説明

無線ネットワークのためのシームレス・ローミングの方法および装置

【課題】無線ネットワークのためのシームレス・ローミング・サポートのための方法および装置を提供すること。
【解決手段】この方法は、モバイル・ユニットに関係するデフォルト・ルータの物理アドレスを求める要求をブロードキャストする工程と、デフォルト・ルータでその要求を受け取る工程と、モバイル・ユニットに応答する工程と、ロケーション・テーブルで最初のエントリを作成する工程とを含む。一実施形態によれば、それぞれが有線インターフェース・ポートおよび無線インターフェース・ポートを有し、この無線インターフェース・ポートがモバイル・ユニットに結合されている少なくとも2つのアクセスポイント(AP)と、APのそれぞれの有線インターフェース・ポートに結合されるアクセス・ルータ(AR)と、ARにモバイル・ユニットのルーティング情報を提供するためのロケーション・テーブルとを含むネットワーク通信システムが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に無線ネットワークに関し、詳細には、無線ネットワーク内の異なるIPサブネット内にあるアクセス・ポイント間のシームレス・ローミングに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関する米国政府の権利
米国政府は本発明に一定の権利を有することができる。本明細書に記載の仕事の一部は、全米科学財団(National Science Foundation)のORBIT Grant Project No.NSF ANI−0335244の資金援助を受けた。
【0003】
無線装置(本明細書では「モバイル・ユニット」とも言う)の使用は、そのような装置が、部分的には用途が広く移動しやすいので、ますます普及してきている。多くの実際の用途では、無線装置は相互に通信するために、無線ネットワークを使用する。有線ネットワーク(たとえばインターネット)上のホストと通信するためには、これらの無線装置は、たとえば、IEEE802.11標準プロトコル無線ネットワーク(以下では「802.11無線ネットワーク」または「802.11WLAN」と言う)およびアクセス・ポイント(AP)として知られる装置を使用して、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)に接続する必要がある。
【0004】
APまたは無線アクセス・ポイント(WAP)には、無線装置を次にイーサネットのような有線ネットワークに接続するインターフェースが装備されている。APはまた、無線ネットワークを作成するために無線通信装置を接続する無線インターフェースを備えることもできる。モバイル・ユニットは、たとえば、モバイル・ユニットからAPを経由して有線ネットワーク上のホストにパケットを転送するアクセス・ルータ(AR)と呼ばれる装置を介して、インターネットにアクセスすることができる。
【0005】
APのカバレッジ・エリアは限られている(たとえば、屋内でおよそ100〜200フィート)。したがって、大きなエリアをカバーするためには複数のAPが必要である。複数のAPを展開するには2つのアプローチがある。第1アプローチでは、APがリンク層(第2層)ブリッジとして機能する。第2アプローチでは、APがネットワーク層(第3層)ルータとして機能する。第1アプローチ(第2層アプローチ)では、AR、APおよび全てのモバイル・ユニットが同じIPサブネット上にある。展開の点から見てよりフレキシブルな第2アプローチ(第3層)では、APが異なるIPサブネット上にあり、モバイル・ユニットへのIPルータとして機能し、リンク層フレームの代わりにIPパケットを使用して、ARと通信することができる。
【0006】
802.11WLANの展開における主な設計問題の1つは、無線ネットワーク内のモバイル・ユニットに対するシームレス・ローミング・サポートの問題である。移動性は、何の、あるいは少なくとも最小の、サービスの中断もなく、サポートされなければならない。たとえば、アプリケーション・レベル・セッションは、モバイル・ユニットにリンク層接続を提供するAP間でのハンドオフ中に中断されてはならない。APが同じIPサブネット内にある場合、シームレスな移動性を処理するには、802.11WLAN固有の第2層ハンドオフ機構で十分であろう。しかし、APが異なるIPサブネットに接続されている場合は、シームレスな移動性をサポートするには、第3層ハンドオフ機構を利用する必要があろう。
【0007】
第2層の機構には制約がある。たとえば、あらゆるAPを1本のケーブルまたは1つのネットワークにリンクしている広域での展開は、問題を呈する。APを異なるIPサブネットに結びつけるためには、APをIP(すなわちネットワーク)レベルに配置するほうが好ましく、そのほうが多用途性が大きくなる。1つのネットワークが別のネットワークと通信するためには、ハンドオフはIPレベル(すなわち第3層)でなければならない。
【0008】
第3層の移動性に関しては周知の機構がある。たとえば、第3層移動性機構の1つに、モバイルIPと呼ばれるものがある。しかし、モバイルIPおよびその関連機構は、ノマディック接続に合わせて調整されているものであり、途切れのない移動性および802.11WLAN環境で発生するAP間の頻繁なハンドオフのために調整されているものではない。さらに、モバイルIPサポートは、現時点では広く利用できるものでもない。たとえば、MS WindowsまたはLinuxオペレーション・システムを実行するモバイル・ユニットは、モバイルIPを使用するには追加のソフトウェアのインストールを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、当技術では、AP間の頻繁なハンドオフをサポートすることができ、かつモバイル・ユニット上への追加ソフトウェアのインストールを必ずしも必要としないレベル3ハンドオフ方式を使用した、802.11WLANのためのシームレス・ローミング・サポートが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態は、一般に、ルーティング更新方式が、パケットが各モバイル・ユニットのための正しいサービスAPに送達されることを保証し、かつしたがって、802.11無線ネットワークのためのシームレス・ローミング・サポートを提供する方法および装置に関する。これらの方法および装置は、異なるIPサブネットに接続されたAPの間をローミングする802.11無線モバイル・ユニットのための低待ち時間ハンドオフ方式を提供する。これらの方法および装置では、リンク・レベルのフレームを使用してモバイル・ユニットにルート更新を送る。モバイル・ユニットが新しいAPとリンク・レベルの連携を確立した後すぐ、モバイル・ユニットへの、およびそれからのIPパケット・ルーティングを開始することができる。
【0011】
一実施形態によれば、無線ネットワーク上のモバイル・ユニットにシームレス・ローミング・サポートを提供するためのネットワーク通信システムであって、それぞれが有線インターフェース・ポートおよび無線インターフェース・ポートを有し、この無線インターフェース・ポートがモバイル・ユニットに結合されるように適応されている、少なくとも2つのアクセス・ポイント(AP)と、これらの少なくとも2つのAPのそれぞれの有線インターフェース・ポートに結合されるように適応されているアクセス・ルータ(AR)と、ARにモバイル・ユニットのルーティング情報を提供するためのロケーション・テーブルとを含むネットワーク通信システムが提供される。本発明の他の実施形態によれば、IPパケットをモバイル・ユニットに向けてルーティングする方法であって、ARでIPパケットを受け取る工程と、サービスAPの宛先IPアドレスを含むロケーション・テーブルを使用してモバイル・ユニットの位置を識別する工程と、サービスAPの宛先IPアドレスをロケーション・テーブルから取り出す工程と、サービスAPのIPアドレスをIPパケットに関連付けて、IPパケットがサービスAPを介してモバイル・ユニットに送信されるように適応される工程とを含む方法が提供される。
【0012】
本発明の他の実施形態によれば、このシステムで最初に通信を開始するモバイル・ユニットのためにロケーション・テーブルで最初のルーティング・エントリを作成する方法であって、モバイル・ユニットによってすぐ近くのAPをサービスAPとして選ぶ工程と、モバイル・ユニットによって仮想デフォルト・ルータIPアドレス(IPvdrアドレス)を求めるARPメッセージをブロードキャストする工程と、サービスAPからモバイル・ユニットにIPvdrアドレスを求めるARPに対する応答を送る工程と、モバイル・ユニットによってARP応答を処理してARPキャッシュ・エントリを作成する工程と、サービスAPからARにメッセージを送って、モバイル・ユニットのためのロケーション・テーブルで最初のルーティング・エントリを作成する工程とを含む方法が提供される。
【0013】
本発明の他の実施形態によれば、モバイル・ユニットのためのロケーション・テーブルで既存のルーティング・エントリを更新する方法であって、モバイル・ユニットによって新しいサービスAPを選ぶ工程と、モバイル・ユニットによって新しいサービスAPと連携する工程と、新しいサービスAPからARにルーティング更新メッセージを送る工程と、ARによってルーティング更新メッセージを処理してロケーション・テーブルでモバイル・ユニットに対応するルーティング・エントリを更新する工程と、新しいサービスAPからモバイル・ユニットに無償ARPメッセージを送ってIPvdrアドレスに対応するARPキャッシュ・エントリを更新する工程とを含む方法が提供される。
【0014】
本発明の他の実施形態によれば、モバイル・ユニットとホストの間で通信する方法であって、すぐ近くのAPを探し出すためにモバイル・ユニットからプローブ信号を提供する工程と、すぐ近くのAPからの応答を処理する工程と、選ばれたサービスAPと連携する工程と、IPvdrアドレスを求めるARPメッセージをブロードキャストする工程であって、モバイル・ユニットのIPvdrアドレスを求めるARPに応答が送られる工程と、最初のメッセージをARに送る工程と、ARP応答を処理しARPキャッシュ・エントリを作成する工程であって、最初のメッセージを使用してロケーション・テーブルで最初のルーティング・エントリを作成する工程とを含む方法が提供される。
【0015】
したがって、上記の本発明の特徴が詳細に理解され得る方式、すなわち上記で簡単に要約された本発明のより詳細な説明は、そのうちのいくつかが添付の図面に示されている実施形態を参照することによって得ることができる。ただし、添付の図面は、本発明の典型的な実施形態を示すだけであり、したがって、本発明の範囲を限定するとみなされるべきではないことに留意されたい。本発明は、同様に効果的な他の実施形態を許容することができるからである。
【0016】
本発明の実施形態は、本明細書中では、例としていくつかの実施形態および例示的図面を使用して説明されているが、本発明はこれらの実施形態および図面に限定されるものではないことを当業者は理解するであろう。本発明に対する図面および詳細な説明は、本発明を、開示された特定の形態に限定するものではなく、それとは逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明の主旨および範囲に入る全ての改変形態、同等物、および代替物を含むものであることを理解されたい。
【0017】
本明細書中で使用されている見出しは、編成目的のためのみであり、本明細書または特許請求の範囲を限定するために使用されているものではない。本出願を通じて使用される語「し得る」、「してもよい」、「できる」など(may)は、義務的な意味(すなわち、「ねばならない(must)」の意味)ではなく、許容の意味で(すなわち、可能性があることを意味して)使用される。同様に、語「含む(include)」、「含んでいる(including)」、および「含む(includes)」は、含むことを意味するが、限定されることを意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態による、シームレス・ローミングをサポートするために使用されるネットワーク・アーキテクチャを示すシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による、エリアAP1からエリアAP2にローミングするモバイル・ユニットを示すシステム構成図である。
【図3】本発明の一実施形態による、アクセス・ルータ(AR)にあるロケーション・テーブルである。
【図4】本発明の一実施形態による、L1メッセージを使用してロケーション・テーブルで新しいエントリを作成するAPを示すARにあるロケーション・テーブルである。
【図5】本発明の一実施形態による、L2メッセージを使用してロケーション・テーブルでサービスAPのIPアドレスを変更するAPを示すARにあるロケーション・テーブルである。
【図6】本発明の一実施形態による、有線ネットワークからモバイル・ユニットへのIPパケットの移動を示す流れ図である。
【図7】本発明の一実施形態による、ARにあるロケーション・テーブルでの新しいエントリの作成を示す流れ図である。
【図8】本発明の一実施形態による、ARにあるロケーション・テーブルでの既存のエントリの更新を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態は、モバイル・ユニットに、少なくともTCP接続およびアプリケーション・セッション(たとえば、HTTPセッション、ボイス・オーバIPセッションなど)を維持しながら、あるアクセス・ポイント(AP)から別のAPに(APが異なるIPサブネット上にある場合)ローミングする機能を提供する方法および装置を含む。本発明の実施形態によれば、この装置は、AP間で頻繁に発生するモバイル・ユニットの第3層ハンドオフを行うことができる。モバイル・ユニットは、周知のオペレーティング・システム(たとえば、Windows XPまたはLinux)を修正なしで使用して、802.11無線ネットワーク内でローミングすることができる。本発明の実施形態は、移動性をサポートするためにモバイル・ユニット上でどんな特別のカーネル・モジュールをロードする必要も、アプリケーション処理を実行する必要もないように構成される。
【0020】
本発明の実施形態は、全てのモバイル・ユニットで固定仮想デフォルト・ルータIP(IPvdr)アドレスを使用すること、各アクティブ・モバイル・ユニットで固定IPアドレスを使用すること、およびアドレス解決プロトコル(ARP)フレームおよびIEEE802.11管理フレームの到着に基づいてルータ更新を出すことを含む。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に関連して使用されるネットワーク・アーキテクチャ100を示す。ネットワーク・アーキテクチャ100は、アクセス・ルータ(AR)102をAP104に接続するAP−ARネットワークと言われる有線ネットワーク110を含む。有線ネットワーク、たとえばインターネット、112も、AR102に接続されている。802.11WLANネットワーク108、ならびに、モバイル・ユニット106および106は、AP−ARネットワーク110に接続されている。
【0022】
ここでは、AP−ARネットワーク110(すなわち、AR102、ならびに、AP104および104)に接続されているホストは、同じIPサブネットにある必要はない。たとえば、AP1(104)の有線インターフェースは、135.180.145.15のIPアドレスに合わせて構成し、一方、有線インターフェースAP2(104)は、135.104.20.99のIPアドレスを有するように構成することができる。APはどのIPサブネットにも接続することができ、モバイル・ユニットはあるAPのエリアから別のAPのエリアにローミングすることができるので、本発明の一実施形態による、本明細書に記載のルーティング更新方式は、パケットが各モバイル・ユニットのための正しいサービスAPに送達されることを保証する。
【0023】
図2は、ネットワーク・アーキテクチャ100と同様のネットワーク・アーキテクチャ200を示す。この図は、位置206から206’にローミングするモバイル・ユニット206を示す。詳細には、一実施形態では、モバイル・ユニット206が、AP1(204)およびAR202を介してインターネット212にアクセスする。モバイル・ユニット206がサービスAP1(204)のアクセス・エリアから離れてAP2(204)のエリアに入るとき、モバイル・ユニット206が、AP2(204)を検出し、AP2(204)との連携を確立するために802.11管理フレームを交換する。いったんこの連携が確立されると、AP2(204)がモバイル・ユニット206’からパケットを受け入れ始める。
【0024】
本発明の実施形態によるネットワーク接続のシームレスな遷移をサポートするために、AP2(204)はAR202に、今AP2(204)がモバイル・ユニット206’のサービスAPになった、したがって、AR202はモバイル・ユニット206’宛のパケットをAP2(204)に転送することができることを通知する。さらに、AP2(204)はモバイル・ユニット206’に、モバイル・ユニットは、したがって、インターネット212宛のパケットを現在のサービスAP2(204)に送達することができることを通知しなければならない。AR202とモバイル・ユニット206の間の、AP204を介したパケット転送の詳細は、本明細書に記載されている。
【0025】
動作時には、AR202が、モバイル・ユニット206宛のIPパケットが到着したとき、現在のサービスAP204を判定する。一実施形態では、AR202は、パケットをサービスAP204に送達するためにIPトンネリング214として知られる技法を使用する。IPトンネリングは、一般に、AR、たとえばAR202が、サービスAP204のアドレスを宛先として使用して、インターネット212からの元のIPパケットに新しいIPヘッダを付加するところとして説明される。サービスAP204がトンネリング・パケット214を受け取ると、このサービスAPはペイロードから元のIPパケットを抽出し、無線インターフェース108を使用して、それをモバイル・ユニット206に送達する。
【0026】
インターネット212にアクセスするためには、モバイル・ユニット206は、IPアドレスおよびデフォルト・ルータIPアドレスを有するように構成されなければならない。このIPアドレスによって、モバイル・ユニット206がインターネット212上の他のホストと通信できるようになる。デフォルト・ルータはインターネットへのファースト・ホップ・ルータである。モバイル・ユニット206は、そのサービスAP204をデフォルト・ルータとして使用することを理解されたい。IPパケットをモバイル・ユニット206からAR202に送達するには、2つの順次段階が必要である。最初に、モバイル・ユニット206がパケットを802.11フレームにカプセル化し、その結果のフレームをサービスAP204に送達する。次に、パケットがAPを介してARからモバイル・ユニットに送達される前述の方法と同様に、サービスAP204がIPトンネリング214を使用してパケットをAR202に送達する。
【0027】
この2段階送達は、2組の情報を必要とする。すなわち、AP204でのAR202のIPアドレス、およびモバイル・ユニット206でのサービスAP204の物理アドレスである。ARのIPアドレスは、APがブートストラップ中に取得する構成情報の一部分である。サービスAPの物理アドレスは、ARPプロトコルを使用することによって動的に取得することができる。いったんモバイル・ユニット206がそのデフォルト・ルータの物理アドレスを取得すると、その情報は、ARP要求トラフィックを低減するために、ある時間の間(たとえば2分ぐらい)モバイルのARPキャッシュに保持される。次いで、モバイル・ユニット206は、サービスAPを交換するとき、各APが一意の物理アドレスを有しているので、そのARPキャッシュ内のサービスAPの物理アドレスを変更する。
【0028】
本発明の実施形態による、このネットワーク・アーキテクチャ200は、1つのモバイル・ユニットごとに1つのIPアドレスを使用し、このIPアドレスは、モバイル・ユニットがどのAPを使用していても、モバイル・ユニットがアクティブである間は同じままである。すなわち、モバイル・ユニットは、APを交換してもIPアドレスを変更する必要がない。この機能は、モバイル・ユニットが新しいサービスAPに交換した後もTCP接続がそのまま維持されることを保証する。一代替実施形態では、モバイル・ユニットがダイナミック・ホスト構成プロトコル(DHCP)を使用してIPアドレスを取得する場合、モバイル・ユニットはIPアドレス情報を求めて新しいAPに新しいDHCP要求を出すことが可能である。
【0029】
本発明の諸実施形態では、各APをDHCPリレイとして使用し、ARをDHCPサーバとして使用する。このようにすると、全てのDHCP要求は、処理のためにARに転送される。ARは全てのアクティブ・モバイル・ユニットのために(以下に論じる)グローバル・ロケーション・テーブルを維持しているので、ARは、モバイル・ユニットによって使用されている無線インターフェースに埋め込まれた一意の物理アドレスに基づいて、同じモバイル・ユニットには同じIPアドレスを割り当てることができる。
【0030】
図3は、本発明の一実施形態による、APアドレスを探し出すためのロケーション・テーブル300の構造を示す。ロケーション・テーブル300は、各アクティブ・モバイル・ユニットに関するルーティング情報をARに提供する。モバイル・ユニット宛のIPパケットが与えられると、ARは、宛先IPアドレス302をキーとして使用して、そのモバイル・ユニットに対応するエントリを取り出す。次いで、ARは、モバイル・ユニットのサービスAPにIPパケットを送達する。
【0031】
ロケーション・テーブル300は、以下の4つの基本セクションを含む。すなわち、モバイルIPアドレス・フィールド302、モバイル物理アドレス・フィールド306、サービスIPアドレス304、およびエントリ・アクセス時間フィールド305である。追加のフィールドは、本発明に基づいて熟考され、本発明の範囲から逸脱することなく、ロケーション・テーブル300に含まれ得る。
【0032】
モバイルIPアドレス・フィールド302は、モバイル・ユニットに割り当てられたIPアドレスを記憶する。モバイル・ユニットの物理アドレス・フィールド306は、モバイル・ユニットの802.11WLANインターフェースの物理アドレスを記憶する。モバイルIPアドレス・フィールドとモバイル・ユニット物理アドレス・フィールドは両方とも、エントリを取り出すためのルックアップ・キーである。サービスAPアドレス・フィールド304は、モバイル・ユニットの現在のサービスAPのIPアドレスを記憶する。このフィールドは、ARによって、前述のIPトンネリングを使用してモバイル・ユニット宛のパケットを送達するために使用される。エントリ・アクセス時間フィールド305は、エントリがアクセスされた時間を記憶する。このフィールドは、テーブル・スペースを節約するために非アクティブ・エントリを削除するのに使用され得る。前述のように、ARで稼動しているDHCPサーバも、同じIPアドレス302が同じモバイルに割り当てられることを保証するために、ロケーション・テーブル300を使用する。
【0033】
各モバイル・ユニットはそのサービスAPをデフォルト・ルータとして使用し、各APはそれぞれ自分の一意のIPアドレスを有するが、本発明の諸実施形態では、一意の一定のIPアドレスを全てのモバイル・ユニットのためのデフォルト・ルータIPアドレスとして使用する。この一定のIPアドレスは、本明細書中では、仮想デフォルト・ルータIPアドレス(IPvdr)と呼ばれる。その結果、モバイル・ユニットは、APを交換しても、そのデフォルト・ルータIPアドレスは変更しない。各APは、IPvdrを認識し、自分を求めるARP要求に応答するようにプログラムされる。この技法は、プロキシARPとして知られている。
【0034】
モバイル・ユニットがそのIPサブネットの外部のホストとの通信を開始しようとするときは、そのデフォルト・ルータの物理アドレス(たとえば、イーサネット・アドレス)を見つけなければならない。モバイル・ユニットは、IPvdrをデフォルト・ルータとして有するように構成されているので、IPvdrをターゲットIPアドレスとして有するARP要求をブロードキャストする。サービスAPがこのARP要求を受け取ると、要求元のモバイル・ユニットに応答を送る。この応答は、IPvdrのバインディングおよびサービスAPの物理アドレスを含み、モバイル・ユニットがサービスAPとの将来の通信のためのARPキャッシュ・エントリを作成することができるようにする。IPvdrをターゲットとしたARP要求はまた、要求元のモバイル・ユニットのIPアドレスおよび物理アドレスも含む。これは、サービスAPが、その情報を使用して、本明細書に記載のARで、最初のロケーション・テーブル・エントリを作成することができるので重要である。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、モバイル・ユニットが通信を開始するとき、そのARPキャッシュおよびARで、モバイル・ユニットの最初のルーティング状態を作成するためのシステムが提供される。図4を参照すると、このシステムは、ロケーション・テーブル400を使用すること、ARP要求を受け取ること、サービスAPによってARP要求からソースIPアドレスおよび物理アドレスを抽出すること、およびロケーション更新L1メッセージ420をARに送ることを含む。L1メッセージ420は、モバイル・ユニットのIPアドレス408および物理アドレス416、ならびにサービスAPのIPアドレス410を含む。ARは、L1メッセージを処理した後で、モバイル・ユニットに対応するロケーション・テーブル400にロケーション・テーブル・エントリを作成する。ARは、モバイル・ユニット宛のパケットをそのサービスAPに転送することができる。アクティブ・モバイル・ユニットは、このARP要求を送って自分のARPキャッシュを定期的にリフレッシュするので、L1メッセージ420は、ロケーション・テーブル・エントリが除去されないようにするための定期更新としても機能する。
【0036】
IPvdrをターゲットとするARP要求は、2つの目的にかなう。第1に、この要求は、サービスAPがL1メッセージ420を送って、ARでロケーション・テーブル・エントリを作成するきっかけとなる。第2に、この要求に対する応答は、モバイル・ユニットが、自分のサービスAPの物理アドレス410を知り、その情報を自分のARPキャッシュに記憶することができるようにする。
【0037】
図5は、モバイル・ユニットが、あるAPのエリアから別のAPのエリアに移動するときのシームレス・ローミング・サポートに関する、本発明の一実施形態を例示するロケーション・テーブル500を示す。モバイル・ユニットが新しいAPのエリアに移動し、その新しいAPとの連携を確立するとき、ARにあるモバイル・ユニットに対応するロケーション・テーブル・エントリおよびモバイル・ユニットにあるIPvdrに対応するARPキャッシュ・エントリは、シームレスな移動性をサポートするために変更されなければならない。新しいAPのIPアドレス514は、前のAPのIPアドレス510とは異なる。
【0038】
動作時には、この2つのエントリは、新しいAPが新しいAPから連続して2つのメッセージを送ることによって連携を完成した後すぐに変更される。無償ARPメッセージがモバイル・ユニットに送られ、新しいロケーション更新L2メッセージ520がARに送られる。この無償ARPは、ソースとしてIPvdrおよび新しいAPの物理アドレスを含むARP要求である。このARP要求の目的は、モバイル・ユニットから応答を引き出すことではない。そうではなく、モバイル・ユニットにあるARPキャッシュを変更するために使用される。この無償ARPを処理する前は、モバイル・ユニットのARPキャッシュには、前のAPの物理アドレスへのIPvdrのバインディングが入っている。モバイル・ユニットは、この無償ARPを処理した後で、このARPプロトコルの指定に従って、IPvdrのバインディングを新しいAPの物理アドレスに変更し、それによって、モバイル・ユニットが新しいAPと通信できるようにする。
【0039】
ロケーション・テーブルで新しいエントリを作成するL1メッセージ420(図4参照)とは違って、図5のL2メッセージ520は、テーブルにある既存のエントリを更新する。さらに、L2メッセージ520は、モバイル・ユニットのIPアドレスを含まない。そうではなく、このメッセージは、モバイル・ユニットの物理アドレス516、および新しいAP514のIPアドレスを含む。ARがL2メッセージ520を受け取ると、ARは物理アドレス516をルックアップ・キーとして使用して、モバイル・ユニットに対応するエントリを取り出し、サービスAPのIPアドレス・フィールドを新しいAPのIPアドレスと取り替える。セクション504、ならびにエントリ510および514は、この処理を示す。これによって、モバイル・ユニット宛のパケットは、新しいAPに到達し、次いでモバイル・ユニットに到達することができるようになる。
【0040】
この無償ARPおよびL2メッセージは、できるだけ最適の時間に、すなわち、モバイル・ユニットが新しいサービスAPとの連携を確立した後すぐに、シームレス・ローミングをサポートするのに必要な更新を完了する。
【0041】
L1メッセージもL2メッセージもARからの確認通知を必要とする。特に、L2メッセージへの確認通知は、モバイル・ユニットのIPアドレスを含む。モバイル物理アドレスと共にモバイルIPアドレス情報を使用すれば、APは、獲得したばかりのモバイル・ユニットのために予めARPキャッシュ・エントリを作成しておくことができるようになる。したがって、モバイル・ユニット宛のパケットが到着すると、モバイルの物理アドレスを見つけてモバイルからのARP返答を待つためにARP要求をブロードキャストすることなく、このパケットをモバイル・ユニットに直ちに送達することができる。
【0042】
図6は、本発明の実施形態による、インターネットなどのホストとモバイル・ユニットの間でIPパケットを送受信する方法を示す流れ図である。この方法は、モバイル・ユニットに送るパケットを有するホストの諸工程602を含む。工程604で、このシステムはモバイル・ユニット宛のパケットを受け取る。工程606で、本発明の実施形態によるロケーション・テーブルを使用して、前述のモバイル・ユニットのロケーション・エントリを識別する。工程608で、ロケーション・テーブルからサービスAPのIPアドレスを取り出す。工程610で、前述のIPトンネリング技法を使用して、パケットにヘッダを付加する。付加されたヘッダは、現在のサービスAPのIPアドレスを宛先として含む。工程612で、その結果としてのパケットをサービスAPに送る。工程614で、サービスAPは付加されたヘッダを除去し、その結果としてのパケットをモバイル・ユニットに送る。この方法は、別のパケットが同じまたは異なるホストによって送られるまで、工程616で終わる。
【0043】
本発明の他の実施形態によれば、図7に示されているように、モバイル・ユニットが通信を始めるときの、ARPキャッシュおよびARでのモバイル・ユニットのための最初のルーティング状態の作成を示す流れ図が提供される。この方法は、工程702から始まる。工程704で、モバイル・ユニットが、アクセスする許可を有するAPを探すために802.11WLAN内でプローブ信号を送出する。ステップ706で、モバイル・ユニットが、すぐ近くの複数のAPからの応答を処理し、連携するAPを選ぶ。選ばれたAPが、そのモバイル・ユニットのサービスAPとなる。工程708で、モバイル・ユニットが、有線ネットワーク内のホストと通信を始めるとき、IPvdrアドレスを求めるブロードキャストARPメッセージを送出する。工程710で、サービスAPが、IPvdrを求めるARPに対する応答をモバイル・ユニットに送り、ARにもL1メッセージを送る。工程712で、モバイル・ユニットが、サービスAPからのARP応答を処理し、IPvdrIPアドレスをサービスAPに対応する物理アドレスに結びつけるARPキャッシュ・エントリを作成する。一実施形態では、工程712と並行して実施される工程714で、ARがモバイル・ユニットからのL1メッセージを処理し、そのモバイル・ユニットのためのロケーション・テーブルでルーティング・エントリを作成する。モバイル・ユニットが依然として同じ位置にあり、しばらくの間新しいサービスAPを探さない場合は、この方法は工程718で終わる。そうではなく、モバイル・ユニットが移動する場合は、このシステムは工程Aに進む(図8参照)。
【0044】
図8は、モバイル・ユニットが移動し、新しいサービスAPが選ばれる場合を示す流れ図である。図8に示されたこれらの工程は、モバイル・ユニットにあるIPvdrに対応するARPキャッシュ・エントリ、およびモバイル・ユニットに対応するロケーション・テーブルにあるルーティング・エントリを更新することを対象とする。特に、本発明の他の実施形態によれば、モバイル・ユニットが現在のサービスAPのエリアから新しいサービスAPのエリアに移動するときに、自分のARPキャッシュおよびARにあるモバイル・ユニットのためのルーティング状態を更新する、諸工程が提供される。
【0045】
工程802で、モバイル・ユニットが新しいサービスAPを選び、その新しいサービスAPとの802.11連携を確立する。工程804で、新しいサービスAPが、L2メッセージをARに送り、無償ARPメッセージをモバイル・ユニットに送る。工程806で、ARがL2メッセージを処理し、モバイル・ユニットに対応するロケーション・テーブルでルーティング・エントリを更新し、新しいサービスAPに確認通知メッセージを送る。この更新によって、モバイル・ユニットの新しいサービスAPが現在のサービスAPになる。一実施形態では工程806と並行して進む工程808で、モバイル・ユニットは、新しいサービスAPからの無償ARPを処理し、自分のARPキャッシュを変更して新しいサービスAPの物理アドレスをIPvdrアドレスに結びつける。工程810で、新しいサービスAPがARからの確認通知を処理し、そのモバイル・ユニットのためのARPで新しいエントリを作成する。この方法は工程812で終わる。
【実施例】
【0046】
以下の例は、本発明の諸実施形態に従って、ARおよびAPがどのようにシームレスな移動性をサポートするかを説明する。この例を図2、4、および5〜8と併せて検討されたい。モバイル・ユニットが起動し、IPアドレス10.1.1.100を有するように構成され、デフォルト・ルータIPアドレス(IPvdr)が10.1.1.1であると仮定する。モバイル・ユニット206がAP1(204)と連携を確立すると、AP1はL2メッセージ520をAR202に送り、モバイル・ユニット206に無償ARPを送る。AR202はモバイル・ユニット206のエントリを有していないので、L2メッセージ520を無視する。同様に、モバイル・ユニット206は、そのARPキャッシュが空なので、無償ARPを無視する。
【0047】
モバイル・ユニット206は、ホスト(たとえばインターネット)と初めて通信を開始するとき、IPvdr(10.1.1.1)を求めてARPブロードキャストを送出する。AP1(204)がARP要求に応答し、L1メッセージ420をAR202に送り、AR202は、このL1メッセージ420を使用してモバイル・ユニットに対応するロケーション・テーブルで新しいエントリ408を作成する。AR202でロケーション・テーブル(図3参照)のエントリ308が作成され、モバイル・ユニット206でIPvdrをAP1(204)の物理アドレスに結びつけるARPキャッシュ・エントリが作成されたら、モバイル・ユニット206とホスト212は相互に通信することができる。
【0048】
モバイル・ユニット206は、AP2(204)のエリアに移動したとき、AP2との連携を確立する。いったんこの連携が確立されたら、AP2がL2メッセージ520をAR202に送り、モバイル・ユニット206に無償ARPを送る。ARがL2メッセージ520に入れて運搬されてきた物理アドレスをルックアップ・キーとして使用して、モバイル・ユニット206に対応するエントリを取り出し、テーブル510中のサービスAPのIPアドレスをAP2の(L2メッセージ520に入れて運搬されてきた)IPアドレス514と取り替える。次いで、AR202がモバイル・ユニット206のIPアドレスを含む確認通知をAP2(204)に送る。AP2はこの確認通知を処理し、モバイル・ユニット206のための自分のARPキャッシュでエントリを作成する。
【0049】
無償ARPを受け取ると、モバイル・ユニット206は、IPvdrがAP2の物理アドレスに結びつくように、自分のARPキャッシュを変更する。L2メッセージ520は無償ARPと協働して、本発明の実施形態による、シームレス・ローミングをサポートするのに必要なルーティング更新を完了する。
【0050】
本発明の実施形態は、有利なことに、モバイル・ユニットの改変を必要としない。各モバイル・ユニットは、あるAPから別のAPに移動するとき、固定IPアドレスおよび固定デフォルト・ルータ・アドレスを維持する。アクセス・ポイントおよびARは協働して各モバイル・ユニットをトラックし、IPトンネリングを使用してパケットを転送する。
【0051】
前記は本発明の諸実施形態を対象とするが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他の、かつさらなる実施形態が考案されてもよい。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワーク上のモバイル・ユニットにシームレス・ローミング・サポートを提供するためのネットワーク通信システムであって、
それぞれが有線インターフェース・ポートおよび無線インターフェース・ポートを有し、前記無線インターフェース・ポートが前記モバイル・ユニットに結合されるように適応された、少なくとも2つのアクセス・ポイント(AP)と、
前記少なくとも2つのAPのそれぞれの前記有線インターフェース・ポートに結合されるように適応され、前記モバイル・ユニットのルーティング情報を含むロケーション・テーブルを備えるアクセス・ルータ(AR)と
を含み、
前記少なくとも2つのAPのそれぞれは、モバイル・ユニットから、仮想デフォルト・ルータIP(IPvdr)アドレスをターゲットIPアドレスとして有するアドレス解決プロトコル(ARP)要求メッセージを受信するように適合され、
前記少なくとも2つのAPのそれぞれは、モバイル・ユニットからのARP要求メッセージの受信に応答して、第1のメッセージを前記ARに送信し、ARP応答メッセージを前記モバイル・ユニットに送信するように適合され、
前記第1のメッセージは、前記ARが前記ロケーション・テーブル内に前記モバイル・ユニットのエントリを作成するために使用されるように適合され、
前記ARP応答メッセージは、前記モバイル・ユニットがARPキャッシュ内にエントリを作成するために使用される前記APの物理アドレスを含む、
ことを特徴とするネットワーク通信システム。
【請求項2】
前記ロケーション・テーブルが、
モバイル・ユニットIPアドレス・フィールドと、
モバイル・ユニット物理アドレス・フィールドと、
サービスAPのIPアドレス・フィールドと、
エントリ・アクセス時間フィールドとを含む、請求項1に記載のネットワーク通信システム。
【請求項3】
前記モバイル・ユニットのIPアドレス・フィールドが前記モバイル・ユニットIPアドレスを記憶する、請求項2に記載のネットワーク通信システム。
【請求項4】
前記モバイル・ユニット物理アドレス・フィールドが前記モバイル・ユニットの無線ネットワーク・インターフェースの物理アドレスを記憶する、請求項2に記載のネットワーク通信システム。
【請求項5】
前記サービスAPのIPアドレス・フィールドが前記モバイル・ユニットの現在のサービスAPのIPアドレスを記憶し、前記現在のサービスAPの前記IPアドレスが、前記ARが前記モバイル・ユニットへの信パケットを配信するために使用されるように適合される、請求項2に記載のネットワーク通信システム。
【請求項6】
前記エントリ・アクセス時間フィールドが、エントリがアクセスされた時間を記憶する、請求項2に記載のネットワーク通信システム。
【請求項7】
前記各モバイル・ユニットが、前記モバイル・ユニットのそれぞれによって前記少なくとも2つのAPのそれぞれのデフォルトIPアドレスとして使用される一定の仮想デフォルト・ルータIP(IPvdr)アドレスを含む、請求項1に記載のネットワーク通信システム。
【請求項8】
前記少なくとも2つのAPがネットワーク層ルータであり、IPパケットを使用して前記ARと通信する、請求項1に記載のネットワーク通信システム。
【請求項9】
アクセス・ルータ(AR)に関連するアクセス・ポイント(AP)において、モバイル・ユニットから提供され、仮想デフォルト・ルータIP(IPvdr)アドレスをターゲットIPアドレスとして有するアドレス解決プロトコル(ARP)要求メッセージを受信する手段と、
前記ARP要求メッセージに応答して、前記APから前記ARへ、前記ARが前記ARのロケーション・テーブル内に前記モバイル・ユニットのエントリを作成するために使用されるように適合されている第1のメッセージを送信する手段と、
前記APから前記モバイル・ユニットへ、前記モバイル・ユニットがARPキャッシュ内にエントリを作成するために使用される前記APの物理アドレスを含むARP応答メッセージを送信する手段と、
を含む装置。
【請求項10】
モバイル・ユニットから、仮想デフォルト・ルータIP(IPvdr)アドレスをターゲットIPアドレスとして有するアドレス解決プロトコル(ARP)要求メッセージをブロードキャストする手段であって、前記ARP要求メッセージは、前記ARP要求メッセージを受信するアクセス・ポイント(AP)が、ロケーション・テーブルを保持するアクセス・ルータ(AR)へ第1のメッセージを送信し、前記モバイル・ユニットへARP応答メッセージを送信するきっかけとなるように適合されている、手段と、
前記モバイル・ユニットにおいて、前記モバイル・ユニットがARPキャッシュ内にエントリを作成するために使用される前記APの物理アドレスを含む前記ARP応答メッセージを受信する手段と、
を含む装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−54961(P2012−54961A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219704(P2011−219704)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【分割の表示】特願2006−82506(P2006−82506)の分割
【原出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.WINDOWS
3.Linux
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】