説明

無線ブロードキャスト・システムにおけるチャネル・モニタリング方法

【課題】1または複数のチャネルがフォワード・リンク・オンリー(FLO)信号を備えているかを判定するために、無線通信環境におけるRFチャネルのモニタリングを容易にするシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】受信機は、FLO信号を備える第1のRFチャネルを受信し、FLO信号を求めて、他のRFチャネルをモニタリングしうる。モニタリングされたRFチャネルがFLO信号を備えていると判定すると、受信機は、第1のRFチャネルと、モニタリングされたRFチャネルとの切換を実行する。FLO信号検出は、広域識別表示チャネル・エネルギ検出プロトコルと、広域オーバヘッド情報シンボル復号誤り検出プロトコルとのうちの1または複数を用いて実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の記述は、一般に無線通信に関し、さらに詳しくは、無線通信環境におけるラジオ周波数チャネルのモニタリングおよび切り換えに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、世界中の多くの人が通信する普及手段となった。無線通信デバイスは、消費者ニーズを満足し、可搬性および利便性を改善するために、より小型かつより強力になった。例えばセルラ電話のようなモバイル・デバイスにおける処理電力の増加は、無線ネットワーク送信システムにおけるデマンドの増加をもたらす。そのようなシステムは、一般に、それを用いて通信するセルラ・デバイスほど容易に更新されない。モバイル・デバイス機能が拡張すると、旧式の無線ネットワーク・システムを、新たなかつ改善された無線デバイス機能を十分容易にするように維持することは困難になりうる。
【0003】
(例えば、周波数分割技術、時間分割技術、および符号分割技術を適用する)一般的な無線通信ネットワークは、有効範囲領域を提供する1または複数の基地局、および、有効範囲領域内でデータを送信および受信する1または複数のモバイル(例えば、無線)端末を含む。一般的な基地局は、サービスをブロードキャスト、マルチキャスト、および/またはユニキャストするために、複数のデータ・ストリームを同時に送信しうる。ここで、データ・ストリームは、モバイル端末に対する独立した受信対象でありうるデータのストリームである。基地局の有効範囲領域内のモバイル端末は、合成ストリームによって搬送された1つ、1つより多い、あるいは全てのデータ・ストリームを受信することに興味を持ちうる。同様に、モバイル端末は、基地局または他のモバイル端末へデータを送信しうる。基地局とモバイル端末との間、あるいは、複数のモバイル端末間のそのような通信は、チャネル変化および/または干渉電力変化により、劣化しうる。
【0004】
現在、フォワード・リンク・オンリー(FLO)信号は、例えば、より低い700MHz周波数帯域内の6MHz帯域幅部分を占めるラジオ周波数(RF)チャネルを介してユーザ・デバイスへ送信されうる。FLO信号は例えば、コンテンツの複数のストリームに適応するために、1より多いRFチャネル内に存在しうる。しかしながら、従来の無線システムは、FLO信号等の複数のRFチャネル間でのモニタリングおよび/または切換を提供しない。したがって、当該技術では、そのような無線ネットワーク・システムにおけるスループットを改善するシステムおよび/または方法論に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0005】
以下は、1または複数の実施形態の基本的な理解を提供するために、そのような実施形態の簡単な概要を示す。この概要は、考えられる全ての実施形態の広範囲な概要ではなく、全ての実施形態の重要要素または決定的要素を特定することでも、任意または全ての実施形態の範囲を線引きすることでもないことが意図される。その唯一の目的は、後に説明されるより詳細な記述に対する前置きとして、1または複数の実施形態のいくつかの概念をより簡単に示すことである。
【0006】
1または複数の実施形態およびその対応する開示によれば、さまざまな態様が、1または複数のチャネルがフォワード・リンク・オンリー(FLO)信号を備えているかを判定するために、無線通信環境におけるRFチャネルのモニタリングに関して説明される。受信機は、FLO信号を備える第1のRFチャネルを受信し、FLO信号を求めて、1または複数の他のRFチャネルをモニタしうる。モニタされたRFチャネルがFLO信号を備えていると判定されると、受信機は、RFチャネル間で同期されたスーパフレームでありうるFLO信号のシームレスな受信を提供することを容易にするために、第1のRFチャネルと、モニタされたRFチャネルとの間での切換を行いうる。広域識別表示チャネル・エネルギ検出プロトコル、および、広域オーバヘッド情報シンボル(OIS)復号誤り検出プロトコルのうちの1または複数を用いて、FLO信号検出が実行されうる。さらに、FLO信号検出はまた、例えば受信信号強度インジケーション(RSSI)および/またはサイクリック・プレフィクス(CP)相関、あるいは時分割多重化パイロット(TDMパイロット)検出プロトコルのようなその他の信号品質メトリックにも基づきうる。
【0007】
関連する態様によれば、FLO(フォワード・リンク・オンリー)信号を検出するために、無線通信環境におけるアクセス端末でラジオ周波数(RF)をモニタする方法が、本明細書において記述される。この方法は、受信信号において、第1の時分割多重パイロット(TDM1)を検出することを含む。さらにこの方法は、TDM検出タイマをインクリメントすることを備えうる。さらにこの方法は、TDMパイロットが検出されたかと、TDM1検出タイマがTDM検出タイムアウトを過ぎたかを判定することを含みうる。さらにこの方法は、この判定に基づいてFLO信号の存在を検出することを備えうる。この判定は、広域識別表示チャネル・エネルギおよび広域OIS復号誤りに基づくさらなる基準を含みうる。
【0008】
他の態様は、無線通信装置に関する。この無線通信装置は、少なくとも1つの近隣のRFをモニタしてそのRSSIを分析する受信機を含みうる。この無線通信装置はさらに、現在のRFおよび少なくとも1つの近隣のRFのための識別表示情報と、RSSIに関連する情報とを格納するメモリを含みうる。さらに、この無線通信装置は、プロセッサを備えうる。このプロセッサは、メモリに接続され、現在のRFチャネルと、少なくとも1つの近隣のRFチャネルとの切換を行う。
【0009】
また別の態様は、無線通信装置に関する。無線通信装置は、現在のラジオ周波数(RF)のための受信信号強度インジケータ(RSSI)を測定する手段と、測定されたRSSIが、予め定めたしきい値を超えているかを判定する手段と、近隣のRFをモニタする手段と、近隣のRF内におけるFLO(フォワード・リンク・オンリー)信号の存在を検出する手段とを含みうる。近隣のRFにおけるFLO信号の存在の検出は、RSSIとCPの相関に基づきうる。
【0010】
さらに別の態様は、現在のラジオ周波数(RF)のための受信信号強度インジケータ(RSSI)を測定し、測定されたRSSIが、予め定めたしきい値を超えているかを判定し、近隣のRFをモニタし、近隣のRF内におけるFLO(フォワード・リンク・オンリー)信号の存在を検出するためのコンピュータ実行可能な命令群を備えるコンピュータ・プログラムを有するコンピュータ読取可能媒体に関する。
【0011】
別の態様によれば、プロセッサは、無線通信環境におけるスループットを増加させるための命令群を実行しうる。これら命令群は、現在のラジオ周波数(RF)のための受信信号強度インジケータ(RSSI)を測定し、測定されたRSSIが、予め定めたしきい値を超えているかを判定することを含みうる。さらに、これら命令群は、近隣のRFをモニタし、近隣のRF内におけるFLO(フォワード・リンク・オンリー)信号の存在を検出することを含みうる。
【0012】
別の態様によれば、本明細書では、FLO(フォワード・リンク・オンリー)信号を検出するために、無線通信環境内のアクセス端末においてラジオ周波数(RF)をモニタする方法が説明される。この方法は、受信信号に関連する広域アイデンティティ(WID)チャネルのエネルギ・レベルを検出することを含みうる。さらにこの方法は、WIDチャネルのエネルギ・レベルを、予め定めたしきい値と比較することを含みうる。さらにこの方法は、この比較に基づいて、FLO信号の存在を検出することを含みうる。
【0013】
前述の目的および関連する目的を達成するために、1または複数の実施形態は、後に十分説明され、特に特許請求の範囲で指摘される特徴を備える。以下の記述および添付図面は、1または複数の実施形態の、ある例示的な態様を詳細に記述する。しかしながら、これらの態様は、さまざまな実施形態の原理が適用されるさまざまな方法のうちのごく一部しか示しておらず、記述された実施形態は、そのような態様およびそれらの等価物の全てを含んでいることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本明細書に示されたさまざまな実施形態にしたがう無線ネットワーク通信システムを例示する。
【図2】図2は、1または複数の実施形態にしたがう多元接続無線通信システムの例である。
【図3】図3は、さまざまな態様にしたがってFLO信号を検出するための方法論の例示である。
【図4】図4は、1または複数の態様にしたがって提案されたFLO探索スキームを用いた、ロック喪失ベースおよびアプリケーション・レイヤ起動されたモニタリング方法のスケジュールの例示である。
【図5】図5は、1または複数の態様にしたがったFLOチャネル・モニタリングのための高レベル状態遷移図を例示する。
【図6】図6は、1または複数の態様にしたがって、WIDエネルギ・ベースのFLO信号検出方法を用いて、バックグラウンド・モニタリングを実行するためのスケジュールを例示する。
【図7】図7は、1または複数の態様にしたがって、WOIS−PERベースのFLO信号検出方法を用いて、バックグラウンド・モニタリングを実行するためのスケジュールを例示する。
【図8】図8は、1または複数の態様にしたがって、WIDエネルギ・ベースのFLO信号検出方法を用いて、バックグラウンド・モニタリングを実行するためのスケジュールを例示する。
【図9】図9は、1または複数の態様にしたがって、WIDエネルギ・ベースとWOIS−PERベースとが組み合わされたFLO信号検出方法を用いて、バックグラウンド・モニタリングを実行するためのスケジュールを例示する。
【図10】図10は、本明細書に記載された1または複数の態様にしたがって、無線通信環境におけるFLOチャネル・モニタリングおよび/またはFLOチャネルの切換を容易にするユーザ・デバイスの例示である。
【図11】図11は、さまざまな態様にしたがって、無線通信環境において複数のRFチャネルを提供することを容易にするシステムの例示である。
【図12】図12は、1または複数の態様にしたがったCP相関構成の例示である。
【図13】図13は、1または複数の態様にしたがうパワー・アップのためのRSSI(受信信号強度インジケーション)モニタリング方法の例示である。
【図14】図14は、さまざまな態様にしたがって、アイドル・モード/アプリケーション・レイヤ開始期間中に非同期RSSIプロトコルを実行するためのスケジュールを例示する。
【図15】図15は、1または複数の態様にしたがって、MediaFLO論理チャネルの終了時のend−of−MLC割込に基づくRSSIモニタリング・スケジュールを例示する。
【図16】図16は、1または複数の態様にしたがって、CP(サイクリック・プレフィクス)相関を伴うRSSIプロトコルのためのRFモニタリング・スケジュールの例示である。
【図17】図17は、本明細書に記載のさまざまなシステムおよび方法と連携して適用される無線ネットワーク環境の例示である。
【図18】図18は、本明細書で示されたさまざまな態様にしたがってFLO信号検出を実行することを容易にする装置を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
さまざまな実施形態が、全体を通じて同一要素を示すために同一の参照番号が使用される図面を参照して説明される。以下の記載では、説明の目的のために、1または複数の実施形態の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が述べられる。しかしながら、そのような実施形態は、これら具体的な詳細無しで実現されうることが明確である。他の事例では、1または複数の実施形態の記載を容易にするために、周知の構成およびデバイスがブロック図形式で示される。
【0016】
本願で使用されるように、用語「構成要素」、「システム」等は、ハードウェア、ソフトウェア、または実行中のソフトウェア、ファームウェア、ミドル・ウェア、マイクロコード、および/またはこれらの任意の組み合わせのようなコンピュータ関連エンティティを称することが意図される。例えば、構成要素は、限定される訳ではないが、プロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行形式、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータでありうる。1または複数の構成要素は、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在し、構成要素は、1または複数のコンピュータに局在化されるか、および/または、2またはそれ以上のコンピュータに分散されうる。さらに、これらの構成要素は、さまざまなデータ構造を格納して有するさまざまなコンピュータ読取可能媒体から実行可能である。これら構成要素は、例えば、信号によってローカル・システムや分散システム内の他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータ、および/または、他のシステムを備えた例えばインターネットのようなネットワークを介して他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータのような1または複数のデータのパケットを有する信号にしたがって、ローカル処理および/またはリモート処理によって通信することができる。さらに、本明細書に記載されるシステムの構成要素は、関連して記載されたさまざまな態様、目的、利点等を達成することを容易にするために、再構成されたり、その他の構成要素によって補完され、当業者によって認識されるように、与えられた図面において述べられた正確な構成に限定されない。
【0017】
さらに、さまざまな実施形態が、本明細書では、加入者局に関して記載される。加入者局はまた、システム、加入者ユニット、モバイル局、モバイル、遠隔局、アクセス・ポイント、遠隔端末、アクセス端末、ユーザ端末、ユーザ・エージェント、ユーザ・デバイス、またはユーザ機器とも称されうる。加入者局は、セルラ電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、無線ローカル・ループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、無線接続機能を有するハンドヘルド・デバイス、あるいは、無線モデムに接続されたその他の処理デバイスでありうる。
【0018】
さらに、本明細書に記載のさまざまな態様または特徴は、標準的なプログラミング技術および/またはエンジニアリング技術を用いた方法、装置、または製造物品として実現されうる。本明細書で使用される用語「製造物品」は、任意のコンピュータ読取可能デバイス、キャリア、またはメディアからアクセスすることが可能なコンピュータ・プログラムを含むことが意図される。例えば、コンピュータ読取可能媒体は、限定される訳ではないが、磁気記憶装置(例えば、ハード・ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等)、光ディスク(例えば、コンパクト・ディスク(CD)、DVD等)、スマート・カード、およびフラッシュ・メモリ・デバイス(例えば、カード、スティック、キー・ドライブ等)を含みうる。さらに、本明細書に記載されたさまざまな記憶媒体は、情報を格納するための1または複数のデバイス、および/または、その他の機械読取可能媒体を示すことができる。用語「機械読取可能媒体」は、限定されることなく、無線チャネル、および、命令群および/またはデータを格納、包含、および/または搬送が可能なその他任意の媒体を含みうる。さらに、本明細書で使用される用語「チャネル」は、RLチャネル、広域アイデンティティ(WID)チャネル、およびローカル・エリア識別表示(LID)チャネルの組み合わせ、すなわち(RF、WID、LID)でありうる。
【0019】
図1には、本明細書で示されるさまざまな実施形態にしたがう無線ネットワーク通信システム100が例示される。システム100は、互いにおよび/または1または複数のモバイル・デバイス104との間で無線通信信号を受信、送信、反復等する1または複数のセクタ内の1または複数の基地局102を備えうる。おのおのの基地局102は送信チェーンおよび受信チェーンを備える。当業者によって認識されるように、それらのおのおのは、信号の送信および受信に関連する複数の構成要素(例えば、プロセッサ、変調器、マルチプレクサ、復調器、デマルチプレクサ、アンテナ等)を備える。モバイル・デバイス104は例えば、セルラ電話、スマート・フォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルド・コンピュータ・デバイス、衛星ラジオ、全地球測位システム、PDA、および/または、無線ネットワーク100を介して通信することに適したその他任意のデバイスでありうる。システム100は、以下に続く図面に関連して説明するように、無線通信環境においてフォワード・リンク・オンリー(FLO)チャネル間のモニタリングおよび/または切り換えを容易にするために、本明細書に記載のさまざまな態様と連携して適用されうる。
【0020】
例えば、1または複数のRFチャネルを適用する基地局102は、複数の異なるRFチャネルを介してFLO信号を送信しうる。さらにおよび/またはそれに加えて、1より多い基地局102によって、同じRFチャネルが使用されうる。(単数または複数の)ユーザ・デバイス104は、FLO信号をブロードキャストするために利用される複数のRFチャネルをモニタするために、(例えば、プロセッサ、コンピュータ実行可能命令群、コンピュータ読取可能メモリ等によって)1または複数のアルゴリズムおよび/または方法を適用する。そして、1または複数の基地局102とユーザ・デバイス104との間の通信スループットを改善するために、RFチャネル間での切り換えを行う。
【0021】
図2に示すように、1または複数の実施形態にしたがう多元接続無線通信システム200が例示される。システム200は、例示目的のために示されており、以下に示すさまざまな態様と連携して利用されうる。3セクタ基地局202は、複数のアンテナ・グループを含む。1つ目はアンテナ212および214を含み、2つ目はアンテナ204および206を含み、3つ目はアンテナ208および210を含む。この図によれば、2本のアンテナのみが各アンテナ・グループについて例示されているが、2本より多い、または2本より少ないアンテナも、各グループについて利用されうる。モバイル・デバイス216は、アンテナ212およびアンテナ214と通信している。ここで、アンテナ212およびアンテナ214は、フォワード・リンク220によってモバイル・デバイス216へ情報を送信し、リバース・リンク218によってモバイル・デバイス216から情報を受信する。モバイル・デバイス222はアンテナ204およびアンテナ206と通信している。ここで、アンテナ204およびアンテナ206は、フォワード・リンク226でモバイル・デバイス222へ情報を送信し、リバース・リンク224でモバイル・デバイス222から情報を受信する。
【0022】
通信するように指定された領域および/またはアンテナのおのおののグループは、基地局202のセクタと称されうる。1つの実施形態では、基地局202によってカバーされる領域のセクタ内のモバイル・デバイスに通信するように、アンテナ・グループが設計されうる。フォワード・リンク220およびフォワード・リンク226による通信では、基地局202の送信アンテナは、モバイル・デバイス216およびモバイル・デバイス222のためのフォワード・リンクの信号対雑音比を改善するためにビームフォーミングを適用することができる。さらに、有効範囲領域にわたってランダムに散在するモバイル・デバイスへ送信するためにビームフォーミングを用いる基地局は、有効範囲領域内の全てのモバイル・デバイスへ単一のアンテナによって送信している基地局よりも、近隣のセル/セクタ内のモバイル・デバイスに対して少ない干渉しかもたらさない。基地局は、端末と通信するために使用される固定局であり、アクセス・ポイント、ノードB、あるいはその他幾つかの専門用語でも称されうる。モバイル・デバイスはまた、モバイル局、ユーザ機器(UE)、無線通信デバイス、端末、アクセス端末、ユーザ・デバイス、あるいはその他いくつかの専門用語で称されうる。
【0023】
1または複数の態様によれば、例えばユーザ・デバイス216のようなユーザ・デバイスは、(例えば、フォワード・リンク220によって送信された)FLO信号を備える複数のRFチャネルをモニタリングする。そして、ユーザ・デバイス216における受信を最適化するために、そのようなチャネル間での切換を実行する。FLO信号は、通信システムの下部700MHz周波数帯域内のおよそ6MHzの帯域幅のチャネルを占有することを目標とされる。しかしながら、FLO信号は、例えば5、7、8MHz等のようなその他の帯域幅を導入することや、および/または、下部700MHz帯域に加えられた別の周波数に、あるいは下部700MHz帯域ではない別のRF周波数にも存在しうることが考慮される。FLO信号が、より多くのコンテンツのストリームに適応するために、1より多いラジオ周波数(RF)チャネルに存在する場合、別のRFチャネルのモニタリング、獲得、および別のRFチャネルへの切り換えの問題を調査することが好ましい。(例えば、ユーザ・デバイス内の)受信機が、新たなFLO RFチャネルのモニタリングおよび新たなFLO RFチャネルへの切り換えを開始するシナリオは幾つかある。例えば、受信機は、現在のFLO RFチャネルにおいて発生しうる再獲得の文脈におけるロック喪失のような深刻な障害が発生すると、チャネルのモニタリングおよび/または切り換えを開始しうる。別の例によれば、アプリケーション・レイヤが開始されると、FLO RFチャネルの開始および/またはモニタすることが望ましい。別の例は、受信機がアイドル・モードにある間における、新たなRFチャネルのモニタリングおよび/または切り換えに関する。さらに別の例は、新たなRFチャネルの(例えば、周期的な、または受信品質依存による)バックグラウンド・モニタリングに関する。
【0024】
新たなチャネルのモニタリングを開始する前に、受信機にRFチャネルのリストが提供され、その中から、FLO信号を求める探索を行うことができる。この最初のリストは、制御チャネル・メッセージを復号することにより、FLOネットワークから取得されうる。このネットワークは、(例えば、スーパフレーム毎に1度のような)予め定めたスケジュールにしたがって、制御チャネルによってFLO受信機へRF記述メッセージをブロードキャストしうる。そのような情報をFLO受信機に提供することを容易にするために、複数の情報フィールドが定義および/または埋められる。例えば、「RFチャネル・カウント」フィールドは、FLOブロードキャストを有するRFチャネルの数を含みうる。RFチャネルID、周波数、およびチャネル計画に関連するフィールドは、RFチャネル・カウントに示されるRFチャネルのチャネル帯域幅、中心周波数、およびチャネル識別子それぞれに関連する情報を含みうる。受信機は、これらRFチャネル候補においてFLO信号を探索し、これらチャネルにおいてFLOブロードキャストが利用可能であるか、あるいは復号可能であるかを判定する。
【0025】
図3に示すように、FLO信号検出に関連する方法論が例示される。この方法論は例えば、FDMA環境、OFDMA環境、CDMA環境、WCDMA環境、TDMA環境、SDMA環境、あるいはその他任意の適切な無線環境におけるFLO RFチャネルのモニタリング、復号、および/またはそれらの間の切換に関連しうる。説明を簡単にする目的で、これら方法論は一連の動作として図示され記載されているが、幾つかの動作は、1または複数の実施形態にしたがって、本明細書に図示され記載されたものとは異なる順序で、および/または、他の動作と同時に生じうるので、これらの方法論は、これら動作順によって限定されないことが理解され認識されるべきである。例えば、当業者であれば、方法論は、代わりに、例えば状態図のような相互関連する状態またはイベントのシリーズとして表されうることを理解するだろう。さらに、1または複数の実施形態にしたがって方法論を実現するために、必ずしも例示された全ての動作が必要とされる訳ではない。
【0026】
そのような方法にしたがい、例えば再獲得の文脈におけるロック喪失のような、現在のRFチャネルにおけるFLO動作の深刻な障害の後に、新たなRFチャネルのモニタリングが開始される。例えば、受信機は、オリジナルのRFチャネル(例えば、喪失したチャネル)において受信の再獲得を試みうる。オリジナルのチャネルについて、再獲得タイムアウト内に信号ロックが得られない場合、受信機は、制御チャネル・メッセージから取得された候補リストにおいて、新たなRFチャネルのモニタリングを開始しうる。オリジナルのチャネルのロックは既に失われているので、例えば、オリジナルのFLOチャネルのタイミング、自動周波数制御(AFC)、自動利得制御(AGC)、および直流(DC)のような、ブロックのキー・パラメータを格納し、復元する必要はない。受信機は、新たなRFチャネルへの切り換え、および、FLO信号の検出の再開を行うことができる。
【0027】
図3は、さまざまな態様にしたがってFLO信号を検出する方法論300の例示である。FLO信号検出を開始すると、302において、TDM1検出タイマCTDM1が起動される。その後、304において、FLOデバイスが、受信信号においてTDMパイロット1を検出することを試みる。また304では、TDM1検出タイマCTDM1がインクリメントされる。306では、FLOデバイスが正しくTDM1を検出したか、および、TDM1検出タイマCTDM1が、TDM1検出タイムアウトTTDM1を超えたかが判定される。何れかが生じると、この方法は、304へ戻る。304では、方法は、TDM1の検出を再試行し、TDM1検出カウンタCTDM1がインクリメントされる。306では、CTDM1がタイムアウト値TTDM1を超えたと判定されると、TDM1検出が失敗し、FLO信号が検出されない。この場合、方法は314に進み、FLO信号が検出されないことを示すインジケーションが生成される。306において、TDM1が正しく検出されたと判定されると、310において、分析されている送信に関連する広域アイデンティティ(WID)チャネルのためのエネルギ・レベルが確認され、予め定めたしきいエネルギ・レベルと比較される。検出されたWIDエネルギが、予め定めたしきいレベルよりも大きくない場合、314において、FLO信号が検出されないという結論が導かれる。検出されたWIDエネルギが、しきい値よりも大きい場合、312において、分析されている送信におけるWOIS(広域オーバヘッド情報シンボル)の復号中(例えば、この送信に関連するWIDが検出されると)、誤りが生じたかに関連する判定がなされる。誤りが生じている場合、314において、FLO信号が検出されないと結論付けられる。WOISの復号中に、誤りがないのであれば、316において、FLO信号が検出されたとの結論が導かれる。3つの基準のおのおの、すなわちTDM1検出(ブロック302から308)、WIDエネルギ(ブロック310)、WOISパケット誤り率(ブロック312)は、方法300において使用されることもされないこともありうる。方法300から分かるように、FLO信号は、上記基準のうちの1または複数を用いて検出される。方法300は反復的であり、例えば、FLO信号検出を容易にするために無線通信環境において通信中のユーザ・デバイスによって反復および/または連続して実行されうることが理解されるだろう。
【0028】
したがって、方法論300によれば、別のRFチャネルでFLOサービスが利用可能であるかを判定することが実行されうる。アプローチは先ず、TDMパイロット1(TDM1)を検出することを試みる。TDMパイロット1の検出後、WID検出がしきい値よりも弱いエネルギを返す場合、FLO信号は新たなチャネルにおいて利用できないと宣言される。その代わり、検出されたWIDエネルギがしきい値よりも高い場合、受信機はWOISを復号し続け、検出基準としてターボ復号PERを用いる。
【0029】
受信機の電力消費量を節約するために、新たなチャネルにおける受信信号強度インジケータ(RSSI)が、早期終了条件として使用されうる。例えば、新たなチャネルへの切換、ならびに、直流(DC)および自動利得制御(AGC)の獲得後、受信機はまず、デジタル可変利得アンプ(DVGA)ループ・アキュムレータおよびAGC利得状態情報に基づいて、新たなチャネルのRSSIを計算する。RSSIが、予め定めたしきい値よりも高い場合、受信機は、方法300に示すような1または複数の基準を適用して、探索手順を実行することに進む。そうではない場合、FLOは、新たなチャネルで利用可能ではないと宣言されうる。
【0030】
本明細書に記載の1または複数の態様によれば、チャネル・モニタリング、FLO信号検出、RFチャネル切換等に関する推論がなされることが認識されよう。本明細書で使用されるように、「推論する」または「推論」なる用語は一般に、イベントおよび/またはデータによって取得されたような観察のセットからの、システムの状態、環境、および/または、ユーザの推論あるいはそれらに関する推理のプロセスを称する。推論は、特定のコンテクストまたは動作を特定するために適用されるか、あるいは、例えば状態にわたる確率分布を生成することができる。推論は、確率論的、すなわち、興味のある状態にわたる確率分布の、データおよびイベントの考慮に基づく計算でありうる。推測はまた、イベントおよび/またはデータのセットから、より高次のイベントを構成するために適用される技術をも称する。そのような推測によって、イベントが時間的に近接して相関付けられていようといまいと、これらイベントおよびデータが1またはいくつかのイベント・ソースおよびデータ・ソースに由来しようとも、観察されたイベントおよび/または格納されたイベント・データのセットから、新たなイベントまたは動作を考慮することができる。
【0031】
例によれば、上述した方法は、例えば信号強度等のような付随情報に基づいて、RFチャネル周波数を切り換えるかに関する推論を行うことを含みうる。例えば、現在のRFチャネルに関連する電力レベルが、連続的および/または周期的にモニタされうる。ユーザ・デバイスが無線通信システムのセクタまたは領域を通って移動する(例えば、ユーザ・デバイスが、RF送信のソースに向かって移動する)と、電力レベルが増加するとの判定が(例えば、受信機やプロセッサによって)なされる。この場合、チャネル切換は今のところ必要ないと推論される。関連する例によれば、RFチャネル電力レベルの評価は、ユーザ・デバイスが有効範囲領域を通って移動する(例えば、ユーザ・デバイスが、RF送信のソースから離れて行く)と、チャネル電力が減少することを示す。この場合、新たなRFチャネルへの切換が、直ちに望まれるとの推論がなされ、それに関する動作が開始されうる。そのような推論は、チャネル切換が望ましいかに関する評価を行うために、例えば、検出された電力レベルを、予め定めたしきい電力レベルと比較することに基づきうる。さらにおよび/またはその代わりに、ユーザ・デバイスが1または複数の有効範囲領域を通って移動すると、電力レベル・トレンド情報を提供するために、連続した電力レベル評価のおのおのが、1または複数の以前の電力レベル読取値と比較されうる。前述した例は、本質的に例示であって、なされうる推論の数、あるいは、これら推論が、本明細書に記載されたさまざまな実施形態および/または方法と連携してなされる方法も限定することは意図されていないことが認識されるだろう。
【0032】
図4は、1または複数の態様にしたがって提案されたFLO探索スキームを備えたロック喪失ベースの、およびアプリケーション・レイヤ起動されたモニタリング方法のスケジュール400の例示である。この図によれば、ロック喪失またはユーザ起動によってトリガされるRF切換およびセトリング時間後にDC獲得402がなされる。DC獲得402の後には、AGC獲得ブロック404が続く。その後、RSSIエネルギが、予め定めたしきい値未満であるかに関する判定がなされる。この判定が正である場合、FLO信号が検出されないと結論付けられる。AGC獲得ブロックの後には、IC(干渉キャンセラ)獲得ブロック406が続く。IC獲得が実行され、それが完了すると、IC_Done割込が提供される。
【0033】
TDMパイロット1検出のための期間TTDM1を表すTDM1ブロック408が例示される。その後、WIDチャネル(WIC)410送信中において、FLO信号検出が評価されうる。TTDM1の終了に関する検出に失敗すると、それを示すインジケーションが生成される。WICブロック410の後、ローカル・エリアIDチャネル(LIC)ブロック412が続く。その間、特定のFLO信号検出スキームに依存して、さまざまな動作および/または評価が実行されうる。例えば、WIDエネルギ基準のみが適用される方法300と連携して、検出されたWIDエネルギが、予め定めたしきいレベルより大きいかあるいはそれに等しいかに関する判定がなされる。この場合、FLO信号が正しく検出されたとの結論が導かれる。関連する例によれば、方法300と連携して、もしもWIDエネルギが、予め定めたしきい値よりも大きいかあるいはそれに等しいと判定された場合には、WOIS復号および分析が実行されうる。あるいは、WIDエネルギがしきい値未満であると判定された場合には、FLO信号が検出されなかったと判定される。
【0034】
414では、TDMパイロット2の検出のための期間を定義するTDM2ブロックが示される。その後、広域遷移パイロット・チャネルが評価され(416)、418におけるWOIS復号のためにチャネル推定を実行することが容易とされる。WOISパケット誤り率基準が適用される方法300の場合、WOISターボ・パケット誤り率(PER)がゼロに等しいかに関する判定がなされうる。もしもゼロに等しいのであれば、FLO信号が正しく検出されている。そうではないのであれば、FLO信号は正しく検出されないと結論付けられる。
【0035】
図5は、1または複数の態様にしたがったFLOチャネル・モニタリングのための高レベル状態遷移図500を例示する。502では、オリジナルのRFチャネルが復号されうる。ロック喪失が生じると、あるいは、アプリケーション・レイヤによってモニタリングが開始されると、504において、新たなRFチャネルにおけるFLO信号探索が開始される。新たなチャネル・モニタリングが完了すると、506において、さらなる指示が待たれる。別の態様によれば、506において、FLO信号が検出される第1のチャネルの復号が始まる。
【0036】
これまでの図と連携して、ロック喪失ベースのモニタリングの場合、FLO信号探索の全てのアプローチが適用されうる。RF回路が新たなチャネルへ切り換わる期間の後、新たなチャネルのためのDCブロックおよびAGCブロックの獲得のために、2つのOFDMシンボルが使用されうる。FLOサービスが利用可能であると探索スキームによって判定されると、新たなFLO信号の復調が開始されうる。RF切換およびセトリング時間は、例えば、およそ5ミリ秒である。これは、スーパフレームの持続時間である1秒に比べて些細である。新たなチャネルにおいてFLO信号が利用可能である場合、TDMパイロット1の次の発生までの待ち時間は、最大1秒であるので、TDMパイロット1の検出タイムアウトTTDM1は、およそ1秒に予め設定されうる。
【0037】
新たなチャネルのモニタリングもまた、アプリケーション・レイヤによって開始されうる。例えば、ソフトウェアは、新たなRFチャネルをモニタするためのコマンドを発行する。そして、その結果、オリジナルのチャネルの復号および/またはビデオ再生が終了する。ロック喪失ベースのモニタリングでは、オリジナルのFLOチャネルのためのキー・パラメータがリストアされる必要はないので、方法300で例示されるFLO信号探索方法のうちの何れかが適用されうる。このシナリオでは、ロック喪失ベースのモニタリングのためになされる考慮もまた適用可能である。
【0038】
図6乃至図9は、本明細書で示された1または複数のFLO信号検出方法と連携したRFチャネルのバックグラウンド・モニタリングに関する。例えば、受信機は、現在のRFチャネルの復号を妨害することなく、制御チャネルから取得されたリストにおける新たなチャネルを、バックグラウンドでモニタリングしうる。例によれば、異なるRFチャネルにおけるFLO信号が、同期されたスーパフレームであると仮定される。そのような場合、受信機は、新たなRFチャネルにおいて次に期待されるTDMパイロット1のインスタントを知っている。したがって、適切な時間において、RF回路を新たな周波数へ切り換えることができる。オリジナルのチャネルにおける復号は、悪影響が与えられるべきではないので、TDMパイロット1検出タイムアウトTTDM1のサイズが、予め定めたサイズ範囲内に保たれ、フレーム1の開始近くのMediaFLO論理チャネル(MLC)に悪影響を与えることが緩和される。例えば、TTDM1はゼロに設定されうる。これによって、期待される時間にTDMパイロット1が検出されない場合、探索されたFLO信号が利用できないと宣言され、受信機は、直ちにオリジナルのチャネルへと切り換わる。(例えば、約100マイクロ秒のオーダである)異なるRFチャネルの残りのタイミング・オフセットに適応するために、TTDM1が1つのOFDMシンボル期間になるように選択されうる。
【0039】
RF回路は、次に期待されるTDMパイロット1の前、およそTSettle+TDCAcq+TAGCAcq+TICAcqで切り換えられる。ここで、TSettleは、RFセトリング時間であり、TDCAcqは、DC獲得のための1つのOFDMシンボル期間であり、TAGCAcqは、AGC獲得のための1つのOFDMシンボル期間である。オリジナル・チャネルの場合、受信機が新たなRFチャネルで動作する時間中にスケジュールされた何れのMLCも受信されないだろう(オリジナル・チャネルのための「ブラック・アウト」時間)。これは、フレーム4の終了に近いMLCにのみ影響を及ぼすだろう。この「ブラック・アウト」期間の最小長さは、(例えば、DCおよびAGC獲得のための)2つのOFDMシンボル持続期間にIC獲得期間を加えたものと、RF切換/セトリング時間との合計によって与えられる。IC獲得時間はプログラム可能であり、ICレジスタ設定に部分的に基づくことができる。RF切換およびセトリング時間のノミナル期間が5ミリ秒であり、ノミナルのIC獲得期間が5 OFDMシンボルである場合、最小の「ブラック・アウト」期間は、およそ13 OFDMシンボル期間である。良好なチャネル条件の場合、フレーム1、2、3から受信したパケットに基づいて、悪影響を受けたコード・ブロックが、例えばリード・ソロモン・アウタ・コードを実施することによって正しく復号されうる。したがって、極端なチャネル条件ではなく、コード・ブロックが、フレームの終端近くにスケジュールされた場合、受信機のパフォーマンスは、悪影響を受けないだろう。約13のシンボルからなる「ブラック・アウト」期間の影響はまた、スーパフレームの終端に位置するPPC(ポジショニング・パイロット・チャネル)シンボルの数にも依存する。例えば6、10、14のように、PPCの数がゼロではない場合、フレーム4の終端における「ブラック・アウト」期間に関連するあらゆる負の影響がさらに低減される。
【0040】
バックグラウンド・モニタリングは、アプリケーション・レイヤによって開始されうる。一方、その開始は、受信品質に依存しうる。例えば、受信機は、オリジナルのチャネルの受信が、低品質である(例えば、予め定めたしきいレベル未満である)場合に、新たなRFチャネルのバックグラウンド・モニタリングを開始しうる。RSSIがあるしきい値未満である場合、パケット消失率があるしきい値よりも高い等である場合、受信品質が低いと判定される。バックグラウンド・モニタリングによって判定されたFLOサービスが持つRFチャネルのリストが、ソフトウェアへ定期的に返される。このソフトウェアは、その後、新たなチャネルのうちの1つへのハンドオフを開始する。受信機の電力消費を節約するために、RF回路切換およびセトリング時間中、シグマ・デルタA/D後のデジタル・ベースバンド・ブロックがオフされる。受信機が新たなRFチャネルをモニタするレートは、可変でありうる。最大レートでは、1つの新たなチャネルが、フレーム4においてスーパフレーム毎にモニタされる。受信機の電力消費をさらに節約するために、バックグラウンド・モニタリングが、数スーパフレーム毎に1度なされる。新たなチャネルのモニタリングはまた、FLO受信機がアイドル・モードである(何れのFLO信号も復号していない)場合にも開始されうる。これは、ロック喪失ベース、あるいはアプリケーション・レイヤによって起動されたモニタリング、に類似している。それゆえ、これらのシナリオのためになされた考慮は適用可能である。
【0041】
図6は、1または複数の態様にしたがって、WIDエネルギ・ベースのFLO信号検出方法を用いてバックグラウンド・モニタリングを実行するためのスケジュール600を例示する。例えば、スケジュール600は、上述するように、WIDエネルギ基準のみしか適用されていない方法論300と連携して見ることができる。「レジスタ格納」期間ブロック602の間、オリジナルのRFチャネルに関連付けられたレジスタが格納される。RFチャネル切換およびセトリング(例えば、およそ5ミリ秒)の後、DC獲得ブロック604が示される。この間では、新たなRFチャネルに関連付けられたDC成分が取り除かれる。DC獲得ブロック604の後には、AGC獲得ブロック606が続く。この間では、利得制御情報が評価されうる。IC(干渉キャンセラ)獲得ブロック608が、AGC獲得ブロック606の後に続く。IC獲得が実行され、これが完了すると、IC_Done割込が与えられる。TDM1ブロック610は、期間TTDM1を定める。この間において、第1のパイロットTDMパイロット1の検出が試みられる。この期間の間、特定のRFチャネルのRSSIが、予め定めたしきい値未満であるかに関する判定がなされる。予め定めたしきい値未満である場合、RFチャネル内にFLO信号は存在しないと結論付けられる。TDM1ブロック610の後には、WIDブロック612が続く。この間において、TTDM1中にパイロットが検出されないと、RFチャネル内にFLO信号が存在しないとの結論が導かれる。LICブロック614の間、ブロック612の間に検出されたWIDエネルギの評価が実行されうる。WIDエネルギが、予め定めたしきい値よりも大きいかあるいはそれに等しいと判定された場合、FLO信号が正しく検出される。一方、そうでない場合には、現在のRFチャネルにおいてFLO信号が検出されなかったと仮定される。別のRF切換およびセトリング期間後、ブロック616において、レジスタがリストアされ、動作が再開されうる。動作を再開させることは、例えば、FLO信号が検出されたRFチャネルで通信を再開させることと、FLO信号が検出されないイベントにおいて、FLO信号検出のさらなる反復を実行すること等を備える。
【0042】
図7は、1または複数の態様にしたがい、WOIS−PERベースのFLO信号検出方法を用いてバックグラウンド・モニタリングを実行するスケジュール700を例示する。例えば、スケジュール700は、上述したように、WOISパケット誤り率基準のみが適用される方法論300と連携して見ることができる。オリジナルのRFチャネルに関連付けられたレジスタが格納される「レジスタ格納」期間ブロック702が示される。RFチャネル切換およびセトリングがなされる期間(例えば、およそ5ミリ秒)の後、DC獲得ブロック704が例示される。この間では、新たなRFチャネルに関連付けられたDC成分が取り除かれる。DC獲得ブロック704の後には、AGC獲得ブロック706が続く。この間では、利得制御情報が査定および/または評価される。IC(干渉キャンセラ)獲得ブロック708が、AGC獲得ブロック706の後に続く。TDM1ブロック710は、期間TTDM1に対応する。この間では、パイロット、すなわちTDMパイロット1の検出が試みられる。この期間中、特定のRFチャネルのRSSIが、予め定めたしきい値未満であるかに関する判定がなされる。予め定めたしきい値未満であれば、現在のRFチャネル内にFLO信号が存在しないと認識される。TMD1ブロック710の後には、WICブロック712が続く。この間では、TTDM1中にパイロットが検出されない場合には、RFチャネル内にFLO信号が存在しないとの結論が導かれる。
【0043】
WICブロック712の後には、図4に関して上述したものと類似した方式で、LICブロック714、TDM2ブロック716、WTPCブロック718、およびWOISブロック720が続く。WOISブロックが終了すると、WOISターボPERがゼロに等しいかに関する判定がなされる。この場合、FLO信号は検出されない。WOIS PERがゼロに等しくない場合、FLO信号は検出されない。別のRF切換およびセトリング期間の後、ブロック722において、レジスタがリストアされ、別の動作が再開される。動作を再開させることは、例えば、FLO信号が検出されたRFチャネルを介して通信を再開することと、FLO信号が検出されないイベントにおいて、FLO信号検出のもう1つの反復を実行すること等を備えうる。
【0044】
図8は、1または複数の態様にしたがって、WIDエネルギ・ベースのFLO信号検出方法を用いたバックグラウンド・モニタリングの実行のためのスケジュール800を例示する。例えば、スケジュール800は、上述したように、WIDエネルギ基準がTDM1処理とともに適用される方法論300と連携して見ることができる。「レジスタ格納」期間ブロック802の間、オリジナルのRFチャネルに関連付けられたレジスタが格納される。RFチャネル切換およびセトリング(例えば、およそ5ミリ秒)の後、DC獲得ブロック804が例示される。この間では、新たなRFチャネルに関連付けられたDC成分が取り除かれる。DC獲得ブロック804の後には、AGC獲得ブロック806が続く。この間では、利得制御情報が評価されうる。AGC獲得ブロックの後にはIC獲得ブロック808が続く。その後、WICブロック810が続く。この間では、RFチャネルにFLO信号は存在しないとの結論が導かれる。LICブロック812の間、ブロック810の間に検出されたWIDエネルギの評価が実行されうる。WIDエネルギが、予め定めたしきい値よりも大きいかそれに等しいと判定された場合、FLO信号が正しく検出される。一方、そうでない場合には、現在のRFチャネルにおいてFLO信号が検出されないと仮定される。別のRF切換およびセトリング期間の後、ブロック814において、レジスタがリストアされ、動作が再開されうる。動作を再開することは、例えば、FLO信号が検出されるRFチャネルで通信を再開することと、FLO信号が検出されないイベントにおいてFLO信号検出の別の反復を実行すること等を備えうる。
【0045】
図9は、1または複数の態様にしたがい、WIDエネルギ・ベースおよびWOIS−PERベースを組み合わせたFLO信号検出方法を用いてバックグラウンド・モニタリングを実行するスケジュール900を例示する。例えば、スケジュール900は、上述したように、方法論300と連携して見ることができる。「レジスタ格納」期間ブロック902が示される。この間では、オリジナルのRFチャネルに関連付けられたレジスタが格納されうる。RFチャネル切換およびセトリングの期間(例えば、およそ5ミリ秒)の後、DC獲得ブロック904が例示される。この間では、新たなRFチャネルに関連付けられたDC成分が取り除かれる。DC獲得ブロック904の後には、AGC獲得ブロック906が続く。この間では、利得制御情報の取得および/または評価がなされる。AGC獲得ブロック906の後には、IC獲得ブロック908が続く。その後さらに、TDM1ブロック910が続く。パイロットであるTDMパイロット1の検出が試みられる期間であるTTDM1に対応するTDM1ブロック910が、AGC獲得ブロックの後に続く。期間TTDM1の間、特定のRFチャネルのRSSIが評価され、予め定めたしきい値未満であるかが査定される。予め定めたしきい値未満であれば、FLO信号は、現在のRFチャネル内に存在しないと認識される。TDM1ブロック910の後には、WICブロック912が続く。この間では、TTDM1中にパイロットが検出されない場合、RFチャネル内にFLO信号は存在しないとの結論が導かれる。
【0046】
WICブロック912の後には、LICブロック914が続く。この間では、WICブロック912中に検出されたWIDエネルギが査定され、予め定めたしきい値よりも大きいかあるいはそれに等しいかが判定される。WIDエネルギが予め定めたしきい値であるか、あるいはそれよりも大きいと判定結果が示す場合、FLO信号が検出される。検出されたWIDエネルギ・レベルが、予め定めたしきい値未満である場合、現在のRFチャネルにおいてFLO信号は検出されない。LICブロックの後には、図4に関して上述したものと同様に、TDM2ブロック916、WOIS復号のためのチャネル推定を容易にするWTPCブロック918、および、WOISブロック920が続く。WOISブロック920が終了すると、WOISターボPERがゼロに等しいかに関する判定がなされる。この場合、FLO信号が検出される。WOIS−PERがゼロに等しくない場合、FLO信号は検知されない。別のRF切換およびセトリング期間の後、ブロック922において、レジスタがリストアされ、動作が再開されうる。動作を再開させることは、例えば、FLO信号が検出されたRFチャネルで通信を再開することと、FLOが検出されないイベントにおいて、FLO信号検出の別の反復を実行すること、あるいはその他任意の適切な動作を備えうることが認識されるだろう。
【0047】
図10は、本明細書に記載の1または複数の態様にしたがって、無線通信環境におけるFLOチャネル・モニタリング、およびFLOチャネルの切換を容易にするユーザ・デバイス1000の例示である。ユーザ・デバイス1000は、例えば(図示しない)受信アンテナから信号を受信し、受信信号に対して一般的な動作(例えば、フィルタ、増幅、ダウンコンバート等)を実行し、調整された信号をデジタル化して、サンプルを取得する受信機1002を備える。復調器1004は、受信したパイロット・シンボルを復調し、チャネル推定のために、プロセッサ1006へ提供する。プロセッサ1006は、受信機1002によって受信された情報の分析、および/または、送信機1016による送信のための情報の生成に特化されたプロセッサ、ユーザ・デバイス1000の1または複数の成分を制御するプロセッサ、および/または、受信機1002によって受信された情報の分析、送信機1016による送信のための情報の生成、ユーザ・デバイス1000の1または複数の成分の制御を全て行うプロセッサでありうる。
【0048】
ユーザ・デバイス1000はさらに、プロセッサ1006と動作可能に接続されたメモリ1008を備える。このメモリ1008は、RFチャネル・アイデンティティに関連する情報、それに関連するTDMパイロット情報、TDMパイロット・カウンタ調節値、それらに関連する情報を備えるルックアップ・テーブル、および、RFチャネルのモニタリングおよび/または切換をサポートするためのその他任意の適切な情報を格納し、本明細書に記載されたような無線通信システム内のユーザへシームレスな情報表示を提供する。メモリ1008はさらに、プロトコルRFチャネル・モニタリング、RFチャネル切換等を格納する。これによって、ユーザ・デバイス1000は、本明細書に記載されたさまざまな方法を実行するために、格納されたプロトコルおよび/またはアルゴリズムを適用することができる。
【0049】
本明細書に記載のデータ・ストア(例えば、メモリ)要素は、揮発性メモリまたは不揮発性メモリの何れかでありうるか、あるいは、揮発性メモリと不揮発性メモリとの両方を含みうることが認識されよう。限定ではなく、例示によって、不揮発性メモリは、読取専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電子的プログラマブルROM(EPROM)、電子的消去可能ROM(EEPROM)、またはフラッシュ・メモリを含みうる。揮発性メモリは、外部キャッシュ・メモリとして動作するランダム・アクセス・メモリ(RAM)を含みうる。限定ではなく、例示によって、RAMは、例えばシンクロナスRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブル・データ・レートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(ESDRAM)、同期リンクDRAM(SLDRAM)、およびダイレクト・ラムバスRAM(DRRAM)のような多くの形態で利用可能である。主題とするシステムおよび方法のメモリ1008は、限定ではなく、これらおよびその他任意の適切なタイプのメモリを備えることが意図される。
【0050】
受信機1002はさらに、例えば、上述したようなロック喪失が発生すると、新たなFLO RFチャネルのモニタリングを開始することを容易にするFLOチャネル・モニタ1010を備えうる。さらにおよび/またはその代わりに、FLOチャネル・モニタ1010は、アプリケーションによって起動されるFLOチャネル・モニタリングを実行しうる。受信機1002はさらに、1または複数のRFチャネルのバックグラウンド・モニタリングに関連するさまざまな動作を実行するバックグラウンド・モニタ1012を備える。例えば、バックグラウンド・モニタ1012は、RF周波数が切り換えられて戻った場合、オリジナルのチャネルにおける受信機の動作をリストアするために、DCブロック、AGCブロック、AFCブロック、およびタイミング・ブロックに関連するいくつかの制約を課すことができる。
【0051】
例えば、DCブロックについて、新たなRFチャネルへの切換前に、現在のRFチャネルに関連付けられた粗いループ・アキュムレータおよび精細なループ・アキュムレータ(および/またはその他のレジスタ)が、メモリ1008内に格納されうる。そのようなループ・アキュムレータは、オリジナルのチャネルへ切り換わって戻った後に復元されうる。AGCブロックに関し、現在のチャネルについてのAGC利得状態及びDVGAループ・アキュムレータ値が、切換前に格納され、切換がなされると復元される。AFCブロックの場合、新たなチャネルへの切換後であって、オリジナルのチャネルへ戻る前に、外部ループ周波数アキュムレータがフリーズ(例えば、格納)される。FLO信号を探索するために、RFは一時的にしか切り換えられないので、例えば、新たなチャネルのための残りの周波数誤りやドップラを追跡するために、内部ループおよび新たなチャネルにおける動作が適用される場合、外部ループ更新が、温度補償電圧制御水晶発振器(TCVCXO)に関連付けられうる。新たなチャネルへ切り換わる前に、内部ループの周波数アキュムレータが、メモリ1008に格納され、オリジナルのチャネルに戻った後に復元される。これによって、外部ループが再度更新され、オリジナルのチャネルにおける動作の再開が容易とされる。タイミング・ブロックの場合、上述したFLO探索方法が、新たなチャネルにおいてTDMパイロット1を検出するという事実を考慮し、新たなチャネルにおいてTDMパイロット1が検出された後に、TDMパイロット1カウンタ調節値が、メモリ1008に格納され、オリジナルの周波数にチャネルが切り換えられる前に戻されるという事実を考慮する。FLO信号探索のためにWOIS−PER方法を用いるか、WIDとWOISとが結合された方法を用いるかに関わらず、新たなチャネルについてTDMパイロット2が常に処理される。これによって、新たなチャネルのためのTDMパイロット2カウンタ調節値もまた格納され、オリジナルのチャネルへ切り換わる前に格納され戻されるようになる。このように、受信機1002は、改善されたユーザ経験およびストリームング・データのシームレスな受信等を容易にするために、FLO信号探索および/または切換と連携して複数のRFチャネル・モニタリング機能を実行しうる。
【0052】
図11は、さまざまな態様にしたがって、無線通信環境において複数のRFチャネルを提供することを容易にするシステム1100の実例である。システム1100は、複数の受信アンテナ1106を介して、1または複数のユーザ・デバイス1104から信号を受信する受信機1110と、送信アンテナ1108を介して1または複数のユーザ・デバイス1104へ信号を送信する送信機1122とを備える基地局1102を備える。受信機1110は、受信アンテナ1106から情報を受信することができ、受信した情報を復調する復調器1112と動作可能に関連付けられる。復調されたシンボルは、図10に関し上述したプロセッサに類似したプロセッサ1114によって分析される。このプロセッサは、ユーザ・アイデンティティに関連する情報、RFチャネル周波数、RFチャネルによって送信されたデータ、それらに関連するルックアップ・テーブル、および/または、本明細書に記載のさまざまな動作および機能を実行することに関連するその他任意の適切な情報を格納するメモリ1116に接続されている。プロセッサ1114はさらに、複数のRFチャネルにおけるスーパフレーム送信を同期化するFLOチャネル・ガバナ1118に接続される。FLOチャネル・ガバナ1118は、前述した図面に関連して記載するように、ユーザ・デバイス1104によるRFチャネル切換を容易にしうる。変調器1120は、送信アンテナ1108を介して送信機1122によってユーザ・デバイス1104へ送信するための信号を多重化しうる。このように、基地局1102は、RFチャネル切換、FLO信号検出、チャネル・モニタリング等を可能にするために、ユーザ・デバイス1104とインタラクトしうる。
【0053】
本明細書に記載のその他さまざまな態様によれば、別のRFチャネル上のFLO信号は、RFチャネル間の切換および/またはRFチャネルのモニタリングを容易にするために同期化されたスーパフレームでありうる。別のRFチャネル上のFLO信号はまた、異なるクロック・レート間の切換に関連付けられた複雑さを緩和するために、同じまたは類似の帯域幅を持つようにも設計されうる。さらに、「広域」は、同じRFチャネルまたは異なるRFチャネル上で生じうる同じ広域多重化をブロードキャストする有効範囲領域の集合に一般化されうる。さらに、本明細書に記載のさまざまな方法およびシステムは、例えば、同じ広域オーバヘッド情報(WOI)領域内の近隣のRFチャネルのみならず、隣接するWOI領域内のRFチャネルのような近隣の地域または領域において利用されるRFチャネルのリストを維持することによって、エア・インタフェース・サポートを提供する。広域内では、制御チャネル情報は、ユーザ・デバイスのシームレスなハンドオフを容易にするために、別のノードと類似または同一でありうる。一般に、近隣のチャネルが、現在のRFと同じWID/LIDを搬送する場合に、シームレスなハンドオフが引き起こり、これによって、両方のチャネルでブロードキャストされるコンテンツが同じになり、スーパフレーム喪失がなくなる。そうではなく、近隣のRFのWID/LIDが現在のものとは異なる場合、ハンドオフは非シームレスとなる。このように、本明細書に記述されたシステムおよび方法は、RFチャネル切換のためのスケジュール、ソフトウェアおよび/またはハードウェア・モニタリング動作、異なる方法/ルーチン/サブルーチンがコールされる動作条件等を指定することを容易にしうる。
【0054】
図12は、1または複数の態様にしたがったCP相関構成1200の例示である。例えば、最初の到着経路(FAP)1202および最後の到着経路(LAP)1204は、時間的にオフセットしており、おのおのCP部1206およびCP部1208をそれぞれ備えうる。CP相関ウィンドウ1210は、FAP1202およびLAP1204の開始点の平均(例えば、(FAP+LAP)/2)において始まるように配置され、予め定めた長さ(例えば、256サンプル、512サンプル、1024サンプル等)を持つ。他の態様によれば、予め定めたオフセットが、CP相関ウィンドウの開始点に加えられうる。ウィンドウ1212は、最初の相関ウィンドウ1210からFFTサイズ離され、CP相関が、ウィンドウ1210およびウィンドウ1212内のサンプル間で実行されうる。
【0055】
図13は、1または複数の態様にしたがったRSSIパワーアップ・プロトコルのためのスケジュール1300の例示である。1302では、パワー・アップが開始され、ラジオ周波数(RF)の設定が許可される。1304ではDC較正が実行される。その後、1306のAGC獲得に続く。ブロック1308では、干渉キャンセラ(IC)獲得が実行される。これが終わると、IC_Done割込が与えられる。IC_Done割込の後、1310では、ソフトウェア処理がなされる。1310において、ソフトウェア処理が完了すると、1312において、RF切換タイマが起動され、RF切換が実行される。1314では、再びDC較正が実行される。その後は、次の周波数におけるプロトコルの更なる反復のために、1316におけるAGC獲得、1318におけるIC獲得等がなされる。
【0056】
(例えば、ソフトウェア処理期間1310の間)IC_Done割込が発生すると、ソフトウェアは、RSSIを計算するために、AGC利得状態のみならず、1次および2次デジタル可変利得アンプ(DVGA)アキュムレータを読み取る。(例えば、下記に述べるようなRSSIプロトコル、または、CP相関を伴うRSSIプロトコルを選択するために)次のRFのためのプロトコル選択ビットが設定されうる。次に、AGC AFCレジスタがプログラムされる。その後、1セットのIC制御ビットが設定され、これらのビットが、ICの挙動を決定することができる。新たなRFへ切り換わった後、バッファのリセット、獲得の実行、および/または、IC制御ビット値に依存して既にバックアップされたIC係数のリロードに関する判定がなされる。
【0057】
図14は、さまざまな態様にしたがって、アイドル・モード/アプリケーション・レイヤによって起動された期間中に、非同期RSSIプロトコルを実行するためのスケジュール1400を例示する。1402では、ソフトウェア・コマンドがなされると、DC較正が実行される。1404および1406において、AGC獲得およびIC獲得がそれぞれ行なわれうる。IC獲得の後にIC_Done割込が提供される。この間、図13に関して上述されたさまざまな動作が実行されうる。1408において、ソフトウェア処理が実行される。そして、1410では、RF切換タイマが起動された後、RF切換がなされる。新たなRFについてのさらなる反復のために、1412におけるDC較正、1414におけるAGC獲得、1416におけるIC獲得等がなされる。
【0058】
RF切換中におけるソフトウェアとハードウェアとのインタラクションに関し、ソフトウェアは、SSBIメモリに格納された情報を用いてRFをプログラムすることができる。その後、ソフトウェア・プロトコルが、ソフトウェアRF切換タイマを起動し、LNAをオフし、DC較正をイネーブルする。関連する態様によれば、ソフトウェアは、SSBIに格納された情報を用いて新たなRFをプログラムし、その後、(例えば、AFCにおいて)ハードウェアRF切換タイマをトリガする。これが時間切れになると、ハードウェアは、LNAをオフし、DC較正を開始する。さらに別の態様は、新たなRFのための値を用いたSSBIデータ・メモリのソフトウェア・プログラムに関し、(例えば、SSBIのような)ハードウェアが、新たなRFをプログラムし、ハードウェアRF切換タイマがタイムアウトになるのを待ち、LNAをオフして、DC較正をイネーブルする。
【0059】
図15は、1または複数の態様にしたがい、MediaFLO論理チャネルの終了時にend−of−MLC割込を提供することを容易にするRSSIモニタリング・スケジュール1500を例示する。RSSIモニタリング中、近隣のRFのRSSIが、現在のRFのMLCギャップ中において、バックグラウンドでモニタリングされる。この間、MLCが復号される。スケジュール1500によれば、1502においてMLCが引き起こり、MCLの終了時に、end−of−MLC割込が提供される。end−of−MLC割込がなされると、IC係数のバックアップが実行され、CP相関を伴うRSSIプロトコルおよびRSSIプロトコルのうちの1または複数に関連付けられたビットが1に設定される。RSSIプロトコル中、デバイスは、近隣チャネルへ切り換わった場合に、近隣チャネルのRSSIのみをモニタする。CP相関を伴うRSSIプロトコルの場合、デバイスは、近隣チャネル上のRSSIおよびCP相関の両方をモニタする。上述したように、AGC AFCレジスタはその後プログラムされ、IC獲得ビットが1に設定される。新たなRFのソフトウェア・プログラムが開始され、ハードウェアRF切換タイマがトリガされる。
【0060】
1504では、新たなRFへの切換が実行される。その後、1506におけるDC較正、および1508におけるAGC獲得に続く。1510では、IC獲得が実行され、IC獲得の終了時に、IC_Done割込が提供される。IC_Done割込がなされると、ソフトウェアは、RSSIを計算するために、AGC利得状態と、1次および2次のDVGAアキュムレータとを読み取る。RSSIおよび/またはRSSI+CP相関プロトコルに関連付けられたビットは、(望まれれば、ビット割当は逆になりうるが、RSSI+CP相関プロトコルとは逆に、)RSSIのみのプロトコルを選択するために1に設定される。AGC AFCレジスタがプログラムされ、(例えば、MLC RF上のIC獲得およびIC_Done割込の喪失を示すために)IC獲得ビットがゼロに設定される。次のDC_Cal_Done信号においては、ハードウェアが部分的にIC(バッファ、シフト・レジスタ)をリセットし、MLC RFに切り換わる場合にIC係数をロードし、AGC獲得後にトラック・モードでICを起動させる。その後、ソフトウェアは、SSBIによって新たなRFをプログラムし、ハードウェア内のRF切換タイマをトリガする。新たなRFは、MLCが復号されているMLC RFでありうるか、近隣のRFのうちの1つでありうる。この場合、MLCギャップが十分であると仮定されると、デバイスは、MLC RFへ戻る前に他のRFをモニタし続ける。IC_Done割込に関連付けられたロジックは、カウンタ・ベースであり、IC獲得の持続時間は、プログラム可能でありうる。
【0061】
1512では、(例えば、IC_Done割込がなされた場合における上述したような動作を含む)ソフトウェア処理が実行され、上述したようなハードウェアRF切換タイマがトリガされ、1514において、新たなRFへの切換が可能となる。1516ではDC較正がなされ、その後1518において、1520における次のMLCまで、さらなる反復のために、AGC獲得等がなされる。
【0062】
図16は、1または複数の態様にしたがったCP相関を伴うRSSIプロトコルのためのスケジュール1600の例示である。このプロトコルは、単一のMLCギャップにおいて複数のRFをモニタリングすることを容易にする。MLC1602は1602で終了し、end−of−MLC割込がトリガされる。IC係数がバックアップされ、その後、1604において、RF切換がなされる。1606においてDC較正がなされ、その後1608においてAGC獲得がなされる。1610においてIC獲得が実行される。1612において、CP相関が開始され実行される。そして、CP_correlation_Done割込が提供される。これによって、1614において、ソフトウェア処理が実行される。1616において、新たなRFへの切換がなされ、その後、可能であれば、スリープ期間(例えば、パワー・ダウン期間)が続く。その後、1620においてDC較正がなされる。その後1622においてAGC獲得がなされる。その後、次のMLC1624が続く。
【0063】
ブロック1602後、end−of−MLC割込があると、IC係数のバックアップが実行され、RSSIプロトコル、および、CP相関を伴うRSSIプロトコルに関連付けられたビットが、(例えば、次のRFのためのCP相関を伴うRSSIプロトコルを選択するために)ゼロに設定される。次に、上述したように、AGC AFCレジスタがプログラムされ、IC獲得ビットが1に設定される。新たなRFのソフトウェア・プログラミングが開始され、ハードウェアRF切換タイマがトリガされる。さまざまな態様によれば、IC_Done割込手続きは、何ら処理を備える必要はない。CP相関は、サンプル・カウンタをCに初期化することを備える。ここでCは、最初の到着経路(FAP)と最後の到着経路(LAP)との平均に、プログラム可能な既知のオフセットを加えたものに等しい。CP_Corr_Done割込は、1次および2次DVGAアキュムレータのみならずAGC利得状態を読み取ることと、ソフトウェアによる処理後のためのCP相関バッファを読み取ることと、IC獲得ビットをゼロに設定すること等を容易にし得る。新たなMLC RFへの切換をカウントするハードウェア・タイマが時間切れになると、timer_done割込がトリガされ、ソフトウェアに対して、カウンタを確認させ、可能であればスリープさせる。デバイスは、復号を続けるためにMLC RFへ戻る。あるいは、MLCギャップが十分であれば、RSSIおよびCP相関をモニタするために、別の近隣のRFへ切り換わる。デバイスが、MLC RFに切り換わり、timer_done割込がなされると、ソフトウェアは、OFDMシンボルおよびサンプル・カウンタを確認し、可能であれば、スリープをトリガする。
【0064】
他の態様によれば、ハードウェアは、ICバックアップおよび/またはリロード・ロジック、CP相関ロジック、CP相関カウンタ、CP相関計算ロジック、CP correlation_done割込を提供するためのロジック、CP相関蓄積結果を保持するためのバッファ等を含むように構成されうる。ソフトウェアは、CP correlation_done割込プロトコルを実行すること、RSSI−with−CP相関方法_done割込を提供すること、RSSIプロトコルを実行すること、CP相関計算を実行すること、および/または平均化すること等を容易にするように設計されうる。
【0065】
例によれば、MLCギャップが、予め定めたしきい値パラメータを超えると、RSSI+CP相関プロトコルが選択される。例えば、MLCギャップは、6MHzの場合、約40シンボルよりも長く、8MHzの場合、約45シンボルよりも長い場合等には、RSSI+CP相関プロトコルが最適でありうる。関連する例によれば、MLCギャップが十分長い(例えば、約70シンボルよりも長い)場合、RSSI+CP相関プロトコルが選択され、スリープ期間1618が実施される。RSSI+CP相関プロトコルについてギャップが不十分であるが、RSSI−onlyプロトコルについて十分長い(例えば、約30シンボルよりも長い持続時間である)場合、RSSI−onlyプロトコルが選択されうる。さらに、オーバヘッド情報シンボル(OIS)処理に、RSSIプロトコル以上の優先度が与えられうる。さらに、ソフトウェアが、与えられたスーパフレーム内の任意の時間において、新たなRFへハンドオフすることを決定しうる。RSSI−onlyプロトコルについて、十分なギャップ持続時間がない(例えば、約30シンボル未満等である)イベントでは、RFモニタリングが中断され、OIS障害が検出されると、非同期的にRSSI−onlyプロトコルがトリガされる。上述したギャップ持続時間は、例示目的のみのために示され、その他のギャップ持続時間が、本明細書に記載のさまざまな態様と連携して定義および/または適用されうることが認識されるだろう。
【0066】
図17は、典型的な無線通信システム1700を示す。無線通信システム1700は、簡潔さのために、1つの基地局および1つの端末を示す。しかしながら、このシステムは、1より多い基地局および/または1より多い端末を含みうることが認識されるべきである。ここで、さらなる基地局および/または端末は、以下に示す典型的な基地局および端末と実質的に同じでありうるし、あるいは、異なりうる。さらに、基地局および/または端末は、その間の無線通信を容易にするために、本明細書に記載されたシステム(図1,2および4乃至18)および/または方法(図3)を適用しうることが認識されるべきである。
【0067】
図17に示すように、ダウンリンクでは、アクセス・ポイント1705において、送信(TX)データ・プロセッサ1710が、トラフィック・データを受信、フォーマット、符号化、インタリーブ、および変調(あるいはシンボル・マップ)し、変調シンボル(「データ・シンボル」)を提供する。シンボル変調器1715は、データ・シンボルおよびパイロット・シンボルを受信して処理し、シンボルのストリームを提供する。シンボル変調器1720は、データ・シンボルおよびパイロット・シンボルを多重化し、これらを、送信機ユニット(TMTR)1720に提供する。おのおのの送信シンボルは、データ・シンボル、パイロット・シンボル、あるいはゼロの値を持つ信号でありうる。パイロット・シンボルは、おのおののシンボル期間で連続的に送信されうる。パイロット・シンボルは、周波数分割多重化(FDM)、直交周波数分割多重化(OFDM)、時分割多重化(TDM)、周波数分割多重化(FDM)、あるいは符号分割多重化(CDM)されうる。
【0068】
TMTR1720は、シンボルのストリームを受信して、1または複数のアナログ信号に変換する。さらに、これらアナログ信号を調整(例えば、増幅、フィルタ、および周波数アップコンバート)し、無線チャネルを介した送信のために適切なダウンリンク信号を生成する。その後、ダウンリンク信号は、アンテナ1725を介して端末へ送信される。端末1730では、アンテナ1735がこのダウンリンク信号を受信し、受信信号を、受信ユニット(RCVR)1740へ提供する。受信ユニット174は、この受信信号を調整(例えば、フィルタ、増幅、および周波数ダウンコンバート)し、調整された信号をデジタル化して、サンプルを得る。シンボル復調器1745は、受信したパイロット・シンボルを復調し、チャネル推定のためにプロセッサ1750へ提供する。シンボル復調器1745はさらに、プロセッサ1750から、ダウンリンクのための周波数応答推定値を受信し、受信したデータ・シンボルについてデータ復調を実行して、データ・シンボル推定値(送信されたデータ・シンボルの推定値)を取得し、このデータ・シンボル推定値をRXデータ・プロセッサ1755へ提供する。RXデータ・プロセッサ1755は、送信されたトラフィック・データを復元するために、データ・シンボル推定値を復調(すなわち、シンボル・デマップ)し、デインタリーブし、復号する。シンボル復調器1745およびRXデータ・プロセッサ1755による処理は、アクセス・ポイント1705におけるシンボル変調器1715およびTXデータ・プロセッサ1710による処理と相補的である。
【0069】
アップリンクでは、TXデータ・プロセッサ1760がトラフィック・データを処理し、データ・シンボルを提供する。シンボル変調器1765は、データ・シンボルを受信して、パイロット・シンボルと多重化し、変調を行い、シンボルのストリームを提供する。その後、送信機ユニット1770が、アップリンク信号を生成するために、シンボルのストリームを受信し、処理する。アップリンク信号は、アンテナ1725によってアクセス・ポイント1705へ送信される。
【0070】
アクセス・ポイント1705では、端末1730からのアップリンク信号が、アンテナ1725によって受信され、受信ユニット1775によって処理されて、サンプルが得られる。その後、シンボル復調器1780が、サンプルを処理し、アップリンクの受信パイロット・シンボルおよびデータ・シンボル推定値を提供する。RXデータ・プロセッサ1785は、端末1730によって送信されたトラフィック・データを復元するために、データ・シンボル推定値を処理する。プロセッサ1790は、アップリンクで送信を行うおのおののアクティブ端末のためのチャネル推定を実行する。複数の端末が、それぞれ割り当てられたパイロット・サブ帯域のセットで、パイロットをアップリンクで同時送信する。パイロット・サブ帯域のセットは、インタレースされうる。
【0071】
プロセッサ1790およびプロセッサ1750は、アクセス・ポイント1705および端末1730それぞれにおける動作を指示(例えば、制御、調整、管理等)する。それぞれのプロセッサ1790およびプロセッサ1750は、プログラム・コードおよびデータを格納するメモリ・ユニット(図示せず)に関連付けられうる。プロセッサ1790およびプロセッサ1750はまた、アップリンクおよびダウンリンクそれぞれのための周波数およびインパルスの応答推定値を導出するための計算をも実行する。
【0072】
多元接続システム(例えばFDMA、OFDMA、CDMA、TDMA等)の場合、複数の端末が、アップリンクで同時送信する。そのようなシステムの場合、パイロット・サブ帯域が、異なる端末間で共有されうる。これらチャネル推定技術は、おのおのの端末のパイロット・サブ帯域が(恐らくは、帯域端を除く)動作帯域全体におよぶ場合に用いられる。そのようなパイロット・サブ帯域構造は、おのおのの端末のための周波数ダイバーシティを得るために望ましいだろう。本明細書に記述されたこれら技術は、さまざまな手段によって実現される。例えば、これらの技術は、ハードウェア、ソフトウェア、あるいはそれらの組み合わせで実現されうる。ハードウェアで実現する場合、チャネル推定のために使用される処理ユニットは、1または複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロ・コントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書に記載された機能を実行するために設計されたその他の電子ユニット、あるいはこれらの組み合わせ内に実装されうる。ソフトウェアを用いた場合、本明細書に記載の機能を実行するモジュール(例えば、手順、関数等)によって実現されうる。ソフトウェア・コードは、メモリ・ユニット内に格納され、プロセッサ1790およびプロセッサ1750によって実行されうる。
【0073】
図18は、本明細書に記載のさまざまな態様にしたがってFLO信号検出を実行することを容易にする装置1800の例示である。FLOサービスがRFチャネル上で利用可能であるかを判定するために、FLO検出が開始され、例えば時分割多重化(TDM)パイロット検出タイマのようなタイマを初期化するモジュール(1802)が起動され、第1のTDMパイロット(TDM1)の検出が試みられる。そして、そのタイマ・カウントCTDM1がゼロに初期化される。タイマを初期化するモジュール(1802)は、(例えば、TDM1のような)パイロットを検出するモジュール(1804)に動作可能に接続されうる。このモジュールは、カウンタCTDM1のインクリメントも行う。比較モジュール(1806)は、CTDM1に関連付けられたカウンタ値を、要求されたパイロットに関連付けられた値と比較しうる。そして、カウンタ値が、要求されたパイロットの値よりも大きいかが判定される。例えば、要求されたパイロットがTDM1であり、パイロットを検出するモジュール(1804)によってカウンタが0から1へとインクリメントされた場合、比較モジュール(1806)は、このカウンタ値が、求められるパイロットの値よりも大きくない(例えば、この例では、これらの値は等しい)と判定しうる。そのような場合、検出するモジュール(1804)は、パイロット検出時において別の試みを開始し、カウンタを再びインクリメントする。さらに、検知するモジュールは、パイロットが正しく検出されたかに関する判定を行いうる。
【0074】
広域アイデンティティ(WID)エネルギを比較するモジュールは、分析されている送信に関連付けられたWIDチャネルのためのエネルギ・レベルを、予め定めたしきいエネルギ・レベルと比較することができる。検出されたWIDエネルギが、予め定めたしきいレベルよりも大きくない場合、FLO信号は検出されない。検出されたWIDエネルギがしきい値よりも大きい場合、FLO信号が検出される。装置1800のさまざまなモジュールは、反復しておよび/または連続して実行され、および/または、例えば、FLO信号検出を容易にするために、無線通信環境において通信するユーザ・デバイスによって構成されうることが理解されるだろう。
【0075】
上述したものは、1または複数の実施形態の例を含んでいる。もちろん、前述した実施形態を記述する目的のために、構成要素または方法論の考えられる全ての組み合わせを記述することは不可能であるが、当業者であれば、さまざまな実施形態のさらに多くの組み合わせおよび置き換えが可能であることを認識することができる。したがって、記述された実施形態は、特許請求の範囲の精神およびスコープ内に入るそのような全ての変更、修正、および変形を包含するように意図される。さらに、用語「含む」が、詳細な説明または特許請求の範囲の何れかで使用される限り、そのような用語は、請求項における遷移語として適用される場合に解釈される用語「備える」と同様に、包括的であると意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
FLO(フォワード・リンク・オンリー)信号を検出するために、無線通信環境におけるアクセス端末においてラジオ周波数(RF)をモニタリングする方法であって、
受信信号において第1の時分割多重化パイロット(TDM1)を検出することと、
TDM検出タイマをインクリメントすることと、
前記時分割多重化パイロットが検出されたか、および、前記TDM検出タイマが、TDM検出タイムアウトを超えたかを判定することと、
前記判定に基づいて、前記FLO信号の存在を検出することと
を備える方法。
【請求項2】
前記受信信号に関連付けられた広域識別子(WID)のエネルギ・レベルを検出すること、をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エネルギ・レベルと予め定めたしきい値との比較に基づいて、前記FLO信号の存在を判定すること、をさらに備える請求項2に記載の方法。
【請求項4】
WOIS(広域オーバヘッド情報シンボル)の復号中に、誤りの発生を判定すること、をさらに備える請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記誤りが発生していない場合、FLO信号を検出すること、をさらに備える請求項4に記載の方法。
【請求項6】
WOIS(広域オーバヘッド情報シンボル)の復号中に、誤りの発生を判定すること、をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記誤りが発生していない場合、FLO信号を検出すること、をさらに備える請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ロック喪失、または、アプリケーション・レイヤによる開始、のうちの少なくとも1つに基づいて前記ラジオ周波数をモニタリングすること、をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
現在のRFチャネルの復号を妨害することなく、前記ラジオ周波数をバックグラウンドでモニタリングすること、をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項10】
測定された受信信号強度インジケータ(RSSI)が予め定めたしきい値を超える場合、RFをモニタリングすることをディセーブルする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
測定された受信信号強度インジケータ(RSSI)が予め定めたしきい値未満であるかそれに等しい場合、RFモニタリングをイネーブルすること、をさらに備える請求項9に記載の方法。
【請求項12】
1または複数のMediaFLO論理チャネル(MLC)セグメントの障害が発生したかを判定すること、をさらに備える請求項9に記載の方法。
【請求項13】
MLC障害が発生した場合、RFモニタリング・サブルーチンを実行すること、をさらに備える請求項9に記載の方法。
【請求項14】
MLC障害が発生すると、タイムアウト・ロジックを起動すること、をさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項15】
RFモニタリングをイネーブルすることと、
前記1または複数のMLCセグメントのためのOIS情報を取得することと
をさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
RFモニタリング・サブルーチンを起動すること、をさらに備える請求項15に記載の方法。
【請求項17】
CP相関とともにRSSIプロトコルを実行することと、
MLC間のギャップが、予め定めたしきい値よりも大きい場合、近隣のRFをモニタリングすること
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項18】
CP相関を伴うことなくRSSIプロトコルを実行することと、
MLC間のギャップが、予め定めたしきい値未満である場合、近隣のRFをモニタリングすることと
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項19】
無線通信環境におけるアクセス端末においてラジオ周波数(RF)をモニタリングすることを容易にする装置であって、
少なくとも1つの近隣のRFをモニタリングし、そのRSSIを分析する受信機と、 RSSIに関連する情報と、現在のRFおよび前記少なくとも1つの近隣のRFのためのアイデンティティ情報とを格納するメモリと、
前記メモリに接続されており、前記現在のRFチャネルと、前記少なくとも1つの近隣のRFチャネルとの切換を行うプロセッサと
を備える装置。
【請求項20】
前記受信機は、測定されたRSSIが予め定めたしきい値を超えているかを判定する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
オーバヘッド情報シンボル(OIS)障害が発生したかを判定することと、
OIS障害が発生した場合、再獲得プロトコルを開始することと
をさらに備える請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記受信機は、1または複数のMediaFLO論理チャネル(MLC)セグメント障害が発生したかを判定する、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記受信機は、MLC障害が発生している場合、RFモニタリング・サブルーチンを実行する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
無線通信装置であって、
現在のラジオ周波数(RF)の受信信号強度インジケータ(RSSI)を測定する手段と、
前記測定されたRSSIが予め定めたしきい値を超えているかを判定する手段と、
近隣のRFをモニタリングする手段と、
前記近隣のRFにおけるFLO(フォワード・リンク・オンリー)信号の存在を検出する手段と
を備える装置。
【請求項25】
前記測定されたRSSIが前記予め定めたしきい値を超えている場合には、RFモニタリングをディセーブルし、前記測定されたRSSIが前記予め定めたしきい値未満であるか、またはそれに等しい場合には、RFモニタリングをイネーブルする手段、をさらに備える請求項24に記載の装置。
【請求項26】
第1の時分割多重化パイロット(TDM1)検出、WIDエネルギ判定、またはWOISパケット誤り率判定基準のうちの少なくとも1つを適用する前記近隣のRFをモニタリングする手段、をさらに備える請求項24に記載の装置。
【請求項27】
MLC(MediaFLO論理チャネル)間のギャップが、予め定めたしきい値よりも大きい場合、CP相関とともにRSSIプロトコルを実行し、近隣のRFをモニタリングする手段、をさらに備える請求項24に記載の装置。
【請求項28】
MLC間のギャップが予め定めたしきい値未満である場合、CP相関無しでRSSIプロトコルを実行し、近隣のRFをモニタリングする手段、をさらに備える請求項24に記載の装置。
【請求項29】
帯域干渉を限定するロバストさを求めてIC(干渉キャンセル)を実行する手段、をさらに備える請求項24に記載の装置。
【請求項30】
現在のラジオ周波数(RF)の受信信号強度インジケータ(RSSI)を測定することと、
前記測定されたRSSIが予め定めたしきい値を超えているかを判定することと、
近隣のRFをモニタリングすることと、
前記近隣のRFにおけるFLO(フォワード・リンク・オンリー)信号の存在を検出することと、
のためのコンピュータ実行可能な命令群を備えるコンピュータ・プログラムを有するコンピュータ読取可能媒体。
【請求項31】
前記測定されたRSSIが前記予め定めたしきい値を超えている場合には、RFモニタリングをディセーブルし、前記測定されたRSSIが前記予め定めたしきい値未満であるか、またはそれに等しい場合には、RFモニタリングをイネーブルする、ための命令群をさらに備える請求項30に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項32】
前記近隣のRFをモニタリングするために、第1の時分割多重化パイロット(TDM1)検出、WIDエネルギ判定、またはWOISパケット誤り率判定基準のうちの少なくとも1つを適用する、ための命令群をさらに備える請求項30に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項33】
MLC(MediaFLO論理チャネル)間のギャップが、予め定めたしきい値よりも大きい場合、CP相関とともにRSSIプロトコルを実行し、近隣のRFをモニタリングする手段、をさらに備える請求項30に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項34】
MLC間のギャップが予め定めたしきい値未満である場合、CP相関無しでRSSIプロトコルを実行し、近隣のRFをモニタリングする手段、をさらに備える請求項32に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項35】
帯域干渉を限定するロバストさを求めてIC(干渉キャンセラ)を実行する手段、をさらに備える請求項32に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項36】
無線通信環境におけるスループットを増加させるための命令群を実行するプロセッサであって、
前記命令群は、
現在のラジオ周波数(RF)の受信信号強度インジケータ(RSSI)を測定することと、
前記測定されたRSSIが予め定めたしきい値を超えているかを判定することと、
近隣のRFをモニタリングすることと、
前記近隣のRFにおけるFLO(フォワード・リンク・オンリー)信号の存在を検出することと
を備えるプロセッサ。
【請求項37】
前記命令群はさらに、前記測定されたRSSIが前記予め定めたしきい値を超えている場合には、RFモニタリングをディセーブルし、前記測定されたRSSIが前記予め定めたしきい値未満であるか、またはそれに等しい場合には、RFモニタリングをイネーブルすること、をさらに備える請求項36に記載のプロセッサ。
【請求項38】
前記近隣のRFをモニタリングするために、第1の時分割多重化パイロット(TDM1)検出、WIDエネルギ判定、またはWOISパケット誤り率判定基準のうちの少なくとも1つを適用すること、をさらに備える請求項36に記載のプロセッサ。
【請求項39】
MLC(MediaFLO論理チャネル)間のギャップが、予め定めたしきい値よりも大きい場合、CP相関とともにRSSIプロトコルを実行し、近隣のRFをモニタリングすること、をさらに備える請求項38に記載のプロセッサ。
【請求項40】
MLC間のギャップが予め定めたしきい値未満である場合、CP相関無しでRSSIプロトコルを実行し、近隣のRFをモニタリングすること、をさらに備える請求項38に記載のプロセッサ。
【請求項41】
帯域干渉を限定するロバストさを求めてIC(干渉キャンセル)を実行すること、をさらに備える請求項38に記載のプロセッサ。
【請求項42】
FLO(フォワード・リンク・オンリー)信号を検出するために、無線通信環境におけるアクセス端末においてラジオ周波数(RF)をモニタする方法であって、
受信信号に関連する広域アイデンティティ(WID)チャネルのエネルギ・レベルを検出することと、
前記WIDチャネルのエネルギ・レベルを、予め定めたしきい値と比較することと、 この比較に基づいて、前記FLO信号の存在を検出することと
を備える方法。
【請求項43】
FLO(フォワード・リンク・オンリー)信号を検出するために、無線通信環境におけるアクセス端末においてラジオ周波数(RF)をモニタする方法であって、
WOIS(広域オーバヘッド情報シンボル)の復号中における誤りの発生を判定することと、
前記誤りが発生しなかった場合、FLO信号を検出することと
を備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−165430(P2012−165430A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−85644(P2012−85644)
【出願日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【分割の表示】特願2010−518423(P2010−518423)の分割
【原出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】