説明

無線基地局グループによるチャネル割当て方法及び無線システム

【課題】無線基地局グループによるチャネル割当て方法及び無線システムに関し、通信端末が高速度で移動する場合又は短時間に多数の端末が基地局に接続する場合でも、複数の無線基地局及び通信端末でのチャネル割当てや認証処理などの処理負担を軽減し、通信端末に対して高速にかつ効率よくチャネルを割当る。
【解決手段】基地局(AP)グループ管理ネットワーク1−2で、複数の基地局AP1.1〜AP1.5を接続して基地局グループ1−1を構成し、車両内の通信端末など高速に移動して通信する通信端末に対して、グループ内の1つの基地局が他の基地局とのインフラストラクチャ通信チャネルも纏めて一括して割当て、通信端末は該基地局と通信を行うとき、該一括して割当てられたインフラストラクチャ通信チャネルを継続使用して通信する。チャネル割当情報は各基地局で共有し、また、通信端末の移動速度に応じてチャネルの割当て方法を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局グループによるチャネル割当て方法及び無線システムに関し、より詳しくは、携帯電話端末、PHS(Personal Handy phone System)端末、ポータブルパーソナルコンピュータ、車両搭載通信装置など、移動しながらインフラストラクチャ通信モード又はアドホック通信モードで通信を行うことができる通信端末の通信チャネルを、複数の無線基地局から成る無線基地局グループにより割当てるチャネル割当て方法及び無線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、通常の無線LANの方式として、持ち運び可能な各ステーション(パーソナルコンピュータ等)が固定位置のベースステーション(無線アクセスポイント)を介して通信を行うことが可能なインフラストラクチャ通信モードと、近距離の他のステーションと直接無線通信を行うことが可能なアドホック通信モードとが存在する。
【0003】
本発明は、通信端末が自動車等の車両内で使用される等の場合に高速に移動しながらインフラストラクチャ通信モード又はアドホック通信モードを行うためのチャネル割当てに係るものであるが、一般の無線LANの方式において、インフラストラクチャ通信モード及びアドホック通信モードは、通信端末が高速に移動しながら行う通信を対象としたものではなく、高速移動しながら通信を行う通信端末を対象としたインフラストラクチャ通信又はアドホック通信について、これまでのところ実現化に向けた十分な検討はあまりされていない。
【0004】
本発明に関連する先行技術文献として下記の特許文献1には、スキャン時間短縮のために、ローミング履歴に基づいて端末のローミング先アクセスポイントを統計的に予測し、端末がより少ないチャネル数のスキャンでローミングが行なえるようにしたインフラストラクチャ型無線LANシステムについて記載されている。また、下記の特許文献2には、永続的なネットワークであるインフラNWと複数の端末のみから構成される一時的なネットワークであるアドホックNWとの双方のネットワーク間を移動して接続することができる移動端末及びその制御方法について記載されている。
【特許文献1】特開2003−264565号公報
【特許文献2】特開平11−55318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の携帯電話などの移動無線システムでは、無線リンクで接続される無線基地局が通信端末の移動に伴って変化する度に、通信端末の認証及びチャネルの割当て処理を行っているが、無線基地局の設置間隔が短い場合には、これらの処理を無線基地局毎にそれぞれ頻繁に行わなければならず、処理のオーバヘッドが大きくなり、特に通信端末が高速度で移動した場合には処理が追いつかなくなり、通信端末を使用した通信が適正に行われなくなる恐れがある。また、短時間に多数の通信端末が無線基地局に接続する場合には基地局はこれらの処理を高速に行わなければならず、処理のオーバヘッドが大きくなり、前記と同様の問題が生じる恐れがある。
【0006】
本発明は、通信端末が高速度で移動する場合でも、複数の無線基地局でのチャネル割当てや認証処理などの処理負担を軽減し、端末に対して効率よくチャネルを割当て、インフラストラクチャ通信モード又はアドホック通信モードの通信を高品質に行うことができるチャネル割当て方法及び無線システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の無線基地局グループによるチャネル割当て方法は、(1)複数の無線基地局でグループを構成し、該グループの無線エリアに進入してきた通信端末と該グループ内の全ての無線基地局との通信チャネルの割当てを、該グループ内の1つの無線基地局が決定するステップと、前記1つの無線基地局は、前記割当ての決定をした通信チャネルについて、前記グループで共有するチャネル割当情報を更新するステップと、前記1つの無線基地局以外のグループ内の各無線基地局は、前記チャネル割当情報を参照して前記通信端末との通信チャネルを割当てるステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、(2)前記1つの無線基地局は、グループ内の他の無線基地局の通信チャネルの割当てを、まとめて決定するか否かを、前記進入してきた通信端末の移動速度に応じて変更するステップを含むことを特徴とする。
【0009】
また、(3)前記1つの無線基地局は、前記進入してきた通信端末の認証処理を行うステップと、該認証処理のチェック結果情報を、前記グループ内の共有データベースとして保存するステップと、前記1つの無線基地局以外のグループ内の各無線基地局は、前記共有データベースの認証処理のチェック結果情報を参照して前記通信端末の認証を行うステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の無線システムは、(4)複数の無線基地局を1つの無線基地局グループとして構成した無線システムにおいて、前記無線基地局グループの無線エリアに進入してきた通信端末と該グループ内の全ての無線基地局との通信チャネルの割当てを、該グループ内で最初に該通信端末からの信号を受信した1つの無線基地局で決定する手段と、前記1つの無線基地局が、前記割当ての決定をした通信チャネルについて、前記無線基地局グループで共有するチャネル割当情報を更新する手段と、前記1つの無線基地局以外のグループ内の各無線基地局が、前記チャネル割当情報を参照して前記通信端末との通信チャネルを割当てる手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、(5)前記無線基地局グループ内の各無線基地局間で各キャリアの位相を揃えるキャリア同期手段を備え、各無線基地局は該キャリア同期手段によって同期化したキャリアを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無線基地局グループ内の1つの無線基地局で、該グループ内の他の無線基地局で割当てる通信チャネルを纏めて決定し、また、認証処理も該1つの無線基地局での認証チェック結果を基に認証することにより、チャネル割当て処理や認証処理を高速化することができる。また、通信チャネルの割当てをまとめて決定するか否かを通信端末の移動速度に応じて変更することにより、無効なチャネル割当てを行うことなく、効率よくチャネルを割当てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明の無線基地局グループによる通信端末への通信チャネル割当ての一例を示す。同図において、1−1は基地局(AP:アクセスポイント)グループ、AP1.1,AP1.2,AP1.3,AP1.4,AP1.5は基地局、1−2は基地局(AP)グループ管理ネットワーク、1−3は共有データベースである。なお、本明細書において、「無線基地局」、「通信端末」及び「通信チャネル」を、単に「基地局」、「端末」及び「チャネル」と略記することがある。
【0014】
〔1〕チャネルの割当て及び継続利用について
基地局(AP)グループ管理ネットワーク1−2で複数の基地局AP1.1,AP1.2,AP1.3,AP1.4,AP1.5を接続して基地局グループを構成し、通信端末はグループ化された基地局の何れかと通信を行うとき、グループ内の何れかの基地局によって割当てられたインフラストラクチャ通信チャネルを、他の基地局との通信にも継続して使用する。
【0015】
本発明における通信チャネルの具体例としては、周波数分割多重チャネル又は周波数分割多重と時間分割多重とを組合せた多重チャネル等の通信チャネルを用いる無線システムに好適に適用することができる。なお、周波数分割多重として直交波周波数分割多重(OFDM)を用いることができる。また、本発明の通信チャネルとして、インフラストラクチャ通信チャネルの上り通信チャネル(端末から基地局への通信)及び下り通信チャネル(基地局から端末への通信)の何れの方向の通信チャネルにも適用することができる。
【0016】
図2に各基地局(AP)グループにおけるチャネルの構成及び割当ての具体例を示す。同図の(a)に示すように、第1の基地局(AP)グループ#1は、基地局AP1.1,AP1.2,・・・,AP1.8の8個の基地局により構成され、また、各基地局(AP)グループで使用されるチャネルは、同図(b)に示すように、周波数分割多重と時間分割多重とを組合せた多重チャネルが用いられるものとする。
【0017】
図2(b)において、縦軸方向は周波数、横軸方向は時間(タイムスロット)を表し、同図に示す例では、周波数F1のタイムスロットT1、T2、T3、T4のチャネルを、それぞれ基地局AP1.1、AP1.2、AP1.3、AP1.4からの下り通信チャネルとし、また、周波数F2のタイムスロットT1、T2、T3、T4のチャネルを、それぞれ基地局AP1.5、AP1.6、AP1.7、AP1.8からの下り通信チャネルとし、また、周波数F3のタイムスロットT1、T2、T3、T4のチャネルをそれぞれ基地局AP1.1、AP1.2、AP1.3、AP1.4への上り通信チャネルとし、また、周波数F4のタイムスロットT1、T2、T3、T4のチャネルを、それぞれ基地局AP1.5、AP1.6、AP1.7、AP1.8への上り通信チャネルとして割り当てている例を示している。これらのタイムスロットは、さらに複数のタイムスロットに(点線で示されるように)細分化され、基地局が各端末に個別に通信チャネルを割り当てる場合には、この細分化されたタイムスロットを割り当てる。
【0018】
なお、図2(b)において、周波数F1〜F4などに対して3つの行に分けて記載しているが、各行はOFDMにおけるサブキャリアを表しており、図2(b)では3つのサブキャリアで1つのチャネルを実現する構成を示している。なお、サブキャリアは3つに限らず、任意の数とすることができる。
【0019】
(i)通信チャネルの割当ての第1の手法として、端末が基地局グループ内のどの基地局との通信にも継続して使用することができる同一のチャネルを割当てる手法を用いることができる。この手法は特に高速移動の端末に対する通信チャネルの割当てに好適に適用することができる。
【0020】
この割当手法によれば、端末が移動しても移動先の基地局でのチャネルの変更が不要となる。また、グループ内の基地局に後述するキャリア同期手段を適用することにより、基地局が変わる度に端末が各基地局との間で行うキャリア同期確立処理を行わずに済む。
【0021】
(ii)通信チャネルの割当ての第2の手法として、基地局グループ内の個々の基地局と通信するために使用する複数のチャネルを一括して1つの基地局が割当てる手法を用いることができる。この手法は特に中速移動の端末に対する通信チャネルの割当てに好適に適用することができる。この手法によれば、端末が移動しても移動先基地局でのチャネル割当て処理が不要となる。但し、端末と移動先の基地局との間でキャリア同期確立処理が必要である。
【0022】
(iii)通信チャネルの割当ての第3の手法として、低速移動の端末向に対して基地局グループ内の個々の基地局と接続する度にチャネルを割当てる手法を用いることができる。この手法は、前述の第2の割当て手法が端末の移動先の基地局に対して前もって使用チャネルを割当ててしまうため、端末が移動先を急に変更した場合、前もって割当てたチャネルが無効になってしまうのに対して、この第3の手法による割当てでは無効となる通信チャネルが発生しない。従って、端末の移動速度を検出し、端末の移動速度が中速度の場合は第2の手法、低速度の場合は第3の手法を適用し、端末の移動速度に合わせて最適な通信チャネルの割当てを行う構成とすることができる。
【0023】
なお、端末の移動速度の検出にあたっては、端末がGPS(Global Positioning System)などの測位手段を備え、端末が該手段により取得した位置情報に基づいて自端末の移動速度を算出し、基地局にチャネルの割り当てを要求する際に、該移動速度情報を通知する構成とすることもできる。
【0024】
〔2〕チャネル割当情報の共有化について
基地局グループ内において、グループ内の各基地局へのインフラストラクチャ通信チャネルの割当て状況に関する情報(チャネル割当情報)を共有する手段を備え、該共有のチャネル割当情報に基づいて、グループ内の基地局はインフラストラクチャ通信チャネルの割当てを行う。
【0025】
インフラストラクチャ通信のチャネル割当情報は、
(i)チャネル識別情報(周波数、タイムスロット番号等)、
(ii)チャネルの空き塞がり情報、
(iii)チャネルが塞がっている場合(使用中の場合)の使用端末情報(端末識別情報)の各情報から構成される。
【0026】
なお、チャネルが塞がっている場合に、上記(ii)のチャネルの空き塞がり情報として、上記(iii)の端末識別情報を格納する構成とすることにより、上記(ii)チャネルの空き塞がり情報と上記(iii)使用端末情報とを合体化したデータ構成とすることもできる。
【0027】
チャネル割当情報の共有化の手段として、
(i)チャネル割当情報を基地局(AP)グループ管理ネットワーク1−2上の共有データベース格納手段1−3に格納し、各基地局が該共有データベース格納手段1−3にアクセスしてチャネル割当情報を参照する手段、
(ii)共通のチャネル割当情報を、グループ内の各基地局間でトークンリング形式により互いに送受する手段、
等を用いることができる。
【0028】
〔3〕認証情報の共有化について
基地局グループにおいて、基地局が端末と接続する際に行う端末の認証処理を、グループ内の最初の1つの基地局でのみ行い、該認証処理のチェック結果を当該端末のID情報と共に認証結果情報として基地局グループ内の共有データベース格納手段1−3に保存し、基地局グループ内の他の基地局は、該共有データベース格納手段1−3に保存された認証結果情報を端末ID情報で参照することにより認証処理を行う。
【0029】
或いは、認証結果情報をグループ内の各基地局間でトークンリング形式により互いに送受することにより、共有する構成とすることができる。こうすることにより、基地局グループ内の1つの基地局による認証チェックをパスした端末に対して、同じ基地局グループ内の他の基地局が改めて認証チェックを行う処理を省くことができ、高速に認証処理を行うことが可能となる。
【0030】
〔4〕キャリア同期手段について
基地局グループに図3に示すようなキャリア同期手段を設け、各基地局間で各キャリア(搬送波)の位相を用いることができる。
【0031】
端末がキャリアとの同期確立(使用する電波との位相合わせ)を行う際に、キャリア同期手段によって基地局グループ内の基地局間でキャリアが同期化されているときは、基地局グループ内の1つの基地局と端末とで一度キャリア同期確立を行えば、その端末が他の基地局と通信する際に改めてキャリア同期確立を行う必要はなく、高速に信号の送受信を行うことが可能となる。
【0032】
特に、前述のチャネルの割当ての第1の手法により、端末が基地局グループ内のどの基地局との通信にも継続して使用することができる1つのチャネルを割当てた場合に、グループ内の基地局と端末との間は、最初の基地局と端末とで一度キャリア同期確立を行えば、端末は他の基地局と同期確立を行うことなく、継続的に同一チャネルで通信を行うことが可能となる。
【0033】
一般的には、キャリア同期確立は受信側の装置で行う。下り通信チャネル(基地局から送信されるチャネル)に対しては端末がキャリア同期確立を行う。上り通信チャネル(端末から送信されるチャネル)に対しては基地局がキャリア同期確立を行う。
【0034】
1つの基地局との通信に当たって基地局制御局がキャリア同期確立を行い、その結果得られる上り通信チャネルの位相情報などを、基地局グループ内の他の基地局との通信に利用することにより、基地局毎の同期確立の処理を省くことができる。また、上り通信チャネルでは、基地局制御局が複数の基地局で受信された受信信号から最良の信号を選択し、或いは複数の基地局で受信された受信信号を合成することにより、受信信号の品質を高めることができる。
【0035】
〔5〕共通制御チャネルについて
共通制御チャネルの構成例として、例えば図2(b)に示すように、周波数Fc1、Fc2、Fc3のタイムスロットT1、タイムスロットT2、タイムスロットT3、タイムスロットT4のチャネルを共通制御チャネルとして設定する構成とすることができる。また、共通制御チャネルを複数のタイムスロットに分割せず、CSMA/CAなどの他のアクセス方式を用いることもできる。
【0036】
該共通制御チャネルでインフラストラクチャ通信のチャネル割当情報を送信する。キャリア同期手段を用いる場合は、基地局制御局1−4などがインフラストラクチャ通信のチャネル割当情報を生成して送信する。キャリア同期手段を用いない場合は、各基地局がインフラストラクチャ通信のチャネル割当情報を周期的に送信する。
【0037】
送信したインフラストラクチャ通信のチャネル割当情報が他の基地局又は端末からの送信信号と衝突して破壊されないようにするために、グループ内の基地局同士で送信タイミングが重ならないように事前に調整しておく。また、送信情報に送信周期(又は次の送信時刻)を含めておき、端末はこの情報を受信してから共通制御チャネルで情報を送信するようにし、基地局と端末の送信が同時に行われないようにする。
【0038】
〔6〕個別制御チャネルについて
上述の共通制御チャネルを用いる実施形態に代えて、無線基地局をグループ化した無線システムにおいて、該システムに属する全ての基地局がそれぞれ個別に使用する個別制御チャネルを設け、該個別制御チャネルでインフラストラクチャチャネル割当情報を送信する実施形態とすることができる。
【0039】
該個別制御チャネルによるインフラストラクチャ通信のチャネル割当情報の送信は、前述の共通制御チャネルの場合と同様に、キャリア同期手段を用いる場合は、基地局制御局1−4などがインフラストラクチャ通信のチャネル割当情報を生成して送信し、キャリア同期手段を用いない場合は、各基地局がインフラストラクチャ通信のチャネル割当情報を周期的に送信する。端末は全ての個別制御チャネルを受信する。
【実施例】
【0040】
インフラストラクチャ通信のチャネルの割当ての第1の実施例について
端末は新しい基地局グループに進入したとき、共通制御チャネルを用いてインフラストラクチャ通信のチャネルの割当てを要求する。この要求を受信した1つの基地局は、空き状態にあるインフラストラクチャ通信のチャネルを端末に割当てる。このとき、インフラストラクチャ通信のチャネル割当情報を更新する。端末は、チャネル割当ての結果を共通制御チャネルのインフラストラクチャ通信のチャネル割当情報を参照し、自端末に割当てられたチャネル情報を確認する。
【0041】
各基地局が個別制御チャネルを用いる場合も同様の手法により、端末は新しい基地局グループに進入したとき、最も受信品質の良い個別制御チャネルを用いてインフラストラクチャ通信チャネルの割当てを要求する。この要求を受信した1つの基地局は、空き状態にあるインフラストラクチャ通信のチャネルを端末に割当てる。このとき、インフラストラクチャ通信のチャネル割当情報を更新する。端末は、チャネル割当ての結果情報を個別制御チャネルのインフラストラクチャチャネル割当情報を参照し、自端末に割当てられたチャネルを確認する。
【0042】
インフラストラクチャ通信チャネルの解放は、該チャネルの割当て時の処理と同様の手法により端末から解放を要求し、該要求を受信した1つの基地局によりインフラストラクチャ通信チャネルを解放する。又は、割当てたインフラストラクチャ通信チャネルが一定期間使用されなかったことを1つの基地局で検出した場合に、該基地局がチャネルの状態を空き状態にすることにより強制解放する構成とすることができる。
【0043】
インフラストラクチャ通信チャネルの割当ての第2の実施例について
端末は、共通制御チャネル上でインフラストラクチャ通信のチャネル割当情報を受信し、該インフラストラクチャ通信のチャネル割当情報を参照して空きチャネルを探索し、空きチャネルを検出するとその空きチャネルを使用して情報の送信を行う。
【0044】
基地局はその空きチャネルを使って他の端末から情報の送信が行われていなければ、その空きチャネルで送信した端末にその該空きチャネルを割当てる。このとき、この空きチャネルを使用中に設定し、インフラストラクチャ通信のチャネル割当情報を更新する。端末は、チャネル割当ての結果を共通制御チャネルのインフラストラクチャ通信のチャネル割当情報を参照して確認し、自端末が送信に使用したチャネルの使用者情報に自端末識別情報が記述されていれば、そのチャネルが自端末に割当てられたものとして認識する。
【0045】
同一の空きチャネルを使用して複数の端末が情報を送信した場合は、送信情報が衝突し合うため、基地局では情報が正常に受信されず、基地局は端末へのそのチャネルの割当てを行わない。端末は、空きチャネルを使用して情報を送信した後、インフラストラクチャ通信のチャネル割当情報を参照し、自端末へのチャネルが割当てられていないことを確認した場合、ランダムな時間が経過するまで待機した後、他の空きチャネルを使用して情報の送信を同様に試みる。
【0046】
インフラストラクチャ通信の上り通信チャネルの割当てについては上述の手法により割当てることができるが、端末から下り通信チャネルを要求する場合には、上り方向の空きチャネルを使って情報を送信する際に、そのヘッダ部に下り通信チャネルも要求する旨を記述し、基地局は該ヘッダ部の記述を読み取って下り通信チャネルを割当てる構成とすることができる。或いは前述の第1の実施例のように共通制御チャネル又は個別制御チャネルを使用して下り通信チャネルを要求するように構成することができる。
【0047】
基地局経由での端末間通信を行う実施例について
この実施例は、基地局との電波交信ができない遠く離れた場所において、端末相互間で直接通信(アドホック通信)を行っていた状態で、それらの端末が基地局との交信が可能な基地局周辺の場所に移動してきたとき、端末相互間を基地局経由で通信させる実施例である。
【0048】
この実施例が好適に適用される具体例として、例えば、複数の車両内の端末同士で車両運行中に直接通信(アドホック通信)を行っていたとき、それらの車両の間に車高の高い大型車が割り込んできた場合などに、該車両内の端末同士で送受される電波が遮られ、直接通信(アドホック通信)が正常に行われなくなってしまうが、通常、基地局は車両の高さよりはるかに高い場所に設置されるため、基地局を介して端末間通信を行うことにより、車高の高い大型車の割り込によって通信が妨害されることなく、端末間通信の品質を向上させることができる。
【0049】
また、通信内容の具体例として、端末間でブロードキャスト通信を行い、端末が周囲の端末の位置を把握するための位置情報を通信する例などがある。この場合、基地局が近くに存在しないときは、各端末がGPS(Global Positioning System)などの測位手段によって取得した自端末の位置情報をアドホック通信チャネルにより周囲の端末にブロードキャストする。
【0050】
基地局近くに存在するときは、基地局側で各端末の位置情報を把握するために、各端末に対して基地局に各端末の位置情報を通知させ、基地局から全端末に位置情報をブロードキャスト送信する。共通制御チャネル又は個別制御チャネルにより、前述のインフラストラクチャ通信のチャネル割当情報に加えて、端末間の通信を基地局経由で行うように指示する。このとき、情報の宛先となる基地局のアドレス及び基地局が使用している報知チャネル識別情報も合わせて通知する。
【0051】
基地局と各端末との通信に必要なチャネルは、前述のインフラストラクチャ通信のチャネルの割当ての第1又は第2の実施例により獲得する。端末は、これまでアドホック通信チャネルでブロードキャストアドレス宛に送信していた情報を、インフラストラクチャ通信チャネルで基地局宛に送信する。
【0052】
基地局は、端末から受信した情報を下り方向の報知チャネルでブロードキャスト送信する。なお、基地局が報知チャネルでブロードキャスト送信すべき情報を検出し易くするために、端末から該情報の送信時にヘッダ部に、ブロードキャスト送信すべき情報である旨を示す印を付与して送信する。
【0053】
基地局グループ構成の無線システムのキャリア同期手段が存在する場合は、例えばROF(Radio On Fiber)技術によって実現され、端末に送信される情報はキャリア同期手段の上位に存在する基地局制御局1−4などで生成され、この情報がグループ内の全基地局を通じて端末に送信される。当該キャリア同期手段が存在する場合は、上記の処理は基地局ではなく、キャリア同期手段の上位に存在する基地局制御局1−4等によって行う。全ての端末は下り報知チャネルを受信するが、下り報知チャネルで受信した情報のうち、処理すべき情報は自端末の周囲に所在する端末のもののみとなるケースが多いため、端末は自端末に関係する情報を選択して処理する。
【0054】
また、各基地局はそれぞれ自基地局に備えられたフィルタ手段で基地局制御局1−4からグループ内の全基地局に送信された情報のうち自基地局に関する情報以外を取り除いて送信することによって、端末側で自端末に関係する情報の選択を容易にする。但し、基地局は自基地局と関連する情報がどのチャネルで送信されるかを把握しておく必要ある。また、端末は測位手段によって測位した自端末の位置情報に基づいて、所定の距離以内に所在する端末の情報だけを選択して処理する。
【0055】
基地局エリアでの端末間通信のTDMA化する実施例について
この実施例は、基地局から遠く離れた場所では、キャリア感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA:Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance )などのランダムアクセス方式で通信を行っていた端末が、基地局エリア内に進入してきたとき、該基地局エリア内では端末同士が時分割多元接続(TDMA:Time Division Multiple Access)で通信を行うようにしたものである。
【0056】
端末は、アドホック通信チャネルの上り通信チャネル又は下り通信チャネルの割当てについても同様の手法でチャネル割当て要求を発し、この要求を受信した1つの基地局は、空き状態にあるアドホック通信の上り通信チャネル又は下り通信チャネルを割当てる。アドホック通信チャネルの上り通信チャネル又は下り通信チャネルの割当てについても同様である。
【0057】
時分割多元接続(TDMA)で通信を行う場合、基地局エリアではアドホック通信チャネルをTDMAフレームに区切り、更にTDMAフレームをタイムスロットに区切り、基地局は割当て済みのタイムスロットがTDMAフレーム内で連続して送出されるように、空きタイムスロットを順番に割当てる。
【0058】
TDMA化の指示は、共通制御チャネル又は個別制御チャネルにより、インフラストラクチャ通信のチャネル割当情報に加えて、基地局エリアで端末間通信を時分割多元接続(TDMA)で行うように指示する。タイムスロット(即ち、チャネル)の割当て手法は、前述のインフラストラクチャ通信チャネルの割当ての第1又は第2の実施例と同様の手法で割当てることができる。
【0059】
図4に端末間通信のTDMA化の具体例を示す。同図の(a)は、端末間でキャリア感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)などのランダムアクセス方式で通信を行っているときの様子を示している。端末は他の端末から送信信号のキャリアが送出されていないことを感知して、データ信号S1,S2を送信する。しかし、複数の端末でそれぞれキャリアが送出されていないことを感知してデータS3,S4を同時に送信し、衝突を起こしてしまう場合がある。
【0060】
基地局エリア周辺においてCSMA/CAで通信をしている端末と基地局エリア内においてTDMAで通信している端末との間で上述のような衝突を避けるために、同図(b)に示すように、基地局エリアではアドホック通信チャネルをTDMAフレーム内でのタイムスロットに区切り、基地局は割当て済みのタイムスロットT1,T2,T3,T4,・・・がTDMAフレーム内で連続して送出されるように、空きタイムスロットを順番に割当てる。こうすることにより、アドホック通信チャネルが隙間無く効率的に時間軸上に配置されると共に、キャリア感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)方式によって送信される信号との衝突を減少させることができる。
【0061】
しかし、割当て済みのタイムスロットT1,T2,T3,T4,・・・が連続して送出されるように空きタイムスロットを順番に割当てても、例えば、同図(c)に示すように、タイムスロットT3が解放されて無信号になると、次の割当て済みタイムスロットT4が、基地局エリア近辺の端末からのCSMA/CAによる送信信号S5と衝突して破壊される恐れがある。そのような場合には、該割当て済みタイムスロットT4に先行するタイムスロットT3に、端末又は基地局からダミー信号D1を送信する。
【0062】
また、TDMAフレームの後部は未割り当ての領域となり、この未割り当て領域では例えば同図(d)に示すように、基地局エリア近辺の端末からのCSMA/CAによる送信信号S6,S7が送信される。同図に示す送信信号S6は、割当て済みのタイムスロットT1,T2,T3と衝突を起こさないが、TDMAフレームの先頭付近で送信される信号S7は、割当て済みのタイムスロットT1と衝突を起こしてしまう。そこで、TDMAフレームの先頭に先行する領域にダミー信号D2を送信することにより、TDMAフレームの先頭での衝突を回避することができる。
【0063】
基地局からのダミー信号の送信は、複数の割当て済みのタイムスロットの間に空きタイムスロットが発生した場合、割当て済みのタイムスロット群の先頭のタイムスロットが破壊されないように保護するために送信する。端末からのダミー信号の送信は、割当てられたタイムスロットで情報を送信しない場合に送信する。基地局からダミー信号を送信する際に、キャリア同期手段を有する場合は、基地局制御装置がダミー信号を送信する構成としてもよい。また、キャリア同期手段を有しない場合は、全基地局がダミー信号を送信する。
【0064】
また、グループ内の各基地局にTDMAフレーム単位に担当時間帯を割当て、各基地局はそれぞれの担当時間帯にダミー信号を送信する構成としてもよい。また、常に或る1つの代表基地局がダミー信号を送信する、或いは時間毎に決められた代表基地局がダミー信号を送信する構成としてもよい。
【0065】
(付記1)複数の無線基地局でグループを構成し、該グループの無線エリアに進入してきた通信端末と該グループ内の全ての無線基地局との通信チャネルの割当てを、該グループ内の1つの無線基地局が決定するステップと、前記1つの無線基地局は、前記割当ての決定をした通信チャネルについて、前記グループで共有するチャネル割当情報を更新するステップと、前記1つの無線基地局以外のグループ内の各無線基地局は、前記チャネル割当情報を参照して前記通信端末との通信チャネルを割当てるステップと、を含むことを特徴とする無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
(付記2)前記1つの無線基地局は、グループ内の他の無線基地局の通信チャネルの割当てを、まとめて決定するか否かを、前記進入してきた通信端末の移動速度に応じて変更するステップを含むことを特徴とする付記1に記載の無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
(付記3)前記1つの無線基地局は、前記進入してきた通信端末の認証処理を行うステップと、該認証処理のチェック結果情報を、前記グループ内の共有データベースとして保存するステップと、前記1つの無線基地局以外のグループ内の各無線基地局は、前記共有データベースの認証処理のチェック結果情報を参照して前記通信端末の認証を行うステップと、を含むことを特徴とする付記1に記載の無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
(付記4)複数の無線基地局を1つの無線基地局グループとして構成した無線システムにおいて、前記無線基地局グループの無線エリアに進入してきた通信端末と該グループ内の全ての無線基地局との通信チャネルの割当てを、該グループ内で最初に該通信端末からの信号を受信した1つの無線基地局で決定する手段と、前記1つの無線基地局が、前記割当ての決定をした通信チャネルについて、前記無線基地局グループで共有するチャネル割当情報を更新する手段と、前記1つの無線基地局以外のグループ内の各無線基地局が、前記チャネル割当情報を参照して前記通信端末との通信チャネルを割当てる手段と、を備えたことを特徴とする無線システム。
(付記5)前記無線基地局グループ内の各無線基地局間で各キャリアの位相を揃えるキャリア同期手段を備え、各無線基地局は該キャリア同期手段によって同期化したキャリアを生成することを特徴とする付記4に記載の無線システム。
(付記6)前記1つの無線基地局は、前記共有するチャネル割当情報をグループ内の共有データベースとして保存するステップと、前記1つの無線基地局以外のグループ内の各無線基地局は、前記共有データベースのチャネル割当情報を参照して前記通信端末への通信チャネルの割当てを行うステップと、を含むことを特徴とする付記1に記載の無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
(付記7)前記1つの無線基地局は、前記共有するチャネル割当情報を、グループ内の各無線基地局とトークンリングによって送受することを特徴とする付記1に記載の無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
(付記8)前記チャネル割当情報を、前記無線基地局及び通信端末で共通に使用される共通制御チャネルで送受することを特徴とする付記1に記載の無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
(付記9)前記無チャネル割当情報を、前記グループ内の無線基地局で個別に使用される個別制御チャネルで送受することを特徴とする付記1に記載の無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
(付記10)前記通信端末からの通信割当て要求を受信した前記1つの無線基地局は、空き状態の通信チャネルを該通信端末に割当て、前記チャネル割当情報を更新するステップと、前記通信端末は前記チャネル割当情報の更新内容を参照して、自端末に通信チャネルが割当てられたことを確認するステップとを含むことを特徴とする付記1に記載の無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
(付記11)前記通信端末は前記チャネル割当情報を参照し、空きチャネルを使用して情報を送信するステップと、前記1つの無線基地局は、該空きチャネルで送信された情報が正常に受信されたときに、該空きチャネルを前記通信端末に割当てて前記チャネル割当情報を更新するステップと、前記通信端末は前記チャネル割当情報の更新内容を参照して、自端末に通信チャネルが割当てられたことを確認するステップとを含むことを特徴とする付記1に記載の無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
(付記12)前記無線基地局は、前記通信端末に対して、他の通信端末とアドホック通信で行っていた情報送受を無線基地局経由で行うように指示するステップと、前記通信端末は前記指示に従って、前記情報を無線基地局にインフラストラクチャ通信で送信するステップと、前記無線基地局は前記通信端末から送信された前記情報を、インフラストラクチャ通信で前記他の通信端末へ向けてブロードキャスト送信するステップと、を含むことを特徴とする付記1に記載の無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
(付記13)前記無線基地局は、前記通信端末に対して、キャリア感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)によるアドホック通信で行っていた他の通信端末との情報送受を、時分割多元接続(TDMA)フレーム内に割当てたタイムスロットで行うように指示するステップと、前記無線基地局は、割当て済みのタイムスロットがTDMAフレーム内で連続して送出されるように、前記通信端末に空きタイムスロットを通信チャネルとして順番に割当てるステップと、を含むことを特徴とする付記1に記載の無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
(付記14)前記複数の割当て済みのタイムスロットの間に空きタイムスロットが発生した場合、該空きタイムスロットにダミー信号を挿入して送信するステップを含むことを特徴とする付記13に記載の無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
(付記15)前記TDMAフレームの先頭に先行する領域にダミー信号を送信するステップを含むことを特徴とする付記13に記載の無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の基地局グループによる通信端末へのチャネル割当ての一例を示す図である。
【図2】各基地局(AP)グループにおけるチャネルの構成及び割当ての具体例を示す図である。
【図3】キャリア同期手段を備えた基地局グループ化無線システムを示す図である。
【図4】端末間通信のTDMA化の具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1−1 基地局(AP)グループ
AP1.1,AP1.2,AP1.3,AP1.4,AP1.5 基地局
1−2 基地局(AP)グループ管理ネットワーク
1−3 共有データベース
1−4 基地局制御局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線基地局でグループを構成し、該グループの無線エリアに進入してきた通信端末と該グループ内の全ての無線基地局との通信チャネルの割当てを、該グループ内の1つの無線基地局が決定するステップと、
前記1つの無線基地局は、前記割当ての決定をした通信チャネルについて、前記グループで共有するチャネル割当情報を更新するステップと、
前記1つの無線基地局以外のグループ内の各無線基地局は、前記チャネル割当情報を参照して前記通信端末との通信チャネルを割当てるステップと、
を含むことを特徴とする無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
【請求項2】
前記1つの無線基地局は、グループ内の他の無線基地局の通信チャネルの割当てを、まとめて決定するか否かを、前記進入してきた通信端末の移動速度に応じて変更するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
【請求項3】
前記1つの無線基地局は、前記進入してきた通信端末の認証処理を行うステップと、該認証処理のチェック結果情報を、前記グループ内の共有データベースとして保存するステップと、
前記1つの無線基地局以外のグループ内の各無線基地局は、前記共有データベースの認証処理のチェック結果情報を参照して前記通信端末の認証を行うステップと、
含むことを特徴とする請求項1に記載の無線基地局グループによるチャネル割当て方法。
【請求項4】
複数の無線基地局を1つの無線基地局グループとして構成した無線システムにおいて、
前記無線基地局グループの無線エリアに進入してきた通信端末と該グループ内の全ての無線基地局との通信チャネルの割当てを、該グループ内で最初に該通信端末からの信号を受信した1つの無線基地局で決定する手段と、
前記1つの無線基地局が、前記割当ての決定をした通信チャネルについて、前記無線基地局グループで共有するチャネル割当情報を更新する手段と、
前記1つの無線基地局以外のグループ内の各無線基地局が、前記チャネル割当情報を参照して前記通信端末との通信チャネルを割当てる手段と、
を備えたことを特徴とする無線システム。
【請求項5】
前記無線基地局グループ内の各無線基地局間で各キャリアの位相を揃えるキャリア同期手段を備え、各無線基地局は該キャリア同期手段によって同期化したキャリアを生成することを特徴とする請求項4に記載の無線システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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