説明

無停電電源システム

【課題】 電源の信頼性が高められた無停電電源システムを提供する。
【解決手段】 この発明による無停電電源システムは、商用電源11〜15及び無停電電源装置21、22を有する電源部と、この電源部から分岐されて接続されそれぞれ負荷側の複数のフィーダ9に各別に接続される複数の高速切換装置4とを備えた無停電電源システムにおいて、上記高速切換装置は、上記商用電源と上記フィーダとの間には過電流耐量の大きい第1の高速スイッチ51を用い、上記無停電電源装置と上記フィーダとの間には過電流耐量の小さい第2の高速スイッチ61を用いて構成し、上記課題を解決したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無停電電源システムに関し、特に給電信頼性を向上させた無停電電源システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
無停電電源装置(UPS)と高速切換装置(STS)で構成された無停電電源システムとしては、例えば下記非特許文献1などに記載されたものがある。以下、背景技術を明確にするために図を用いて説明する。図6は例えば該非特許文献1などに記載された回路と実質的に同様の一般的に用いられている2組の無停電電源装置と高速切換装置で構成された無停電電源システムを示すブロック図である。図において、12〜17は商用電源、21、22は無停電電源装置であり、それぞれ無停電電源21A、21B、及び22A、22Bの各2台の無停電電源からなっている。8A、8Bは商用電源切換回路、4(4A、4B、4C)は高速切換装置、9(9A、9B、9C)はそれぞれ負荷90(負荷A1、A2、A3、負荷B1、B2、B3、及び負荷C1、C2、C3)が接続された負荷側のフィーダである。71は、無停電電源装置21から入力した電源を高速にON/OFFすることができ、過電流時も給電可能な高過負荷耐量をもつサイリスタスイッチ、72は無停電電源装置22から入力した電源を高速にON/OFFすることができ、過電流時も給電可能な高過負荷耐量をもつサイリスタスイッチである。
【0003】
42、43は高速切換装置4の各入力電圧の異常を検出する電圧検出回路、44は高速切換装置4の出力電圧の異常を検出する電圧検出回路、45は高速切換装置4の出力電流の異常を検出する電流検出回路である。32、33は各フィーダ9A、9B、9Cへの分岐スイッチ、81は商用電源切換回路8A、8Bに設けられた、商用電源に接続される機械式スイッチと短時間定格の半導体スイッチとを組み合わせたハイブリッドスイッチ、82は商用電源切換回路8A、8Bに設けられた、無停電電源装置21、22に接続される機械式スイッチである。
【0004】
次に動作について説明する。通常、ハイブリッドスイッチ81はOFF、分岐スイッチ32、33はON、サイリスタスイッチ71はON、サイリスタスイッチ72はOFFとなっており、無停電電源装置21は、商用電源12と13が停電しても蓄電池エネルギーを利用して継続的に電力を各フィーダ9A、9B、9Cヘ供給している。また、並列冗長運転しているため、例えば2台の無停電電源21A、21Bの内、万一1台が故障しても残り1台で電力を各フィーダ9A、9B、9Cヘ供給できる。更に各フィーダ9A、9B、9Cは、高速切換装置4によって、2組の無停電電源装置21と22から供給可能なため、万一1組の無停電電源装置(例えば21)の出力が喪失したり、フィーダ9への分岐スイッチ32が開放したり、分岐スイッチ32の出力で短絡事故があったりしても、高速のサイリスタスイッチ71で遮断し、サイリスタスイッチ72を瞬時に投入することにより他方の無停電電源装置22に切り換えることによって、フィーダ9に対して常に無停電で電力を供給することができる。
【0005】
また、負荷90側の異常で、過電流が発生した場合は、高速切換装置4は、電圧が下がっても切り替え動作を行わず、そのまま過電流を維持し、商用電源切換回路8Aにて機械式スイッチ82を開放し、ハイブリッドスイッチ81を投入することにより商用電源16に切り換え、一定時間過電流を流し、該当の負荷フィーダがトリップするまで待ち、過電流がなくなった時点で、再び機械式スイッチ82を投入し、ハイブリッドスイッチ81を開放することにより、無停電電源装置(例えば21)側へ切り替える動作をする(例えば非特許文献1参照)。
【0006】
【非特許文献1】Cyberex社の製品リーフレット「DSTSTM 100−600A Type II Digital Static Transfer Switch:Product Features」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の無停電電源システムは以上のように構成されているので、各高速切換装置4A、4B、4C内のサイリスタスイッチ71、72は、過電流耐量が大きい素子が必要であり、一フィーダの過電流発生が、無停電電源装置から安定供給されている正常なフィーダも一時的に商用給電になってしまうため、電源の信頼性が低下するなどの問題があった。
【0008】
この発明は上記のような従来技術の課題を解消するためになされたものであり、高速切換装置に商用電源入力を追加することにより、各高速切換装置内における無停電電源装置に接続されるサイリスタスイッチの過電流耐量を小さくし、また負荷側過電流が発生しても該当フィーダのみ商用給電に変えるだけで、他のフィーダは無停電電源装置からの給電を継続できる電源の信頼性が高められた無停電電源システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明による無停電電源システムは、商用電源及び無停電電源装置を有する電源部と、この電源部から分岐して接続され負荷側のフィーダにそれぞれ接続される複数の高速切換装置とを備えた無停電電源システムにおいて、上記高速切換装置は、上記商用電源と上記フィーダとの間には過電流耐量の大きい第1の高速スイッチを介装し、上記無停電電源装置と上記フィーダとの間には過電流耐量の小さい第2の高速スイッチを介装するようにしたことにより、上記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、高速切替装置に用いる高速スイッチとして、商用電源を開閉する過電流耐量の大きい第1の高速スイッチと、無停電電源装置を開閉する過電流耐量の小さい第2の高速スイッチを用いるようにしたことにより、電源や、負荷の異常に対して給電信頼性の高い無停電電源システムを得ることができる。また、運用形態によって、容易に高効率・安価・小型の無停電電源システムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による無停電電源システムを図に基づいて説明する。図1において、電源部10は商用電源11〜15、及び2組の無停電電源装置21、22から構成されている。無停電電源装置21、22の各組は、それぞれ無停電電源21A、21B、及び22A、22Bの各2台の無停電電源からなっている。31、32、及び33は、複数の負荷90が接続された各フィーダ9(9A、9B、9C)に対し、それぞれ商用電源11、無停電電源装置21、及び無停電電源装置22から電力を給電し得るようにするための分岐スイッチである。4(4A、4B、4C)は高速切換装置であり、フィーダ9(9A、9B、9C)と、電源部10の間に設けられている。各フィーダ(9A、9B、9C)には、負荷90としてそれぞれ負荷A1、A2、A3、負荷B1、B2、B3、及び負荷C1、C2、C3が接続されている。
【0012】
上記高速切換装置4には、商用電源11から入力した電源を高速にONできる短絡耐量を含む過電流耐量の大きい第1の高速スイッチとしての、機械式スイッチと短時間定格の半導体スイッチを組み合わせたハイブリッドスイッチ51と、無停電電源装置21から入力した電源を高速にON/OFFすることができ、高過電流耐量をもたず定格電流を流すことができる第2の高速スイッチとしてのサイリスタスイッチ61Aと、無停電電源装置22から入力した電源を同じく高速にON/OFFすることができ、高過電流耐量をもたず定格電流を流すことができる第2の高速スイッチとしてのサイリスタスイッチ61Bと、高速切換装置4の各入力電圧、即ち商用電源11、無停電電源装置21、及び無停電電源装置22の異常を検出する電圧検出回路41、42、及び43と、高速切換装置4の出力電圧の異常を検出する電圧検出回路44と、高速切換装置4の出力電流の異常を検出する電流検出回路45が設けられている。
【0013】
なお、上記2組の無停電電源装置21、22は、従来装置と同様に、無停電電源21A、21B、及び22A、22Bの4台を、2台ずつ2組に分けて構成されているが、構成台数、組の数は、特にこの例に限定されるものではない。また、3台の高速切換装置4A、4B、及び4Cの構成は、互いに同様の構成となっており、特に区別の必要がない場合には単に高速切換装置4と呼ぶことにする。また、上記各検出回路の検出結果に応じて高速切換装置4の各高速スイッチを制御するための図示を省略している制御装置を備えている。さらに、各図を通じて同一符号は同一もしくは相当部分を示すものとする。
【0014】
次に動作について説明する。通常時、分岐スイッチ31、32、33はON、高速切替装置4(4A、4B、4C)内の各高速スイッチは、何れもサイリスタスイッチ61AがON、ハイブリッドスイッチ51、及びサイリスタスイッチ61BがOFFとなっており、無停電電源装置21からサイリスタスイッチ61Aを介して各フィーダ9A〜9Cヘ電力が供給されている。そして、無停電電源21Aと21Bは、商用電源12と13が停電しても蓄電池エネルギーを利用して継続的に電力を各フィーダ9A〜9Cヘ供給することができる。また、並列冗長運転しているため、万一一方が故障しても残りの一台で電力を各フィーダ9A〜9Cヘ供給できる。
【0015】
例えば、高速切換装置4Aの電流検出器45により、フィーダ9Aに繋がる負荷側の異常等で、過電流の発生を検知した場合は、これに連動して高速切換装置4Aは、サイリスタスイッチ61Aで瞬時に遮断し、ハイブリッドスイッチ51を瞬時に投入し、商用電源11からフィーダ9Aに過電流を流し、該当する負荷側のフィーダ9Aの図示を省略している遮断器等がトリップするまで待ち、過電流がなくなった時点で、ハイブリッドスイッチ51を開放し、サイリスタスイッチ61Aを投入することにより、無停電電源装置21側へ切り替える動作をする。その間、他のフィーダ9B、9Cには無停電電源装置21から継続して電力が供給される。
【0016】
上記のように実施の形態1によれば、第2の高速スイッチとしてのサイリスタスイッチ61(61A、61B)は、高過電流耐量を持つ必要が無く、また負荷側で過電流が発生しても該当フィーダのみ商用電源に切り替え、他のフィーダは無停電電源装置からの給電を継続できる。このため、給電の信頼性が全体として向上でき、またシステムを安価に提供できる。
【0017】
実施の形態2.
図2は、実施の形態2による無停電電源システムの切り替え動作を示すフロー図である。上記実施の形態1では、高速切換装置4の出力での過電流時について説明したが、図1と同様の無停電電源システムを用い、例えば高速切換装置4の出力電圧が異常になった場合、図2のフローによって電源側の異常か、負荷側の異常かを判断して、供給電源を選択することにより、他のフィーダヘの影響なく、該当フィーダのみ高過負荷耐量をもつ商用電源に切り替えて事故フィーダを開放し、負荷側の異常をクリアできる。以下、図1及び図2を参照して具体的に説明する。
【0018】
即ち、例えば不定時点のステップS1で負荷側の電圧異常が発生し、ステップS2で例えば電圧検出器42で電圧異常が検出された場合、ステップS3で電流検出器45によって過電流が検出されたか否かを判定し、過電流が検出されていれば(Yes)、ステップS4で負荷側の異常と判断され、ステップS5でサイリスタスイッチ61AをOFFにする。次いでステップS6でハイブリッドスイッチ51をONにし、商用電源11から負荷に電流の供給を続ける。次にステップS7で電流検出器45の検出結果が定格電流以下になったか否かを判定し、負荷側のフィーダ9の遮断器等がトリップするまで待ち、過電流がなくなった時(Yes)に、ステップS8でハイブリッドスイッチ51をOFFにし、ステップS9でサイリスタスイッチ61AをONすることにより、無停電電源装置21側へ切り替える。
【0019】
一方、上記ステップS3で電流検出器45によって過電流が検出されたか否かを判定した結果、過電流が検出されていなければ(No)、ステップS10で電源側の異常と判断され、ステップS11でサイリスタスイッチ61AをOFFにし、ステップS12でサイリスタスイッチ61BをONにして無停電電源装置22側へ切り替え、ステップS13で無停電電源装置21の異常と判定される。なお、負荷側の何れのフィーダ9A、9B、9Cについても各高速切替装置4により同様に動作することは言うまでもない。また、上記フローは図示を省略している制御装置の例えばマイコンにより処理される。
【0020】
実施の形態3.
図3A、図3Bは実施の形態3による無停電電源システムの第1の例、及び第2の例を示すブロック図であり、図3Aは、図1の第2のスイッチとして用いたサイリスタスイッチ61A、61Bに代えて強制転流回路付サイリスタスイッチ62(62A、62B)を用いたもの、図3Bは自己消弧型半導体スイッチ63(63A、63B)を用いたものを示している。なお、強制転流回路付サイリスタスイッチ62A、62B、及び自己消弧型半導体スイッチ63A、63Bの何れの場合も高過電流耐量をもたず定格電流を流すことができる高速スイッチである。その他の構成は上記実施の形態1または実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
【0021】
上記のように構成された実施の形態3においては、負荷側の異常、及び電源部側の異常に対する基本的な動作は、上記実施の形態1または実施の形態2と同様であり、同様の効果が得られるが、無停電電源装置21、22に対する第2の高速スイッチとして、強制転流回路付サイリスタスイッチ62、または自己消弧型半導体スイッチ63を用いていることにより、負荷90側の異常に対し、更に高速確実に該当の無停電電源装置から切り離すことができる。
【0022】
実施の形態4.
図4A、図4Bはこの発明の実施の形態4による無停電電源システムの第1の例、及び第2の例を示すブロック図であり、図4Aは、図1の商用電源11用の第1の高速スイッチとしてのハイブリッドスイッチ51を、高速にON/OFFすることができ、高過電流時も給電可能な高過負荷耐量をもつサイリスタスイッチ52に変えた第1の例、図4Bは図4Aの変更に加えてさらに図1の第2の高速スイッチとしてのサイリスタスイッチ61(61A、61B)を、機械式スイッチ+サイリスタスイッチのハイブリッドスイッチ64(64A、64B)に変えた第2の例を示している。なお、上記ハイブリッドスイッチ64A、64Bは、無停電電源装置21、22から入力した電源を高速にON/OFFすることができ、高い過電流耐量をもたず定格電流を流すことができるものである。その他の構成は、上記実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0023】
上記のように構成された実施の形態4においては、図4Aに示す第1の例、図4Bに示す第2の例の何れも、高速切換装置4の商用電源11用の第1の高速スイッチをサイリスタスイッチ52に変えたことにより、例えば常時の負荷90への給電は、給電効率の高い商用電源11からの給電を行い、停電した時のみ無停電電源装置21、または22に無瞬断で切り替えるように負荷側のフィーダ毎に任意に選択して運用をすることが可能である。このとき、例えば無停電電源装置21の蓄電池が放電完了し、出力が断に至る状態のときも、電圧検出器42によって事前に検知され、図示を省略している制御装置によって無停電電源装置22の蓄電池の残容量があり出力をだしている限り、第1の例においては、サイリスタスイッチ61AをOFFし、サイリスタスイッチ61BをONし、給電を継続することができる。また、第2の例においても同様に、ハイブリッドスイッチ64AをOFFし、ハイブリッドスイッチ64BをONし、給電を継続可能とすることができる。
【0024】
上記のように、実施の形態4によれば、各高速切換装置4A、4B、4Cは、各フィーダ9A、9B、9C毎に常時商用電源11から給電するか、常時無停電電源装置21、22から給電するかを任意に選択することができ、運用の幅を広げることができる。
【0025】
実施の形態5.
上記実施の形態1〜実施の形態4になる無停電電源システムの高速切換装置4に用いる各高速スイッチ、例えば図1のハイブリッドスイッチ51、及びサイリスタスイッチ61A、61Bを、何れも回路から容易に引き外し可能なモジュール構造とし、高速スイッチとして、商用電源11と負荷側のフィーダ9との間に挿入する過電流耐量が大きいモジュール構造の第1の高速スイッチ群(例えば実施の形態1に示す高速にON/OFFできる機械式スイッチと短時間定格の半導体スイッチを組み合わせたハイブリッドスイッチ51、及び実施の形態4に示すサイリスタスイッチ52など)、並びに無停電電源装置21、22と負荷側のフィーダ9との間に挿入する過電流耐量の小さい定格電流を流すことができるモジュール構造の第2の高速スイッチ群(例えば実施の形態1に示すサイリスタスイッチ61A、61B、実施の形態3に示す強制転流回路付サイリスタスイッチ62A、62B、自己消弧型半導体スイッチ63A、63B、及び実施の形態4に示すハイブリッドスイッチ64A、64Bなど)を準備した。(何れも図示省略)
【0026】
上記のように構成された実施の形態5においては、高速スイッチを、例えば要求仕様、コスト、必要性、メンテナンス、故障時の交換などにおいて、適宜に高速の強制転流回路付サイリスタスイッチ、自己消弧型半導体スイッチ、機械式スイッチと半導体スイッチを組み合わせたハイブリッドスイッチなどに置き換えることが容易であり、これにより必要に応じて給電信頼性レベルを変えることができる。
【0027】
実施の形態6.
図5はこの発明の実施の形態6による無停電電源システムの要部を示すブロック図である。図において、23(23A、23B)は、1つの変換器のみで構成された無停電電源としての電源装置である。その他の符号は上記実施の形態3及び実施の形態4に示したものと同様であるので説明を省略する。
【0028】
上記のように構成された実施の形態6では、2組の無停電電源装置の内、1組は、1つの変換器のみで構成された電源装置23A、23Bに置き換えたものである。この場合は、無停電電源装置21の異常の時は、サイリスタスイッチ52を投入し、商用電源11に切り換え、負荷給電を継続し、商用電源11が停電していた場合は、ハイブリッドスイッチ64Bを投入し、電源装置23に切り換え、給電を継続することができ、上記実施の形態1と同様の効果が得られるほか、無停電電源装置を2組用いるよりは、システムを高効率・安価・小型化することができる。
【0029】
ところで、上記各実施の形態の説明では、高速切替装置4を何れも3台備え、3台共同一構成とした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、台数は2台以上ならば効果が期待でき、また互いに同一の構成としなくても良いことは勿論である。例えば、各フィーダの給電信頼性レベルに応じて、高速切替装置4に用いる高速スイッチを、互いに異なるように構成しても同様の効果が期待できる。また、何れも無停電電源装置を2組用い、各組の無停電電源装置とも2つの無停電電源を並列に冗長運転させるようにした例について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば電源の信頼性よりもコストを重視するような場合には、1組の無停電電源装置、あるいは単一の無停電電源であっても同様の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施の形態1による無停電電源システムの要部を示すブロック図。
【図2】実施の形態2による無停電電源システムの切り替え動作を示すフロー図。
【図3A】実施の形態3による無停電電源システムの第1の例を示すブロック図。
【図3B】実施の形態3による無停電電源システムの第2の例を示すブロック図。
【図4A】実施の形態4による無停電電源システムの第1の例を示すブロック図。
【図4B】実施の形態4による無停電電源システムの第2の例を示すブロック図。
【図5】実施の形態6による無停電電源システムの要部を示すブロック図。
【図6】従来の無停電電源システムを示すブロック図。
【符号の説明】
【0031】
4(4A、4B、4C) 高速切換装置、 9(9A、9B、9C) フィーダ、 10 電源部、11〜17 商用電源、 21、22、23 無停電電源装置、21A、21B、22A、22B、23A、23B 無停電電源、 31、32、33 分岐スイッチ、 4(4A、4B、4C) 高速切替装置、 41、42、43、44 電圧検出回路、 45 電流検出回路、 51 第1の高速スイッチ(ハイブリッドスイッチ)、 52 第1の高速スイッチ(サイリスタスイッチ)、 61(61A、61B) 第2の高速スイッチ(サイリスタスイッチ)、 62(62A、62B) 第2の高速スイッチ(強制転流回路付サイリスタスイッチ)、 63(63A、63B) 第2の高速スイッチ(自己消弧型半導体スイッチ)、 64(64A、64B) 第2の高速スイッチ(ハイブリッドスイッチ)、 90 負荷。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源及び無停電電源装置を有する電源部と、この電源部から分岐して接続され負荷側のフィーダにそれぞれ接続される複数の高速切換装置とを備えた無停電電源システムにおいて、上記高速切換装置は、上記商用電源と上記フィーダとの間には過電流耐量の大きい第1の高速スイッチを介装し、上記無停電電源装置と上記フィーダとの間には過電流耐量の小さい第2の高速スイッチを介装して構成されてなることを特徴とする無停電電源システム。
【請求項2】
上記無停電電源装置は、1台以上の無停電電源からなる複数組の無停電電源装置からなることを特徴とする請求項1に記載の無停電電源システム。
【請求項3】
上記高速切換装置は、異常時に電源側の異常か、負荷側の異常かを判定し、電源側の異常の時は上記無停電電源装置を異なる組に切り替え、負荷側の異常の時は上記商用電源に切り替えるようにしてなることを特徴とする請求項2に記載の無停電電源システム。
【請求項4】
上記高速切換装置は、上記フィーダ毎に常時上記商用電源から給電するか、常時上記無停電電源装置から給電するかを選択するようにしてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の無停電電源システム。
【請求項5】
上記高速切換装置に用いる第1の高速スイッチまたは第2の高速スイッチは、回路から着脱可能なモジュール構造により構成され、方式の異なるスイッチに置き換えることにより、給電信頼性レベルを変更可能にしてなることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の無停電電源システム。
【請求項6】
上記複数組の無停電電源装置の内、1組は1つの変換器のみで構成されてなることを特徴とする請求項2ないし請求項5の何れかに記載の無停電電源システム。
【請求項7】
上記第1の高速スイッチは、高速にONできる機械式スイッチと短時間定格サイリスタスイッチからなるハイブリッドスイッチからなり、上記第2の高速スイッチは、短絡耐量の小さいサイリスタスイッチからなることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の無停電電源システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate