に導入口51として開口している。これにより摺動用壁46内と支軸47外面とを、導入口51、流路50、切溝48、不動吐出口49を介して連通させている。また、摺動用壁46の内面下部には作動部材B2外面と液密摺動する環状の下部シール片52を突設している。
【0027】
シリンダ20は、上端部に突設したフランジ21を第1装着筒部30の縮径部分下部内周に嵌着して容器体A内に垂下させており、フランジ21の下面をパッキンpを介して口頸部11上面に液密に圧接している。また、下端部にはパイプ22を嵌着してその下端を容器体A内底部に垂下させ、パイプ22上方の内部底部には吸込み弁23を設けている。更に、吸込み弁23の上部には、シリンダ20内の整流作用を行う棒体24を、液の流通が可能に起立している。棒体24は、シリンダ20内底部に嵌着した周方向複数のリブを棒状主体の外周下端部より突設しており、下面により吸込み弁23を構成する玉状弁体の上下動を規制している。
【0028】
作動部材B2は、シリンダ20に対して上方付勢状態で上下動可能に装着されたもので、押下げにより容器体A内の液を上部の可動吐出口80より吐出するポンプ機構を備えている。図示例では、ステムB2aと、ピストン部材B2bと、シリンダ部材B2cと、第1流路形成部材B2dと、第2流路形成部材B2eと、押釦B2fとを備えている。
【0029】
ステムB2aは、下部外周に環状の小径のピストン60を突設し、上部が閉塞された筒状をなし、図3の要部拡大図に示す如く、上端を吐出弁体61として構成している。
【0030】
ピストン部材B2bは、図3の要部拡大図で示す如く、ステムB2aの外周上部に嵌合させたピストンロッド64の外面より、小径のピストン60より大径の環状のピストン65を突設し、ピストンロッド64の下部はステムB2a外周に液密に嵌着し、上部は隙間をあけて嵌合しており、ステムB2aの筒状部分上端に穿設した透孔62を介して上記隙間と連通させ、その結果、容器体A内からステムB2a内、透孔62、隙間を介して大径のピストン65上方に連通する連通路を形成している。
【0031】
シリンダ部材B2cは、図3の要部拡大図で示す如く、大径のピストン65が摺動する大径のシリンダ66を頂板67の裏面より垂設し、頂板67の中央には吐出弁体61により閉塞される吐出弁孔68が穿設され、ここに吐出弁を形成している。また、頂板67上には第3支持筒69を起立している。
【0032】
第1流路形成部材B2dは、第2流路形成部材B2eとで吐出弁孔68から可動吐出口80に至る流路を形成するもので、第3支持筒69の内周に液密に下部を嵌着させた内周壁72の上端よりフランジ73を介して第3支持筒69の外周に液密に下部を嵌着させた外周壁74を備えている。また、内周壁72の上端部は外方へ拡径し、その内面に凹部75を形成している。
【0033】
第2流路形成部材B2eは、図3の要部拡大図に示す如く、頂板77裏面中央より垂設した軸体78の外周上端部に周方向複数縦突設した係合リブ79の各外面を、上記凹部75に嵌合させて第1流路形成部材B2dに嵌着している。また、軸体78と第1流路形成部材B2dの内周壁72との間、頂板77と第2流路形成部材B2eのフランジ73との間にはそれぞれ隙間をあけて、吐出弁孔68から外周壁74の上端部に開口する可動吐出口80に至る流路を形成している。また、頂板77外周縁より、摺動用壁46の内周面に液密摺動可能に嵌合させた環状の上部シール片81を突設している。更に、頂板77上面からは第4支持筒82を立設している。
【0034】
本発明では可動吐出口80と導入口51とを、作動部材B2の上下動時を含めて常時連通させる連通機構を備え、作動部材B2の押し下げにより点鼻用ノズルB3からの液の噴出が可能に構成している。本例に於ける連通機構は、環状の下部シール片52の先端縁を、対向する作動部材B2の外周面である第1流路形成部材の外周壁74外周面に液密摺動可能に嵌合させ、環状の上部シール片81の先端縁を、対向する支持体B1内周面である支持筒部材B1bの内周面に液密摺動可能に嵌合させて、下部シール片52と上部シール片81との間に常時可動吐出口80と導入口51とを連通する連通空間を画成している。従って、図4に示す如く、作動部材B2を最下降まで押し下げた状態でも連通する如く構成している。
【0035】
押釦B2fは、図3の要部拡大図に示す如く、頂壁85裏面より垂設した嵌着筒86を第4支持筒82の外周に嵌着させて第2流路形成部材B2eに嵌着させている。また、頂壁85の周縁部より垂設した周壁87の下端を、摺動用壁46と支持筒部材B1bの第2支持筒43との間に垂下させ、押し下げが可能に嵌着している。また、周壁87の外周下端部に突設した係合突条を第2支持筒43の内周上端部に突周設した係止突条と係合させて上方への抜け出しを防止している。
【0036】
上記作動部材B2は、コイルスプリングsにより常時上方に付勢されている。そして、押釦B2fを押して作動部材B2を押し下げると、大径のピストン65と小径のピストン60との径差で生じる圧力により吐出弁体61が上流側に押圧されてコイルスプリングsの付勢力に抗して吐出弁が開き加圧液がその下流に導入される。
【0037】
点鼻用ノズルB3は、下部材B3aと、上部材B3bとを備え、下部材B3aは、支軸47外周に液密回動可能に嵌合させた横筒部90と、横筒部90の先端に内部を連通して起立した縦筒部91とからなるL字筒状をなしている。また、下面に突設した位置決め用の突条92を、支持筒部材B1bの頂板41上の位置決め用の突起44と係合した状態で垂直に起立する如く構成している。上部材B3bは、下部材B3aの縦筒部91外周上部に下端部を液密に嵌着した中央筒部95を頂板96の裏面より垂設し、頂板96の中央に噴出口97を開口している。また、頂板96周縁部からは下方にいくに従った拡径する外周壁98を垂設している。中央筒部95内上端部には噴霧用のスピン部材99を嵌着している。
【0038】
オーバーキャップCは、容器体Aの胴部10外周に下端部を嵌合して着脱自在に装着している。
【0039】
上記の如く構成された点鼻用容器1を使用する場合について説明する。図1の状態からオーバーキャップCを外し、図5に示す如く、点鼻用ノズルB3を鼻腔100より挿入した後、押釦B2fを押し下げれば所定量の液が点鼻用ノズルB3の噴出口97より鼻腔内に噴出される。
【0040】
図6乃至図9は実施例2を示し、本例では点鼻用ノズルB3が360°回動可能に設けられた例を示す。本例では、図1の例に於いて、位置決め用の突条92に換えて、横筒部90の下面に係止用の突部93を突設している。また、押釦B2fの頂壁1縁部を外方へ延設し、その周縁部より係合筒88を垂設している。更に、支持筒部材B1bの頂板41上面の位置決め用の突起44に換えて、係止用の突部93が乗り越え可能な位置決め用の突起44aを突設している。この場合には、図6に示す如く、点鼻用ノズルB3を下向きに回動させた際に、係合筒88の下面に係止用の突部93が当接し、作動部材B2の押し下げができない。また、その状態でのオーバーキャップCの被覆が可能に構成されている。また、使用時には、図9に示す如く、点鼻用ノズルB3を起立すると係止用の突部93が位置決め用の突起44aと係合して容易な位置決めができるのは同じであるが、係止用の突部93が位置決め用の突起44aを乗り越えが可能に構成しており、点鼻用ノズルB3の何方からの回動も可能に構成している。
【0041】
また、図8に二点鎖線で示す如く、任意の回動位置で点鼻用ノズルB3を係止させての点鼻が可能に構成している。この様な構成は実施例1の場合にも適用できるが、その場合には、位置決めようの突起44と反対側(図1の例では左方)への傾倒のみが可能となる。その他の構成及び作用は実施例1と実質的に同様であるため、同符号を付して説明を省略する。
【0042】
図10は実施例3を示し、実施例2に於いて、オーバーキャップCの形態を相違した例を示す。本例では、オーバーキャップC1が容器体Aに嵌合させたものではなく点鼻用ノズルB3に嵌合させたものである。その他の構成及び作用は実施例2と実質的に同様であるため、同符号を付して説明を省略する。
【符号の説明】
【0043】
1:点鼻用容器
A:容器体
10…胴部、11…口頸部
B:点鼻用ディスペンサー
B1:支持体
20…シリンダ、21…フランジ、22…パイプ、23…吸込み弁、24…棒体
B1a…装着筒部材
30…第1装着筒部、31…フランジ、32…第1支持筒、33…フランジ、
34…外周壁
B1b:支持筒部材
40…第2装着筒部、41…頂板、42…嵌合筒、43…第2支持筒、
44…位置決め用の突起、44a…位置決め用の突起、45…連結壁、46…摺動用壁、47…支軸、48…切溝、49…不動吐出口、50…流路、51…導入口、
52…下部シール片
B2:作動部材
B2a:ステム
60…小径のピストン、61…吐出弁体、62…透孔
B2b:ピストン部材
64…ピストンロッド、65…大径のピストン
B2c:シリンダ部材
66…大径のシリンダ、67…頂板、68…吐出弁孔、69…第3支持筒
B2d:第1流路形成部材
72…内周壁、73…フランジ、74…外周壁、75…凹部
B2e:第2流路形成部材
77…頂板、78…軸体、79…係合リブ、80…可動吐出口、81…上部シール片、
82…第4支持筒
B2f:押釦
85…頂壁、86…嵌着筒、87…周壁、88…係合筒
B3:点鼻用ノズル
B3a:下部材
90…横筒部、91…縦筒部、92…位置決め用の突条、93…係止用の突部
B3b:上部材
95…中央筒部、96…頂板、97…噴出口、98…外周壁、99…スピン部材
C:オーバーキャップ
p:パッキン
s:コイルスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器体(A)と、点鼻用ディスペンサー(B)とを備え、点鼻用ディスペンサー(B)は、容器体(A)に対して着脱可能に嵌合させるとともに、上部内面部に開口させた導入口(51)より上部外面部に開口させた不動吐出口(49)に流路を介して連通させ、且つ、容器体(A)内に垂下させたシリンダ(20)を支持する支持体(B1)と、シリンダ(20)内を摺動するピストン(60)を備えて支持体(B1)に対して上方付勢状態で上下動可能に装着するとともに、押し下げによる内蔵ポンプ機構の作用で、上部側方に開口した可動吐出口(80)より容器体(A)内の液を吐出する作動部材(B2)と、不動吐出口(49)部分に基端部を嵌合して起立した点鼻用ノズル(B3)とを備え、可動吐出口(80)と導入口(51)とを、作動部材(B2)の上下動時を含めて常時連通させる連通機構を備え、容器体(A)に対して下降する作動部材(B2)の押し下げにより、容器体(A)に対して不動状態の点鼻用ノズル(B3)からの液の噴出が可能に構成したことを特徴とする点鼻用容器。
【請求項2】
上記連通機構が、導入口(51)の下方の支持体(B1)内周面に突設した環状の下部シール片(52)の先端縁を、対向する作動部材(B2)の外周面に液密摺動可能に嵌合させ、可動吐出口(80)の上方の作動部材(B2)外周面に突設した環状の上部シール片(81)の先端縁を、対向する支持体(B1)内周面に液密摺動可能に嵌合させて、下部シール片(52)と上部シール片(81)との間に常時可動吐出口(80)と導入口(51)とを連通する連通空間を画成してなる請求項1に記載の点鼻用容器。
【請求項3】
支持体(B1)の外側方に突設した支軸(47)の端面に不動吐出口(49)を開口し、支軸(47)に点鼻用ノズル(B3)の縦筒部(91)より延設した横筒部(90)を回動可能に嵌合させて、支持体(B1)に対して点鼻用ノズル(B3)の所定回動位置での液噴出を可能に構成した請求項1又は請求項2のいずれかに記載の点鼻用容器。
【請求項4】
点鼻用ノズル(B3)を垂直方向の360°の回動が可能に構成し、点鼻用ノズル(B3)の下方回動状態に於いて、点鼻用ノズル(B3)の下面に突設した係止用の突部(93)が作動部材(B2)の上部下面に回動当接して作動部材(B2)の押し下げを防止する如く構成した請求項1乃至請求項2のいずれか1項に記載の点鼻用容器。
【請求項5】
支持体(B1)に位置決め用の突起(44)を設け、点鼻用ノズル(B3)の起立状態で、点鼻用ノズル(B3)に突設した係止用の突部(93)が位置決め用の突起(44)と係合する如く構成した請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の点鼻用容器。
【請求項6】
容器体(A)が前後に長い筒状の胴部(10)を備え、胴部(10)上の長手方向後部位置に口頸部(11)を起立し、点鼻用ノズル(B3)を口頸部(11)前方位置に起立した請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の点鼻用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−9865(P2013−9865A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144840(P2011−144840)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】