説明

無線ネットワークにおける呼の確立と維持

【課題】サービス品質(QoS)を設定し、WLAN内の呼に関して無線リソースを利用するための技法を提供する。
【解決手段】WLANを経由してサービスを受けるために登録を実行するのに先立って、前記WLAN内の一のアクセス・ポイントがサービスを受けるのに好適であることを局は保証する。他の態様においては、該局は最初に、トラフィック・フローに関して無線リソースを要求し、次にシグナリング・フローに関して無線リソースを要求し、該シグナリング・フローに関して無線リソースが許可されない場合には、ベストエフォート・トラフィックとしてシグナリングを送信する。さらに他の態様においては、該局は、複数のアプリケーションに関してQoSを合計し、該合計されたQoSに基づいて無線リソースを要求する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、「無線ローカルエリア・ネットワークのためのVoice over IP」と題され、2006年7月14日に出願され、本願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる米国仮出願第60/831,004号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本開示は、一般的には通信に関し、より具体的には無線ネットワークにおいて呼を確立するため、および維持するための技法に関する。
【背景技術】
【0003】
音声、ビデオ、パケット・データ、メッセージング、ブロードキャストなどのような様々な通信サービスを提供するために無線通信ネットワークは広範に展開されている。これらの無線ネットワークは無線広域網(WWAN)、無線メトロポリタン・エリア・ネットワーク(WMAN)、無線ローカルエリア・ネットワーク(WLAN)を含む。用語「ネットワーク」と「システム」はしばしば交換可能に使用される。
【0004】
ユーザーは、希望するサービス(例えば、「音声」)を無線ネットワークから獲得するために、一の局(例えば、「セルラー電話」)を利用することが可能である。サービスに関して必要とされるサービス品質(quality of service)(QoS)が達成可能であることを保証することにより、希望されるサービスは満足の行くように該ユーザーに対して提供されることが可能である。例えば、異なる複数のサービス、および/または異なる複数の無線ネットワークに関して、必要とされるQoSは、異なるパラメータによって定量化されることが可能である。例えば、音声サービスは、満足の行く性能のために、比較的厳格な遅延と、保証された特定の最小データレート、および特定のフレーム・エラー・レート (frame error rate)(FER)またはパケット・エラー・レート(packet error rate)(PER)を必要とする。
【0005】
該希望されるサービスに関してQoSを設定するために、該局は無線ネットワークでシグナリングを交換することが可能である。該希望されるサービスに関して該QoSを充足するために、該無線ネットワークは充分な無線リソースを許可することが可能である。該希望されるサービスに関して、呼のために効率的にQoSを設定し、無線リソースを利用することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
無線ネットワーク内において、呼のために効率的にQoSを設定し、無線リソースを利用するための技法が本明細書において説明される。一の態様において、WLANを介してサービスを受けるため、またはWLAN上へとサービスを移動するために、登録を実行するのに先立って、WLAN内のアクセスポイントがサービスを受けるのに適していることを一の局は保証する。該局はWLAN内の複数のアクセスポイントを検出し、例えば、一のアクセスポイントから受信されたビーコン・フレームのFER、及び/または、該アクセスポイントに関する受信信号強度インディケータ(received signal strength indicator)(RSSI)の測定値に基づくなどして、検出された何れかのアクセスポイントがサービスを受けるのに適しているか否かを決定する。サービスを受けるために好適なアクセスポイントを決定した後、該局はサービス登録を実行することが可能である。
【0007】
他の態様において、該局は最初に、少なくとも一つのトラフィック・フローに関して無線リソースを要求し、該トラフィック・フローに関する無線リソースの第1の許可を受信することが可能である。その後に、該局は、少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースを要求することが可能である。該シグナリング・フローに関して無線リソースが許可されるか否かに関らず、該トラフィック、およびシグナリングのフローを介して該局は通信することが可能である。無線リソースの第1の許可により、該局は、該トラフィック・フローに関するデータを送信することが可能である。該シグナリング・フローに関して許可された無線リソースがもし有れば、それを使用して、または、無線リソースが全く許可されていない場合にはベスト・エフォート・トラフィックとして、該シグナリング・フローに関するシグナリングを送信することが可能である。
【0008】
もう一つ別の態様において、該局は、複数のアプリケーションの各々についてQoSを決定することが可能であり、これらのアプリケーションに関して該QoSを合計することが可能である。その後、これらのアプリケーションに関して合計されたQoSに基づいて、該局はWLANから無線リソースを要求する。新しいアプリケーションが追加される時、または既存のアプリケーションが削除される時はいつでも、該局は該合計されたQoSを更新することが可能である。その後、該局は、該合計され更新されたQoSに関して無線リソースを要求することが可能である。
【0009】
もう一つ別の態様において、該局は、該呼に関して、WLANによって許可されたQoS、およびリモート端末によって提案されたメディア形式に関するQoSを決定することが可能である。WLANによって許可されたQoSと、リモート端末によって提案されたメディア形式に関するQoSとの差分に対応する余分な無線リソースを該局は解放することが可能である。
【0010】
もう一つ別の態様において、該局は、第1のアクセスポイントによって許可された第1のQoSに基づいてリモート端末と通信することが可能である。該局は該第1のアクセスポイントから第2のアクセスポイントへとハンドオフを実行しても良い。該局は、該第2のアクセスポイントから該第1のQoSまたはそれよりも低いQoSを要求することが可能であり、該第2のアクセスポイントから該第1のQoSまたはそれより低いQoSの許可を受信することが可能である。その後、該局は、該第2のアクセスポイントによって許可された該第1のQoSまたはそれより低いQoSに基づいて、該リモート端末と通信しても良い。このことは、該リモート端末にQoSを再度交渉させることを回避する。
【0011】
本開示の様々な態様と特徴が、下記で更に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】WLAN、3GPPネットワーク、および3GPP2ネットワーク
【図2】様々な層におけるデータフローとストリーム
【図3】一の局によるVoIP呼/セッションに関するメッセージ・フロー
【図4】サービス登録に関して局によって実行される方法
【図5】移動局により発された呼の設定に関するメッセージ・フロー
【図6】移動局により発された呼の設定に関するメッセージ・フロー
【図7】無線リソースを要求することに関する方法
【図8】複数のアプリケーションに関してQoSを合計することに関する方法
【図9】余分な無線リソースを解放することに関する方法
【図10】ハンドオフの期間中にQoSを確立することに関する方法
【図11】緊急呼を配置することに関する方法
【図12】局のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に記載された技法は、例えばWWAN、WMAN、およびWLANのような様々な無線ネットワークに関して使用されることが可能である。WWANは、符号分割多重アクセス(Code Division Multiple Access)(CDMA)ネットワーク、時分割多重アクセス(Time Division Multiple Access)(TDMA)ネットワーク、周波数分割多重アクセス(Frequency Division Multiple Access)(FDMA)ネットワーク、直交FDMA (Orthogonal FDMA)(OFDMA)ネットワーク、単一キャリアFDMA(Single-Carrier FDMA)(SC−FDMA)ネットワーク、等であってもよい。CDMAネットワークは、例えば、cdma2000、Universal Terrestrial Radio Access(UTRA)、等のような無線技術を実装しても良い。cdma2000は、IS−2000、IS−95、およびIS−856標準をカバーする。UTRAは広帯域CDMA (Wideband CDMA)(W−CDMA)および低チップレート(Low Chip Rate)(LCR)を含む。TDMAネットワークは、例えば、Global System for Mobile Communication(GSM(登録商標))のような無線技術を実装しても良い。OFDMAネットワークは、例えば、Evolved UTRA(E−UTRA)、IEEE802.20、Flash−OFDM等のような無線技術を実装しても良い。WMANは、例えば、IEEE802.16等のような無線技術を実装しても良い。WLANは、例えば、IEEE802.11、Hyperlan、等のような無線技術を実装しても良い。これらの様々な無線技術および標準は、当該技術分野において公知である。UTRA、E−UTRAおよびGSM(登録商標)は「第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3rd Generation Partnership Project)(3GPP)」と名付けられた組織からの文書に説明されている。cdma2000は、「第3世代パートナーシップ・プロジェクト2 (3rd Generation Partnership Project 2)(3GPP2)」と名付けられた組織からの文書に説明されている。明確にするために、該技法の特定の態様は、IEEE802.11を実装するWLANに関して下記に説明される。
【0014】
図1は、WLAN100、3GPPネットワーク102、および3GPP2ネットワーク104の展開を示す。WLAN100、3GPPネットワーク102、および/または3GPP2ネットワーク104によってサポートされる様々な通信サービスを獲得するために、一の局(STA)110はWLAN100と通信することが可能である。局110はまた、移動局、ユーザー装置(UE)、端末、ユーザー端末、加入者ユニット等と呼ばれることも可能である。局110は、セルラー電話、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、無線モデム、ハンドヘルド・デバイス、ラップトップ・コンピュータ、等であっても良い。局110は、WLAN100を介して他の端末、および/またはサーバー(例えば、リモート端末180)とデータを交換しまたは通信しても良い。
【0015】
WLAN100はアクセスポイント120aと120b、およびネットワークアドレス変換(Network Address Translation)(NAT)ファイアーウォール/ルータ130を含む。各アクセスポイント120は、そのアクセスポイントに関係付けられた局のために無線媒体/チャネルを介して配送サービスへのアクセスを提供する。ルータ130は、複数のアクセスポイント120とインターネット150との間でパケットをルーティングし、WLAN100内の局とアクセスポイントに関して、プライベートのインターネット・プロトコル(IP)アドレスとパブリックのIPアドレスとの間で変換を実行しても良い。WLAN100は、IEEE802.11標準ファミリーの中の任意の標準を実装しても良い。WLAN100はまた、媒体アクセス制御(Medium Access Control)(MAC)層に関するQoS拡張をカバーするIEEE802.11eを実装しても良い。
【0016】
3GPPネットワーク102は、W−CDMAまたはGSM(登録商標)ネットワークを利用するUniversal Mobile Telecommunication System(UMTS)ネットワークであっても良い。3GPPネットワーク102において、ノードB 122はUE(図示されず)のための無線通信をサポートする。基地局サブシステム(Base Station Subsystem)(BSS)/無線ネットワーク・コントローラ(Radio Network Controller)(RNC)132は無線リソースの使用を制御し、および他の機能を実行する。サービングGPRSサポートノード(Serving GPRS Support Node)(SGSN)142は、該SGSNによってサービスされるUEへのおよび該UEからのパケットの転送をサポートし、例えば、パケット・ルーティング、アクセス制御、移動性管理、セキュリティー等の機能を実行することが可能である。ゲートウェイGPRSサポートノード(Gateway GPRS Support Node)(GGSN)142は、イントラネット152とインターフェイスをとり、例えばパケット・ルーティング、IPアドレス割り当て、認証、課金等のような機能を実行しても良い。パケット・データ・ゲートウェイ(Packet Data Gateway)(PDG)/WLANアクセス・ゲートウェイ(WLAN Access Gateway)(WAG)162はUEがWLANを介して3GPPネットワークからサービスをアクセスすることを可能にし、例えば、ユーザー認証、セキュア・トンネル管理、等のような様々な機能を実行しても良い。呼セッション制御機能(Call Session Control Function)(CSCF)172は、プロキシーCSCF(Proxy CSCF)(P−CSCF)、サービングCSCF(Serving CSCF)(S−CSCF)、問い合わせCSCF(Interrogating CSCF)(I−CSCF)、等を含んでも良い。CSCF172は例えば、Voice−over−IP(VoIP)、マルチメディア、ショート・メッセージ・サービス(Short Message Service)(SMS)オーバーIP、インスタント・メッセージング(IM)、push−to−talk(PTT)等のような、IPマルチメディア・サブシステム(IMS)サービスをサポートするための様々な機能を実行する。CSCF172は、IMSサービスに関するUEからの要求を処理し、IMSに関する登録を実行し、セッション制御サービスを提供し、セッション状態情報を維持する等しても良い。
【0017】
3GPP2ネットワーク104は、IS−2000またはIS−95を利用するCDMA2000 1Xネットワーク、またはIS−856を利用する高レート・パケットデータ(High Rate Packet Data)(HRPD)等であっても良い。3GPP2ネットワーク104において、基地局124は移動局(図示なし)のための無線通信をサポートする。基地局コントローラ(Base Station Controller)(BSC)/パケット制御機能(Packet Control Function)(PCF)134は、自身の制御下にある基地局のために調整と制御を提供し、これらの基地局のためにデータをルーティングする。パケット・データ・サービング・ノード(Packet Data Serving Node)(PDSN)144は、3GPP2ネットワーク104内の移動局のためにデータ・サービスをサポートし、例えば、データ・セッションの確立、維持、および終了、パケット・ルーティング、IPアドレス割り当て、等のような機能を実行する。パケット・データ相互作用機能(Packet Data Interwork Function)(PDIF)164は、3GPP2ネットワーク104に対するIP接続性を提供し、例えば、ユーザー認証、セキュア・トンネル管理、IPアドレス割り当て、パケットのカプセル化、および逆カプセル化、等のような様々な機能を実行する。CSCF174はIMSサービスをサポートするための様々な機能を実行する。
【0018】
無線ネットワーク100、102、および104は、図1に図示されていない他のネットワーク・エンティティを含んでも良い。無線ネットワーク100、102、および104は、例えば、従来型の電話をサービスする公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network)(PSTN)178のような他のネットワークに対して直接的に、または間接的に結合する。局110は、該複数のネットワークのいずれかと通信する可能性のある他の端末およびサーバーと通信しても良い。図2は、WLAN100と通信する際の、局110に関する様々な層における複数のフローとストリームを示す。局110は、任意の通信サービスを契約することが可能な一つ以上のアプリケーションを有しても良い。該アプリケーションは、Session Initiation Protocol (SIP)、Real-time Transport Protocol (RTP)、および/または、アプリケーション層における他のプロトコルを使用して、他のエンティティ(例えば、リモート端末)と通信しても良い。SIPとは、VoIP、マルチメディア等に関してセッションを生成し、修正し、終了するためのシグナリング・プロトコルである。RTPは、エンド・ツー・エンド(end-to-end)のネットワーク転送機能を提供し、例えば、音声、ビデオ等のようなリアルタイム・データを送信するアプリケーションに適している。各アプリケーションは任意の数のデータフローを有していても良い。データフローは例えば、SIPフロー、RTPフロー、ベストエフォート(BE)フロー、等であっても良い。例えば、VoIPアプリケーションはトラフィック・データに関して一つ以上のRTPフローを有し、シグナリングのために一のSIPフローを有しても良い。他の例として、アプリケーション1は一のSIPフローを有するSIPアプリケーションであって良い。アプリケーション2〜NはSIPに基づくアプリケーションであってよく、これらの各々は、トラフィック・データに関して一つ以上のデータフローを有し、アプリケーション1に関する該SIPフローを介してシグナリングを送信しても良い。
【0019】
該複数のデータフローはデータ層によって処理されてもよく、複数のIPフローに対してマップされる。該データ層はTransmission Control Protocol (TCP)、User Datagram Protocol (UDP)、IP、および/または他のプロトコルを含んでも良い。例えば、局110は、一のVoIPアプリケーションに関して、複数のRTPとSIPのフローを搬送するのに一つのIPフローを有しても良く、一のブラウザ・アプリケーションに関して一のベストエフォート・フローを搬送するのにもう一つのIPフローを有しても良い。
【0020】
IEEE802.11eにおいては、IPフローはMAC層において処理され、トラフィック・ストリームにマップされる。各トラフィック・ストリームはトラフィック分類(traffic classification)(TCLAS)、および/またはトラフィック仕様(traffic specification)(TSPEC)と関係付けられる。TCLASは該トラフィック・ストリームに属するMACサービス・データ・ユニット(MSDU)を識別するために使用されるパラメータを特定し、それによって該トラフィック・ストリームに関するTSPECに従ってこれらのMSDUが送信されことが可能となる。TSPECは該トラフィック・ストリームのトラフィック属性(例えば、MSDUサイズ、および到着レート)、およびトラフィック特性(例えば、データレート、最大配送遅延、最大遅延分散すなわちジッター、等)を記述する。TSPECに関する該複数のパラメータの一部または全てはQoSを定義するために使用されることが可能なQoSパラメータと見なすことが可能である。
【0021】
IEEE802.11eは、拡張された分散チャネル・アクセス(enhanced distributed channel access)(EDCA)をサポートし、これは、複数の局によって搬送されるフローのQoS要件と、これらの局を通過するトラフィックの量に基づいて、これらの局による無線媒体/チャネルに対する優先順位を付けられたアクセスを可能にする。EDCAは、該複数の局によるアクセスの制御とチャネル上での送信のために、下記のアクセス・パラメータを利用する。
−アービトレーション・インターフレーム・スペース(Arbitration inter frame space) (AIFS) -送信が発生する前にチャネルがアイドル状態になるのを待つ時間の量
−最小および最大の競合ウィンドウ(Minimum and Maximum Contention Window)(CWminおよびCWmax)-チャネルがビジー状態であると検出された際に待つ時間の量、および
−送信機会(Transmission Opportunity)(TXOP)限界-アクセスを取得した際に、一の局がチャネル上で送信できる時間の最大の量
チャネルをアクセスするために、局110は、チャネルがアイドル状態であるかまたはビジー状態であるかを見るために、まずチャネルをセンスすることが可能である。もしも、AIFSの時間にわたって該チャネルがアイドル状態であるならば、局110は該チャネル上で送信しても良い。もしも、該チャネルがビジー状態であるならば、局110は該チャネルがアイドル状態になるまで待ち、そして該チャネルがAIFSの時間にわたりアイドル状態のままでいるのを待ち、更にそして、ゼロ値と競合ウィンドウの間のランダムなバックオフの値を選択することが可能であり、ここで、この値は最初にCWminに設定されても良い。該チャネルがAIFSの時間にわたってアイドル状態であることをセンスした後に複数の局が同時に送信するというシナリオを回避するために、ランダムなバックオフが使用される。その後、局110は、該ランダムなバックオフをカウントダウンし、チャネルがビジー状態である時にはいつでも休止し、そして該チャネルがAIFSの時間にわたってアイドル状態である後は該カウントダウンを再開することが可能である。該カウントダウンがゼロに到達した時に、局110は、該チャネル上で送信しても良い。不成功に終わった送信の各々の後に、該競合ウィンドウがCWmaxに到達するまで、局110は、該競合ウィンドウを2倍にすることが可能である。
【0022】
AIFSとは、ビジー期間に続いて該チャネルがアイドル状態になった後に、局110が待つ時間の量である。局110は、AIFS時間の間チャネルへのアクセスを延期する。このように、AIFSは、チャネルへのアクセスを獲得する可能性に影響するかもしれない。一般に、優先度の高いトラフィックを有する局は、優先度の低いトラフィックを有する、従ってより大きなAIFS値を有する他の局の前にチャネルのアクセスを可能とするために、より小さなAIFS値を使用することが可能である。最小の競合ウィンドウ、および(より少ない度合いで)最大の競合ウィンドウは、チャネルにアクセスする時間の平均量を決定するかもしれない。平均的に見て、より小さなCWminを有する局は、より大きなCWminを有する局より短い量の時間でチャネルへのアクセスを獲得するかもしれない。
【0023】
IEEE 802.11eは4つのアクセス・カテゴリーをサポートする、すなわち - 音声(AC_VO)、ビデオ(AC_VI)、ベストエフォート(AC_BE)およびバックグラウンド(AC_BK)である。前記4つのアクセス・カテゴリーは合計8つの異なる優先順位を有しており、各アクセス・カテゴリは2つの優先順位を有する。バックグラウンドは、0と1の優先順位を持っている。ベストエフォートは、2と3の優先順位を持っている。ビデオは、4と5の優先順位を持っている。また、音声は6と7の優先順位を有する。各アクセス・カテゴリーについては、より低い優先順位はデータ向けである。また、より高い優先順位はシグナリング向けである。これは、データとシグナリングの間に競合がある場合、シグナリングがデータの前に送られることを可能にする。
【0024】
アクセス・ポイントは、各アクセス・カテゴリーのためにAIFS、CWmin、CWmaxおよびTXOP限界の値を設定することが可能である。これらのパラメータ値は、チャネルに対するアクセスを獲得できる可能性、チャネル・アクセスのための平均期間、チャネル上の平均送信時間などを決定するかもしれない。一般に、AIFS、CWminおよびCWmaxに関するより小さな値はチャネル・アクセスを改善する可能性があり、従って、優先度のより高いアクセス・カテゴリーにおいてデータとシグナリングのために使用される可能性がある。該アクセス・ポイントは、ビーコン・フレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレームなどの中のアクセス・パラメータ値を送信することが可能である。該アクセス・ポイントに関連した全ての局は、チャネルにアクセスするために該アクセス・パラメータ値を使用する可能性がある。
【0025】
図3は、局110による一のVoIP呼/セッションのためのメッセージ・フロー300を示す。図3は、(i)局110とアクセス・ポイント120aおよび120bとの間のデータおよびシグナリングの交換、および(ii)局110とIMコア・ネットワーク(IM CN)190との間のSIPシグナリングの交換を示す。IM CN 190はCSCF 172あるいは174、ならびに場合によっては他のネットワーク・エンティティを含んでいるかもしれない。簡単のために、アクセス・ポイント120aおよび120bと、例えばPDG/WAG 162およびPDIF 164等のような他のネットワーク・エンティティとの間のデータおよびシグナリングの交換は、図3に示されない。IM CN 190の中の様々なネットワーク・エンティティ同士の間のシグナリングの交換もまた示されていない。
【0026】
まず最初に、局110はWLANを探索し、WLAN 100内のアクセス・ポイントを検出し、WLAN 100内のアクセス・ポイント120aと関係を作ることが可能である(ステップM1)。RSSIの測定を行なうこと、ビーコン・フレームを読むこと、プローブ要求/応答を交換すること、アクセスとユーザー認証を行なうこと、アクセス・ポイント120aとのアソシエーション要求/応答を交換することをステップM1は含むことが可能である。その後、局110は、アクセス・ポイント120aのQoS機能を発見することが可能であり、これは例えば、アクセス・ポイント120aによって周期的に送信されたビーコン・フレーム、局110によって送信されたプローブ要求に対するアクセス・ポイント120aによって送信されたプローブ応答などに基づく(ステップM2)。その後、局110aは、IM CN 190によりIMS登録を行なうかもしれません (ステップM3)。局110が新しいカバレージ領域へ移動する、局110が電源投入される、などの場合、ステップM1〜M3が実行される可能性がある。
【0027】
VoIPアプリケーションは局110において起動される可能性がある。その後、局110は、リモート端末180とのVoIP呼を確立することが可能であり、それは、図1に示されるPSTN 178、あるいは他の何らかの無線または有線ネットワークに結合される可能性がある。局110は、アクセス・ポイント120aとのVoIP呼のために、RTPおよびSIPのフローに関するQoSを確立しても良い(ステップM4)。局110はさらにIM CN 190とのIMSセッションの確立を実行しても良い(ステップM5)。ステップM4およびM5は呼設定に関し、これらは並行して、あるいは局110がVoIP呼を発したか又は受信したかに依存して異なる順序で実行されることが可能である。
【0028】
呼設定を完了した後に、局110はアクセス・ポイント120aとVoIPデータを交換することが可能であり(ステップM6)、これは、リモート端末180(図3に示されない)に対してVoIPデータをルーティングすることが可能である。音声フレームは音声コーダー/デコーダ(ボコーダー)によって生成され、RTPパケット中で送信されることが可能である。RTPパケットはUDPデータグラムの中にカプセル化され、IPパケット中で送信されることが可能である。局110は、ステップM4において、音声アクセス・カテゴリーのためのトラフィック・ストリームを確立することが可能である。呼の継続中はいつでも、局110は新しいトラフィック・ストリームを追加するか、あるいは既存のトラフィック・ストリームを更新することが可能であり、それら両者はトラフィック・ストリームの「追加」と呼ばれる(ステップM7)。全てのトラフィック・ストリームに関して、局110はアクセス・ポイント120aとVoIPデータを交換することが可能である(ステップM8)。
【0029】
局110は該VoIP呼の期間中にアクセス・ポイント120aからアクセス・ポイント120bに対してハンドオフを行なうことが可能である(ステップM9)。ステップM9はアクセス・ポイント120aにアソシエーション解除メッセージを送信すること、アクセス・ポイント120aから受領通知を受け取ること、アクセス・ポイント120bにアソシエーション要求メッセージを送信すること、アクセス・ポイント120bからアソシエーション応答メッセージを受け取ること、アクセス・ポイント120bによってQoSを確立することを含むことが可能である。その後、局110は、アクセス・ポイント120bによって許可されたQoSに基づいてアクセス・ポイント120bとVoIPデータを交換することが可能である(ステップM10)。ある時点では、局110あるいはリモート端末180はVoIP呼を終了するかもしれない。局110は、IMSセッションの終了に関してIM CN 190とSIPシグナリングを交換することが可能であり(ステップM11)、RTPとSIPのフローに関してQoSを非活性化してもよい(ステップM12)。ステップM10およびM11は呼の終了に関し、これらは並行して、あるいは異なる順序で実行されることが可能である。
【0030】
ステップM4〜M12は他の呼に関して実行されても良い。局110は、例えば、一のVoIPアプリケーションが閉じられた際などに、IMSの登録解除を実行しても良い(ステップM13)。
【0031】
図3において、各ステップは双方向の矢印によって表現され、典型的には、少なくとも2つのエンティティの間で一組のメッセージが交換されることを伴う。これらのステップの幾つかは、下記に説明するように、一の呼に関して改善された性能が達成されるような方法で実行されることが可能である。
【0032】
一の態様では、局110は、WLANの中のアクセス・ポイントがWLAN経由でサービスを受けるために登録を実行するか、あるいはサービスをWLAN上に移動させるのに先立って「適切である」ことを保証します。局110とアクセス・ポイントの間のチャネル条件は広く変動するかもしれない。また、受信された信号の品質は同様に広く変動するかもしれない。それが比較的安定していて、局110によって十分な信号の品質で受信することができる場合、アクセス・ポイントは、適切であると考えられることが可能である。アクセス・ポイントが適切であることを局110が決定するまで、局110はサービス登録を遅らせることが可能である。この遅らされたサービス登録は、局110が断続的なアクセス・ポイント経由でサービス登録を行ない、このアクセス・ポイント経由で劣悪な品質のサービスを受けるシナリオを回避することが可能である。
【0033】
アクセス・ポイントの好適性はRSSIの測定、ビーコン・フレームに関するFERなどに基づいて決定されても良い。該アクセス・ポイントは、例えば100ミリセカンド(ms)ごとに、周期的にビーコン・フレームを送信しても良い。1つの設計では、局110は該アクセス・ポイントから受信したビーコン・フレームのためにRSSIの測定を行なうかもしれません。局110は、RSSIの閾値に対してRSSIの測定値を比較し、RSSIの測定値の所定の割合がRSSIの閾値より上にある場合に、アクセス・ポイントが適切であると宣言ことが可能である。別の設計では、局110は受信した各ビーコン・フレームを復号化し、ビーコン・フレームが正確に復号化されるか、あるいは復号化エラーを起こすかを判断することが可能である。局110は、ある時間間隔(例えば1〜5秒)にわたって受け取られたビーコン・フレームに関するFERを決定することが可能である。局110は、FER閾値(例えば10%)に対してビーコンFERを比較してもよく、ビーコンFERがFER閾値未満である場合に、アクセス・ポイントが適切であると宣言してもよい。別の設計では、局110は、最初にアクセス・ポイントのためにRSSIの測定を行なってもよい。幾つかのRSSIの測定値がRSSIの閾値を越える場合、局110は次に、アクセス・ポイントが適切かどうか判断するためにビーコンFERを確認してもよい。局110はさらに、他のパラメーターに基づいてアクセス・ポイントが適切かどうか判断してもよい。
【0034】
局110は該WLANの中の適切なアクセス・ポイントを識別した後にサービス登録を行なうことが可能である。該WLAN経由で全てのサービスを受けるために、局110はIMSの中で登録することが可能である。代替的に、例えば、該WLANの性能およびサービスのQoS要件に依存して、該WLAN経由で特定のサービスだけを受けるために、局110はIMSの中で登録することが可能である。例えば、局110はビーコンFERが第1のFER閾値未満である場合に、該WLAN経由でベストエフォート・サービスを受けるために登録することが可能である。局110はビーコンFERが第1のFER閾値より低い第2のFER閾値未満である場合に、該WLAN経由でVoIPサービスを受けるために登録することが可能である。これと対応して、ビーコンFERが第1のFER閾値より高い3番めのFER閾値を越える場合、局110は、ベストエフォート・サービスの登録解除をすることが可能である。ビーコンFERが前記第2のFER閾値より高い第4のFER閾値を越える場合、VoIPサービスに関して登録解除することが可能である。ヒステリシスを提供し、かつサービスのために選ばれたWLANの中のピンポン現象を回避するために、各サービスに関して、登録のためのFER閾値は登録解除のためのFER閾値より低い可能性がある。ビーコンFERはより信頼できるFER測定値を得るためにフィルタリングされるかもしれません。従って、局110は、該WLAN経由でサービスを受けるために該WLANおよびIMS登録のための無線獲得を分離してもよい。
【0035】
局110は、さらに該WLANの性能に基づいてサービス登録を変更してもよい。例えば、該WLAN経由で全てのサービスを受けるために、局110は最初に、IMSの中で登録してもよい。該WLANの性能が低下する場合、局110はVoIPサービスに関してIMSで登録解除し、該WLAN経由でベストエフォート・サービスを受け続けてもよい。WLANの性能はRSSIの測定値、ビーコンFER、データPERなどによって定量化されても良い。
【0036】
図4は、サービス登録のための局110によって実行される方法400の一つの設計を示す。局110はWLAN内のアクセス・ポイントを検出することが可能である(ブロック412)。局110は、何れかの検出されたアクセス・ポイントがサービスを受信するのに適切化かどうか判断することが可能である(ブロック414)。(i)ビーコン・フレームに関するアクセス・ポイントから受け取られたFERが、FER閾値未満である場合、および/または、(ii)アクセス・ポイントに関するRSSI測定値の特定の割合がRSSI閾値あるより上である場合、局110は、アクセス・ポイントがサービスを受信するのに好適であると決定しても良い。アクセス・ポイントが安定していることを保証するために、十分に長い期間(例えば1秒を超える時間)にわたって該アクセス・ポイントのために得られた測定値に基づいて、局110は、該アクセス・ポイントがサービスを受信するのに好適であると決定しても良い。
【0037】
局110は、サービスを受信するのに好適なアクセス・ポイントを決定した後にサービス登録を行なってもよい(ブロック416)。サービス登録は、典型的には適切なネットワーク中の指定されたネットワーク・エンティティによって行われ、それは、ホームネットワーク、訪問されたネットワークあるいは他の何らかのネットワークかもしれない。例えば、局110は、IMSのためのP-CSCF、モバイルIPに関するホーム・エージェントなどにより、登録してもよい。局110は、さらに性能に依存して異なるサービスに関する登録をしてもよい。例えば、適切なアクセス・ポイントに関する該FERが第1のFER閾値未満である場合、局110は、ベストエフォート・サービスに関する登録をし、該FERが第1のFER閾値より低い第2のFER閾値未満である場合、VoIPサービスに関する登録をすることが可能である。
【0038】
別の態様では、局110は最初に、トラフィック・フローに関する無線リソースを要求し、そしてその後、シグナリング・フローに関する無線リソースを要求することが可能であるである。VoIP呼については、局110は、最初にRTPフローに関する無線リソースを要求し、次に、SIPフローに関する無線リソースを要求することが可能である。トラフィック・フローには満足の行く性能のためのQoS要件があるかもしれない。無線リソースは、これらのトラフィック・フローのために必要なQoSを達成されうることを保証するように要求されるかもしれない。シグナリング・フローは遅延を許容することができるかもしれないし、無線リソースがこれらのフローに対して許可されない場合、ベストエフォート・トラフィックとして送信されるかもしれない。トラフィックおよびシグナリングのフローに関する無線リソースを要求するこの方法は、無線リソースがシグナリング・フローではなくトラフィック・フローのために許可される場合、呼が進行することを可能にするかもしれない。
【0039】
無線リソースはまた、無線リンク・リソース、QoSリソース、リソース等と呼ばれてもよい。無線リソースは異なる無線ネットワークについて異なる方法で定量化されても良い。無線リソースはまた、異なる無線ネットワークについて、および所与の無線ネットワークの異なる動作モードについて、異なる方法で許可されることが可能である。WLANについては、無線リソースの量は、時間によって(および、より低い度合いで、送信パワーによっても)定量化されても良い。IEEE 802.11eはスケジュールされた自動的な電力保存配送(S-APSD)モードおよびスケジュールされないAPSD(U-APSD)モードをサポートします。S-APSDモードにおいて、アクセス・ポイントはそのアクセス・ポイントに関連した局のためにサービス時間をスケジュールする。アクセス・ポイントは、該アクセス・ポイントによってスケジュールされるサービス時間の継続期間および周期性に基づいて無線リソースを許可しても良い。U-APSDモードにおいて、局はそれぞれ独立してそのサービス・タイムおよび局用のアクセス・ポイント・バッファー・データを選ぶかもしれません。動作のモードにかかわらず、該アクセス・ポイントは各局のQoS要件を満たすためにその局に対して無線リソースを許可しても良い。
【0040】
図5は、移動局から発した呼の設定動作のためのメッセージ・フロー500を示す。メッセージ・フロー500は図3の中でステップM4およびM5のために使用されてもよい。最初に、例えば、局110で番号をダイヤルするユーザに応じる等して、VoIP呼のためのVoIP呼設定はトリガーされても良い(ステップA1)。VoIP呼のためのRTPフローは活性化されることが可能であり、局110におけるVoIPアプリケーション(APP)112は、局110内の呼処理(Proc)モジュール114に対してRTPフローに関するQoSの要求を送信することが可能である(同様にステップA1)。その後、局110は、アクセス・ポイント120aにRTPフローに関する要求されたQoSを含んでいるADDTS(Add Traffic Stream)要求メッセージを送ることが可能である(ステップA2)。該RTPフローは音声アクセス・カテゴリー(AC_VO)に属するかもしれない。ADDTS要求メッセージは、音声アクセス・カテゴリーに関する一のトラフィック・ストリームの追加を要求するかもしれないし、このアクセス・カテゴリーに関するTSPECを含んでいるかもしれない。該TSPECは、該RTPフローに関する要求されたQoSについて記述するパラメーターを含んでいるかもしれない。アクセス・ポイント120aは要求されたQoSに関して無線リソースを許可するかもしれないし、無線リソースの許可を表すADDTS応答メッセージを返すかもしれない(ステップA3)。モジュール114はADDTS応答メッセージを受け取り、VoIPアプリケーション112に対して該RTPフローに関してQoSが活性化された旨の通知を送信してもよい(ステップA4)。
【0041】
その後、VoIP呼のためのSIPフローは活性化されることが可能であり、VoIPアプリケーション112は、モジュール114に対してSIPフローのためにQoS要求を送信することが可能である(ステップA5)。RTPとSIPのフローは同じ音声アクセス・カテゴリーに関する可能性がある。その後、モジュール114は、該音声アクセス・カテゴリーに関する合計されたQoSを得るために、RTPフローに関する必要なQoSとSIPフローに関する必要なQoSを合計することが可能である。その後、局110は、アクセス・ポイント120aに対して、RTPとSIPの両方のフローに関する合計されたQoSについて記述するパラメーターを含んでいるADDTS要求メッセージを送ることが可能である(ステップA6)。アクセス・ポイント120aは両方のフローに関する合計されたQoSのために無線リソースを許可することが可能であり、無線リソースの許可を示すADDTS応答メッセージを返すことが可能である(ステップA7)。モジュール114はADDTS応答メッセージを受け取り、VoIPアプリケーション112に対してSIPフローに関してQoSが活性化された旨の通知を送信することが可能である(ステップA8)。その後、局110は、該音声アクセス・カテゴリーに関するQoSトラフィックとして、SIPシグナリング(例えばSIP Inviteメッセージ)を送信することが可能である(ステップA9)。
【0042】
アクセス・ポイント110aにRTPとSIPの両方のフローに関する合計されたQoSのための十分な無線リソースがない場合、ステップA7では、アクセス・ポイント110aは合計されたQoS要求の拒否の表示を備えたADDTS応答メッセージを返すことが可能である。その後、モジュール114はステップA8において、VoIPアプリケーション112に失敗通知を供給することが可能である。その後、局110はステップA9において開始するベストエフォート・トラフィックとしてSIPシグナリングを送信することが可能であり、呼設定動作を続けることが可能である。
【0043】
アクセス・ポイント110aにRTPフローに関する十分な無線リソースがない場合、ステップA3では、アクセス・ポイント110aはQoS要求の拒否の表示を備えたADDTS応答メッセージを返すことが可能である。その後、モジュール114はステップA4において、VoIPアプリケーション112に失敗通知を供給することが可能である。RTPフローに関するQoSが好まれるけれども、必須ではない場合、局110はVoIP呼を続行することが可能であり、ベストエフォート・トラフィックとしてRTPデータおよびSIPシグナリングを送信することが可能である。RTPフローに関するQoSが必須ならば、VoIP呼はアクセス・ポイント120aで失敗するであろうし、局110は、別の無線ネットワーク(例えば図1中の3GPPネットワーク102、3GPP2ネットワーク104)上の呼を試みるかもしれない。
【0044】
図6は、移動局により終了された呼設定動作のためのメッセージ・フロー600を示す。メッセージ・フロー600はまた、図3におけるステップM4およびM5のために使用されてもよい。最初に、局110は入って来る呼に関してリモート端末180からSIP招待メッセージを受け取るかもしれない(ステップB1)。VoIP呼設定はSIP Inviteメッセージが引き金となって起きることが可能である(ステップB2)。その後、ステップB2〜B9はそれぞれ、図5におけるステップA1〜A8と同様の方法で実行されることが可能である。ステップB8においてSIPフローのQoS要求がアクセス・ポイント120aによって許可される場合、該音声アクセス・カテゴリーに関して該許可された無線リソースを使用して、その後、局110は、SIP 1xx応答メッセージ(例えば、SIP 180 Ringingメッセージ)を送信することが可能である。代替的に、SIPフローに関するQoS要求が許可されない場合、SIPメッセージはベストエフォート・トラフィックとして送られることが可能である。
【0045】
局110はVoIP呼に関してRTPデータおよびSIPシグナリングを送ることが可能である。データとシグナリングはWLANで交換されるかもしれないし、WLANによって許可された無線リソースを備えた希望されるQoSを達成するかもしれない。データとシグナリングはリモート端末180に向けてWLANの外部のノードへと中継されることが可能である。局110は、VoIP呼のためのデータおよびシグナリングに関して良好な性能を達成するために、差別化されたサービスのマーク付けを使用するかもしれない。IPバージョン4(IPv4)では、各IPパケットはそれぞれ、8ビットのタイプ・オブ・サービス(Type of Service)(TOS)フィールドを有するヘッダーを含んでいる。TOSフィールドは、6ビットの差別化されたサービスのコードポイント(Codepoint)(DSCP)フィールドおよび2ビットの現在未使用の(CU)のフィールドに分割される。様々な値が異なるサービスに関するDSCPフィールドに関して定義される。パケットは分類され、特別のサービスに属するとしてマークが付けられることが可能である。その後、これらのパケットは、それらのパスに沿った複数のノード上の指定されたホップ単位の中継動作を受けることが可能である。差別化されたサービスをサポートするノードによって急がされる中継動作を受けるために、VoIPのためのパケットは56の8進値でマークが付けられることが可能である。
【0046】
図7は、無線リソースを要求するために局110によって実行される方法800の設計を示す。局110は、少なくとも1つのトラフィック・フロー(例えばRTPフロー)に関する無線リソースを要求することが可能である(ブロック712)。局110は、少なくとも1つのトラフィック・フローに関する無線リソースの第1の許可を受け取ることが可能である(ブロック714)。その後、局110は、第1の許可を受け取った後に少なくとも1つのシグナリング・フロー(例えばSIPフロー)に関する無線リソースを要求することが可能である(ブロック716)。局110は、少なくとも1つのシグナリング・フローに関して無線リソースが許可されるか否かにかかわらず、該少なくとも1つのトラフィック・フローおよび該少なくとも1つのシグナリング・フローを介して通信することが可能である(ブロック718)。
【0047】
局110は、無線リソースの第1の許可により、少なくとも1つのトラフィック・フローに関してデータを送信することが可能である。局110が少なくとも1つのシグナリング・フローに関する無線リソースの第2の許可を受け取る場合、局110は、無線リソースの該第2の許可により、該少なくとも1つのシグナリング・フローに関してシグナリングを送ってもよい。局110が該少なくとも1つのシグナリング・フローに関して無線リソースの許可を全く受け取らない場合、局110は、該少なくとも1つのシグナリング・フローに関してベストエフォート・トラフィックとしてシグナリングを送ってもよい。局110は該少なくとも1つのトラフィック・フローに関してデータを送り、データとシグナリングを運ぶパケットのためのDSCPのマーク付けに基づいて、急がされる中継動作を備えた少なくとも1つのシグナリング・フローに関してシグナリングを送ることが可能である。
【0048】
トラフィックおよびシグナリングのフローは同じアクセス・カテゴリー(例えば音声)に関することが可能である。局110は、このアクセス・カテゴリーに関するAIFS、CWmin、CWmaxおよびTXOP制限値に基づいて、少なくとも1つのトラフィック・フローに関してデータを送ることが可能である。局110は、(無線リソースが許可される場合に)このアクセス・カテゴリーに関するAIFS、CWmin、CWmaxおよびTXOP制限値に基づいて、あるいは(無線リソースが許可されない場合に)ベストエフォート・アクセス・カテゴリーに関するAIFS、CWmin、CWmaxおよびTXOP制限値に基づいて、少なくとも1つのシグナリング・フローに関してシグナリングを送ることが可能である。
【0049】
さらに別の態様では、局110はQoS要件を合計して、各アクセス・カテゴリーに関してQoSを要求することが可能である。局110は、任意の数のアクティブなアプリケーションを有する可能性があり、それは複数のアクセス・カテゴリーの任意の集合に関する任意の数のフローを有するかもしれない。局110は、各アクセス・カテゴリーに関する全てのアプリケーションのためのQoS要件を合計しても良い。1つの設計では、各アクセス・カテゴリーに関するトラフィック・フロー(ただし、シグナリング・フローは除く)のためのQoSは合計される。別の設計では、各アクセス・カテゴリーに関するトラフィック・フローのためのQoSは合計され、各アクセス・カテゴリーに関するシグナリング・フローのためのQoSはそれとは別個に合計される。さらに別の設計では、各アクセス・カテゴリーに関するトラフィックおよびシグナリングのフローの両方のためのQoSは合計される。いずれの場合も、局110は、各アクセス・カテゴリーに関する合計されたQoSのために無線リソースを要求することが可能である。
【0050】
所与のアプリケーションに関するQoSは、例えば、遅延境界、スループット、PERおよびジッタ等のようなパラメーターによって定量化されることが可能である。多数のアプリケーションは同じアクセス・カテゴリー(例えば音声)に関するかもしれないし、これらのQoSパラメーターに関して同じまたは異なる値を有することが可能である。例えば、与えられたアクセス・カテゴリー用のN個のアプリケーション1〜NはそれぞれD1〜DNの遅延境界要件、T1〜TNのスループット要件、PER1〜PERNのPER要件、およびJ1〜JNのジッタ要件を有することが可能である。これらのN個のアプリケーションに関するQoSは、これらのN個のアプリケーションに関してN個の遅延境界要件の中で最も小さな値、N個のスループット要件の合計、N個のPER要件の中で最も小さい値、およびN個のジッタ要件の中で最も小さな値を採ることにより合計されることが可能である。その後、合計されたQoSは、これらのN個のアプリケーションのために要求されることが可能である。
【0051】
所与のアクセス・カテゴリーについては、新しいアプリケーションは、そのアクセス・カテゴリーにいつでも追加されることが可能であり、既存のアプリケーションはそのアクセス・カテゴリーからいつでも取り除かれることが可能である。一のアプリケーションが該アクセス・カテゴリーへ追加されるか、または該アクセス・カテゴリーから取り除かれる場合は常に、該アクセス・カテゴリーに関する合計されたQoSは追加され、または取り除かれたアプリケーションのQoSに基づいて更新されることが可能である。その後、局110は、該合計され更新されたQoSに関する新しいTSPECを伴うADDTS要求メッセージを送ることにより、WLANから該合計され更新されたQoSに関する無線リソースを要求することが可能である。WLANは要求を許可し、ADDTS応答メッセージを返すことが可能である。WLANは要求を拒否することもまた可能であり、その場合には、該新しいTSPECはWLANにサポートされないが、以前のTSPECは依然として適用可能である。該アクセス・カテゴリーに関する最後のアプリケーションが閉じられた後、局110はDELTS(Delete Traffic Stream)要求メッセージを送ることにより、このアクセス・カテゴリーに関するトラフィック・ストリームを削除することが可能である。
【0052】
各アクセス・カテゴリーの全てのアプリケーションに関するQoSの合計は、図3のステップM4におけるQoSの確立に先立って呼の開始時に実行されることが可能である。その後、合計されたQoSは、ステップM4においてWLANに要求されることが可能である。新しいアプリケーションが加えられるか、既存のアプリケーションが閉じられる場合は常に、合計されたQoSも、該呼の継続中に更新されることが可能である。その後、合計され更新されたQoSは、WLANから(例えば図3のステップM7において)要求されることが可能である。
【0053】
図8は、多数のアプリケーションに関してQoSを合計するために局110によって実行される方法800の設計を示す。局110は、多数のアプリケーションの各々に関するQoSを決定することが可能であり(ブロック812)、多数のアプリケーションに関してQoSを合計することが可能である(ブロック814)。局110は、多数のアプリケーションに関する合計されたQoSに基づいて、WLANから無線リソースを要求することが可能である(ブロック816)。
【0054】
その後、局110は、追加のアプリケーションに関するQoSを決定することが可能であり(818ブロック)、該追加のアプリケーションに関するQoSで該合計されたQoSを更新することが可能である(ブロック820)。その後、局110は、該合計され更新されたQoSに基づいて、無線リソースを要求することが可能である(822ブロック)。局110は、閉じられている多数のアプリケーションのうちの1つに関してQoSを決定することが可能であり(ブロック824)、該閉じているアプリケーションに関するQoSで該合計されたQoSを更新することが可能である(ブロック826)。その後、局110は、該合計され更新されたQoSに基づいて、無線リソースを要求することが可能である(ブロック828)。該多数のアプリケーションは同じアクセス・カテゴリーに関することが可能である。このアクセス・カテゴリーに関するAIFS、CWmin、CWmaxおよびTXOP制限値に基づいて、局110は、これらのアプリケーションに関してデータおよび/またはシグナリングを送ることが可能である。
【0055】
局110は、多数のアプリケーションのためのトラフィック・ストリームをWLANで確立することが可能である。追加のアプリケーションが追加されるか、既存のアプリケーションが閉じられる場合は常に、局110は、多数のアプリケーションに関する合計されたQoSを更新することが可能である。その後、局110は、該合計され更新されたQoSに基づいて決定された更新されたパラメータ値(例えば更新されたTSPEC)を伴うADDTS要求メッセージを送ることが可能である。該多数のアプリケーションの最後のものが閉じられている場合、局110はまた、DELTS要求メッセージを送ることも可能である。
【0056】
さらに別の態様では、一の呼に関して局110に対して許可されたQoSが、該呼に関してリモート端末180によりサポートされたQoSより大きい場合、局110は余分な無線リソースを放棄することが可能である。局110はステップM4においてWLANによって特定のQoSを許可されることが可能である。局110は、該呼に関するQoSを決定するために、ステップM5において、ターミナル180とエンドツーエンド(end-to-end)のQoS交渉を行なうことが可能である。ターミナル180と交渉したQoSが、WLANによって許可されたQoSよりも低い場合、局110は、WLANによって許可されたQoSとターミナル180と交渉したQoSとの間の差分に対応する余分な無線リソースを放棄してもよい。
【0057】
例えば、図5に示されるような、移動局により発されたVoIP呼に関して、局110は、IMSセッションの確立中にターミナル180へSIP Inviteメッセージを送ることが可能である。このSIP Inviteメッセージは、局110にサポートされた1つ以上のメディア形式を含んでいることが可能であり、それは局110により好ましいとされる順番で与えられることが可能である。各メディア形式は、通信に使用する一組のパラメーターに関係付けられることが可能であり、特定のQoSに関係していることもまた可能である。VoIPについては、各メディア形式は、一組のボコーダー、特定のQoSレベルあるいはプロフィールに対応することが可能である。局110にサポートされたメディア形式は、WLANによって局110に対して許可されたQoSに基づいて決定されることが可能である。例えば、QoSレベルAが最も高く、QoSレベルZが最低であるような、QoSレベルA〜Zが利用可能であろう。局110はWLANからQoSレベルBを要求することが可能であり、WLANは局110に対してQoSレベルDを許可することが可能である。その後、該SIP Inviteメッセージの中に含まれるメディア形式は、QoSレベルDあるいはそれより低いレベルに関係付けられることが可能である。
【0058】
リモート端末180はさらに、無線リソースを(例えば局110からSIP Inviteメッセージを受け取った際に)要求することが可能である。その後、ターミナル180は、ターミナル180にサポートされた1つ以上のメディア形式を含んでいるかもしれないSIP 180 Ringingメッセージを返すことが可能であり、それはターミナル180によって好ましいとされる順番で与えられることが可能である。ターミナル180によってサポートされたメディア形式はターミナル180に対して許可されたQoSに基づいて決定されることが可能である。例えば、局110からの最も好ましいメディア形式はQoSレベルDを必要とすることが可能であり、その後、ターミナル180はQoSレベルDを要求するかもしれないが、QoSレベルEを許可されるかもしれない。その後、SIP 180 Ringingメッセージの中に含まれたメディア形式はQoSレベルEあるいはそれより低いレベルに関係付けられることが可能である。
【0059】
局110は、両方のエンティティにサポートされた最も好ましいメディア形式に基づいて、ターミナル180と通信することが可能である。この選択されたメディア形式がWLANによって局110に対して許可されたQoSより低い特定のQoSを要求する場合、局110に対して許可されたQoSと選択されたメディア形式に関するQoSとの間の差分に対応する余分な無線リソースを局110は解放することが可能である。局110は該選択されたメディア形式を使用して、ターミナル180と通信することが可能である。
【0060】
例えば、図6に示されるような、移動局が終了させたVoIP呼に関して、局110はIMSセッションの確立中にターミナル180からSIP Inviteメッセージを受け取ることが可能である。このSIP Inviteメッセージは、ターミナル180にサポートされた1つ以上のメディア形式を含んでいることが可能である。局110はWLANからQoSを要求することが可能であり、WLANによって特定のQoSを許可されることが可能である。該許可されたQoSは、ターミナル180によって提案されたメディア形式に関する最も高いQoSより高いかもしれない。局110がターミナル180からの最高のQoSよりも高いQoSを備えたメディア形式を提案する場合、ターミナル180によってこのメディア形式が拒否される高い可能性がある。このように、局110は、ターミナル180に対して提案されたメディア形式を、ターミナル180からの最高のQoSと等しい、あるいはそれより低いQoSを備えたメディア形式へと制限することが可能である。例えば、ターミナル180によって提案されたメディア形式はQoSレベルEあるいはそれより低いレベルに関係付けられることが可能である。局110はWLANによってQoSレベルBを許可されることが可能であるが、QoSレベルE、あるいはそれより低いレベルを伴うメディア形式を提案することが可能である。局110およびターミナル180による使用のために選ばれたメディア形式は、QoSレベルEあるいはそれより低いレベルを有することが可能である、その後、局110はWLANによって許可されたQoSとターミナル180と交渉したQoSとの間の差分に対応する余分な無線リソースを放棄することが可能である。
【0061】
図9は、余分な無線リソースを放棄するために局110によって実行される方法900の設計を示す。局110は、WLANによって許可されたQoSを決定することが可能であり(ブロック912)、一の呼に関してリモート端末によって提案されたメディア形式に関するQoSを決定することが可能である(ブロック914)。局110はWLANによって許可されたQoSとリモート端末によって提案されたメディア形式に関するQoSとの間の差分に対応する余分な無線リソースを解放することが可能である(ブロック916)。[0076] 移動局が発した呼については、WLANによって許可されたQoSに基づいて、局110は、少なくとも1つのメディア形式を決定することが可能であり、各メディア形式は、WLANによって許可されたQoSと等しい、あるいはそれより低いQoSに関連付けられている。その後、局110はリモート端末に対する提案として少なくとも1つのメディア形式を送ることが可能である。リモート端末によって提案されたメディア形式は局110によって送られたメディア形式のうちの1つであることが可能である。
【0062】
移動局が終了させた呼については、リモート端末によって提案されたメディア形式に関するQoSに基づいて、局110は一のメディア形式を選択することが可能である。局110によって選択されたメディア形式は、リモート端末によって提案されたメディア形式に関するQoSと等しい、あるいはそれより低いQoSと関係付けられることが可能である。その後、局110はリモート端末に対して該選択されたメディア形式を送ることが可能である。局110はWLANによって許可されたQoSと、リモート端末に送られたメディア形式に関するQoSとの間の差分に対応する余分な無線リソースを解放することが可能である。
【0063】
図3に示されるように、該VoIP呼の継続中に、局110は現在のアクセス・ポイント120aから新しいアクセス・ポイント120bへとハンドオフされることが可能である。局110は、アクセス・ポイント120aによって許可された特定のQoSに基づいて、リモート端末180と通信することが可能である。局110は、新しいアクセス・ポイント120bから、同じかより高いQoSを要求することが可能であり、それは現在のアクセス・ポイント120aより高いQoSを許可することが可能であるかもしれない。局110は、新しいアクセス・ポイント120bからより高いQoSの許可を受け取るかもしれないし、リモート端末180に対してより高いQoSを提案するかもしれない。この場合、ターミナル180は、より高いQoSに関してそのネットワークとQoSを再交渉する必要があるかもしれず、その後、それは現在の呼を中断するかもしれない。
【0064】
さらに別の態様において、現在のアクセス・ポイント120aから新しいアクセス・ポイント120bへとハンドオフされた時、局110は、現在のアクセス・ポイントによって許可されたQoSに基づいて、新しいアクセス・ポイントからQoSを要求することが可能である。現在のアクセス・ポイント120aによって許可されたQoSは、局110によって原始的に要求されたQoSかもしれないし、そうではないかもしれない。例えば、局110は、現在のアクセス・ポイント120aから原始的にQoSレベルAを要求することが可能であるが、QoSレベルDを許可されるかもしれない。現在のアクセス・ポイント120aによって許可されたQoSレベルDに基づいて、局110はリモート端末180と通信することが可能である。新しいアクセス・ポイント120bにハンドオフされた時、局110は新しいアクセス・ポイントからQoSレベルD(QoSレベルAではなく)を要求することが可能である。QoSレベルDを許可される可能性はQoSレベルAを許可される可能性より大きいかもしれない。局110がQoSレベルDを許可される場合、局110は、リモート端末180によるQoSの再交渉を必要とせずに、QoSレベルDを使用して、リモート端末180と通信し続けることが可能である。局110がQoSレベルDより低いQoSレベルを許可される場合、、局110は、より低いQoSレベルを使用して、リモート端末180と通信し続けることが可能である。リモート端末180はQoSレベルDとより低いQoSレベルとの間の差分に対応する余分な無線リソースを放棄することが可能である。
【0065】
図10は、ハンドオフ中に新しいアクセス・ポイントでQoSを確立するために局110によって実行される方法1000の設計を示す。局110はWLANの中の第1のアクセス・ポイントからQoSを要求することが可能であり(ブロック1012)、第1のアクセス・ポイントから第1のQoSの許可を受け取ることが可能である(ブロック1014)。第1のQoSは、第1のアクセス・ポイントから要求したQoSと等しいかもしれないし、あるいはより低いかもしれない。局110は、第1のアクセス・ポイントによって許可された第1のQoSに基づいてリモート端末と通信することが可能である(ブロック1016)。局110は、第1のアクセス・ポイントから第2のアクセス・ポイントへハンドオフを実行することが可能である(ブロック1018)。局110は、第1のQoS、あるいはより低いQoSを第2のアクセス・ポイントから要求することが可能であり(ブロック1020)、第1のQoS、あるいはより低いQoSの許可を第2のアクセス・ポイントから受け取ることが可能である(ブロック1022)。その後、局110は、第2のアクセス・ポイントによって許可された第1のQoS、またはより低いQoSに基づいてリモート端末と通信することが可能である(ブロック1024)。
【0066】
局110に関するデータ性能は一の呼の継続中に(例えばWLANの中の輻輳により)低下するかもしれない。その後、局110は、より低いQoS(例えば、より低いデータレートをボコーダーに使用する)で作動するかもしれないし、アクセス・ポイントからより低いQoSを要求するかもしれない。これは、WLANの中の輻輳を緩和するかもしれない。
【0067】
さらに別の態様では、例えば、ヨーロッパでは112、またはアメリカでは911のような緊急電話番号をユーザがダイヤルする場合、局110は、セルラー・ネットワークで緊急呼を配置することをまず試みることが可能である。セルラー・ネットワークおよび局110の機能に依存して、局110は、緊急呼に関する回線交換の呼および/またはパケット交換の呼を確立することを試みることが可能である。緊急呼がセルラー・ネットワーク上で失敗する場合、局110はWLANで緊急呼を配置することを試みることが可能である。
【0068】
セルラー・ネットワークが位置決定機能を持つかもしれないし、局110の位置を決定することができるかもしれないので、利用可能な場合、セルラー・ネットワークで緊急呼を有することが望ましいだろう。しかしながら、セルラー・ネットワークが利用可能でない場合、WLANで緊急呼を有することが望ましいだろう。
【0069】
セルラー・ネットワークまたはWLANのどちらに置かれていたとしても、緊急呼を終了した後に、局110は所定の時間期間の間、コールバック状態のままでいる可能性がある。この期間に、局110は、緊急呼が原始的に配置されたセルラー・ネットワーク、あるいは緊急呼に利用可能な任意のネットワークを監視することが可能である。このコールバック・モードは、ユーザの位置を特定するため、および/または他のタスクのために、公的機関 (例えば法の執行)が局110へ到達することを可能にする。
【0070】
図11は、緊急呼を配置するために局110によって実行される方法1100の設計を示す。例えば、緊急電話番号をダイヤルするユーザに応じるなどして、局110は、緊急呼を配置するために指示を受け取ることが可能である(ブロック1112)。局110は表示に応じてセルラー・ネットワークで緊急呼(例えば回線交換の呼および/またはパケット交換の呼)を配置することが可能である(ブロック1114)。緊急呼がセルラー・ネットワークで成功裡に配置されない場合、局110はWLANで緊急呼(例えばVoIP呼)を配置することが可能である(ブロック1116)。
【0071】
図12は、局110の設計のブロックダイヤグラムを示し、それは、WLANの中のアクセス・ポイントおよびWWAN(例えばセルラー・ネットワーク)の中の基地局と通信する機能を有することが可能である。送信パスにおいては、局110によって送られるデータおよびシグナリングが符号化器1222によって処理され(例えば、フォーマットされ、符号化され、インタリーブされる)、出力チップを生成するために変調器(Mod)1224によってさらに処理される(例えば、調整され、スクランブルされる)。符号化器1222および変調器1224による処理は、データとシグナリングが送られる無線ネットワークに関する無線技術(例えば802.11、cdma2000、GSM(登録商標)、W-CDMAなど)に依存する。発信機(TMTR)1232の条件(例えば、アナログに切り替える、フィルタ、増幅する、また、周波数はアップコンバーターで変換します)出力チップ、また無線周波数(RF)出力信号を生成する、それはアンテナ1234によって送信される。
【0072】
受信パス上では、WLANの中のアクセス・ポイントおよび/またはWWANの中の基地局によって送信されたRF信号が、アンテナ1234によって受け取られ、レシーバー(RCVR)1236に提供される。レシーバー1236は受信したRF信号を調整し(例えば、フィルタリングし、増幅し、周波数ダウンコンバートし、およびディジタル化する)、サンプルを提供する。復調器(Demod)1226は、シンボル推定を得るためにサンプルを処理する(例えば、逆スクランブルし復調する)。復号化器1228はシンボル推定を処理し(例えば、逆インタリーブし、復号化する)、復号化されたデータおよびシグナリングを得る。復調器1226および復号化器1228による処理は、受信されたアクセス・ポイントまたは基地局での変調器およびエンコーダによる処理に対して相補的である。符号化器1222、変調器1224、復調器1226および復号化器1228は、モデム・プロセッサー1220によって実装されることが可能である。
【0073】
コントローラー/プロセッサー1240は、局110において様々な処理ユニットの動作を指令する。メモリ1242は局110のためにプログラム・コードおよびデータを格納する。コントローラー/プロセッサー1240は、図4、7、8、9、10および11のそれぞれにおける方法400、700、800、900、1000および/または1100、図3、5および6のそれぞれにおけるメッセージ・フロー300、500および/または600、または他の方法、および局110に関する通信をサポートするためのメッセージ・フローを実装または指令することが可能である。メモリ1242は異なるフローおよびアプリケーションに関するQoSのために情報を格納し、かつ、または各アクセス・カテゴリーのためにアクセス・パラメータ値および/または他の情報を格納することが可能である。
【0074】
ここに記述された技術は、様々な手段によって実装されることが可能である。例えば、これらの技法はハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアあるいはそれらの組み合わせにおいて実装されることが可能である。ハードウェア実装については、該技法を実行するために使用される処理ユニットは、特定用途向けIC(ASIC)、デジタル信号プロセサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラム可能論理回路(PLD)、フィールドプログラム可能なゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサー、コントローラー、マイクロ・コントローラ、マイクロプロセッサー(電子装置)、本明細書に記述した機能を実行することために設計された他の電子ユニット、コンピューター、あるいはこれらの組み合わせの1つ以上の内に実装されることが可能である。
【0075】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアの実装については、該技法は、ここに記述された機能を実行するモジュール(例えばプロシージャ、関数など)で実装されることが可能である。ファームウェアおよび/またはソフトウェアの命令はメモリ(例えば図12の中のメモリ1242)に格納され、プロセッサー(例えばプロセッサー1240)によって実行されることが可能である。メモリはプロセッサー内に実装されるか、あるいはプロセッサーの外部に実装されることが可能である。ファームウェアおよび/またはソフトウェアの命令はまた、ランダム・アクセス・メモリー(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、不揮発性のランダム・アクセス・メモリー(NVRAM)、プログラマブル読取専用メモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、コンパクト・ディスク(CD)、磁気的または光学的なデータ・ストレージ装置などのような他のプロセッサー読み出し可能な媒体に格納されることが可能である。
【0076】
ここに記述された技術を実装する装置はスタンド・アロンのユニットかもしれないし、あるいは装置の一部であることが可能である。該装置は、(i)スタンド・アロンの集積回路(IC)、(ii)データ、および/または命令の格納のためにメモリICを含んでいるかもしれない1つ以上のICのセット、(iii)移動局モデム(MSM)のようなASIC、(iv)他の装置内に埋め込まれるかもしれないモジュール、(v)携帯電話、無線装置、送受話器あるいは移動ユニット、(vi)その他であることが可能である。
【0077】
本開示の上記の記述はどんな当業者でも本開示を製造し、または使用することを可能にするために提供さる。本開示への様々な修正は当業者に容易に明白になる。また、ここに定義された総括的な原理は、本開示の精神または範囲から外れずに、他の変形実施例に適用されることが可能である。したがって、本開示は、ここに記述した実例および設計に制限されるようには意図されず、ここに示された原理と新規な特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を備える装置:
WLAN内のアクセス・ポイントを検出し、何れかの検出されたアクセス・ポイントがサービスを受けるために好適であるか否かを決定し、および、サービスを受けるのに好適な一のアクセス・ポイントを決定した後に、サービスの登録を実行するように構成された少なくとも一つのプロセッサー;および、
前記少なくとも一つのプロセッサーに結合した一つのメモリー。
【請求項2】
請求項1記載の装置、ここにおいて、
アクセス・ポイントから受信したビーコン・フレームに関するFERがFER閾値より低いならば、前記アクセス・ポイントがサービスを受けるのに好適であると決定するように、前記少なくとも一つのプロセッサーは構成される。
【請求項3】
請求項1記載の装置、ここにおいて、
アクセス・ポイントに関するRSSI測定値の特定のパーセンテージがRSSI閾値より高いならば、前記アクセス・ポイントがサービスを受けるのに好適であると決定するように、前記少なくとも一つのプロセッサーは構成される。
【請求項4】
請求項1記載の装置、ここにおいて、
1秒よりも長い時間期間にわたってアクセス・ポイントに関して取得された複数の測定値に基づいて、前記アクセス・ポイントがサービスを受けるのに好適であると決定するように、前記少なくとも一つのプロセッサーは構成される。
【請求項5】
請求項1記載の装置、ここにおいて、
前記好適なアクセス・ポイントに関するFERが第1のFER閾値よりも低ければベストエフォート・サービスを登録し、前記好適なアクセス・ポイントに関する前記FERが前記第1のFER閾値よりも低い第2のFER閾値よりも低いならばVoIPサービスを登録するように前記少なくとも一つのプロセッサーは構成される。
【請求項6】
請求項5記載の装置、ここにおいて、
前記好適なアクセス・ポイントに関する前記FERが前記第1のFER閾値よりも高い第3のFER閾値を超過するならば、前記ベストエフォート・サービスを登録解除し、前記好適なアクセス・ポイントに関する前記FERが前記第2のFER閾値よりも高い第4のFER閾値を超過するならば、前記VoIPサービスを登録解除するように前記少なくとも一つのプロセッサーは構成される。
【請求項7】
請求項1記載の装置、ここにおいて、
サービスの登録をIMSで登録することにより実行するように前記少なくとも一つのプロセッサーは構成される。
【請求項8】
下記を備える方法:
WLAN内のアクセス・ポイントを検出すること;
何れかの検出されたアクセス・ポイントがサービスを受けるのに好適であるか否かを決定すること;
サービスを受けるのに好適な一のアクセス・ポイントを決定した後に、サービスの登録を実行すること。
【請求項9】
請求項8記載の方法、ここにおいて、
何れかの検出されたアクセス・ポイントがサービスを受けるのに好適であるか否かを前記決定することは、下記を備える:
アクセス・ポイントから受信したビーコン・フレームに関するFERがFER閾値より低いならば、前記アクセス・ポイントがサービスを受けるのに好適であると決定すること。
【請求項10】
請求項8記載の方法、ここにおいて、
サービスの登録を実行することは下記を備える:
前記好適なアクセス・ポイントに関するFERが第1のFER閾値よりも低ければベストエフォート・サービスを登録すること、および、
前記好適なアクセス・ポイントに関する前記FERが前記第1のFER閾値よりも低い第2のFER閾値よりも低いならばVoIPサービスを登録すること。
【請求項11】
下記を備える装置:
少なくとも一つのトラフィック・フローに関して無線リソースを要求し、前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関して無線リソースの第1の許可を受信し、前記第1の許可を受信した後に、少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースを要求し、前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースが許可されるか否かに関わらず、前記少なくとも一つのトラフィック・フローと前記少なくとも一つのシグナリング・フローを介して通信するように構成される少なくとも一つのプロセッサー;および、
前記少なくとも一つのプロセッサーに結合した一のメモリー。
【請求項12】
請求項11記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースの第2の許可を受信し、無線リソースの前記第1の許可により前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関してデータを送信し、無線リソースの前記第2の許可により前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関してシグナリングを送信するように、前記少なくとも一つのプロセッサーは構成される。
【請求項13】
請求項11記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースの許可を全く受信せず、無線リソースの前記第1の許可により前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関してデータを送信し、ベストエフォート・トラフィックとして前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関してシグナリングを送信するように、前記少なくとも一つのプロセッサーは構成される。
【請求項14】
請求項11記載の装置、ここにおいて、
データとシグナリングを搬送するパケットに関するDSCPのマーク付けに基づいて急がされる中継動作により、前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関してシグナリングを送信し、前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関してデータを送信するように、前記少なくもと一つのプロセッサーは構成される。
【請求項15】
請求項11記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも一つのトラフィック・フローは一のRTPフローを備え、前記少なくとも一つのシグナリング・フローは一のSIPフローを備える。
【請求項16】
請求項11記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関する無線リソースの前記要求と、前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関する無線リソースの前記要求は同一のアクセス・カテゴリーに関する。
【請求項17】
請求項11記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関するアクセス・カテゴリーのためのAIFSと最小の競合ウィンドウに基づいて、前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関してデータを送信するように、前記少なくとも一つのプロセッサーは構成される。
【請求項18】
下記を備える方法:
少なくとも一つのトラフィック・フローに関して無線リソースを要求すること;
前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関して無線リソースの第1の許可を受信すること;
前記第1の許可を受信した後に、少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースを要求すること;
前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースが許可されるか否かに関わらず、前記少なくとも一つのトラフィック・フローと前記少なくとも一つのシグナリング・フローを介して通信すること。
【請求項19】
さらに下記を備える請求項18記載の方法:
前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースの第2の許可を受信すること、および、ここにおいて、前記通信することは下記を備える:
無線リソースの前記第1の許可により前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関してデータを送信すること;および、
無線リソースの前記第2の許可により前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関してシグナリングを送信すること。
【請求項20】
さらに下記を備える請求項18記載の方法:
前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースの許可を全く受信しないこと、および、ここにおいて、前記通信することは下記を備える:
無線リソースの前記第1の許可により前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関してデータを送信すること;および、
ベストエフォート・トラフィックとして前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関してシグナリングを送信すること。
【請求項21】
下記を備える装置:
少なくとも一つのトラフィック・フローに関して無線リソースを要求する手段;
前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関して無線リソースの第1の許可を受信する手段;
前記第1の許可を受信した後に、少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースを要求する手段;
前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースが許可されるか否かに関わらず、前記少なくとも一つのトラフィック・フローと前記少なくとも一つのシグナリング・フローを介して通信する手段。
【請求項22】
さらに下記を備える請求項21記載の装置:
前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースの第2の許可を受信する手段、および、ここにおいて、前記通信する手段は下記を備える:
無線リソースの前記第1の許可により前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関してデータを送信する手段;および、
無線リソースの前記第2の許可により前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関してシグナリングを送信する手段。
【請求項23】
さらに下記を備える請求項21記載の装置:
前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースの許可を全く受信しない手段、および、ここにおいて、前記通信する手段は下記を備える:
無線リソースの前記第1の許可により前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関してデータを送信する手段;および、
ベストエフォート・トラフィックとして前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関してシグナリングを送信する手段。
【請求項24】
下記を実行する命令を記憶するためのプロセッサー読み出し可能媒体:
少なくとも一つのトラフィック・フローに関して無線リソースを要求すること;
前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関して無線リソースの第1の許可を受信すること;
前記第1の許可を受信した後に、少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースを要求すること;
前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースが許可されるか否かに関わらず、前記少なくとも一つのトラフィック・フローと前記少なくとも一つのシグナリング・フローを介して通信すること。
【請求項25】
さらに下記を実行する命令を記憶するための請求項24記載のプロセッサー読み出し可能媒体:
前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースの第2の許可を受信すること;
無線リソースの前記第1の許可により前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関してデータを送信すること;および、
無線リソースの前記第2の許可により前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関してシグナリングを送信すること。
【請求項26】
さらに下記を実行する命令を記憶するための請求項24記載のプロセッサー読み出し可能媒体:
前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関して無線リソースの許可を全く受信しないこと;
無線リソースの前記第1の許可により前記少なくとも一つのトラフィック・フローに関してデータを送信すること;および、
ベストエフォート・トラフィックとして前記少なくとも一つのシグナリング・フローに関してシグナリングを送信すること。
【請求項27】
下記を備える装置:
複数のアプリケーションの各々についてQoSを決定し、前記複数のアプリケーションに関する前記QoSを合計し、前記複数のアプリケーションに関する前記合計されたQoSに基づいてWLANから無線リソースを要求するように構成される少なくとも一つのプロセッサー;および、
前記少なくとも一つのプロセッサーに結合したメモリー。
【請求項28】
請求項27記載の装置、ここにおいて、
一の追加のアプリケーションに関するQoSを決定し、前記複数のアプリケーションに関する前記合計されたQoSを前記追加のアプリケーションに関する前記QoSで更新し、前記合計され更新されたQoSに基づいて無線リソースを要求するように、前記少なくとも一つのプロセッサーは構成される。
【請求項29】
請求項27記載の装置、ここにおいて、
前記複数のアプリケーションのうちの閉じられているものに関するQoSを決定し、前記複数のアプリケーションに関する前記合計されたQoSを前記閉じられているアプリケーションに関する前記QoSで更新し、前記合計され更新されたQoSに基づいて無線リソースを要求するように、前記少なくとも一つのプロセッサーは構成される。
【請求項30】
請求項28記載の装置、ここにおいて、
前記WLANで前記複数のアプリケーションに関して一のトラフィック・ストリームを確立し、一の追加的なアプリケーションが追加された時、または複数のアプリケーションのうちの一つが閉じられた時に前記複数のアプリケーションに関する前記合計されたQoSを更新し、前記合計され更新されたQoSに基づいて決定された更新されたパラメーター値と共にADDTS要求メッセージを送信するように、前記少なくとも一つのプロセッサーは構成される。
【請求項31】
請求項30記載の装置、ここにおいて、
前記複数のアプリケーションのうちの最後のものが閉じられた時にDELTS要求メッセージを送信するように、前記少なくとも一つのプロセッサーは構成される。
【請求項32】
請求項27記載の装置、ここにおいて、
各アプリケーションに関する前記QoSは遅延境界を含み、ここにおいて、前記複数のアプリケーションに関する前記合計されたQoSは、前記複数のアプリケーションに関する複数の遅延境界の中で最小の遅延境界を備える。
【請求項33】
請求項27記載の装置、ここにおいて、
各アプリケーションに関する前記QoSはスループットを含み、前記複数のアプリケーションに関する前記合計されたQoSは、前記複数のアプリケーションに関するスループットの合計を備える。
【請求項34】
前記複数のアプリケーションに関するアクセス・カテゴリーのためのAIFSと最小の競合ウィンドウに基づいて前記複数のアプリケーションに関してデータを送信ように、前記少なくとも一つのプロセッサーは構成される。
【請求項35】
下記を備える方法:
複数のアプリケーションの各々についてQoSを決定すること;
前記複数のアプリケーションに関する前記QoSを合計すること;
前記複数のアプリケーションに関する前記合計されたQoSに基づいてWLANから無線リソースを要求すること。
【請求項36】
さらに下記を備える請求項35記載の方法:
一の追加のアプリケーションに関するQoSを決定すること;
前記複数のアプリケーションに関する前記合計されたQoSを前記追加のアプリケーションに関する前記QoSで更新すること;
前記合計され更新されたQoSに基づいて無線リソースを要求すること。
【請求項37】
さらに下記を備える請求項35記載の方法:
前記複数のアプリケーションのうちの閉じられているものに関するQoSを決定すること;
前記複数のアプリケーションに関する前記合計されたQoSを前記閉じられているアプリケーションに関する前記QoSで更新すること;
前記合計され更新されたQoSに基づいて無線リソースを要求すること。
【請求項38】
下記を備える装置:
WLANによって許可されたQoSを決定し、一の呼に関してリモート端末により提案されたメディア形式に関するQoSを決定し、前記WLANにより許可された前記QoSと前記リモート端末により提案されたメディア形式に関する前記QoSとの間の差分に対応する余分な無線リソースを解放するように構成される少なくとも一つのプロセッサー; 前記少なくとも一つのプロセッサーに結合した一のメモリー。
【請求項39】
請求項38記載の装置、ここにおいて、
前記WLANによって許可された前記QoSに基づいて少なくとも一つのメディア形式を決定し、前記リモート端末に対して前記少なくとも一つのメディア形式を送信するように、前記少なくとも一つのプロセッサーは構成され、前記少なくとも一つのメディア形式の各々は、前記WLANにより許可された前記QoSと等しいかそれよりも低いQoSと関係付けられる。
【請求項40】
請求項38記載の装置、ここにおいて、
前記リモート端末により提案された前記メディア形式に関する前記QoSに基づいて、一のメディア形式を選択し、前記リモート端末に対して前記選択されたメディア形式を送信するように、前記少なくとも一つのプロセッサーは構成され、前記選択されたメディア形式は、前記リモート端末により提案された前記メディア形式に関する前記QoSと等しいかそれよりも低いQoSと関係付けられる。
【請求項41】
下記を備える方法:
WLANによって許可されたQoSを決定すること;
一の呼に関してリモート端末により提案されたメディア形式に関するQoSを決定すること;
前記WLANにより許可された前記QoSと前記リモート端末により提案されたメディア形式に関する前記QoSとの間の差分に対応する余分な無線リソースを解放すること。
【請求項42】
さらに下記を備える請求項41記載の方法:
前記WLANによって許可された前記QoSに基づいて少なくとも一つのメディア形式を決定すること、ここで、前記少なくとも一つのメディア形式の各々は、前記WLANにより許可された前記QoSと等しいかそれよりも低いQoSと関係付けられる;
前記リモート端末に対して前記少なくとも一つのメディア形式を送信すること。
【請求項43】
さらに下記を備える請求項41記載の方法:
前記リモート端末により提案された前記メディア形式に関する前記QoSに基づいて、一のメディア形式を選択すること、ここで、前記選択されたメディア形式は、前記リモート端末により提案された前記メディア形式に関する前記QoSと等しいかそれよりも低いQoSと関係付けられる;
前記リモート端末に対して前記選択されたメディア形式を送信すること。
【請求項44】
下記を備える装置:
WLAN内の第1のアクセス・ポイントにより許可された第1のQoSに基づいてリモート端末と通信し、前記第1のアクセス・ポイントから第2のアクセス・ポイントへとハンドオフを実行し、前記第2のアクセス・ポイントからの前記第1のQoSまたはそれより低いQoSを要求し、前記第2のアクセス・ポイントから前記第1のQoSまたはそれより低いQoSの許可を受信し、前記第2のアクセス・ポイントにより許可された前記第1のQoSまたはそれより低いQoSに基づいて前記リモート端末と通信するように構成される少なくとも一つのプロセッサー;および、
前記少なくとも一つのプロセッサーに結合される一のメモリー。
【請求項45】
請求項44記載の装置、ここにおいて、
前記第1のアクセス・ポイントからのQoSを要求し、前記第1のアクセス・ポイントから前記第1のQoSの許可を受信するように、前記少なくとも一つのプロセッサーは構成され、前記第1のQoSは前記第1のアクセス・ポイントからの要求された前記QoSと等しいか、またはより低い。
【請求項46】
下記を備える方法:
WLAN内の第1のアクセス・ポイントにより許可された第1のQoSに基づいてリモート端末と通信すること;
前記第1のアクセス・ポイントから第2のアクセス・ポイントへとハンドオフを実行すること;
前記第2のアクセス・ポイントからの前記第1のQoSまたはそれより低いQoSを要求すること;
前記第2のアクセス・ポイントから前記第1のQoSまたはそれより低いQoSの許可を受信すること;
前記第2のアクセス・ポイントにより許可された前記第1のQoSまたはそれより低いQoSに基づいて前記リモート端末と通信すること。
【請求項47】
さらに下記を備える請求項46記載の方法:
前記第1のアクセス・ポイントからのQoSを要求すること;および、
前記第1のアクセス・ポイントから前記第1のQoSの許可を受信すること、ここで、前記第1のQoSは前記第1のアクセス・ポイントからの要求された前記QoSと等しいか、またはより低い。
【請求項48】
下記を備える装置:
緊急呼を配置するための指示を受信し、前記指示に応答してセルラー・ネットワークで緊急呼を配置し、前記セルラー・ネットワークで前記緊急呼が成功裡に配置されない場合にはWLANで前記緊急呼を配置するように構成される少なくとも一つのプロセッサー;および、
前記少なくとも一つのプロセッサーに結合される一のメモリー。
【請求項49】
請求項48記載の装置、ここにおいて、
前記緊急呼に関してセルラー・ネットワークで回線交換の呼を配置し、前記セルラー・ネットワークで前記回線交換の呼が成功裡に配置されない場合には、前記緊急呼に関して前記WLANでVoIP呼を配置するように、前記少なくとも一つのプロセッサーは構成される。
【請求項50】
下記を備える方法:
緊急呼を配置するための指示を受信すること;
前記指示に応答してセルラー・ネットワークで緊急呼を配置すること;
前記セルラー・ネットワークで前記緊急呼が成功裡に配置されない場合にはWLANで前記緊急呼を配置すること。
【請求項51】
請求項50記載の方法、ここにおいて、
前記セルラー・ネットワークで前記緊急呼を前記配置することは下記を備える:
前記緊急呼に関してセルラー・ネットワークで回線交換の呼を配置すること、
さらに、ここにおいて、
前記WLANで前記緊急呼を前記配置することは、下記を備える:
前記セルラー・ネットワークで前記回線交換の呼が成功裡に配置されない場合には、前記緊急呼に関して前記WLANでVoIP呼を配置すること。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−105310(P2012−105310A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−279899(P2011−279899)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【分割の表示】特願2009−520926(P2009−520926)の分割
【原出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】