説明

無線アクセスネットワークシステム、遠隔監視装置、アンテナ角度制御方法、及びアンテナ角度制御プログラム

【課題】 通信品質の状態に基づいてアンテナの角度を遠隔調整する。
【解決手段】 信号を受信するアンテナを備える局外無線端末装置12と、局内無線端末装置13を備える基地局と、受信した信号の通信品質を示すBER(Bit Error Rate)値を計測するためのアンテナ角度を指定するアンテナ角度指定データを生成し、信号を受信するアンテナを備える基地局に送信するアンテナ角度指定手段402と、基地局から、アンテナ角度指定データに基づいて各角度で測定したBER値を受信し、受信したBER値に基づいてアンテナの角度を決定し、決定したアンテナの角度を基地局に送信するアンテナ角度決定手段404とを含む遠隔監視装置とを備える無線アクセスネットワークシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線アクセスネットワークシステムに関し、特に、通信品質の状態に基づいてアンテナの角度を遠隔調整する無線アクセスネットワークシステム、遠隔監視装置、アンテナ角度制御方法、及びアンテナ角度制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線アクセスネットワークにおけるデータ通信システムにおいて、データの送受信を行うパラボラアンテナ等のアンテナの角度の制御方式については、受信電界レベルを監視しながら調整するものが一般的である。
【0003】
受信電界レベルを監視しながらアンテナの角度を調整する方法は、電界レベルが高ければより良い品質を得る一般論的な因果関係から推測した調整方法であり、一般に、調整可能な範囲で電界レベルが最大となるようにアンテナの調整を行っていた。
【0004】
また、関連技術として、通信品質の低下を事前に検知し、通信経路の変更を行う技術が特許文献1に開示されている。
【0005】
特許文献1に開示の技術では、通信経路上に通信を遮蔽する物体が現れたことを検知し、通信の品質低下が起こる前にアンテナの送信/受信角度を変更することで、通信の品質低下を未然に防いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−171560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、受信電界レベルを監視する方法は、通信品質を示すBit Error Rate(以下、BERと称す)を監視するものではないため、他電波による電波干渉障害等は考慮できないという課題がある。
【0008】
受信電界レベルを監視する方法では、電波干渉問題で結果的に目標品質の目標BER値を確保できなくても、常に最大電界時の角度に調整していた。その結果、パラボラアンテナの角度調整後、目標通信品質が確保できないことが判明した場合は、アンテナの角度調整以外での対策(使用周波数の変更等)を行っていた。このため、角度調整で対策が可能であるかの検証することなく、安易な周波数変更、アンテナサイズの変更、特殊アンテナの採用等の多くの費用が発生する方策が行われていた。
【0009】
また、盆地の河川付近での電波伝播が必要となった場合、朝霧等のよるフェーディング対応が必要となるが、従来は最悪ケースを考慮した過剰アンテナサイズを選択していた。
【0010】
また、引用文献1に記載の技術は、通信品質を監視してアンテナを最適な角度に調整するものではなく、遮蔽物の有無を検知してアンテナの角度を調整し、その結果として通信品質の低下を防ぐものである。このため、当該方法をもって最適な通信品質を得ることはできず、また、受信電界レベルを監視する方法と同様に電波干渉障害等は考慮できないという課題がある。
【0011】
(発明の目的)
本発明の目的は、上述した課題を解決し、通信品質の状態に基づいてアンテナの角度を遠隔調整する無線アクセスネットワークシステム、遠隔監視装置、アンテナ制御方法、アンテナ制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の無線アクセスネットワークシステムは、信号を受信するアンテナを備える局外無線端末装置と、局内無線端末装置を備える基地局と、受信した信号の通信品質を示すBER(Bit Error Rate)値を計測するためのアンテナ角度を指定するアンテナ角度指定データを生成し、信号を受信するアンテナを備える基地局に送信するアンテナ角度指定手段と、基地局から、アンテナ角度指定データに基づいて各角度で測定したBER値を受信し、受信したBER値に基づいてアンテナの角度を決定し、決定したアンテナの角度を基地局に送信するアンテナ角度決定手段とを含む遠隔監視装置とを備える。
【0013】
本発明の第1の無線アクセスネットワークシステムのアンテナ角度制御方法は、アンテナを備える基地局と、遠隔監視装置とを含む無線アクセスネットワークシステムの基地局のアンテナの角度を制御するアンテナ角度制御方法であって、遠隔監視装置が、受信した信号の通信品質を示すBER(Bit Error Rate)値を計測するためのアンテナ角度を指定するアンテナ角度指定データを生成し、信号を受信するアンテナを備える基地局に送信するステップと、基地局から、アンテナ角度指定データに基づいて各角度で測定したBER値を受信し、受信したBER値に基づいてアンテナの角度を決定し、決定したアンテナの角度を基地局に送信するステップとを含む。
【0014】
本発明の第1のアンテナ角度制御プログラムは、アンテナを備える基地局と、遠隔監視装置とを含む無線アクセスネットワークシステム上で動作し、基地局のアンテナの角度を制御するアンテナ角度制御プログラムであって、遠隔監視装置に、受信した信号の通信品質を示すBER(Bit Error Rate)値を計測するためのアンテナ角度を指定するアンテナ角度指定データを生成し、信号を受信するアンテナを備える基地局に送信する処理と、基地局から、アンテナ角度指定データに基づいて各角度で測定したBER値を受信し、受信したBER値に基づいてアンテナの角度を決定し、決定したアンテナの角度を基地局に送信する処理とを、実行させる。
【0015】
本発明の第1の無線アクセスネットワークシステムの遠隔監視装置は、受信した信号の通信品質を示すBER(Bit Error Rate)値を計測するためのアンテナ角度を指定するアンテナ角度指定データを生成し、信号を受信するアンテナを備える基地局に送信するアンテナ角度指定手段と、基地局から、アンテナ角度指定データに基づいて各角度で測定したBER値を受信し、受信したBER値に基づいてアンテナの角度を決定し、決定したアンテナの角度を基地局に送信するアンテナ角度決定手段とを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通信品質の状態に基づいてアンテナの角度を遠隔調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態による無線アクセスネットワークシステム100の構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態による無線アクセスネットワークシステム100の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態による無線アクセスネットワークシステム100の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の遠隔監視装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0019】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については適宜省略してあり、図示されていない。
【0020】
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態による無線アクセスネットワークシステム100の構成を示す概要図及びブロック図である。
【0021】
図1、2を参照すると、本実施の形態による無線アクセスネットワークシステム100は、基地局Aと、基地局Bと、遠隔監視局とから構成されている。なお、図2については、アンテナ可動装置11及び21,パラボナアンテナ10及び20については図示を省略している。
【0022】
基地局Aは、局内無線端末装置13と、局外無線端末装置12と、アンテナ可動装置11と、パラボナアンテナ10と、を備える。
【0023】
局内無線端末装置13は、後述する遠隔監視装置(Network Management System(NMS))40又は局外無線装置141と通信を行う送受信手段131と、パラボラアンテナ10を介した基地局Bとの通信のBER値を計測するBER値計測手段132とを含む。
【0024】
局外無線装置12は、局内無線装置14及びアンテナ可動装置と通信を行う送受信手段121と、アンテナ可動装置11を駆動してパラボナアンテナ10の角度調整を行うアンテナ調整手段122とを含む。
【0025】
パラボラアンテナ10は、基地局Bのパラボナアンテナ20との間で通信を行う。
【0026】
基地局Bは、局内無線端末装置23と、局外無線端末装置22と、アンテナ可動装置21と、パラボナアンテナ20と、を備える。これらは、基地局Aの局内無線端末装置13、局外無線端末装置12、アンテナ可動装置11、パラボナアンテナ10と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0027】
遠隔監視装置40は、局内無線端末装置13及び23と、IP網50を介して通信を行う送受信手段401と、BER値を計測する角度を指定するアンテナ角度指定データを生成するアンテナ角度指定手段402と、各角度毎のBER値を記憶するBER値記憶手段403と、BER値に基づき最終的な角度を決定するアンテナ角度決定手段404と、を含む。
【0028】
アンテナ角度指定手段402は、上下方向(n段)、左右方向(m段)の、n×mの組み合わせからなるアンテナ角度指定データを生成する。
【0029】
アンテナ角度指定データは、上下方向(n段)、左右方向(m段)の、n×mの組み合わせからなる。1段は、アンテナ可動装置11、21の最小駆動単位であり、例えば、上2段、右3段とした場合、基準位置に対して6通りの組み合わせからなる角度制御データとなる。なお、n、mは自由に設定することができる。
【0030】
なお、基準位置は自由に設定可能である。
【0031】
アンテナ角度指定データは、BER値を計測する範囲を指定するもので、局内無線端末装置13、23は、該アンテナ角度指定データに基づく範囲について、BER値を計測する。
【0032】
また、アンテナ角度指定手段402は、局内無線端末装置13、23から、BER値の計測結果が送信されてくると、角度毎のBER値をBER値記憶手段403に記録する。また、計測日時、その他必要な情報を併せて記録しても良い。
【0033】
アンテナ角度決定手段404は、計測されたBER値に基づいて最終的に調整する角度を決定し、パラボナアンテナ10又は20の角度を該角度に調整する旨の要求を、局内無線端末装置13を介して局外無線端末装置12へ行う。
【0034】
(第1の実施の形態の動作の説明)
次に、本実施の形態による無線アクセスネットワークシステム100の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
図3は、本実施の形態による無線アクセスネットワークシステム100の動作を示すフローチャートである。
【0036】
なお、以下においては、基地局Aのパラボナアンテナ10を調整する場合について説明を行うが、基地局Bのパラボナアンテナ20について行う場合も同様である。
【0037】
図3を参照すると、まず、アンテナ角度指定手段402が、アンテナ角度指定データを生成する(ステップS301)。ここで指定される角度は、パラボナアンテナ10の基準位置からの所定範囲であり、該範囲は予め設定されているものとする。アンテナ可動装置11の可動範囲全てを指定することももちろん可能である。
【0038】
次いで、送受信手段401が、該アンテナ角度指定データを局内無線端末装置13へ送信する(ステップS302)。
【0039】
送受信手段131がアンテナ角度指定データを受け取ると、BER値計測手段132が、パラボナアンテナ10の角度をアンテナ角度指定データの所定の角度に調整する旨の信号(以下、角度調整信号と称す)を、送受信手段131を介して局外無線端末装置14に送信する(ステップS303)。
【0040】
送受信手段121が角度調整信号を受け取ると、アンテナ調整手段122が、該信号に基づいてパラボナアンテナ10の角度を調整する(ステップS304)
【0041】
次いで、BER値計測手段132が、調整された角度におけるBER値を計測する(ステップS305)。
【0042】
アンテナ角度指定データに複数の角度がある場合(角度パタンが複数ある場合)、ステップS303〜S305を繰り返す(ステップS306)。
【0043】
BER値計測手段132は、アンテナ角度指定データに含まれる全ての角度についてBER値を計測すると(ステップS306”YES”)、該計測結果を送受信手段131を介して遠隔監視装置40へ送信する(ステップS307)。計測結果には、アンテナの角度情報、日付、BER値を少なくとも含むものとするが、これに限定はされない。
【0044】
送受信手段401がBER値の計測結果を受信すると、BER値記憶手段403が、該計測結果を記録する(ステップS308)。
【0045】
次に、アンテナ角度決定手段404が、記録した計測結果の中から、通信品質が最もよい角度を抽出し、該角度にパラボナアンテナ10を調整する旨の要求を、局外無線端末装置12へ行う(ステップS309)。
【0046】
次いで、アンテナ調整手段122が、該要求に基づいてパラボナアンテナ10の角度を調整する(ステップS310)。
【0047】
(第1の実施の形態による効果)
次に本実施の形態の効果について説明する。
【0048】
本実施の形態によれば、通信品質を示すBER値を直接監視するため、他電波による電波干渉障害等も考慮した上で通信品質が最も良い角度にアンテナの角度を調整することができる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、遠隔地にある遠隔監視局でアンテナの角度調整の指示が出せるため、現場に出向くことなく角度調整可能である。このため、アンテナ調整作業員や地上局要員を派遣する必要がなく、コスト軽減に効果を奏する。
【0050】
また、受信電界値によるアンテナ角度調整では、電波干渉問題が発生した場合、角度調整に多大なる尽力が必要であるため、他の方法(周波数の変更)での対策を行うのが常であったのに対し、本実施の形態によれば、可動範囲(n×m)組合せ全てに関して、自動で通信品質データを取得できるため、角度調整で干渉問題を解決できるか否かの確認を、通信品質の監視と同時にできる。
【0051】
また、本実施の形態によれば、盆地の河川付近での電波伝播が必要となったような場合、朝霧等のよるフェーディング対応として、朝霧発生の情報を手動/自動入手した時、あらかじめ対策として決めていた角度調整(n×m)にアンテナを調整し、フェーディングによる通信品質(BER値)を改善することが可能である。
【0052】
また、本実施の形態によれば、定期的な時刻、季節に発生するフェーディング時に於ける、最も影響を受けにくい角度を数値にて記憶させ、その数値を利用して、時刻、季節に合わせて最適な角度調整を瞬時に行うことも可能である。このため、アンテナ寸法を最小化できる。その理由は、これまではアンテナは固定角度で通信品質を計算していたが、アンテナ角度の変動により最悪条件を緩和できるからである。
【0053】
これらは、アンテナ角度決定手段404が、所定のフェーディング情報が入力されると、これに対応する、予め設定された所定の角度にパラボナアンテナ10又は20を変更することにより実現できる。
【0054】
なお、本実施の形態では、データの送受信を行う基地局Aと基地局Bの双方に、同様の機能を持たせているが、基地局Aまたは基地局Bのどちらか一方に上述した機能を持たせる構成としても良い。
【0055】
また、送受信手段121、131、221、231、401と、BER値記憶手段403は既存の技術を用いて実現し、アンテナ調整手段122(222)、BER値計測手段132(232)、アンテナ角度指定手段402、アンテナ角度決定手段404の最小限の構成によっても、上述の課題を解決できる。
【0056】
次に、本発明の遠隔監視装置40のハードウェア構成例について、図4を参照して説明する。図4は、遠隔監視装置40のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0057】
図4を参照すると、遠隔監視装置40は、一般的なコンピュータ装置と同様のハードウェア構成であり、CPU(Central Processing Unit)801、RAM(Random Access Memory)等のメモリからなる、データの作業領域やデータの一時退避領域に用いられる主記憶部802、ネットワークを介してデータの送受信を行う通信部803、入力装置805や出力装置806及び記憶装置807と接続してデータの送受信を行う入出力インタフェース部804、上記各構成要素を相互に接続するシステムバス808を備えている。記憶装置807は、例えば、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリから構成されるハードディスク装置等で実現される。
【0058】
本発明の遠隔監視装置40のアンテナ角度指定手段402、アンテナ角度決定手段403は、プログラムを組み込んだ、LSI(Large Scale Integration)等のハードウェア部品である回路部品を実装することにより、その動作をハードウェア的に実現することは勿論として、その機能を提供するプログラムを、記憶装置807に格納し、そのプログラムを主記憶部802にロードしてCPU801で実行することにより、ソフトウェア的に実現することも可能である。
【0059】
以上好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも、上記実施の形態に限定されるものでなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0060】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0061】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0062】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の方法およびコンピュータプログラムを実施する時には、その複数の手順の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0063】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【0064】
さらに、上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これに限定されない。
【0065】
(付記1)
信号を受信するアンテナを備える局外無線端末装置と、局内無線端末装置を備える基地局と、
受信した信号の通信品質を示すBER(Bit Error Rate)値を計測するためのアンテナ角度を指定するアンテナ角度指定データを生成し、信号を受信するアンテナを備える基地局に送信するアンテナ角度指定手段と、前記基地局から、前記アンテナ角度指定データに基づいて各角度で測定した前記BER値を受信し、受信した前記BER値に基づいて前記アンテナの角度を決定し、決定した前記アンテナの角度を前記基地局に送信するアンテナ角度決定手段とを含む遠隔監視装置とを備える
ことを特徴とする無線アクセスネットワークシステム。
【0066】
(付記2)
前記基地局の局外無線端末装置が、前記アンテナの角度を調整するアンテナ調整手段を含み、
前記基地局の前記局内無線端末装置が、前記遠隔監視装置からの前記アンテナ角度指定データに含まれる各角度毎に、前記アンテナの角度調整を前記アンテナ調整手段に要求すると共に、調整した角度において受信した信号のBER値を計測して前記アンテナ角度決定手段に送るBER値計測手段と含むとを備えることを特徴とする付記1に記載の無線アクセスネットワークシステム。
【0067】
(付記3)
前記アンテナ角度決定手段が、
受信した前記BER値が最も低い角度を、前記アンテナの角度として決定することを特徴とする付記1又は付記2に記載の無線アクセスネットワークシステム。
【0068】
(付記4)
前記遠隔監視装置に、電波の受信レベルが変動する現象であるフェーディングについての所定の情報が入力されると、
前記アンテナ角度決定手段が、
前記フェーディングに対し予め設定された所定の角度から、入力された前記所定の情報に対応する角度を選択し、選択した前記アンテナの角度を前記基地局に送信することを特徴とする付記1から付記3の何れか1項に記載の無線アクセスネットワークシステム。
【0069】
(付記5)
アンテナを備える基地局と、遠隔監視装置とを含む無線アクセスネットワークシステムの前記基地局のアンテナの角度を制御するアンテナ角度制御方法であって、
前記遠隔監視装置が、
受信した信号の通信品質を示すBER(Bit Error Rate)値を計測するためのアンテナ角度を指定するアンテナ角度指定データを生成し、信号を受信するアンテナを備える基地局に送信するステップと、
前記基地局から、前記アンテナ角度指定データに基づいて各角度で測定した前記BER値を受信し、受信した前記BER値に基づいて前記アンテナの角度を決定し、決定した前記アンテナの角度を前記基地局に送信するステップと
を含むことを特徴とする無線アクセスネットワークシステムのアンテナ角度制御方法。
【0070】
(付記6)
前記基地局が、
前記遠隔監視装置からの前記アンテナ角度指定データに含まれる各角度毎に、前記アンテナの角度を調整し、調整した角度において受信した信号のBER値を計測して前記遠隔監視装置に送信し、
前記遠隔監視装置から受信した決定した前記アンテナの角度に基づいて前記アンテナの向きを調整することを特徴とする付記5に記載の無線アクセスネットワークシステムのアンテナ角度制御方法。
【0071】
(付記7)
前記遠隔監視装置が、
受信した前記BER値が最も低い角度を、前記アンテナの角度として決定することを特徴とする付記5又は付記6に記載の無線アクセスネットワークシステム。
【0072】
(付記8)
前記遠隔監視装置が、
電波の受信レベルが変動する現象であるフェーディングについての所定の情報が入力されると、前記フェーディングに対し予め設定された所定の角度から、入力された前記所定の情報に対応する角度を選択し、選択した前記アンテナの角度を前記基地局に送信することを特徴とする付記5から付記7の何れか1項に記載の無線アクセスネットワークシステム。
【0073】
(付記9)
アンテナを備える基地局と、遠隔監視装置とを含む無線アクセスネットワークシステム上で動作し、前記基地局のアンテナの角度を制御するアンテナ角度制御プログラムであって、
前記遠隔監視装置に、
受信した信号の通信品質を示すBER(Bit Error Rate)値を計測するためのアンテナ角度を指定するアンテナ角度指定データを生成し、信号を受信するアンテナを備える基地局に送信する処理と、
前記基地局から、前記アンテナ角度指定データに基づいて各角度で測定した前記BER値を受信し、受信した前記BER値に基づいて前記アンテナの角度を決定し、決定した前記アンテナの角度を前記基地局に送信する処理とを、実行させる
ことを特徴とするアンテナ角度制御プログラム。
【0074】
(付記10)
前記基地局に、
前記遠隔監視装置からの前記アンテナ角度指定データに含まれる各角度毎に、前記アンテナの角度を調整し、調整した角度において受信した信号のBER値を計測して前記遠隔監視装置に送信する処理と、
前記遠隔監視装置から受信した決定した前記アンテナの角度に基づいて前記アンテナの向きを調整する処理とを、実行させる
ことを特徴とする付記9に記載の無線アクセスネットワークシステムのアンテナ角度制御プログラム。
【0075】
(付記11)
前記遠隔監視装置に、
受信した前記BER値が最も低い角度を、前記アンテナの角度として決定する処理を実行させることを特徴とする付記9又は付記10に記載の無線アクセスネットワークシステム。
【0076】
(付記12)
前記遠隔監視装置に、
電波の受信レベルが変動する現象であるフェーディングについての所定の情報が入力されると、前記フェーディングに対し予め設定された所定の角度から、入力された前記所定の情報に対応する角度を選択し、選択した前記アンテナの角度を前記基地局に送信する処理を実行させることを特徴とする付記9から付記11の何れか1項に記載の無線アクセスネットワークシステム。
【0077】
(付記13)
受信した信号の通信品質を示すBER(Bit Error Rate)値を計測するためのアンテナ角度を指定するアンテナ角度指定データを生成し、信号を受信するアンテナを備える基地局に送信するアンテナ角度指定手段と、
前記基地局から、前記アンテナ角度指定データに基づいて各角度で測定した前記BER値を受信し、受信した前記BER値に基づいて前記アンテナの角度を決定し、決定した前記アンテナの角度を前記基地局に送信するアンテナ角度決定手段とを備える
ことを特徴とする無線アクセスネットワークシステムの遠隔監視装置。
【符号の説明】
【0078】
100:無線アクセスネットワークシステム
10、20:パラボナアンテナ
11、21:アンテナ可動装置
12、22:局外無線端末装置
13、23:局内無線端末装置
30:IP網
40:遠隔監視装置
121、221、131、231、401:送受信手段
122、222:アンテナ調整手段
132、232:BER値計測手段
402:アンテナ角度指定手段
403:BER値記憶手段
801:CPU
802:主記憶部
803:通信部
804:入出力インタフェース部
805:入力装置
806:出力装置
807:記憶装置
808:システムバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を受信するアンテナを備える局外無線端末装置と、局内無線端末装置を備える基地局と、
受信した信号の通信品質を示すBER(Bit Error Rate)値を計測するためのアンテナ角度を指定するアンテナ角度指定データを生成し、信号を受信するアンテナを備える基地局に送信するアンテナ角度指定手段と、前記基地局から、前記アンテナ角度指定データに基づいて各角度で測定した前記BER値を受信し、受信した前記BER値に基づいて前記アンテナの角度を決定し、決定した前記アンテナの角度を前記基地局に送信するアンテナ角度決定手段とを含む遠隔監視装置とを備える
ことを特徴とする無線アクセスネットワークシステム。
【請求項2】
前記基地局の局外無線端末装置が、前記アンテナの角度を調整するアンテナ調整手段を含み、
前記基地局の前記局内無線端末装置が、前記遠隔監視装置からの前記アンテナ角度指定データに含まれる各角度毎に、前記アンテナの角度調整を前記アンテナ調整手段に要求すると共に、調整した角度において受信した信号のBER値を計測して前記アンテナ角度決定手段に送るBER値計測手段と含むとを備えることを特徴とする請求項1に記載の無線アクセスネットワークシステム。
【請求項3】
前記遠隔監視装置に、電波の受信レベルが変動する現象であるフェーディングについての所定の情報が入力されると、
前記アンテナ角度決定手段が、
前記フェーディングに対し予め設定された所定の角度から、入力された前記所定の情報に対応する角度を選択し、選択した前記アンテナの角度を前記基地局に送信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線アクセスネットワークシステム。
【請求項4】
アンテナを備える基地局と、遠隔監視装置とを含む無線アクセスネットワークシステムの前記基地局のアンテナの角度を制御するアンテナ角度制御方法であって、
前記遠隔監視装置が、
受信した信号の通信品質を示すBER(Bit Error Rate)値を計測するためのアンテナ角度を指定するアンテナ角度指定データを生成し、信号を受信するアンテナを備える基地局に送信するステップと、
前記基地局から、前記アンテナ角度指定データに基づいて各角度で測定した前記BER値を受信し、受信した前記BER値に基づいて前記アンテナの角度を決定し、決定した前記アンテナの角度を前記基地局に送信するステップと
を含むことを特徴とする無線アクセスネットワークシステムのアンテナ角度制御方法。
【請求項5】
前記基地局が、
前記遠隔監視装置からの前記アンテナ角度指定データに含まれる各角度毎に、前記アンテナの角度を調整し、調整した角度において受信した信号のBER値を計測して前記遠隔監視装置に送信し、
前記遠隔監視装置から受信した決定した前記アンテナの角度に基づいて前記アンテナの向きを調整することを特徴とする請求項4に記載の無線アクセスネットワークシステムのアンテナ角度制御方法。
【請求項6】
前記遠隔監視装置が、
電波の受信レベルが変動する現象であるフェーディングについての所定の情報が入力されると、前記フェーディングに対し予め設定された所定の角度から、入力された前記所定の情報に対応する角度を選択し、選択した前記アンテナの角度を前記基地局に送信することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の無線アクセスネットワークシステム。
【請求項7】
アンテナを備える基地局と、遠隔監視装置とを含む無線アクセスネットワークシステム上で動作し、前記基地局のアンテナの角度を制御するアンテナ角度制御プログラムであって、
前記遠隔監視装置に、
受信した信号の通信品質を示すBER(Bit Error Rate)値を計測するためのアンテナ角度を指定するアンテナ角度指定データを生成し、信号を受信するアンテナを備える基地局に送信する処理と、
前記基地局から、前記アンテナ角度指定データに基づいて各角度で測定した前記BER値を受信し、受信した前記BER値に基づいて前記アンテナの角度を決定し、決定した前記アンテナの角度を前記基地局に送信する処理とを、実行させる
ことを特徴とするアンテナ角度制御プログラム。
【請求項8】
前記基地局に、
前記遠隔監視装置からの前記アンテナ角度指定データに含まれる各角度毎に、前記アンテナの角度を調整し、調整した角度において受信した信号のBER値を計測して前記遠隔監視装置に送信する処理と、
前記遠隔監視装置から受信した決定した前記アンテナの角度に基づいて前記アンテナの向きを調整する処理とを、実行させる
ことを特徴とする請求項7に記載の無線アクセスネットワークシステムのアンテナ角度制御プログラム。
【請求項9】
前記遠隔監視装置に、
電波の受信レベルが変動する現象であるフェーディングについての所定の情報が入力されると、前記フェーディングに対し予め設定された所定の角度から、入力された前記所定の情報に対応する角度を選択し、選択した前記アンテナの角度を前記基地局に送信する処理を実行させることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の無線アクセスネットワークシステム。
【請求項10】
受信した信号の通信品質を示すBER(Bit Error Rate)値を計測するためのアンテナ角度を指定するアンテナ角度指定データを生成し、信号を受信するアンテナを備える基地局に送信するアンテナ角度指定手段と、
前記基地局から、前記アンテナ角度指定データに基づいて各角度で測定した前記BER値を受信し、受信した前記BER値に基づいて前記アンテナの角度を決定し、決定した前記アンテナの角度を前記基地局に送信するアンテナ角度決定手段とを備える
ことを特徴とする無線アクセスネットワークシステムの遠隔監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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