説明

無線基地局装置およびその制御方法と制御プログラム、通信システム

【課題】端末装置から送信された通信データの通信経路の種別を受信した通信相手に認識させることができる無線基地局装置とその制御方法を提供する。
【解決手段】無線帯域信号を送受信する通信アンテナを有し、この通信アンテナによって受信される無線帯域信号から通信データを復調して出力する無線信号受信部(110)と、この無線信号受信部から出力される前記通信データに通信経路の種別を示す情報を付加するデータ変換部(120)と、このデータ変換部から出力される、通信経路の種別を示す情報を含む前記通信データを通信網に送出する網側送信部(130)とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局装置および制御方法と制御プログラム、通信システムに関し、特に、無線通信の電波が微弱となる通信エリアに設置される無線基地局装置およびその制御方法と制御プログラム、通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信システムでは、交換局装置と専用線によって接続された基地局装置とその通信エリア圏内に存在する端末装置とが無線通信を行っている。
しかし、基地局装置の通信エリア圏内であっても、例えば、建物内や地下など、電波が微弱な場所や遮蔽されてしまう場所(以下、「微弱電波エリア」という。)では、端末装置と基地局装置の間で無線通信が確立せず、このような微弱電波エリア内に端末装置が存在している場合には、この端末装置との移動体通信が不通となってしまう。
【0003】
従来から、上記のような微弱電波エリアにおいて移動体通信を可能とする技術として、極めて小さい通信エリアを持つ無線基地局装置であるフェムトセルアクセスポイントを構成要素とする移動体通信システムが提案されている。フェムトセルアクセスポイントは、その通信範囲が数十メートル程度と極めて小規模な無線基地局装置であり、固定通信網であるブロードバンド回線を介して移動体通信網に接続される。
微弱電波エリアなどに設置されたフェムトセルアクセスポイントは、通常の基地局装置とは無線通信できない端末装置と無線通信を行い、この端末装置による移動体通信を実現させるものである。
【0004】
例えば、音声通信のみならず、映像通信やデータ通信を含めたパケット通信を実現するいわゆる第3世代(以後、「3G」という。)携帯電話の移動体通信システムでは、3G基地局の通信エリア圏内における微弱電波エリア内にフェムトセルアクセスポイントを設置することにより、このフェムトセルアクセスポイントの通信エリア圏内に存在している3G端末装置は、通常設置されている3G基地局装置との無線通信は通信不可であるにもかかわらず、フェムトセルアクセスポイントを介して3G通信網に接続され、その3G端末装置による移動体通信を行うことが可能となる。
【0005】
一方、通信品質を確保したり通信サービスを安定的に提供したりするために、通信サービス提供者等の通信相手が通信経路の種別、例えば、ブロードバンド回線によるデータ通信であるのかナローバンド回線によるデータ通信であるのかといったことを区別できることが必要とされる場合がある。上述したようなフェムトセルアクセスポイントを構成要素とする移動体通信システムにおいては、通信サービス提供者が、フェムトセルアクセスポイントを介してブロードバンド回線を経由した移動体通信なのか、それとも通常設置された基地局装置を経由した移動体通信なのか、通信経路の種別を区別して認識する必要がある。
【0006】
これに対して、特許文献1には、基地局固有のアドレス識別子を含んだヘッダ情報を上り方向の通信信号に付加する技術が開示されており、特許文献2には、携帯電話機の通話不可能地帯においても通話可能とする超小型基地局が有する固有の識別コードを通信網へ通知する技術が開示されている。
また、特許文献3には、通信サービスを安定的に受けることができるように、当該通信の伝送状況に応じてユーザデータのコンテンツを変換してパケット通信を行うデータ伝送の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−115829号公報
【特許文献2】特開2006−261722号公報
【特許文献3】特開2005−328441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されたは、基地局制御装置と基地局との間を接続する共用通信回線に複数の基地局を順次接続して通信システムを構築する際に、この共用通信回線に接続された各基地局に割り当てられた伝送レートを柔軟に変更して回線効率を向上させることを目的としたものであり、移動体通信における通信経路の種別を特定するものではない。
また、特許文献2に開示されている技術は、超小型無線基地局の起動時にこの超小型無線基地局固有の識別コードを通信網に対して通知することによって、通常設置されている無線基地局と同様の基地局動作を超小型無線基地局に行わせるものであり、移動体通信の通信相手が、通信経路の種別、すなわちこの超小型無線基地局を経由した通信なのか、それとも通常設置されている無線基地局を経由した通信なのかを特定することを可能とするものではない。
また、特許文献3に開示された技術は、通信状況を監視してこの通信状況に最適なデータサイズを割り出し、この最適なデータサイズに合致するようにコンテンツ内容を変換するデータ伝送方法であって、端末装置との通信経路の種別を特定するものではない。
【0009】
したがって、上述したような従来の技術では、端末装置との通信経路が通常設置されている基地局装置を介して専用線を経由したものであるのか、フェムトセルアクセスポイントを介してブロードバンド回線を経由したものであるのかを、サービスを提供するサーバ装置などの通信相手に認識させることができないため、移動体通信システムにおける通信品質の確保や通信サービスの安定的な提供が妨げられる可能性がある。
本発明は、上記の問題を解決すべく、通信インフラや端末装置の仕様を変更することなく、端末装置との通信経路の種別を、通信相手に認識させることができる無線基地局装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するために、本発明は、無線帯域信号を送受信する通信アンテナを有し、この通信アンテナによって受信される無線帯域信号から通信データを復調して出力する無線信号受信部と、この無線信号受信部から出力される前記通信データに通信経路の種別を示す情報を付加するデータ変換部と、このデータ変換部から出力される、通信経路の種別を示す情報を含む前記通信データを通信網に送出する網側送信部とを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、通信データの通信経路の種別を示す情報が付加されて、この通信経路の種別を示す情報が通信データとともに通信網に接続される通信相手に対して送信されるので、本発明にかかる無線基地局から通信データを受信した通信相手は、受信した通信データからその通信データの通信経路の種別を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる無線基地局装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、第1の実施の形態にかかる無線基地局装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントを含む移動体通信システムの構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、第2の実施の形態にかかるフェムトアクセスポイントに予め記憶されている接続許可端末情報の一例を示す図である。
【図5】図5は、加入者識別子に関連付けて構成されている変換ルールの一例を示す図である。
【図6】図6は、加入者識別子に関連付けて構成されている変換ルールの一例を示す図である。
【図7】図7は、第2の実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントの動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は、第2の実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントを含む移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図9】図9は、本発明の第3の実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントの構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、本発明の第4の実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態にかかる無線基地局装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態にかかる無線基地局装置は、端末装置から送信された無線帯域信号を受信して、この無線帯域信号におけるユーザプレーンデータの一部を変換した通信データを通信網を介して通信相手へ送出するものである。図1に示すように、無線基地局装置10は、無線信号受信部110と、データ変換部120と、網側送信部130とから構成されている。
【0014】
無線信号受信部110は、端末装置との間で無線帯域信号を送受信する通信アンテナを有し、この通信アンテナによって受信される無線帯域信号から通信データを復調して出力する。
データ変換部120は、無線信号受信部110から出力される通信データに通信経路の種別を示す情報付加して、この通信経路の種別を示す情報を付加された通信データを出力する。
網側送信部130は、データ変換部120から出力される通信データを通信網を介して通信相手に対して送信する。
【0015】
本実施の形態にかかる無線基地局装置10は、CPU(中央演算装置)やメモリ、インターフェースからなるコンピュータにコンピュータプログラムをインストールすることによって実現され、上述した無線基地局装置10の各種機能は、上記コンピュータの各種ハードウェア資源と上記コンピュータプログラ(ソフトウェア)とが協働して実現される。
【0016】
次に、本実施の形態にかかる無線基地局装置10の動作について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、無線信号受信部110において、端末装置から送信された無線帯域信号を受信して、この無線帯域信号から復調された通信データを出力する(S101)。
データ変換部120において、無線信号受信部110から出力された通信データには通信経路の種別を示す情報が付加される(S102)。
データ変換部120によって変換された通信データを、網側送信部130は、通信相手に送信する(S103)。
【0017】
このように、本実施の形態にかかる無線基地局装置によれば、接続認証を経た端末装置から送信される通信データのユーザプレーンデータの一部を、この端末装置に対応した所定の条件に基づいて特定の通信経路を示す通信データへ変換することにより、本実施の形態にかかる無線基地局装置から通信網を経由した通信経路の種別をこの通信データを受信した通信網側の通信相手に認識させることができる。
【0018】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントついて説明する。
本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントは、端末装置とこの端末装置の通信相手となるサーバ装置との間で通信データを中継する無線基地局装置であって、ブロードバンド回線を経由して移動体通信サービス網に接続され、端末装置の通信相手となるサーバ装置との間で通信データを送受信することによって、端末装置の移動体通信を実現させるものである。
【0019】
図3は、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントを含む移動体通信システムの構成を示すブロック図である。通常、移動体通信システムは、図3に示すように、端末装置A(A−1〜A−n)から送信される無線帯域信号の通信データを、基地局装置Cによって受信され専用信号線Dを経由して移動体通信サービス網B−2へ出力することで端末装置Aの移動体通信を実現させているが、移動体通信が実現不可となる基地局装置Cの微弱電波エリアにおいては、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイント20を設置することによって、基地局装置Cの微弱電波エリア内に存在している端末装置Aにおいても移動体通信を可能とするものである。
【0020】
ここで、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイント20が送受信する通信データ、すなわち端末装置Aとこの端末装置Aの通信相手となるサーバ装置Eとの間で送受信される通信データについて説明する。
この通信データは、管理プレーンと制御プレーンとユーザプレーンとから構成されるデータ構造を有しており、管理プレーンは、故障情報や設備情報といったネットワーク管理情報の送受信に用いられ、制御プレーンは、通信網との接続や切断といった呼制御データの送受信に用いられ、ユーザプレーンは、ユーザのアプリケーションデータの送受信に用いられる。このようなデータ構造を有する通信データを送受信することによって、各プレーンに含まれるデータの内容、すなわちネットワーク管理情報、呼制御データ、アプリケーションデータの内容に基づいた通信制御が実現されている。
例えば、端末装置Aからサーバ装置Eとの通信を開始する場合には、制御プレーンのデータに基づいて端末装置Aとサーバ装置Eとの通信開始の制御が実施される。また、端末装置Aのアプリケーションによって所望のデータをサーバ装置Eからダウンロードする場合には、ユーザプレーンのデータに基づいてサーバ装置Eが有する指定のアドレスへ接続するといった通信制御や、指定のアドレスで特定されるサーバ装置Eの記憶領域に格納されている所望のデータをダウンロードするといった通信制御が実施される。
【0021】
次に、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイント20の構成について説明する。図3に示すように、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイント20は、無線信号送受信部210と、データ変換部220と、網側送受信部230と、端末認証部240とから構成されている。
【0022】
無線信号送受信部210は、端末装置Aとの間で無線帯域信号の送受信を行う通信アンテナを有し、この受信アンテナによって受信した無線帯域信号を復調して通信データを出力するとともに、通信相手のサーバ装置Eから送信され移動体通信サービス網B−2からブロードバンド回線B−1を経由して網側送受信部230によって受信された通信データを変調して無線帯域信号を出力し、この無線帯域信号を端末装置Aへ送信する。
データ変換部220は、無線信号送受信部210から出力される通信データのユーザプレーンデータの一部を通信経路の種別を示す情報を含んだデータへ変換する。
網側送受信部230は、通信網Bとの間で通信データの送受信を行い、通信相手となるサーバ装置Eとの間で通信データの送受信を行う。
端末認証部240は、無線信号送受信部210によって受信された無線帯域信号の送信元である端末装置Aの接続認証を行う。フェムトセルアクセスポイント20との通信を許可されている端末装置Aであることを特定できた場合には認証応答を行って無線通信を許可し、特定できなかった場合には応答せずに無線通信を許可しない。
【0023】
さらに、データ変換部220は、変換ルール記憶部221と、動作選択部222と、変換ルール検索部223と、変換ルール適用部224と、変換ルール更新部225とから構成されている。
【0024】
変換ルール記憶部221は、ユーザプレーンのデータの一部を変換するための所定の条件である変換ルールを記憶する。変換ルール記憶部221が記憶する変換ルールは、端末認証部240によって接続認証された端末装置Aを特定する情報と関連付けて構成されて記憶されている。
【0025】
動作選択部222は、端末認証部240によって接続認証された端末装置Aから送信された通信データの通信要求の内容、もしくは、サーバ装置Eから送信された通信データに含まれる通信要求の内容に基づいて実行する動作を選択する。
具体的には、端末装置Aから送信された通信要求の内容が、パケット通信の実行を要求するものであるときには、この通信データのユーザプレーンのデータを変換ルール221に記憶されている変換ルールに基づいて変換する動作を選択する。また、端末装置Aから送信された通信要求の内容、もしくは、サーバ装置Eから送信された通信要求の内容が、変換ルールの更新要求であるときには、変換ルール記憶部221に記憶されている変換ルールを更新する動作を選択する。
【0026】
変換ルール検索部223は、端末装置Aが発信元である通信データのユーザプレーンデータを解析して、変換ルール記憶部221から端末装置Aの加入者識別子に対応したこのユーザプレーンのデータに該当する変換ルールを検索する。
【0027】
変換ルール適用部224は、変換ルール検索部223によって検索された変換ルールに基づいてユーザプレーンのデータの一部を変換して、通信経路の種別を示す情報を含んだ通信データを出力する。
【0028】
変換ルール更新部225は、変換ルール記憶部221に記憶されている変換ルールのうち、更新要求の発信元である端末装置Aの加入者識別子に関連付けられて記憶されている変換ルールを更新する。もしくは、ブロードバンド回線B−1を介して受信したパケット通信データに含まれる更新要求の内容に基づいて変換ルール記憶部221に記憶されている変換ルールを更新する。
【0029】
なお、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイント20は、CPU(中央演算装置)やメモリ、インターフェースからなるコンピュータにコンピュータプログラムをインストールすることによって実現され、上述したフェムトセルアクセスポイント20の各種機能は、上記コンピュータの各種ハードウェア資源と上記コンピュータプログラム(ソフトウェア)とが協働して実現される。
【0030】
ここで、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイント20の変換ルール記憶部221に記憶されて管理されている変換ルールについて説明する。
この変換ルールは、通信経路の種別を判別できるようユーザプレーンデータの一部を変換する際の規則である。より具体的には、端末装置Aから送信された通信データがフェムトセルアクセスポイント20によって中継されてサーバ装置Eに送信される場合の変換ルールは、フェムトセルアクセスポイント20が受信した端末装置Aからの通信データのユーザプレーンデータの一部を、通信経路の種別を示す情報を含んだデータ、すなわち、フェムトセルアクセスポイント20からブロードバンド回線B−1を経由したことを示す情報を含んだデータへ変換するためのデータ変換の規則である。
例えば、変換ルール記憶部221に記憶されている変換ルールは、図5に示すように、接続許可端末情報に登録されている「加入者識別子」に対して通信プロトコル種別を示す「プロトコル」、通信ポート番号を示す「ポート」、ユーザプレーンデータの変換パターンを示す「変換パターン」が対応付けられた構成となっている。このような変換ルールを用いて、本実施の形態に係るフェムトセルアクセスポイント20は、受信した通信データのユーザプレーンデータの一部を変換する。
【0031】
次に、端末装置を特定する情報と変換ルールとの関係について説明する。
端末装置には自装置を特定するユニークな加入者識別子が付与されており、図4に示すように、フェムトセルアクセスポイント20には、接続を許可する端末装置の加入者識別子が接続許可端末情報として予め記憶され、後述する接続認証に用いられる。フェムトセルアクセスポイント20において、変換ルール記憶部221に記憶されている変換ルールはこの接続許可端末情報に登録されている加入者識別子と関連付けて記憶されている。
【0032】
次に、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイント20の動作について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0033】
[接続認証動作]
無線信号送受信部210は端末装置Aから送信された無線帯域信号を受信して、この無線帯域信号から通信データを出力するが、端末装置Aから初めて受信した通信データ、すなわち、端末認証要求を受信した場合(S201)、端末認証部240は、端末装置Aの接続認証を行う(S202〜S204)。
【0034】
無線信号送受信部210が受信した端末認証要求に含まれる識別情報が、接続許可端末情報に登録されている識別情報と一致しなかった場合(S202で「No」)、端末認証部240は、この通信要求の送信元である端末装置Aとの接続を許可しない。したがって、無線信号送受信部210は端末装置Aが送信する無線帯域信号の受信動作を終了する(S203)。
【0035】
一方、受信した識別情報が接続許可端末情報に登録されている識別情報と一致した場合(S102で「YES」)、端末認証部240は、この通信要求の送信元である端末装置Aとの接続を許可して、端末装置Aに対して認証応答を送信する(S204)。この後、フェムトセルアクセスポイント20は、認証応答を受信した端末装置Aとの間で無線通信を開始する。
【0036】
[ユーザプレーンデータの変換動作]
次に、無線信号送受信部210は端末装置Aから送信された無線帯域信号を受信して、この無線帯域信号から通信データを出力する(S205)。
動作選択部222は、無線信号送受信部210から出力された通信データに含まれる通信要求の内容、すなわちこの通信データのユーザプレーンデータの要求内容に基づいて実行する動作を選択する(S206)。
【0037】
通信要求の内容がパケット通信を要求する、すなわち通信相手となるサーバ装置Eとのデータ通信を要求するものである場合、動作選択部222は、この通信データのユーザプレーンデータの一部を変換ルールに則って変換する変換ルール適用部224による動作を選択する(S206で「パケット通信要求」)。
このとき、変換ルール検索部223は、変換ルール記憶部221に記憶されている変換ルールのうち、受信した端末装置Aが送信元である通信データのユーザプレーンデータの要求内容に基づいて、端末装置Aの識別情報に関連付けられたユーザプレーンデータの変換ルールを検索する(S207)。
【0038】
次に、変換ルール適用部224において、変換ルール検索部223によって検索された変換ルールに則って、ユーザプレーンデータの一部を通信経路の種別を示す情報を含んだデータへ変換する(S208)。
【0039】
データ変換部220は、変換ルール適用部224によって変換された通信経路の種別を示す情報を含んだ通信データを網側送受信部230へ出力する(S209)。
網側送受信部230は、データ変換部220より出力された通信データをパケット通信における通信データとしてサーバ装置Eへ送信するため、ブロードバンド回線B−1へ送出する(S210)。したがって、この通信データを受信した通信相手は、通信データのユーザプレーンデータの内容に基づいて通信経路の種別を判別することができる。
【0040】
[ユーザプレーンデータの変換の具体例]
ここで、図5に示す変換ルールの一例を参照して、変換ルールに則ったユーザプレーンデータの変換について説明する。この例においては、「4401009012345678」は端末装置Aの識別情報を表すものとする。
図5に示すように、識別情報「4401009012345678」には、「User−Agent:*」を「User−Agent:femto/mobile−phone」へ変換する変換ルールが対応付けられているので、識別情報「4401009012345678」を有する端末装置Aから送信された通信データのユーザプレーンデータの内容に、「User−Agent:*」といったメッセージが含まれていると、変換ルール検索部223は変換ルール記憶部221に記憶されている変換ルールから、このユーザプレーンデータの内容に該当する変換ルールを検索して、該当する変換ルールの存在を確認する。変換ルール適用部224は、変換ルール検索部223によって確認された変換ルールに則ってユーザプレーンデータの一部を「User−Agent:femto/mobile−phone」へ変換する。
【0041】
[変換ルールの更新動作]
次に、変換ルール記憶部221に記憶されている変換ルールの更新動作について説明する。
端末装置Aから送信された通信データの通信要求の内容が変換ルールの更新要求である場合、動作選択部222は、変換ルール記憶部221に記憶されている変換ルールのうち、該当する変換ルールを更新する変換ルール更新部225による動作を選択する(S206で「ルール更新要求」)。
【0042】
このとき、動作選択部222によって変換ルールの更新動作が選択されると、変換ルール検索部223は、変換ルール記憶部221に記憶されている変換ルールから受信した変換ルールの更新要求に該当する変換ルールを検索する(S211)。ここで、更新要求に該当する変換ルールとは、変換ルールの更新要求の送信元である端末装置Aの識別情報に関連付けられて記憶されている変換ルール、もしくは、受信した通信データに含まれる変換ルールの更新内容に基づいて変換ルール検索部223によって検索された変換ルールである。
【0043】
変換ルール更新部225は、変換ルール検索部223による変換ルールの検索の結果、該当する変換ルールの更新処理を実行する(S212)。
変換ルールの更新処理は、例えば、検索した該当する変換ルールに、変換ルールの更新要求に含まれる更新内容を反映させて新たな変換ルールへ更新する動作としても良い。さらに、検索した変換ルールを更新するためのユーザインターフェースを提供して、ユーザからの操作によって変換ルールの変更を行うとする動作としても良い。
【0044】
また、端末装置Aの通信相手から送信された通信データ、すなわちサーバ装置Eから送信され移動体通信サービス網B−2からブロードバンド回線B−1を経由して網側送受信部230によって受信された通信データに含まれる通信要求の内容が、変換ルールの更新要求である場合についても、上記の動作を実行する(S211〜S212)。このとき、変換ルール検索部223と変換ルール更新部225は、受信した変換ルールの更新内容に基づいて、変換ルール記憶部221に記憶されている変換ルールを検索して更新する。
【0045】
フェムトセルアクセスポイント20は、変換ルールの更新処理が完了した後に、変換ルールの更新要求の送信元(端末装置Aもしくはサーバ装置E)に対して変換ルールの更新処理が完了した旨の通信応答を送信する(S213)。
【0046】
[移動体通信システムにおけるフェムトセルアクセスポイントの動作]
次に、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントを含む移動体通信システムの動作について、図8に示すシーケンス図を参照して説明する。
まず、端末装置Aから送信された通信要求である通信データをフェムトセルアクセスポイント20が初めて受信すると(S1)、フェムトセルアクセスポイント20は、端末装置Aの認証動作を実行する(S2)。端末装置Aが認証されると、フェムトセルアクセスポイント20から端末装置Aに対して通信応答である認証応答が送信される(S3)。
次に、認証応答を受信した端末装置Aから再び送信された通信要求をフェムトセルアクセスポイント20が受信すると(S4)、フェムトセルアクセスポイント20は、この通信要求の種別を判定する(S5)。
フェムトセルアクセスポイント20が受信した通信データの通信要求の内容が、変換ルールの更新要求であった場合(S5で「変換ルール更新要求」)、フェムトセルアクセスポイント20は変換ルールの更新処理動作を実行して(S6)、更新完了の後、端末装置Aに対して更新処理動作が完了した旨の通信応答を送信する(S7)。
【0047】
一方、フェムトセルアクセスポイント20が受信した通信データの通信要求の内容が、サーバ装置Eとのパケット通信の要求であった場合(S5で「パケット通信要求」)、フェムトセルアクセスポイント20は、受信した通信データのユーザプレーンデータの一部を通信経路の種別を示す情報を含んだデータへ変換して(S8)、この変換後のユーザプレーンデータを含んだ通信データをサーバ装置Eに対する通信要求として送信する(S9)。フェムトセルアクセスポイント20は、この通信要求に応じたサーバ装置Eからの通信応答を受信すると(S10)、端末装置Aからの通信要求に応じた通信応答として、端末装置Aに対して受信した通信データを送信する(S11)。
【0048】
また、フェムトセルアクセスポイント20はサーバ装置Eからの通信要求である通信データを受信すると(S12)、この通信データの通信要求の種別を判定する(S13)。
通信要求の内容が変換ルールの更新要求であった場合(S13で「変換ルール更新要求」)、フェムトセルアクセスポイント20は、変換ルールの更新処理動作を実行して(S14)、更新完了の後、サーバ装置Eに対して更新処理動作が完了した旨の通信応答を送信する(S15)。
【0049】
一方、通信要求の内容がパケット通信の要求であった場合(S13で「パケット通信要求」)、フェムトセルアクセスポイント20は、受信した通信データを端末装置Aに対する通信要求として送信する(S16)。この通信要求に応じた端末装置Aからの通信応答を受信したフェムトセルアクセスポイント20は(S17)、サーバ装置Eからの通信要求に応じた通信応答として受信した通信データを送信する(S18)。
【0050】
また、本実施の形態に係るフェムトセルアクセスポイント20において記憶されユーザプレーンデータの変換に用いられる変換ルールには、通信先のホスト名情報を変換する「変換パターン」に接続許可端末情報に登録されている「加入者識別子」が対応付けられた構成としても良い。
【0051】
ここで、図6に示す変換ルールの一例を参照して、変換ルールに則ったユーザプレーンデータの変換について説明する。この例において、「4401009012345678」は端末装置Aの識別情報を表すものとする。
図6に示すように、通信ホスト先の情報「www.host.com」を「femto.host.com」へ変換する変換ルールが識別情報「4401009012345678」に対応付けられているので、変換ルール検索部223は、識別情報「4401009012345678」を有する端末装置Aから送信された通信データのユーザプレーンデータの内容に、この通信データの通信先の情報、すなわち通信ホスト先の情報に「www.host.com」が含まれているか否かを検索し、該当するユーザプレーンデータの内容を確認する。変換ルール適用部224は、該当する通信ホスト先の情報を確認すると、その通信ホスト先情報を「femto.host.com」へ変換する。
上記のような、通信先ホスト名情報を一括して変換する変換ルールに則ってユーザプレーンデータの変換を行うことにより、変換されたホスト名情報に対応する通信先のホスト、すなわちサーバ装置などのサービス提供者は、この変換後の通信データを受信するとフェムトセルアクセスポイント20を経由したものであることを判別できる。
【0052】
このように、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントが、端末装置より送信される通信データのユーザプレーンデータの一部を通信経路の種別を示す情報を含んだデータへ変換して、この変換後の通信データを通信網へ送出することにより、端末装置の通信相手であるサーバ装置は、受信した通信データの内容に基づいて通信経路の種別を認識することができる。したがって、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントを経由した通信データを受信するサーバ装置は、この通信データにおける通信経路の種別を判別でき、この通信データの送信元である端末装置に対して通信経路の種別に応じた通信制御が可能となる。
また、移動体通信システムにおいては、一般的に、端末装置から通常設置されている基地局装置を経由した通信とフェムトセルアクセスポイントを経由した通信とを比較した場合、フェムトセルアクセスポイントの特徴から、通常設置された基地局装置を経由した通信よりもフェムトセルアクセスポイントを経由した通信の方がデータの転送速度が安定するといわれている。
このことからも、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントを介してブロードバンド回線を経由した通信であることを通信網側のサービス提供者が判別できると、この通信に対して、通常設置されている基地局装置を経由した通信とは区別してブロードバンド回線に対応したサービスやコンテンツを提供することができ、端末装置の状況に応じた安定的な通信サービスの提供が可能となる。
さらに、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントは、受信した通信データの内容に基づいてユーザプレーンデータの変換ルールを更新することができるので、この変換ルールの保守管理を集中して行うことができ、通信システムの保守管理を正確に容易に行うことが可能となる。
【0053】
[第3の実施の形態]
図9は、本発明における第3の実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントの構成を示すブロック図である。
本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントは、端末装置とこの端末装置の通信相手となるサーバ装置との間で通信データを中継すると同時に、この通信データの通信経路の種別を判別できるように変換した通信データを出力する無線基地局装置であって、さらに、通信インターフェースを設け、この通信インターフェースを介してデータ通信を行うものである。
なお、本実施の形態にかかる無線基地局装置の構成要素について、第2の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成および機能を有するものには、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0054】
図9に示すように、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイント30は、無線信号送受信部210と、データ変換部220と、網側送受信部230と、端末認証部240と、通信インターフェース部350とから構成されている。
【0055】
通信インターフェース部350は、通信機能を有するPC端末Fと接続され、このPC端末Fとの間でデータの送受信を行う。ここで、通信インターフェース部350とPC端末Fとの間で行うデータの送受信の手段には、USBや有線LANなどの有線によるデータの送受信、もしくは、赤外線通信や無線LANなどの無線によるデータの送受信とすることができる。
【0056】
次に、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイント30と通信インターフェース部350に接続されるPC端末Fとの間で行われるデータ通信について説明する。
PC端末Fが通信インターフェース350に接続されると、端末認証部240は、PC端末Fの接続認証を行う。ここで、端末認証部240によるPC端末Fの接続認証には、PC端末FによってユーザIDとパスワードといったユーザ情報を入力して、このユーザ情報が予めフェムトセルアクセスポイント30に記憶されているユーザ情報と一致するか否かによって認証を行う動作としても良い。
【0057】
PC端末Fの接続認証がなされると、このPC端末Fとフェムトセルアクセスポイント30との間でデータ通信が行われる。
例えば、通信インターフェース350を介してフェムトセルアクセスポイント30に接続したPC端末Fは、メンテナンスモードといった保守管理専用のユーザインターフェースを利用して、変換ルールの更新要求をフェムトセルアクセスポイント30に対して送信するなどしてデータ通信を行うといった動作としても良い。
【0058】
このように、フェムトセルアクセスポイントに外部からのデータ通信が可能となる通信インターフェースをさらに設けることによって、この通信インターフェースに接続されてデータ通信を行うパーソナルコンピュータなどの端末装置から変換ルールの更新を実行することができる。したがって、変換ルールの保守管理を遠隔操作で且つ集中してフェムトセルアクセスポイント毎に行うことができる。
【0059】
[第4の実施の形態]
図10は、本発明における第4の実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントの構成を示すブロック図である。
本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイントは、端末装置とこの端末装置の通信相手となるサーバ装置との間で通信データを中継すると同時に、この通信データの通信経路の種別を判別できるように変換した通信データを出力する無線基地局装置であって、さらに、シムカードインターフェースを設け、このシムカードインターフェースに装着されるシムカードに記憶されているデータを読み書きできるものである。
なお、本実施の形態にかかる無線基地局装置の構成要素について、第2の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成および機能を有するものには、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0060】
図10に示すように、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイント40は、無線信号送受信部210と、データ変換部220と、網側送受信部230と、端末認証部240と、シムカードインターフェース450と、このシムカードインターフェースに装着されるシムカード460とから構成されている。
【0061】
シムカードインターフェース450は、記憶部461を備えるシムカード460を装着して、シムカード460との間でデータ通信を行う。
シムカード460の記憶部461には、図4に示すような接続許可加入者識別子情報や図5または図6に示すような変換ルールといった情報が記憶されている。
【0062】
次に、本実施の形態にかかるフェムトセルアクセスポイント40において、シムカードインターフェース450を介するデータ通信について説明する。
シムカード460がシムカードインターフェース450に装着されると、端末認証部240によってシムカード460の接続認証を行う。シムカード460が認証されると、データ変換部220はシムカード460の記憶部461に記憶されている情報の読出しと書込みを行う。
例えば、シムカード460の記憶部461に記憶されている変換ルールをデータ変換部220は読み出して、この読み出した変換ルールを変換ルール記憶部221に記憶されている変換ルールに反映させるといった変換ルールの転記を行う。さらには、シムカード460の記憶部461に記憶されている変換ルールに新たな変換ルールを直接書き込む変換ルールの更新を行う動作としても良い。
【0063】
このように、フェムトセルアクセスポイントにシムカードインターフェースをさらに設けることによって、このシムカードインターフェースに装着されるシムカードに記憶されているデータの読出しや書込みをを行うことができる。
したがって、シムカードの記憶部に記憶されている変換ルールを本実施の形態のフェムトセルアクセスポイントに反映させることができるとともに、シムカードの記憶部に記憶されている変換ルールの更新もできるので、フェムトセルアクセスポイントの移設などに伴う変換ルールの転記を容易に行うことができる。
すなわち、フェムトセルアクセスポイントを新たに設置したり、すでに設置されているフェムトセルアクセスポイントの移設を行う場合の変換ルールの保守管理を容易に且つ効率的に行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
携帯端末装置と接続してパケット通信を行う無線基地局装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0065】
10,20,30,40…無線基地局装置(フェムトセルアクセスポイント)、110…無線信号受信部、210…無線信号送受信部、120,220…データ変換部、221…変換ルール記憶部、222…動作選択部、223…変換ルール検索部、224…変換ルール適用部、225…変換ルール更新部、130…網側送信部、230…網側送受信部、240…端末認証部、350…通信インターフェース部、450…シムカードインターフェース部、460…シムカード、461…記憶部、A(A−1〜A−n)…端末装置、B…通信網、B−1…ブロードバンド回線、B−2…移動体通信サービス網、C…基地局装置、D…専用通信線、E…サーバ装置、F…PC端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線帯域信号を送受信する通信アンテナを有し、この通信アンテナによって受信される無線帯域信号から通信データを復調して出力する無線信号受信部と、
この無線信号受信部から出力される前記通信データに通信経路の種別を示す情報を付加するデータ変換部と、
このデータ変換部から出力される、通信経路の種別を示す情報を含む前記通信データを通信網に送出する網側送信部と
を備えることを特徴とする無線基地局装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無線基地局装置において、
前記通信データの送信元となる端末装置の接続認証を行い、認証された端末装置との無線通信を許可する端末認証部をさらに備え、
前記データ変換部は、
前記端末認証部によって接続認証される端末装置を特定する情報と前記通信データの変換内容を定めた変換ルールとを関連付けて記憶する変換ルール記憶部と、
認証された前記端末装置から送信された前記通信データに対する前記変換ルールを前記変換ルール記憶部から検索する変換ルール検索部と、
この変換ルール検索部によって検索された前記変換ルールに基づいて前記通信データを変換する変換ルール適用部と
を備えることを特徴とする無線基地局装置。
【請求項3】
請求項2に記載の無線基地局装置において、
前記データ変換部は、前記変換ルール記憶部に記憶されている前記変換ルールの更新を行う変換ルール更新部をさらに備え、
前記通信データの通信要求の内容が通信相手とのパケット通信を要求するものであるときには、前記データ変換部による処理を選択し、前記通信データが前記変換ルールの更新要求であるときには、前記変換ルール更新部による処理を選択することを特徴とする無線基地局装置。
【請求項4】
請求項3に記載の無線基地局装置において、
前記通信網を介して前記網側送受信部によって受信された通信データの通信要求の内容が変換ルールの更新要求であるときには、前記変換ルール更新部による変換ルールの更新処理を行うことを特徴とする無線基地局装置。
【請求項5】
請求項1に記載の無線基地局装置において、
前記通信データは、ネットワークの管理を行う管理プレーンと、呼制御を行う制御プレーンと、ユーザのアプリケーションデータの送受信に用いられるユーザプレーンとからなり、
前記データ変換部は、前記通信データのユーザプレーンデータの一部を変換することを特徴とする無線基地局装置。
【請求項6】
請求項5に記載の無線基地局装置において、
前記データ変換部は、
前記通信データのユーザプレーンデータに含まれる通信先のホスト名情報を変換することを特徴とする無線基地局装置。
【請求項7】
請求項2に記載の無線基地局装置において、
外部のデータ通信機能を有する通信装置と接続してデータ通信を行う通信インターフェースをさらに備え、
前記データ変換部は、この通信インターフェースを介して前記通信装置とのデータ通信に基づいて前記変換ルール記憶部に記憶されている変換ルールを更新することを特徴とする無線基地局装置。
【請求項8】
請求項2に記載の無線基地局装置において、
シムカードインターフェースをさらに備え、
前記変換ルールは、このシムカードインターフェースに装着されるシムカードの記憶部に記憶されることを特徴とする無線基地局装置。
【請求項9】
無線帯域信号を送受信する通信アンテナを有し、この通信アンテナによって受信される無線帯域信号から通信データを復調して出力する無線信号受信部と、この無線信号受信部から出力される前記通信データに通信経路の種別を示す情報を付加するデータ変換部と、前記通信データを通信網に送出する網側送受信部とを備える無線基地局装置の制御方法であって、
受信した無線帯域信号から通信データを復調し出力する通信データ復調ステップと、
前記通信データに通信経路の種別を示す情報を付加するデータ変換ステップと、
この通信経路の種別を示す情報を含む前記通信データを通信網へ送信する通信データ送信ステップと
を有することを特徴とする無線基地局装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の無線基地局装置に、前記通信データの送信元となる端末装置の接続認証を行い、認証された端末装置との無線通信を許可する端末認証部をさらに備えた無線基地局装置の制御方法であって、
前記通信データの送信元である端末装置との接続認証を行う端末認証ステップと、
前記端末認証ステップによって接続認証される端末装置を特定する情報と前記通信データの変換内容を定めた変換ルールとを関連付けて記憶する変換ルール記憶ステップと、
認証された前記端末装置から送信された前記通信データに対する前記変換ルールを前記変換ルール記憶部から検索する変換ルール検索ステップと、
この変換ルール検索部によって検索された前記変換ルールに基づいて前記通信データを変換する変換ルール適用ステップと
を有することを特徴とする無線基地局装置の制御方法。
【請求項11】
請求項9に記載の無線基地局装置の制御方法をコンピュータに実行させるための無線基地局装置の制御プログラム。
【請求項12】
請求項10に記載の無線基地局装置の制御方法をコンピュータに実行させるための無線基地局装置の制御プログラム。
【請求項13】
無線通信基地局とこの無線通信基地局と通信網を介して接続されるサーバ装置とからなる通信システムにおいて、
前記無線基地局装置は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載された無線基地局装置であり、
前記サーバ装置は、前記無線基地局装置から送信される通信データから、この通信データの通信経路の種別を判別する
ことを特徴とする通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−251949(P2010−251949A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−97803(P2009−97803)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】