説明

無機薄膜付プラスチック用アンダーコート剤、無機薄膜付プラスチック、ならびにインモールド成型またはインサート成型用の加飾フィルム

【課題】金属薄膜層との密着性等に優れ、特に高温利用環境下においても金属面に白化現象や大きなクラックを発生させることのない、新規なアンダーコート剤の提供。
【解決手段】一般式(1)で表される疎水性モノマー類(a1)および一般式(2)で表わされるヒドロキシ基含有モノマー類(a2)が反応してなり、かつ、ヒドロキシ基濃度(mol/g)が0.001〜0.005であるコポリマー(A)、ならびに、分子中にイソシアネート基を少なくとも3つ有するポリイソシアネート類(B)を含有してなるアンダーコート剤を使用する。一般式CH=C(R)−[−(C=O)−O−]−X・・・(1)、一般式CH=C(R)−[−(C=O)−Y−]−Y・・・(2)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に、基材フィルムに無機薄膜を密着させるために使用するアンダーコート剤、ならびに、当該アンダーコート剤を用いて得られる無機薄膜付プラスチック、およびインモールド成型またはインサート成型用の加飾フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
無機薄膜付プラスチックとは一般に、プラスチック基材の表面に金、アルミニウム、スズなどの金属や酸化インジウム等の無機化合物からなる薄膜を各種方法(真空蒸着法等)によって形成したものをいい、その金属種、或いは薄膜の厚さ等に応じて、ボトルやキャップ、ガスバリアフィルム等の包装材、透明導電シート、フィルムコンデンサ、表示用ラベル等の種々の用途に供されている。
【0003】
また、無機薄膜付プラスチックの中でも、プラスチックフィルムの表面に数十nm程度の極めて薄いアルミニウム層を形成してなるアルミニウム蒸着プラスチックフィルムは、インモールド成型用またはインサート成型用の加飾フィルム用の部材として賞用されており、成形品に電波透過性等の技術的機能やミラー感等の意匠性を付与できることから、近年、例えば、携帯電話やオーディオ製品、パソコン等の種々の電子製品の筐体に供されている。
【0004】
ところで、プラスチックフィルムの表面には通常、微細な凹凸や不純物(プラスチック添加剤等)が存在するため、無機薄膜層とプラスチック基材との密着性や、無機薄膜の平滑性を確保し難いことが多い。そこで、一般的には、プラスチック基材の表面に、各種ポリマーを主成分とするアンダーコート剤を予め塗工し、柔軟性のあるアンダーコート層の上に無機種を蒸着させる方法が採られている。
【0005】
しかし、そのようなアンダーコート層を設けてなる無機薄膜付プラスチックは、その形態を問わず、高温下で無機薄膜面に曇りやボケといった白化部位が生ずることがあり、特にフィルム形態の場合に著しい。また、特に無機薄膜付プラスチックフィルムは、高温下で成形加工した場合において無機薄膜面に白化部位が生ずるだけでなく、加工部位の無機薄膜面に干渉縞や目視判断できる程のクラックが発生することがある。これらの問題により、無機薄膜付プラスチックフィルムにおける意匠性や技術的機能(ガスバリア性、電磁波シールド性等)や意匠性が損なわれる。
【0006】
前記白化現象の解決する目的で、アクリルコポリマー等の高分子ポリマー、ポリイソシアネートおよび繊維素系高分子の混合物からなるアンダーコート剤が使用されることがあるが(特許文献1を参照)、前記干渉縞については格別言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公昭60−40396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、無機薄膜及びプラスチックの双方と密着し、かつ、高温下の加工に付した場合においても無機薄膜に明らかな白化部位や、目視判断できるようなクラック、干渉縞等を生じさせない、新規なアンダーコート剤を提供することを主たる課題とする。
【0009】
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、次の構成からなるアンダーコート剤によれば前記課題を解決できることを見出した。
【0010】
即ち本発明は、下記一般式(1)で表されるモノマー類(a1)および下記一般式(2)で表されるモノマー類(a2)が反応してなり、かつ、ヒドロキシ基濃度(mol/g)が0.001〜0.005であるコポリマー(A)、ならびに、分子中にイソシアネート基を少なくとも3つ有するポリイソシアネート類(B)を含有してなる、無機薄膜付プラスチック用アンダーコート剤;
【0011】
CH=C(R)−[−(C=O)−O−]−X・・・(1)
(式(1)中、Rは水素またはメチル基を、mは0または1を、Xはヒドロキシ基を有さないアルキル基、ヒドロキシ基を有さないフェニル基、またはヒドロキシ基を有さないベンジル基を示す。)
CH=C(R)−[−(C=O)−Y−]−Y・・・(2)
(式(2)中、Rは水素またはメチル基を、Yは酸素または2級アミノ基(−NH−)を、nは0または1を、Yはヒドロキシ基を有するアルキル基、ヒドロキシ基を有するフェニル基、またはヒドロキシ基を有するベンジル基を示す。)
【0012】
当該アンダーコート剤からなる層を有する無機薄膜付プラスチック;フィルム状である、当該無機薄膜付プラスチック;当該無機薄膜付プラスチックを部材とする、インモールド成型用加飾フィルムまたはインサート成型用加飾フィルム、に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のアンダーコート剤は成膜性に優れるため、プラスチック基材の表面に、平滑な無機薄膜を形成することが可能になる。また、無機種としてアルミニウムのような金属を使用した場合には、光沢に優れた薄膜が得られる。また、該アンダーコート層は無機薄膜層との密着性が良好であるため、プラスチック基材から無機薄膜が脱落し難くなる。
【0014】
また、無機薄膜付プラスチックのうちフィルム状のものは、高温環境下において無機薄膜に曇りやボケ等の白化現象が生じ難いだけでなく、高温環境下で加工しても、目視判断できるようなクラックや干渉縞、白化部位が無機薄膜に生じ難い。
【0015】
よって、本発明に係る無機薄膜付プラスチックは、ボトルやキャップ、ガスバリアフィルム等の包装材や、透明導電シート、フィルムコンデンサ、表示用ラベル、転写箔の部材として好適である。特に、本発明に係る無機薄膜付プラスチックフィルムのうち、特に、無機薄膜がアルミニウムである金属蒸着プラスチックフィルムは、特に前記耐クラック性および耐白化性が良好であることから、インサート成型用の加飾フィルムとしてや、高温下での成形加工がなされるインモールド成形用転写箔の部材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例8に係るアルミニウム蒸着PETフィルムの蒸着面の顕微鏡写真(400倍)であり、極めて平滑であることがわかる。
【図2】比較例5に係るアルミニウム蒸着PETフィルムの蒸着面の顕微鏡写真(1000倍)であり、全体にわたり微細なうねりが認められる。このうねりによって可視光が乱反射する結果、蒸着面に白化部位が生ずると考えられる。
【図3】実施例8に係るアルミニウム蒸着PETフィルムの蒸着面の顕微鏡写真(3000倍)である。干渉縞が生じないのは、クラックが極めて微細であり、可視光が干渉しないためではないかと考えられる。
【図4】比較例1に係るアルミニウム蒸着PETフィルムの蒸着面の顕微鏡写真(3000倍)である。
【図5】比較例5に係るアルミニウム蒸着PETフィルムの蒸着面の顕微鏡写真(3000倍)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(a1)成分としては、一般式(1):CH=C(R)−[−(C=O)−O−]−X(式(1)中、Rは水素またはメチル基を、mは0または1を、Xはヒドロキシ基を有さないアルキル基、ヒドロキシ基を有さないフェニル基、またはヒドロキシ基を有さないベンジル基を示す。)で表されるモノマー類を使用する。なお、当該アルキル基は直鎖状、環状、分岐状のいずれであってもよい。また該フェニル基およびベンジル基はヒドロキシ基以外の置換基を有していてもよい。
【0018】
(a1)成分の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イコシル、(メタ)アクリル酸ドコシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸4−メチルベンジル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、2−メチルビニルシクロヘキサン等のαオレフィン類;スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン類が挙げられる。これらの中でも後述の(a2)成分および(a3)成分と重合しやすく、(A)成分の製造が容易になる点で、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、特にアルキル基の炭素数が1〜8程度のものが好ましい。
【0019】
(a2)成分としては、一般式(2):CH=C(R)−[−(C=O)−Y−]−Y(式(2)中、Rは水素またはメチル基を、Yは酸素または2級アミノ基(−NH−)を、nは0または1を、Yはヒドロキシ基を有するアルキル基、ヒドロキシ基を有するフェニル基、またはヒドロキシ基を有するベンジル基を示す。)で表されるモノマー類を使用する。なお、該アルキル基は直鎖状、環状、分岐状のいずれであってもよく、該フェニル基およびベンジル基は置換基を有していてもよい。
【0020】
(a2)成分としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル、2−ヒドロキシプロピオン酸4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシフェニル、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(1−メチル−2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド等のヒドロキシ(メタ)アクリレート類;(メタ)アリルアルコール、4−ペンテン−1−オール、1−メチル−3−ブテン−1−オール、および5−ヘキセン−1−オール等の不飽和アルコール類が挙げられる。(a2)成分の中でも、アンダーコート剤の経時的な安定性等の観点より、前記ヒドロキシ(メタ)アクリレート類が、好ましくはヒドロキシアルキル基の炭素数が4以下のものが、特に、1〜3のものが好ましい。
【0021】
前記(a1)成分及び(a2)成分とともに、一般式(3):CH=C(R)−(CH−COOH(式(3)中、Rは水素またはメチル基を、pは0〜3の整数を示す。)
で表されるモノマー類(a3)(以下、(a3)成分という)を使用すると、無機薄膜面の耐白化性や耐クラック性が向上するため好ましい。これはおそらく、(a3)成分に由来するカルボキシル基が(A)成分と(B)成分のウレタン化反応を促進する触媒として作用したり、当該カルボキシル基の一部と(B)成分とがアミド化反応したりするためではないかと考えられる。(a3)成分の具体例としては、(メタ)アクリル酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸等が挙げられるが、入手が容易である等の点で(メタ)アクリル酸が好ましい。
【0022】
(A)成分は、各種公知の方法で製造できる。具体的には、例えば、(a1)成分、(a2)成分、および必要に応じて(a3)成分を、無溶剤下、或いは適当な有機溶剤中で、通常はラジカル重合開始剤の存在下、80〜180℃程度において、1〜10時間程度共重合反応させることにより得ることができる。(a1)成分〜(a3)成分の使用モル%は特に限定されないが、通常は順に40〜97モル%程度、3〜60モル%程度、0〜40モル%程度、好ましくは45〜80モル%、15〜55モル%、および2〜5モル%である。
【0023】
また、有機溶剤としては、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンの低級ケトン類、トルエン等の芳香族炭化水素類、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエーテルエステル類、酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、その使用量は、(A)成分を含む溶液の固形分重量が10〜50重量%程度となる範囲である。
【0024】
ラジカル重合開始剤としては、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等が挙げられ、その使用量は通常、(a1)成分〜(a3)成分の総重量に対して0.1〜2重量%程度となる範囲である。
【0025】
こうして得られる(A)成分は、ヒドロキシ基濃度(mol/g)が0.001〜0.005、好ましくは0.0013〜0.0037である。「ヒドロキシ基濃度」とは、(A)成分1g(固形分換算)におけるヒドロキシ基のモル数を意味する計算値であり、0.001未満であると耐白化性および耐クラック性が低下する傾向に、0.005を超える場合には(A)成分の製造が困難になったり、(A)成分と(B)成分の相溶性が不十分になったりする傾向にある。
【0026】
また、前記(a3)成分を使用した場合には、(A)成分のヒドロキシ基濃度は同様であり、かつ、カルボキシル基濃度(mol/g)は通常0.0001〜0.0035程度、好ましくは0.0001〜0.0006である。「カルボキシル基濃度」とは、(A)成分1g(固形分換算)におけるカルボキシル基のモル数を意味する計算値であり、カルボキシル基濃度が当該範囲であることにより、特に耐白化性および耐クラック性が良好になる。
【0027】
なお、(A)成分の他の物性は特に限定されないが、ガラス転移温度が通常0〜100℃程度、特に耐白化性および耐クラック性の点より好ましくは15〜80℃である。また、重量平均分子量が通常3000〜100000程度、特に耐白化性および耐クラック性の点より好ましくは10000〜80000、より好ましくは40000〜70000である。
【0028】
ポリイソシアネート類(B)としては、分子中にイソシアネート基を少なくとも3つ有する化合物であれば特に制限なく使用できる。(B)成分のイソシアネート基濃度(mol/g)も限定されないが、通常0.001〜0.01程度、好ましくは0.003〜0.006である。「イソシアネート基濃度」とは、(B)成分1g(固形分換算)におけるイソシアネート基のモル数を意味する計算値であり、当該範囲の(B)成分を使用することで特に耐クラック性および耐白化性が良好になる。
【0029】
(B)成分の具体例としては、下記一般式(4)で表されるジイソシアネートヌレート体(B−1)(以下、(B−1)成分という)
【0030】
【化1】

【0031】
(式(4)中、Rは、芳香族ジイソシアネート残基、脂肪族ジイソシアネート残基、および脂環式ジイソシアネート残基のいずれかを表す。)、
【0032】
下記一般式(5)で表されるジイソシアネートアダクト体(B−2)(以下、(B−2)成分という)
【0033】
【化2】

【0034】
(式(5)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基またはOCN−R−HN−C(=O)−O−CH−で示される官能基を表す。また、Rは、芳香族ジイソシアネート残基、脂肪族ジイソシアネート残基、および脂環式ジイソシアネート残基のいずれかを表す。)、
【0035】
ならびに、該(B−1)成分および/または(B−2)成分と、分子内にイソシアネート基と反応可能な活性水素を二つ有する化合物との反応物である変性ポリイソシアネート(B−3)(以下、(B−3)成分という)からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、耐白化性や耐クラック性の観点より、(B−1)成分および/または(B−3)成分が好ましい。また、いずれの成分も、芳香族ジイソシアネート残基を有するものが好ましい。また、アンダーコート剤のポットライフを考慮すると、いずれの成分もイソシアネート基が各種保護基でブロックされていてもよい。
【0036】
各式中、「ジイソシアネート残基」とは、(B−1)成分または(B−2)成分をなすジイソシアネート化合物のうち、イソシアネート基を除いた残りの基を意味する。該ジイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。
【0037】
(B−3)成分をなす当該(B−1)成分および/または(B−2)成分としては、耐白化性や耐クラック性の点より、芳香族ジイソシアネート残基を有するものが好ましい。また、前記した、分子内にイソシアネート基と反応可能な活性水素を二つ有する化合物としては、具体的には、炭素数2〜20程度(好ましくは4〜8)のジオール化合物、炭素数2〜20程度のジアミン化合物、および水が挙げられる。当該ジオール化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、ジプロピレングリコール等が挙げられるが、密着性、加工性、耐熱性向上等の点より特に炭素数4〜10のものが好ましい。当該ジアミン化合物としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該ジオール化合物、ジアミン化合物、水は、得られる(B−3)成分のイソシアネート基濃度が前記範囲となる程度の量で使用できる。また、(B−3)成分は各種公知の反応により製造することができ、必要に応じてイソシアネート基と反応しない有機溶剤、例えば低級ケトン類やエーテルエステル類等を利用できる。
【0038】
また、(B−1)成分〜(B−3)成分はいずれも、混合物として使用できる。例えば(B−1)成分についていうと、芳香族ジイソシアネート残基を有するジイソシアネートヌレート体と、脂肪族ジイソシアネート残基を有するジイソシアネートヌレート体とを通常9/1〜1/9程度の重量比で混合したものを(B−1)成分として使用できる。
【0039】
なお、(B−1)成分〜(B−3)成分とともに、これら以外のポリイソシアネート化合物として、例えば、リジントリイソシアネートや、6官能のポリイソシアネート(製品名「デュラネートMHG−80B」、旭化成ケミカルズ(株)製)等を使用できる。
【0040】
本発明のアンダーコート剤は、(A)成分および(B)成分を各種公知の方法で混合することによって調製できる。両者の混合比は特に制限されないが、特に耐白化性および耐クラック性の観点より、通常は、〔(B)成分のイソシアネート基濃度(mol/g)×(B)成分の使用グラム(固形分換算)〕/〔(A)成分のヒドロキシ基濃度(mol/g)×(A)成分の使用グラム(固形分換算)〕が通常0.1〜10程度、好ましくは0.5〜2となる範囲である。
【0041】
また、本発明のアンダーコート剤は前記有機溶剤の溶液として使用するのが好ましく、また、その固形分重量は通常5〜50重量%程度である。また、本発明のアンダーコート剤には、他にも、ウレタン化触媒(スズ系、第3級アミン系等)、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤や、希釈溶剤として前記反応溶媒を加えることができる。
【0042】
本発明の無機薄膜付プラスチックとしては、基材の形状により、無機薄膜付プラスチック構造体や無機薄膜付プラスチックフィルム等が挙げられる。当該構造体をなすプラスチック基材の形状は特に限定されず、例えば球状、円柱状、直方体状、板状であってよく、表面の一部に凹凸や曲面が存在していてもよい。無機薄膜付プラスチックフィルムは、プラスチックフィルム、本発明のアンダーコート剤からなる層、および無機薄膜からなる層を有する。プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。また、無機薄膜種としてはアルミニウム、金、銀、パラジウム、スズ等の金属や、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化チタン、酸化ケイ素等の金属酸化物が挙げられる。
【0043】
当該無機薄膜付プラスチックを製造する方法は特に限定されない。具体的には、例えば、本発明のコーティング剤を前記プラスチックフィルム基材に各種公知の方法で塗工し、通常80〜185℃程度において、10秒〜5分程度加熱処理し、アンダーコート層を硬化させた後、アンダーコート面に更に、各種公知の薄膜形成法により前記金属種を蒸着することにより得られる。塗工方法としては、スプレー、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ドットコーター等が挙げられる。また、塗工量も特に限定されないが、通常は乾燥固形分として0.01〜10g/m程度である。無機薄膜を形成する手段としては、各種の物理的方法(真空熱蒸着、スパッタリング等)、化学的方法(化学的気相反応等)が挙げられる。また、無機薄膜の厚みは通常5〜800nm程度である。なお、該無機薄膜付プラスチックフィルムのうち、5〜50nm程度アルミニウム層を有し、基材がポリエステルフィルムのものは、特にインモールド成形またはインサート成型用の加飾フィルム(転写箔ともいう)の部材として有用である。
【0044】
なお、本発明の無機薄膜付プラスチックは、その用途に応じて他の機能性層を有していてもよい。例えば本発明の無機薄膜付プラスチックフィルムをインモールド成形転写箔用途に供する場合には、プラスチックフィルム基材層とアンダーコート層との間に離型層、ハードコート層、ハードコート層用アンカー層、柄インキ層等を設けることができる。また、無機薄膜層の上には接着剤層を設けることもできる。
【実施例】
【0045】
以下、実施例及び比較例を通じて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらによって限定されるものではない。また、実施例中の「部」は重量基準を表す。また、ガラス転移温度は、市販の測定器具(製品名「DSC8230B」、理学電機(株)製)を用いて測定した値である。また、重量平均分子量は、市販のゲルパーミエーションクロマトグラフィー機器(製品名「HLC−8220GPC」、東ソー(株)製)を用いて測定した値である。また、図1〜5における顕微鏡写真は、市販の共焦点レーザー顕微鏡(製品名「VK−9500」、(株)キーエンス製)を用いて撮影したものである。
【0046】
製造例1
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応容器に、(a1)成分としてメタクリル酸メチル36部(約0.36モル)、およびメタクリル酸ブチル111.6部(約0.78モル)((a1)成分および(a2)成分の総計において約82.1モル%)、およびメタクリル酸2−ヒドロキシエチル32.4部(約0.25モル)((a1)成分および(a2)成分の総計において約17.9モル%)、ならびにメチルエチルケトン270部を仕込み、反応系を80℃に設定した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル0.9部を仕込み、80℃付近で5時間保温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル1.8部を仕込み、反応系を同温度付近において更に3時間保温した。その後反応系を室温まで冷却することにより、目的とするコポリマー(A−1)(以下、(A−1)成分という)の溶液を得た。(A−1)成分の原料種、ヒドロキシ基濃度、カルボキシル基濃度、ガラス転移温度及び重量平均分子量は表1に示す。
【0047】
製造例2〜25、比較製造例1〜3
使用するモノマーの種類及び使用量(モル%)を表1に示すように代えた他は製造例1と同様にして、コポリマー(A−2)〜(A−25)、および、比較用のコポリマー(イ)および(ロ)を製造した。これらのヒドロキシ基濃度、カルボキシル基濃度、ガラス転移温度及び重量平均分子量は表1に示す。なお、コポリマー(ハ)は、溶液が白濁していたため、その後の評価に供しなかった。
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
表1、2中、各記号の意味は以下の通りである。
MMA:メタクリル酸メチル
BMA:メタクリル酸n−ブチル
nBA:アクリル酸n−ブチル
St:スチレン
CHA:アクリル酸シクロヘキシル
IBOA:アクリル酸イソボルニル
DCPA:アクリル酸ジシクロペンタニル
2HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
2HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル
CHDMMA:2−ヒドロキシプロピオン酸4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル
4HBA:アクリル酸4−ヒドロキシブチル
HEAA:N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド
MAA:メタクリル酸
OH濃度:ヒドロキシ基濃度
COOH濃度:カルボキシル基濃度
Tg:ガラス転移温度
Mw:重量平均分子量
【0051】
製造例26
製造例1と同様の反応容器に、トリレンジイソシアネートのヌレート体(製品名「コロネート2030」、イソシアネート基濃度3.8×10−3mol/g)を445.5部、1,6−ヘキサンジオールを5.0部、メチルエチルケトンを55.6部仕込み、60℃で3時間ウレタン化反応を実施した。その後室温に冷却することによって、変性トリレンジイソシアネートヌレート体(以下、「変性TDI」という。イソシアネート基濃度1.5×10−3mol/g)を得た。
【0052】
製造例27
製造例1と同様の反応容器に、前記コロネート2030を445.5部、水を0.75部、メチルエチルケトンを25.2部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを25.2部仕込み、60℃で3時間ウレタン化反応を実施した。その後室温に冷却することによって、変性トリレンジイソシアネートヌレート体(以下、「変性TDI−2」という。イソシアネート基濃度1.5×10−3mol/g)を得た。
【0053】
実施例1〜25
表3で示す(A)成分、(B)成分および混合比により、アンダーコート剤を調製した。その際、希釈溶剤としてメチルエチルケトンを用い、固形分濃度を15重量%に調製した(以下、同様)。
【0054】
実施例26〜38
表4で示す(A)成分、(B)成分および混合比により、アンダーコート剤を調製した。
【0055】
実施例39〜59
表5で示す(A)成分、(B)成分および混合比により、アンダーコート剤を調製した。
【0056】
実施例60、61
表6で示す(A)成分、(B)成分および混合比により、アンダーコート剤を調製した。
【0057】
比較例1〜10
表7で示す(A)成分、(B)成分および混合比により、アンダーコート剤を調製した。
【0058】
比較例11〜32
表8で示す(A)成分、(B)成分および混合比により、アンダーコート剤を調製した。
【0059】
<試験フィルムの作製>
市販のポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「E5100」、東洋紡績(株)製、16μm厚)に、実施例1に係るアンダーコート剤を、バーコーターにて、乾燥膜厚が1μとなるように塗工した。次いで、得られた塗工フィルムを、循風乾燥機にて硬化処理した(150℃、60秒間秒間)。次いで当該塗工フィルムを市販の蒸着装置(製品名「NS−1875−Z」、西山製作所(株)製)を使用し、蒸着層の厚が50nmであるアルミニウム蒸着フィルムを得た。これを実施例1の試験フィルムとして用いた。他の実施例及び比較例のアンダーコート剤についても同様にして試験フィルムを作製した。
【0060】
(硬化処理後の外観)
各試験フィルムについてアルミニウム蒸着面を目視観察したところ、光沢面に曇りや白化部分は認められなかった。(各表において5と示した。)
【0061】
(密着性)
各試験フィルムについてアルミニウム蒸着面に粘着テープ(製品名「セロテープ(登録商標)」、ニチバン(株)製)を貼り付け、を垂直方向にいきおい良く引き剥がしたがアルミニウム面は剥がれなかった。(各表において5と示した。)
【0062】
(耐白化性)
各実施例及び比較例の試験フィルムの白化状態を以下の規準で目視評価した。
5…アルミニウム面に白化が生じていない
4…アルミニウム面に部分的に白化が生じている
3…アルミニウム面の全体に白化が僅かに生じている
2…アルミニウム面の全体に白化や干渉縞が強く生じている。
1…アルミニウム面の全体に白化や干渉縞がより強く生じている。
【0063】
(耐クラック性)
市販アクリルパネル(製品名「コモグラス」、(株)クラレ製、5cm×5cm×1mm)に、実施例1のアンダーコート剤を乾燥膜厚が1μとなるようバーコーターで塗工し、順風乾燥機で硬化処理することで(150℃で60秒間)、耐クラック性試験用のテストパネルを作製した。また、他の実施例及び比較例のアンダーコート剤についても同様にしてテストパネルを作製した。
一方、アルミニウム板(15cm×5cm×1mm)を真中で60°に折り曲げて、前記テストパネル用の折り曲げ器具を作製した。ついで、当該器具を順風乾燥機(250℃)内で加熱し、当該器具の折り曲げ辺上に実施例1の前記テストパネルをアクリルパネル側から約3秒間押し当て、約80°に折り曲げた。その後、当該折り曲げ部位におけるアルミ蒸着層の状態を以下の規準で目視評価した。他の実施例及び比較例のテストパネルについても同様にして目視評価した。
【0064】
5…アルミ蒸着部位に割れや剥がれがなく、かつ、曇り及び干渉縞も認められない
4…アルミ蒸着部位に割れや剥がれがなく、かつ、曇りが僅かに認められ、かつ、干渉縞は認められない
3…アルミ蒸着部位に割れや剥がれがなく、かつ、曇りや干渉縞が僅かに認められる
2…アルミ蒸着部位に細かい割れや剥がれが認められ、かつ、曇りや干渉縞が強く認められる
1…アルミ蒸着部位に大きな割れや剥がれが認められ、かつ、曇りや干渉縞が強く認められる
【0065】
なお、本試験では、厚手のアクリルパネルを使用することにより、高温下、パネルの曲げ方向にアンダーコート面(層)が過度に引き伸ばされる結果、アルミニウム蒸着層にクラックがより生じ易い状況となる。こうした過酷な試験は、主にインモールド射出成形の実機を意図してなされたものである。
【0066】
【表3】

【0067】
【表4】

【0068】
【表5】

【0069】
【表6】

【0070】
【表7】

【0071】
【表8】

【0072】
実施例62
表9に示す(A)成分、(B)成分および混合比によりアンダーコート剤を調製した。次いで、当該アンダーコート剤を用い、前記同様の方法で塗工フィルムを作製した。次いで、前記蒸着装置により、蒸着層の厚が50nmであるスズ蒸着フィルムを得た。次いで、前記同様の方法により、硬化処理後のフィルム外観、耐白化性及び耐クラック性を評価した。結果を表9に示す。
【0073】
【表9】

【0074】
表3〜9中、(B)成分における各記号は以下の意味である。
C−2030 :製品名「コロネート2030」の略号、日本ポリウレタン(株)製、トリレンジイソシアネートのヌレート体(イソシアネート基濃度3.8×10−3mol/g)
V−T1890:製品名「VESTANT T1890E」の略号、degussa(株)製、イソホロンジイソシアネートのヌレート体(イソシアネート基濃度4.0×10−3mol/g)
C−HX:製品名「コロネートHX」の略号、日本ポリウレタン(株)製、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体(イソシアネート基濃度5.0×10−3mol/g)
D−103M2:製品名「タケネートD−103M2」の略号、三井化学ポリウレタン(株)製、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの3:1付加物(イソシアネート基濃度3.8×10−3mol/g)
MH−G80B:製品名「デュラネートMHG−80B」の略号、旭化成ケミカルズ(株)製、ヘキサメチレンジイソシアネート系の6官能ポリイソシアネート(イソシアネート基濃度4.4×10−3mol/g)
変性TDI−1:製造例26の変性トリレンジイソシアネートヌレート体
変性TDI−2:製造例27の変性トリレンジイソシアネートヌレート体
IPDI:イソホロンジイソシアネート(イソシアネート基濃度9×10−3mol/g)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるモノマー類(a1)および下記一般式(2)で表されるモノマー類(a2)が反応してなり、かつ、ヒドロキシ基濃度(mol/g)が0.001〜0.005であるコポリマー(A)、ならびに、分子中にイソシアネート基を少なくとも3つ有するポリイソシアネート類(B)を含有してなる、無機薄膜付プラスチック用アンダーコート剤。
CH=C(R)−[−(C=O)−O−]−X・・・(1)
(式(1)中、Rは水素またはメチル基を、mは0または1を、Xはヒドロキシ基を有さないアルキル基、ヒドロキシ基を有さないフェニル基、またはヒドロキシ基を有さないベンジル基を示す。)
CH=C(R)−[−(C=O)−Y−]−Y・・・(2)
(式(2)中、Rは水素またはメチル基を、Yは酸素または2級アミノ基(−NH−)を、nは0または1を、Yはヒドロキシ基を有するアルキル基、ヒドロキシ基を有するフェニル基、またはヒドロキシ基を有するベンジル基を示す。)
【請求項2】
(A)成分が、さらに下記一般式(3)で表されるモノマー類(a3)を反応応させてなるものである、請求項1のアンダーコート剤。
CH=C(R)−(CH−COOH・・・(3)
(式(3)中、Rは水素またはメチル基を、pは0〜3の整数を示す。)
【請求項3】
(A)成分のカルボキシル基濃度(mol/g)が0.0001〜0.0035である請求項2のアンダーコート剤。
【請求項4】
ポリイソシアネート類(B)のイソシアネート基濃度(mol/g)が0.001〜0.01である、請求項1〜3のいずれかのアンダーコート剤。
【請求項5】
ポリイソシアネート類(B)が下記一般式(4)で表されるジイソシアネートヌレート体(B−1)
【化1】

(式(4)中、Rは、芳香族ジイソシアネート残基、脂肪族ジイソシアネート残基、および脂環式ジイソシアネート残基のいずれかを表す。)、
下記一般式(5)で表されるジイソシアネートアダクト体(B−2)
【化2】

(式(5)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基またはOCN−R−HN−C(=O)−O−CH−で示される官能基を表す。また、Rは、芳香族ジイソシアネート残基、脂肪族ジイソシアネート残基、および脂環式ジイソシアネート残基のいずれかを表す。)、
ならびに、
該(B−1)成分および/または(B−2)成分と、分子内にイソシアネート基と反応可能な活性水素を二つ有する化合物との反応物である変性ポリイソシアネート(B−3)から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかのアンダーコート剤。
【請求項6】
(A)成分及び(B)成分を、〔(B)成分のイソシアネート基濃度(mol/g)×(B)成分の使用グラム(固形分換算)〕/〔(A)成分のヒドロキシ基濃度(mol/g)×(A)成分の使用グラム(固形分換算)〕が0.1〜10となる範囲で含有する、請求項1〜5のいずれかのアンダーコート剤。
【請求項7】
有機溶剤の溶液として使用する、請求項1〜6のいずれかのアンダーコート剤。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかのアンダーコート剤からなる層を有する、無機薄膜付プラスチック。
【請求項9】
無機薄膜層がアルミニウム層である、請求項8の無機薄膜付プラスチック。
【請求項10】
フィルム状である、請求項9の無機薄膜付プラスチック。
【請求項11】
請求項10の無機薄膜付プラスチックを部材とする、インモールド成型用加飾フィルム。
【請求項12】
請求項10の無機薄膜付プラスチックを部材とする、インサート成型用加飾フィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−132521(P2011−132521A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264150(P2010−264150)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000168414)荒川化学工業株式会社 (301)
【Fターム(参考)】