説明

無線中継装置、及び無線中継方法

【課題】周波数選択性を有する回り込み伝搬路においても、送信アンテナと受信アンテナとの間に十分なアイソレーションが得られる無線中継装置を提供する。
【解決手段】無線中継装置は、送信アンテナと受信アンテナとの間のアイソレーション値を測定するアイソレーション測定部と、受信信号を予め定められた複数のサブバンドの信号に分割する周波数分割部と、周波数分割部により分割されたサブバンドの信号それぞれに対する移相量の組み合わせを示す指示信号が入力され、入力された指示信号に応じてサブバンドの信号それぞれの位相を変化させる可変移相部と、可変移相部が位相を変化させた複数のサブバンドの信号を増幅し、増幅した信号を送信アンテナから送信する増幅部と、複数の指示信号を可変移相部に順に出力し、アイソレーション測定部が測定したアイソレーション値に基づいて移相量の組み合わせを選択する偏波位相制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線中継装置、及び無線中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の無線通信システムでは、低コストでのサービスエリア拡大のために、基地局装置及び無線端末から受信した電波を直接増幅して、転送する増幅転送型中継方式が多く用いられている。この増幅転送型中継方式を用いる無線中継装置において、送信アンテナから送信された電波が受信アンテナに回り込むことにより生じる発振を防ぐために、送信アンテナと、受信アンテナとの間のアイソレーションを高く保つことが必要とされる。
【0003】
このため、送信アンテナと受信アンテナとの離隔を広くとる設置方法や、送信アンテナと受信アンテナとを背面合わせに設置しアンテナ間を直交偏波の関係にする手法(非特許文献1)が考えられている。しかし、非特許文献1の技術では、送信アンテナと受信アンテナとの背面合わせの設置を行うことのできない環境や、送信方向に反射物が存在して直接的な回り込み電波と異なる方向から反射波による回り込みが存在する環境下では、十分なアイソレーションを確保することができない場合がある。
【0004】
また、特許文献1では複数のアンテナ素子を有する無線通信装置において、各アンテナ素子で受信した信号を複数のサブバンドに分割し、サブバンドごとに適切なアンテナウェイトを乗算することにより、マルチパス及び同一チャネル間干渉存在下で所望のビーム形成を行う周波数領域信号処理を用いたアダプティブアレーが提案されている。しかし、特許文献1の技術は、無線中継装置における回り込み電波のアイソレーションを改善するようには動作しないため、アイソレーションを改善できない。
【0005】
そこで、特許文献2では、アイソレーションが最も高くなるようにアンテナ間の偏波位相を調整することでアンテナの設置位置によらずアイソレーションを改善する手法が提案されている。そして、特許文献1の技術では、送信アンテナと受信アンテナとのアイソレーションが最も高い偏波面を選択するように動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3565041号公報
【特許文献2】特開2010−081307号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】中山、前山、井上、「800MHz対セルラリピータ用アンテナのアイソレーション特性」、電子情報通信学会総合大会2008年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、回り込み伝搬路における遅延時間などの特性に周波数選択性がある場合、送信アンテナと受信アンテナとの間に十分なアイソレーションを確保できないことがある。
図8は、遅延波が存在する場合におけるアイソレーションの周波数特性を示す図である。同図は、異なる偏波位相を2つの組み合わせの周波数特性を、実線と破線とにより示している。同図に示しているように、アイソレーションは周波数選択性を有している場合、周波数帯によって良好な偏波位相が異なることが分かる。
【0009】
すなわち、特許文献2に記載された技術では、回り込み伝搬路の遅延特性に高い周波数選択性(周波数依存性)がある場合、送信アンテナと受信アンテナとの間の十分なアイソレーションを確保できない場合がある。特に、無線通信に用いる周波数帯域が広くなる場合、十分なアイソレーションを確保することがより困難になるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、周波数選択性を有する回り込み伝搬路においても、送信アンテナと受信アンテナとの間に十分なアイソレーションが得られる無線中継装置、及び無線中継方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記問題を解決するために、本発明は、送信アンテナから送信される送信信号と、受信アンテナにより受信される受信信号とに基づいて、該送信アンテナと該受信アンテナとの間のアイソレーション値を測定するアイソレーション測定部と、前記受信信号を予め定められた複数のサブバンドの信号に分割する周波数分割部と、前記周波数分割部により分割されたサブバンドの信号それぞれに対する移相量の組み合わせを示す指示信号が入力され、入力された指示信号に応じてサブバンドの信号それぞれの位相を変化させる可変移相部と、前記可変移相部が位相を変化させた複数のサブバンドの信号を増幅し、増幅した信号を前記送信アンテナから前記送信信号として送信する増幅部と、複数の前記指示信号を前記可変移相部に順に出力し、前記アイソレーション測定部が測定したアイソレーション値に基づいて移相量の組み合わせを選択する偏波位相制御部とを備えることを特徴とする無線中継装置である。
【0012】
(2)また、本発明は、上記記載の発明において、前記偏波位相制御部は、予め定められた複数の移相量の候補からいずれか一つをサブバンドごとにランダムに選択した組み合わせを示す指示信号を前記可変移相部に出力して、前記アイソレーション測定部により測定されたアイソレーション値が予め定められたしきい値以上か否かを判定する判定処理を行い、前記測定されたアイソレーション値が前記しきい値以上の場合、前記指示信号により示される移相量の組み合わせを選択し、前記測定されたアイソレーション値が前記しきい値未満の場合、前記判定処理を再度行うことを特徴とする。
(3)また、本発明は、上記記載の発明において、前記しきい値は、前記複数の移相量の候補を組み合わせて生成されるすべての組み合わせごとに測定された複数のアイソレーション値から算出される信頼区間に基づいて決定されることを特徴とする。
【0013】
(4)また、本発明は、上記記載の発明において、前記複数の指示信号が示す移相量の組み合わせそれぞれは、予め定められた複数の移相量の候補からいずれか一つをサブバンドごとに選択して組み合わせたものであり、前記偏波位相制御部は、最も高いアイソレーション値が測定された際の指示信号に対応する移相量の組み合わせを選択することを特徴とする。
(5)また、本発明は、上記記載の発明において、前記複数の指示信号が示す移相量の組み合わせそれぞれは、
前記複数の移相量の候補からいずれか一つをサブバンドごとにランダムに選択して組み合わせたものであり、当該移相量の組み合わせの数は、移相量のすべての組み合わせの数より少ないことを特徴とする。
【0014】
(6)また、本発明は、上記記載の発明において、予め定められた時間間隔ごとに、前記アイソレーション測定部にアイソレーション値を測定させ、今回測定されたアイソレーション値と、前回測定されたアイソレーション値との差が予め定められた基準値を超えた場合に、前記偏波位相制御部に再び移相量の組み合わせを選択させるアイソレーション変化検出部を更に備えることを特徴とする。
【0015】
(7)また、本発明は、無線中継装置における無線中継方法であって、予め定められた複数のサブバンドの信号それぞれに対する移相量の組み合わせを示す複数の指示信号を順に生成する指示ステップと、受信アンテナにより受信される受信信号を前記複数のサブバンドの信号に分割する周波数分割ステップと、前記指示ステップにおいて生成された前記複数の指示信号に応じて、前記周波数分割ステップにおいて分割されたサブバンドの信号それぞれの位相を変化させる可変移相ステップと、前記可変移相ステップにおいて位相を変化させた前記複数のサブバンド信号を増幅し、増幅した信号を送信アンテナから送信信号として送信する送信ステップと、前記送信アンテナから送信される送信信号と、前記受信アンテナにより受信される受信信号とに基づいて、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間のアイソレーション値を測定するアイソレーション測定ステップと、前記アイソレーション測定ステップにおいて測定されたアイソレーション値に基づいて移相量の組み合わせを選択する偏波位相制御ステップとを有することを特徴とする無線中継方法である。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、中継する受信信号を複数のサブバンドに分割し、サブバンドごとに移相量を選択することにより周波数分解能を向上させることができ、周波数選択性を有する回り込み伝搬路においても、送信アンテナと受信アンテナとの間に十分なアイソレーションを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1本実施形態における無線中継装置1の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】同実施形態における位相パターンの組み合わせを選択する処理を示すフローチャートである。
【図3】第2実施形態における無線中継装置1Aの構成を示す概略ブロック図である。
【図4】同実施形態における位相パターンの組み合わせを選択する処理を示すフローチャートである。
【図5】第3実施形態における無線中継装置1Bの構成を示す概略ブロック図である。
【図6】同実施形態における位相パターンの組み合わせを選択する処理を示すフローチャートである。
【図7】第4実施形態における無線中継装置1Cの構成を示す概略ブロック図である。
【図8】遅延波が存在する場合におけるアイソレーションの周波数特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における無線中継装置、及び無線中継方法を説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、第1本実施形態における無線中継装置1の構成を示す概略ブロック図である。
同図に示すように無線中継装置1は、受信アンテナ11、90度結合器12、RF(Radio Frequency;無線周波数)・ADC(Analogue-Digital Converter;アナログ−デジタル変換)部13と、移相処理部14、RF・DAC(Digital-Analogue Converter;デジタル−アナログ変換)部15、増幅器16、送信アンテナ17、結合器18、アイソレーション測定部19、偏波位相制御部20、アイソレーション測定値記憶部21を備えている。
【0020】
また、無線中継装置1は、N(N≧2)個のサブバンドからなる周波数帯を用いて通信を行う基地局装置と、端末装置とから送信される信号を受信し、受信した信号を増幅して送信することにより信号の中継処理を行う。また、N個のサブバンドそれぞれの周波数帯は、基地局装置及び端末装置が用いる通信方式に応じて設定するようにしてもよい。例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;直交周波数分割多重)方式では、各サブキャリアにサブバンドを対応させてもよい。
【0021】
受信アンテナ11には、2つのアンテナ素子が備えられている。それぞれのアンテナ素子により受信される2つの受信信号は、直交偏波の関係を有しており、90度結合器12に出力される。
90度結合器12は、受信アンテナ11から入力された2つの受信信号を合成し、合成した受信信号をRF・ADC部13と、増幅器16と、アイソレーション測定部19に出力する。
【0022】
RF・ADC部13は、90度結合器12から合成された受信信号が入力され、入力された受信信号をベースバンド帯域にダウンコンバートし、ダウンコンバートにより得られた信号を予め定められたサンプリング周期により量子化し、量子化したデータからなる受信系列を移相処理部14に出力する。
【0023】
移相処理部14は、FFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)部141、S/P(Serial/Parallel;直並列)変換部142、移相部143、IFFT(Inverse FFT;逆高速フーリエ変換)部144、P/S(Parallel/Serial;並直列)変換部145を有している。
FFT部141は、RF・ADC部13から入力される受信系列に対して高速フーリエ変換を行い周波数領域の信号列に変換し、得られた信号列をS/P変換部142に出力する。S/P変換部142は、FFT部141から入力される信号列をN個のサブバンドごとの信号列に変換する。すなわち、FFT部141と、S/P変換部142とは、RF・ADC部13が出力する受信系列をN個のサブバンドごとの信号列に変換する。
【0024】
移相部143は、N個のサブバンドそれぞれに対応するデジタル可変移相器143−1〜143−Nを有している。デジタル可変移相器143−1〜143−Nそれぞれは、偏波位相制御部20から指示信号が入力され、S/P変換部142から自身に対応するサブバンドの信号列が入力される。ここで、指示信号は、N個のサブバンドそれぞれの信号に対する位相パターンを示す信号である。また、位相パターンは、デジタル可変移相器143−1〜143−Nが信号の位相を制御する際に信号の位相に加える移相量を示す。
また、デジタル可変移相器143−1〜143−Nは、指示信号に含まれる自身に対応するサブバンドの位相パターンに基づいて、入力されるサブバンドの信号列の位相を制御してIFFT部144に出力する。
【0025】
IFFT部144は、デジタル可変移相器143−1〜143−Nから入力されるN個のサブバンドの信号列に対して逆高速フーリエ変換を行い時間領域の信号列に変換し、得られた信号列をP/S変換部145に出力する。P/S変換部145は、IFFT部144から入力される信号列を1つの信号列に変換する。すなわち、IFFT部144と、P/S変換部145とは、移相部143から出力されるN個のサブバンドの信号列を1つの信号系列に変換してRF・DAC部15に出力する。
RF・DAC部15は、移相処理部14が有するP/S変換部145から入力される信号系列をアナログ信号に変換し、アナログ信号に変換した信号を搬送波周波数帯域のRF信号にアップコンバージョンして増幅器16に出力する。
【0026】
増幅器16は、90度結合器12から入力される受信信号の電力を所定の電力に増幅し、増幅した信号を送信信号として送信アンテナ17に出力する。また、増幅器16は、RF・DAC部15から入力されるRF信号の電力を所定の電力に増幅し、増幅した信号を送信信号として送信アンテナ17に出力する。
送信アンテナ17には、2つのアンテナ素子が備えられている。2つのアンテナ素子のうち一方のアンテナ素子からは、受信信号に基づく送信信号が送信され、他方のアンテナ素子からは、移相処理部14により位相を変化させた信号に基づく送信信号が送信される。また、2つのアンテナ素子により送信される2つの送信信号は、直交偏波の関係を有している。
【0027】
結合器18は、90度結合器12から出力された受信信号を増幅した送信信号と、RF・DAC部15から出力されたRF信号を増幅した送信信号とを合成し、合成した信号をアイソレーション測定部19に出力する。
アイソレーション測定部19は、90度結合器12から入力される受信信号と、結合器18から入力される信号とを用いて、通信に用いる周波数帯における受信アンテナ11と送信アンテナ17との間のアイソレーション値を測定し、測定結果を偏波位相制御部20に出力する。
【0028】
偏波位相制御部20は、N個のサブバンドの信号それぞれの位相を制御する際の位相パターンの組み合わせを示す指示信号をデジタル可変移相器143−1〜143−Nに出力し、指示信号に対するアイソレーション値がアイソレーション測定部19から入力される。また、偏波位相制御部20は、出力した指示信号が示す移相量の組み合わせと、アイソレーション測定部19から入力されるアイソレーション値とを対応付けて、アイソレーション測定値記憶部21に記憶させる。また、偏波位相制御部20は、アイソレーション測定値記憶部21に記憶させたアイソレーション値に基づいて、受信した信号を中継する際に用いる位相パターンの組み合わせを選択する。
【0029】
また、偏波位相制御部20は、位相パターン・テーブル20aを有している。位相パターン・テーブル20aには、デジタル可変移相器143−1〜143−Nにおいて取り得る位相パターンのすべての組み合わせが、通し番号を付されて記憶されている。
例えば、各サブバンドで制御できる位相パターンの数をL個とし、等間隔に位相パターンを定める場合、位相パターンは、2π(i/L)、(i=0,1,…,L−1、また、L≧2)となる。このとき、全サブバンドにおける位相パターンの組み合わせは、K=L通りとなる。また、位相パターン・テーブル20aには、K通りの位相パターンの組み合わせが、それぞれを識別できるように、0から(K−1)までの番号を付されて記憶されている。
【0030】
アイソレーション測定値記憶部21は、偏波位相制御部20が指示信号を用いて移相処理部14に出力した位相パターンの組み合わせと、当該位相パターンの組み合わせに応じたアイソレーション値とを対応付けて記憶する。
【0031】
ここで、RF・ADC部13、及びRF・DAC部15におけるサンプリング周期は、無線中継装置1において許容できる処理遅延時間により予め定められる。また、FFT部141、及びIFFT部144におけるポイント数は、サブバンドの個数であるN以上であり、かつ、無線中継装置1において許容できる処理遅延時間により予め定められるポイント数以下である。
【0032】
図2は、本実施形態における位相パターンの組み合わせを選択する処理を示すフローチャートである。
位相パターンの組み合わせを選択する処理が開始されると、偏波位相制御部20は、内部に記憶している変数kを0に初期化する(ステップS101)。続いて、偏波位相制御部20は、位相パターン・テーブル20aに記憶されている第k番目の位相パターンの組み合わせを読み出す。そして、偏波位相制御部20は、読み出した位相パターンの組み合わせを示す指示信号を、移相処理部14が有するデジタル可変移相器143−1〜143−Nに出力し、当該組み合わせを適用した際のアイソレーション値をアイソレーション測定部19から得る(ステップS102)。
【0033】
そして、偏波位相制御部20は、位相パターンの組み合わせと、当該組み合わせを適用した際のアイソレーション値とを対応付けて、アイソレーション測定値記憶部21に記憶させ(ステップS103)、変数kの値が(K−1)と一致しているか否かを判定する(ステップS104)。
ステップS104において、変数kの値が(K−1)と一致していない場合(NO)、偏波位相制御部20は、変数kの値を1増加させ(ステップS105)、ステップS102〜ステップS104の処理を繰り返して行う。
【0034】
一方、ステップS104において、変数kの値が(K−1)と一致している場合(YES)、偏波位相制御部20は、アイソレーション測定値記憶部21に記憶されているアイソレーション値のうち最大のアイソレーション値を検出し、検出したアイソレーション値に対応する位相パターンの組み合わせをアイソレーション測定値記憶部21から読み出す。そして、偏波位相制御部20は、アイソレーション測定値記憶部21から読み出した位相パターンの組み合わせを、受信信号を中継する際に用いる位相パターンの組み合わせに選択する(ステップS106)。
上述した位相パターンの組み合わせを選択する処理は、予め定められた期間ごとに実行するようにしてもよい。
【0035】
上述のように動作することにより、本実施形態の無線中継装置1は、中継する受信信号をN個のサブバンドに分割し、各サブバンドに適した位相パターンを選択することにより、周波数分解能を向上させることができ、高い周波数選択性を有する回り込み伝搬路においても、送信アンテナ17と受信アンテナ11との間に十分なアイソレーションを得ることができる。
また、デジタル可変移相器143−1〜143−Nそれぞれが取り得る位相パターンのすべての組み合わせを適用した際のアイソレーション値を測定して、最もアイソレーション値が高い位相パターンの組み合わせを選択するので、中継処理において送信アンテナ17と受信アンテナ11との間に十分なアイソレーションを得ることができる。
【0036】
なお、本実施形態では、送信アンテナ17により送信する2つの信号のうち一方の信号に対して位相を制御する構成を説明したが、これに限ることなく、送信する2つの信号の双方に対して位相を制御するようにしてもよい。例えば、90度結合器12と増幅器16とを直接接続している経路に、RF・ADC部13、移相処理部14、及びRF・DAC部15を設けて、送信する2つの信号双方の位相を制御してもよい。
【0037】
また、本実施形態では、各サブバンドに対する位相パターンの組み合わせごとにアイソレーション値を測定するようにしたが、隣接するサブバンドをブロック化し、各ブロックに対する位相パターンの組み合わせごとにアイソレーション値を測定するようにしてもよい。これにより、位相パターンの組み合わせを選択する処理においてアイソレーション値を測定する対象の組み合わせを削減することができ、組み合わせを選択する処理に要する時間を短縮することができる。
【0038】
また、本実施形態では、位相パターンのすべての組み合わせに対して総当たりで最もアイソレーション値が高い位相パターンの組み合わせを検出するようにしたが、これに限ることなく、遺伝的アルゴリズム等に代表される多次元変数の最適化計算手法を用いて位相パターンの組み合わせを決定するようにしてもよい。このとき、評価値には、送信アンテナ17と受信アンテナ11とのアイソレーション値を用い、各サブバンドに対するN個の位相パターンそれぞれを変数とし、最適なアイソレーション値を算出し、当該アイソレーション値を得るための位相パターンの組み合わせを算出するようにする。
【0039】
また、位相パターンのすべての組み合わせに対して総当たりでアイソレーション値を測定することに替えて、事前に選択したM(M<L)個の位相パターンの組み合わせを適用した際のアイソレーション値を測定し、M個のアイソレーション値のうち最も高いアイソレーション値に対応する組み合わせを選択するようにしてもよい。この場合、無線中継装置1が中継の処理を行っていない期間に、位相パターンのすべての組み合わせに対してアイソレーション値を測定しておき、測定したアイソレーション値のうち上位M個のアイソレーション値に対応する位相パターンの組み合わせを位相パターン・テーブル20aに記憶させておくようにしてもよい。
【0040】
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態における無線中継装置1Aの構成を示す概略ブロック図である。
本実施形態の無線中継装置1Aは、第1実施形態の無線中継装置1を変形した実施形態であり、具体的には、偏波位相制御部20に替えて偏波位相制御部30を備えている点が異なる。なお、本実施形態において、第1実施形態と同じ構成には、第1実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0041】
第1実施形態の偏波位相制御部20は、デジタル可変移相器143−1〜143−Nにおいて取り得る位相パターンのすべての組み合わせを総当たりで試してアイソレーション値を測定していた。
これに対して、偏波位相制御部30は、ランダムに位相パターンを選択して位相パターンの組み合わせを生成してアイソレーション値を測定する処理を予め定められたM回繰り返し行う。そして、偏波位相制御部30は、ランダムに生成した位相パターンの組み合わせから、受信信号を中継する際に用いる位相パターンの組み合わせを選択する。ここで、処理を繰り返す回数Mには、位相パターンのすべての組み合わせの数K(=L、L:位相パターンの候補の数、N:サブバンドの数)より小さい値が予め設定される。
【0042】
図4は、本実施形態における位相パターンの組み合わせを選択する処理を示すフローチャートである。
位相パターンの組み合わせを選択する処理が開始されると、偏波位相制御部30は、内部に記憶している変数mを0に初期化し(ステップS201)、更に、内部に記憶している変数nを0に初期化する(ステップS202)。
【0043】
そして、偏波位相制御部30は、第n番目のサブバンドの信号に対する位相パターンをランダムに選択する(ステップS203)。具体的には、各サブバンドで制御できる位相パターンの数をL個としたとき、選択し得る位相パターンは、2π(i/L)、(i=0,1,2,…L−1、また、L≧2)となる。偏波位相制御部30は、0からL−1までの整数iをランダムに発生させて、位相パターンを選択する。
偏波位相制御部30は、変数nの値が(N−1)と一致しているか否かを判定し(ステップS204)、一致していない場合(ステップS204:NO)、変数nの値を1増加させ(ステップS205)、ステップS203の処理を再び行う。
すなわち、ステップS203〜S205の処理により、N個のサブバンドそれぞれに対する移相量をランダムに選択して、移相量の組み合わせを生成する。
【0044】
ステップS204において、変数nの値が(N−1)と一致している場合(YES)、偏波位相制御部30は、ステップS203〜S205の処理において生成した第m番目の移相量の組み合わせを示す指示信号を、移相処理部14が有するデジタル可変移相器143−1〜143−Nに出力し、当該組み合わせを適用した際のアイソレーション値をアイソレーション測定部19から入力される(ステップS206)。
そして、偏波位相制御部30は、デジタル可変移相器143−1〜143−Nに指示した位相パターンの組み合わせと、当該組み合わせを適用した際のアイソレーション値とを対応付けて、アイソレーション測定値記憶部21に記憶させ(ステップS207)、変数mの値が(M−1)と一致しているか否かを判定する(ステップS208)。
【0045】
ステップS208において、変数mの値が(M−1)と一致していない場合(NO)、偏波位相制御部30は、変数mの値を1増加させ(ステップS209)、ステップS202〜S208の処理を繰り返して行う。
一方、ステップS208において、変数mの値が(M−1)と一致している場合(YES)、偏波位相制御部30は、アイソレーション測定値記憶部21に記憶されているアイソレーション値のうち最も高いアイソレーション値を検出し、検出したアイソレーション値に対応する位相パターンの組み合わせをアイソレーション測定値記憶部21から読み出す。そして、偏波位相制御部30は、アイソレーション測定値記憶部21から読み出した位相パターンの組み合わせを、受信信号を中継する際に用いる位相パターンの組み合わせに選択する(ステップS210)。
【0046】
上述のように動作することにより、本実施形態の無線中継装置1Aは、アイソレーション値を測定する際に試行する位相パターンの組み合わせを減らすことにより、位相パターンの組み合わせを選択する際の処理量及び処理時間を削減することができる。
なお、上述した位相パターンの組み合わせを選択する処理は、予め定められた期間ごとに実行するようにしてもよい。
【0047】
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態における無線中継装置1Bの構成を示す概略ブロック図である。
本実施形態の無線中継装置1Bは、第1実施形態の無線中継装置1を変形した実施形態であり、具体的には、偏波位相制御部20に替えて偏波位相制御部40を備えている点と、アイソレーション測定値記憶部21を備えていない点とが異なる。なお、本実施形態において、第1実施形態と同じ構成には、第1実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0048】
第1実施形態の偏波位相制御部20は、デジタル可変移相器143−1〜143−Nにおいて取り得る位相パターンのすべての組み合わせを総当たりで試してアイソレーション値を測定していた。
これに対して、本実施形態における偏波位相制御部40は、ランダムに位相パターンを選択して位相パターンの組み合わせを生成してアイソレーション値を測定し、測定したアイソレーション値が予め定められたしきい値以上であるか否かを判定する。測定したアイソレーション値が予め定められたしきい値以上の場合、偏波位相制御部40は、生成した位相パターンの組み合わせを、受信信号を中継する際に用いる位相パターンの組み合わせに選択する。
【0049】
図6は、本実施形態における位相パターンの組み合わせを選択する処理を示すフローチャートである。
位相パターンの組み合わせを選択する処理が開始されると、偏波位相制御部30は、内部に記憶している変数nを0に初期化し(ステップS301)、第n番目のサブバンドに対する位相パターンをランダムに選択する(ステップS302)。位相パターンの選択は、例えば、第2実施形態におけるステップS203と同様に、取り得る位相パターンが2π(i/L)、(i=0,1,2,…L−1、また、L≧2)のときに、整数iをランダムに発生させて、位相パターンを選択する。
【0050】
偏波位相制御部40は、変数nの値が(N−1)に一致しているか否かを判定し(ステップS303)、一致していない場合(ステップS303:NO)、変数nの値を1増加させ(ステップS304)、ステップS302〜S303の処理を再び行う。
一方、ステップS303において、変数nの値が(N−1)に一致している場合(YES)、偏波位相制御部40は、ステップS302〜S304の処理を繰り返して行うことにより生成した位相パターンの組み合わせを示す指示信号を、移相処理部14が有するデジタル可変移相器143−1〜143−Nに出力し、当該組み合わせを適用した際のアイソレーション値をアイソレーション測定部19から入力される(ステップS305)。
【0051】
偏波位相制御部40は、入力されたアイソレーション値が予め定められたしきい値以上か否かを判定し(ステップS306)、アイソレーション値がしきい値以上でない場合(ステップS306:No)、ステップS301に戻り、ステップS301〜S306の判定処理を繰り返して行う。
一方、ステップS306において、アイソレーション値がしきい値以上の場合(ステップS306:YES)、偏波位相制御部40は、ステップS305において、デジタル可変移相器143−1〜143−Nに出力した指示信号により表される位相パターンの組み合わせを、受信信号を中継する際に用いる位相パターンの組み合わせに選択する(ステップS307)。
【0052】
ステップS306におけるしきい値は、予め定められた値である。このしきい値は、無線中継装置1Bを設置するとき等の受信信号の中継を行っていない期間に、デジタル可変移相器143−1〜143−Nに対して設定できる位相パターンのすべての組み合わせに対してアイソレーション値を測定し、測定したアイソレーション値から算出される信頼区間に基づいて決定される値である。すなわち、無線中継装置1Bにおいて得られるアイソレーション値の範囲を推定し、推定した区間内の値であって無線中継装置1Bに要求されるアイソレーション値をしきい値に設定する。
【0053】
上述のように動作することにより、本実施形態の無線中継装置1Bは、中継する受信信号をN個のサブバンドに分割し、各サブバンドに適した位相パターンを選択することにより、周波数分解能を向上させることができ、高い周波数選択性を有する回り込み伝搬路においても、送信アンテナ17と受信アンテナ11との間に十分なアイソレーションを得ることができる。
【0054】
また、無線中継装置1Bでは、生成した位相パターンの組み合わせと、測定したアイソレーション値とを対応付けて記憶させる必要がないので、処理及び構成を簡素化することができる。また、予めしきい値を設定することにより、偏波位相制御部40が選択する位相パターンの組み合わせにより得られるアイソレーション値を保証することができる。
また、無線中継装置1Bでは、位相パターンの組み合わせを生成するたびに、測定されたアイソレーション値と、しきい値とを比較して、生成した位相パターンの組み合わせを選択するか否かを判定するようにしたので、第1実施形態の無線中継装置1に比べ、位相パターンの組み合わせを選択する際の処理量及び処理時間を削減することができる。
【0055】
なお、上述した位相パターンの組み合わせを選択する処理は、予め定められた期間ごとに実行するようにしてもよい。
また、ステップS301〜S306の処理を所定の回数繰り返し行っても、しきい値以上のアイソレーション値が測定されない場合、しきい値を徐々に低くするようにしてもよい。例えば、しきい値を5%ずつ低くするようにしてもよい。
【0056】
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態における無線中継装置1Cの構成を示す概略ブロック図である。
本実施形態の無線中継装置1Cは、第1実施形態の無線中継装置1を変形した実施形態であり、具体的には、アイソレーション変化検出部22を備えている点が異なる。なお、本実施形態において、第1実施形態と同じ構成には、第1実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0057】
アイソレーション変化検出部22は、予め定められた時間間隔で、アイソレーション測定部19にアイソレーション値を測定させ、今回測定されたアイソレーション値と、前回測定されたアイソレーション値との差が予め定められた基準値を超えた場合に、偏波位相制御部20に再び位相パターンの組み合わせを選択させる。
【0058】
本実施形態の無線中継装置1Cは、アイソレーション変化検出部22を備えることにより、回り込み伝搬路の特性が変化した場合に、偏波位相制御部20が再度位相パターンの組み合わせを選択することができ、適切なアイソレーション値を維持することができる。なお、無線中継装置1Cが設置される場所によっては、回り込み伝搬路の特性がほとんど変化しない場合も考えられ、そのような場合には、選択されている位相パターンの組み合わせを引き続き適用することができる。
【0059】
このように、無線中継装置1Cは、アイソレーション変化検出部22を備えることにより、アイソレーション値の変化量が基準値を超えた場合に位相パターンの組み合わせを更新させることができ、設置された場所における回り込み伝搬路の変化の度合いに応じて、適応的に位相パターンの組み合わせの更新頻度を制御することができる。
【0060】
なお、本実施形態では、上述の第1実施形態の無線中継装置1がアイソレーション変化検出部22を備えている構成を説明したが、これに限らずに、第2実施形態の無線中継装置1A、又は第3実施形態の無線中継装置1Bがアイソレーション変化検出部22を備えるようにしてもよい。
【0061】
また、上述の無線中継装置1(1A、1B、1C)は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。その場合、上述した移相処理部14、偏波位相制御部20(30、40)、アイソレーション測定値記憶部21が行う処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われることになる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【符号の説明】
【0062】
1,1A,1B,1C…無線中継装置
11…受信アンテナ
12…90度結合器
13…RF・ADC部
14…移相処理部
15…RF・DAC部
16…増幅器
17…送信アンテナ
18…結合器
19…アイソレーション測定部
20,30,40…偏波位相制御部
20a…位相パターン・テーブル
21…アイソレーション測定値記憶部
22…アイソレーション変化検出部
141…FFT部
142…S/P変換部
143…移相部
143−1,143−2,143−N…デジタル可変移相器
144…IFFT部
145…P/S変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信アンテナから送信される送信信号と、受信アンテナにより受信される受信信号とに基づいて、該送信アンテナと該受信アンテナとの間のアイソレーション値を測定するアイソレーション測定部と、
前記受信信号を予め定められた複数のサブバンドの信号に分割する周波数分割部と、
前記周波数分割部により分割されたサブバンドの信号それぞれに対する移相量の組み合わせを示す指示信号が入力され、入力された指示信号に応じてサブバンドの信号それぞれの位相を変化させる可変移相部と、
前記可変移相部が位相を変化させた複数のサブバンドの信号を増幅し、増幅した信号を前記送信アンテナから前記送信信号として送信する増幅部と、
複数の前記指示信号を前記可変移相部に順に出力し、前記アイソレーション測定部が測定したアイソレーション値に基づいて移相量の組み合わせを選択する偏波位相制御部と
を備えることを特徴とする無線中継装置。
【請求項2】
前記偏波位相制御部は、
予め定められた複数の移相量の候補からいずれか一つをサブバンドごとにランダムに選択した組み合わせを示す指示信号を前記可変移相部に出力して、前記アイソレーション測定部により測定されたアイソレーション値が予め定められたしきい値以上か否かを判定する判定処理を行い、前記測定されたアイソレーション値が前記しきい値以上の場合、前記指示信号により示される移相量の組み合わせを選択し、前記測定されたアイソレーション値が前記しきい値未満の場合、前記判定処理を再度行う
ことを特徴とする請求項1に記載の無線中継装置。
【請求項3】
前記しきい値は、前記複数の移相量の候補を組み合わせて生成されるすべての組み合わせごとに測定された複数のアイソレーション値から算出される信頼区間に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項1に記載の無線中継装置。
【請求項4】
前記複数の指示信号が示す移相量の組み合わせそれぞれは、予め定められた複数の移相量の候補からいずれか一つをサブバンドごとに選択して組み合わせたものであり、
前記偏波位相制御部は、
最も高いアイソレーション値が測定された際の指示信号に対応する移相量の組み合わせを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線中継装置。
【請求項5】
前記複数の指示信号が示す移相量の組み合わせそれぞれは、
前記複数の移相量の候補からいずれか一つをサブバンドごとにランダムに選択して組み合わせたものであり、当該移相量の組み合わせの数は、移相量のすべての組み合わせの数より少ない
ことを特徴とする請求項4に記載の無線中継装置。
【請求項6】
予め定められた時間間隔ごとに、前記アイソレーション測定部にアイソレーション値を測定させ、今回測定されたアイソレーション値と、前回測定されたアイソレーション値との差が予め定められた基準値を超えた場合に、前記偏波位相制御部に再び移相量の組み合わせを選択させるアイソレーション変化検出部を更に備える
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の無線中継装置。
【請求項7】
無線中継装置における無線中継方法であって、
予め定められた複数のサブバンドの信号それぞれに対する移相量の組み合わせを示す複数の指示信号を順に生成する指示ステップと、
受信アンテナにより受信される受信信号を前記複数のサブバンドの信号に分割する周波数分割ステップと、
前記指示ステップにおいて生成された前記複数の指示信号に応じて、前記周波数分割ステップにおいて分割されたサブバンドの信号それぞれの位相を変化させる可変移相ステップと、
前記可変移相ステップにおいて位相を変化させた前記複数のサブバンド信号を増幅し、増幅した信号を送信アンテナから送信信号として送信する送信ステップと、
前記送信アンテナから送信される送信信号と、前記受信アンテナにより受信される受信信号とに基づいて、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間のアイソレーション値を測定するアイソレーション測定ステップと、
前記アイソレーション測定ステップにおいて測定されたアイソレーション値に基づいて移相量の組み合わせを選択する偏波位相制御ステップと
を有することを特徴とする無線中継方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−54778(P2012−54778A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195985(P2010−195985)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】