説明

無線情報配信装置

【課題】無線通信にBluetoothを採用することで通信距離や消費電力に関する実使用上の問題を解決すると共に、干渉の影響を軽減して中継遅延を短縮し、かつ携帯端末の接続台数に実質的な制限がない無線情報配信装置を提供する。
【解決手段】ステップS31において、上位装置より送信されたコンテンツのBluetoothパケットがスレーブ動作するBluetoothモジュールBTsにより受信されると、ステップS32では、受信パケットが受信バッファに一時記憶される。ステップS33では、Bluetoothパケットの送信元へAckパケットが返信される。ステップS34では、一時記憶されたBluetoothパケットが、メモリバス11を経由して、マスタ動作するBluetoothモジュールBTmから下位装置へ転送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Bluetooth(登録商標)通信を採用した無線情報配信装置に係り、特に、マスタ動作専用のBluetoothモジュールおよびスレーブ動作専用のBluetoothモジュールを含む複数のBluetoothモジュールを備えた無線情報配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルサイネージが注目されており、店舗、交通機関、キャンパス、オフィスなどに設置されたディスプレイに、映像や情報などのコンテンツをタイムリーに配信するサービスの普及が始まっている。一般的に、デジタルサイネージには情報配信サーバがネットワークケーブルにより接続され、デジタルサイネージは情報配信サーバからコンテンツを受信してディスプレイの表示内容を動的に更新するが、ネットワークケーブルの施設が困難な環境下では無線通信化の必要がある。
【0003】
現在のデジタルサイネージは、各種の案内や広告などをディスプレイに表示するものが主流であるが、今後は、商品やキャンペーンの情報をユーザが所持している携帯電話へ配信して店舗に誘導するなどのモバイル連携機能が求められる。
【0004】
複数の端末間でデータを伝播するには、各端末が無線LANアクセスポイントを中継器として通信する方式がもっとも広く普及している。しかしながら、無線LANでは最大通信距離が制限されるため、電波が届かない環境下では依然としてネットワークケーブルの施設工事が必須である。
【0005】
また、無線LANは携帯電話などの移動端末への搭載が進みつつあるが、未だに消費電力の問題は無視できない。さらに、多数の無線LAN対応の移動端末を802.11b/gの無線LANアクセスポイントと同時に使うと、ポーリング通信方式により2.4GHz帯の電波が多く飛び交うため、干渉により通信が不安定な状態となって通信速度が低下してしまう。
【0006】
一方、省電力で現在ではほとんどの携帯電話に搭載されているBluetoothは、無線アクセスポイントを介さずに無線端末と他の端末や周辺機器等とを簡単に相互接続することが可能であるため、今後、テレビ、STB、ゲーム機器、コンピュータ、モバイル端末などのデバイスを相互に接続するための無線方式として有望である。
【0007】
また、Bluetoothは同じ周波数帯を利用している機器が近くにある場合、周波数をわずかにずらして通信する周波数ホッピング型スペクトル拡散方式を採用しており、無線LANと比べて干渉の影響を受けにくくなっている。
【0008】
しかしながら、Bluetoothの仕様上は1つの通信ピコネットが、通信の主導権を握るマスタとその管理下に置かれるスレーブとにより構成され、1台のマスタに接続可能なスレーブ台数は7台に制限されている。したがって、複数のピコネット間でデータを転送するためには、図7に一例を示したように、一のピコネットではスレーブ動作する端末を他のピコネットではマスタ動作させることでピコネット同士を接続し、スキャタネット(Scatternet)と呼ばれるより大きなネットワークを構成する必要がある。特許文献1には、このようなスキャタネットの仕組みを利用した情報配信技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−54558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
スキャタネットでは、複数のピコネットがオーバラップするエリアに属する端末は、スレーブ動作する一方のピコネットで受信したデータを、マスタ動作する他方のピコネットへ転送する際は、接続先のピコネットを切り替えながら時分割でデータ通信を行わなければならないので、比較的大きな遅延が生じるという技術課題があった。
【0011】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を全て解決し、無線通信にBluetoothを採用することで通信距離や消費電力に関する実使用上の問題を解決すると共に、干渉の影響を軽減して中継遅延を短縮し、かつ携帯端末の接続台数に実質的な制限がない無線情報配信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明の無線情報配信装置は、以下のような構成を具備した点に特徴がある。
【0013】
(1)Bluetoothモジュールが装着される少なくとも2つのバスポートと、マスタ動作する上位装置との通信を制御する上位用制御プロセスと、スレーブ動作する下位装置との通信を制御する下位用制御プロセスと、バスポートに装着された2つのBluetoothモジュールの一方に上位用制御プロセスを割り当ててスレーブ動作させ、他方に下位用制御プロセスを割り当ててマスタ動作させる動作割当手段と、スレーブ動作するBluetoothモジュールが上位装置から受信したBluetoothパケットを、マスタ動作するBluetoothモジュールから下位装置へ転送させる制御手段と、上位装置から受信したBluetoothパケットを記憶する記憶手段とを具備した。
【0014】
(2)ユーザ端末との通信を制御する少なくとも一つの端末用制御プロセスをさらに具備し、動作割当手段は、バスポートに装着された3つ目以降の各Bluetoothモジュールに前記端末用制御プロセスを割り当ててマスタ/スレーブ動作させるようにした。
【0015】
(3)端末用制御プロセスを割り当てられたBluetoothモジュールのマスタ/スレーブ動作を切り換える通信役割切換手段をさらに具備した。
【0016】
(4)Bluetoothモジュールが装着されるバスポートとしてUSBを採用した。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
【0018】
(1)無線情報配信装置に、マスタ動作専用のBluetoothモジュールBTmおよびスレーブ動作専用のBluetoothモジュールBTsを装着し、スレーブ動作専用のBluetoothモジュールが上位装置から受信したBluetoothパケットを、マスタ動作専用のBluetoothモジュールから下位装置へ転送することが可能になるので、スキャタネットと同様のネットワークを小さな転送遅延(オーバヘッダ)で実現できるようになる。
【0019】
(2)第3のBluetoothモジュールを装着してマスタ/スレーブ動作させるので、ユーザ端末とのBluetooth通信も可能になる。
【0020】
(3)マスタ/スレーブ動作する第3のBluetoothモジュールを、待機中はスレーブ動作させることにより、マスタ動作するユーザ端末からの接続要求に応答できるようにする一方、接続後はユーザ端末との間で役割切換を実行させてマスタ動作させるので、同時に複数(最大で7台)のユーザ端末とピコネットを構成できるようになる。
【0021】
(4)複数のBluetoothモジュールをUSBポートに接続し、各Bluetoothモジュールを情報配信装置にUSBデバイスとして認識させるようにしたので、複数のBluetoothモジュールを同時に認識できないプラットホーム上でも複数のBluetoothモジュールを同時に動作させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る情報配信端末により構成される無線ネットワークの構成を示した図である。
【図2】本発明に係る情報配信端末の主要部の構成を示したブロック図である。
【図3】情報配信端末に装着されたBluetoothモジュールBTに動作を割り当てる方法を示したフローチャートである。
【図4】情報配信装置間でのデータ転送手順を示したフローチャートである。
【図5】ユーザ端末を情報配信装置のBluetoothモジュールBTmsへ接続し、かつ登録する手順を示したシーケンスフローである。
【図6】情報配信装置に装着されている複数のBluetoothモジュールの動作を制御する手順を示したフローチャートである
【図7】スキャタネットの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明を適用した複数の情報配信端末1により構成される無線ネットワークの構成を示した図であり、全ての情報配信端末1は同一または同等の構成を有している。
【0024】
各情報配信端末1は、マスタ動作専用のBluetoothモジュールBTm、スレーブ動作専用のBluetoothモジュールBTs、およびマスタ/スレーブの各動作を動的に切り換え可能な少なくとも一つのBluetoothモジュールBTmsを備え、各情報配信端末1のBluetoothモジュールBTm,BTmsは、最大で7台までの他の情報配信端末1のBluetoothモジュールBTsやユーザ端末2とピコネットを構築できる。
【0025】
前記マスタ/スレーブ動作するBluetoothモジュールBTmsは、待ち受け状態ではスレーブ動作することで、マスタ動作するユーザ端末2からの接続要求に備え、ユーザ端末2からの接続要求を検知すると、接続処理の過程でマスタおよびスレーブの動作を交代(ロールチェンジ)し、その後はマスタ動作することで、最大で7台までのスレーブ動作するユーザ端末2と共にピコネットを構築できるようになる。
【0026】
図2は、前記情報配信端末1の主要部の構成を示した機能ブロック図であり、バスポートとして複数のUSBポートPusbおよびその制御プロセスCPが実装されている。各制御プロセスCP0〜CPnにはSPP(Serial Port Profile)/RFCOMM(Radio Frequency Communication)を基準とした仮想シリアルポート通信機能が実装され、制御プロセスCP0は、マスタ動作する上流側の情報配信端末1(以下、上位装置と表現する場合もある)との通信を制御する上位用通信部51を備える。制御プロセスCP1は、スレーブ動作する下流側の情報配信端末(以下、下位装置と表現する場合もある)との通信を制御する下位用通信部52を備える。制御プロセスCP2〜CPnは、ユーザ端末2との通信を制御する端末用通信部53およびマスタ/スレーブ動作を動的に切り換える通信役割切換部54を備える。
【0027】
本実施形態では、各USBポートPusbにBluetoothモジュールが装着され、1番目に装着されたBluetoothモジュールには、前記上位装置との通信部51を備えた制御プロセスCP0が前記プロセス割当部13により割り当てられるので、当該Bluetoothモジュールはスレーブ動作専用(BTs)となる。
【0028】
また、2番目に装着されたBluetoothモジュールには、前記下位装置との通信部52を備えた制御プロセスCP1が前記プロセス割当部13により割り当てられるので、当該Bluetoothモジュールはマスタ動作専用(BTm)となる。
【0029】
さらに、3番目以降に装着される各Bluetoothモジュールには、前記ユーザ端末2との通信部53を備えた制御プロセスCP2〜CPnが前記プロセス割当部13によりそれぞれ割り当てられるので、当該各Bluetoothモジュールはマスタ/スレーブ動作(BTms)する。
【0030】
前記各制御プロセスCPは、メモリバス11を介して記憶部12と接続され、各制御プロセスCPと記憶部12との間のデータ転送、および各制御プロセスCP間のデータ転送は、制御部14による制御下でデータ転送指令により行われる。
【0031】
図3は、前記情報配信端末1において、各USBポートPusbに装着されたBluetoothモジュールに対して、マスタ動作、スレーム動作およびマスタ/スレーブ動作のいずれかを選択的に割り当てる方法を示したフローチャートであり、ここでは、いずれのUSBポートPusbにもBluetoothモジュールが装着されていない状態から説明を始める。
【0032】
ステップS1では、いずれかのUSBポートにBluetoothモジュールが新規に接続されたか否かが判定される。Bluetoothモジュールの新規接続が検知されるとステップS2へ進み、今回のBluetoothモジュールがいくつ目であるか判定される。
【0033】
最初は1つ目と判定されるのでステップS3へ進み、当該Bluetoothモジュールにスレーブ動作が要求される。ステップS4では、前記Bluetoothモジュールに前記制御プロセスCP0が割り当てられてスレーブ動作専用(BTs)となる。
【0034】
これに対して、2つ目と判定されるとステップS5へ進み、当該Bluetoothモジュールにマスタ動作が要求される。ステップS6では、前記BluetoothモジュールBTに前記制御プロセスCP1が割り当てられてマスタ動作専用(BTm)となる。
【0035】
また、3つ目以降と判定されるとステップS7へ進み、当該Bluetoothモジュールにマスタ/スレーブ動作が要求される。ステップS8では、前記Bluetoothモジュールに、前記制御プロセスCP2〜CPnの中で未割当のものが割り当てられる。
【0036】
なお、上記の説明では1つ目のBluetoothモジュールがスレーブ動作専用(BTs)となり、2つ目のBluetoothモジュールがマスタ動作専用(BTm)となるものとして説明したが、これとは逆に、1つ目のBluetoothモジュールがマスタ動作専用(BTm)となり、2つ目のBluetoothモジュールがスレーブ動作専用(BTs)となるようにしても良い。
【0037】
次いで、各情報配信装置1において、前記制御部14の制御下で、スレーブ動作するBluetoothモジュールBTsが上位装置から受信したコンテンツを下位装置へ転送すると共に自身の記憶部12に蓄積する手順について、図4のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは上位装置から送信されるBluetoothパケットの宛先アドレスがマルチキャストアドレスであり、相互接続の全ての情報配信装置1が当該パケットの受信対象であるものとして説明する。
【0038】
ステップS31において、上位装置より送信されたコンテンツを構成するBluetoothパケットが前記スレーブ動作専用のBluetoothモジュールBTsにより受信されると、ステップS32では、前記Bluetoothパケットが受信バッファ(図示せず)に一時記憶される。ステップS33では、前記Bluetoothパケットの送信元である上位装置へAckパケットが返信される。
【0039】
ステップS34では、前記一時記憶されたBluetoothパケットが、前記メモリバス11を経由して、前記マスタ動作専用のBluetoothモジュールBTmから下位装置へ転送される。なお、BluetoothモジュールBTmsにユーザ端末が接続されている場合には、前記Bluetoothパケットを下位装置へ転送するのと同時にBluetoothモジュールBTmsからユーザ端末へも転送するようにしても良い。
【0040】
ステップS35では、ピコネットで接続されている全ての下位装置への転送が終了したか否かが判定される。終了していなければステップS34へ戻り、残りの全ての下位装置に対して上記の転送処理が繰り返される。
【0041】
ステップS36では、前記Bluetoothパケットの送信元から送信完了通知が受信されたか否かが判定される。受信されていなければステップS31へ戻り、次のBluetoothパケットを受信して上記の各処理が繰り返される。その後、送信完了通知が受信されるとステップS37へ進み、前記受信バッファに蓄積された全てのデータが、前記メモリバス11を経由して記憶部12に蓄積される。なお、本実施形態ではバッファに蓄積されたデータが受信完了後に一括して記憶部12に蓄積されるが、Bluetoothパケットの転送を行うと同時に、少しずつ記憶部12に蓄積されるようにしても良い。
【0042】
図5は、ユーザ端末2を情報配信装置1のBluetoothモジュールBTmsへ接続し、かつ登録する手順を示したシーケンスフローである。
【0043】
ユーザ端末2において、予め探索されたBluetoothモジュールBTmsに対して端末ユーザにより接続要求のキー操作がなされると、時刻t1では、ユーザ端末2のステータスがマスタMへ遷移し、待ち受け状態のBluetoothモジュールBTmsに対して接続要求(HCI_Connection_Request)メッセージが送信される。
【0044】
情報配信装置1では、時刻t2において当該接続要求メッセージがBluetoothモジュールBTmsで検知されて制御プロセスのRFCOMMにより受信されると、前記通信役割切換部54へ接続要求が転送される。時刻t3では、前記通信役割切換部54からRFCOMMに対してマスタMとしての役割が要求される。時刻t4では、マスタMへの遷移を要求する旨の接続応答(HCI_Accept_Connection_Request)メッセージがユーザ端末2へ返信される。
【0045】
ユーザ端末2からは、時刻t5において設定準備(HCI_Command_Status)メッセージが送信され、時刻t6において、自身の役割をマスタMからスレーブSに切り換える役割切換要求(HCI_Role_change)メッセージが送信される。時刻t7では、ユーザ端末2からRFCOMMへ接続完了(HCI_Connection_Complete)メッセージが送信される。時刻t8では、RFCOMMから前記通信役割切換部54へ役割切換の実行が要求される。時刻t9では、前記通信役割切換部54から通信部53へ役割切換の完了が通知される。これにより、ユーザ端末2の役割がマスタMからスレーブSに切り換わるので、BluetoothモジュールBTmsをマスタM、ユーザ端末2をスレーブSとするピコネットが構築される。
【0046】
時刻t10では、ユーザ端末2から情報配信装置1へ接続完了応答が送信される。時刻t11では、情報配信装置1からユーザ端末2へコンテンツ送信が開始され、例えば上位装置から受信して記憶部12に記憶されているコンテンツが、メモリバス11および制御プロセスCPを経由してBluetoothモジュールBTmsから各ユーザ端末2へ送信される。
【0047】
その後、時刻t12において、他のユーザ端末2から接続要求(HCI_Connection_Request)メッセージが送信されると、上記と同様の手順が繰り返され、当該ユーザ端末2もスレーブSとしてピコネットに参加できるようになる。
【0048】
図6は、情報配信装置1に装着されている複数のBluetoothモジュールBTmsの動作を制御する手順を示したフローチャートである。本実施形態では、情報配信装置1に複数のBluetoothモジュールBTmsが装着されているとき、一つのBluetoothモジュールBTmsに7台のユーザ端末が接続されて空きポートが無くなるまでは他のBluetoothモジュールBTmsを待機させることで、ユーザ端末2からの接続要求に対して複数のBluetoothモジュールBTmsが同時に応答しないようにしている。
【0049】
ステップS51では、情報配信装置1に装着されている複数のBluetoothモジュールBTmsの中の1つのみがアクティブ化され、残りのBluetoothモジュールBTmsは全て待機モードとされる。ステップS52では、アクティブ化されているBluetoothモジュールBTms(1つとは限らない)に待ち受け状態の空きポートがなくなったか否かが判定される。最初は空きポートがあるのでステップS52へ戻る。
【0050】
その後、前記図3の接続処理が繰り返されて複数のユーザ端末2が接続され、アクティブ化されているBluetoothモジュールBTmsに空きポートが無くなるとステップS53へ進む。ステップS53では、待機中のBluetoothモジュールBTmsの中から一つが選択されて追加的にアクティブ化される。したがって、これ以降に接続要求するユーザ端末には、当該新たにアクティブ化されたBluetoothモジュールBTmsが応答することになる。
【符号の説明】
【0051】
1…情報配信端末,2…ユーザ端末,11…メモリバス,記憶部12…,13…プロセス割当部,14…制御部,51…上位用通信部,52…下位用通信部,53…端末用通信部,54…通信役割切換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Bluetoothモジュールが装着される少なくとも2つのバスポートと、
マスタ動作する上位装置との通信を制御する上位用制御プロセスと、
スレーブ動作する下位装置との通信を制御する下位用制御プロセスと、
前記各バスポートに装着された2つのBluetoothモジュールの一方に上位用制御プロセスを割り当ててスレーブ動作させ、他方に下位用制御プロセスを割り当ててマスタ動作させる動作割当手段と、
前記スレーブ動作するBluetoothモジュールが上位装置から受信したBluetoothパケットを、前記マスタ動作するBluetoothモジュールから下位装置へ転送させる制御手段と、
前記上位装置から受信したBluetoothパケットを記憶する記憶手段とを具備したことを特徴とする無線情報配信装置。
【請求項2】
ユーザ端末との通信を制御する少なくとも一つの端末用制御プロセスをさらに具備し、
前記動作割当手段は、前記バスポートに装着された3つ目以降の各Bluetoothモジュールに前記端末用制御プロセスを割り当ててマスタ/スレーブ動作させることを特徴とする請求項1に記載の無線情報配信装置。
【請求項3】
前記端末用制御プロセスを割り当てられたBluetoothモジュールのマスタ/スレーブ動作を切り換える通信役割切換手段を具備したことを特徴とする請求項2に記載の無線情報配信装置。
【請求項4】
前記バスポートがUSBであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の無線情報配信装置。
【請求項5】
前記動作割当手段は、USBポートに1番目に装着されたBluetoothモジュールに前記上位用制御プロセスを割り当ててスレーブ動作させ、2番目に装着されたBluetoothモジュールに前記下位用制御プロセスを割り当ててマスタ動作させることを特徴とする請求項4に記載の無線情報配信装置。
【請求項6】
前記動作割当手段は、USBポートに1番目に装着されたBluetoothモジュールに前記下位用制御プロセスを割り当ててマスタ動作させ、2番目に装着されたBluetoothモジュールに前記上位用制御プロセスを割り当ててスレーブ動作させることを特徴とする請求項4に記載の無線情報配信装置。
【請求項7】
前記動作割当手段は、USBポートに3番目以降に接続された各Bluetoothモジュールに前記端末用制御プロセスを割り当ててマスタ/スレーブ動作させることを特徴とする請求項5または6に記載の無線情報配信装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記スレーブ動作するBluetoothモジュールが上位装置から受信したBluetoothパケットを、前記マスタ動作するBluetoothモジュールが下位装置へ転送させると同時に、前記バスポートに装着された3つ目以降の各Bluetoothモジュールにより各ユーザ端末へも送信させることを特徴とする2ないし7のいずれかに記載の無線情報配信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−74953(P2012−74953A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218790(P2010−218790)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】