説明

無線タグの制御方法、無線タグ及び無線タグの制御プログラム

【課題】精度良くリーダライタとの間で通信を実行でき、また省電力を実現することが可能な無線タグの制御方法、無線タグ及び無線タグの制御プログラムを提供する。
【解決手段】無線タグ2をリーダライタ1近傍に設置されパターンを生成させる生成部50へ通過させる。無線タグ2は内蔵されるセンサが予め記憶部に記憶したパターンに一致するパターンを検出したことを条件に、リーダライタ1との通信を開始する。無線タグ2が、生成部50を通過し、センサがパターンを検出した場合、無線タグ2がリーダライタ1との通信を開始する。無線タグ2は一定時間経過後にリーダライタ1との通信を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーダライタと通信する無線タグを制御する無線タグの制御方法、無線タグ及び無線タグの制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線タグを用いて物流管理または情報収集等の管理を行うRFID(Radio Frequency Identification)技術が注目されている(例えば特許文献1参照)。無線タグには、電池を内蔵し動作のための電力が内部的に供給されるアクティブ型と、電池を内蔵せずリーダライタから送信される高周波に基づく電力によって動作するパッシブ型とがある。アクティブ型の無線タグは内蔵する電池が消耗した場合、電池交換または無線タグ自体の交換が必要となる。このため特許文献1に記載の制御方法は、内蔵されたセンサが振動または照度を感知した場合に、無線信号の送信を開始し、省電力を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−34866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の制御方法ではセンサが誤って振動または照度を感知する虞があり、十分に省電力を図ることが出来ないという問題があった。また無線タグが誤動作した場合、無線タグが送信する応答信号と他の無線タグの応答信号との衝突が発生するという問題もあった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものである。その目的は、パターンを発生させる生成部へ無線タグを通過させ、センサが当該パターンを検出したことを条件に通信を開始することにより、精度良くリーダライタとの通信を実行でき、また省電力を実現することが可能な無線タグの制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する無線タグの制御方法は、リーダライタと通信する無線タグを制御する無線タグの制御方法であって、内蔵されるセンサが、予め記憶部に記憶したパターンに一致するパターンを検出したことを条件に、前記リーダライタとの通信を開始する無線タグを、前記リーダライタ近傍に設置され前記パターンを生成させる生成部へ通過させ、前記生成部への通過により前記無線タグが一致するパターンを検出した場合に、前記無線タグが前記リーダライタとの通信を開始する。
【発明の効果】
【0007】
当該装置の一観点によれば、リーダライタ近傍に設けた生成部にてパターンを生成させ、当該パターンをセンサが検出した場合にのみ通信を開始するので、生成部を通過していない無線タグに起因する衝突を防止し、精度の良い通信を実現することが可能となる。その結果、無用な通信の開始を低減でき、省電力を図ることが可能となる等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】制御システムの概要を示す模式図である。
【図2】他の生成部の例を示す説明図である。
【図3】リーダライタ及びコンピュータのハードウェアを示すブロック図である。
【図4】無線タグのハードウェアを示すブロック図である。
【図5】リーダライタ及び無線タグ間の信号の送受信状態を示すタイムチャートである。
【図6】送受信の手順を示すフローチャートである。
【図7】送受信の手順を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態2に係る制御システムの概要を示す模式図である。
【図9】他の生成部及び第2生成部の例を示す説明図である。
【図10】実施の形態2に係る送受信の手順を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態2に係る送受信の手順を示すフローチャートである。
【図12】送受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】送受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】送受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態3に係る制御システムの概要を示す模式図である。
【図16】実施の形態4に係る制御システムの概要を示す模式図である。
【図17】実施の形態4に係る無線タグのハードウェアを示すブロック図である。
【図18】LEDの発光または非発光の遷移を示すタイムチャートである。
【図19】パターン及び補助パターンを用いた処理手順を示すフローチャートである。
【図20】パターン及び補助パターンを用いた処理手順を示すフローチャートである。
【図21】パターン及び補助パターンを用いた処理手順を示すフローチャートである。
【図22】実施の形態5に係る制御システムの概要を示す模式図である。
【図23】パターン、補助パターン及び第2パターンを用いた処理手順を示すフローチャートである。
【図24】パターン、補助パターン及び第2パターンを用いた処理手順を示すフローチャートである。
【図25】パターン、補助パターン及び第2パターンを用いた処理手順を示すフローチャートである。
【図26】パターン、補助パターン及び第2パターンを用いた処理手順を示すフローチャートである。
【図27】パターン記憶部及び補助パターン記憶部のレコードレイアウトを示す説明図である。
【図28】パターン選択画面のイメージを示す説明図である。
【図29】パターン登録の手順を示すフローチャートである。
【図30】パターン登録の手順を示すフローチャートである。
【図31】パターン登録の手順を示すフローチャートである。
【図32】実施の形態7に係る無線タグのハードウェアを示すブロック図である。
【図33】送受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図34】送受信処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1
以下実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は制御システムの概要を示す模式図である。制御システムはリーダライタ1、コンピュータ3、無線タグ2,2,2,・・・、ベルトコンベア56、生成部50、ローラ51,52、ベルト53B、スライダ57及び駆動部5等を含む。
【0010】
無線タグ2は物品、コンテナ、スーツケース、郵送物、衣服、動物、または人体等の管理対象4に貼り付け、または、埋め込み等により取り付けられている。以下では、管理対象4が物品4であり、物品4の上面に無線タグ2が貼り付けられている例を挙げて説明する。リーダライタ1はコンピュータ3に有線または無線により接続されており、コンピュータ3の指示に従い、無線タグ2、2、2、・・・との間で信号の送受信を行う。
【0011】
なお、本実施の形態においては、リーダライタ1がコンピュータ3に有線で接続される例を挙げて説明するが、リーダライタ1が内蔵されたコンピュータ3により無線タグ2との間で信号を送受信しても良い。さらにコンピュータ3にはリーダライタ1が一台接続される例を挙げて説明するが、複数のリーダライタ1、1、1、・・・を制御しても良い。無線タグ2は電池(以下、電源部という)を内蔵するアクティブ型であり、センサが所定のパターンを検出した場合に、電源部から所定時間電力が供給される。
【0012】
無線タグ2は電力が供給された場合、リーダライタ1との通信を開始する。一定時間経過後(例えば数秒後)、電源部からの電力供給が停止され、リーダライタ1との通信が終了する。本実施の形態においては無線タグ2に対しパターンを生成させる生成部50としてベルトコンベア56を用いる例を説明する。ベルトコンベア56の駆動部5はモータ(図示せず)を備え、モータの回転軸58を介して一端に設けられるローラ51に連結されている。駆動部5が回転軸58を回転させた場合、ローラ51もこれにあわせて回転し、ローラ51及び他端のローラ52により内面両端が保持されるベルト53Bが回転する。
【0013】
駆動部5は回転軸58を時計方向に回転させる。スライダ57から供給された物品4はベルト53B上を正面視左方向から右方向へ向けて搬送される。ベルトコンベア56の略中央部には無線タグ2に対し情報の読み取り及び書き込みを行うリーダライタ1が設置されている。リーダライタ1の近傍にはパターンを生成させる生成部50が設けられている。本実施の形態における生成部50は、両端部のローラ51,52よりも直径の大きい円柱状の3つの生成用ローラ53,54,55(以下、場合により生成用ローラ50で代表する)が相互に所定の間隔を空けて、樹脂製のベルト53B内面に挿入されているものとして説明する。
【0014】
この所定間隔は物品4の大きさに応じて適宜の間隔とすれば良く、例えば生成用ローラ53,54,55相互の間隔を5cmとすれば良い。また生成用ローラ53,54,55間は等間隔である必要はなく、第1の生成用ローラ53及び第2の生成用ローラ54の間隔と、第2の生成用ローラ54及び第3の生成用ローラ55との間隔を異ならせても良い。
【0015】
生成用ローラ53,54,55は両端のローラ51,52及び中途に設けられるローラ59,59,59よりも直径が大きいため、ベルト53Bは生成用ローラ53,54,55上で側面視において3つの山が所定の間隔を空けて表れる波形となる。無線タグ2は内部のセンサにより、この上下移動を所定時間内に3回連続してパターンとして検出した場合、無線タグ2はオン状態となり、リーダライタ1との通信を開始する。なお、この所定時間は例えば2秒であり、ベルト53Bの移動速度に応じて適宜の値とすればよい。無線タグ2は一定時間経過後オフ状態となる。生成部50はリーダライタ1の近傍に設けられるものであれば良く、例えば、リーダライタ1の無線タグ2を検知することができる範囲内に設ければよい。その他、生成部50の終端(本例では生成用ローラ55)がリーダライタ1の無線タグ2を検知することができる範囲内に存在すればよい。
【0016】
オフ状態となった無線タグ2はベルト53B上を他端のローラ52側へ向けて搬送され、最終的に回収される。なお、本実施の形態においては生成部50として3つの生成用ローラ53,54,55を用いる例を挙げたがこれに限るものではない。例えば2つ以上の生成用ローラ50を用いれば良くその数を限定するものではない。図2は他の生成部50の例を示す説明図である。台車6上には無線タグ2が上面に付された物品4が載置されている。ユーザは台車6をリーダライタ1が存在する矢印で示す方向に進行させる。リーダライタ1近傍の生成部50として、3つの三角柱53,54,55が貼り付けられている。
【0017】
この3つの3角柱53,54,55は例えば樹脂製または金属製であり、台車6の進行方向と交差する方向を長手方向として、所定間隔を空けて設置されている。本例で挙げた三角柱53,54,55の他、半円柱または四角柱を相互に台車6進行方向に間隔を空けて複数設置することで、上下方向への移動が所定時間内に3回続くパターンが生成される。
【0018】
図3はリーダライタ1及びコンピュータ3のハードウェアを示すブロック図である。コンピュータ3は例えばパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistance)、空港、集荷センタまたは工場等内で使用される制御装置、または、サーバコンピュータ等が用いられる。以下ではコンピュータ3をパーソナルコンピュータであるものとして説明する。コンピュータ3はCPU(Central Processing Unit)31、RAM(Random Access Memory)32、記憶部35、通信部36、入力部33及び表示部34等を含む。CPU31は、バス37を介してハードウェア各部と接続され、これらを制御すると共に、記憶部35に格納された制御プログラム35Pに従って、種々のソフトウェア機能を実行する。入力部33は例えばキーボードまたはマウス等であり、リーダライタ1に対する制御情報等を入力する。表示部34は例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等であり、リーダライタ1及び無線タグ2に関する情報を表示する。
【0019】
記憶部35は例えばハードディスク等であり、リーダライタ1を制御するための制御プログラム35P、OS(Operating System)及び各種データ等を記憶している。通信部36は例えばUSB(Universal Serial Bus)ポート等であり、リーダライタ1の通信部14との間で情報を送受信する。リーダライタ1は制御部11、メモリ12、時計部13、通信部14、受信部16、送信部18、生成部110、復号部111、送信アンテナ181、及び受信アンテナ161等を含む。
【0020】
制御部11は、バス17を介してハードウェア各部と接続され、これらを制御すると共に、メモリ12に記憶された制御プログラム12Pに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。通信部14は例えばUSBポート等であり、コンピュータ3との間で情報を送受信する。時計部13は時刻情報を制御部11へ出力する。なお、時計部13は必ずしもリーダライタ1内部に設ける必要はなく、コンピュータ3内部の時計部(図示せず)から出力される時刻情報を利用しても良い。生成部110は制御部11から出力された制御情報を所定の符号化方式に従い符号化する。生成部110は符号化した制御情報を送信部18へ出力する。送信部18は符号化された制御情報を変調し、変調後の制御信号(RF信号)を、送信アンテナ181を介して無線タグ2へ送信する。
【0021】
無線タグ2から送信された応答信号は受信アンテナ161を介して受信部16にて受信される。受信部16は応答信号を復調し、復調後の応答情報を復号部111へ出力する。復号部111は上述した符号化方式に基づき応答情報を復号し、復号後の応答情報を制御部11へ出力する。なお、送信アンテナ181及び受信アンテナ161は一体としても良い。
【0022】
図4は無線タグ2のハードウェアを示すブロック図である。無線タグ2は通信制御部である制御部21、メモリ22、電源部24、センサ25、無線通信部である受信部26及び送信部28、生成部210、復号部211、受信アンテナ262、並びに、送信アンテナ281等を含む。制御部21は、バス27を介してハードウェア各部と接続され、これらを制御すると共に、メモリ22に記憶された制御プログラム22Pに従って、種々のソフトウェア機能を実行する。電源部24はボタン電池等を内蔵し各ハードウェアへ電力を供給する。
【0023】
電源部24はセンサ25に常時電力を供給する。その一方で制御部21、メモリ22、生成部210、復号部211、受信部26及び送信部28等を含む他のハードウェアに対しては、センサ25がパターンの検出により起動信号を電源部24に出力した場合に電力を供給する。受信部26は受信アンテナ262を介してリーダライタ1から送信される制御信号の検出(キャリアセンス)を行う。受信部26は検出した制御信号を復調し、復調後の制御情報を復号部211へ出力する。復号部211は上述した符号化方式に従い復号を行い復号後の制御情報を制御部21へ出力する。制御部21はメモリ22のタグID記憶部221に記憶した無線タグ2を特定するための固有のタグIDを読み出す。制御部21はタグIDを含む応答情報を生成部210へ出力する。生成部210は上述した符号化方式に従い応答情報を符号化する。
【0024】
生成部210は符号化した応答情報を送信部28へ出力する。送信部28は応答情報を変調し、変調後の応答信号を、送信アンテナ281を介してリーダライタ1へ送信する。センサ25は例えば加速度センサ、振動センサ、または衝撃センサ等が用いられる。センサ25はパターン記憶部251及び時計部252を含む。パターン記憶部251は無線タグ2による通信を開始するトリガとなるパターンを記憶している。図1の例ではパターン記憶部251は上下方向への移動が所定時間内に3回繰り返されるパターンを記憶している。
【0025】
センサ25はパターンを検出した場合、検出したパターンと、パターン記憶部251に記憶したパターンとが一致することを条件に、電源部24へ起動信号を出力する。電源部24は起動信号を受けて制御部21等のハードウェアに電力を供給する。これにより無線タグ2はリーダライタ1との通信を開始する。受信部26はリーダライタ1の送信部18から出力される制御信号を、受信アンテナ262を介して受信する。制御部21は復調及び復号後の制御情報を受信する。制御部21は制御情報の受信をトリガにタグID記憶部221に記憶したタグIDを含む応答情報を生成部210へ出力する。
【0026】
送信部28は符号化及び変調後の応答信号を、送信アンテナ281を介してリーダライタ1へ出力する。センサ25は時計部252から出力される時刻情報を参照し、起動信号を出力してから一定時間を経過したと判断した場合に、電源部24へ停止信号を送信する。電源部24は停止信号を受け付けた場合、制御部21、メモリ22、生成部210、復号部211、受信部26及び送信部28等を含む他のハードウェアに対する電力供給を停止する。これによりリーダライタ1との通信は終了する。具体的には受信部26による制御信号の検出及び送信部28による応答信号の送信を終了する。
【0027】
図5はリーダライタ1及び無線タグ2間の信号の送受信状態を示すタイムチャートである。図5の横軸は時間、縦軸は信号がハイまたはローのいずれかを特定するための強度である。図5Aはリーダライタ1の送信部18から送信される制御信号の変化を示すタイムチャートである。リーダライタ1の制御部11は送信部18を介して制御信号を連続的に送信する。図5Bはリーダライタ1の受信部16における受信状態の変化を示すタイムチャートである。リーダライタ1の受信部16はリーダライタ1がオンの場合、常時無線タグ2からの応答信号を受信できる状態となっている。
【0028】
図5Cは無線タグ2における信号の受信状態を示すタイムチャートである。図5Dは無線タグ2における信号の送信状態を示すタイムチャートである。図5Eはセンサ25の出力の変化を示すタイムチャートであり、図5Fは送信部28及び受信部26のオンオフ状態の変化を示すタイムチャートである。センサ25はパターン記憶部251に記憶したパターンに一致するパターン(図5E参照)を検出した場合、電源部24に起動信号を出力する。図5Fに示す如くオフ状態にある送信部28及び受信部26はオン状態となる。電力が供給された制御部21は送信部28により黒色長方形で示す如く、所定周期でリーダライタ1の送信部18から送信される制御信号の検出(キャリアセンス)を行う。なお、制御信号は右斜め下へ向かうハッチングを付した長方形で示している。無線タグ2は受信部26を介して制御信号を受信した場合、タグID記憶部221からタグIDを読み出す。このタグIDは無線タグ2を識別するために付与される固有の識別情報である。
【0029】
制御部21は読み出したタグIDを含む応答信号を、送信部28を介してリーダライタ1へ送信する。図5B及びDに示す如く、左斜め下へ向かうハッチングを付した長方形で示す応答信号が無線タグ2からリーダライタ1へ送信されたことが理解できる。センサ25は時計部252の出力を監視し、一定時間経過後に電源部24に停止信号を出力する。電源部24は制御部21への電力供給を停止する。図5Fに示す如くオン状態にある送信部28及び受信部26はオフ状態となる。図5B乃至Dに示す如く、3度目の応答信号の送信以降は、キャリアセンスが行われず、再び無線タグ2は停止状態となる。なお、本実施の形態においては電源部24がセンサ25から停止信号を出力した場合に、無線タグ2を停止する例を挙げて説明したがこれに限るものではない。例えば、制御部21は電力供給後、時計部252の出力を参照し、一定時間経過後(例えば10秒後)に送信部28からの応答信号の送信を停止するか、または、受信部26によるキャリアセンスを停止しても良い。
【0030】
以上のハードウェアにおいて送受信の手順を、フローチャートを用いて説明する。図6及び図7は送受信の手順を示すフローチャートである。ベルトコンベア56により搬送される無線タグ2のセンサ25は電源部24により電力を供給される(ステップS61)。リーダライタ1はコンピュータ3からの起動信号を受け付けた場合、電源がオン状態となる。その後リーダライタ1の制御部11は生成部110にて制御情報を生成し、生成した制御情報を送信部18へ出力する。送信部18は送信アンテナ181を介して変調後の制御信号を連続的に送信する(ステップS62)。一方、無線タグ2に内蔵されるセンサ25はパターン検出を行う(ステップS63)。
【0031】
無線タグ2のセンサ25は検出したパターンがパターン記憶部251に記憶したパターンに一致するか否かを判断する(ステップS64)。センサ25は一致しないと判断した場合(ステップS64でNO)、処理を再びステップS63へ戻し、処理を繰り返す。一方、センサ25はパターンが一致すると判断した場合(ステップS64でYES)、電源部24へ起動信号を出力する。電源部24は起動信号の受信をトリガに、制御部21、メモリ22、生成部210、復号部211、受信部26、及び、送信部28へ電力を供給する(ステップS65)。
【0032】
制御部21はリーダライタ1との間での通信を開始すべく、受信部26によるキャリアセンスを開始する(ステップS66)。受信部26は制御信号を受信したか否かを判断する(ステップS67)。受信部26は制御信号を受信したと判断した場合(ステップS67でYES)、タグID記憶部221からタグIDを読み出す(ステップS68)。制御部21は生成部210によりタグIDを含む応答情報を生成する(ステップS69)。制御部21は生成したタグIDを含む応答情報を送信部28へ出力する。送信部28は応答情報を変調し、変調後の応答信号をリーダライタ1へ送信する(ステップS71)。なお、無線タグ2及びリーダライタ1においては受信した信号の復調及び復号処理、並びに、送信する信号の符号化及び変調処理が行われるが、説明を容易にするために以下ではこれらの記載を適宜省略する。
【0033】
リーダライタ1の受信部16は応答信号を受信する(ステップS72)。受信部16は復調後の応答情報を制御部11へ出力する。制御部11は応答情報中のタグIDを時計部13から出力される時刻情報に対応づけてメモリ12に記憶する(ステップS73)。なお、リーダライタ1は記憶したタグID及び時刻情報を受信の度に、または、一定時間毎(例えば1時間毎)にコンピュータ3へ出力する。コンピュータ3のCPU31は通信部36を介して出力されたタグID及び時刻情報を受信する。CPU31は記憶部35にタグID及び時刻情報を記憶する。
【0034】
ステップS71の後、及び、ステップS67において制御部21が制御信号を受信していないと判断した場合(ステップS67でNO)、ステップS74へ移行する。無線タグ2の制御部21は、時計部252の出力を参照し、ステップS65により電力を供給されてからまたはステップS66によりキャリアセンスを開始してから、一定時間を経過したか否かを判断する(ステップS74)。制御部21は一定時間を経過していないと判断した場合(ステップS74でNO)、ステップS66へ移行し、以上の処理を繰り返す。
【0035】
制御部21は一定時間を経過したと判断した場合(ステップS74でYES)、送信部28に対し、キャリアセンスの停止信号を出力する。送信部28は停止信号を受けてキャリアセンスを終了する(ステップS75)。制御部21は電源部24に対し停止信号を出力する。電源部24は停止信号を受けて、制御部21、メモリ22、生成部210、復号部211、受信部26、及び、送信部28への電力供給を停止する(ステップS76)。なお、センサ25が時計部252の出力を参照し、一定時間経過後に電源部24に対し停止信号を出力しても良い。これにより、単なる衝撃等をセンサ25が検知した場合でも、無線タグ2は動作することがないため、他の無線タグ2との衝突を防止することが可能となる。またリーダライタ1近傍の生成部50によりパターンを検出した場合にのみ動作するため、省電力を図ることが可能となる。
【0036】
実施の形態2
実施の形態2はさらに第2生成部を通過させる形態に関する。図8は実施の形態2に係る制御システムの概要を示す模式図である。実施の形態1に加え、第2生成部60が設けられている。第2生成部60は生成部50に対し無線タグ2の搬送方向下流側に一定距離を隔てて、リーダライタ1近傍に配置されている。なお、コンピュータ3により制御される他のリーダライタ1をさらに一つ増設し、この他のリーダライタ1の近傍に第2生成部60を設けても良い。この場合、第2生成部60がリーダライタ1の制御信号の送信範囲内に属していればよい。
【0037】
第2生成部60は生成用ローラ53,54,55と同じく、ローラ59等よりも直径の大きい2本の生成用ローラ61,62が用いられる。第2生成部60は生成部50とは無線タグ2に異なるパターンを生成させる。生成用ローラ61,62は所定間隔を経てベルト53B内面に挿入される。生成用ローラ61,62は他のローラ59等よりも直径が大きいため、ベルト53Bは生成用ローラ61の上部付近で弧上にふくらむ。生成用ローラ61と生成用ローラ62との間のベルト53Bは再び床に対して平行となる。その後下流の生成用ローラ62の上部付近で再度弧上にふくらむ。
【0038】
本例では、生成部50は上下方向への移動が一定時間間隔で3回続くパターン、第2生成部60は上下方向への移動が一定時間間隔で2回続く第2パターンを生成させる。なお、生成されるパターンと第2パターンとが相違する限り、生成部50及び第2生成部60は他の形態であっても良い。例えば生成部50の生成用ローラを2つとし、後段の第2生成部60の生成用ローラを3つとしても良い。
【0039】
図9は他の生成部50及び第2生成部60の例を示す説明図である。図2に示した生成部50に加え、台車6の搬送方向下流側にさらに第2生成部60を設置する。第2生成部60は床面に2つの三角柱61,62を、所定間隔を隔てて取り付けられている。生成部50と第2生成部60とは一定距離(例えば2m)を隔てて、設置される。これにより台車6上の無線タグ2は生成部50による上下方向への移動が一定時間間隔で3回続くパターンを検出する。その後、台車6上の無線タグ2は第2生成部60による上下方向への移動が一定時間間隔で2回続く第2パターンを検出する。
【0040】
図10及び図11は実施の形態2に係る送受信の手順を示すフローチャートである。ベルトコンベア56により搬送される無線タグ2のセンサ25は電源部24により電力を供給される(ステップS101)。リーダライタ1はコンピュータ3からの起動信号を受け付けた場合、電源がオン状態となる。その後リーダライタ1の制御部11は制御情報を送信部18へ出力する。送信部18は送信アンテナ181を介して変調後の制御信号を連続的に送信する(ステップS102)。無線タグ2に内蔵されるセンサ25はパターン検出を行う(ステップS103)。
【0041】
無線タグ2のセンサ25は検出したパターンがパターン記憶部251に記憶したパターンに一致するか否かを判断する(ステップS104)。センサ25は一致しないと判断した場合(ステップS104でNO)、処理を再びステップS103へ戻し、処理を繰り返す。一方、センサ25はパターンが一致すると判断した場合(ステップS104でYES)、電源部24へ起動信号を出力する。電源部24は起動信号の受信をトリガに、制御部21、メモリ22、生成部210、復号部211、受信部26、及び、送信部28へ電力を供給する(ステップS105)。
【0042】
制御部21は受信部26によるキャリアセンスを開始する(ステップS106)。受信部26は制御信号を受信したか否かを判断する(ステップS107)。受信部26は制御信号を受信したと判断した場合(ステップS107でYES)、タグID記憶部221からタグIDを読み出す(ステップS109)。制御部21は生成部210によりタグIDを含む応答情報を生成する(ステップS111)。制御部21は送信部28を介して、タグIDを含む応答信号をリーダライタ1へ送信する(ステップS112)。
【0043】
リーダライタ1の受信部16は応答信号を受信する(ステップS113)。受信部16は復調後の応答情報を制御部11へ出力する。制御部11は応答情報中のタグIDを時計部13から出力される時刻情報に対応づけてメモリ12に記憶する(ステップS114)。コンピュータ3のCPU31は通信部36を介して出力されたタグID及び時刻情報を受信する。CPU31は記憶部35にタグID及び時刻情報を記憶する。ステップS107において、受信部26が制御信号を受信していないと判断した場合(ステップS107でNO)、制御部21は時計部252の出力を参照し、電力供給後一定時間を経過したか否かを判断する(ステップS108)。この一定時間はメモリ22に記憶されており、例えば5秒である。
【0044】
制御部21は一定時間を経過していないと判断した場合(ステップS108でNO)、処理をステップS106へ戻し処理を繰り返す。ステップS112の後、センサ25は引き続き、第2パターンの検出を行う(ステップS115)。センサ25は検出したパターンがパターン記憶部251に記憶した第2パターンに一致するか否かを判断する(ステップS116)。後述するステップS117へ処理を移行する。一方、センサ25は第2パターンが一致すると判断した場合(ステップS116でYES)、センサ25は停止信号を電源部24へ出力する。停止信号を受けた電源部24は制御部21、メモリ22、生成部210、復号部211、受信部26、及び、送信部28へ電力供給を停止する(ステップS118)。電力供給が停止され送信部28によるキャリアセンスも終了する(ステップS119)。
【0045】
ステップS116においてセンサ25は第2パターンに一致しないと判断した場合(ステップS116でNO)、センサ25はステップS104においてパターンが一致すると判断してから、一定時間を経過したか否かを判断する(ステップS117)。センサ25は一定時間を経過していないと判断した場合(ステップS117でNO)、処理をステップS115へ戻し処理を繰り返す。なお、この一定時間(例えば5秒)はセンサ25のパターン記憶部251に記憶されている。
【0046】
センサ25は一定時間を経過したと判断した場合(ステップS117でYES)、タイムアウトと判断し、電源部24へ停止信号を出力する。電源部24は制御部21等への電力供給を停止する(ステップS118)。また、ステップS108において、制御部21はリーダライタ1からの制御信号を受信せずに、一定時間経過したと判断した場合(ステップS108でYES)、電源部24に停止信号を出力する。電源部24は停止信号を受けて制御部21等への電力供給を停止する(ステップS118)。これにより、無線タグ2が生成部50と第2生成部60との間を通過する間に必要な情報の送受信が可能となる。また、第2生成部60を通過したことをトリガに無線タグ2がオフ状態となることから、省電力を図ることが可能となる。
【0047】
上述した処理の他、生成部50によるパターンの生成及び第2生成部60による第2パターンの生成を条件にリーダライタ1は無線タグ2が通過したと判断しても良い。以下に当該処理について説明する。図12乃至図14は送受信処理の手順を示すフローチャートである。ステップS121乃至ステップS132の処理はステップS101乃至ステップS112の処理と同様であるので説明を省略する。制御部21はセンサ25によるパターン検出後、タグIDを含む応答信号をリーダライタ1へ送信し、リーダライタ1の受信部16は応答信号を受信する(ステップS133)。
【0048】
リーダライタ1の制御部11は応答信号及び時計部13から出力される時刻情報を対応づけてメモリ12に記憶する(ステップS134)。ステップS132の後、センサ25は引き続き、第2パターンの検出を行う(ステップS135)。センサ25は検出したパターンがパターン記憶部251に記憶した第2パターンに一致するか否かを判断する(ステップS136)。センサ25は一致しないと判断した場合(ステップS136でNO)、後述するステップS148へ処理を移行する。一方、センサ25は第2パターンが一致すると判断した場合(ステップS136でYES)、タグID記憶部221からタグIDを読み出す(ステップS137)。さらに制御部21はタグIDを含む第2応答情報を生成する(ステップS138)。第2応答情報は第2パターンを検出したことを示す情報が付加されている。
【0049】
制御部21は生成したタグIDを含む第2応答信号をリーダライタ1へ送信する(ステップS139)。リーダライタ1の制御部11はタグIDを含む第2応答信号を受信する(ステップS141)。制御部11はステップS133で受信した応答信号及びステップS141で受信した第2応答信号の双方を受信したか否かを判断する(ステップS142)。制御部11は応答信号及び第2応答信号の双方を受信していないと判断した場合(ステップS142でNO)、無線タグ2が正しく通過していないものとして処理を終了する。一方、制御部11は応答信号及び第2応答信号の双方を受信したと判断した場合(ステップS142でYES)、タグID、時計部13から出力される時刻情報、通過したことを示す通過情報を対応づけてメモリ12に記憶する(ステップS143)。
【0050】
制御部11はこの記憶したタグID、時刻情報及び通過情報をコンピュータ3へ出力する(ステップS144)。コンピュータ3のCPU31はタグID、時刻情報及び通過情報を記憶部35に記憶する。また制御部11はリーダライタ1を特定するための固有のリーダライタIDを読み出す。制御部11は送信部18を介して、時刻情報、リーダライタID及び通過情報を無線タグ2へ送信する(ステップS145)。これはリーダライタ1近傍の生成部50及び第2生成部60を正しく通過したことを無線タグ2に通知するためである。なお、リーダライタ1のリーダライタIDを送信する代わりに、リーダライタ1が設置されている位置を示す位置情報(緯度及び経度など)を送信しても良い。
【0051】
無線タグ2の制御部21はリーダライタID及び通過情報を受信する(ステップS146)。無線タグ2の制御部21は受信したリーダライタID、時刻情報及び通過情報をメモリ22に記憶する(ステップS147)。ステップS136において、センサ25が第2パターンに一致しないと判断した場合(ステップS136でNO)、センサ25は一定時間を経過したか否かを判断する(ステップS148)。センサ25は一定時間を経過していないと判断した場合(ステップS148でNO)、ステップS135へ処理を戻す。
【0052】
ステップS147の処理の後、ステップS128で一定時間を経過した場合、及びステップS148でセンサ25が一定時間を経過したと判断した場合(ステップS148でYES)、センサ25は停止信号を電源部24へ出力する。停止信号を受けた電源部24は制御部21、メモリ22、生成部210、復号部211、受信部26、及び、送信部28へ電力供給を停止する(ステップS149)。電力供給が停止され送信部28によるキャリアセンスも終了する(ステップS151)。これにより、生成部50のみを通過して他の搬送路へ搬送される無線タグ2については通過していないものとして判断することが可能となる。
【0053】
本実施の形態2は以上の如きであり、その他は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0054】
実施の形態3
実施の形態3は他の生成部50及び第2生成部60に関する。図15は実施の形態3に係る制御システムの概要を示す模式図である。実施の形態3に係る制御システムは生成部50、第2生成部60、ゲート63、リーダライタ1、コンピュータ3、物品4、ベルトコンベア56及び無線タグ2等を含む。無線タグ2が貼り付けられた物品4はベルトコンベア56により搬送される。ベルトコンベア56は上流側にて時計方向周りに物品4を回転させる生成部50、及び、下流側にて反時計方向周りに物品4を回転させる第2生成部60を備える。
【0055】
生成部50と第2生成部60との間のベルトコンベア56上にはゲート63が架設されている。ゲート63のベルトコンベア56上の略中央部にはリーダライタ1が設置されている。生成部50及び第2生成部60はリーダライタ1近傍に設けられており、生成部50または第2生成部60上にて搬送される無線タグ2は、リーダライタ1との間で信号の送受信が可能である。無線タグ2は内部に加速度センサまたはジャイロセンサ等のセンサ25を有し、生成部50及び第2生成部60により生成されるパターン及び第2パターンを検出する。
【0056】
生成部50は無線タグ2を時計方向周りに所定時間内に回転させる。センサ25は所定時間内における時計方向周りの回転を検出し、電源部24へ起動信号を出力する。これにより、無線タグ2は制御部21の制御下でリーダライタ1との間で通信(信号の送受信)を開始する。第2生成部60は無線タグ2を反時計方向周りに所定時間内に回転させる。センサ25は所定時間内における反時計方向周りの回転を検出し、電源部24へ停止信号を出力する。これにより、無線タグ2はリーダライタ1との間での通信を終了する。なお、生成部50を反時計方向周りに、第2生成部60を時計方向周りにしても良い。上述した所定時間はメモリ22に予め記憶されており、ベルトコンベア56の搬送速度及び生成部50及び第2生成部60の搬送路の長さに応じて適宜の値とすればよい。例えば5秒とすればよい。
【0057】
なお、第2生成部60を設けることなく、生成部50での起動信号出力後、センサ25または制御部21が電源部24へ停止信号を出力することで、通信を終了しても良い。その他、リーダライタ1は実施の形態2で述べた如く生成部50でのパターン検出に基づく応答信号及び第2生成部60での第2パターン検出に基づく第2応答信号の受信を条件に、無線タグ2のタグID及び通過情報を記憶しても良い。また、第2生成部60を設けることなく、生成部50のみを設けても良い。生成部50によるパターン検出後一定時間経過後にセンサ25は電源部24に停止信号を出力する。これにより、予め定めた時間内で無線タグ2に生じるパターンを検出させることができる。また空港等、物品4が多数搬送される箇所においても無線タグ2の衝突の発生を低減させることが可能となる。
【0058】
本実施の形態3は以上の如きであり、その他は実施の形態1及び2と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0059】
実施の形態4
実施の形態4は補助生成部を設ける形態に関する。図16は実施の形態4に係る制御システムの概要を示す模式図である。生成部50の搬送方向上流側にはパターンが相違する補助パターンを生成させる補助生成部70が設けられている。本実施の形態においては、予め定めた補助パターンに従い光を照射するLED(Light-Emitting Diode)70を用いる例を挙げて説明する。なお、LED70にかえて実施の形態3で述べた時計方向へ回転するベルトコンベア56を補助生成部70として生成部50の上流側に設けても良い。なお、補助生成部70は必ずしもリーダライタ1の近傍に設ける必要はない。
【0060】
図17は実施の形態4に係る無線タグ2のハードウェアを示すブロック図である。実施の形態1に加え補助センサとしての光センサ71が設けられている。すなわち補助センサにはセンサ25とは異なる種類のセンサが適用される。光センサ71は補助パターン記憶部72に実施の形態1で述べたパターンとは異なる補助パターンを記憶している。図18はLED70の発光または非発光の遷移を示すタイムチャートである。図18において横軸は時間を示し単位はmsとしている。縦軸はLED70の発光または非発光のいずれかを示す。LED70は図示しない制御部によりPWM(Pulse-Width Modulation)制御が行われる。制御部は予め定めた補助パターンに従い、LED70をオンまたはオフする。
【0061】
LED70は補助パターンとして所定周期で所定時間の間発光を行う。図18の例では、3ms周期で1ms間発光とし、残りの2msの間は非発光とする補助パターンを示している。光センサ71はセンサ25と同様に電源部24による電力が常時供給されている。光センサ71は検出した光が、補助パターン記憶部72に記憶した補助パターンに一致すると判断した場合、補助起動信号をセンサ25へ出力する。センサ25の制御部253は時計部252の出力を参照し、光センサ71が補助パターンを検出した時刻(以下、補助検出時刻という)をメモリ254に記憶する。なお、本実施の形態においては光によるパターンを生成する例を挙げたがこれに限るものではない。例えばLEDに代えてスピーカを用いて音のパターンを生成させても良い。この場合補助センサにはマイク等を用いる。またパターン及び補助パターンを検出させる順序は、逆、すなわち先にパターンを検出し、後に補助パターンを検出させる形態であっても良い。
【0062】
続いてセンサ25は生成用ローラ53,54,55により生成されるパターンを検出する。センサ25はパターン記憶部251に記憶したパターンと一致すると判断した場合、光センサ71からの補助起動信号が出力されているか否かを判断する。そして制御部253は補助起動信号が出力されていると判断した場合、時計部252の出力を参照し、センサ25がパターンを検出した時刻(検出時刻)を取得する。制御部253はメモリ254内に記憶した補助検出時刻と検出時刻との間隔(以下、差分という)が、メモリ254に記憶した所定時間(例えば3秒)以内であるか否かを判断する。制御部253は所定時間内であることを条件に、電源部24へ起動信号を出力する。これにより、無線タグ2の制御部21等に電力が供給されリーダライタ1との通信が開始される。
【0063】
図19乃至図21はパターン及び補助パターンを用いた処理手順を示すフローチャートである。ベルトコンベア56により搬送される無線タグ2の電源部24はセンサ25及び補助センサ71に電力を供給する(ステップS191)。リーダライタ1はコンピュータ3からの起動信号を受け付けた場合、電源がオン状態となる。その後リーダライタ1の制御部11は生成部110にて制御情報を生成し、生成した制御情報を送信部18へ出力する。送信部18は送信アンテナ181を介して変調後の制御信号を連続的に送信する(ステップS192)。
【0064】
LED70は上述した補助パターンに従い点灯及び非点灯を繰り返す。無線タグ2に内蔵される補助センサ71は補助パターンの検出を行う(ステップS193)。光センサ71は検出した補助パターンが補助パターン記憶部72に記憶した補助パターンに一致するか否かを判断する(ステップS194)。光センサ71は一致しないと判断した場合(ステップS194でNO)、ステップS193へ移行し、以上の処理を繰り返す。光センサ71は一致すると判断した場合(ステップS194でYES)、補助起動信号をセンサ25へ出力する(ステップS195)。
【0065】
センサ25は時計部252から出力される時刻情報を参照し、この時刻情報を補助検出時刻としてメモリ254に記憶する(ステップS196)。補助パターンの検出を条件にセンサ25はパターンの検出を行う(ステップS197)。センサ25は検出したパターンがパターン記憶部251に記憶したパターンと一致するか否かを判断する(ステップS198)。センサ25は一致しないと判断した場合(ステップS198でNO)、ステップS197へ移行し、以上の処理を繰り返す。
【0066】
センサ25は一致すると判断した場合(ステップS198でYES)、時計部252から出力される時間に基づき、検出時刻を取得する(ステップS199)。制御部253はメモリ254から補助検出時刻を読み出す。そして制御部253は検出時刻と補助検出時刻との差分を検出する(ステップS201)。制御部253はメモリ254に記憶した所定時間を読み出す。制御部253は、差分は読み出した所定時間内であるか否かを判断する(ステップS202)。制御部253は差分が所定時間内でないと判断した場合(ステップS202でNO)、ステップS193へ処理を戻す。なおステップS202の処理は必ずしも設ける必要はない。
【0067】
制御部253は所定時間内であると判断した場合(ステップS202でYES)、電源部24へ起動信号を出力する(ステップS203)。電源部24は起動信号の受信をトリガに、制御部21、メモリ22、生成部210、復号部211、受信部26、及び、送信部28へ電力を供給する(ステップS204)。
【0068】
制御部21は受信部26によるキャリアセンスを開始する(ステップS205)。受信部26は制御信号を受信したか否かを判断する(ステップS206)。制御部21は受信部26が制御信号を受信していないと判断した場合(ステップS206でNO)、時計部252の出力を参照し、キャリアセンスを開始してから一定時間を経過したか否かを判断する(ステップS207)。制御部21は一定時間を経過していないと判断した場合(ステップS207でNO)、処理をステップS206へ戻し処理を繰り返す。
【0069】
一方、制御部21は一定時間を経過したと判断した場合(ステップS207でYES)、タイムアウトであるとして処理を終了する。この場合、制御部21は電源部24に停止信号を出力する。電源部24は制御部21等への電力供給を停止する。これにより受信部26でのキャリアセンスも終了する。受信部26は制御信号を受信したと判断した場合(ステップS206でYES)、タグID記憶部221からタグIDを読み出す(ステップS208)。制御部21は生成部210によりタグIDを含む応答情報を生成する(ステップS209)。制御部21は生成したタグIDを含む応答情報を送信部28へ出力する。送信部28は応答情報を変調し、変調後の応答信号をリーダライタ1へ送信する(ステップS211)。
【0070】
リーダライタ1の受信部16は応答信号を受信する(ステップS212)。受信部16は復調後の応答情報を制御部11へ出力する。制御部11は応答情報中のタグIDを時計部13から出力される時刻情報に対応づけてメモリ12に記憶する(ステップS213)。なお、リーダライタ1は記憶したタグID及び時刻情報を受信の度に、または、一定時間毎(例えば1時間毎)にコンピュータ3へ出力する。コンピュータ3のCPU31は通信部36を介して出力されたタグID及び時刻情報を受信する。CPU31は記憶部35にタグID及び時刻情報を記憶する。
【0071】
ステップS211の後、無線タグ2の制御部21は、時計部252の出力を参照し、ステップS204により電力を供給されてからまたはステップS205によりキャリアセンスを開始してから、一定時間を経過したか否かを判断する(ステップS214)。制御部21は一定時間を経過していないと判断した場合(ステップS214でNO)、ステップS205へ移行し、以上の処理を繰り返す。
【0072】
制御部21は一定時間を経過したと判断した場合(ステップS214でYES)、送信部28に対し、キャリアセンスの停止信号を出力する。送信部28は停止信号を受けてキャリアセンスを終了する(ステップS215)。制御部21は電源部24に対し停止信号を出力する。電源部24は停止信号を受けて、制御部21、メモリ22、生成部210、復号部211、受信部26、及び、送信部28への電力供給を停止する(ステップS216)。これにより、補助パターン及びパターン双方の一致を条件に無線タグ2による通信が開始するため、不用意に無線タグ2が通信を開始してしまう事態を未然に回避することが可能となる。また、補助パターンの一致とパターンの一致との間の時間を制限することでより高精度で無線タグ2の電源管理を行うことができ、さらなる省電力を図ることが可能となる。
【0073】
本実施の形態4は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至3と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0074】
実施の形態5
実施の形態5は実施の形態4に実施の形態2で述べた第2生成部60を追加する形態に関する。図22は実施の形態5に係る制御システムの概要を示す模式図である。制御システムは搬送方向の上流側から補助生成部70と生成部50とを備え、リーダライタ1のさらに下流に第2生成部60を備える。補助生成部70、生成部50、及び第2生成部60は、生成用ローラ53,61、LED70、三角柱53,61、時計方向に回転させるベルトコンベア56、または半時計方向に回転させるベルトコンベア56等を適宜の組み合わせで用いればよい。
【0075】
図23乃至図26はパターン、補助パターン及び第2パターンを用いた処理手順を示すフローチャートである。ステップS231乃至ステップS251の処理は実施の形態4で述べたステップS191乃至S211と同様であるので詳細な説明を省略する。実施の形態4で述べた補助パターン及びパターンの検知並びに制御信号の受信が完了した場合、以下の処理を行う。リーダライタ1の制御部11は受信部16を介して、無線タグ2から送信されたタグIDを含む応答信号を受信する(ステップS252)。
【0076】
制御部11は受信したタグIDを含む応答信号及び時計部13から出力される時刻情報を対応づけて記憶する(ステップS253)。ステップS251の後、センサ25は引き続き、第2パターンの検出を行う(ステップS254)。センサ25は検出したパターンがパターン記憶部251に記憶した第2パターンに一致するか否かを判断する(ステップS255)。センサ25は一致しないと判断した場合(ステップS255でNO)、後述するステップS267へ処理を移行する。一方、センサ25は第2パターンが一致すると判断した場合(ステップS255でYES)、タグID記憶部221からタグIDを読み出す(ステップS256)。さらに制御部21はタグIDを含む第2応答情報を生成する(ステップS257)。第2応答情報は第2パターンを検出したことを示す情報が付加されている。
【0077】
制御部21は生成したタグIDを含む第2応答信号をリーダライタ1へ送信する(ステップS258)。リーダライタ1の制御部11はタグIDを含む第2応答信号を受信する(ステップS259)。制御部11はステップS252で受信した応答信号及びステップS259で受信した第2応答信号の双方を受信したか否かを判断する(ステップS261)。制御部11は応答信号及び第2応答信号の双方を受信していないと判断した場合(ステップS261でNO)、無線タグ2が正しく通過していないものとして処理を終了する。一方、制御部11は応答信号及び第2応答信号の双方を受信したと判断した場合(ステップS261でYES)、タグID、時計部13から出力される時刻情報、通過したことを示す通過情報を対応づけてメモリ12に記憶する(ステップS262)。
【0078】
制御部11はこの記憶したタグID、時刻情報及び通過情報をコンピュータ3へ出力する(ステップS263)。コンピュータ3のCPU31はタグID、時刻情報及び通過情報を記憶部35に記憶する。また制御部11はリーダライタ1を特定するための固有のリーダライタIDを読み出す。制御部11は送信部18を介して、時刻情報、リーダライタID及び通過情報を無線タグ2へ送信する(ステップS264)。
【0079】
無線タグ2の制御部21はリーダライタID及び通過情報を受信する(ステップS265)。無線タグ2の制御部21は受信したリーダライタID、時刻情報及び通過情報をメモリ22に記憶する(ステップS266)。
【0080】
一方、上述のステップS255において、センサ25が第2パターンに一致しないと判断した場合(ステップS255でNO)、センサ25は一定時間を経過したか否かを判断する(ステップS267)。センサ25は一定時間を経過していないと判断した場合(ステップS267でNO)、ステップS254へ処理を戻す。ステップS266の処理の後、及び、ステップS267でセンサ25が一定時間を経過したと判断した場合(ステップS267でYES)、センサ25は停止信号を電源部24へ出力する。停止信号を受けた電源部24は制御部21、メモリ22、生成部210、復号部211、受信部26、及び、送信部28へ電力を供給を停止する(ステップS268)。電力供給が停止され送信部28によるキャリアセンスも終了する(ステップS269)。これにより、無線タグ2の読み取りまたは書き込みに関しより高いレベルでの管理が必要とされる物品4についても、適切に運用を図ることが可能となる。また、衝突または不要な動作を低減することが可能となるため、省電力を図ることが可能となる。
【0081】
本実施の形態5は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至4と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0082】
実施の形態6
実施の形態6はパターン、第2パターン及び補助パターンを選択する形態に関する。図27はパターン記憶部251及び補助パターン記憶部72のレコードレイアウトを示す説明図である。パターン記憶部251に記憶するパターンはリーダライタ1により書き込むことができる。また、無線タグ2の製造時に予め複数のパターンをパターン記憶部251に記憶しておき、複数のパターンから一のパターンを選択するようにしても良い。以下では、複数のパターンから一のパターンを選択する例について説明する。なお、パターンのみを変更するほか、本実施の形態に記載の如く第2パターン及び補助パターンについても同様に選択するようにしても良い。
【0083】
図27Aはパターン記憶部251のレコードレイアウトを示す説明図である。パターン記憶部251は特定情報フィールド、第2特定情報フィールド、パターンIDフィールド及びパターンフィールドを含む。特定情報は複数のパターンから一のパターンを特定するための情報をいう。パターン記憶部251のパターンIDフィールド及びパターンフィールドには複数のパターンIDに対応づけて、それぞれ異なるパターンが記憶されている。これは実施の形態1で述べた生成用ローラ53等により生成されるパターン等であり、例えば上下方向への移動が3回、4回、または5回等の異なるパターンが記憶されている。
【0084】
ユーザは生成部50の設置状況に応じて特定情報をコンピュータ3により入力する。図28はパターン選択画面のイメージを示す説明図である。ユーザはコンピュータ3の制御プログラム35Pを実行する。CPU31は、記憶部35に記憶したパターン選択画面を読み出し表示部34に表示する。表示部34には、複数のパターンから一のパターンを特定するための画面が表示される。ユーザは希望するパターンを、入力部33を介して特定情報を入力する。パターン選択画面には、チェックボックス、パターンID、及び、パターンの詳細な内容を示す説明が表示される。なお本実施の形態においては文章でパターンを表現する例を説明しているが、CPU31が記憶部35に記憶したパターンの動きを示す動画ファイルを再生するようにしても良い。
【0085】
CPU31は入力部33を介して特定情報を受け付ける。図27Aにおける特定情報フィールドには、ユーザが選択した特定情報に係るパターンIDのレコードにフラグがセットされる。センサ25はステップS238等のパターンが一致するか否かの判断においては、パターン記憶部251に記憶した特定情報フィールドにフラグがセットされたパターンを読み出して判断を行う。センサ25はこのフラグがセットされたパターンに一致すると判断したことを条件に電源部24へ起動信号を出力する。これにより、無線タグ2とリーダライタ1との間の通信が開始される。
【0086】
第2パターンについてもユーザは同様に第2パターンの第2特定情報を、入力部33を介して入力する。この際、ユーザはパターンと第2パターンとが重複しないよう第2特定情報を入力する。なお、第2特定情報とは複数のパターンから一の第2パターンを特定するための情報をいう。CPU31は入力部33を介して第2特定情報を受け付ける。図27Aにおける第2特定情報フィールドには、ユーザが選択した第2特定情報に係るパターンIDのレコードにフラグがセットされる。なお、フラグは白色丸印で示している。センサ25はステップS255等の第2パターンが一致するか否かの判断においては、パターン記憶部251に記憶した第2特定情報フィールドにフラグがセットされた第2パターンを読み出して判断を行う。
【0087】
図27Bは補助パターン記憶部72のレコードレイアウトを示す説明図である。補助パターン記憶部72は補助特定情報フィールド、補助パターンIDフィールド及び補助パターンフィールドを含む。補助特定情報とは複数の補助パターンから一の補助パターンを特定するための情報をいう。
【0088】
補助パターンIDフィールド及び補助パターンフィールドには、補助パターンを特定するためのID及び補助パターンが記憶されている。この補助パターンは図27Aに示すパターンを検出するセンサ25とは異なる種類の補助センサ71にて検出することが可能な補助パターンを複数記憶しておくことが好ましい。例えば、LED70による発光パターンが記憶されている。図28に示す如く、ユーザは入力部33を介して、希望する補助パターンの補助特定情報を入力する。CPU31は入力部33を介して入力された補助特定情報を受け付ける。図27Bにおける補助特定情報フィールドには、ユーザが選択した補助特定情報に係るパターンIDのレコードにフラグがセットされる。補助センサ71はステップS234等の補助パターンが一致するか否かの判断においては、補助パターン記憶部71に記憶した補助特定情報フィールドにフラグがセットされた補助パターンを読み出して判断を行う。
【0089】
CPU31は入力部33から、決定ボタン341が入力された場合、パターンIDに係る特定情報、第2パターンに係る第2特定情報、補助パターンに係る補助特定情報を受け付ける。なお、特定情報にはパターンIDが含まれ、第2特定情報にもパターンIDが含まれ、補助特定情報には補助パターンIDが含まれる。CPU31は、受け付けた特定情報、第2特定情報、及び補助特定情報を、通信部36を介してリーダライタ1へ出力する。リーダライタ1の制御部11は通信部14を介して、特定情報、第2特定情報、及び補助特定情報を受け付ける。そして制御部11は無線タグ2との通信が確立した後、送信部18を介して、無線タグ2へ送信する。無線タグ2の制御部21は受信した特定情報及び第2特定情報をパターン記憶部251に記憶する。また制御部21は受信した補助特定情報を補助パターン記憶部72に記憶する。
【0090】
図29乃至図31はパターン登録の手順を示すフローチャートである。コンピュータ3のCPU31は入力部33からの制御プログラム35Pの起動命令を受け付ける。CPU31は起動命令の受け付けにより制御プログラム35Pを起動する(ステップS291)。CPU31は記憶部35から図28に示したパターン選択画面を読み出す(ステップS292)。CPU31は読み出した選択画面を表示部34に表示する(ステップS293)。
【0091】
ユーザは入力部33を介して一のパターンを特定するための特定情報、一の第2パターンを特定するための第2特定情報、及び一の補助パターンを特定するための補助特定情報を入力する。全ての情報を入力し終えた場合は決定ボタン341をクリックする。CPU31は入力部33から入力された特定情報、第2特定情報及び補助特定情報を受け付ける(ステップS294)。CPU31は受け付けた特定情報と第2特定情報とが一致するか否かを判断する(ステップS295)。具体的には、特定情報に係るパターンIDと、第2特定情報に係るパターンIDとが一致するか否かにより判断する。CPU31は一致すると判断した場合(ステップS295でYES)、記憶部35に記憶したエラー画面を読み出し、表示部34に表示する(ステップS296)。
【0092】
CPU31は処理を再びS293へ戻す。このエラー画面は、例えば「パターンと、第2パターンとは別のものを選んで下さい。」等のテキスト文とすれば良い。CPU31は一致しないと判断した場合(ステップS295でNO)、特定情報、第2特定情報及び補助特定情報を、通信部36を介してリーダライタ1へ出力する(ステップS297)。リーダライタ1の制御部11は通信部14を介して、特定情報、第2特定情報及び補助特定情報を受け付ける(ステップS298)。
【0093】
制御部11は特定情報、第2特定情報及び補助特定情報をメモリ12に記憶する(ステップS299)。制御部11は送信部18を介して、書き換え命令、特定情報、第2特定情報及び補助特定情報を含む制御信号を無線タグ2へ送信する(ステップS301)。この書き換え命令は無線タグ2のパターン記憶部251及び補助パターン記憶部72に記憶した特定情報、第2特定情報及び補助特定情報を、制御部21に書き換えさせるための命令である。無線タグ2の制御部21は書き換え命令、特定情報、第2特定情報及び補助特定情報を、受信部26を介して受信する(ステップS302)。なお、無線タグ2とリーダライタ1との間は既に通信が確立しており、制御部21等に電源部24からの電力が供給されているものとして説明する。
【0094】
制御部21は書き換え命令に従い、パターン記憶部251に受信した特定情報及び第2特定情報を記憶する(ステップS303)。具体的には特定情報に含まれるパターンIDに対応させて、特定情報フィールドにフラグを設定する。同様に、第2特定情報に含まれるパターンIDに対応させて、第2特定情報フィールドにフラグを設定する。制御部21は、書き換え命令に従い、補助パターン記憶部72に受信した補助特定情報を記憶する(ステップS304)。具体的には補助特定情報に含まれる補助パターンIDに対応させて、補助特定情報フィールドにフラグを設定する。なお、ステップS303及びS304の処理はセンサ25の制御部253または光センサ71の図示しない制御部が実行しても良い。なお、既に他のフラグが設定されている場合は、制御部21はフラグを消去した上で書き換え処理を実行する。
【0095】
無線タグ2の制御部21は書き換えが終了したことを示す書き換え終了情報を含む応答信号をリーダライタ1へ送信する(ステップS305)。リーダライタ1の制御部11は書き換え終了情報を含む応答信号を受信する(ステップS306)。制御部11は書き換え終了情報をコンピュータ3へ出力する(ステップS307)。コンピュータ3のCPU31は、書き換え終了情報を受け付けた場合、書き換え終了情報を表示部34に表示する(ステップS308)。この書き換え終了情報は、例えば「無線タグ2への特定情報、第2特定情報及び補助特定情報の書き込みが終了しました。」等のテキスト文をCPU31が記憶部35から読み出して表示しても良い。
【0096】
CPU31は受け受けた特定情報、第2特定情報及び補助特定情報を記憶部35に記憶する(ステップS309)。これにより、本制御システムを利用するユーザの使用スペース等に応じて最適なパターン等を指定することが可能となる。例えば、広大な検査スペースを有し、また、高い精度が要求される場合、変動要素が多いパターンを選択すればよい。従ってユーザの要望に応じた普遍性の高い無線タグ2を提供することも可能となる。
【0097】
本実施の形態6は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至5と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0098】
実施の形態7
図32は実施の形態7に係る無線タグ2のハードウェアを示すブロック図である。センサユニット250はセンサ25、検出部255、判定部256、パターン記憶部251及び時計部252等を含む。センサは検出した振動、光または音等の信号を検出部255へ出力する。検出部255は出力された信号を検出する。検出部255は検出した信号を判定部256へ出力する。判定部256は、時計部252から出力される時刻情報を参照し、所定時間範囲において検出した信号が、パターン記憶部251に記憶したパターンと一致するか否かを判定する。判定部256は一致すると判定した場合、電源部24へ起動信号を出力する。
【0099】
図33及び図34は送受信処理の手順を示すフローチャートである。ベルトコンベア56により搬送される無線タグ2のセンサユニット250は電源部24により電力を供給される(ステップS331)。リーダライタ1はコンピュータ3からの起動信号を受け付けた場合、電源がオン状態となる。その後リーダライタ1の制御部11は制御情報を送信部18へ出力する。送信部18は送信アンテナ181を介して変調後の制御信号を連続的に送信する(ステップS332)。検出部255はセンサ25に接続されており、センサ25から出力される信号を検出する(ステップS333)。検出部255は検出した信号を判定部256へ出力する(ステップS334)。
【0100】
判定部256はパターン検出を行う(ステップS335)。無線タグ2の判定部256は所定時間内に出力されたパターンがパターン記憶部251に記憶した複数のパターンの内の一つのパターンに一致するか否かを判断する(ステップS336)。判定部256は一致しないと判断した場合(ステップS336でNO)、処理を再びステップS333へ戻し、処理を繰り返す。一方、判定部256はパターンが一致すると判断した場合(ステップS336でYES)、電源部24へ起動信号を出力する。電源部24は起動信号の受信をトリガに、制御部21、メモリ22、生成部210、復号部211、受信部26、及び、送信部28へ電力を供給する(ステップS337)。
【0101】
制御部21は受信部26によるキャリアセンスを開始する(ステップS338)。受信部26は制御信号を受信したか否かを判断する(ステップS339)。受信部26は制御信号を受信していない場合(ステップS339でNO)、処理をステップS338へ戻す。受信部26は制御信号を受信したと判断した場合(ステップS339でYES)、タグID記憶部221からタグIDを読み出す(ステップS342)。制御部21は生成部210によりタグIDを含む応答情報を生成する(ステップS343)。制御部21は送信部28を介して、タグIDを含む応答信号をリーダライタ1へ送信する(ステップS344)。
【0102】
リーダライタ1の受信部16は応答信号を受信する(ステップS345)。受信部16は復調後の応答情報を制御部11へ出力する。制御部11は応答情報中のタグIDを時計部13から出力される時刻情報に対応づけてメモリ12に記憶する(ステップS346)。ステップS342の後、一定時間経過後(例えば5秒後)に電源部29へ停止信号を出力し、リーダライタ1との間の情報の送受信を終了しても良い。検出部255は、センサ25から出力される信号を検出する(ステップS347)。検出部255は検出した信号を判定部256へ出力する(ステップS348)。
【0103】
判定部256は第2パターン検出を行う(ステップS349)。無線タグ2の判定部256は所定時間内に出力されたパターンがパターン記憶部251に記憶した複数のパターンの内の第2パターンに一致するか否かを判断する(ステップS351)。なお、この第2パターンはステップS336で判定したパターンとは相違する。判定部256は一致しないと判断した場合(ステップS351でNO)、処理を再びステップS347へ戻し、処理を繰り返す。一方、判定部256はパターンが一致すると判断した場合(ステップS351でYES)、タグID記憶部221からタグIDを読み出す(ステップS352)。
【0104】
さらに制御部21はタグIDを含む第2応答情報を生成する(ステップS353)。第2応答情報は第2パターンを検出したことを示す情報が付加されている。制御部21は生成したタグIDを含む第2応答信号をリーダライタ1へ送信する(ステップS354)。以降の処理はステップS148と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0105】
本実施の形態7は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至6と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0106】
以上の実施の形態1乃至7を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0107】
(付記1)
リーダライタと通信する無線タグを制御する無線タグの制御方法であって、
内蔵されるセンサが、予め記憶部に記憶したパターンに一致するパターンを検出したことを条件に、前記リーダライタとの通信を開始する無線タグを、前記リーダライタ近傍に設置され前記パターンを生成させる生成部へ通過させ、
前記生成部への通過により前記無線タグが一致するパターンを検出した場合に、前記無線タグが前記リーダライタとの通信を開始する
無線タグの制御方法。
【0108】
(付記2)
前記無線タグは一致するパターンを検出した後の一定時間経過後に前記リーダライタとの通信を終了する
付記1に記載の無線タグの制御方法。
【0109】
(付記3)
前記無線タグが前記リーダライタとの通信を開始した後に、前記無線タグを前記リーダライタ近傍に設置され前記パターンとは異なる第2パターンを生成させる第2生成部へ通過させ、
前記第2生成部への通過により、前記無線タグが予め記憶部に記憶した第2パターンに一致する第2パターンを検出した場合に、前記リーダライタとの通信を終了する
付記1に記載の無線タグの制御方法。
【0110】
(付記4)
前記無線タグが前記パターンを検出し前記リーダライタとの通信を開始する場合、応答信号を前記リーダライタへ送信し、
前記無線タグが前記第2パターンを検出した場合、第2応答信号を前記リーダライタへ送信し、
前記リーダライタは前記応答信号及び第2応答信号の双方の受信を条件に、前記無線タグが通過したことを示す情報を記憶する
付記3に記載の無線タグの制御方法。
【0111】
(付記5)
リーダライタと通信する無線タグを制御する無線タグの制御方法であって、
内蔵されるセンサが、予め記憶部に記憶したパターンに一致するパターンを検出し、かつ、内蔵される補助センサが予め記憶部に記憶した補助パターンに一致する補助パターンを検出したことを条件に、前記リーダライタとの通信を開始する無線タグを、前記リーダライタ近傍に設置され前記パターンを生成させる生成部、及び、前記リーダライタ近傍に設置され前記補助パターンを生成させる補助生成部へ通過させ、
前記生成部及び前記補助生成部への通過により前記無線タグが前記パターン及び前記補助パターンを検出した場合に、前記無線タグが前記リーダライタとの通信を開始する
無線タグの制御方法。
【0112】
(付記6)
前記無線タグが前記リーダライタとの通信を開始した後に、前記無線タグを前記リーダライタ近傍に設置され前記パターンとは異なる第2パターンを生成させる第2生成部へ通過させ、
前記第2生成部への通過により、前記無線タグが予め記憶部に記憶した第2パターンに一致する第2パターンを検出した場合に、前記リーダライタとの通信を終了する
付記5に記載の無線タグの制御方法。
【0113】
(付記7)
前記無線タグが前記パターン及び補助パターンを検出し前記リーダライタとの通信を開始する場合、応答信号を前記リーダライタへ送信し、
前記無線タグが前記第2パターンを検出した場合、第2応答信号を前記リーダライタへ送信し、
前記リーダライタは前記応答信号及び第2応答信号の双方の受信を条件に、前記無線タグが通過したことを示す情報を記憶する
付記6に記載の無線タグの制御方法。
【0114】
(付記8)
前記無線タグは、内蔵されるセンサが、予め記憶部に記憶したパターンに一致するパターンを検出した時間と、内蔵される補助センサが予め記憶部に記憶した補助パターンに一致する補助パターンを検出した時間との間隔が、記憶部に記憶した所定時間内であることを条件に、前記リーダライタとの通信を開始する
付記5に記載の無線タグの制御方法。
【0115】
(付記9)
前記リーダライタは、複数のパターンから一のパターンを特定するための特定情報を受け付け、受け付けた特定情報を無線タグへ送信し、
前記無線タグは、内蔵されるセンサが、記憶部に記憶された複数のパターンの内、前記送信された特定情報に対応する一のパターンに一致するパターンを検出したことを条件に、前記リーダライタとの通信を開始する
付記1に記載の無線タグの制御方法。
【0116】
(付記10)
リーダライタと通信する無線タグであって、
予め記憶部に記憶したパターンに一致するパターンを検出したか否かを判断するセンサと、
該センサが前記パターンを検出したと判断した場合に、前記リーダライタとの通信を開始する開始手段と
を備える無線タグ。
【0117】
(付記11)
前記開始手段により前記リーダライタとの通信を開始した後の一定時間経過後に前記リーダライタとの通信を終了する終了手段
を備える付記10に記載の無線タグ。
【0118】
(付記12)
前記センサは、
予め記憶部に記憶したパターンに一致するパターンを検出したか否か、または、記憶部に記憶した第2パターンに一致する第2パターンを検出したか否かを判断し、
前記センサが前記第2パターンを検出したと判断した場合に、前記開始手段により開始した前記リーダライタとの通信を終了する終了手段
を備える付記10に記載の無線タグ。
【0119】
(付記13)
前記開始手段により通信を開始する場合に、応答信号を前記リーダライタへ送信する送信手段と、
前記終了手段により通信を終了する前に、第2応答信号を前記リーダライタへ送信する第2送信手段と
を備える付記12に記載の無線タグ。
【0120】
(付記14)
リーダライタと通信する無線タグであって、
予め記憶部に記憶したパターンに一致するパターンを検出したか否かを判断するセンサと、
予め記憶部に記憶した補助パターンに一致する補助パターンを検出したか否かを判断する補助センサと、
前記センサが前記パターンを検出し、かつ、前記補助センサが前記補助パターンを検出したと判断した場合に、前記リーダライタとの通信を開始する開始手段と
を備える無線タグ。
【0121】
(付記15)
前記センサは、
予め記憶部に記憶したパターンに一致するパターンを検出したか否か、または、前記記憶部に記憶した第2パターンに一致する第2パターンを検出したか否かを判断し、
前記センサが前記第2パターンを検出したと判断した場合に、前記開始手段により開始した前記リーダライタとの通信を終了する終了手段
を備える付記14に記載の無線タグ。
【0122】
(付記16)
前記開始手段により通信を開始する場合に、応答信号を前記リーダライタへ送信する送信手段と、
前記終了手段により通信を終了する前に、第2応答信号を前記リーダライタへ送信する第2送信手段と
を備える付記15に記載の無線タグ。
【0123】
(付記17)
前記センサにより前記パターンを検出した時刻と、前記補助センサにより前記補助パターンを検出した時刻との間隔が、記憶部に記憶した所定時間内であるか否かを判断する判断手段を備え、
前記開始手段は、
該判断手段により所定時間内であると判断した場合に、前記リーダライタとの通信を開始する
付記14に記載の無線タグ。
【0124】
(付記18)
前記リーダライタから送信される複数のパターンから一のパターンを特定するための特定情報を受信する受信手段を備え、
前記開始手段は、
前記センサが、記憶部に記憶された複数のパターンの内、前記受信手段により受信した特定情報に対応する一のパターンを検出したと判断した場合に、前記リーダライタとの通信を開始する
付記10に記載の無線タグ。
【符号の説明】
【0125】
1 リーダライタ
2 無線タグ
3 コンピュータ
4 物品
5 駆動部
6 台車
11 制御部
12 メモリ
12P 制御プログラム
13 時計部
14 通信部
16 受信部
18 送信部
21 制御部
22 メモリ
22P 制御プログラム
24 電源部
25 センサ
26 受信部
28 送信部
31 CPU
32 RAM
33 入力部
34 表示部
35 記憶部
36 通信部
50 生成部
51,52 ローラ
53,54,55 生成用ローラ(三角柱)
53B ベルト
56 ベルトコンベア
57 スライダ
58 回転軸
60 第2生成部
61,62 生成用ローラ(三角柱)
63 ゲート
70 LED
71 光センサ
72 補助パターン記憶部
110 生成部
111 復号部
161 受信アンテナ
181 送信アンテナ
210 生成部
211 復号部
221 タグID記憶部
251 パターン記憶部
252 時計部
253 制御部
254 メモリ
262 受信アンテナ
281 送信アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーダライタと無線通信することができる無線通信部を有する無線タグを制御する無線タグの制御方法であって、
前記無線タグに接続されたセンサからの信号を検出する工程と、
所定時間範囲において検出された前記信号が、予め記憶したパターンに一致するか否かを判定する工程と、
前記判定する工程において一致すると判定された場合、前記無線通信部を用いて前記リーダライタとの無線通信を実行する工程と
を前記無線タグに実行させる無線タグの制御方法。
【請求項2】
前記判定する工程において一致すると判定された場合、前記無線通信部への電力の供給を開始する工程と、
前記判定する工程において一致すると判定された後の一定時間経過後に前記無線通信部への電力供給を停止する工程を、
前記無線タグに実行させる
請求項1に記載の無線タグの制御方法。
【請求項3】
前記判定する工程は、所定時間範囲において検出された前記信号を、予め記憶した複数のパターンのいずれかと一致するか否かを判定し、
前記無線通信を実行する工程は、前記判定する工程において一致すると判定されたパターンに応じて、前記リーダライタとの無線通信において送信する内容を切り替える、
請求項1又は2に記載の無線タグの制御方法。
【請求項4】
前記所定時間範囲において検出された信号が、前記電力の供給を開始する工程において電力の供給を開始する条件とされたパターンとは異なる予め記憶した第2のパターンに一致するか否かを判定する工程と、
前記第2のパターンに一致するか否かを判定する工程において前記信号が第2のパターンと一致すると判定された場合に、前記無線通信部への電力の供給を停止する工程と、
を前記無線タグに実行させる
請求項1乃至3に記載の無線タグの制御方法。
【請求項5】
前記第2のパターンに一致するか否かを判定する工程において前記信号が第2のパターンと一致すると判定された場合、前記無線通信部への電力の供給を停止する前に、当該無線タグが通過したことを示す情報を前記リーダライタへ送信する工程、
を前記無線タグに実行させる
請求項4に記載の無線タグの制御方法。
【請求項6】
リーダライタと無線通信することができる無線通信部を有する無線タグであって、
前記無線タグに接続されたセンサからの信号を検出する検出部と、
所定時間範囲において検出された前記信号が、予め記憶したパターンに一致するか否かを判定する判定部と、
前記判定部において一致すると判定された場合、前記無線通信部を用いて前記リーダライタとの無線通信を実行する通信制御部と
を備える無線タグ。
【請求項7】
リーダライタと無線通信することができる無線通信部を有する無線タグを制御する無線タグの制御プログラムであって、
前記無線タグに接続されたセンサからの信号を検出する工程と、
所定時間範囲において検出された前記信号が、予め記憶したパターンに一致するか否かを判定する工程と、
前記判定する工程において一致すると判定された場合、前記無線通信部を用いて前記リーダライタとの無線通信を実行する工程と
を前記無線タグに実行させる無線タグの制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2010−206529(P2010−206529A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49780(P2009−49780)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】