説明

無線タグ

【課題】衣類に取り付けて洗濯することができる。
【解決手段】無線タグ10は、インレット部12の両面にそれぞれ設けられた第1部材13と、第1部材13の少なくとも一方の外面に設けられた第2部材14a,14bとをそれぞれ被覆する被覆層15の外面、または第2部材14a,14bと被覆層15との間に天然繊維、または天然繊維を含む複合繊維で織られた織布で構成された第3部材16a,16bがそれぞれ設けられるようになる。このような第3部材16a,16bにより、無線タグ10の曲がりすぎによるICチップ11及びアンテナ並びにインレット部12の破損が防止される。さらに、洗浄工程において無線タグ10を石油系・塩素系等の有機溶剤に浸漬しても熱硬化性樹脂の被覆層15の膨潤を抑制することができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency IDentification)技術を用いた通信システムが普及している。この通信システムでは、読み取り/書き込み装置と無線タグとが無線通信する。このような通信システムを利用することで、物品に関する情報を保持する無線タグを当該物品に取り付けて、物品管理を行うことができる。
【0003】
例えば、無線タグを衣類に取り付けておくことで、アパレルメーカ並びに小売店では出荷、納品等の管理を容易に行うことができるようになる。また、クリーニング所では、対象となる衣類の受け付け、洗濯状況、配送等を容易に管理することができ、大量に扱われる衣類を間違いなく取り扱うことが可能となる。なお、このように衣類に取り付けられる無線タグは熱硬化性樹脂で封止されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−015682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような無線タグが取り付けられた衣類の洗濯時の洗浄工程のドライクリーニングで塩素系または石油系等の有機溶剤が利用される場合には無線タグの熱硬化性樹脂が膨潤してしまう。さらに、脱水工程で圧力脱水が行われる場合には衣類と共に衣類に取り付けられた無線タグに繰り返し大きな圧力が様々な方向に加えられて伸縮変形してしまう。無線タグはこのような影響を受けると特に厚みが薄い部分から脆くなり壊れてしまうという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、物品(衣類)に取り付けて洗濯することができる無線タグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、物品に取り付けられる無線タグにおいて、ICチップ及びアンテナが主面にそれぞれ実装されたインレット部と、前記インレット部の両面にそれぞれ設けられた第1部材と、前記ICチップの実装位置に対応する、一対の前記第1部材の少なくとも一方の外面に設けられた第2部材と、前記第1部材及び前記第2部材をそれぞれ被覆する熱硬化性樹脂で構成された被覆層と、前記被覆層の外面、または前記第2部材と前記被覆層との間にそれぞれ設けられた、天然繊維、または天然繊維を含む複合繊維で織られた織布で構成された第3部材と、を有する無線タグが提供される。
【発明の効果】
【0008】
このような無線タグは、衣類に取り付けて洗濯することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態に係る無線タグを説明するための図である。
【図2】実施の形態の具体的な材質を利用した織布の試験結果を示す図である。
【図3】実施の形態の具体的な材質を利用した不織布の試験結果を示す図である。
【図4】実施の形態に係る無線タグの製造方法を説明するための図である。
【図5】実施の形態に係る無線タグの別の製造方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態に係る無線タグを説明するための図である。
なお、無線タグ10について、図1(A)は側面図である。また、図1(B)は上面図であって、上面からの各部材の配置位置を破線で表している。
【0011】
無線タグ10は衣類、シーツ、タオル等の洗濯の対象となる物品に取り付けられるものである(なお、以下では、物品の一例として、衣類の場合を例に挙げる)。
無線タグ10が取り付けられた衣類を洗濯した場合において、当該衣類の洗浄工程(ドライクリーニング)での有機溶剤による無線タグ10の膨潤が防止される。また、当該衣類に対する圧力脱水で圧力を受けても当該無線タグ10の大きな曲がりが抑制される。このように無線タグ10は洗濯時において破損することがなく長期に利用可能なものである。
【0012】
このような無線タグ10は、図1に示されるように、インレット部12と、インレット部12の両面にそれぞれ設けられた第1部材13と、ICチップ11の実装位置に対応する、第1部材13の外面にそれぞれ設けられた第2部材14a,14bとを有する。さらに、第1部材13及び第2部材14a,14bをそれぞれ被覆する被覆層15と、被覆層15の外面にそれぞれ設けられた、第3部材16a,16bとを有する。なお、第2部材14a,14bは第1部材13の何れか一方の外面のみでもよい。また、第3部材16a,16bは、第2部材14a,14bと被覆層15と間に設けるようにしてもよい。
【0013】
インレット部12は、例えば、PET(PolyEthylene Terephthalate)の主面にICチップ11及びICチップ11に接続されたアンテナ(図示を省略)がそれぞれ実装されている。
【0014】
第1部材13は、熱可塑性樹脂のフィルムであって、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドエラストマー等を適用することができる。特に、耐溶剤性や耐熱性等に有利なポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂を適用することが望ましい。
【0015】
第2部材14a,14bは、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の単独樹脂、または、これらの樹脂に対して、ガラス繊維を複合したガラスエポキシ樹脂、金属繊維等を複合した樹脂等を補強材として適用することができる。
【0016】
被覆層15は、熱硬化性樹脂で構成される。熱硬化性樹脂を適用することで、洗濯後のアイロン時に加わる温度(例えば、約200℃)に対する耐熱性を備える。このため熱可塑性樹脂のように熱を受けた軟化現象によって衣類に貼り付くこともなく、長期利用が可能となる。また、このような被覆層15に適用される熱硬化性樹脂は、例えば、天然ゴム(NR)またはイソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPR,EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロブチルゴム(CIIR)等のハロブチルゴム、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、エポキシ化ブタジエンゴム(EBR)、エピクロルヒドリンゴム(CO,CEO)、ウレタンゴム(U)、ポリスルフィドゴム(T)、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、アニリン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂等を適用することができる。特に、後述する第3部材16a,16bとの接合が容易で、かつ低温から高温まで安定した温度特性を有するシリコーンゴムを利用することが好ましい。また、シリコーンゴムはミラブル型シリコーンゴムでも液状シリコーンゴムでもよい。
【0017】
また、被覆層15は、熱硬化性樹脂に加えて他の成分を含有していてもよい。例えば必要に応じて充填剤、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤等の添加剤を含有していてもよい。充填剤としてはカーボンブラック、シリカ、クレー、タルク等が挙げられ、加硫剤としては硫黄、硫黄化合物、ジアルキルパーオキサイト等の過酸化物、そして白金触媒等を用いた付加反応等が挙げられ、加硫促進剤としてはアルデヒドアンモニア類、アルデヒドアミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン類、チウラム類等が挙げられる。また、加硫助剤としてはステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、亜鉛華、リサージ、酸化マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられ、軟化剤としてはフタル酸エステル系可塑剤(ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等)、脂肪酸エステル系可塑剤(アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル等)、リン酸エステル系可塑剤(トリフェニルリン酸エステル、トリクレジルリン酸エステル等)を適用することができる。
【0018】
さらに、被覆層15に用いられる樹脂を、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤以外にも、樹脂架橋のためのフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、ルイス酸等の硬化触媒、過酸化物架橋のための過酸化物、共架橋剤(多官能(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジマレイミド等)により架橋されていてもよい。
【0019】
なお、第1部材13及び被覆層15は、インレット部12のPET及び第2部材14a,14bよりも軟らかい材質で構成される。
第3部材16a,16bは、天然繊維、または天然繊維を含む複合繊維で織られた織布で構成され、被覆層15の外側であって、無線タグ10の最外部、または第2部材14a,14bの外側と無線タグ10の最外部の被覆層15との間に配置される。このような第3部材16a,16bは、まず、天然繊維を含むことにより耐熱性に優れ、また、歪が生じにくいために、洗濯後の乾燥並びにアイロン(約200℃)の熱に耐えうることができ、熱を受けた軟化現象によって衣類に貼り付くこともなく、長期利用が可能となる。
【0020】
また、第3部材16a,16bは、天然繊維または天然繊維を含む複合繊維が網の目状(格子構造)に織られた織布であり、さらに、天然繊維は低伸縮性であることから、強度が高く、引き裂き等に対して耐えうることができる。このような第3部材16a,16bを被覆層15の図1中の上下面、または第2部材14a,14bの外側と無線タグ10の最外部の被覆層15との間に取り付けることで、洗濯時のドライクリーニングによる洗浄工程において無線タグ10を石油系・塩素系等の有機溶剤に浸漬しても熱硬化性樹脂の被覆層15の膨潤を抑制することができる。
【0021】
また、このような織布の第3部材16a,16bを既述の通り被覆層15に適切に取り付けるために、第3部材16a,16bの網の目はある程度の面積(格子面積)を有する必要がある。網の目がある程度の面積(例えば、図2の試験結果のように0.09〜0.1mm2程度)であることで、第3部材16a,16bを被覆層15に取り付けた際に、第3部材16a,16bに被覆層15の熱硬化性樹脂が浸透して、第3部材16a,16bと熱硬化性樹脂の被覆層15との間に十分な接合性が実現される。また、このような第3部材16a,16bが被覆層15に対して十分な接合性を有するには、第3部材16a,16bの網の目の形状は正方形またはひし形等の四角形であることが望ましい。
【0022】
また、無線タグ10は大きく曲がりすぎると、内部の第2部材14a,14b、最悪の場合にはICチップ11及びアンテナ等を破損してしまう場合がある。そこで、第3部材16a,16bは、既述の通り、強度が強く、引き裂き等に対して耐えうることができ、被覆層15に取り付けられ、第2部材14a,14bの外側に位置する。このため、無線タグ10に圧力が加えられた場合の当該無線タグ10に対する大きな曲がりの発生を抑制し、無線タグ10の曲がりに対する強度を高めることができる。
【0023】
このような第3部材16a,16bに用いる具体的な材質の試験結果について説明する。
図2は、実施の形態の具体的な材質を利用した織布の試験結果を示す図、図3は、実施の形態の具体的な材質を利用した不織布の試験結果を示す図である。
【0024】
図2及び図3は、第3部材16a,16bとして、図2及び図3に示す厚み(mm)(織布の場合は網の目面積(mm2)についても)の材質で構成した織布または不織布を適用した際の無線タグ10の試験結果である。試験項目としては、このような材質の第3部材16a,16bが用いられた無線タグ10の(成形における)加工性の優劣、有機溶剤(石油系・塩素系)を利用した際の優劣、圧力脱水に対する優劣であって、これらを踏まえた総合評価をそれぞれ示している。
【0025】
まず、図2に示す試験結果によれば、天然繊維である綿を含む織布は、加工性が良く、有機溶剤及び圧力脱水にでも破損することなく利用できることがわかる。
なお、天然繊維としては、綿以外にも、絹または麻等がある。このような天然繊維と共に複合繊維を構成するものとして、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の単独繊維、またはガラス繊維、金属繊維等が挙げられる。
【0026】
一方、図3により不織布を第3部材16a,16bに利用した場合について説明する。不織布は織布と異なり網の目構造ではないために、強度が弱く、引き裂き等に対して耐えることができない。このために、不織布を第3部材16a,16bに利用した場合には、洗濯時の洗浄工程(ドライクリーニング)において無線タグ10を有機溶剤に浸漬して熱硬化性樹脂の被覆層15の膨潤を抑制することができない。さらに、不織布は網の目構造ではないために熱硬化性樹脂の被覆層15と十分な接合性を実現することができない。このような理由により、図3に示されるように、いずれも、加工性が悪く、有機溶剤及び圧力脱水で利用することができない。さらに、図3で用いた材質はいずれも天然繊維を含んでおらず、耐熱性及び低伸縮性もない。したがって、不織布は第3部材16a,16bとして好ましくないことがわかる。
【0027】
次に、このような構成を有する無線タグ10の製造方法について説明する。
図4は、実施の形態に係る無線タグの製造方法を説明するための図である。
まず、PET上にICチップ11及びICチップ11と接続された図示しないアンテナをそれぞれ実装されたインレット部12に上下面から、例えば、熱可塑性樹脂フィルムの第1部材13a,13bを挟持させる(図4(A))。
【0028】
インレット部12を封止する第1部材13の、ICチップ11の配置位置に対応する箇所に、例えば、ガラスエポキシで構成される第2部材14a,14bをそれぞれ接着させる(図4(B))。
【0029】
所定の一対の金型に、それぞれ、例えば、綿で織られた布を敷くと共に当該布の上に熱硬化性樹脂を充填しておく。図4(B)で形成した構成体を熱硬化性樹脂側の被覆層15で覆われるように当該金型で挟持して熱硬化性樹脂を一体成型して、被覆層15を形成する。
【0030】
金型を取り外すことで、図1に示される無線タグ10が製造される。
また、このような無線タグ10の別の製造方法について説明する。
図5は、実施の形態に係る無線タグの別の製造方法を説明するための図である。
【0031】
まず、図4(A)に示されるように、PET上にICチップ11及びICチップ11と接続された図示しないアンテナをそれぞれ実装したインレット部12に上下面から、熱可塑性樹脂フィルムの第1部材13a,13bを挟持させておく。
【0032】
次いで、所定の一対の金型に、それぞれ、綿で織られた布を敷くと共に布の上に熱硬化性樹脂を充填し、充填された熱硬化性樹脂15a,15bに第2部材14a,14bをさらに配置させておく(図5(A))。
【0033】
このような金型で、図4(A)で形成された構造体を挟持して、熱硬化性樹脂15a,15bの接合面を、コロナ放電処理またはプラズマ処理を利用した化学結合によって分子接着接合により強固に接合する(図5(B))。
【0034】
金型を取り外すことで、図1に示される無線タグ10が製造される。
なお、熱硬化性樹脂15a,15bを周知従来の接着剤で接合した場合には、洗濯時の洗浄工程(ドライクリーニング)が繰り返されると、ドライクリーニングで利用される有機溶剤が接着剤による接合を剥がしてしまい、無線タグ10が壊れてしまう。一方、接着剤に代わって熱硬化性樹脂15a,15bを分子接着接合により接合することでこのような問題は解決されて洗濯での耐久回数が増加する。また、金型に充填した熱硬化性樹脂15a,15bに対して先に第2部材14a,14bを設置しておくことで、ICチップ11を保護するための第2部材14a,14bの位置決めを精度よく行うことができ、このようにして製造された無線タグ10のICチップ11を適切に保護することができるようになる。
【0035】
このような製造方法により製造された無線タグ10は、インレット部12の両面にそれぞれ設けられた第1部材13と、第1部材13の両面にそれぞれ設けられた第2部材14a,14bとをそれぞれ被覆する被覆層15の外面に天然繊維、または天然繊維を含む複合繊維で織られた織布で構成された第3部材16a,16bがそれぞれ設けられるようになる。
【0036】
このような無線タグ10は、第1部材13及び被覆層15がインレット部12のPET及び第2部材14a,14bよりも軟らかい材質で構成されている。また、第2部材14a,14bは第1部材13のICチップ11に対応する位置に精度高く配置されてICチップ11を保護することができる。さらに、無線タグ10の被覆層15の外面に低伸縮性であって強度が強く、引き裂き等に対しても強い第3部材16a,16bが設けられている。これにより、外部の圧力のよる無線タグ10の大きな曲がりの発生を抑制しつつ無線タグ10の折り曲げが可能となる。したがって、無線タグ10の曲がりすぎによるICチップ11及びアンテナ並びにインレット部12の破損を防止することができるようになる。
【0037】
また、第3部材16a,16bは、天然繊維、または天然繊維を含む複合繊維で織られた織布で構成されていることから、耐熱性に優れ、歪が生じにくく、さらに、強度が強く、引き裂き等に対して耐えうることができる。したがって、無線タグ10の被覆層15の外面に第3部材16a,16bを取り付けることで、洗濯後の乾燥並びにアイロン(約200℃)の熱に耐えうることができ、熱を受けた軟化現象によって衣類に貼り付くこともなく、長期利用が可能となる。さらに、洗濯時のドライクリーニングによる洗浄工程において無線タグ10を石油系・塩素系等の有機溶剤に浸漬しても熱硬化性樹脂の被覆層15の膨潤を抑制することができ、無線タグ10を破損させることなく無線タグ10を取り付けた衣類を洗濯することができるようになる。
【0038】
また、第3部材16a,16bは肌触りがよい天然繊維を用いており、また、第3部材16a,16bは熱を受けた軟化現象によって衣類に貼り付くことがない。このために、第3部材16a,16bが無線タグ10の最外部に取り付けられた場合には、このような無線タグ10が取り付けられた衣類を着用した利用者に対する不快感を抑制することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 無線タグ
11 ICチップ
12 インレット部
13,13a,13b 第1部材
14a,14b 第2部材
15 被覆層
15a,15b 熱硬化性樹脂
16a,16b 第3部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に取り付けられる無線タグにおいて、
ICチップ及びアンテナが主面にそれぞれ実装されたインレット部と、
前記インレット部の両面にそれぞれ設けられた第1部材と、
前記ICチップの実装位置に対応する、一対の前記第1部材の少なくとも一方の外面に設けられた第2部材と、
前記第1部材及び前記第2部材をそれぞれ被覆する熱硬化性樹脂で構成された被覆層と、
前記被覆層の外面、または前記第2部材と前記被覆層との間にそれぞれ設けられた、天然繊維、または天然繊維を含む複合繊維で織られた織布で構成された第3部材と、
を有することを特徴とする無線タグ。
【請求項2】
前記天然繊維は、少なくとも200度の温度に対する耐熱性を備えることを特徴とする請求項1記載の無線タグ。
【請求項3】
前記天然繊維は、綿、絹または麻であることを特徴とする請求項2記載の無線タグ。
【請求項4】
前記第3部材の前記天然繊維または前記複合繊維で織られることで構成される格子構造は正方形またはひし形であることを特徴とする請求項1記載の無線タグ。
【請求項5】
前記格子構造の1つの格子面積は0.1mm2であることを特徴とする請求項4記載の無線タグ。
【請求項6】
前記第1部材は、熱可塑性を備えることを特徴とする請求項1記載の無線タグ。
【請求項7】
前記第2部材は、ガラスエポキシ系で構成されていることを特徴とする請求項1記載の無線タグ。
【請求項8】
前記被覆層は、分子接着されて前記第1部材及び前記第2部材をそれぞれ被覆することを特徴とする請求項1記載の無線タグ。
【請求項9】
前記インレット部及び前記第2部材は、前記第1部材及び前記被覆層よりも軟らかいことを特徴とする請求項1記載の無線タグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−47880(P2013−47880A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185837(P2011−185837)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【出願人】(597096161)株式会社朝日ラバー (74)
【Fターム(参考)】