無線通信システム、中継局装置および基地局装置
【課題】 基地局装置と通信を行うことができない不感地帯を減少させ、サービスエリアを拡張することができる無線通信システム、中継局装置および基地局装置を提供する。
【解決手段】 BS1は、情報の送受信のタイミングを通知する情報を含むMAPメッセージおよびバーストパケットをRS2へ送信する。RS2は、このMAPメッセージおよびバーストパケットを受信する。RS2は、SS3cおよびSS3dによる受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する情報をMAPメッセージ内のPreamble Presentビットに格納し、MAPメッセージをSS3cおよびSS3dへ送信する。また、RS2は、プリンアンブルが付加されたバーストパケットをSS3cおよびSS3dへ送信する。
【解決手段】 BS1は、情報の送受信のタイミングを通知する情報を含むMAPメッセージおよびバーストパケットをRS2へ送信する。RS2は、このMAPメッセージおよびバーストパケットを受信する。RS2は、SS3cおよびSS3dによる受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する情報をMAPメッセージ内のPreamble Presentビットに格納し、MAPメッセージをSS3cおよびSS3dへ送信する。また、RS2は、プリンアンブルが付加されたバーストパケットをSS3cおよびSS3dへ送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置と、情報の中継を行う中継局装置とを備えると共に、この中継局装置を介して基地局装置と無線通信を行う無線端末装置を備え、一定周期で無線フレームが繰り返されるIEEE802.16システム等の無線通信システムに関する。また、この無線通信システムにおいて用いられる中継局装置および基地局装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
高速無線データ通信の規格であるIEEE802.16(以下、802.16と呼ぶ)においては、通信の形態としてP−MP(ポイント トゥ マルチポイント)形態とメッシュ形態とが規定されている。P−MP形態によれば、BS(基地局)が全てのSS(加入者局)の送受信の機会をスケジューリングすることにより、効率のよい通信かつQoS(サービス品質)を保証した通信が可能となっている。一方、メッシュ形態によれば、端末間でのマルチホップ通信が可能となっており、送信機会は周囲の端末群が調整している。このように、通信の形態によりスケジューリング等が異なるため、無線フレーム構成もP−MP形態とメッシュ形態とでは大きく異なっている。802.16におけるOFDMフレームの構成例を図19、および図20に示す。
【0003】
P−MP形態においては、図19に示されるように、無線信号の復調に必要な受信同期処理用のロングプリアンブル、FCH(Frame Control Header)に続く1つ目のDL(ダウンリンク)バースト内のブロードキャストメッセージフィールドに含まれるMAPメッセージ(DL−MAP(図17)、UL−MAP)に、スケジューリング情報(各SSに割り当てられる下りリンク用のスロットおよび上りリンク用のスロットを示す情報)が格納されている。MAPメッセージを受信することにより、SSは、自分用のデータが届くタイミングと自分が送信してよいタイミングとを知ることができる。なお、以下では、FCHに続く1つ目のDLバースト内のブロードキャストメッセージフィールドに含まれるMAPメッセージを単にMAPメッセージと呼ぶ。802.16に関しては、非特許文献1に記載されている。
【特許文献1】「Draft IEEE Standard for Local and metropolitan area networks - Part 16: Air Interface for Fixed Broadband Wireless Access Systems」,IEEE P802.16-REVd/D5-2004,May 13,2004.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に無線通信においては、送受信アンテナ間におけるビル等の障害物による遮蔽から生じるシャドウイングの影響等により、サービスエリア内にも関わらずBSと通信を行うことのできない不感地帯が存在する。高速無線データ通信を行うには高い周波数を用いる必要があるが、波長が短く電波の直進性が増すため、より不感地帯が増加することが予想される。このことは、サービスを面的に展開する場合に重要な問題となる。
【0005】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであって、基地局装置と通信を行うことができない不感地帯を減少させ、サービスエリアを拡張することができる無線通信システム、中継局装置および基地局装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、基地局装置と、情報の中継を行う中継局装置とを備えると共に、前記中継局装置を介して前記基地局装置と無線通信を行う無線端末装置を備えた無線通信システムにおいて、前記基地局装置は、情報の送受信のタイミングを通知するスケジューリング情報およびバーストパケットを前記中継局装置へ送信し、前記中継局装置は、前記スケジューリング情報および前記バーストパケットを受信すると共に、自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成し、前記スケジューリング情報および前記通知情報を自身の配下の前記無線端末装置へ送信すると共に、前記プリアンブルが付加された前記バーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信することを特徴とする無線通信システムである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、基地局装置と、情報の中継を行う中継局装置とを備えると共に、前記中継局装置を介して前記基地局装置と無線通信を行う無線端末装置を備えた無線通信システムにおいて、前記基地局装置は、自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成すると共に、情報の送受信のタイミングを通知する第1のスケジューリング情報および前記通知情報を前記中継局装置および自身の配下の前記無線端末装置へ送信し、前記中継局装置は、前記第1のスケジューリング情報を受信し、該第1のスケジューリング情報に基づいた第2のスケジューリング情報を自身の配下の前記無線端末装置へ送信し、前記基地局装置は、前記中継局装置による前記第2のスケジューリング情報の送信以後において、前記プリアンブルが付加されたバーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信することを特徴とする無線通信システムである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の無線通信システムにおいて、無線フレーム内における前記スケジューリング情報の送信位置が一定であることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、基地局装置と、該基地局と無線通信を行う無線端末装置との間で送受信される情報の中継を行う中継局装置において、前記基地局装置によって送信された、情報の送受信のタイミングを通知するスケジューリング情報およびバーストパケットを受信する受信手段と、自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成する情報生成手段と、前記スケジューリング情報および前記通知情報を自身の配下の前記無線端末装置へ送信すると共に、前記プリアンブルが付加された前記バーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信する送信手段とを具備することを特徴とする中継局装置である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の中継局装置において、情報が送信される無線フレーム内における前記スケジューリング情報の送信位置が一定であることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、情報の中継を行う中継局装置を介して、または直接、無線端末装置と無線通信を行う基地局装置において、自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成し、情報の送受信のタイミングを通知する第1のスケジューリング情報および前記通知情報を前記中継局装置および自身の配下の前記無線端末装置へ送信すると共に、前記第1のスケジューリング情報を受信した前記中継局装置による配下の前記無線端末装置への第2のスケジューリング情報の送信以後において、前記プリアンブルが付加されたバーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信することを特徴とする基地局装置である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の基地局装置において、情報が送信される無線フレーム内における前記スケジューリング情報の送信位置が一定であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基地局装置と通信を行うことができない不感地帯を減少させ、サービスエリアを拡張することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明を実施するための最良の形態について説明する。本実施形態においては、BSより簡易なRS(中継局)を配置し、BSおよびSS間の電波をRSが中継することにより、不感地帯を減少させることを考える。802.16のメッシュ形態を用いることにより中継を行うことは可能であるが、メッシュ形態は制御メッセージのオーバーヘッドが大きいことや、何よりQoSを保証できないこと等の理由から好ましいシステムではない。一方、802.16のP−MP形態においては、BSがSSの送受信機会をスケジューリングすることにより、効率のよい通信かつQoSを保証した高速無線データ通信を行うことができるものの、中継を行うことは考えられていない。802.16のP−MP形態を用いて中継を行う際には、RSを考慮した無線フレーム構成を検討する必要がある。
【0015】
RSを考慮すると、無線フレームの構成は、図15または図16に示される構成が考えられる。図15においては、BSが配下のSSやRSへDL(下りリンク)バーストパケットを送信し終えてから、RSが配下のSSに対して、MAPメッセージを含む1つ目のDLバーストパケットに続けて、SSへの送信データを含むDLバーストパケット(データパケット)を送信する。しかし、このシステムにおいては、BSの配下のSSやRSへのDLバーストパケットの送信スロット数が変動すると、それに応じて、RSが送信するMAPメッセージの、フレーム内での送信位置が変化する。本来一定周期で送信されるべきMAPメッセージの送信位置が変化してしまうと、その配下に存在するSSは、RSからMAPメッセージが送信されるタイミングがわからなくなり、受信のための同期をとることが困難になる。
【0016】
また、図16においては、BSがMAPメッセージを送信した直後に、続けてRSがMAPメッセージを送信し、その後にDLバーストパケットの送信が開始される。DLバーストパケットの送信に関しては、RSによるMAPメッセージの送信直後にBSがDLバーストパケットを送信し、BSによるDLバーストパケットの送信直後にRSがDLバーストパケットを送信する。RSがプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含む1つ目のDLバーストパケットを送信している間はBSは送信を停止しており、BSが2つ目以後のDLバーストパケットを送信している間はRSは送信を停止している。
【0017】
このフレーム構成によるシステムは、図15に示されるフレーム構成によるシステムとは異なり、BS、RS共にフレーム内の一定の送信位置でMAPメッセージを送信する。ここで、図19に示される802.16のフレーム構成においては、FCHの直前に送信されるロングプリアンブルによって、SSがシステムとの細かい同期をとることが可能となり、それに続くDLバーストパケットの正常受信が可能となっている。しかし、フレーム構成が図16のような場合には、BSおよびRSによるMAPメッセージの送信後、しばらくしてから突然プリアンブルのないDLバーストパケットの送信が開始されるため、SSは周波数や位相などの同期をとることができず、正常なDLバーストパケットの受信ができない。
【0018】
以下、上記の問題点を考慮した本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態による無線ネットワークの構成を示す概略構成図である。図においてBS1は基地局装置であり、RS2は、情報を中継する中継局装置である。BS1およびRS2は固定設置であるが、BS1が設備等の関係上、容易に移動することができないのに対して、RS2はBS1よりも小型の装置とすることができ、その設置箇所を移動することができる。SS3a〜SS3dは、無線通信機能を備えた携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistance)、固定型あるいは携帯型のPC(Personal Computer)等の無線端末装置である。SS3aおよびSS3bはBS1と直接接続しており、SS3cおよびSS3dは、RS2を経由してBS1と接続している。
【0019】
BS1は、無線信号を送受信するアンテナ、送受信される信号の変調および復調等を行う送受信部、RS2およびSS3a〜SS3dによる情報の送受信のタイミング(スロット)を制御するスケジューリング制御部、図示せぬ他のネットワークとの接続用のインタフェース、および以下で述べるDL−MAP IE内のPreamble Presentビットの設定を行ってMAPメッセージを生成する情報生成部等の構成を備えている。RS2の構成については後述する。なお、この無線ネットワークの複信方式はTDD(Time Division Duplex)であるとする。
【0020】
次に、本実施形態における無線フレームの構成について説明する。図17は、802.16の P−MP形態におけるDL−MAP(MAPメッセージ)のメッセージフォーマットを示している。DL−MAPには複数のDL−MAP IE(Information Element)が用意されており、各DL−MAP IEには、RS2および各SSの送受信のタイミングを通知するスケジューリング情報が格納されている。図18は、DL−MAP IEのメッセージフォーマットを示している。図示されるように、DL−MAP IE内にはPreamble Presentというビットが用意されている。このbitは通常0であるが、これを1にすることにより、そのバーストが、各SSによる受信の同期を制御するためのプリアンブルから送信されることをSSに通知することができる。
【0021】
このフラグを用いて、BS1によって送信されるDL−MAP内のDL−MAP IE、およびRS2によって送信されるDL−MAP内のDL−MAP IEをそれぞれ図2、図3に示されるようにする。つまり、連続するバーストの先頭のバーストがプリアンブルから送信されるよう、そのバーストに対応するDL−MAP IEのPreamble Presentビットを1に設定する。この場合の無線フレーム構成を図4に示す。
【0022】
図2および図3に示されるDL−MAP IEメッセージ中のスタート時間t1〜t7は、図4に示される時刻t1〜t7に対応している。また、図2におけるRS2のコネクション識別子を含んだDL−MAP IEは、RS2がどのタイミングで無線フレーム(ロングプリアンブルおよびFCHで始まるフレーム)を開始したらよいかを示すRS2用のものであり、本実施形態において新たに定義されるものである。このDL−MAP IEをBS1から受信したRS2は、それに記載されたタイミング(図2に示される例においてはt1)で新たな無線フレームを開始する。
【0023】
この際、RS2が送信するMAPメッセージの開始位置が無線フレーム内で一定である必要があるため、BS1が送信する1つ目のDLバーストパケットのサイズは固定する必要がある。このため、1つ目のDLバーストパケット内のMAC PDUを常に入れ込まない場合には、MAPメッセージサイズを固定する必要がある。つまり、BS1が送出するDL−MAPおよびUL−MAPに含まれるDL−MAP IEおよびUL−MAP IEの大きさの合計を予め設定する必要がある。一方、1つ目のDLバーストパケット内にMAC PDUを入れ込む場合には、MAPメッセージサイズは、予め設定された1つ目のDLバーストサイズを超えない範囲でなら可変である。MAPメッセージサイズが小さい場合には、MAC PDUのサイズを調整することにより、一定のDLバーストサイズに調整することが可能である。
【0024】
次に、RS2の構成について説明する。図5は、RS2の構成を示すブロック図である。図において受信部21は、図示せぬアンテナを介して無線信号を受信すると共に、その無線信号に対して復調等の処理を施し、無線信号に基づいた受信データを生成する。MAPメッセージ再構築部22は、受信部21によって受信された受信データに含まれるMAPメッセージを自身の配下のSS用に再構築する。MAPメッセージ保存部23は送信済みのMAPメッセージを保存する。
【0025】
データバッファ部24は、受信データに含まれるデータを蓄える。端末情報保持部25は配下SSの識別子等を予め保持する。送信データ生成部26は、無線フレームを構成する送信データを生成する。送信部27は、送信データ生成部26によって生成された送信データに対して変調等の処理を施し、送信データに基づいた無線信号を生成すると共に、その無線信号を図示せぬアンテナを介して送信する。主制御部28は上記の各部を制御する。なお、図5においては、本実施形態の動作に必要な構成以外は図示を省略している。
【0026】
図6は、MAPメッセージ再構築部22の構成を示すブロック図である。MAPメッセージ読み込み部221は受信部21によって受信されたMAPメッセージを読み込む。MAPメッセージ検索部222は、端末情報保持部25によって保持された配下SSの識別子の情報を用いて、RS2の配下に存在するSSに関するDL−MAP IEをMAPメッセージの中から検索する。MAPメッセージ構築部223は、配下SSに送信される新たなMAPメッセージを構築し、そのMAPメッセージを送信データ生成部26へ出力すると共に、MAPメッセージ保存部23に保存する。
【0027】
802.16の仕様においては、MAPメッセージを毎フレームに設けてもよいし、複数フレームごとに設けてもよい。MAPメッセージを複数フレームごとに設ける場合には、その最初のフレームに設けられたMAPメッセージにより、他のフレームのDLバーストパケットの送信時間(送信順番)が制御される。新たなMAPメッセージをMAPメッセージ保存部23に保存するのは、DL−MAPが毎フレームごとではなく、数フレームごとに無線フレーム内に出現する場合に、DL−MAPの出現しないフレームを生成する際のDLバーストパケットの送信順序等を確認するためである。
【0028】
図7は、送信データ生成部26の構成を示すブロック図である。送信データ生成部26には、MAPメッセージ再構築部22によって再構築されたMAPメッセージと、データバッファ部24によって蓄えられたデータとが入力される。データ順照合部261は、入力されたデータを、対応するMAPメッセージに適合するように並べる。この際、データの入れ替え等を行う場合には、バッファ262を用いる。送信データ構築部263は、MAPメッセージと、データ順照合部261によって並べられたデータとに基づいて、無線フレームを構成する送信データを生成する。
【0029】
次に、本実施形態によるRS2の動作について説明する。BS1は、図4における時刻t1およびt2をシステムの仕様として予め知っており、自身およびRS2の配下に存在するSSに応じてt3〜t5を決定する。続いてBS1は、ロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含む最初のDLバーストパケットに基づいた無線信号をRS2、SS3a、およびSS3bへ送信する。このMAPメッセージ内のDL−MAP IEにおけるPreamble Presentビットは、図2に示されるように設定されている。RS2の受信部21はアンテナを介して無線信号を受信し、復調処理等を施した後、無線信号に基づいた受信データを生成し、MAPメッセージ再構築部22およびデータバッファ部24へ出力する。データバッファ部24は、受信データに含まれるロングプリアンブル、FCH、およびDLバーストパケットに含まれるMAC PDU等を保持する。
【0030】
MAPメッセージ再構築部22においてMAPメッセージ読み込み部221は、受信データに含まれるMAPメッセージを読み込み、読み込んだ情報(DL−MAP IEの内容等)をMAPメッセージ検索部222および主制御部28に通知する。MAPメッセージ検索部222は端末情報保持部25から配下SSの識別子の情報を読み出して参照し、SS3cおよびSS3dのDL−MAP IEを検索し、検索の結果およびMAPメッセージ読み込み部221によって読み込まれた情報をMAPメッセージ構築部223に通知する。
【0031】
MAPメッセージ構築部223は、SS3cおよびSS3dに送信される新たなMAPメッセージを構築する。すなわち、MAPメッセージ構築部223は、DL−MAP IEに記載された、配下のSS3cおよびSS3dのDLバーストパケットの先頭位置(t4およびt5)と、DLバーストパケットおよびプリアンブルの長さとに基づいて、配下のSS3cおよびSS3dのDLバーストパケットの先頭位置(t6およびt7)を決定し、それらの先頭位置を示すMAPメッセージを生成する。このとき、MAPメッセージ構築部223は、図3に示されるように、SS3cに対応したDL−MAP IE内のPreamble Presentビットを1とする。MAPメッセージ構築部223は、生成したMAPメッセージを送信データ生成部26へ出力すると共に、MAPメッセージ保存部23に保存する。各DLバーストパケットの先頭位置は主制御部28に通知される。
【0032】
送信データ生成部26において、データバッファ部24に蓄えられたロングプリアンブル、FCHおよびMAC PDU等がデータ順照合部261に入力される。データ順照合部261はこれらのデータを送信データ構築部263へ出力する。送信データ構築部263はロングプリアンブル、FCHを送信部27へ出力する。このとき、例えば、BS1からのFCHに含まれるBS1の識別子をRS2の識別子に変更する等の処理が行われる。これに続けて送信データ構築部263は、MAPメッセージ構築部223によって構築されたMAPメッセージおよびMAC PDUを含むDLバーストパケットを生成し、送信部27へ出力する。送信部27は、ロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットに対して変調等の処理を施し、それらに基づいた無線信号を生成すると共に、その無線信号をアンテナを介してSS3cおよびSS3dへ送信する。
【0033】
続いて、BS1は、時刻t2においてプリアンブル付きのDLバーストパケットを無線信号により送信し、時刻t3、t4、およびt5のそれぞれにおいてDLバーストパケットを無線信号により送信する。RS2の受信部21はこれらのDLバーストパケットを受信し、データバッファ部24へ出力する。受信されたプリアンブルが示す情報は主制御部28に通知される。データバッファ部24は、受信されたデータを蓄え、所定のタイミングで送信データ生成部26へ出力する。送信データ生成部26は、主制御部28の制御により、時刻t6およびt7においてDLバーストパケットを送信データとして送信部27へ出力する。このとき、送信データ生成部26において、データ順照合部261は、入力されたDLバーストパケットを、MAPメッセージ再構築部22によって生成されたMAPメッセージに対応する順に並べて送信データ構築部263へ出力する。
【0034】
送信データ構築部263は、時刻t6において、その時刻に対応するDLバーストパケットに対してプリアンブルを付加し、プリアンブル付きのDLバーストパケットを送信部27へ出力する。また、送信データ構築部263は、時刻t7において、その時刻に対応するDLバーストパケットを送信部27へ出力する。送信部27は、各DLバーストパケットに基づいた無線信号を各時刻においてSS3cおよびSS3dへ送信する。
【0035】
なお、本実施形態においては、複信方式としてTDDを用いたが、FDD(Frequency Division Duplex)を用いてもよい。また、BS1がMAPメッセージを構築して送信するための構成、およびプリアンブル付きのDLバーストパケットを送信するための構成とその動作はRS2と同様である。
【0036】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態においてBS1は、MAPメッセージに続いてDLバーストパケットを送信する。本実施形態に限っては、複信方式としてFDDのみを用いる場合にのみ実施可能である。図8は、本実施形態における無線フレームの構成を示している。BS1は従来と同様に、ロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットに続いて残りのDLバーストパケットを送信する。
【0037】
この場合、図8に示されるように、RS2から送信されるMAPメッセージは、常にフレームの最終部になるよう固定される。また、RS2から送信されるMAPメッセージにおいては、常に次フレーム以後のスケジュールのみが指定される。つまり、次フレーム以後の連続したDLバーストパケットの最初のバーストに対応したDL−MAP IE内のPreamble Presentビットが1になる。図8において、RS2からSS3cおよびSS3dに送信されているDLバーストパケットは、その直前にRS2がBS1から受信したDLバーストパケットではなく、その1つ前以前のフレームにおいてBS1から受信したDLバーストパケットとなっているのである。
【0038】
本実施形態において、BS1が送信する1つ目のDLバーストパケットのサイズは固定する必要はないが、RS2が送信する1つ目のDLバーストパケットのサイズは固定する必要がある。このため、RS2が送信する1つ目のDLバーストパケット内のMAC PDUを常に入れ込まない場合には、MAPメッセージサイズを固定する必要がある。つまり、BS1が送出するDL−MAPおよびUL−MAPに含まれるDL−MAP IEおよびUL−MAP IEの大きさの合計を予め設定する必要がある。一方、1つ目のDLバーストパケット内にMAC PDUを入れ込む場合には、MAPメッセージサイズは、予め設定された1つ目のDLバーストサイズを超えない範囲でなら可変である。MAPメッセージサイズが小さい場合には、MAC PDUのサイズを調整することにより、一定のDLバーストサイズに調整することが可能である。
【0039】
上述したように、無線フレームの最後尾において、RS2がMAPメッセージを送信し、そのMAPメッセージに対応したDLバーストパケットおよびプリアンブルを、MAPメッセージを送信したフレーム以降のフレームにおけるMAPメッセージの直前に送信することにより、BS1は、本実施形態における新たなプリアンブルを送信する必要がない。従って、第1の実施形態と比較して、無線リソースをより有効に利用することができる。
【0040】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態においては、BS1およびRS2が送信する1つ目のDLバーストパケットの大きさを共に固定する必要がない。つまり、RS2が送信するDL-MAP IEおよびUL−MAP IEの大きさはダイナミックに指定可能である。
【0041】
この場合、図9に示されるように、RS2から送信されるMAPメッセージの送信位置は、常に、BS1から見た無線フレームの途中の所定位置に予め設定される。BS1は、RS2が送信するMAPメッセージのタイミングと重ならないようにDLバーストパケットの送信を行う。そのため、BS1が送信するDLバーストパケットの送信が完了する前に、RS2が送信するMAPメッセージのタイミングが到来する場合には、RS2がMAPメッセージを送信した後に、BS1はプリアンブル付きのDLバーストパケットからDLバーストパケットの送信を再開する。
【0042】
すなわち、BS1は、自身が送信しようとしているDLパケットの量とRS2によるMAPメッセージの送信タイミングとに基づいて、MAPメッセージの送信タイミングの到来前に送信するDLバーストパケットと、RS2によるMAPメッセージの送信後に送信するDLバーストパケットとを識別し、RS2によるMAPメッセージの送信後に送信する最初のDLバーストパケットに対応したDL−MAP IE内のPreamble Presentビットを1にする。RS2によるMAPメッセージの送信前に全てのDLバーストパケットを送信することが可能な場合には、DL−MAP IE内のPreamble Presentビットを1にする必要はない。
【0043】
また、RS2は、第1の実施形態と同様に、配下のSS3cおよびSS3dへ送信するDLバーストパケットの最初のバーストに対応したDL−MAP IE内のPreamble Presentビットを1にする。BS1が、RS2によるMAPメッセージの送信に続いて残りのDLバーストパケットを送信する場合には、RS2は、BS1による残りのDLバーストパケットの送信に続いて、プリアンブル付きのDLバーストパケットを含む配下SS用のDLバーストパケットを送信する。一方、BS1、がRS2によるMAPメッセージの送信前に全てのDLバーストパケットを送信し終えた場合には、RS2は、MAPメッセージを含むDLバーストパケットに続けて残りのDLバーストパケットを送信する。BS1によって送信されたMAPメッセージには、上記のいずれの場合においても、BS1が送信するDLバーストパケットの受信スロットの情報が格納されているので、RS2は、上記の各場合に応じて、自身が送信するDLバーストパケットの受信スロットを決定することができる。
【0044】
なお、BS1およびRS2によるDLバーストパケットの送信は以下のようであってもよい。すなわち、図10に示されるように、RS2から送信されるMAPメッセージの送信位置は、図9と同様に常に、BS1から見た無線フレームの途中の所定位置に予め設定される。BS1は、RS2が送信するMAPメッセージのタイミングと重ならないようにDLバーストパケットの送信を行う。一方、RS2は、MAPメッセージの送信に続いて残りの全DLバーストパケットを送信する。BS1において、送信すべきDLバーストパケットが残っている場合には、BS1はプリアンブル付きのDLバーストパケットを含む残りのバーストパケットを送信する。これにより、図9と比較して、RS2はプリアンブルを送信する必要がなくなり、無線リソースをより有効に利用することができる。
【0045】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図11は、本実施形態による無線ネットワークの構成を示す概略構成図である。この無線ネットワークにおいては、RS2aおよびRS2bが多段で接続されている。本実施形態による無線フレームの構成は図12〜図14に示されている。
【0046】
図12は、第1の実施形態に対応する無線フレームの構成を示している。この場合、BS1によるロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットの送信後、RS2aがロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットを送信し、続いてRS2bがロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットを送信する。続いて、BS1がプリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信し、続いてRS2aがプリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信し、続いてRS2bがプリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信する。
【0047】
図13は、第2の実施形態に対応する無線フレームの構成を示している。この場合、BS1は従来どおりにDLバーストパケットを送信する。RS2bは、フレームの最後尾において、MAPメッセージを含むDLバーストパケットを送信する。RS2aは、RS2bによって送信されるロングプリアンブルの直前において、MAPメッセージを含むDLバーストパケットを送信する。RS2aによって送信されるMAPメッセージのフレーム内での送信位置は固定されている。
【0048】
RS2bは、RS2aによって送信されるロングプリアンブルの直前において、プリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信し、RS2aは、RS2bによって送信されるプリアンブル付きのDLバーストパケットの直前において、プリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信する。RS2aによって送信される、プリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットは、RS2aによって送信されるフレームよりも前のフレームにおいてBS1から受信されたものである。また、RS2bによって送信される、プリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットは、RS2bによって送信されるフレームよりも前のフレームにおいてRS2aから受信されたものである。
【0049】
図14は、第3の実施形態に対応する無線フレームの構成を示している。この場合、RS2aおよびRS2bによって送信されるMAPメッセージの送信位置は、無線フレームの途中の所定位置に固定される。BS1は、RS2aによって送信されるMAPメッセージの送信タイミングと重ならないようにDLバーストパケットを送信する。続いて、無線フレームの所定位置において、RS2aはロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットを送信する。続いて、BS1は、RS2bによって送信されるMAPメッセージの送信タイミングと重ならないように残りのDLパケットを送信する。
【0050】
続いて、無線フレームの所定位置において、RS2bはロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットを送信する。続いて、RS2aはプリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信し、RS2aによるDLバーストパケットの送信後、RS2bはプリンアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信する。
【0051】
なお、上述した各実施形態においては、プリアンブルの送信位置を通知する情報をMAPメッセージ内のPreamble Presentビットに格納するようにしているが、MAPメッセージとは独立したデータ領域に格納してもよい。
【0052】
上述したように、各実施形態においてRS2は、無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信位置(送信タイミング)を通知する情報をMAPメッセージ内のPreamble Presentビットに格納し、MAPメッセージを配下のSS3cおよびSS3dへ送信する。また、RS2は、データ送信用の最初のDLバーストパケットに対してプリアンブルを付加して配下のSS3cおよびSS3dへ送信する。これにより、SS3cおよびSS3dが、RS2から送信されるDLバーストパケットを受信することができるようになるので、基地局と無線通信端末との間で送受信される情報を中継することができるようになり、基地局と通信を行うことができない不感地帯を減少させ、サービスエリアを拡張することができる。また、QoS保証が可能でオーバーヘッドの少ないP−MP形態の802.16システムをマルチホップ拡張することも可能となる。
【0053】
また、BS1のサービスエリア内における電波不感地帯の減少を目的とする場合には、RS2はBS1ほどの送信電力を必要とせず、したがって、RS2の設備の規模をBS1よりも小さくし、設備コストを削減することができる。さらに、BS1にはネットワークとの接続用の光ファイバ等の回線の引き込みが必要であるが、RS2は無線信号により中継を行うので、回線の引き込みが不要となり、設備コストを削減することができる。
【0054】
また、受信感度等の性能の高いアンテナを無線信号の送受信に用い、無線信号の変調方式として、多値変調による高度な変調方式を用いれば、データの伝送レートを向上させることができる。
【0055】
また、RS2を固定設置(同一箇所に定常的に設置する場合)とし、商用電源等の安定した電源から駆動電力を供給すれば、一度確立した通信経路を長く使用することができる。さらに、固定設置であるBS1とRS2との間で確立した通信経路は変動しないため、絶えず移動する可能性がある携帯電話端末等の無線通信端末のみを経由して情報を中継するマルチホップ形態と比較して、RS2を設けることにより通信経路の変動を抑制し、より安定した通信を行うことができる。
【0056】
また、図11に示されるRS2aおよびRS2bのように、RSを多段となるように設置することにより、BS1のサービスエリアをより拡張することができる。
【0057】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施形態による無線ネットワークの構成を示す概略構成図である。
【図2】同第1の実施形態におけるDL−MAP IEの構成を示す参考図である。
【図3】同第1の実施形態におけるDL−MAP IEの構成を示す参考図である。
【図4】同第1の実施形態における無線フレームの構成を示す参考図である。
【図5】同第1の実施形態による中継局装置の構成を示すブロック図である。
【図6】同第1の実施形態による中継局装置が備えるMAPメッセージ再構築部の構成を示すブロック図である。
【図7】同第1の実施形態による中継局装置が備える送信データ生成部の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における無線フレームの構成を示す参考図である。
【図9】本発明の第3の実施形態における無線フレームの構成を示す参考図である。
【図10】本発明の第3の実施形態における無線フレームの他の構成を示す参考図である。
【図11】本発明の第4の実施形態による無線ネットワークの構成を示す概略構成図である。
【図12】同第4の実施形態における無線フレームの構成を示す参考図である。
【図13】同第4の実施形態における無線フレームの他の構成を示す参考図である。
【図14】同第4の実施形態における無線フレームの他の構成を示す参考図である。
【図15】P−MP形態による中継方式における無線フレームの構成例を示す参考図である。
【図16】P−MP形態による中継方式における無線フレームの他の構成例を示す参考図である。
【図17】IEEE802.16のP−MP形態におけるDL−MAPの構成を示す参考図である。
【図18】IEEE802.16のP−MP形態におけるDL−MAP IEの構成を示す参考図である。
【図19】IEEE802.16のP−MP形態における無線フレームの構成を示す参考図である。
【図20】IEEE802.16のメッシュ形態における無線フレームの構成を示す参考図である。
【符号の説明】
【0059】
1・・・BS、2,2a,2b・・・RS、3a,3b,3c,3d・・・SS、21・・・受信部(受信手段)、22・・・MAPメッセージ再構築部(情報生成手段)、23・・・MAPメッセージ保存部、24・・・データバッファ部、25・・・端末情報保持部、26・・・送信データ生成部、27・・・送信部(送信手段)、221・・・MAPメッセージ読み込み部、222・・・MAPメッセージ検索部、223・・・MAPメッセージ構築部、261・・・データ順照合部、262・・・バッファ、263・・・送信データ構築部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置と、情報の中継を行う中継局装置とを備えると共に、この中継局装置を介して基地局装置と無線通信を行う無線端末装置を備え、一定周期で無線フレームが繰り返されるIEEE802.16システム等の無線通信システムに関する。また、この無線通信システムにおいて用いられる中継局装置および基地局装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
高速無線データ通信の規格であるIEEE802.16(以下、802.16と呼ぶ)においては、通信の形態としてP−MP(ポイント トゥ マルチポイント)形態とメッシュ形態とが規定されている。P−MP形態によれば、BS(基地局)が全てのSS(加入者局)の送受信の機会をスケジューリングすることにより、効率のよい通信かつQoS(サービス品質)を保証した通信が可能となっている。一方、メッシュ形態によれば、端末間でのマルチホップ通信が可能となっており、送信機会は周囲の端末群が調整している。このように、通信の形態によりスケジューリング等が異なるため、無線フレーム構成もP−MP形態とメッシュ形態とでは大きく異なっている。802.16におけるOFDMフレームの構成例を図19、および図20に示す。
【0003】
P−MP形態においては、図19に示されるように、無線信号の復調に必要な受信同期処理用のロングプリアンブル、FCH(Frame Control Header)に続く1つ目のDL(ダウンリンク)バースト内のブロードキャストメッセージフィールドに含まれるMAPメッセージ(DL−MAP(図17)、UL−MAP)に、スケジューリング情報(各SSに割り当てられる下りリンク用のスロットおよび上りリンク用のスロットを示す情報)が格納されている。MAPメッセージを受信することにより、SSは、自分用のデータが届くタイミングと自分が送信してよいタイミングとを知ることができる。なお、以下では、FCHに続く1つ目のDLバースト内のブロードキャストメッセージフィールドに含まれるMAPメッセージを単にMAPメッセージと呼ぶ。802.16に関しては、非特許文献1に記載されている。
【特許文献1】「Draft IEEE Standard for Local and metropolitan area networks - Part 16: Air Interface for Fixed Broadband Wireless Access Systems」,IEEE P802.16-REVd/D5-2004,May 13,2004.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に無線通信においては、送受信アンテナ間におけるビル等の障害物による遮蔽から生じるシャドウイングの影響等により、サービスエリア内にも関わらずBSと通信を行うことのできない不感地帯が存在する。高速無線データ通信を行うには高い周波数を用いる必要があるが、波長が短く電波の直進性が増すため、より不感地帯が増加することが予想される。このことは、サービスを面的に展開する場合に重要な問題となる。
【0005】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであって、基地局装置と通信を行うことができない不感地帯を減少させ、サービスエリアを拡張することができる無線通信システム、中継局装置および基地局装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、基地局装置と、情報の中継を行う中継局装置とを備えると共に、前記中継局装置を介して前記基地局装置と無線通信を行う無線端末装置を備えた無線通信システムにおいて、前記基地局装置は、情報の送受信のタイミングを通知するスケジューリング情報およびバーストパケットを前記中継局装置へ送信し、前記中継局装置は、前記スケジューリング情報および前記バーストパケットを受信すると共に、自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成し、前記スケジューリング情報および前記通知情報を自身の配下の前記無線端末装置へ送信すると共に、前記プリアンブルが付加された前記バーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信することを特徴とする無線通信システムである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、基地局装置と、情報の中継を行う中継局装置とを備えると共に、前記中継局装置を介して前記基地局装置と無線通信を行う無線端末装置を備えた無線通信システムにおいて、前記基地局装置は、自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成すると共に、情報の送受信のタイミングを通知する第1のスケジューリング情報および前記通知情報を前記中継局装置および自身の配下の前記無線端末装置へ送信し、前記中継局装置は、前記第1のスケジューリング情報を受信し、該第1のスケジューリング情報に基づいた第2のスケジューリング情報を自身の配下の前記無線端末装置へ送信し、前記基地局装置は、前記中継局装置による前記第2のスケジューリング情報の送信以後において、前記プリアンブルが付加されたバーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信することを特徴とする無線通信システムである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の無線通信システムにおいて、無線フレーム内における前記スケジューリング情報の送信位置が一定であることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、基地局装置と、該基地局と無線通信を行う無線端末装置との間で送受信される情報の中継を行う中継局装置において、前記基地局装置によって送信された、情報の送受信のタイミングを通知するスケジューリング情報およびバーストパケットを受信する受信手段と、自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成する情報生成手段と、前記スケジューリング情報および前記通知情報を自身の配下の前記無線端末装置へ送信すると共に、前記プリアンブルが付加された前記バーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信する送信手段とを具備することを特徴とする中継局装置である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の中継局装置において、情報が送信される無線フレーム内における前記スケジューリング情報の送信位置が一定であることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、情報の中継を行う中継局装置を介して、または直接、無線端末装置と無線通信を行う基地局装置において、自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成し、情報の送受信のタイミングを通知する第1のスケジューリング情報および前記通知情報を前記中継局装置および自身の配下の前記無線端末装置へ送信すると共に、前記第1のスケジューリング情報を受信した前記中継局装置による配下の前記無線端末装置への第2のスケジューリング情報の送信以後において、前記プリアンブルが付加されたバーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信することを特徴とする基地局装置である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の基地局装置において、情報が送信される無線フレーム内における前記スケジューリング情報の送信位置が一定であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基地局装置と通信を行うことができない不感地帯を減少させ、サービスエリアを拡張することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明を実施するための最良の形態について説明する。本実施形態においては、BSより簡易なRS(中継局)を配置し、BSおよびSS間の電波をRSが中継することにより、不感地帯を減少させることを考える。802.16のメッシュ形態を用いることにより中継を行うことは可能であるが、メッシュ形態は制御メッセージのオーバーヘッドが大きいことや、何よりQoSを保証できないこと等の理由から好ましいシステムではない。一方、802.16のP−MP形態においては、BSがSSの送受信機会をスケジューリングすることにより、効率のよい通信かつQoSを保証した高速無線データ通信を行うことができるものの、中継を行うことは考えられていない。802.16のP−MP形態を用いて中継を行う際には、RSを考慮した無線フレーム構成を検討する必要がある。
【0015】
RSを考慮すると、無線フレームの構成は、図15または図16に示される構成が考えられる。図15においては、BSが配下のSSやRSへDL(下りリンク)バーストパケットを送信し終えてから、RSが配下のSSに対して、MAPメッセージを含む1つ目のDLバーストパケットに続けて、SSへの送信データを含むDLバーストパケット(データパケット)を送信する。しかし、このシステムにおいては、BSの配下のSSやRSへのDLバーストパケットの送信スロット数が変動すると、それに応じて、RSが送信するMAPメッセージの、フレーム内での送信位置が変化する。本来一定周期で送信されるべきMAPメッセージの送信位置が変化してしまうと、その配下に存在するSSは、RSからMAPメッセージが送信されるタイミングがわからなくなり、受信のための同期をとることが困難になる。
【0016】
また、図16においては、BSがMAPメッセージを送信した直後に、続けてRSがMAPメッセージを送信し、その後にDLバーストパケットの送信が開始される。DLバーストパケットの送信に関しては、RSによるMAPメッセージの送信直後にBSがDLバーストパケットを送信し、BSによるDLバーストパケットの送信直後にRSがDLバーストパケットを送信する。RSがプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含む1つ目のDLバーストパケットを送信している間はBSは送信を停止しており、BSが2つ目以後のDLバーストパケットを送信している間はRSは送信を停止している。
【0017】
このフレーム構成によるシステムは、図15に示されるフレーム構成によるシステムとは異なり、BS、RS共にフレーム内の一定の送信位置でMAPメッセージを送信する。ここで、図19に示される802.16のフレーム構成においては、FCHの直前に送信されるロングプリアンブルによって、SSがシステムとの細かい同期をとることが可能となり、それに続くDLバーストパケットの正常受信が可能となっている。しかし、フレーム構成が図16のような場合には、BSおよびRSによるMAPメッセージの送信後、しばらくしてから突然プリアンブルのないDLバーストパケットの送信が開始されるため、SSは周波数や位相などの同期をとることができず、正常なDLバーストパケットの受信ができない。
【0018】
以下、上記の問題点を考慮した本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態による無線ネットワークの構成を示す概略構成図である。図においてBS1は基地局装置であり、RS2は、情報を中継する中継局装置である。BS1およびRS2は固定設置であるが、BS1が設備等の関係上、容易に移動することができないのに対して、RS2はBS1よりも小型の装置とすることができ、その設置箇所を移動することができる。SS3a〜SS3dは、無線通信機能を備えた携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistance)、固定型あるいは携帯型のPC(Personal Computer)等の無線端末装置である。SS3aおよびSS3bはBS1と直接接続しており、SS3cおよびSS3dは、RS2を経由してBS1と接続している。
【0019】
BS1は、無線信号を送受信するアンテナ、送受信される信号の変調および復調等を行う送受信部、RS2およびSS3a〜SS3dによる情報の送受信のタイミング(スロット)を制御するスケジューリング制御部、図示せぬ他のネットワークとの接続用のインタフェース、および以下で述べるDL−MAP IE内のPreamble Presentビットの設定を行ってMAPメッセージを生成する情報生成部等の構成を備えている。RS2の構成については後述する。なお、この無線ネットワークの複信方式はTDD(Time Division Duplex)であるとする。
【0020】
次に、本実施形態における無線フレームの構成について説明する。図17は、802.16の P−MP形態におけるDL−MAP(MAPメッセージ)のメッセージフォーマットを示している。DL−MAPには複数のDL−MAP IE(Information Element)が用意されており、各DL−MAP IEには、RS2および各SSの送受信のタイミングを通知するスケジューリング情報が格納されている。図18は、DL−MAP IEのメッセージフォーマットを示している。図示されるように、DL−MAP IE内にはPreamble Presentというビットが用意されている。このbitは通常0であるが、これを1にすることにより、そのバーストが、各SSによる受信の同期を制御するためのプリアンブルから送信されることをSSに通知することができる。
【0021】
このフラグを用いて、BS1によって送信されるDL−MAP内のDL−MAP IE、およびRS2によって送信されるDL−MAP内のDL−MAP IEをそれぞれ図2、図3に示されるようにする。つまり、連続するバーストの先頭のバーストがプリアンブルから送信されるよう、そのバーストに対応するDL−MAP IEのPreamble Presentビットを1に設定する。この場合の無線フレーム構成を図4に示す。
【0022】
図2および図3に示されるDL−MAP IEメッセージ中のスタート時間t1〜t7は、図4に示される時刻t1〜t7に対応している。また、図2におけるRS2のコネクション識別子を含んだDL−MAP IEは、RS2がどのタイミングで無線フレーム(ロングプリアンブルおよびFCHで始まるフレーム)を開始したらよいかを示すRS2用のものであり、本実施形態において新たに定義されるものである。このDL−MAP IEをBS1から受信したRS2は、それに記載されたタイミング(図2に示される例においてはt1)で新たな無線フレームを開始する。
【0023】
この際、RS2が送信するMAPメッセージの開始位置が無線フレーム内で一定である必要があるため、BS1が送信する1つ目のDLバーストパケットのサイズは固定する必要がある。このため、1つ目のDLバーストパケット内のMAC PDUを常に入れ込まない場合には、MAPメッセージサイズを固定する必要がある。つまり、BS1が送出するDL−MAPおよびUL−MAPに含まれるDL−MAP IEおよびUL−MAP IEの大きさの合計を予め設定する必要がある。一方、1つ目のDLバーストパケット内にMAC PDUを入れ込む場合には、MAPメッセージサイズは、予め設定された1つ目のDLバーストサイズを超えない範囲でなら可変である。MAPメッセージサイズが小さい場合には、MAC PDUのサイズを調整することにより、一定のDLバーストサイズに調整することが可能である。
【0024】
次に、RS2の構成について説明する。図5は、RS2の構成を示すブロック図である。図において受信部21は、図示せぬアンテナを介して無線信号を受信すると共に、その無線信号に対して復調等の処理を施し、無線信号に基づいた受信データを生成する。MAPメッセージ再構築部22は、受信部21によって受信された受信データに含まれるMAPメッセージを自身の配下のSS用に再構築する。MAPメッセージ保存部23は送信済みのMAPメッセージを保存する。
【0025】
データバッファ部24は、受信データに含まれるデータを蓄える。端末情報保持部25は配下SSの識別子等を予め保持する。送信データ生成部26は、無線フレームを構成する送信データを生成する。送信部27は、送信データ生成部26によって生成された送信データに対して変調等の処理を施し、送信データに基づいた無線信号を生成すると共に、その無線信号を図示せぬアンテナを介して送信する。主制御部28は上記の各部を制御する。なお、図5においては、本実施形態の動作に必要な構成以外は図示を省略している。
【0026】
図6は、MAPメッセージ再構築部22の構成を示すブロック図である。MAPメッセージ読み込み部221は受信部21によって受信されたMAPメッセージを読み込む。MAPメッセージ検索部222は、端末情報保持部25によって保持された配下SSの識別子の情報を用いて、RS2の配下に存在するSSに関するDL−MAP IEをMAPメッセージの中から検索する。MAPメッセージ構築部223は、配下SSに送信される新たなMAPメッセージを構築し、そのMAPメッセージを送信データ生成部26へ出力すると共に、MAPメッセージ保存部23に保存する。
【0027】
802.16の仕様においては、MAPメッセージを毎フレームに設けてもよいし、複数フレームごとに設けてもよい。MAPメッセージを複数フレームごとに設ける場合には、その最初のフレームに設けられたMAPメッセージにより、他のフレームのDLバーストパケットの送信時間(送信順番)が制御される。新たなMAPメッセージをMAPメッセージ保存部23に保存するのは、DL−MAPが毎フレームごとではなく、数フレームごとに無線フレーム内に出現する場合に、DL−MAPの出現しないフレームを生成する際のDLバーストパケットの送信順序等を確認するためである。
【0028】
図7は、送信データ生成部26の構成を示すブロック図である。送信データ生成部26には、MAPメッセージ再構築部22によって再構築されたMAPメッセージと、データバッファ部24によって蓄えられたデータとが入力される。データ順照合部261は、入力されたデータを、対応するMAPメッセージに適合するように並べる。この際、データの入れ替え等を行う場合には、バッファ262を用いる。送信データ構築部263は、MAPメッセージと、データ順照合部261によって並べられたデータとに基づいて、無線フレームを構成する送信データを生成する。
【0029】
次に、本実施形態によるRS2の動作について説明する。BS1は、図4における時刻t1およびt2をシステムの仕様として予め知っており、自身およびRS2の配下に存在するSSに応じてt3〜t5を決定する。続いてBS1は、ロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含む最初のDLバーストパケットに基づいた無線信号をRS2、SS3a、およびSS3bへ送信する。このMAPメッセージ内のDL−MAP IEにおけるPreamble Presentビットは、図2に示されるように設定されている。RS2の受信部21はアンテナを介して無線信号を受信し、復調処理等を施した後、無線信号に基づいた受信データを生成し、MAPメッセージ再構築部22およびデータバッファ部24へ出力する。データバッファ部24は、受信データに含まれるロングプリアンブル、FCH、およびDLバーストパケットに含まれるMAC PDU等を保持する。
【0030】
MAPメッセージ再構築部22においてMAPメッセージ読み込み部221は、受信データに含まれるMAPメッセージを読み込み、読み込んだ情報(DL−MAP IEの内容等)をMAPメッセージ検索部222および主制御部28に通知する。MAPメッセージ検索部222は端末情報保持部25から配下SSの識別子の情報を読み出して参照し、SS3cおよびSS3dのDL−MAP IEを検索し、検索の結果およびMAPメッセージ読み込み部221によって読み込まれた情報をMAPメッセージ構築部223に通知する。
【0031】
MAPメッセージ構築部223は、SS3cおよびSS3dに送信される新たなMAPメッセージを構築する。すなわち、MAPメッセージ構築部223は、DL−MAP IEに記載された、配下のSS3cおよびSS3dのDLバーストパケットの先頭位置(t4およびt5)と、DLバーストパケットおよびプリアンブルの長さとに基づいて、配下のSS3cおよびSS3dのDLバーストパケットの先頭位置(t6およびt7)を決定し、それらの先頭位置を示すMAPメッセージを生成する。このとき、MAPメッセージ構築部223は、図3に示されるように、SS3cに対応したDL−MAP IE内のPreamble Presentビットを1とする。MAPメッセージ構築部223は、生成したMAPメッセージを送信データ生成部26へ出力すると共に、MAPメッセージ保存部23に保存する。各DLバーストパケットの先頭位置は主制御部28に通知される。
【0032】
送信データ生成部26において、データバッファ部24に蓄えられたロングプリアンブル、FCHおよびMAC PDU等がデータ順照合部261に入力される。データ順照合部261はこれらのデータを送信データ構築部263へ出力する。送信データ構築部263はロングプリアンブル、FCHを送信部27へ出力する。このとき、例えば、BS1からのFCHに含まれるBS1の識別子をRS2の識別子に変更する等の処理が行われる。これに続けて送信データ構築部263は、MAPメッセージ構築部223によって構築されたMAPメッセージおよびMAC PDUを含むDLバーストパケットを生成し、送信部27へ出力する。送信部27は、ロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットに対して変調等の処理を施し、それらに基づいた無線信号を生成すると共に、その無線信号をアンテナを介してSS3cおよびSS3dへ送信する。
【0033】
続いて、BS1は、時刻t2においてプリアンブル付きのDLバーストパケットを無線信号により送信し、時刻t3、t4、およびt5のそれぞれにおいてDLバーストパケットを無線信号により送信する。RS2の受信部21はこれらのDLバーストパケットを受信し、データバッファ部24へ出力する。受信されたプリアンブルが示す情報は主制御部28に通知される。データバッファ部24は、受信されたデータを蓄え、所定のタイミングで送信データ生成部26へ出力する。送信データ生成部26は、主制御部28の制御により、時刻t6およびt7においてDLバーストパケットを送信データとして送信部27へ出力する。このとき、送信データ生成部26において、データ順照合部261は、入力されたDLバーストパケットを、MAPメッセージ再構築部22によって生成されたMAPメッセージに対応する順に並べて送信データ構築部263へ出力する。
【0034】
送信データ構築部263は、時刻t6において、その時刻に対応するDLバーストパケットに対してプリアンブルを付加し、プリアンブル付きのDLバーストパケットを送信部27へ出力する。また、送信データ構築部263は、時刻t7において、その時刻に対応するDLバーストパケットを送信部27へ出力する。送信部27は、各DLバーストパケットに基づいた無線信号を各時刻においてSS3cおよびSS3dへ送信する。
【0035】
なお、本実施形態においては、複信方式としてTDDを用いたが、FDD(Frequency Division Duplex)を用いてもよい。また、BS1がMAPメッセージを構築して送信するための構成、およびプリアンブル付きのDLバーストパケットを送信するための構成とその動作はRS2と同様である。
【0036】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態においてBS1は、MAPメッセージに続いてDLバーストパケットを送信する。本実施形態に限っては、複信方式としてFDDのみを用いる場合にのみ実施可能である。図8は、本実施形態における無線フレームの構成を示している。BS1は従来と同様に、ロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットに続いて残りのDLバーストパケットを送信する。
【0037】
この場合、図8に示されるように、RS2から送信されるMAPメッセージは、常にフレームの最終部になるよう固定される。また、RS2から送信されるMAPメッセージにおいては、常に次フレーム以後のスケジュールのみが指定される。つまり、次フレーム以後の連続したDLバーストパケットの最初のバーストに対応したDL−MAP IE内のPreamble Presentビットが1になる。図8において、RS2からSS3cおよびSS3dに送信されているDLバーストパケットは、その直前にRS2がBS1から受信したDLバーストパケットではなく、その1つ前以前のフレームにおいてBS1から受信したDLバーストパケットとなっているのである。
【0038】
本実施形態において、BS1が送信する1つ目のDLバーストパケットのサイズは固定する必要はないが、RS2が送信する1つ目のDLバーストパケットのサイズは固定する必要がある。このため、RS2が送信する1つ目のDLバーストパケット内のMAC PDUを常に入れ込まない場合には、MAPメッセージサイズを固定する必要がある。つまり、BS1が送出するDL−MAPおよびUL−MAPに含まれるDL−MAP IEおよびUL−MAP IEの大きさの合計を予め設定する必要がある。一方、1つ目のDLバーストパケット内にMAC PDUを入れ込む場合には、MAPメッセージサイズは、予め設定された1つ目のDLバーストサイズを超えない範囲でなら可変である。MAPメッセージサイズが小さい場合には、MAC PDUのサイズを調整することにより、一定のDLバーストサイズに調整することが可能である。
【0039】
上述したように、無線フレームの最後尾において、RS2がMAPメッセージを送信し、そのMAPメッセージに対応したDLバーストパケットおよびプリアンブルを、MAPメッセージを送信したフレーム以降のフレームにおけるMAPメッセージの直前に送信することにより、BS1は、本実施形態における新たなプリアンブルを送信する必要がない。従って、第1の実施形態と比較して、無線リソースをより有効に利用することができる。
【0040】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態においては、BS1およびRS2が送信する1つ目のDLバーストパケットの大きさを共に固定する必要がない。つまり、RS2が送信するDL-MAP IEおよびUL−MAP IEの大きさはダイナミックに指定可能である。
【0041】
この場合、図9に示されるように、RS2から送信されるMAPメッセージの送信位置は、常に、BS1から見た無線フレームの途中の所定位置に予め設定される。BS1は、RS2が送信するMAPメッセージのタイミングと重ならないようにDLバーストパケットの送信を行う。そのため、BS1が送信するDLバーストパケットの送信が完了する前に、RS2が送信するMAPメッセージのタイミングが到来する場合には、RS2がMAPメッセージを送信した後に、BS1はプリアンブル付きのDLバーストパケットからDLバーストパケットの送信を再開する。
【0042】
すなわち、BS1は、自身が送信しようとしているDLパケットの量とRS2によるMAPメッセージの送信タイミングとに基づいて、MAPメッセージの送信タイミングの到来前に送信するDLバーストパケットと、RS2によるMAPメッセージの送信後に送信するDLバーストパケットとを識別し、RS2によるMAPメッセージの送信後に送信する最初のDLバーストパケットに対応したDL−MAP IE内のPreamble Presentビットを1にする。RS2によるMAPメッセージの送信前に全てのDLバーストパケットを送信することが可能な場合には、DL−MAP IE内のPreamble Presentビットを1にする必要はない。
【0043】
また、RS2は、第1の実施形態と同様に、配下のSS3cおよびSS3dへ送信するDLバーストパケットの最初のバーストに対応したDL−MAP IE内のPreamble Presentビットを1にする。BS1が、RS2によるMAPメッセージの送信に続いて残りのDLバーストパケットを送信する場合には、RS2は、BS1による残りのDLバーストパケットの送信に続いて、プリアンブル付きのDLバーストパケットを含む配下SS用のDLバーストパケットを送信する。一方、BS1、がRS2によるMAPメッセージの送信前に全てのDLバーストパケットを送信し終えた場合には、RS2は、MAPメッセージを含むDLバーストパケットに続けて残りのDLバーストパケットを送信する。BS1によって送信されたMAPメッセージには、上記のいずれの場合においても、BS1が送信するDLバーストパケットの受信スロットの情報が格納されているので、RS2は、上記の各場合に応じて、自身が送信するDLバーストパケットの受信スロットを決定することができる。
【0044】
なお、BS1およびRS2によるDLバーストパケットの送信は以下のようであってもよい。すなわち、図10に示されるように、RS2から送信されるMAPメッセージの送信位置は、図9と同様に常に、BS1から見た無線フレームの途中の所定位置に予め設定される。BS1は、RS2が送信するMAPメッセージのタイミングと重ならないようにDLバーストパケットの送信を行う。一方、RS2は、MAPメッセージの送信に続いて残りの全DLバーストパケットを送信する。BS1において、送信すべきDLバーストパケットが残っている場合には、BS1はプリアンブル付きのDLバーストパケットを含む残りのバーストパケットを送信する。これにより、図9と比較して、RS2はプリアンブルを送信する必要がなくなり、無線リソースをより有効に利用することができる。
【0045】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図11は、本実施形態による無線ネットワークの構成を示す概略構成図である。この無線ネットワークにおいては、RS2aおよびRS2bが多段で接続されている。本実施形態による無線フレームの構成は図12〜図14に示されている。
【0046】
図12は、第1の実施形態に対応する無線フレームの構成を示している。この場合、BS1によるロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットの送信後、RS2aがロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットを送信し、続いてRS2bがロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットを送信する。続いて、BS1がプリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信し、続いてRS2aがプリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信し、続いてRS2bがプリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信する。
【0047】
図13は、第2の実施形態に対応する無線フレームの構成を示している。この場合、BS1は従来どおりにDLバーストパケットを送信する。RS2bは、フレームの最後尾において、MAPメッセージを含むDLバーストパケットを送信する。RS2aは、RS2bによって送信されるロングプリアンブルの直前において、MAPメッセージを含むDLバーストパケットを送信する。RS2aによって送信されるMAPメッセージのフレーム内での送信位置は固定されている。
【0048】
RS2bは、RS2aによって送信されるロングプリアンブルの直前において、プリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信し、RS2aは、RS2bによって送信されるプリアンブル付きのDLバーストパケットの直前において、プリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信する。RS2aによって送信される、プリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットは、RS2aによって送信されるフレームよりも前のフレームにおいてBS1から受信されたものである。また、RS2bによって送信される、プリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットは、RS2bによって送信されるフレームよりも前のフレームにおいてRS2aから受信されたものである。
【0049】
図14は、第3の実施形態に対応する無線フレームの構成を示している。この場合、RS2aおよびRS2bによって送信されるMAPメッセージの送信位置は、無線フレームの途中の所定位置に固定される。BS1は、RS2aによって送信されるMAPメッセージの送信タイミングと重ならないようにDLバーストパケットを送信する。続いて、無線フレームの所定位置において、RS2aはロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットを送信する。続いて、BS1は、RS2bによって送信されるMAPメッセージの送信タイミングと重ならないように残りのDLパケットを送信する。
【0050】
続いて、無線フレームの所定位置において、RS2bはロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットを送信する。続いて、RS2aはプリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信し、RS2aによるDLバーストパケットの送信後、RS2bはプリンアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信する。
【0051】
なお、上述した各実施形態においては、プリアンブルの送信位置を通知する情報をMAPメッセージ内のPreamble Presentビットに格納するようにしているが、MAPメッセージとは独立したデータ領域に格納してもよい。
【0052】
上述したように、各実施形態においてRS2は、無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信位置(送信タイミング)を通知する情報をMAPメッセージ内のPreamble Presentビットに格納し、MAPメッセージを配下のSS3cおよびSS3dへ送信する。また、RS2は、データ送信用の最初のDLバーストパケットに対してプリアンブルを付加して配下のSS3cおよびSS3dへ送信する。これにより、SS3cおよびSS3dが、RS2から送信されるDLバーストパケットを受信することができるようになるので、基地局と無線通信端末との間で送受信される情報を中継することができるようになり、基地局と通信を行うことができない不感地帯を減少させ、サービスエリアを拡張することができる。また、QoS保証が可能でオーバーヘッドの少ないP−MP形態の802.16システムをマルチホップ拡張することも可能となる。
【0053】
また、BS1のサービスエリア内における電波不感地帯の減少を目的とする場合には、RS2はBS1ほどの送信電力を必要とせず、したがって、RS2の設備の規模をBS1よりも小さくし、設備コストを削減することができる。さらに、BS1にはネットワークとの接続用の光ファイバ等の回線の引き込みが必要であるが、RS2は無線信号により中継を行うので、回線の引き込みが不要となり、設備コストを削減することができる。
【0054】
また、受信感度等の性能の高いアンテナを無線信号の送受信に用い、無線信号の変調方式として、多値変調による高度な変調方式を用いれば、データの伝送レートを向上させることができる。
【0055】
また、RS2を固定設置(同一箇所に定常的に設置する場合)とし、商用電源等の安定した電源から駆動電力を供給すれば、一度確立した通信経路を長く使用することができる。さらに、固定設置であるBS1とRS2との間で確立した通信経路は変動しないため、絶えず移動する可能性がある携帯電話端末等の無線通信端末のみを経由して情報を中継するマルチホップ形態と比較して、RS2を設けることにより通信経路の変動を抑制し、より安定した通信を行うことができる。
【0056】
また、図11に示されるRS2aおよびRS2bのように、RSを多段となるように設置することにより、BS1のサービスエリアをより拡張することができる。
【0057】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施形態による無線ネットワークの構成を示す概略構成図である。
【図2】同第1の実施形態におけるDL−MAP IEの構成を示す参考図である。
【図3】同第1の実施形態におけるDL−MAP IEの構成を示す参考図である。
【図4】同第1の実施形態における無線フレームの構成を示す参考図である。
【図5】同第1の実施形態による中継局装置の構成を示すブロック図である。
【図6】同第1の実施形態による中継局装置が備えるMAPメッセージ再構築部の構成を示すブロック図である。
【図7】同第1の実施形態による中継局装置が備える送信データ生成部の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における無線フレームの構成を示す参考図である。
【図9】本発明の第3の実施形態における無線フレームの構成を示す参考図である。
【図10】本発明の第3の実施形態における無線フレームの他の構成を示す参考図である。
【図11】本発明の第4の実施形態による無線ネットワークの構成を示す概略構成図である。
【図12】同第4の実施形態における無線フレームの構成を示す参考図である。
【図13】同第4の実施形態における無線フレームの他の構成を示す参考図である。
【図14】同第4の実施形態における無線フレームの他の構成を示す参考図である。
【図15】P−MP形態による中継方式における無線フレームの構成例を示す参考図である。
【図16】P−MP形態による中継方式における無線フレームの他の構成例を示す参考図である。
【図17】IEEE802.16のP−MP形態におけるDL−MAPの構成を示す参考図である。
【図18】IEEE802.16のP−MP形態におけるDL−MAP IEの構成を示す参考図である。
【図19】IEEE802.16のP−MP形態における無線フレームの構成を示す参考図である。
【図20】IEEE802.16のメッシュ形態における無線フレームの構成を示す参考図である。
【符号の説明】
【0059】
1・・・BS、2,2a,2b・・・RS、3a,3b,3c,3d・・・SS、21・・・受信部(受信手段)、22・・・MAPメッセージ再構築部(情報生成手段)、23・・・MAPメッセージ保存部、24・・・データバッファ部、25・・・端末情報保持部、26・・・送信データ生成部、27・・・送信部(送信手段)、221・・・MAPメッセージ読み込み部、222・・・MAPメッセージ検索部、223・・・MAPメッセージ構築部、261・・・データ順照合部、262・・・バッファ、263・・・送信データ構築部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と、情報の中継を行う中継局装置とを備えると共に、前記中継局装置を介して前記基地局装置と無線通信を行う無線端末装置を備えた無線通信システムにおいて、
前記基地局装置は、情報の送受信のタイミングを通知するスケジューリング情報およびバーストパケットを前記中継局装置へ送信し、
前記中継局装置は、前記スケジューリング情報および前記バーストパケットを受信すると共に、自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成し、前記スケジューリング情報および前記通知情報を自身の配下の前記無線端末装置へ送信すると共に、前記プリアンブルが付加された前記バーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
基地局装置と、情報の中継を行う中継局装置とを備えると共に、前記中継局装置を介して前記基地局装置と無線通信を行う無線端末装置を備えた無線通信システムにおいて、
前記基地局装置は、自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成すると共に、情報の送受信のタイミングを通知する第1のスケジューリング情報および前記通知情報を前記中継局装置および自身の配下の前記無線端末装置へ送信し、
前記中継局装置は、前記第1のスケジューリング情報を受信し、該第1のスケジューリング情報に基づいた第2のスケジューリング情報を自身の配下の前記無線端末装置へ送信し、
前記基地局装置は、前記中継局装置による前記第2のスケジューリング情報の送信以後において、前記プリアンブルが付加されたバーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
無線フレーム内における前記スケジューリング情報の送信位置が一定であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
基地局装置と、該基地局と無線通信を行う無線端末装置との間で送受信される情報の中継を行う中継局装置において、
前記基地局装置によって送信された、情報の送受信のタイミングを通知するスケジューリング情報およびバーストパケットを受信する受信手段と、
自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成する情報生成手段と、
前記スケジューリング情報および前記通知情報を自身の配下の前記無線端末装置へ送信すると共に、前記プリアンブルが付加された前記バーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする中継局装置。
【請求項5】
情報が送信される無線フレーム内における前記スケジューリング情報の送信位置が一定であることを特徴とする請求項4に記載の中継局装置。
【請求項6】
情報の中継を行う中継局装置を介して、または直接、無線端末装置と無線通信を行う基地局装置において、
自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成し、
情報の送受信のタイミングを通知する第1のスケジューリング情報および前記通知情報を前記中継局装置および自身の配下の前記無線端末装置へ送信すると共に、前記第1のスケジューリング情報を受信した前記中継局装置による配下の前記無線端末装置への第2のスケジューリング情報の送信以後において、前記プリアンブルが付加されたバーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信する
ことを特徴とする基地局装置。
【請求項7】
情報が送信される無線フレーム内における前記スケジューリング情報の送信位置が一定であることを特徴とする請求項6に記載の基地局装置。
【請求項1】
基地局装置と、情報の中継を行う中継局装置とを備えると共に、前記中継局装置を介して前記基地局装置と無線通信を行う無線端末装置を備えた無線通信システムにおいて、
前記基地局装置は、情報の送受信のタイミングを通知するスケジューリング情報およびバーストパケットを前記中継局装置へ送信し、
前記中継局装置は、前記スケジューリング情報および前記バーストパケットを受信すると共に、自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成し、前記スケジューリング情報および前記通知情報を自身の配下の前記無線端末装置へ送信すると共に、前記プリアンブルが付加された前記バーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
基地局装置と、情報の中継を行う中継局装置とを備えると共に、前記中継局装置を介して前記基地局装置と無線通信を行う無線端末装置を備えた無線通信システムにおいて、
前記基地局装置は、自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成すると共に、情報の送受信のタイミングを通知する第1のスケジューリング情報および前記通知情報を前記中継局装置および自身の配下の前記無線端末装置へ送信し、
前記中継局装置は、前記第1のスケジューリング情報を受信し、該第1のスケジューリング情報に基づいた第2のスケジューリング情報を自身の配下の前記無線端末装置へ送信し、
前記基地局装置は、前記中継局装置による前記第2のスケジューリング情報の送信以後において、前記プリアンブルが付加されたバーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
無線フレーム内における前記スケジューリング情報の送信位置が一定であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
基地局装置と、該基地局と無線通信を行う無線端末装置との間で送受信される情報の中継を行う中継局装置において、
前記基地局装置によって送信された、情報の送受信のタイミングを通知するスケジューリング情報およびバーストパケットを受信する受信手段と、
自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成する情報生成手段と、
前記スケジューリング情報および前記通知情報を自身の配下の前記無線端末装置へ送信すると共に、前記プリアンブルが付加された前記バーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする中継局装置。
【請求項5】
情報が送信される無線フレーム内における前記スケジューリング情報の送信位置が一定であることを特徴とする請求項4に記載の中継局装置。
【請求項6】
情報の中継を行う中継局装置を介して、または直接、無線端末装置と無線通信を行う基地局装置において、
自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成し、
情報の送受信のタイミングを通知する第1のスケジューリング情報および前記通知情報を前記中継局装置および自身の配下の前記無線端末装置へ送信すると共に、前記第1のスケジューリング情報を受信した前記中継局装置による配下の前記無線端末装置への第2のスケジューリング情報の送信以後において、前記プリアンブルが付加されたバーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信する
ことを特徴とする基地局装置。
【請求項7】
情報が送信される無線フレーム内における前記スケジューリング情報の送信位置が一定であることを特徴とする請求項6に記載の基地局装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−74325(P2006−74325A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−253950(P2004−253950)
【出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】
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