説明

無線ネットワークを計画及び評価する方法及びシステム

少なくとも1つのセルを画定する少なくとも1つの基地局を備える無線ネットワークの計画及び/又は評価のための方法及びシステムが提供される。より詳細には、本発明は、受信可能範囲の拡充を必要とする既存の無線ネットワークの計画及び評価のための方法及びシステムを提供するものであり、解決策は、エンドユーザによって知覚される受信可能範囲を拡充するために、基地局展開の優先順位付けを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、無線ネットワークの計画及び評価に関する。より詳細には、本発明は、既存の無線ネットワークにおける受信可能範囲の最適化、及び基地局の設置の優先順位付けに関する。
【0002】
発明の背景
無線ネットワークの計画及び評価は、無線受信可能範囲の隙間を見出し、新しい基地局を構築すべき場所を見出すために利用される。
【0003】
PCT特許出願WO90/10342号は、無線セルの計画のための方法及びシステムを提供する。該方法は、トラフィック要求を満たすためのセル計画の適応を可能とする、測定された電界強度に基づいて計算された除外マトリックスと、反復割当てアルゴリズムとを利用する。
【0004】
PCT特許出願WO96/36188号は、無線通信ネットワークのシステム要件を見積もる方法及び装置を提供する。
欧州特許出願第1294208号は、特にCDMA無線ネットワークである無線ネットワークの計画及び/又は評価のための方法及びシステムを提供する。該方法は、トラフィックの変化によるセル・ブリージング(cell breathing)を考慮するため、計画は、各ピクセルに対するリンク・バジェットと、各セルに対するノイズ上昇との計算を含む。
【0005】
PCT特許出願WO93/15591号は、加入者の移動性のシミュレーションを用いて、セルラー無線ネットワークを計画する方法及びシステムを提供する。
課題の定義
受信可能範囲の拡充が必要な既存無線ネットワークにおける、計画及び評価のための解決策であって、エンドユーザに知覚される受信可能範囲を拡充するための基地局展開の優先順位付けを行う解決策が存在しない。
【0006】
発明の目的
本発明の目的は、受信可能範囲の拡充が必要な既存無線ネットワークにおける方法及びシステムを提供することであり、該解決策は、エンドユーザに知覚される受信可能範囲を拡充するための基地局展開の優先順位付けを行う。
【0007】
発明の概要
本発明は、受信可能範囲の拡充が必要な既存無線ネットワークの計画及び評価のための解決策であって、エンドユーザにより知覚される受信可能範囲を拡充するための基地局展開の優先順位付けを行うことができる解決策を提供する。
【0008】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つのセルを画定する少なくとも1つの基地局を備える無線ネットワークの計画及び/又は評価のための方法及びシステムが提供される。方法は、以下のステップ、又は以下のステップのサブセットを含み、システムは、以下のステップを扱う手段を備える。
・少なくとも1つのサービスエリアの少なくとも一部をピクセルに分割するステップ。
・ピクセルのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのセルによりカバーされているか否かを評価することにより、少なくとも1つのカバーされていないピクセルを識別するステップ。これには、受信可能範囲予測モデル及び人口分布モデルが利用され得る。また、測定された受信可能範囲データ及び人口分布モデルが利用されてもよい。受信可能範囲予測モデル及び環境特性モデルも利用されてもよく、測定された受信可能範囲データ及び環境特性モデルが利用されてもよい。
・少なくとも1つのカバーされていないピクセルに、重み付けするステップ。
・少なくとも1つのカバーされていないピクセルに、新しい基地局を仮想的に設置することにより、新しくカバーされるピクセルの合計を決定するステップ。新しくカバーされるピクセルの合計は、新しくカバーされるピクセルの重み付けされた合計でもよい。
・少なくとも1つの候補ピクセルを決定するステップ。これは、新しくカバーされるピクセルの合計が最高になる、少なくとも1つのカバーされていないピクセルを選択することにより実行され得る。少なくとも1つのカバーされていないピクセルの選択は、新しくカバーされるピクセルの合計が閾値を超えるか否かを評価してもよい。
・2つ又はそれ以上の隣接する候補ピクセルが存在するか否かを決定するステップ。
・隣接ピクセル領域を画定するステップ。
・隣接ピクセル領域の重心を決定するステップ。
・少なくとも1つのカバーされていないピクセルの周りの生活圏内にある、少なくとも1つの既にカバーされているピクセルを、該少なくとも1つの既にカバーされているピクセルが、少なくとも1つのセルによってカバーされているか否かを評価することにより、識別するステップ。
・少なくとも1つのカバーされていないピクセルについて、該少なくとも1つのカバーされていないピクセルの周りの生活圏内にある、既にカバーされているピクセルの合計を決定するステップ。
・少なくとも1つのカバーされていないピクセルについて、該少なくとも1つのカバーされていないピクセルに新しい基地局を仮想的に設置した後で、該少なくとも1つのカバーされていないピクセルの周りの生活圏内における既にカバーされているピクセルの新しい合計を決定するステップ。
・少なくとも1つのカバーされていないピクセルの周りの生活圏内にある既にカバーされているピクセルの合計と、少なくとも1つのカバーされていないピクセルに新しい基地局を仮想的に設置した後の、少なくとも1つのカバーされていないピクセルの周りの生活圏内にあるカバーされているピクセルの新しい合計との差を評価することにより、少なくとも1つの候補ピクセルの優先順位付けを行うステップ。
【0009】
実際の基地局が、候補ピクセルに設置され得る。実施の基地局は、また、隣接ピクセル領域の重心に設置されてもよい。
本発明は、図面に示される例としての実施の形態を参照することにより、更に詳細に説明される。
【0010】
発明の詳細な説明
本発明の教示のために、本発明の方法及びシステムの好ましい実施の形態を、以下に説明する。最終的に特許される特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を、本発明の真の趣旨を逸脱することなく実施するために、本発明の他の代わりの及び均等な実施の形態が考えられ、変形されることが、当業者にとって明らかである。
【0011】
「好ましい実施の形態」
本明細書に記載される計画及び評価の手順は、全国的な無線ネットワーク計画を、比較的短時間のうちに作成することを可能とする。利用される入力データの正確性及び現実性に依存して、計画及び評価の出力の品質は、かなり高くなり得る。主な入力は、人口分布に関する最新データである。年齢、移動性、教育又は購買力に関する局所的又は地域的な相違の知識により、モデルは、更に調整され得る。
【0012】
「屋内受信可能範囲の計画」
図1は、計画手法のフローチャートを示す。計算には、幅広く利用されているラスター処理ツールである、商業的に利用可能なソフトウェア製品のERDAS Imagine(登録商標)を利用する。このツールの使用により、予測又は測定された現在の受信可能範囲状況を表すラスター・アレイは、可能性のある基地局から届く範囲内のカバーされていない人口の累積を求めるために、人口分布と組み合わされる。モデルの全ステップを、以下に詳細に説明する。
【0013】
分析は、100×100mのラスター・サイズを用いて実行される。より高い解像度にすると、データ量及び処理時間が、受容不可能なレベルにまで増加する。
ステップ1(3):機能構築ブロック1は、電界強度ラスターn44_prediction(1)を、クラッター・クラス「都市」、「近郊」及び「田舎」のn45_urban_suburban(2)と組み合わせることにより、個々の電界強度の閾値において、現在カバーされていないラスター・ピクセルを識別する。電波の伝播と、可能性のある基地局の範囲とは、同様に、建物の密度に依存するからである。適用される閾値は、例えば、都市領域に対しては−65dBm、近郊及び田舎の領域に対しては−72dBmであり得る。結果として、カバーされていない領域を表すピクセル値「1」、及びカバーされている領域を示す「0」を有する1ビットのラスターn46_indoor_gaps(4)がもたらされる。
【0014】
【表1】

【0015】
ステップ2(6):構築ブロック2は、ピクセルごとの居住者数であるn48_population(5)により、結果に重み付けを行う。アルゴリズムは、ピクセル・レベルで、昼間及び夜間の人口の最大を利用する。即ち、純粋な居住領域については、たいていの場合、夜間の居住者によって計算し、工業団地領域については、昼間の人口により評価する。従って、通勤者が2回数えられ得るため、累計された全国的な数値は、実際の国の居住者数を超える。
【0016】
結果としての8ビットのラスターn7_weighted_indoor_gaps(7)は、ピクセルがカバーされていない場合に居住者数を示し、そうではない場合に「0」を示す。
【0017】
【表2】

【0018】
ステップ3(9):基地局の範囲を500mとする仮定に基づいて、ステップ3は、各ピクセルについて、当該範囲内にいる(即ち、5ピクセルの範囲内にいる)全てのカバーされていない人口を合計する。受信可能領域は、円形であると近似される。そのようにして、各ピクセルについて、BTSがそこに置かれた場合に、どれだけ多くの人口がカバーされるかがシミュレートされる。結果としてのラスターn4_focalsum_of_gaps(10)は、16ビットの情報深度を有する。
【0019】
【表3】

【0020】
ステップ4:この時点で、最も効率的な基地局位置を探す最適化戦略は、n14_focalsum_of_gaps(10)において最大絶対値を有するピクセルを特定するために、BTSがその位置に設置されたと想定して、電界強度予測を計算し、ステップ1から再度開始する。しかしながら、この手法は、全国的な計画には、受容しがたい処理時間がかかるために、現実的ではない。代わりに、近隣500mにおけるn14_focalsum_of_gaps(10)からピクセルごとに最大値を選ぶことにより、地域の最大、即ち、受信可能範囲内で最大数の人口を有する地域を求めるための自動化された計画手法が目指される。地域の最大は、現在のピクセル値が、周辺500mにおける最大ピクセル値と等しくなることを必要とする。第2の条件として、地域の最大は、特定の閾値(即ち、当該BTS候補によりカバーされる特定の居住者数)が超えられた場合にのみ、考慮される。これらの2つのブロック4及び5は、16ビットの符号なしラスターn27_local_peaks(15)をもたらす。n27_local_peaks(15)において、2つの条件を満たす全てのピクセルは近隣500mにおける人口を有し、他の全てのピクセルは「0」の値を保持する。
【0021】
ブロック4(12):
【0022】
【表4】

【0023】
ERDASのビルトイン関数である「FOCAL MAX」は、入力ラスターの各ピクセルの周りの焦点ウィンドウ(焦点)におけるピクセル値の最大を返す。焦点は、以下に示される通り、円のような形状の、カスタマイズされた11×11のマトリックスn23_Custom_Integer(11)により画定される。
【0024】
【表5】

【0025】
ブロック5(14):
【0026】
【表6】

【0027】
地域の最大は、ただ1つの可能性としての基地局が設置されるべき1つより多くのピクセル、即ち、上記条件を満たす1つより多くのラスター・ドットによって構成され得るため、以下のブロックは、隣接ピクセルのグループ化を行う。対応する機能は、「CLUMP(集団)」(16)と呼ばれ、それぞれ別個のラスター領域/集団が別個のクラスに記録される、ラスターn27_local_peaks(15)の連続分析を実行する。出力は、連続領域が連続番号を振られる単一レイヤーのラスターn29_searchrings(17)である。
【0028】
関数CLUMP(16)は、以下の通り、8個の隣接ピクセルを考慮する。
ブロック6(16):
【0029】
【表7】

【0030】
結果としての32ビットのラスターn29_searchrings(17)は、各集団について、連続番号と、重み(ここでは、可能性のあるBTSに関連する人口数)とを含む。より多くのピクセルが特定のクラスに所属するようになればなるほど、BTSを設置するための許容範囲が大きくなる。
【0031】
図2、図3、図4、図5、図6及び図7は、ベルリン中心部の3km×3.5kmの領域に対するステップごとの結果を示す。この例において、4つの新しいBTS位置が見出される。ブロック6(16)の「CLUMP」の出力は、図8に表示されるラスターである。4つの可能性のあるBTS位置は、連続番号を付けられ(「Row」列)、カバーされるべき人口数を有する(「Original Value」列)。自動化された計画によれば、BTS候補1は、計算された1440人の居住者をカバーしたままで、黄色の領域内の任意の位置に設置され得る。
【0032】
上記の手法は、最小のサイト間距離を保証しないため、次のステップは、受信可能距離よりも短い距離を有する全ての候補をBTSリストから削除し得る。そのために、プログラミング言語の「C」が利用される。
【0033】
適用される座標系は、拡大範囲において長方形の格子が適用される横メルカトル(ガウス−クルーガー)であるため、接近した近隣におけるサイトの距離は、受容可能な誤差をもって、ピタゴラスの定理により以下のように計算される。即ち、
【0034】
【数1】

【0035】
である。
処理の質を高めるため、上記のステップは、3回まで繰り返される。そのため、放送中の全てのBTSと、構築すべきBTS候補のセットとを加えたBTSのセットにより、達成可能な受信可能範囲がシミュレートされる。
【0036】
「道路受信可能範囲の計画」
道路受信可能範囲の計画に対する高レベルの手法は、屋内受信可能範囲に適用される手法と似ている。電界強度閾値及び最小受信可能範囲要件は、推定されるBTS受信可能範囲とともに調整される。モデルは、例えばハイウェイや重要な他の道路などにおける、ラスター指向の測定データにより開始される。8ビットのラスターn1_measurement_campaign(1)は、運転試験が行われた任意の場所で測定された電界強度、又は「0」を表す。
【0037】
ブロック1(3)は、定義されるべき電界強度レベルを超えないピクセルに、ハイウェイであれば「1」、他の道路であれば「2」の印を付ける(n17_road_type(2))。ハイウェイ及び他の道路は、重要性が異なることを考慮するために、別の閾値を与えられ得る。
【0038】
ブロック1(3):
【0039】
【表8】

【0040】
結果としてのラスター2ビットのラスターは、焦点分析の入力として利用される。電界強度要件が屋内手法とは異なるため、想定される受信可能範囲も異なる。受信可能ゾーンは、オクムラ−ハタ定理により3000mに低減され得る。この範囲に基づいて、ブロック2(9)は、各ピクセルについて、当該領域内に位置する(即ち、30ピクセルの範囲内にある)、全てのカバーされていない且つ重み付けされた(1又は2)道路セグメントを合計する。受信可能範囲は、円形であるように近似される。そのようにして、各ピクセルについて、BTSがその場所に設置された場合に、どの道路セクションがカバーされ得るかがシミュレートされる。結果としてのラスターn4_focalsum_highways(10)は、16ビットの情報深度を有する。
【0041】
ブロック2(9):
【0042】
【表9】

【0043】
ブロック3及び4は、近隣3000mのn4_focalsum_highways(10)からピクセルごとに最大値を選ぶことにより、地域の最大、即ち、受信可能範囲内で最大数のカバーされていない道路ピクセルを有する位置を求めることを目的とする。地域の最大は、現在のピクセル値が、周辺3000mの最大ピクセル値と等しくなることを必要とする。第2の条件として、地域の最大は、特定の閾値(即ち、特定のセグメント長)が超えられる場合にのみ、考慮される。これらの2つのブロックは、16ビットの符号なしラスターn8_local_peaks(15)をもたらし、n8_local_peaks(15)において、2つの条件を満たす全てのピクセルは、近隣3000mのカバーされていないピクセルの数を割り当てられ、それ以外のすべてのピクセルは、値「0」を有する。
【0044】
ブロック4(12):
【0045】
【表10】

【0046】
ブロック4は、入力ラスターの各ピクセルの周りの焦点ウィンドウ(焦点)におけるピクセル値の最大を返す。焦点は、円のような形状の、カスタマイズされた61×61のマトリックスn9_Custom_Integer(11)により画定される。
【0047】
ブロック3(14):
【0048】
【表11】

【0049】
BTSを正当化するために超えられなければならない20ピクセルの閾値は、ハイウェイにおける10ピクセル、又は他の道路における20ピクセル、又はその任意の組合せに対応する。
【0050】
最後のブロック5(16)は、ラスターn8_local_peaks(15)に対する連続分析を実行する「CLUMP(集団)」関数を用いて、隣接ピクセルをグループ化する。それぞれ別個のラスター領域/集団は、別個のクラスに記録される。出力は、連続領域が連続番号を振られる、単一レイヤーのラスターn11_searchrings(17)である。
【0051】
ブロック5:
【0052】
【表12】

【0053】
結果としての32ビットのラスターn11_searchrings(17)は、各集団について、連続番号と、重み(即ち、可能性のあるBTSに関連する道路ピクセルの数)とを含む。BTSを設置する許容範囲が大きくなればなるほど、対応するクラスに所属するピクセルは多くなる。
【0054】
結果としての、道路の受信可能範囲を拡充するためのBTS候補のセットは、互いのBTS間の、並びに道路と屋内BTSとの間の最小サイト間距離について調べられ、必要に応じて除去される。2回又はそれ以上の繰り返しにより、計画の質が向上する。
【0055】
「新しいBTS位置の展開の優先順位付け」
経験によれば、−95dBmの電界強度を持つ受信可能領域を示す受信可能範囲のプロットは、顧客による知覚を反映しない。平均的な顧客は、家庭における受信可能範囲に関心があるだけではなく、移動しているために、周辺の領域でも携帯電話を利用したいと望む。その上、森や田園地方のような人の住んでいない領域は、顧客の品質知覚において、主要な役割を果たすことがない。従って、ネットワークの受信可能範囲を表す代替の手法は、定住地域のみの移動ユーザ及び焦点を想定すればよい。
【0056】
基準である「知覚される受信可能領域」は、以下のように計算されるため、この要件を満たす。即ち、各ラスター・ピクセルについて、モデルは、周囲20kmにおけるカバーされるピクセルの割合を計算する。これが、平均的な顧客が通常移動する領域だからである。カバーされるピクセルに数えられるためには、特定のピクセルにおける予測電界強度が、都市の領域で−60dBm、近郊及び田舎の領域で−70dBm、主要道路及びBAB(ハイウェイ)で−85dBmを超えなければならない。
【0057】
人の住んでいないピクセル(森、農業地帯、水路)は、考慮されない。「知覚される受信可能範囲」は、携帯電話が通常利用される領域に、より高い重み付けをすることにより、顧客の印象をより良く表す。
【0058】
「知覚される受信可能範囲」のラスター・レイヤーは、以下のように計算される。
即ち、ブロック104は、全ての関連するピクセル、即ち、電界強度条件を満たすピクセルを、受信可能としてマークし(値「1」)、全ての他の(カバーされていない、又は田園地帯であり関係がない)ピクセルには値「0」が与えられる。ブロック106において、反転した分析が実行され、全てのカバーされていないが関係のあるピクセルが「1」をマークされ、全ての他の(カバーされている、又は関係がない)ピクセルが値「0」を割り当てられる。
【0059】
ブロック104:
【0060】
【表13】

【0061】
ブロック106:
【0062】
【表14】

【0063】
結果としての1ビットのラスターn7_analysis_good(107)及びn5_analysis_bad(111)は、焦点ウィンドウ内の全ての優良ピクセル(ブロック108)及び全ての不良ピクセル(ブロック110)がそれぞれ数えられる、ブロック108及び110に入力される。焦点は、20kmの移動半径を表す半径2000ピクセルの円形の形状を有する。出力ラスターは、符号なし16ビットの情報深度を有し、20km周囲における優良ピクセル及び不良ピクセルそれぞれの数に関する情報を提供する。
【0064】
ブロック108:
【0065】
【表15】

【0066】
ブロック110:
【0067】
【表16】

【0068】
最後のステップは、各ピクセルについて、近隣にある優良ピクセルと不良ピクセルの比率を計算する。結果としての8ビットのラスターn15_perceived_coverage(115)は、関連するピクセルの総数に対する優良ピクセルの割合を表し、それにより「知覚される受信可能領域」を表す0〜100の値を割り当てられる。
【0069】
ブロック113:
【0070】
【表17】

【0071】
屋内及び道路の受信可能範囲に対する、見出された新しい基地局位置において知覚される受信可能領域の可能性のある増加のマッピングは、どの新しい基地局が、知覚される受信可能領域に対して最高の影響を有するかを示す。最高の影響を有する新しい基地局が、最初に構築され得る。そのようにして、全ての新しい基地局位置について、優先順位が付与され得る。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、本発明の例としての実施の形態に従った無線ネットワークの計画及び評価のフローチャートを示す。
【図2】図2は、本発明の例としての実施の形態に従った無線ネットワークの計画及び評価のサブ結果を示す。
【図3】図3は、本発明の例としての実施の形態に従った無線ネットワークの計画及び評価のもう1つのサブ結果を示す。
【図4】図4は、本発明の例としての実施の形態に従った無線ネットワークの計画及び評価のもう1つのサブ結果を示す。
【図5】図5は、本発明の例としての実施の形態に従った無線ネットワークの計画及び評価のもう1つのサブ結果を示す。
【図6】図6は、本発明の例としての実施の形態に従った無線ネットワークの計画及び評価のもう1つのサブ結果を示す。
【図7】図7は、本発明の例としての実施の形態に従った無線ネットワークの計画及び評価のもう1つのサブ結果を示す。
【図8】図8は、本発明の例としての実施の形態に従った無線ネットワークの計画及び評価のもう1つのサブ結果を示す。
【図9】図9は、本発明の例としての実施の形態に従った無線ネットワークの計画及び評価における優先順位付けに利用されるフローチャートを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのセルを画定する少なくとも1つの基地局を備える無線ネットワークを計画及び/又は評価する方法であって、
少なくとも1つのサービスエリアの少なくとも一部をピクセルに分割するステップと、
前記ピクセルのうちの少なくとも1つが前記少なくとも1つのセルによりカバーされるか否かを評価することにより、少なくとも1つのカバーされていないピクセルを識別するステップと、
前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルに新しい基地局を仮想的に設置することにより、新しくカバーされるピクセルの合計を決定するステップと、
少なくとも1つの候補ピクセルを決定するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、少なくとも1つのカバーされていないピクセルを識別する前記ステップが、受信可能範囲予測モデルと、人口分布モデルとを利用する方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、少なくとも1つのカバーされていないピクセルを識別する前記ステップが、測定された受信可能範囲データと、人口分布モデルとを利用する方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、少なくとも1つのカバーされていないピクセルを識別する前記ステップが、受信可能範囲予測モデルと、環境特性モデルとを利用する方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、少なくとも1つのカバーされていないピクセルを識別する前記ステップが、測定された受信可能範囲データと、環境特性モデルとを利用する方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法であって、更に、
前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルに重み付けするステップ
を備え、新しくカバーされるピクセルの前記合計が、新しくカバーされるピクセルの重み付けられた合計である方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法であって、少なくとも1つの候補ピクセルを決定する前記ステップが、新しくカバーされるピクセルの前記合計が最高になる、前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルを選択することにより実行される方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法であって、前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルを選択する前記ステップが、新しくカバーされるピクセルの前記合計が閾値を上回るか否かを評価する方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法であって、更に、
2つ又はそれ以上の隣接する候補ピクセルが存在するか否かを決定するステップと、
隣接ピクセル領域を画定するステップと、
前記隣接ピクセル領域の重心を決定するステップと、
を備える方法。
【請求項10】
請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載の方法であって、更に、
前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルの周りの生活圏内にある少なくとも1つの既にカバーされているピクセルを、前記少なくとも1つの既にカバーされているピクセルが前記少なくとも1つのセルによりカバーされているか否かを評価することにより識別するステップと、
前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルについて、該少なくとも1つのカバーされていないピクセルの周りの前記生活圏内にある既にカバーされているピクセルの合計を決定するステップと、
前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルについて、該少なくとも1つのカバーされていないピクセルに前記新しい基地局を仮想的に設置した後に、該少なくとも1つのカバーされていないピクセルの周りの前記生活圏内にあるカバーされているピクセルの新しい合計を決定するステップと、
前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルの周りの前記生活圏内にある既にカバーされているピクセルの前記合計と、該少なくとも1つのカバーされていないピクセルに前記新しい基地局を仮想的に設置した後の、前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルの周りの前記生活圏内にあるカバーされているピクセルの前記新しい合計との差を評価することにより、前記少なくとも1つの候補ピクセルの優先順位付けを行うステップと、
を備える方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法であって、更に、前記候補ピクセルに実際の基地局を設置するステップを備える方法。
【請求項12】
請求項9記載の方法であって、更に、前記隣接ピクセル領域の重心に実際の基地局を設置するステップを備える方法。
【請求項13】
少なくとも1つのセルを画定する少なくとも1つの基地局を含む無線ネットワークを計画及び/又は評価するためのシステムであって、
少なくとも1つのサービスエリアの少なくとも一部をピクセルに分割する手段と、
前記ピクセルのうちの少なくとも1つが前記少なくとも1つのセルによりカバーされるか否かを評価することにより、少なくとも1つのカバーされていないピクセルを識別する手段と、
前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルに新しい基地局を仮想的に設置することにより、新しくカバーされるピクセルの合計を決定する手段と、
少なくとも1つの候補ピクセルを決定する手段と、
を備えるシステム。
【請求項14】
請求項13記載のシステムであって、少なくとも1つのカバーされていないピクセルを識別する前記手段が、受信可能範囲予測モデルと、人口分布モデルとを備えるシステム。
【請求項15】
請求項13記載のシステムであって、少なくとも1つのカバーされていないピクセルを識別する前記手段が、測定された受信可能範囲データと、人口分布モデルとを備えるシステム。
【請求項16】
請求項13記載のシステムであって、少なくとも1つのカバーされていないピクセルを識別する前記手段が、受信可能範囲予測モデルと、環境特性モデルとを備えるシステム。
【請求項17】
請求項13記載のシステムであって、少なくとも1つのカバーされていないピクセルを識別する前記手段が、測定された受信可能範囲データと、環境特性モデルとを備えるシステム。
【請求項18】
請求項13〜17のいずれか1つに記載のシステムであって、更に、
前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルに重み付けする手段
を備え、新しくカバーされるピクセルの前記合計が、新しくカバーされるピクセルの重み付けられた合計であるシステム。
【請求項19】
請求項13〜18のいずれか1つに記載のシステムであって、少なくとも1つの候補ピクセルを決定する前記手段が、新しくカバーされるピクセルの前記合計が最高になる、前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルを選択する手段を備えるシステム。
【請求項20】
請求項19記載のシステムであって、前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルを選択する前記手段が、新しくカバーされるピクセルの前記合計が閾値を上回るか否かを評価する手段を備えるシステム。
【請求項21】
請求項13〜20のいずれか1つに記載のシステムであって、更に、
2つ又はそれ以上の隣接する候補ピクセルが存在するか否かを決定する手段と、
隣接ピクセル領域を画定する手段と、
前記隣接ピクセル領域の重心を決定する手段と、
を備えるシステム。
【請求項22】
請求項13〜21のうちのいずれか1つに記載のシステムであって、更に、
前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルの周りの生活圏内にある少なくとも1つの既にカバーされているピクセルを識別し、該少なくとも1つの既にカバーされているピクセルが、前記少なくとも1つのセルによりカバーされているか否かを評価する手段と、
前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルについて、該少なくとも1つのカバーされていないピクセルの周りの前記生活圏内にある既にカバーされているピクセルの合計を決定する手段と、
前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルについて、該少なくとも1つのカバーされていないピクセルに前記新しい基地局を仮想的に設置した後に、該少なくとも1つのカバーされていないピクセルの周りの前記生活圏内にあるカバーされているピクセルの新しい合計を決定する手段と、
前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルの周りの前記生活圏内にある既にカバーされているピクセルの前記合計と、該少なくとも1つのカバーされていないピクセルに新しい基地局を仮想的に設置した後の、前記少なくとも1つのカバーされていないピクセルの周りの前記生活圏内にあるカバーされているピクセルの前記新しい合計との差を評価する手段により、前記少なくとも1つの候補ピクセルの優先順位付けを行う手段と、
を備えるシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−526342(P2006−526342A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508255(P2006−508255)
【出願日】平成16年5月28日(2004.5.28)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005956
【国際公開番号】WO2004/107791
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(504292093)コニンクリーケ・ケイピーエヌ・ナムローゼ・フェンノートシャップ (53)
【Fターム(参考)】