説明

無線アクセスベアラの圧縮およびIuRAB設定の再構築方法

【課題】Iu RABの設定を圧縮する方法を提供する。
【解決手段】方法は、それぞれの設定を第1の部分と第2の部分とに分割することから構成され、第1の部分は複数の設定に共通な固定部分から構成され、第2の部分は可変部分から構成され、当該方法はそれに加えてIu RAB識別子の割り当てを通して固定部分を圧縮するステップを含む。さらに、そのように圧縮されたIu RABデータのモバイル無線通信ネットワークを介した転送を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線アクセスベアラ(Radio Access Bearer, RAB)の圧縮およびそのようなIu RAB設定(設定情報)を再構築する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Iu RAB設定のような無線アクセスベアラのインタフェースの設定は、共通して、移動機(User Equipment, UE)およびモバイル無線通信システムの地上無線接続網(Universal Terrestrial Radio Network, UTRAN)間で転送されるシグナリング情報(signaling information)の一部を形成する。
【0003】
モバイルデバイスの呼設定時間(call set-up times)を向上させる試みにおいて、また、特にIDLE状態からの呼設定時間(call set-up times)を向上させるためには、必要となるデータの大部分が最大2.4KオクテットであるIu RABの設定データから構成されることが見出せる。その必要となるデータは移動機に取り込まれなければならず、そして、上り(uplink)チャンネルを使用して訂正してから供給されることもある。
【0004】
そのような設定を圧縮することは、それゆえ、無線インタフェースのシグナリングの効率、および、特に、比較的高速な呼設定時間の提供の支援において特に有利であることを立証するであろう。
【0005】
そのような高速な呼設定時間を提供する提案が、本出願人が2006年1月9日に出願したイギリス特許出願0600330.5号明細書に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、それゆえ、Iu RAB設定の圧縮方法、および、そのように圧縮された設定を再構築する方法、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係る無線アクセスベアラパラメータのセットを圧縮する方法は、無線アクセスベアラのパラメータのセットを第1および第2の部分に分割することから構成され、第1の部分は複数のセットに共通な固定された部分(パラメータ固定部)から構成され、第2の部分は可変な部分(パラメータ可変部)から構成され、それに加えて当該方法は、無線アクセスベアラ識別子の割り当てを通して固定された部分を圧縮するステップを含む、ことを特徴とする。
【0008】
下記に詳細に議論され、理解されるであろうが、さまざまな値を取りえ、また、最大データレートの要求に基づいている少数のパラメータを除いて、ネットワークオペレータは、それぞれの通信システムでサポートしているRABの一部しか使用しないという事実と、そのRABは公衆陸上移動通信網(Public Land Mobile Network, PLMN)のそれぞれの加入者(party)で同じ物であり共通して使われる事実と、を利用するように構成される。
【0009】
Iu RAB設定が固定、すなわち共通の部分と、可変の部分とに分割することにより、PLMN(公衆陸上移動通信網)内のRABに関連づけられた値の割り当てを通して特に有利な方法で固定部分を圧縮することで、設定全体を有利に圧縮することが可能になる。
【0010】
たとえば、UE(移動機)とUTRAN(地上無線接続網)との間での転送に利用されるデータのサイズは、最大限で2〜3オクテットのオーダーであり、可変とみなされ、ネットワークの特定の加入者(subscriber)と関連づけられた任意のパラメータがさらに加わる。
【0011】
それゆえ有利に、RAB識別子はPLMN(公衆陸上移動通信網)内でRABに関連づけられている。
【0012】
好ましくは、そのような割り当ては、ネットワーク内の運用および管理手続により達成される。
【0013】
さらなる利点として、設定の可変な部分は、設定の可変なパラメータである。
【0014】
Iu RAB設定の圧縮のための有利な構成は、同様に、その設定の蓄積および転送に関連して有利に用いられる。
【0015】
本発明は、すなわち、ユーザ装置と、それをもって関連付けられたモバイル無線通信ネットワークと、の間で無線アクセスベアラのパラメータのセットを転送し、無線アクセスベアラセットを圧縮することを含む方法も提供する。
【0016】
そのような転送のシグナリングペイロード(pay load)は、効率的なデータ転送を達成し、次に、有利に高速な呼設定時間を達成するために、それから、有利に制限される。
【0017】
Iu RAB設定を転送することは、有利に、PLMN(公衆陸上移動通信網)内のUTRAN(地上無線接続網)/コアネットワーク(Core Network, CN)のペア毎のためのIu RAB設定のセットを割り当てることを備えてもよい。
【0018】
Iu RAB設定のそのようなそれぞれのセットは、RAB識別子のサブセットを有利に割り当てられることができる。
【0019】
特に、Iu RAB設定のRAB識別子および可変パラメータは、要求に応じて、UTRAN(地上無線接続網)へ転送するために、UE(移動機)内に蓄えられるように構成される。
【0020】
上述したように、Iu RAB設定の転送方法は、移動機の呼設定手続の一部を形成することができる。
【0021】
本発明は、また、転送から受信したときに以前に開放されたネットワーク中の無線アクセスベアラを再確立し、蓄積された無線アクセスベアラ設定を前記無線アクセスベアラ識別子によって参照するステップを含む方法を提供する。
【0022】
もちろん、Iu RAB設定がネットワークオペレータによって有利に行われることは理解されるべきである。
【0023】
さらに、Iu RAB設定の再接続は、運用および管理手続を通して達成される。
【0024】
上記から理解されるように、本発明を利用することにより、Iu RABの設定データのサイズを、高速な呼確立時間を容易に可能とするくらいのデータサイズにまで小さくすることが可能となる。そのような高速な呼確立時間は、上述のイギリス特許出願にしたがって模索されたものである。
【0025】
本発明は、Iu RABシグナリングデータの圧縮を提案し、また、それは特別に有利な方法で達成される。
【0026】
また、本発明は、例示の目的で以下にさらに記載され、当該例示において、ネットワークオペレータが、PLMN(公衆陸上移動通信網)内の2つの異なったCN/UTRAN(コアネットワーク/地上無線接続網)のペアのためのシステムを設定するための構成を説明する。
【0027】
さらに以下に説明されるように、本発明は、比較的高速な呼設定時間が求められるとき、UE(移動機)とUTRAN(地上無線接続網)との間のデータ転送量を特に減らす場合に、特に、また有利に、採用される。
【0028】
そのような2.4Kオクテットのデータの大部分は、Iu RAB設定から構成され、この設定の圧縮が、無線インタフェースのシグナリングオーバーヘッドを有利に軽減し、その結果、キャスト(cast)呼設定時間へと導く、ことが認識された。
【0029】
本発明は、ネットワークオペレータがシステムにおいてRABのサブセットを配置するだけであるという事実を利用する。たとえば、“インタラクティブ”および“バックグラウンド”の設定のRABは、基本的に、PLMN(公衆陸上移動通信網)の全ての相手に共通であって、この設定において変化してもよいパラメータの数は非常に少ない。
【0030】
以下の記載から明らかなように、そのような可変なパラメータは、優先度、プリエンプション(pre-emption)、保証ビットレート、保証遅延、最小ビットレート、BLER(Block Error)、およびQoS(Quality of Service)クラスすなわちストリーミング、対話形式(conversational)、バックグラウンドまたはインタラクティブであるかどうか、の観点から構成される。
【0031】
上記で定義されたように、UTRAN(地上無線接続網)に転送されるIu RAB設定は、それゆえ有利に固定部分と可変部分とに分けることができ、固定部分はPLMN(公衆陸上移動通信網)内のRABに関連する値の割り当てによって、標準の運用および維持手順を通して圧縮される。
【0032】
この値のサイズは、オペレータによって有利に計算されることができるが、関連するPLMN(公衆陸上移動通信網)内で特別なオペレータが支援する多くのRABにある程度は依存するであろうことは注意すべきである。
【0033】
この圧縮案は、有利に、2.4Kオクテットの値を、1オクテットの範囲内に減らして、可変とみなされ加入者に関連づけられる任意のパラメータを加える。
【0034】
本発明は、Iu RABシグナリングデータを圧縮し、それからそのデータを、Uuインタフェースを介してUE(移動機)から無線ネットワークシステム(Radio Network System, RNS)転送する案を最初に提案することにおいて有利である。
【0035】
本発明はIuおよびネットワークインタフェース上のシグナリング負荷を減らすために、ネットワークシグナリングにも適用できることは、また、もちろん理解されるべきである。
【0036】
本発明を利用し効果的に運用するために、ある設定がそれぞれのUTRAN/CNの組(製品ごとのペア)に割り当てられるような、Iu RABの設定の集まりをそのPLMN(公衆陸上移動通信網)に配置する必要がネットワークオペレータにはある。
【0037】
たとえば、もしネットワークオペレータが2つのCN(コアネットワーク)、および3つのUTRAN(地上無線接続網)供給者を有しているならば、オペレータは圧縮されたIu RAB設定の6つのセットを割り当てなければならないかもしれない。重要なことに、Iu RAB設定のそれぞれのセットは、それぞれのセット内の特別なRABを認識するために、RAB識別子のサブセットを割り当てられる。
【0038】
そのようなシナリオにおいて、それは、Iu RABに関連する可変なパラメータを加えたこのRAB識別子であって、当該識別子は、移動機にあるストレージのために、また、UE(移動機)とUTRAN(地上無線接続網)との間で試みられた高速な呼設定の間に上りチャンネルから次の供給を受けるために、当該移動機に転送される。
【0039】
それゆえ、移動機が、試みられた高速な呼設定手順の一部として圧縮されたIu RABデータを結果的に返すとき、ネットワークは、保持され、また、運用および管理手続によってオペレータにより維持されるRAB設定を正確に参照するために、RAB識別子を用いることで、RAB識別子に基づいたIu RABデータをすぐに再構築することができる。
【0040】
移動機が同一のPLMN(公衆陸上移動通信網)上の異なったUTRAN/CN(地上無線接続網/コアネットワーク)ペアとの交信を再確立するよう求めているかもしれない状況において、新たなUTRAN/CNペアは、前のUTRAN/CNペアのRAB識別子が新たなUTRAN/CNペアによりサポートされているRAB識別子に対して相互作用することを通して、元のIu RAB設定を再構築するように構成することができる。
【0041】
これらのRAB識別子からのマッピングは、ネットワークオペレータにより管理されているテーブルによって有利にコントロールされることができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、Iu RAB設定の圧縮方法、および、同様にそのように圧縮された設定を再構築する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1のUTRAN/CNペアのためのテーブルである。
【図2】優先度を実装していない第2のUTRAN/CNペアのためのテーブルである。
【図3】第2のCN/UTRANが適用するマッピングルールである。
【図4】第1のCN/UTRANが適用するマッピングルールである。
【図5】PLMNの一例である。
【図6】3GPPの仕様にしたがって、UE、RNCおよびSGSN間でやりとりされるシグナリングメッセージを示す図である。
【図7】RNCがUEに対して送るデータの流れを示す図である。
【図8】再接続される際のセットアップ手順を示す図である。
【図9】UEの構成図である。
【図10】SGSNの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下の例は、システムのPLMN(公衆陸上移動通信網)における2つの異なったCN/UTRAN(コアネットワーク/地上無線接続網)ペアのための該システムをネットワークオペレータが設定する方法を示したものである。
【0045】
異なったUTRANの間において、いくつかの細かいサポートの変化を必要とするかもしれない。
【0046】
図1は、第1のUTRAN/CNペアのためのテーブルを示したものである。このUTRAN/CNペアは優先度が実装されているがWB AMR(Wideband Adaptive multi-rate)のサポートは実装されていないもののためのテーブルを示したものである。
【0047】
図2は、優先度が実装されていない第2のUTRAN/CNペアのためのテーブルを示したものである。
【0048】
この例において、スピーチのサポートは2つの異なったシステムにおいて等価ではないので、WB AMRのサポートを第1のペアにおけるNB AMR(Narrowband Adaptive multi-rate)に相互作用させる必要があることに注意されたい。
【0049】
もしも、モバイル(携帯機)が第1のCN/UTRANペアが第2のCN/UTRANペアに移動するならば、図3に示すマッピングルールが第2のCN/UTRANによって適用されてもよい。
【0050】
もしも、モバイル(携帯機)が第2のCN/UTRANペアから第1のCN/UTRANペアへと移動するならば、図4に示すマッピングルールが第1のCN/UTRANによって適用されてもよい。
【0051】
ここで、WB AMR(Wideband Adaptive multi-rate)のRABは、NB AMR(Narrowband Adaptive multi-rate)のRABにマップされる。なぜならば、優先度は受け取られないので、第2のCN/UTRANは、実際に優先度が実際にどんなものであるかに関して通知される時刻まで、デフォルト値をとる。
【0052】
図5は2つのSGSN(Serving GPRS Support Node)タイプおよび2つのUTRANタイプ(ノード−Bを伴うRNC(Radio Network Controller))を伴うPLMN(公衆陸上移動通信網)の一例を示したものである。実線は、Iu接続およびRABが確立されることができるインタフェースを表す。破線は、オペレータによって定義されたようなIu RABテーブルおよびマッピングルールを表す。それぞれのRNCおよびSGSNは以下のものを受信し、蓄積する:
・用いることができるIu RABのテーブル
・他の(RNC、SGSN)ペアによって用いられるIu RAB識別情報のためのマッピングルール
【0053】
この例を用いると、3つの異なったIu RABテーブル(RNC A、SGSN 1)、(RNC B、SGSN 2)および(RNC A、SGSN 2)があって、それぞれのRNC/SGSNはこれらのテーブルの1つに他の2つのテーブルからのそれぞれのIu RABのためのマッピングテーブルを加えたものを蓄積する。
【0054】
図6に示すようにUE(移動機)とRNC(Radio Network Controller)との間で接続が確立するとき、RNCへのRRC接続およびSGSN(Serving GPRS Support Node)へのシグナリング接続が確立した後で、ユーザはサービス、たとえば、UEとSGSNとの間のユーザデータの転送のためにRABを必要とする公衆インターネットアクセスを要求する。
【0055】
3GPPの現在の仕様によれば、図6に示すシグナリングメッセージは、UE、RNCおよびSGSNの間で交換されるであろう。
【0056】
RRC接続リクエストは、UE(移動機)が発呼するとき、またはUEに着呼するときに、UEからRNCに送られる。
【0057】
SGSNは、どのサブセットに属するかを示す共通IDを、RNCに送信する。
【0058】
本発明で定義されたようにSGSN(Serving GPRS Support Node)のタイプ1とRNCのタイプAとの間のIu RABのテーブルを用いることで、SGSN内に蓄積され、SGSNは‘RAB割り当てリクエスト’メッセージに含まれる‘RABパラメータ’を、Iu RAB識別情報および関連する可変パラメータに置換する。
【0059】
Iu RAB識別情報および可変パラメータを用いることで、RNC(Radio Network Controller)は、どのRABがSGSN(Serving GPRS Support Node)によってリクエストされているのかを、Iuインタフェースに関するRABパラメータを転送する必要なく知る。なお、Iu RAB識別情報は、具体的にどのRABを使うかを示す識別情報であり、数オクテットのオーダーを有する情報である。
【0060】
従来のRAB割り当てリクエストにおいて、SGSNからRNCに送られるデータ量は2.4Kオクテットである。しかし、本発明に係る方法を用いれば、SGSNからRNCに送られるデータ量は、数オクテットのIu RAB識別情報と(可変)パラメータのデータ量だけになる。その結果、送信するデータの減少を図ることができ、高速な呼確立時間を達成することができる。
【0061】
また、他の(SGSNタイプ、RNCタイプ)のためのIu RAB識別情報およびそのパラメータ(もしあれば)を、このRNCおよびそれが接続されているSGSNのためのRABに変換するために、以前に設定されたネットワークは、すべてのRNCにマッピングルールを提供する。
【0062】
それから、PLMN IDおよびこれらのデータの列が与えられると、IDLE状態(05/32)において特定されているように、受け取るUTRAN(地上無線通信網)は無線のリソースを、どのRABが必要としているかをCN(コアネットワーク)に知らせることなく設定することができる。
【0063】
図5および図6に示したように、もしUE(移動機)がまずRNCタイプA/SGSNタイプ1に接続されるならば、RABがセットアップされた後に、RNCは、図7に示すように、UEがIu RAB識別情報およびパラメータを蓄積するようにするために、Iu RAB識別情報およびパラメータをUEに供給する。
【0064】
その後、たとえば、ユーザがもはやサービスを使わないという理由から、接続は解放される。それから、ユーザはネットワークに移動する。再接続を望むとき、IDLE状態にしたがって、セットアップ手順が図8に示されるように行われる。
【0065】
RRC接続リクエストが提供されるIu RAB識別情報とパラメータとを用いることで、新たなRNC(Radio Network Controller)は、新たなSGSN(Serving GPRS Support Node)から何らの情報もなしにRABパラメータを知り、それで、RNCはRAB割り当てリクエストメッセージを待つことなしに即時にUEとともに物理的なまたはトランスポートチャンネルをセットアップすることができる:
・もしもUEから送られた“Iu RAB識別情報”が(新たなSGSN、新たなRNC)テーブルに属しているならば
これはUEがRNCタイプA/SGSNタイプ1に再び接続中であるときの場合である:新たなRNCは直接“Iu RAB識別情報”およびそのパラメータを、新たなSGSNから受信したかのように使うことができる。
・もしもUEから送られた“Iu RAB識別情報”が(新たなSGSN、新たなRNC)テーブルに属していないならば
これはUEがRNCタイプB/SGSNタイプ1またはRNCタイプB/SGSNタイプ2に接続中であるときの場合である:新たなRNCは新たな“Iu RAB識別情報”およびそのパラメータを得るためのマッピングルールを、新たなSGSNから受信したかのように使うことができる。
【0066】
精密な実装を与えることは困難である。というのは、一般に、転送メカニズムおよびシグナリングはオペレータによって完全に定義されることができ、またPLMN(公衆陸上移動通信網)の問題のように必ずしも標準化される必要はないからである。もしこの提案が受け入れられるならば、RABの圧縮は、当該圧縮が呼設定時間の要求を満たすためにUEによって蓄積されかつ転送されることを許されるためには、不可欠である。
【0067】
本実施形態に係るUE(移動機)は、たとえば、図9に示す構成を有する。
【0068】
UE100は、図示するように、無線通信部110と、制御部120と、入力部130と、記憶部140と、バス150と、から構成される。無線通信部110、制御部120、入力部130、記憶部140はバス150で接続されている。
【0069】
無線通信部110はたとえば無線アンテナとNIC(Network Interface Card)とから構成され、RNC(Radio Network Controller)とデータを送受信する。
【0070】
制御部120は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)から構成され、無線通信部110や記憶部140にあるデータを処理したり、無線通信部110との間でデータを送受信したり、記憶部140にデータを記憶させたりなどの作業を行う。
【0071】
入力部130は、たとえばテンキーから構成され、UE100のユーザからの入力を受け付け、その入力内容を制御部120に送信する。
【0072】
記憶部140は、たとえば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)から構成される。RAMは制御部120のワークエリアとして用いられ、また、ROMおよびRAMは制御部120が処理を行うためのプログラムを格納する。また、RAMは、たとえば、RABの設定情報(Iu RAB識別情報、パラメータ可変部)を記憶し、制御部120の必要に応じてRABの設定情報を制御部120に提供する。
【0073】
本実施形態に係るSGSN(Serving GPRS Support Node)は、たとえば、図10に示す構成を有する。
【0074】
SGSN200は、図示するように、通信部210と、制御部220と、記憶部230と、バス240と、から構成される。通信部210、制御部220、記憶部230はバス240で接続されている。
【0075】
通信部210はたとえばNIC(Network Interface Card)から構成され、RNC(Radio Network Controller)とデータを有線で送受信する。
【0076】
制御部220は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)から構成され、通信部210や記憶部230にあるデータを処理したり、通信部210との間でデータを送受信したり、記憶部230にデータを記憶させたりなどの作業を行う。
【0077】
記憶部230は、たとえば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)から構成される。RAMは制御部220のワークエリアとして用いられ、また、ROMおよびRAMは制御部220が処理を行うためのプログラムを格納する。
【0078】
具体的には、制御部220は、記憶部230のROMまたはRAMに記憶されている無線アクセスベアラのパラメータのセット231を、記憶部230のROMまたはRAMに記憶されている分割プログラム233で、パラメータセットごとに固定部と可変部とに分ける。次に、固定部であるパラメータを第1の部分としてまとめ、可変部であるパラメータを第2の部分としてまとめて、記憶部230のRAMのワークエリアに記憶させる。
【0079】
また、制御部220は、記憶部230に格納された圧縮プログラム234を実行し、第1の部分を圧縮する。そして、圧縮された第1の部分(無線アクセスベアラの識別子)と第2の部分とを対応付けたもの232を、記憶部230のRAMに記憶する。
【0080】
さらに、記憶部230には、通信プログラム235と設定プログラム236が記憶される。制御部220は、通信プログラム235を実行してRNC(Radio Network Controller)やUE(移動機)と通信を行い、設定プログラム236を実行してRABの割り当てや共通IDの割り当てなどの処理を行う。これらの処理により、たとえば、図6から図8を参照して説明した通信処理、割り当て処理、設定処理などを実現する。
【0081】
なお、この発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形および応用が可能である。
たとえば、UE、RNC、SGSNなどの構成は任意に変更可能である。また、パラメータセットを分割する手法、パラメータの固定部を圧縮する手法、通信方法やプロトコル、設定方法などは、任意のものを用いてよい。
また、RABは、図1から図4に示した内容に限定されず、適宜変更可能である。また、図5、図9、図10に例示したシステム構成も変更可能である。さらに、図6から図8に例示した通信・設定手順も適宜変更可能である。
【0082】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0083】
(付記1)
無線アクセスベアラのパラメータのセットを圧縮する方法であって、
前記パラメータのセットを第1の部分と第2の部分とに分割することから構成され、
前記第1の部分は複数のセットに共通な固定部分から構成され、
前記第2の部分は可変部分から構成され、
それに加えて無線アクセスベアラの識別子の割り当てを通して固定部分を圧縮するステップを含む、
ことを特徴とする方法。
【0084】
(付記2)
前記パラメータのセットはIu RABの設定から構成される、
ことを特徴とする付記1に記載の方法。
【0085】
(付記3)
前記RAB(無線アクセスベアラ)識別子はPLMN(公衆陸上移動通信網)内のRABに関連付けられている、
ことを特徴とする付記2に記載の方法。
【0086】
(付記4)
前記関連付けは、ネットワーク内における運用および管理手順を介して達成される、
ことを特徴とする付記3に記載の方法。
【0087】
(付記5)
前記可変部分は前記設定の可変パラメータから成る、
ことを特徴とする付記2、3または4に記載の方法。
【0088】
(付記6)
前記無線アクセスベアラのパラメータのセットはLTE(Long Term Evolution)無線アクセスベアラのパラメータから構成される、
ことを特徴とする付記1に記載の方法。
【0089】
(付記7)
前記無線アクセスベアラのパラメータのセットは、GERAN(GSM(登録商標)/EDGE Radio Access Network)無線アクセスベアラのパラメータから構成される、
ことを特徴とする付記1に記載の方法。
【0090】
(付記8)
移動機と、当該移動機に関連しているモバイル無線通信ネットワークと、の間で無線アクセスベアラのパラメータのセットを転送する方法であって、
前記無線アクセスベアラのセットの設定を、付記1から7のいずれかに記載の方法にしたがって圧縮することを含む、
ことを特徴とする方法。
【0091】
(付記9)
付記2から5のいずれかに従属しており、
それぞれのUTRAN/CN(地上無線接続網/コアネットワーク)ペアのIu RAB設定のセットの前記割り当てを含む、
ことを特徴とする付記8に記載の方法。
【0092】
(付記10)
Iu RAB設定のそれぞれのセットがRAB識別子のサブセットを割り当てられる、
ことを特徴とする付記9に記載の方法。
【0093】
(付記11)
付記2から5のいずれかに従属しており、
前記Iu RAB設定の前記RAB識別子および可変パラメータが、要求に応じ、UTRANへ転送するための前記移動機内に蓄積されるよう編成される、
ことを特徴とする付記8から10のいずれかに記載の方法。
【0094】
(付記12)
前記転送は前記移動機の呼設定手順の一部をなす、
ことを特徴とする付記8から11のいずれかに記載の方法。
【0095】
(付記13)
付記8から12のいずれかに記載の転送を受信したときに以前に開放されたネットワーク中の無線アクセスベアラを再確立する方法であって、
蓄積された無線アクセスベアラの設定を前記無線アクセスベアラ識別子によって参照するステップを含む、
ことを特徴とする方法。
【0096】
(付記14)
付記9、10または11のいずれかに従属しており、
前記ネットワークのIu RABデータを構築することを含む、
ことを特徴とする付記13に記載の方法。
【0097】
(付記15)
前記Iu RAB設定が前記ネットワークオペレータによって行われる、
ことを特徴とする付記14に記載の方法。
【0098】
(付記16)
前記Iu RAB設定の前記再構築が操作および維持手順を通して達成される、
ことを特徴とする付記14または15に記載の方法。
【0099】
(付記17)
実質的に上記に記載されている、Iu RAB設定を圧縮する方法。
【0100】
(付記18)
モバイル無線通信ネットワーク内のIu RAB設定を転送する方法であって、
実質的に上記に記載されている方法。
【0101】
(付記19)
ネットワーク内のIu RABデータを再構築する方法であって、
実質的に上記に記載されている方法。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、携帯電話機および携帯電話網に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線アクセスベアラ(RAB)のパラメータのセットを圧縮する方法であって、
前記パラメータのセットを、複数のセットに共通な固定部分から構成される第1の部分と可変部分から構成される第2の部分とに分割するステップと、
それに加えて無線アクセスベアラの識別子の割り当てを通して固定部分を圧縮するステップとを含み、
前記パラメータのセットは、前記無線アクセスベアラが確立される地上無線接続網(UTRAN)とコアネットワーク(CN)との間のインターフェース(Iu RAB)の設定から構成され、
ネットワーク内のIu RABデータを再構築する
ことを特徴とする方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−95347(P2012−95347A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−207(P2012−207)
【出願日】平成24年1月4日(2012.1.4)
【分割の表示】特願2008−509718(P2008−509718)の分割
【原出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】