説明

無線認識票(RFID)システム

【課題】RFIDラベルが貼付された物品を購入後に、RFIDラベル殻情報を読み出されないように、顧客の機密保持を改善する管理するシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】RFIDラベルから情報を取得する方法は、ベンダが運用可能なRFID情報取得システムを使用する。この方法は、ある領域内のRFIDラベルが受信可能な情報取得信号を送信してその領域内の任意のRFIDラベルから情報を取得するステップを含む。RFIDラベルが同じベンダによって発行されている時にだけRFIDラベルから明瞭な返送信号が受信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線認識票(RFID)システムに関し、より詳細には、RFIDラベルが貼付されたアイテムを最初に購入した店からRFIDラベルを店外に持ち出した場合に顧客の機密保持を確保するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
RFID技術は、購入のためのアイテムを区別し記録するバーコード・リーダ技術の代替方法を提供する。RFIDを使用した場合には、小売業者は労働を節約する結果になることがある。何故なら、従来の製品識別方法を過去のものにすることができるからである。
【0003】
RFID技術のいくつかは、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,019,394号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込むものとする。
【0004】
RFIDラベルは製品に永続的に貼付できる。顧客は、最初に購入したはるか後になって、衣服その他のアイテムに永続的に貼付されたRFIDラベルを身につけ、または店内に携行することがある。これらのRFIDラベルは、RFID確認装置の所有者にこれらのラベル上の情報へのアクセス権があるか否かに関わらず、店内または他の場所のRFID確認装置によって検出されることがある。
【0005】
RFIDラベルおよびスキャン・システムのほぼユビキタスともいえる普及によって、CASPIAN(Consumers Against Supermarket Privacy Invasion)のようなプライバシー団体は、RFIDをスパイ・チップと名指しし、この技術のプライバシーへの潜在的な影響力に関する消費者の懸念を高めている。この懸念の大半はアイテム・レベルでのタグ付けを含む。
【0006】
したがって、例えば、店に不要なまたは不良の購入品を返品する場合のRFIDタグの有用性を維持しながらRFIDタグから無権限で情報を取得することを防止できるとすれば、消費者の懸念を緩和することが望ましい。
【特許文献1】米国特許第6,019,394号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、上記問題を改善する消費者が携行するアイテム上のRFIDラベルを検出し管理するシステムおよび方法を提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、上記問題を改善するRFIDラベルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様によれば、本発明は、ベンダが運用可能なRFID情報取得システムを活用するRFIDラベルから情報を取得する方法を提供する。この方法は、ある領域内のRFIDラベルが受信可能な情報取得信号を送信してその領域内の任意のRFIDラベルから情報を取得するステップと、RFIDラベルが同じベンダによって発行されている時にだけRFIDラベルから明瞭な返送信号を受信するステップとを含む。
【0010】
好ましくは、返送データは暗号化されている。最も好ましくは、暗号化方法は、公開鍵、秘密鍵、DES、トリプルDESまたはRSAから選択される。
【0011】
別の方法としては、上記情報は、ラベルを発行したベンダだけが有用に解読できる参照番号だけを含む。
【0012】
もう1つの別の方法の場合には、ラベルを発行したベンダが運用するRFIDシステムの一部ではない確認装置によって情報を取得された場合にラベルは信号を返送しない。
【0013】
好ましくは、上記情報は顧客固有の情報を含む。最も好ましくは、上記情報は購入したアイテムに関する情報を含む。
【0014】
好ましくは、上記領域は店またはモールである。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、1つまたは複数の製品に貼付された1つまたは複数のRFIDラベルと、RFID確認装置と、1つまたは複数のRFIDラベルから入手した情報を照合するコンピュータとを含むRFIDシステムであって、1つまたは複数のRFIDラベルが、権限があるRFID確認装置だけがそのラベル上に記憶された情報にアクセスできるようにプログラミングされているRFIDシステム。
【0016】
好ましくは、権限があるRFID確認装置は、そのRFIDラベルを発行した同じベンダによって運用されるRFID確認装置である。
【0017】
本発明の第3の態様によれば、権限があるRFIDシステムだけがラベル上に記憶された情報にアクセスできるように構成されたRFIDラベルが提供される。
【0018】
好ましくは、権限があるRFIDシステムは、そのラベルを発行した同じベンダによって運用されるRFIDシステムである。
【0019】
一実施形態の場合には、ラベル上のデータは暗号化されている。最も好ましくは、暗号化方法は、公開鍵、秘密鍵、DES、トリプルDESまたはRSAから選択される。
【0020】
別の方法としては、上記情報は、ラベルを発行したベンダだけが有用に解読できる参照番号だけを含む。
【0021】
別の実施形態の場合には、ラベルを発行したベンダが運用するRFIDシステムの一部ではない確認装置によって情報を取得された場合にラベルは信号を返送しない。
【0022】
本発明が関連する分野の当業者なら、添付の図面を参照しながら、好ましい実施形態の以下の説明および添付の特許請求の範囲を読めば、本発明の他の利益および利点を理解することができるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1を参照すると、取引システム10は基本的にRFIDラベル確認装置14と、端末16と、サーバ18とを含む。以下に述べるように、このシステムは現在、例えば、顧客がモールまたは第2の関連性がない店を通過する際に第1の店で購入した品物に貼付されたRFIDラベルを読み取るために使用できる。
【0024】
後者の例では、店頭のRFID確認装置14は信号を送信し、近くの店のRFIDラベル12と顧客のRFIDラベル26とから返送信号を受信する。RFID確認装置14は返送信号を解読して、店のRFIDラベル12と顧客のRFIDラベル26とから得た情報を端末16に提供する。
【0025】
RFIDラベル12および26はRFIDタグに付けられた連続番号を記憶し、製品とその購入に関連するすべての詳細情報は、EPC Global Standard for RFIDに従ってサーバ(店内またはウェブ上の)に記憶されている。別の方法としては、RFIDラベル12および26は、ラベルおよび製品識別情報と、購入日時、購入の場所、および販売者などのさまざまな量の追加情報とを記憶できる。この追加情報は精算時に記憶される。
【0026】
端末16は、RFID確認装置14を用いて店のRFIDラベル12および顧客のRFIDラベル26を読み取る。端末16は、精算取引端末、返品部門のコンピュータ、またはキオスクのコンピュータを含むことができる。
【0027】
端末16は、顧客のRFIDラベル26が顧客のRFIDラベル26内に購入が記録されていない別の店のアイテムに関連するか否かを判定するRFIDラベル処理ソフトウェア20を実行する。店のRFIDラベル12の識別情報は、インベントリ・データ・ファイル22に記憶される。顧客のRFIDラベル26が異なる店の店情報を含むが購入情報を含まない場合、関連するアイテムは例えば盗難にあった可能性がある。
【0028】
顧客のRFIDラベル26が上記別の店の購入情報を含む場合、RFIDラベル処理ソフトウェア20は、販売促進データ・ファイル24を用いて顧客のRFIDラベル26内の検出されたアイテム情報に基づいてさらに販売促進を実行できる。
【0029】
取引サーバ18は端末16からの価格およびインベントリ要求を処理する。また、取引サーバ18は、販売促進データ・ファイル24の販売促進情報を提供する。
【0030】
図2には、本発明による図1のRFIDシステム10の運用方法が開始40から詳細に示されている。
【0031】
ステップ42で、RFID確認装置14は、近くの任意のRFIDラベルから情報を取得する信号を送信する。信号は、オペレータ・コマンドまたはトリガに応答して、あるいはバーコード・リーダに似た近接センサからの信号によって送信できる。
【0032】
端末16が精算部門のコンピュータの場合、RFID確認装置14は、購入対象のアイテム上の店のRFIDラベル12と、顧客が携行するか身に付けるアイテム上の顧客のRFIDラベル26から情報を取得する。
【0033】
端末16が返品部門のコンピュータの場合、RFID確認装置14は、返品対象のアイテム上の顧客のRFIDラベル26と、顧客が携行するか身に付ける他のアイテム上の顧客のRFIDラベル26から情報を取得する。
【0034】
端末16がキオスクの場合、RFID確認装置14は、価格チェックのために顧客が提示するアイテム上の店のRFIDラベル12と、顧客が携行するか身に付けるアイテム上の顧客のRFIDラベル26から情報を取得する。
【0035】
従来技術のシステムでは、ステップ44に示すように、RFID確認装置14は、店のRFIDラベル12と顧客のRFIDラベル26とから返送信号を受信する。その後、ステップ46で、RFID確認装置14は、店のRFIDラベル12と顧客のRFIDラベル26とから得た情報を解読し(ラベルが発行された店にかかわらず)、解読された情報を端末16に送信する。
【0036】
上記情報は、RFIDラベル12および26に記憶された連続番号だけであるが、製品およびその購入に関連するすべての詳細情報はEPC Global Standard for RFIDに従ってサーバ(店内またはウェブ上の)に記憶されている。別の方法としては、上記情報は、製品識別情報と、購入日時、購入の場所、および販売者などのさまざまな量の追加情報とを含むことができる。
【0037】
したがって、その情報に対する権限がないRFIDシステムのユーザが情報を得ることができる。
【0038】
しかし、本発明によれば、ステップ42で、RFID確認装置14が近くの任意のRFIDラベルから情報を取得する信号を送信した後で、ステップ48で、返送信号は送信されないか、または返送信号は暗号化されているか、または返送信号は、当該RFID確認装置のオペレータにとっては無意味な小売業者の取引番号または領収書番号情報などのベンダ固有のコードである(ベンダが組み合わせて情報を安全にするための番号にすぎない)。
【0039】
信号が送信されない場合、ラベルがおそらくは公開鍵を含む特定の情報取得信号を受信した後でないと信号を送信しないように構成されていることが原因である。そのような信号を受信しない場合、ラベルは確認装置に情報を送信するように促されない。別の方法としては、ラベルは常に情報を送信できるが、その情報は無権限のユーザが読み取れないように暗号化されるか、暗号化されてはいないが上記のベンダ固有の参照番号のことがある。暗号を使用する場合、これに限定はされないが、公開鍵または秘密鍵による暗号化プロセス、DES、トリプルDES、RSAを含むいくつかの標準の暗号化方式のいずれかを採用することができる。
【0040】
本発明の特定の好ましい実施形態を参照しながら本発明について説明してきたが、添付の特許請求の範囲の精神および範囲を逸脱することなく、本発明をさまざまに変更、修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】取引処理システムのブロック図である。
【図2】本発明による図1のシステムの動作方法を示す流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンダが運用可能なRFID情報取得システムを使用してRFIDラベルから情報を取得する方法であって、
ある領域内のRFIDラベルが受信可能な情報取得信号を送信してその領域内の任意のRFIDラベルから情報を取得するステップと、
RFIDラベルが同じベンダによって発行されている時にだけRFIDラベルから明瞭な返送信号を受信するステップとを含む方法。
【請求項2】
1つまたは複数の製品に貼付された1つまたは複数のRFIDラベルと、RFID確認装置と、前記1つまたは複数のRFIDラベルから入手した情報を照合するコンピュータとを含むRFIDシステムであって、
前記1つまたは複数のRFIDラベルが、権限があるRFID確認装置だけがそのラベル上に記憶された情報にアクセスできるようにプログラミングされているRFIDシステム。
【請求項3】
権限があるRFIDシステムだけがラベル上に記憶された情報にアクセスできるように構成されたRFIDラベル。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−164226(P2006−164226A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205031(P2005−205031)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(592089054)エヌシーアール インターナショナル インコーポレイテッド (21)
【氏名又は名称原語表記】NCR International,Inc.
【Fターム(参考)】