説明

無線タグおよびマーケティング情報収集システム

【課題】人が集まるローカルなエリアなどで、これらの人の意思に係る情報を送信し、エリア情報についてのマーケティング情報を収集することができる無線タグおよびマーケティング情報収集システムを提供する。
【解決手段】無線タグ10は、エリア情報(広告等)に対する個人の意思を入力する意思入力部14と、意思入力部によって入力した意思に係る信号に、個人のプロファイルを認識することが可能なIDに係る信号を付加して送る送信部21と、外部の送受信機42からの受信完了の知らせに係る信号を受信し、受信完了を通知する受信完了信号受信部22およびランプ15とを備えるように構成される。この無線タグ10は各個人に装備され、マーケティング情報システム40に利用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグおよびマーケティング情報収集システムに関し、特に、広告等のエリア情報に対する個人の意思に係る信号とIDに係る信号を送信する無線タグと、送信した意思に係る信号とIDに係る信号に基づいてマーケティング情報を集計するマーケティング情報収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品の販売時に商品の購入者に関する顧客情報を店舗に設けられた端末により収集し、マーケティングに利用するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。商品を製造するメーカにとって、その商品を購入した顧客に関する情報を収集することは、商品の販売促進や新製品開発のために欠かせないものである。
【0003】
また、街中での店舗や街頭看板や移動看板やイベント会場において、人々がどのようなものに関心があるかという情報もマーケティング情報として重要なものである。
【特許文献1】特開2001−312473号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、商品を販売するときに、その商品を販売する店舗に設置された端末から顧客情報を入力するものであった。しかしながら、特許文献1でのマーケティング情報収集システムでは、店舗に設置された端末を用いなければならず、また、商品を販売したときの情報であった。それゆえ、街中での人々の関心がどのようなものであるかについての情報は、集計することはできなかった。さらに、人が集まりやすい比較的に狭い局所的な地域(特定なローカルエリア)などでの集計情報を迅速に集計するという仕組みも今まで存在しなかった。
【0005】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、人が集まるローカルなエリアなどで、広告等のエリア情報に対するこれらの人の意思に係る情報を送信し、エリア情報についてのマーケティング情報を収集・集計することができる無線タグおよびマーケティング情報収集システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る無線タグおよびマーケティング情報収集システムは、上記目的を達成するために、次のように構成される。
【0007】
第1の無線タグ(請求項1に対応)は、エリア情報に対する個人の意思を入力する意思入力手段と、意思入力手段によって入力した意思に係る信号に、個人のプロファイルを認識することが可能なIDに係る信号を付加して送る送信手段と、外部の送受信機からの受信完了の知らせに係る信号を受信し、受信完了を通知する手段とを備えるように構成される。
【0008】
上記の無線タグでは、個人が特定のローカルエリアに居るとき、ローカルエリア内に存在する広告等のエリア情報に対して意思入力手段によって個人の意思を入力する。入力された意思情報は、個人のプロファイルを認識することが可能なIDに係る信号を付加して送信手段によって、ローカルエリア内の外部の送受信機に送る。その信号が外部の送受信機によって受信されたならば、そのとき、外部の送受信機から受信完了信号が送られてくる。受信完了信号を受信し、受信完了を通知する手段によって、確実に意思情報とID情報を送ることができたことを確認することができる。この外部の送受信機で受信された意思信号とID信号の各情報に基づいてマーケティング情報を得ることができる。なお上記において、「無線タグ」は、上記個人に装備装備される小型・軽量の近距離用の簡易無線装置を意味する。無線タグとしては、例えば、リストバンドに組み込まれた簡易無線装置を想定している。
【0009】
第2の無線タグ(請求項2に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、外部の送受信機はエリア情報に関連して設置されていることを特徴とする。
【0010】
第1のマーケティング情報収集システム(請求項3に対応)は、エリア情報に関連して設置された送受信機と、この送受信機との間で信号の送受を行う上述した構成を有しかつ個人に装備される無線タグと、送受信機を経由して無線タグから送られた意思に係る信号とIDに係る信号の情報を管理・集計する集計手段を備えるマーケティング情報収集システムである。上記の送受信機は、エリア情報を有すると共に、無線タグから送られた意思に係る信号とIDに係る信号を受信する受信手段と、受信手段によって受信された意思に係る信号とIDに係る信号にエリア情報を付加して送る情報送信手段と、意思に係る信号とIDに係る信号の受信完了の知らせに係る信号を送信する受信完了信号送信手段とを備える。また集計手段は、送受信手段によって受信された意思に係る信号とIDに係る信号とエリア情報に基づいて、エリア情報に対するマーケティング情報の集計を行う。
【0011】
第2のマーケティング情報収集システム(請求項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは、無線タグによる意思に係る情報の発信の見返りとしてポイントを還元する手段を備えたことで特徴づけられる。
【0012】
第3のマーケティング情報収集システム(請求項5に対応)は、エリア情報に関連して設置された送受信機と、個人のプロファイルを認識することが可能なIDに係る信号を送る送信手段と、送受信機からの受信完了の知らせに係る信号を受信し、受信完了を通知する手段とを備え、個人に装備される無線タグと、無線タグからの送られたIDに係る信号の情報を、送受信機を経由して管理・集計する集計手段を備えるマーケティング情報収集システムである。上記の送受信機は、エリア情報を有すると共に、無線タグから送られたIDに係る信号を受信する受信手段と、受信手段によって受信されたIDに係る信号にエリア情報を付加して送る情報送信手段と、IDに係る信号の受信完了の知らせに係る信号を送信する受信完了信号送信手段とを備える。また集計手段は、送受信手段によって受信されたIDに係る信号とエリア情報に基づいて、エリア情報に対するマーケティング情報の集計を行う。
【0013】
第4のマーケティング情報収集システム(請求項6に対応)は、上記の構成において、好ましくは、送受信機で受信した信号は、少なくとも1つの他の送受信手段に転送され、他の送受信機を介して集計手段に送られることで特徴づけられる。
【0014】
第5のマーケティング情報収集システム(請求項7に対応)は、上記の構成において、好ましくは、無線タグは、他の無線タグとの間で信号を送受信する手段を備えることで特徴づけられる。
【0015】
第6のマーケティング情報収集システム(請求項8に対応)は、上記の構成において、好ましくは、無線タグは、映像を撮影し、撮影した映像を送信する手段を備えることで特徴づけられる。
【0016】
第7のマーケティング情報収集システム(請求項9に対応)は、上記の構成において、好ましくは、集計手段は、IDを予めグループ分けし、グループ分けしたグループ毎に情報を集計することで特徴づけられる。
【発明の効果】
【0017】
第1の本発明に係る無線タグによれば、各個人が無線をタグを身に付け、任意なローカルエリアにおける特定なエリア情報に対して反応し、無線タグに設けた意思入力手段によって個人の意思を入力し、当該情報は、個人のプロファイルを認識することが可能なIDに係る信号と共に、外部の送受信機に送られる。このため、外部の送受信機で受信された意思情報とID情報に基づいて、上記の特定なエリア情報に関してのマーケティング情報を得ることができ、当該無線タグはローカルエリアにおける広告等の特定のエリア情報のマーケットリサーチに利用することができる。
【0018】
第2の本発明に係るマーケティング情報収集システムによれば、意思入力手段を備えた無線タグにより、意思表示と無線タグのIDの各情報をエリア情報に関連づけられた外部の送受信機に送り、それらの情報を集計システムで収集し、集計するようにしたので、商店での端末を用いることなく、街中で設定されたローカルエリアごとにエリア情報に対して自由に個人個人が意思情報を送ることができるので、より幅の広い、実際のマーケットに即したマーケティング情報を得ることができる。
【0019】
さらに本発明によれば、複数の送受信機を介して意思情報を集計システムに送ったり、複数の無線タグを介して意思情報を送受信機に送るようにしたので、ローカルなエリアからより広いエリアに渡ってのマーケティング情報を収集し、集計することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
図1と図2は本発明に係る無線タグを示す。図1は、無線タグを腕に装着した状態を示し、図2は、無線タグを腕から外した状態を示す。無線タグ10は、コネクタ11と、腕12に装着するためのリストバンド13からなっている。リストバンド13には、意思表示のために用いられる意思入力部(スイッチ)14と、外部の送受信機(図1および図2中に図示せず)が意思表示の信号(意思に係る信号)を受信した時に送る受信完了に係る信号を受信したときに受信完了を知らせるためのサウンドロゴを発するスピーカ15と、上記送受信機の受信範囲であることを知らせるランプ16が設けられている。また無線タグ10は、内蔵メモリに、この無線タグを装備する個人(利用者)を識別するためのID情報を記憶している。
【0022】
無線タグ10が外部の送受信機と無線接続可能な距離にあるとき、送受信機からの接続可能信号を受信し、ランプ16が点灯する。その状態で、利用者は、自身が存在するローカルエリア内の広告等のエリア情報に応答してアンケート等に対する意思表示をスイッチ14から入力し、無線17で外部の送受信機に送信する。外部の送受信機からは、受信が完了したならば、受信完了に係る信号が送られ、その信号により、無線タグ10のスピーカ15からサウンドロゴが発せられる。利用者は、そのサウンドロゴを聞くことにより、受信完了を知ることができる。それにより、利用者は、広告等によるアンケートに対する意思表示と個人を識別するIDの各信号を外部の送受信機に送ることができる。後述のマーケティング情報収集システムでは、その送受信機で受信された信号に基づき情報を収集することで、上記広告等のマーケティング情報を得ることができる。
【0023】
無線タグ10の形状・構造は、上記のリストバンド13に限定されず、個人の身に着けることのできる形状・構造であれば、任意のものに作ることができる。身に着ける形状の例として、非接触ICカード内蔵携帯電話、ワイヤレスヘッドセット等がある。
【0024】
図3は、無線タグ10に設けられる内部機能を示す機能ブロック図と制御系の図を示している。無線タグ10は、基本要素として、意思入力部(スイッチ)14およびこれに対応する送信部21と、スピーカ15およびこれに対応すると受信完了信号受信部22と、ランプ16およびこれに対応する接続可能信号受信部23とを備えている。さらに無線タグ10は、ID記憶部24、各機能部の動作を制御する制御部25、無線タグ間で信号の送受信を行うための送受信部26を備えている。
【0025】
スイッチ14は、広告などのアンケートに対する「イエス」、「ノー」などの個人の意思を入力する。例えば、イエスならばスイッチ14を2回続けて押し、ノーならばスイッチ14を1回押すなどで入力する。ID記憶部24は、個人のプロファイルを認識することが可能な個別IDを記憶している。送信部21は入力された意思に係る信号とIDに係る信号を送信する。受信完了信号受信部22は、外部の送受信機42から送られる受信完了に係る信号を受信し、その信号をスピーカ15に送る。スピーカ15は、受信完了信号によりサウンドロゴを発する。接続可能信号受信部23は、外部の送受信機42が送っている接続可能信号の受信可能範囲になるとその信号を受信し、ランプ16を点灯させる。
【0026】
図4は、無線タグ10のハードウェア的構成の観点で示した図である。無線タグ10は、スピーカ15、スイッチ14、ランプ16、通信部30、アンテナ31、制御部25、メモリ33を備えている。無線タグ10は、この構成に基づいて、図3で説明した各機能部を実現する。通信部30は、意思に係る信号とIDに係る信号の送信、および接続可能信号の受信、外部の送受信機42の受信完了信号の受信を行う。制御部25は、通信部30が受信した信号を解釈し、ランプ16の点灯、スピーカ15の駆動を行い、また意思に係る信号のデータを通信プロトコルに準拠し変換して通信部30に送る。またメモリ33に保持している個別IDに係る信号を通信部30を介して送受信機42に送信する。通信部30にはアンテナ31が装備されている。当該通信部30はブルートゥース通信などの狭域無線通信を行える機能を有している。ここで「狭域無線通信」とは、例えば半径10m程度の範囲における通信を想定している。また、他の通信技術である無線LAN、ZigBee、UWB、非接触ICカードを用いることも可能である。
【0027】
この無線タグ10では、図1で示した無線タグ10と外部の送受信機42とが無線接続可能な距離になり、接続可能信号を受信すると、ランプ16が点灯する。その状態で、個人が操作して無線タグ10から意思に係る信号をスイッチ14で発生させると、通信部30からIDに係る信号を付加して送信する。そして、外部の送受信機42から受信完了の信号を通信部30は受信し、スピーカ15からサウンドロゴが発せられる。
【0028】
次に、図5に、本発明の実施形態に係るマーケティング情報収集システムの全体的構成を示す。このマーケティング情報収集システム40は、無線タグ10と、エリア情報を有する対象物、ここでは例として広告(エリア情報)を表示した広告看板41に関連してその近くに設置された送受信機42と、通信網43を介して接続された集計システム44と、企業内コンピュータ45と、個人宅46のコンピュータ47で構成されている。このマーケティング情報収集システム40は、人が集まりやすい例えば特定なローカルエリア48での広告看板41の広告に関するマーケティング情報収集システムである。ローカルエリア48の範囲は、無線タグ10と送受信機42の間においての無線接続が可能になる範囲として決められる。
【0029】
エリア情報を有する対象としては、街頭看板や移動看板(車)等の広告看板以外に、店舗、イベント会場、オリエンテーション等が考えられる。
【0030】
無線タグ10は、図1〜図4で示したものと同様のものである。図5ではスイッチ14のみを便宜的に示している。
【0031】
無線タグ10は、意思に係る信号とIDに係る信号を送る送信部30を備えている。送受信機42は、ローカルエリア48の範囲内にある無線タグ10の送信部21によって無線17で送られた広告看板41の広告のアンケート等に対する意思に係る信号とIDに係る信号を受信する。集計システム44は、送受信機42によって受信された意思に係る信号とIDに係る信号に基づいて、ローカルエリア48の範囲内で広告看板41の広告に関するマーケティング情報の集計を行う。上記の特定の範囲48は、広告看板41による広告が表示されている、多くの人が集まる任意のローカル(相対的に狭域)なエリアである。企業内コンピュータ45は、集計システム44からの情報を通信網43を介して受けることができる。また個人宅46には、コンピュータ47に無線タグ10をUSBにより接続することにより、集計システム44のデータに基づいてポイントを還元することができる。無線タグ10の前述したコネクタ11はUSBコネクタとなっている。例えば、無線タグ10を操作した人は、無線タグ10をコンピュータ47に接続し、所定のインターネットサイトをアクセスすると、クーポン券などの懸賞を入手できるようにすることができる。
【0032】
図6は、送受信機42の内部機能を示す機能ブロック図と制御系とを示す。送受信機42は、受信部50と送信部51と接続可能信号送信部52と制御部53とエリア情報記憶部54と受信完了信号送信部55を備えている。受信部50は、無線タグ10から無線17で送られる意思に係る信号と個別IDに係る信号を受信する。送信部51は、受信部50で受信した意思に係る信号と個別IDに係る信号とエリア情報記憶部54に記憶されているエリア情報(広告看板41に示された広告に関する情報)を集計システム44の送信する。接続可能信号送信部52は、無線タグ10と送受信機42が無線接続可能な距離になったことを知らせるための接続可能信号を送信する。また受信完了信号送信部55は、無線タグ10から送られた意思に係る信号とIDに係る信号を受信したとき、無線タグ10を装備した個人(利用者)に対して受信が完了したことを知らせる受信完了信号を送信する。
【0033】
上記のマーケティング情報収集システム40は、例えば、人が集まる場所(ローカルエリア48)内に、広告看板41上またはその近くに送受信機42を設置する。そして、集計システム44は、ローカルエリア48の範囲内で意思に係る信号に関する情報を集計する。その集計データによって、広告看板41により広告を出している企業が、広告看板41を見ている人のプロファイルを把握することができ、企業は、その集計データをマーケット情報、販売促進ツールとして使用することができる。
【0034】
図7は、本実施形態に係るマーケティング情報収集システム40の動作手順の一例を示す図である。無線タグ10と送受信機42は、無線接続可能な距離にあるときに、接続可能信号を送り(ステップS11)、無線タグのランプ16を点灯する。無線タグ10を装備した利用者は、スイッチ14により広告看板41の広告に対する意思を入力する。意思に係る信号とメモリ33に保持している個別IDに係る信号は送受信機42に送信される(ステップS12)。送受信機42で受信が完了すると受信完了信号を送る(ステップS13)。無線タグ10は、スピーカ15からサウンドロゴを発する。また送受信機42は、受信した意思に係る信号および個別IDに係る信号と、送受信機42自身が保持しているエリア情報を集計システム44に送信する(ステップS14)。集計システム44は、送受信機42から集まった情報を管理、集計する。このように、ローカルエリア48の範囲内で意思情報を収集し、集計することができる。また、意思情報とID情報とエリア情報とに基づいて広告看板41で提供された広告に関するマーケティング情報を得ることができる。
【0035】
さらに、あらかじめ、集計システム44において、IDをグループ分けしておくことにより、集計結果をグループ毎に行うことができ、グループ毎のマーケティング情報を得ることができる。
【0036】
次に図8を参照して、本発明に係るマーケティング情報収集システムの他の実施形態について説明する。図8はマーケティング情報収集システムの全体的構成を示し、図5に類似する図である。このマーケティング情報収集システム60は、無線タグ10と送受信機42,61,62,63と集計システム44とを備えている。このマーケティング情報収集システムでは、範囲64において、図5および図6で説明したものと同様の構造・機能を有する複数の送受信機を備えている。図8において、上記の実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付している。
【0037】
上記の範囲64に配置された複数の送受信機42,61,62,63のそれぞれには狭域無線通信用の通信部を内蔵しており、隣接する送受信機同士の間において相互に無線で通信を行い、1つの送受信機で受信した意思に係る信号等を送受するように構成されている。従って、例えばいずれか1つの送受信機で受信された意思に係る信号等は、当該送受信機から隣接する送受信機で次々にリレー式に送受信され、最終的に集計システム44に供給される。
【0038】
上記の狭域無線通信機能を有する通信部に基づく無線通信によって送受信機42,61,62,63の間においてリレー的に通信を行い、無線タグ10からの信号を集計システム44まで伝送して、この集計システム44で範囲64での集計ができるように構成することが可能となる。
【0039】
図9は、マーケティング情報収集システム60の動作手順の一例を示す図である。無線タグ10と送受信機42は、無線接続可能な距離にあるときに、接続可能信号を送り(ステップS21)、ランプ16を点灯する。利用者は、スイッチ14により意思に係る信号を入力する。意思に係る信号とメモリに保持している個別IDに係る信号を送受信機42に送信する(ステップS22)。受信が完了すると受信完了信号を送る(ステップS23)。無線タグ10は、スピーカ15によりサウンドロゴを発する。また、送受信機42は受信した意思に係る信号および個別IDに係る信号と、送受信機自身が保持しているエリア情報とを、最終的に集計システム44に送信する。集計システム44は送受信機42から集まった情報を管理、集計する。
【0040】
上記の場合において、本実施形態では、通信部に基づく例えば無線65,66による通信によって送受信機42,61,62の間においてリレー的に通信を行い、無線タグ10からの信号を集計システム44まで伝送する(ステップS24,S25,S26)。集計システム44は各送受信機から集まった情報を管理、集計する。このように、意思情報等を収集し、集計することができる。またその意思情報とID情報とエリア情報に基づいてマーケティング情報を得ることができる。
【0041】
次に図10を参照して、本発明に係るマーケティング情報収集システムの更なる他の実施形態について説明する。図10はマーケティング情報収集システム70の全体的構成を示し、図5に類似する図である。このマーケティング情報収集システム70は、2つの無線タグ10,71と、送受信機42と、集計システム44とを備えている。このマーケティング情報収集システム70では、図5および図6で示したものと同様の構造・機能を有する複数の無線タグを備えている。図10において、前述の実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付している。
【0042】
図10に示された範囲81は、前述のローカルエリア38と同じ範囲である。この範囲81の外に配置された無線タグ10と、範囲81内に配置された無線タグ71のそれぞれには狭域無線通信用の送受信部26を内蔵している。隣接する無線タグ10,71は、両者の間で相互に無線で通信を行い、1つの無線タグで受信した意思に係る信号等を送受するように構成されている。従って、例えばいずれか1つの無線タグで受信された意思に係る信号は、当該無線タグから隣接する無線タグで次々にリレー式に送受信され、最終的に集計システム44に供給されることになる。
【0043】
上記の狭域無線通信機能を有する通信部に基づく無線通信によって無線タグ10,71の間においてリレー的に通信を行い、無線タグ10が範囲81の外にあったとしても、無線タグ10からの意思に係る信号等を集計システム44まで伝送して、この集計システム44で範囲での集計ができるように構成することが可能となる。
【0044】
図11は、マーケティング情報収集システム70の動作手順の一例を示す図である。無線タグ71と送受信機42は、無線接続可能な距離にあるときに、接続可能信号を送り(ステップS31)、無線タグ71のランプを点灯する。その信号は、無線タグ10にも送られ(ステップS32)、ランプが点灯する。無線タグ10の利用者は、スイッチ14により意思を入力する。意思に係る信号とメモリに保持している個別IDに係る信号は、無線タグ71を介して、送受信機42に送信される(ステップS33,S34)。受信が完了すると受信完了信号が送られる(ステップS35)。その受信完了信号は、無線タグ71を介して無線タグ10に送られ(ステップS36)、無線タグ10は、サウンドロゴを発する。また送受信機42は受信した意思と個別IDの信号と、送受信機自身が保持しているエリア情報を集計システム44に送信する(ステップS37)。集計システム44は送受信機42から集まった情報を管理、集計する。このとき、通信部に基づく無線82,83による通信によって無線タグ10,71の間においてリレー的に通信を行い、無線タグ10からの信号を集計システム44まで伝送する。集計システム44は各無線タグから集まった情報を管理、集計する。このように、無線タグからの意思情報等を収集し、集計することができる。また、意思情報とID情報とエリア情報とに基づいてマーケティング情報を得ることができる。
【0045】
なお、上記の各実施形態では、意思情報を用いて説明したが、それに限定されず、映像情報を含む情報を用いることもできる。そのときには、カメラ機能を持つ無線タグや、無線タグを備えたカメラを用いることにより実現できる。
【0046】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、街中での広告などに対する意思表示に係る情報などのマーケティング情報を収集するシステムとして利用される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係る無線タグを示す外観図である。
【図2】本実施形態に係る無線タグを外した状態を示す外観図である。
【図3】本実施形態に係る無線タグの機能ブロック図である。
【図4】本実施形態に係る無線タグのハードウェアの観点での内部構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るマーケティング情報収集システムの全体的構成を示す図である。
【図6】本実施形態に係るマーケティング情報収集システムの送受信機の機能ブロック図である。
【図7】本実施形態に係るマーケティング情報収集システムの動作手順の一例を示す図である。
【図8】本発明に係るマーケティング情報収集システムの他の実施形態の全体的構成を示す図である。
【図9】他の実施形態に係るマーケティング情報収集システムの動作手順の一例を示す図である。
【図10】本発明に係るマーケティング情報収集システムの更なる他の実施形態の全体的構成を示す図である。
【図11】更なる他の実施形態に係るマーケティング情報収集システムの動作手順の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10 無線タグ
11 コネクタ
13 リストバンド
14 意思入力部(スイッチ)
15 スピーカ
16 ランプ
21 送信部
22 受信完了信号受信部
23 接続可能信号受信部
24 ID記憶部
25 制御部
26 送受信部
30 通信部
31 アンテナ
40 マーケティング情報収集システム
41 広告看板
42 送受信機
43 通信網
44 集計システム
45 企業内コンピュータ
47 コンピュータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリア情報に対する個人の意思を入力する意思入力手段と、
前記意思入力手段によって入力した意思に係る信号に、前記個人のプロファイルを認識することが可能なIDに係る信号を付加して送る送信手段と、
外部の送受信機からの受信完了の知らせに係る信号を受信し、受信完了を通知する手段と、
を備えることを特徴とする無線タグ。
【請求項2】
前記外部の送受信機は前記エリア情報に関連して設置されていることを特徴とする請求項1記載の無線タグ。
【請求項3】
エリア情報に関連して設置された送受信機と、
前記エリア情報に対する個人の意思を入力する意思入力手段と、前記意思入力手段によって入力した意思に係る信号に、前記個人のプロファイルを認識することが可能なIDに係る信号を付加して送る送信手段と、前記送受信機からの受信完了の知らせに係る信号を受信し、受信完了を通知する手段とを備え、前記個人に装備される無線タグと、
前記無線タグからの送られた意思に係る前記信号とIDに係る前記信号の情報を、前記送受信機を経由して管理・集計する集計手段を備えるマーケティング情報収集システムであって、
前記送受信機は、前記エリア情報を有すると共に、前記無線タグから送られた意思に係る前記信号とIDに係る前記信号を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された意思に係る前記信号とIDに係る前記信号に前記エリア情報を付加して送る情報送信手段と、意思に係る前記信号とIDに係る前記信号の受信完了の知らせに係る信号を送信する受信完了信号送信手段とを備え、
前記集計手段は、前記送受信手段によって受信された意思に係る前記信号とIDに係る前記信号と前記エリア情報に基づいて、前記エリア情報に対するマーケティング情報の集計を行う、
ことを特徴とするマーケティング情報収集システム。
【請求項4】
前記無線タグによる意思に係る前記信号の発信の見返りとしてポイントを還元する手段を備えたことを特徴とする請求項3記載のマーケティング情報収集システム。
【請求項5】
エリア情報に関連して設置された送受信機と、
個人のプロファイルを認識することが可能なIDに係る信号を送る送信手段と、前記送受信機からの受信完了の知らせに係る信号を受信し、受信完了を通知する手段とを備え、前記個人に装備される無線タグと、
前記無線タグからの送られたIDに係る前記信号の情報を、前記送受信機を経由して管理・集計する集計手段を備えるマーケティング情報収集システムであって、
前記送受信機は、前記エリア情報を有すると共に、前記無線タグから送られたIDに係る前記信号を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信されたIDに係る前記信号に前記エリア情報を付加して送る情報送信手段と、IDに係る前記信号の受信完了の知らせに係る信号を送信する受信完了信号送信手段とを備え、
前記集計手段は、前記送受信手段によって受信されたIDに係る前記信号と前記エリア情報に基づいて、前記エリア情報に対するマーケティング情報の集計を行う、
ことを特徴とするマーケティング情報収集システム。
【請求項6】
前記送受信機で受信した信号は、少なくとも1つの他の送受信手段に転送され、前記他の前記送受信機を介して前記集計手段に送られることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のマーケティング情報収集システム。
【請求項7】
前記無線タグは、他の無線タグとの間で信号を送受信する手段を備えることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のマーケティング情報収集システム。
【請求項8】
前記無線タグは、映像を撮影し、撮影した映像を送信する手段を備えることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載のマーケティング情報収集システム。
【請求項9】
前記集計手段は、前記IDを予めグループ分けし、前記グループ分けしたグループ毎に情報を集計することを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載のマーケティング情報収集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−286965(P2007−286965A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−114637(P2006−114637)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(503184234)株式会社インターエナジー (20)
【出願人】(597169214)
【Fターム(参考)】