説明

無線端末および復調方法

【課題】他の無線端末の変調方式が通知されなくても受信信号を復調することができる。
【解決手段】受信部1aは、送信装置3から無線端末1宛ての信号に適用されている変調方式の情報を受信する。MLD部1bは、受信部1aの受信した情報に基づく変調方式と、他の無線端末2宛ての信号に適用され得る複数の変調方式とによって、受信信号の最尤検出を行う。推定部1cは、MLD部1bの複数の変調方式のそれぞれにおける最尤検出過程で得られる所定の情報に基づいて、他の無線端末2宛ての信号に適用されている変調方式を推定する。制御部1dは、推定部1cの推定した変調方式と、受信部1aの受信した変調方式とによって、最尤検出を行うようにMLD部1bを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、複数のアンテナを用いて無線通信を行う無線端末およびその復調方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、増加する無線通信のデータ量に対応するため、高い周波数利用効率を実現できるOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を用いた移動通信システムが実用化されている。その中でも携帯電話システムでは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、LTE(Long Term Evolution)の標準規格が策定されている。また、LTEをさらに発展させたLTE−A(LTE-Advanced)の標準化も進められている。
【0003】
LTEおよびLTE−Aでは、さらに周波数利用効率を向上するために、OFDMAに加えて、複数の送受信アンテナで無線通信を行うMIMO(Multi-Input Multi-Output)技術が用いられる。
【0004】
MIMOを用いた無線通信では、送信側で異なる信号を複数のアンテナから同時に送信し、受信側では、それらの信号を複数のアンテナによって受信する。このようにして受信された信号には、複数のアンテナから送信された信号が混ざっており、受信側は、受信信号から送信アンテナごとの信号を分離するための復調処理を行う。
【0005】
MIMOの復調技術に関しては、様々な技術があるが、代表的なものとして、例えば、MLD(Maximum Likelihood Detection)、MMSE(Minimum Means Square Error)、およびZF(Zero Forcing)などが挙げられる。MLDは、誤り率を最小にすることができるが計算量が多い。一方、MMSEやZFは、誤り率ではMLDに劣るが、線形処理で計算量が少ない。
【0006】
MIMOでは、受信側の無線端末(ユーザ)数という観点から、SU−MIMO(Single User-MIMO)とMU−MIMO(Multi User-MIMO)との2つに分類することができる。SU−MIMOでは、送信側は、1つの無線端末に対する信号を複数のアンテナから送信する。一方、MU−MIMOでは、送信側は、複数の無線端末に対する信号を別のアンテナから同時に送信する。なお、LTEのDL(Down Link)通信では、Transmission Mode 8として、UE-Specific RSを用いた2×2のMU−MIMOが規定されている。また、LTE−Aでは、Transmission Mode 9として、最大8×8のMIMOが規定されており、この中でMU−MIMOが適用される可能性も残されているため、MU−MIMOの重要性は今後さらに増していくと考えられる。
【0007】
MU−MIMOにおいて、MMSEやZFでは、無線端末は、多重されている他ユーザの変調方式が何であるか知らなくても受信信号を復調することができる。一方、MLDでは、無線端末は、受信信号を復調するのに、自分に適用されている変調方式と、多重されている他ユーザの変調方式とを知ることを要する。MLDでは、受信信号のレプリカを生成するために、自分に適用されている変調方式と、多重されている他ユーザの変調方式とを要するからである。
【0008】
例えば、自分の受信信号に適用されている変調方式をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)とする。また、多重されている他ユーザの受信信号に適用されている変調方式を16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)とする。無線端末は、QPSKと16QAMの変調方式を知ることにより、4×16個のレプリカを生成することができ、MLDを行うことができる。
【0009】
なお、従来、信号分離するQRM−MLD法に基づく計算量を削減することができる、MU−MIMOシステムにおける受信機、制御プログラム、および受信制御方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
また、MU−MIMOシステムにおいて、受信側の信号検出アルゴリズムに最尤検出を用いることが可能な通信装置および通信方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−228145号公報
【特許文献2】特開2008−118380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
移動通信システムには、送信側から自分の受信信号に適用されている変調方式は通知されるが、多重されている他の無線端末の受信信号に適用されている変調方式は通知されないシステムがある。この場合、MLDでは、無線端末は、受信信号を復調することができないという問題点があった。
【0013】
本件はこのような点に鑑みてなされたものであり、他の無線端末の変調方式が通知されなくても受信信号を復調することができる無線端末および復調方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、複数のアンテナを用いて無線通信を行う無線端末が提供される。この無線端末は、送信装置から当該無線端末宛ての信号に適用されている変調方式の情報を受信する受信部と、前記受信部の受信した情報に基づく変調方式と、他無線端末宛ての信号に適用され得る複数の変調方式とによって、受信信号の最尤検出を行う最尤検出部と、前記最尤検出部の前記複数の変調方式のそれぞれにおける最尤検出過程で得られる所定の情報に基づいて、前記他無線端末宛ての信号に適用されている変調方式を推定する推定部と、前記推定部の推定した変調方式と、前記受信部の受信した変調方式とによって、最尤検出を行うように前記最尤検出部を制御する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
開示の装置および方法によれば、他の無線端末の変調方式が通知されなくても受信信号を復調することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態に係る移動通信システムを示した図である。
【図2】無線端末の動作を示したフローチャートである。
【図3】第2の実施の形態に係る移動通信システムを示した図である。
【図4】SU−MIMOを説明する図である。
【図5】MU−MIMOを説明する図である。
【図6】復調方式とBERとの関係を示した図である。
【図7】DLにおける無線リソースを示した図である。
【図8】無線端末のブロック図である。
【図9】MLD部のブロック図である。
【図10】変調方式推定部のブロック図である。
【図11】無線端末のBERを説明する図である。
【図12】無線リソースの割り当てを説明する図である。
【図13】第3の実施の形態に係る変調方式の推定および復調を説明する図である。
【図14】変調方式の推定および復調をRBG単位で行う場合を説明する図である。
【図15】第4の実施の形態に係る無線端末のブロックを示した図である。
【図16】無線端末のハードウェア構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る移動通信システムを示した図である。図1に示すように、移動通信システムは、無線端末1,2および送信装置3を有している。無線端末1,2は、例えば、携帯電話機であり、送信装置3は、例えば、基地局である。無線端末1,2および送信装置3は、複数のアンテナを有し、MIMOにより無線通信を行う。
【0018】
図1に示す移動通信システムでは、自分宛ての受信信号に適用されている変調方式の情報は、制御情報により送信装置3から通知される。しかし、多重されている他ユーザの変調方式の情報は、通知されない。
【0019】
例えば、送信装置3から無線端末1宛ての信号(DL信号)には、QPSKが適用されているとする。送信装置3から無線端末2宛ての信号には、16QAMが適用されているとする。この場合、無線端末1は、送信装置3からの制御情報により、自分(無線端末1)宛ての信号にはQPSKが適用されている旨の情報が通知される。しかし、無線端末1は、他の無線端末2の変調方式16QAMの情報は通知されない。また、無線端末2は、送信装置3からの制御情報により、自分(無線端末2)宛ての信号には16QAMが適用されている旨の情報が通知される。しかし、無線端末2は、他の無線端末1の変調方式QPSKの情報は通知されない。
【0020】
図1に示すように、無線端末1は、受信部1a、最尤検出部(以下、MLD部)1b、推定部1c、および制御部1dを有している。無線端末2も無線端末1と同様の部位を有している。
【0021】
受信部1aは、送信装置3から無線端末1宛ての信号に適用されている変調方式の情報を受信する。
例えば、上記例のように、無線端末1宛ての信号には、QPSKの変調方式が適用されているとする。この場合、受信部1aは、送信装置3から送信される制御情報により、QPSKの情報を受信する。
【0022】
MLD部1bは、受信部1aの受信した情報に基づく変調方式と、他の無線端末2宛ての信号に適用され得る複数の変調方式とによって、受信信号のMLDを行う。
例えば、図1の移動通信システムにおいて、無線端末1,2に適用される変調方式は、QPSK、16QAM、および64QAMのいずれかとする。無線端末1宛ての信号には、QPSKが適用されているとする。
【0023】
この場合、受信部1aは、QPSKの情報を受信し、MLD部1bは、受信部1aの受信したQPSKと、他の無線端末2宛ての信号に適用され得る変調方式QPSKとによって、受信信号のMLDを行う。また、MLD部1bは、受信部1aの受信したQPSKと、他の無線端末2宛ての信号に適用され得る変調方式16QAMとによって、受信信号のMLDを行う。さらに、MLD部1bは、受信部1aの受信したQPSKと、他の無線端末2宛ての信号に適用され得る64QAMとによって、受信信号のMLDを行う。なお、MLDは、一般に知られている方法で行われ、その処理過程では、受信シンボルとレプリカとの距離、最小距離、および最小累積距離などが得られる。
【0024】
推定部1cは、MLD部1bの複数の変調方式のそれぞれにおけるMLD過程で得られる所定の情報に基づいて、他の無線端末2宛ての信号に適用されている変調方式を推定する。MLD過程で得られる所定の情報は、例えば、受信シンボルとレプリカとの最小距離または最小累積距離である。
【0025】
例えば、上記例と同様に、受信部1aは、送信装置3からQPSKの情報を受信したとする。この場合、推定部1cは、例えば、MLD部1bのQPSKとQPSKとによるMLD過程で得られる最小累積距離と、MLD部1bのQPSKと16QAMとによるMLD過程で得られる最小累積距離と、MLD部1bのQPSKと64QAMとによるMLD過程で得られる最小累積距離とに基づいて、他の無線端末2宛ての信号に適用されている変調方式と推定する。
【0026】
推定部1cは、例えば、最小累積距離の最も小さかった変調方式を、他の無線端末2宛ての信号に適用されている変調方式と推定する。例えば、MLD部1bのQPSKと16QAMとによるMLD過程で得られる最小累積距離が、他の変調方式の最小累積距離より小さかったとする。この場合、推定部1cは、他の無線端末2宛ての信号には、16QAMの変調方式が適用されていると推定する。
【0027】
制御部1dは、推定部1cの推定した変調方式と、受信部1aの受信した変調方式とによって、MLDを行うようにMLD部1bを制御する。
例えば、推定部1cは、他の無線端末2宛ての信号には、16QAMの変調方式が適用されていると推定したとする。この場合、制御部1dは、受信部1aの受信した変調方式QPSKと、推定部1cの推定した変調方式16QAMとで、MLDを行うように、MLD部1bを制御する。
【0028】
図2は、無線端末の動作を示したフローチャートである。フローチャートに示される動作は、例えば、後述の信号処理用HW(HardWare)やDSP(Digital Signal Processor)、CPU(Central Processing Unit)などにより実行可能である。
【0029】
[ステップS1]無線端末1の受信部1aは、送信装置3から無線端末1宛ての信号に適用されている変調方式の情報を受信する。
[ステップS2]MLD部1bは、受信部1aの受信した情報に基づく変調方式と、他の無線端末2宛ての信号に適用され得る複数の変調方式とによって、受信信号のMLDを行う。
【0030】
[ステップS3]推定部1cは、MLD部1bの複数の変調方式のそれぞれにおけるMLD過程で得られる所定の情報に基づいて、他の無線端末2宛ての信号に適用されている変調方式を推定する。
【0031】
[ステップS4]制御部1dは、推定部1cの推定した変調方式と、受信部1aの受信した変調方式とによって、MLDを行うようにMLD部1bを制御する。
このように、無線端末1は、自分宛ての信号に適用される変調方式を受信し、受信した変調方式と、他の無線端末2宛てに適用され得る複数の変調方式とによって、MLDを行う。そして、無線端末1は、MLD部1bの複数の変調方式のそれぞれにおけるMLD過程で得られる所定の情報に基づいて、他の無線端末2宛ての信号に適用されている変調方式を推定するようにした。これにより、無線端末1は、多重されている他の無線端末2の変調方式が通知されなくても受信信号を復調することができる。
【0032】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図3は、第2の実施の形態に係る移動通信システムを示した図である。図3に示すように、移動通信システムは、無線端末11,12および基地局13を有している。無線端末11,12は、例えば、携帯電話機である。無線端末11,12および基地局13は、例えば、LTEまたはLTE−A方式に基づいて無線通信を行う。また、無線端末11,12および基地局13は、複数のアンテナを備え、MIMOにより無線通信を行う。
【0033】
基地局13は、OFDMのシンボル上に、QPSK、16QAM、または64QAMなどで変調された信号を配置し、無線端末11,12に信号を送信する。無線端末11,12は、MLDにより、基地局13から送信された信号を復調する。
【0034】
例えば、基地局13は、無線端末11には、変調方式64QAMを適用して信号を送信する。また、基地局13は、無線端末12には、変調方式16QAMを適用して信号を送信する。無線端末11,12は、基地局13から送信される信号をMLDにより復調する。
【0035】
以下では、基地局13の送信する信号には、QPSK、16QAM、または64QAMのいずれかの変調方式が適用されるとして説明する。
LTEおよびLTE−AにおけるMU−MIMOでは、無線端末11,12の自分宛ての受信信号に適用されている変調方式の情報は、制御情報により基地局13から通知される。しかし、多重されている他の無線端末の変調方式の情報は、通知されない。例えば、無線端末11は、自分に適用されている変調方式は、制御情報により基地局13から通知されるが、他の無線端末12の変調方式は通知されない。
【0036】
そこで、無線端末11は、他の無線端末12の変調方式を推定し、推定した変調方式と、自分宛ての信号に適用されている変調方式とによって、MLDを行い、受信信号を復調および復号する。無線端末11について詳細に説明する前に、SU−MIMO、MU−MIMO、復調方式とBER(Bit Error Rate)との関係、および無線リソースについて説明する。
【0037】
まず、SU−MIMOおよびMU−MIMOについて説明する。
図4は、SU−MIMOを説明する図である。図4に示すように、基地局21aは、ユーザUE1宛て(無線端末22a宛て)のデータを、データ系列D1とデータ系列D2とに分離する。データ系列D1は、アンテナ21baによって、無線端末22aに無線送信され、データ系列D2は、アンテナ21bbによって、無線端末22aに無線送信される。
【0038】
無線端末22aは、基地局21aのアンテナ21ba,21bbから無線送信される信号を、アンテナ22ba,22bbによって受信する。受信される信号は、データ系列D1とデータ系列D2とに復調され、ユーザUE1(無線端末22a)宛てのデータとして受信される。
【0039】
図5は、MU−MIMOを説明する図である。図5に示すように、基地局26aは、ユーザUE1宛て(無線端末27a)のデータを、アンテナ26baから無線送信する。また、基地局26aは、ユーザUE2宛て(無線端末28a)のデータを、アンテナ26bbから無線送信する。
【0040】
無線端末27aは、基地局26aのアンテナ26ba,26bbから無線送信される信号を、アンテナ27ba,27bbによって受信する。基地局26aから無線送信される信号は、多重されており、無線端末27aは、受信した信号から自分宛て(ユーザUE1宛て)の信号を復調する。
【0041】
無線端末28aは、基地局26aのアンテナ26ba,26bbから無線送信される信号を、アンテナ28ba,28bbによって受信する。基地局26aから無線送信される信号は、多重されており、無線端末28aは、受信した信号から自分宛て(ユーザUE2宛て)の信号を復調する。
【0042】
すなわち、SU−MIMOでは、図4に示すように、送信側の基地局21aは、1つのユーザUE1(無線端末22a)に対する信号を、複数のアンテナ21ba,21bbから送信する。これに対し、MU−MIMOでは、図5に示すように、送信側の基地局26aは、複数のユーザUE1,UE2(無線端末27a,28a)に対する信号を、別々のアンテナ26ba,26bbから同時に送信する。
【0043】
復調方式とBER(Bit Error Rate)との関係について説明する。
図6は、復調方式とBERとの関係を示した図である。図6の横軸はSNR[dB]を示し、縦軸は誤り率を示している。
【0044】
図6に示す波形W11は、MU−MIMOの無線端末において、MMSEで受信信号を復調した場合の誤り率を示している。
波形W12〜14は、MU−MIMOの無線端末において、MLDで受信信号を復調した場合の誤り率を示している。ただし、波形W12は、多重されている他の無線端末の変調方式が16QAMにも関わらず、他の無線端末の変調方式をQPSKとしてMLDを行った場合の誤り率を示している。波形W13は、多重されている他の無線端末の変調方式が16QAMにも関わらず、他の無線端末の変調方式を64QAMとしてMLDを行った場合の誤り率を示している。波形W14は、多重されている他の無線端末の変調方式が16QAMで、他の無線端末の変調方式を16QAMとしてMLDを行った場合の誤り率を示している。なお、自分宛ての信号には、64QAMの変調方式が適用されているとする。
【0045】
波形W12,W13に示すように、多重されている他の無線端末に適用されている変調方式と異なる変調方式でMLDを行った場合、その受信信号の誤り率は、波形W11に示すMMSEの誤り率より悪くなってしまう。
【0046】
一方、波形W14に示すように、多重されている他の無線端末に適用されている変調方式と同じ変調方式でMLDを行った場合、その受信信号の誤り率は、波形W11に示すMMSEの誤り率より良くなる。
【0047】
すなわち、多重されている他の無線端末の変調方式を正しく16QAMと推定して、MLDを行った場合には、MMSEに比べて良好な誤り率を得られる。一方、他の無線端末の変調方式をQPSKや64QAMと間違って推定した場合には、MMSEより誤り率が悪くなる。
【0048】
無線リソースについて説明する。
図7は、DLにおける無線リソースを示した図である。図7の横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示している。図7に示す枠A11は、SC(SubCarrier)の単位を示している。枠A12は、シンボルの単位を示している。
【0049】
あるシンボル上の1つのSCをRE(Resource Element)と呼ぶ。例えば、枠A13は、REを示している。また、Nsym個のシンボルをまとめてサブフレームと呼ぶ。
基地局13は、サブフレームの時間方向の先頭から数シンボルにわたって制御情報を割り当て、無線端末11,12に送信する。例えば、基地局13は、図7の斜線部分に制御情報を割り当て、無線端末11,12に送信する。
【0050】
基地局13は、サブフレームの残りの領域にデータ信号を割り当て、無線端末11,12に送信する。基地局13は、OFDMのシンボル上のNc個のSCに、QPSK、16QAM、および64QAMのいずれかで変調した信号を配置し、無線端末11,12に信号を送信する。
【0051】
なお、周波数方向に12SCごとに区切られたブロックをRB(Resource Block)と呼ぶ。また、複数のRBをまとめたものをRBG(RB Group)と呼ぶ。RBGを何個のRBで定義するかは、処理の内容などによって異なる。
【0052】
無線端末11について説明する。なお、無線端末12も無線端末11と同様の機能を有し、その説明を省略する。
図8は、無線端末のブロック図である。図8に示すように、無線端末11は、FFT(Fast Fourier Transform)部31、チャネル推定部32、制御情報受信部33、復調部34、変調方式推定部35、動作制御部36、および復号部37を有している。
【0053】
FFT部31には、受信アンテナで受信された時間領域の信号が入力される。FFT部31は、入力された信号のFFT処理を行い、周波数領域の信号に変換する。
チャネル推定部32には、FFT部31によって周波数領域に変換されたパイロット信号が入力される。チャネル推定部32は、入力されたパイロット信号により、DLにおける伝搬路のチャネル値を推定(算出)する。チャネル推定部32は、例えば、パイロット信号のキャンセル処理等を行って、DLにおける伝搬路のチャネル値を算出する。
【0054】
制御情報受信部33は、基地局13から制御情報を受信する。制御情報には、無線端末11の受信信号に適用されている変調方式の情報が含まれている。例えば、無線端末11宛ての信号に16QAMの変調方式が適用されていれば、制御情報には、16QAMの変調方式が適用されている旨の情報が含まれている。制御情報受信部33は、制御情報に含まれている変調方式の情報を復調部34に出力する。
【0055】
復調部34は、MLD部34aおよびLLR(Log Likelihood Ratio)計算部34bを有している。
MLD部34aには、FFT部31によって周波数領域に変換された信号と、チャネル推定部32で推定されたチャネル値とが入力される。
【0056】
また、MLD部34aには、制御情報受信部33により受信された変調方式の情報が入力される。すなわち、MLD部34aには、無線端末11宛ての信号に適用されている変調方式の情報が入力される。
【0057】
MLD部34aは、基地局13から通知された変調方式と、他の無線端末12宛ての信号に適用され得る複数の変調方式とによって、MLDを行う。
図9は、MLD部のブロック図である。図9に示すように、MLD部34aは、QPSK演算部41a、16QAM演算部41b、64QAM演算部41c、バッファ42a〜42c、およびセレクタ43を有している。
【0058】
QPSK演算部41a、16QAM演算部41b、および64QAM演算部41cのそれぞれには、FFT部31から出力される信号と、チャネル推定部32で推定されたチャネル値とが入力される。
【0059】
また、QPSK演算部41a、16QAM演算部41b、および64QAM演算部41cのそれぞれには、制御情報受信部33から出力される変調方式の情報が入力される。すなわち、QPSK演算部41a、16QAM演算部41b、および64QAM演算部41cのそれぞれには、無線端末11宛ての信号に適用されている変調方式の情報が入力される。
【0060】
QPSK演算部41aは、入力される変調方式の情報に基づく変調方式と、変調方式QPSKとによってレプリカを生成する。QPSK演算部41aは、生成したレプリカに、チャネル推定部32から出力されるチャネル値を考慮(伝搬路の影響を考慮)する。例えば、QPSK演算部41aは、チャネル値によって、生成したレプリカの振幅を変更または回転させる。QPSK演算部41aは、チャネル値を考慮したレプリカと、FFT部31から出力される信号(シンボル)との距離を算出する。
【0061】
例えば、入力される変調方式の情報が16QAMであったとする。この場合、QPSK演算部41aは、16×4個のレプリカを生成する。QPSK演算部41aは、チャネル値を考慮した16×4個のレプリカと、FFT部31から出力されるシンボルとの距離を算出する。
【0062】
16QAM演算部41bは、入力される変調方式の情報に基づく変調方式と、変調方式16QAMとによってレプリカを生成する。16QAM演算部41bは、生成したレプリカに、チャネル推定部32から出力されるチャネル値を考慮する。16QAM演算部41bは、チャネル値を考慮したレプリカと、FFT部31から出力されるシンボルとの距離を算出する。
【0063】
例えば、入力される変調方式の情報が16QAMであったとする。この場合、16QAM演算部41bは、16×16個のレプリカを生成する。16QAM演算部41bは、チャネル値を考慮した16×16個のレプリカと、FFT部31から出力されるシンボルとの距離を算出する。
【0064】
64QAM演算部41cは、入力される変調方式の情報に基づく変調方式と、変調方式64QAMとによってレプリカを生成する。64QAM演算部41cは、生成したレプリカに、チャネル推定部32から出力されるチャネル値を考慮する。64QAM演算部41cは、チャネル値を考慮したレプリカと、FFT部31から出力されるシンボルとの距離を算出する。
【0065】
例えば、入力される変調方式の情報が16QAMであったとする。この場合、64QAM演算部41cは、16×64個のレプリカを生成する。64QAM演算部41cは、チャネル値を考慮した16×64個のレプリカと、FFT部31から出力されるシンボルとの距離を算出する。
【0066】
すなわち、QPSK演算部41a、16QAM演算部41b、および64QAM演算部41cのそれぞれは、多重されている他の無線端末12に適用され得る複数の変調方式でMLDを行う。つまり、QPSK演算部41a、16QAM演算部41b、および64QAM演算部41cのそれぞれは、多重されている他の無線端末12に、QPSK、16QAM、および64QAMの変調方式が適用されていると仮定して、それぞれの変調方式でMLDを行う。
【0067】
なお、QPSK演算部41a、16QAM演算部41b、および64QAM演算部41cは、REごとに距離を算出する。
また、無線端末12の受信する信号に、その他の変調方式が適用される場合は、それに対応する演算部が設けられる。例えば、無線端末12に、QPSK、16QAM、64QAM、128QAM、および256QAMの変調方式が適用され得るとする。この場合、MLD部34aは、図9に示す演算部の他に、128QAM演算部および256QAM演算部を有することになる。
【0068】
QPSK演算部41a、16QAM演算部41b、および64QAM演算部41cのそれぞれは、算出した距離をバッファ42a〜42cに出力する。例えば、QPSK演算部41aは、REごとに算出した16×4個の距離をバッファ42aに出力する。
【0069】
また、QPSK演算部41a、16QAM演算部41b、および64QAM演算部41cのそれぞれは、MLDの処理過程で得られる所定の情報を変調方式推定部35へ出力する。MLDの処理過程で得られる所定の情報は、例えば、最小累積距離である。
【0070】
最小累積距離とは、あり得る全ての送信信号についての累積距離のうち、最小のものをいう。累積距離とは、受信アンテナごとの受信信号とある送信信号のレプリカとの距離を全ての受信アンテナについて累積したものをいう。例えば、無線端末11,12および基地局13は、2×2のMIMO通信を行うとする。基地局13の送信アンテナ1で送信されたシンボルx1と送信アンテナ2で送信されたシンボルx2を無線端末11の受信アンテナ1で受信したときの、受信信号と送信信号のレプリカとの距離をD1(x1,x2)、無線端末11の受信アンテナ2で受信したときの、受信信号と送信信号のレプリカとの距離をD2(x1,x2)とすると、送信シンボルのペアx1,x2が送信された場合の累積距離はD1(x1,x2)+D2(x1,x2)である。同様にして、あり得る全ての送信信号のペアについて累積距離を求め、そのうち最小のものが最小累積距離となる。
【0071】
なお、QPSK演算部41a、16QAM演算部41b、および64QAM演算部41cのそれぞれは、算出した距離から最小累積距離を算出できる。また、最小累積距離は、REごとに算出される。また、最小累積距離となるシンボルの組み合わせが、最も尤度の高い送信シンボルの組み合わせと推定できる。
【0072】
バッファ42a〜42cのそれぞれは、QPSK演算部41a、16QAM演算部41b、および64QAM演算部41cのそれぞれから出力される距離情報(例えば、シンボルとレプリカとの距離、最小距離、および最小累積距離など)を一時的に記憶する。距離情報は、REごとに算出され、バッファ42a〜42cに記憶される。
【0073】
セレクタ43は、動作制御部36の制御によって、バッファ42a〜42cのいずれかに記憶された距離情報をLLR計算部34bに出力する。
例えば、以下で説明する変調方式推定部35によって、他の無線端末12の変調方式が16QAMと推定されたとする。この場合、セレクタ43は、動作制御部36の制御によって、バッファ42bに記憶された距離情報をLLR計算部34bに出力する。
【0074】
図8の説明に戻る。変調方式推定部35は、MLD部34aの複数の変調方式QPSK、16QAM、および64QAMのそれぞれにおけるMLD過程で得られる所定の情報(例えば、距離に関する情報)に基づいて、他の無線端末12宛ての信号に適用されている変調方式を推定する。
【0075】
例えば、変調方式推定部35は、MLD部34aの複数の変調方式のそれぞれにおけるMLD過程で得られる最小累積距離からメトリックを算出する。メトリックは、例えば、最小累積距離を所定のREで平均化し、それに所定の係数を乗算したものである。変調方式推定部35は、算出したメトリックに基づいて、他の無線端末12宛ての信号に適用されている変調方式を推定する。
【0076】
図10は、変調方式推定部のブロック図である。図10に示すように、変調方式推定部35は、バッファ51a〜51c、QPSKメトリック計算部52a、16QAMメトリック計算部52b、64QAMメトリック計算部52c、および変調方式判定部53を有している。
【0077】
バッファ51aには、図9で説明したQPSK演算部41aのMLDの処理過程で得られる所定の情報が入力される。バッファ51bには、16QAM演算部41bのMLDの処理過程で得られる所定の情報が入力される。バッファ51cには、64QAM演算部41cのMLDの処理過程で得られる所定の情報が入力される。所定の情報は、例えば、REごとに算出される最小累積距離である。バッファ51a〜51cは、所定のRE数の最小累積距離を一時記憶する。
【0078】
QPSKメトリック計算部52aは、バッファ51aに記憶されている、QPSK演算部41aのMLD過程で得られた所定の情報に基づいて、他の無線端末12がQPSKを適用していると推定するための指標となるメトリックを算出する。例えば、QPSKメトリック計算部52aは、バッファ51aに記憶されている、QPSK演算部41aの算出した最小累積距離に基づいて、メトリックを算出する。メトリックは、例えば、バッファ51aに記憶されている最小累積距離を加算し、それに所定の係数を乗算した値である。
【0079】
16QAMメトリック計算部52bは、バッファ51bに記憶されている、16QAM演算部41bのMLD過程で得られた所定の情報に基づいて、他の無線端末12が16QAMを適用していると推定するための指標となるメトリックを算出する。例えば、16QAMメトリック計算部52bは、バッファ51bに記憶されている、16QAM演算部41bの算出した最小累積距離に基づいて、メトリックを算出する。メトリックは、例えば、バッファ51bに記憶されている最小累積距離を加算し、それに所定の係数を乗算した値である。
【0080】
64QAMメトリック計算部52cは、バッファ51cに記憶されている、64QAM演算部41cのMLD過程で得られた所定の情報に基づいて、他の無線端末12が64QAMを適用していると推定するための指標となるメトリックを算出する。例えば、64QAMメトリック計算部52cは、バッファ51cに記憶されている、64QAM演算部41cの算出した最小累積距離に基づいて、メトリックを算出する。メトリックは、例えば、バッファ51cに記憶されている最小累積距離を加算し、それに所定の係数を乗算した値である。
【0081】
なお、無線端末12にその他の変調方式が適用される場合は、それに対応する計算部が設けられる。例えば、無線端末12に、QPSK、16QAM、64QAM、128QAM、および256QAMの変調方式が適用され得るとする。この場合、変調方式推定部35は、図10に示す計算部の他に、128QAMメトリック計算部および256QAMメトリック計算部を有することになる。また、変調方式推定部35は、図10に示すバッファの他に、128QAMメトリック計算部および256QAMメトリック計算部に対応した2つのバッファを有することになる。
【0082】
変調方式判定部53は、QPSKメトリック計算部52a、16QAMメトリック計算部52b、および64QAMメトリック計算部52cのそれぞれによって算出されたメトリックに基づいて、他の無線端末12に適用されている変調方式を推定する。
【0083】
例えば、変調方式判定部53は、メトリックの大きさで無線端末12の変調方式を推定する。例えば、変調方式判定部53は、16QAMメトリック計算部52bから出力されるメトリックが最も小さければ、無線端末12の変調方式は、16QAMであると推定する。
【0084】
すなわち、無線端末12の変調方式と合っているMLD部34aのQPSK演算部41a、16QAM演算部41b、および64QAM演算部41cのいずれかから、例えば、最も小さい最小累積距離が出力される。例えば、無線端末12の変調方式が16QAMであったとすると、16QAM演算部41bから出力される最小累積距離が、他の演算部から出力される最小累積距離よりも小さくなる。そして、最小累積距離に基づいて計算されるメトリックの値も小さくなる。これにより、無線端末12の変調方式を、例えば、16QAMと推定することができる。なお、メトリックには、所定の係数が乗算され、推定の判定に重みが付加されるが、これについては後述する。
【0085】
図8の説明に戻る。動作制御部36は、制御情報受信部33で受信された変調方式と、変調方式推定部35で推定された変調方式とでMLDを行うようにMLD部34aを制御する。
【0086】
例えば、動作制御部36は、図9に示す各演算部の距離情報を記憶したバッファ42a〜42cのうち、変調方式推定部35で推定された変調方式に対応する演算部の距離情報がLLR計算部34bに出力されるように、セレクタ43を制御する。例えば、無線端末12の変調方式は、変調方式推定部35によって、16QAMと推定されたとする。この場合、動作制御部36は、バッファ42bに記憶されている距離情報がLLR計算部34bに出力されるように、セレクタ43を制御する。
【0087】
LLR計算部34bは、MLD部34aから出力される距離情報に基づいて、LLRを計算する。
復号部37は、LLR計算部34bから出力されるLLRに基づいて、受信信号の復号を行う。
【0088】
以下、数式を用いて無線端末11の動作を説明する。
基地局13の送信アンテナ2から、無線端末11に信号点Aが送信され、基地局13の送信アンテナ1から、無線端末12に信号点Bが送信されているとする。また、無線端末11の受信信号ベクトルをy、チャネル行列をH、雑音ベクトルをnとする。送信信号と受信信号との間には、次の式(1a),(1b)のように示される。
【0089】
【数1】

【0090】
なお、チャネル行列Hの値は、チャネル推定部32より得られる。
無線端末11のQPSK演算部41a、16QAM演算部41b、および64QAM演算部41c(以下、これらを単に演算部と呼ぶことがある)は、無線端末12の変調方式を推定するためのメトリックを算出するために、無線端末12の変調方式として、QPSK、16QAM、および64QAMを仮定し、それぞれについてMLDを行う。MLDとしては、Full−MLDを用いてもよいし、QR分解を用いたMLDを用いてもよい。以下では、QR分解を用いたMLDの例を示す。
【0091】
チャネル行列についてQR分解を行うため、受信信号ベクトルおよびチャネル行列にQHを乗算すると、受信信号ベクトルおよびチャネル行列は、それぞれ式(2a),(2b)のように示される。
【0092】
【数2】

【0093】
なお、Qは、ユニタリ行列、QHは、エルミート転置したユニタリ行列である。Rは、上三角行列である。
各演算部は、上記のようにして求めた受信信号ベクトルzおよび上三角行列Rを用い、無線端末12の適用し得る変調方式QPSK、16QAM、および64QAMのそれぞれにおいて、受信信号ベクトルとレプリカとの距離を算出する。また、各演算部は、無線端末12の適用し得る変調方式QPSK、16QAM、および64QAMのそれぞれにおいて、累積距離が最小となる信号点のペアを以下のように選択する。
【0094】
【数3】

【0095】
一番上の信号点のペアは、無線端末12の変調方式をQPSKと仮定して算出した、累積距離が最小となる無線端末11宛ての信号点および無線端末12宛ての信号点である。上から2番目の信号点のペアは、無線端末12の変調方式を16QAMと仮定して算出した、累積距離が最小となる無線端末11宛ての信号点および無線端末12宛ての信号点である。一番下の信号点のペアは、無線端末12の変調方式を64QAMと仮定して算出した、累積距離が最小となる無線端末11宛ての信号点および無線端末12宛ての信号点である。
【0096】
上記に示した各変調方式における信号点のペアの最小累積距離は、次の式(3)に基づいて、式(3a)〜(3c)で示される。
【0097】
【数4】

【0098】
なお、式(3a)〜(3c)の右辺第1項は、基地局13の送信アンテナ1で送信されたシンボルB〜と送信アンテナ2で送信されたシンボルA〜を無線端末11の受信アンテナ1で受信したときの、受信信号と送信信号のレプリカとの距離を示し、第2項は、基地局13の送信アンテナ1で送信されたシンボルB〜と送信アンテナ2で送信されたシンボルA〜を無線端末11の受信アンテナ2で受信したときの、受信信号と送信信号のレプリカとの距離を示している。
【0099】
各演算部は、以上の処理をREごとに行う。すなわち、各演算部は、REごとに、QR分解を用いて受信信号ベクトルとレプリカとの距離を算出し、図9に示すバッファ42a〜42cに出力する。また、各演算部は、REごとに最小累積距離を算出し、図10に示すバッファ51a〜51cに出力する。
【0100】
図10に示すQPSKメトリック計算部52a、16QAMメトリック計算部52b、および64QAMメトリック計算部52c(以下、これらを単に計算部と呼ぶことがある)は、バッファ51a〜51cに記憶されている最小累積距離に基づいて、メトリックを算出する。
【0101】
例えば、各計算部は、バッファ51a〜51cに、Nave個のREについての最小累積距離が記憶されたら、それらを平均化する。例えば、各計算部は、バッファ51a〜51cに記憶されているNave個の最小累積距離を合算し、Naveで除算する。そして、各計算部は、平均化した最小累積距離に所定の係数を乗算してメトリックを算出する。
【0102】
各演算部によって算出されるメトリックは、次の式(4a)〜(4c)で示される。
【0103】
【数5】

【0104】
例えば、式(4a)は、式(3a)で示されるQPSKの最小累積距離をNave個合算し、係数CQPSKを乗算している。なお、式(4a)〜(4c)では、Naveで除算していない。式(4a)〜(4c)で示される各メトリックは、無線端末12に適用されている変調方式を推定するための指標を示し、それぞれのメトリックを同じNaveで除算しても、指標は変わらないからである。
【0105】
なお、平均化するREの個数Naveは、ある1シンボル内の個数であってもよいし、複数のシンボルにわたる個数であってもよい。
式(4a)〜(4c)に乗算されている係数CQPSK,C16QAM,C64QAMは、無線端末12に適用されている変調方式が推定されにくくするための重み付けである。係数の値が大きいほど、その係数を乗算された変調方式は、変調方式判定部53によって、推定されにくくなる。
【0106】
例えば、係数CQPSK,C16QAM,C64QAMの値をそれぞれ、1.0,1.0,2.0とする。この場合、64QAMの平均化した最小累積距離が、他の変調方式の平均化した最小累積距離より小さくても、係数2.0を乗算したことにより、64QAMのメトリックが他の変調方式のメトリックより大きくなれば、64QAMは、変調方式判定部53によって、推定されなくなる。
【0107】
係数の値は、例えば、多値の変調方式ほど大きな値とする。これは、多値の変調方式ほど、レプリカの密度が高くなり、ノイズによっては、レプリカと信号点の距離が小さくなり、多値の変調方式が推定され易くなるためである。もちろん、係数の値が大きすぎると、多値の変調方式が推定されなくなるので、適切な値を設定する。例えば、係数は、所定のノイズがあっても、適切な変調方式が推定され、所望のBERが得られるようシミュレーションを行って決める。
【0108】
変調方式判定部53は、例えば、各演算部によって算出されたメトリックが最小となる変調方式を推定する。例えば、変調方式判定部53は、次の式(5)によって、無線端末12に適用されている変調方式を推定する。
【0109】
【数6】

【0110】
以下、無線端末11のBERについて説明する。
図11は、無線端末のBERを説明する図である。図11の横軸はSNR[dB]を示し、縦軸は誤り率を示している。
【0111】
図11に示す波形W21は、MU−MIMOの無線端末において、MMSEで受信信号を復調した場合の誤り率を示している。
波形W22は、MU−MIMOの無線端末において、他の無線端末の変調方式が16QAMと知って、MLDで受信信号を復調した場合の誤り率を示している。
【0112】
波形W23は、無線端末11において、データ領域の先頭1シンボルにおいて、1RBのREで最小累積距離を平均化し、係数CQPSK,C16QAM,C64QAMの値をそれぞれ、1.0,1.0,1.4とした場合の誤り率を示している。なお、他の無線端末12には、16QAMの変調方式が適用されているとする。
【0113】
波形W24は、無線端末11において、データ領域の先頭1シンボルにおいて、1RBのREで最小累積距離を平均化し、係数CQPSK,C16QAM,C64QAMの値をそれぞれ、1.0,1.0,2.0とした場合の誤り率を示している。なお、他の無線端末12には、16QAMの変調方式が適用されているとする。
【0114】
波形W23,W24に示すように、他の無線端末12の変調方式を推定してMLDを行う無線端末11は、波形W21に示すMMSEより誤り率が低い。
また、適切な係数を設定することにより、無線端末11は、波形W22,W24に示すように、他の無線端末の変調方式を16QAMと知って、MLDで受信信号を復調した場合の誤り率と同程度の誤り率を得ることができる。
【0115】
このように、無線端末11は、自分宛ての信号に適用される変調方式を受信し、受信した変調方式と、他の無線端末12宛てに適用され得る複数の変調方式とによって、MLDを行う。そして、無線端末11は、MLD部34aの複数の変調方式のそれぞれにおけるMLD過程で得られる所定の情報に基づいて、他の無線端末12宛ての信号に適用されている変調方式を推定するようにした。これにより、無線端末11は、多重されている他の無線端末12の変調方式が通知されなくても受信信号を復調することができる。
【0116】
また、無線端末11は、所定の情報に重み付けを付加したメトリックを算出し、算出したメトリックによって、他の無線端末12宛ての信号に適用されている変調方式を推定するようにした。これにより、無線端末11は、他の無線端末12宛ての信号に適用されている変調方式を適切に推定することができる。
【0117】
なお、上記では、最小累積距離に基づいてメトリックを算出する例を示したがこれに限られない。例えば、最小距離に基づいてメトリックを算出してもよい。例えば、式(3a)〜(3c)の第1項で示される最小距離または第2項で示される最小距離でメトリックを算出してもよい。すなわち、ある受信アンテナで受信した受信信号と送信信号のレプリカとの最小距離に基づいてメトリックを算出するようにしてもよい。
【0118】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第3の実施の形態では無線リソースのデータ領域の先頭から所定領域における最尤検出過程で得られる所定の情報を用いて、他の無線端末の変調方式を推定する。まず、無線リソースの割り当てについて説明する。
【0119】
図12は、無線リソースの割り当てを説明する図である。図12に示す無線リソース61は、基地局13の送信アンテナ1から送信されるデータに割り当てられる無線リソースを示している。無線リソース62は、基地局13の送信アンテナ2から送信されるデータに割り当てられる無線リソースを示している。
【0120】
図12に示すように、サブフレームの先頭から数シンボルは、制御情報の送信に用いられ、残りのシンボルは、データ送信に用いられる。以下では、無線リソース61,62の制御情報の送信に用いられる領域を制御領域と呼び、データ送信に用いられる領域をデータ領域と呼ぶことがある。
【0121】
LTEおよびLTE−Aでは、データの割り当ては、時間方向ではサブフレーム単位で行われ、周波数方向ではRB単位で行われる。このため、MU−MIMOで多重される無線端末11,12は、サブフレームおよびRBごとに異なる。また、変調方式もサブフレームおよびRBごとに異なる。
【0122】
例えば、図12では、送信アンテナ1の無線リソース61の3RBに、無線端末11が割り当てられている。また、送信アンテナ2の無線リソース62の2RBに、無線端末12が割り当てられている。また、送信アンテナ2の無線リソース62の3RBに、その他の無線端末(以下、無線端末Aと呼ぶことがある)が割り当てられている。
【0123】
データの復調は、データ領域の先頭シンボルのREから行われる。そのため、データの復調は、多重されている他の無線端末12,Aの変調方式の推定が完了するまで、開始することができない。
【0124】
そこで、第3の実施の形態の無線端末11では、データ領域の先頭から所定領域におけるデータを用いて他の無線端末12,Aの変調方式を推定する。すなわち、無線端末11は、データ領域の先頭から所定領域におけるデータのMLD過程で得られる所定の情報に基づいて、他の無線端末12,A宛ての信号に適用されている変調方式を推定する。そして、無線端末11は、推定した変調方式で、時間方向で後ろにあるデータの復調を行う。
【0125】
また、変調方式の推定処理は、例えば、第2の実施の形態で説明したように、複数の変調方式を仮定してMLDを行い、その距離情報を変調方式ごとに対応したバッファ42a〜42cに蓄積している。従って、他の無線端末12,Aに適用されている変調方式が何であっても、変調方式の推定に使われたREについては、すでに距離情報が得られている。よって、無線端末11は、そのREについては、復調処理のステップで改めてMLDを行わない。
【0126】
なお、図12においては、無線端末11は、自分に割り当てられたRBと多重する他の無線端末12,Aの変調方式を推定する。例えば、無線端末11は、無線端末12の2つのRBにおける変調方式と、無線端末Aの3個のRBのうちの一番上のRBにおける変調方式とを推定する。
【0127】
図13は、第3の実施の形態に係る変調方式の推定および復調を説明する図である。第3の実施の形態に係る無線端末11のブロックは、図8〜図10と同様である。ただし、以下で説明する部分が異なる。
【0128】
図13には、無線端末11に割り当てられた無線リソースが示してある。図13の左側に示す無線リソースは、他の無線端末12,Aの変調方式を推定するステップにおける無線リソースを示し、右側に示す無線リソースは、データを復調するステップにおける無線リソースを示している。
【0129】
図13に示す領域71a,72aは、制御領域を示している。領域71b,72bは、データ領域を示している。
無線端末11の変調方式推定部35は、図13の左側に示す無線リソースの枠71c,71dに示すように、RB単位で他の無線端末12,Aの変調方式を推定する。変調方式推定部35は、データ領域の先頭から所定領域(所定のシンボルの領域)におけるデータのMLD過程で得られる所定の情報に基づいて、他の無線端末12,Aの変調方式を推定する。
【0130】
例えば、変調方式推定部35は、枠71c内の全部または1部のREにおけるMLD過程で得られる所定の情報に基づいて、他の無線端末12の変調方式をQPSKと推定する。また、変調方式推定部35は、枠71d内の全部または1部のREにおけるMLD過程で得られる所定の情報に基づいて、他の無線端末Aの変調方式を16QAMと推定する。
【0131】
復調部34は、変調方式推定に用いられなかったデータを、推定された変調方式を用いて復調する。例えば、復調部34は、図13の右側に示す無線リソースの枠72cに示すデータを、推定された変調方式QPSKを用いて復調する。また、復調部34は、枠72dに示すデータを、推定された変調方式16QAMを用いて復調する。なお、枠72e,72fは、変調方式の推定に用いられたデータの領域を示し、枠71c,71dに対応する。
【0132】
枠72e,72f内のデータは、変調方式の推定処理の際に、QPSK演算部41a、16QAM演算部41b、および64QAM演算部41cによって、距離情報が算出されている。算出された距離情報は、バッファ42a〜42cに記憶されている。従って、復調部34は、枠72e,72f内のデータのMLDを行わなくて済む。
【0133】
データの割り当てがRB単位でなく、RBG単位の場合には、RBG内の複数のRBに跨って変調方式を推定してもよい。
図14は、変調方式の推定および復調をRBG単位で行う場合を説明する図である。
【0134】
図14には、無線端末11に割り当てられた無線リソースが示してある。図14の左側に示す無線リソースは、他の無線端末12,Aの変調方式を推定するステップにおける無線リソースを示し、右側に示す無線リソースは、データを復調するステップにおける無線リソースを示している。
【0135】
図14に示す領域81a,82aは、制御領域を示している。領域81b,82bは、データ領域を示している。
無線端末11の変調方式推定部35は、図14の左側に示す無線リソースの枠81c,81dに示すように、RBG単位で他の無線端末12,Aの変調方式を推定する。変調方式推定部35は、データ領域の先頭から所定領域におけるデータのMLD過程で得られる所定の情報に基づいて、他の無線端末12,Aの変調方式を推定する。
【0136】
例えば、変調方式推定部35は、枠81c内の全部または一部のREにおけるMLD過程で得られる所定の情報に基づいて、他の無線端末12の変調方式をQPSKと推定する。また、変調方式推定部35は、枠81d内の全部または一部のREにおけるMLD過程で得られる所定の情報に基づいて、他の無線端末Aの変調方式を16QAMと推定する。
【0137】
復調部34は、変調方式が推定された後のデータを、推定された変調方式を用いて復調する。例えば、復調部34は、図14の右側に示す無線リソースの枠82cに示すデータを、推定された変調方式QPSKを用いて復調する。また、復調部34は、枠82dに示すデータを、推定された変調方式16QAMを用いて復調する。なお、枠82e,82fは、変調方式の推定に用いられたデータの領域を示し、枠81c,81dに対応する。
【0138】
枠82e,82f内のデータは、変調方式の推定処理の際に、QPSK演算部41a、16QAM演算部41b、および64QAM演算部41cによって、距離情報が算出されている。算出された距離情報は、バッファ42a〜42cに記憶されている。従って、復調部34は、枠82e,82f内のデータのMLDを行わなくて済む。
【0139】
このように、無線端末11は、無線リソースのデータ領域の先頭から所定領域におけるMLD過程で得られる所定の情報に基づいて、他の無線端末12,A宛ての信号に適用されている変調方式を推定するようにした。これにより、無線端末11は、変調方式の推定の際、複数の変調方式でMLDを行っており、変調方式を推定した後は、その変調方式に対応した距離情報を用いて復調ができ、データ処理の遅延を抑制することができる。
【0140】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第1の実施の形態から第3の実施の形態で説明したMLDは、チャネル品質の低下によって変調方式の推定精度が劣化し、MMSEやZFなどの復調方式より、誤り率が悪くなってしまう場合がある。そこで、第4の実施の形態では、チャネル品質に応じて、復調方式を切替える。
【0141】
図15は、第4の実施の形態に係る無線端末のブロックを示した図である。図15において、図8と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
図15に示すように、無線端末11は、MMSE部91および切替え部92を有している。MMSE部91には、FFT部31によって周波数領域に変換された信号と、チャネル推定部32で推定されたチャネル値とが入力される。MMSE部91は、FFT部31から出力される信号をMMSEによって復調する。なお、MMSEでは、多重されている他の無線端末12の変調方式を知らなくても信号を復調することができる。MMSE部91によって復調された信号は、復号部37へ出力される。
【0142】
切替え部92には、チャネル推定部32で求められたチャネル推定値が入力される。切替え部92は、入力されたチャネル推定値により、DLにおけるSNR(Signal-Noise Ratio)を測定する。すなわち、切替え部92は、DLにおけるチャネル品質を測定する。切替え部92は、測定したSNRに基づいて、MMSE部91およびMLD部34aの一方をアクティブにするためのアクティブ信号を出力する。
【0143】
例えば、切替え部92は、測定したSNRが所定の閾値より大きければ、MLD部34aが信号を復調するように、MLD部34aにアクティブ信号を出力する。切替え部92は、測定したSNRが所定の閾値以下であれば、MMSE部91が信号を復調するように、MMSE部91にアクティブ信号を出力する。
【0144】
このように、無線端末11は、チャネル品質に基づいて、MLD部34aおよびMMSE部91の一方をアクティブにして、信号を復調するようにした。これにより、無線端末11は、チャネル品質の低下によって、変調方式の推定精度が劣化しても、誤り率の低下を抑制できる。
【0145】
なお、上記では、MLDおよびMMSEの一方に復調方式を切替えるとしたが、MLDおよびZFの一方に復調方式を切替えるようにしてもよい。例えば、MMSE部91を、ZFにより信号を復調するZF部に置き換えればよい。すなわち、多重される他の無線端末12の変調方式を知らなくても復調できる復調部に置き換えればよい。
【0146】
また、上記では、切替え部92は、SNRを測定して、MLD部34aおよびMMSE部91の一方をアクティブするようにしたが、無線端末11宛ての信号の変調方式および符号化率の一方または両方に応じて、MLD部34aおよびMMSE部91の一方をアクティブするようにしてもよい。
【0147】
LTEおよびLTE−Aでは、基地局13は、チャネル品質に応じた変調方式および符号化率で信号を無線端末11に送信している。変調方式および符号化率は、基地局13から制御情報により無線端末11に送信され、無線端末11は、基地局13から送信される変調方式および符号化率の一方および両方でチャネルの品質を推定することができる。
【0148】
例えば、切替え部92は、自分宛ての信号にQPSKの変調方式が適用されている場合、DLにおけるチャネル品質が悪いと判断し、MMSE部91をアクティブにする。または、切替え部92は、自分宛ての信号にQPSKまたは16QAMが適用され、符号化率が所定の閾値以下であれば、MMSE部91をアクティブにする。
【0149】
図16は、無線端末のハードウェア構成例を示した図である。図16に示すように、無線端末11は、信号処理用HW101、DSP102、RAM(Random Access Memory)103、ROM(Read Only Memory)104、RF(Radio Frequency)部105、CPU106、およびバス107を有している。信号処理用HW101、DSP102、RAM103、ROM104、RF部105、およびCPU106は、バス107に接続されている。
【0150】
RF部105は、無線信号を受信し、受信した無線信号をベースバンド信号に変換する。ベースバンド信号は、例えば、図8に示すFFT部31に出力される。
信号処理用HW101は、信号処理をハードウェアによって行う。DSP102は、信号処理をファームウェアによって行う。通常、信号処理は、信号処理用HW101またはDSP102のいずれかを用いるが、信号処理用HW101とDSP102では、得意とする処理の種類が異なる場合があるため、DSP102から信号処理用HWを呼び出すようにしてもよい。図8および図15に示す復調部34および変調方式推定部35の機能は、信号処理用HW101およびDSP102の一方または両方によって実現される。
【0151】
図8および図15に示す動作制御部36は、CPU106によって実現される。また、図15に示す切替え部92の機能は、CPU106によって実現される。ただし、信号処理用HW101、DSP102、およびCPU106は、互いの処理を補うことができるため、上記に限定するものではない。例えば、動作制御部36および切替え部92の機能をDSP102で実現することもできる。
【0152】
RAM103は、書き込み可能なメモリであり、信号処理用HW101、DSP102、CPU106で処理されるデータや計算途中、計算結果などの値が一時的に記憶される。例えば、RAM103には、受信信号、チャネル値、およびQR分解後の各行列の値などが一時的に記憶される。また、図9に示すバッファ42a〜42cおよび図10に示すバッファ51a〜51cは、RAM103によって実現される。
【0153】
ROM104は、読み出し専用のメモリであり、信号処理用HW101、DSP102、およびCPU106で用いる定数などを事前に記憶する。例えば、ROM104には、変調方式ごとに異なる係数、平均化するRE数、および復調方式の切替えを判断する閾値などが記憶される。また、ROM104には、DSP102およびCPU106の実行するプログラムが格納される。
【0154】
図16に示すハードウェア構成例は、変調方式の推定およびMLDの処理に用いることに限定されない。例えば、図16に示すハードウェア構成例によって、図8および図15に示すFFT部31、チャネル推定部32、制御情報受信部33、および復号部37の機能も実現してもよい。なお、図1に示した各部の機能も図16に示すハードウェア構成例によって実現することができる。
【符号の説明】
【0155】
1,2 無線端末
1a 受信部
1b MLD部
1c 推定部
1d 制御部
3 送信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナを用いて無線通信を行う無線端末において、
送信装置から当該無線端末宛ての信号に適用されている変調方式の情報を受信する受信部と、
前記受信部の受信した情報に基づく変調方式と、他無線端末宛ての信号に適用され得る複数の変調方式とによって、受信信号の最尤検出を行う最尤検出部と、
前記最尤検出部の前記複数の変調方式のそれぞれにおける最尤検出過程で得られる所定の情報に基づいて、前記他無線端末宛ての信号に適用されている変調方式を推定する推定部と、
前記推定部の推定した変調方式と、前記受信部の受信した変調方式とによって、最尤検出を行うように前記最尤検出部を制御する制御部と、
を有することを特徴とする無線端末。
【請求項2】
前記推定部は、前記所定の情報に重み付けを付加したメトリックを算出し、前記メトリックに基づいて前記他無線端末宛ての信号に適用されている変調方式を推定することを特徴とする請求項1記載の無線端末。
【請求項3】
前記所定の情報は、前記最尤検出部の最尤検出過程で得られる受信シンボルとレプリカとの最小距離または最小累積距離であることを特徴とする請求項1または2に記載の無線端末。
【請求項4】
前記推定部は、無線リソースのデータ領域の先頭から所定領域における最尤検出過程で得られる所定の情報に基づいて、前記他無線端末宛ての信号に適用されている変調方式を推定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無線端末。
【請求項5】
前記他無線端末宛ての信号に適用されている変調方式を知らなくても復調できる復調部と、
チャネル品質に基づいて、前記最尤検出部および前記復調部の一方をアクティブにする切替え部と、
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の無線端末。
【請求項6】
複数のアンテナを用いて無線通信を行う無線端末の復調方法において、
送信装置から前記無線端末宛ての信号に適用されている変調方式の情報を受信し、
受信した情報に基づく変調方式と、他無線端末宛ての信号に適用され得る複数の変調方式とによって、受信信号の最尤検出を行い、
前記複数の変調方式のそれぞれにおける最尤検出過程で得られる所定の情報に基づいて、前記他無線端末宛ての信号に適用されている変調方式を推定し、
推定した変調方式と、受信した変調方式とによって、最尤検出を行うようにする、
ことを特徴とする復調方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−17114(P2013−17114A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149889(P2011−149889)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】