説明

無線通信システムおよび無線通信方法

【課題】一定周期で通信を行うことができる無線通信システムおよび無線通信方法を提供する。
【解決手段】親局が配下の各子局に対してデータの送信を許容する送信許容時間を一定の通信周期内に設定し、子局は、親局からの指令データに対する処理を実施して応答データを生成し、応答データのデータ量、および、自局と親局との間の伝送速度に基づいて、送信許容時間内における応答データの送信可否を判定し、送信許容時間内において応答データの送信が不可能であると判定した場合に、応答データを破棄して当該応答データの送信を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムおよび無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、無線LANでは、アクセスポイント(AP)と呼ばれる親局1台と、ステーション(STA)と呼ばれるアクセスポイント配下の複数の子局とで、ネットワークが構成される。一般の無線LANにおいては、各子局が自律的に乱数によるランダムな待ち時間を設け、その待ち時間の後に、他の子局が通信を実施していなければ、データを送信するDCF(Distributed Coordination Function)モードがある。このDCFモードでは、各子局が自律的に判断してデータ送信を行うため、親局と各子局との間、子局と他の子局間でデータ衝突が発生する可能性がある。また、各子局が独自に決定した待ち時間待ってデータ送信するため、データの送信タイミングが揺らぐ問題がある。この問題を改善するため、親局が集中的に各子局との通信を制御するPCF(Point Coordination Function)モードが設けられている。このPCFモードでは、各局間においてデータの衝突は発生しないが、送信するデータ量により各子局がデータを送信する周期が揺らぐ問題がある。
【0003】
なお、下記特許文献1では、DCFモードとPCFモードとを併用するシステムにおいて、優先的な送信を要するデータをカウントする手段を持ち、優先度が高いデータのデータ量に応じてPCFモードにより通信を実施する時間とDCFモードにより通信を実施する時間とを調整することにより、優先送信を要するデータを優先的に送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−187021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来のDCFモードを用いた無線LAN通信では、データの衝突が発生したり、送信データ量によって一定の周期での通信が出来ない、という問題があった。また、上記特許文献1を含むPCFモードを併用した従来技術においても、各子局がデータ送信時に占有する時間もデータ量に依存して変動するため、一定の周期で親局と子局との間の通信を実施することが保証できない、という問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、一定周期で通信を行うことを可能とする無線通信システムおよび無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる無線通信システムは、親局と、前記親局の配下の複数の子局とで構成される無線通信システムであって、前記親局は、前記各子局に対してデータの送信を許容する送信許容時間を一定の通信周期内に設定し、前記各子局に対する指示命令である指令データと前記送信周期とを前記各子局に通知し、前記各子局は、前記指令データに対する処理を実施して応答データを生成し、前記応答データのデータ量、および、自局と前記親局との間の伝送速度に基づいて、前記送信許容時間内における前記応答データの送信可否を判定し、前記送信許容時間内において前記応答データの送信が不可能であると判定した場合に、前記応答データを破棄して当該応答データの送信を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一定周期で通信を行うことが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、FA(Factory Automation)分野における産業機器間の無線ネットワークの一構成例を示す図である。
【図2】図2は、実施の形態1にかかる無線通信方法におけるデータの送受信シーケンスの一例を示す図である。
【図3】図3は、実施の形態1にかかる無線通信システムにおける子局の一構成例を示す図である。
【図4】図4は、実施の形態1にかかる無線通信システムにおける子局側の処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、実施の形態2にかかる無線通信システムにおける子局側の処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、子局が親局に対して送信する送信不可通知のメッセージフォーマットの一例を示す図である。
【図7】図7は、残データの種別毎の優先度を規定するテーブルの一例を示す図である。
【図8】図8は、実施の形態3にかかる無線通信システムにおける子局側の処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、子局が親局に対して送信する分割応答データ通知のメッセージフォーマットの一例を示す図である。
【図10】図10は、データの再送シーケンスの一例を示す図である。
【図11】図11は、実施の形態4にかかる無線通信システムにおける親局の一構成例を示す図である。
【図12】図12は、親局側における指令データおよび送信許容時間通知の送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】図13は、通信周期内における時間枠割り当ての一例を示す図である。
【図14】図14は、親局側におけるデータ受信後の処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】図15は、周期管理部における送信許容時間再割り当て処理の一例を示すサブフローチャートである。
【図16】図16は、残データ管理テーブルの一例を示す図である。
【図17】図17は、緊急通信用の時間枠を設定した通信周期の一例を示す図である。
【図18】図18は、子局において緊急停止を要する事象が発生した場合の親局および子局の処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】図19は、親局において何らかの異常電波を受信した場合の親局および子局の処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】図20は、子局において何らかの異常電波を受信した場合の親局および子局の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態にかかる無線通信システムおよび無線通信方法について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、FA(Factory Automation)分野における産業機器間の無線ネットワークの一構成例を示す図である。図1に示すように、装置の制御を行う制御装置と制御される被制御装置とが、それぞれ例えば無線LANのような無線通信機能を持ち、制御装置である無線親局(以下、単に「親局」という)11と被制御装置である複数の各無線子局(以下、単に「子局」という)12,13との間で一定周期の無線通信を行う。
【0012】
図2は、実施の形態1にかかる無線通信方法におけるデータの送受信シーケンス図である。図2に示す例では、親局11が予め設定した一定の通信周期22の間に、自局配下の各子局(ここでは、子局12,13)が応答データの送信を終了する例を示している。図2に示すように、親局11は、同報通信によって各子局12,13に対する指示命令である指令データAを送信する(ステップST101)。データAを受信した各子局12,13は、当該指示命令に対する自装置の処理を実施し、それぞれ応答データを生成する。
【0013】
つぎに、親局11は、子局12に対して、当該子局12が送信に使用できる送信許容時間を指定した許容時間通知を送信する(ステップST102)。許容時間通知を受信した子局12は、送信許容時間19中に応答データBを親局11へ送信する(ステップST103)。
【0014】
つぎに、親局11は、子局13に対して、当該子局13が送信に使用できる送信許容時間を指定した許容時間通知を送信する(ステップST104)。許容時間通知を受信した子局13は、送信許容時間20中に応答データCを親局11へ送信する(ステップST105)。
【0015】
そして、親局11は、一定の通信周期22中に、自装置配下の各子局(ここでは、子局12,13)とのデータの送受信を行った後、次の通信周期における各子局に対する指令データDを送信する(ステップST106)。このように、本実施の形態では、親局と各子局との間で、一定周期内に一つの指令に対するデータ送受信を行い、その処理を予め設定した一定の通信周期で繰り返すことにより、無線による定周期通信を実施する。
【0016】
図3は、実施の形態1にかかる無線通信システムにおける子局の一構成例を示す図である。図3に示すように、子局31は、親局からの無線データを受信する無線データ受信部32、応答データの送信可否を判定する送信判定部33、親局からの指令データに応じた処理を行う指令処理部34、および親局に対して無線データを送信する無線データ送信部35を備えている。
【0017】
つぎに、実施の形態1にかかる無線通信システムにおける子局側の動作を、図3および図4を参照して説明する。図4は、実施の形態1にかかる無線通信システムにおける子局側の処理の一例を示すフローチャートである。
【0018】
親局から指令データAを受信すると(ステップST201)、無線データ受信部32は、当該指令データAを送信判定部33に送信する(ステップST202)。送信判定部33は、指令データAを受信し(ステップST203)、当該指令データAを指令処理部34に送信する(ステップST204)。指令処理部34は、指令データAを受信し(ステップST205)、当該指令に基づいた処理を実施し(ステップST206)、処理結果を応答データBとして送信判定部33に送信する(ステップST207)。
【0019】
送信判定部33は、応答データBを受信し(ステップST208)、当該子局31に対する許容時間通知を受信するまで、親局に対する応答データBの送信を保留する。
【0020】
つぎに、親局から許容時間通知を受信すると(ステップST209)、無線データ受信部32は、当該許容時間通知を送信判定部33に送信する(ステップST210)。送信判定部33は、許容時間通知を受信すると(ステップST211)、指令処理部34から受信した応答データBのデータ長を、自局において使用可能な伝送速度で除することにより、応答データBの送信時間を算出し、当該送信時間が許容時間通知において指定された送信許容時間内に収まるか否か、すなわち、応答データBを送信許容時間内に送信可能か否かを判定する(ステップST212)。ここで、自局において使用可能な伝送速度は、予め送信判定部33に設定されていてもよいし、親局が子局31に対する送信許容時間通知で指定した伝送速度を指定してもよい。
【0021】
送信判定部33は、ステップST212において応答データBを送信許容時間内に送信可能と判定した場合には(ステップST212;Yes)、応答データBを無線データ送信部35に送信し(ステップST213)、無線データ送信部35は、当該応答データBを受信し(ステップST214)、親局に応答データBを送信する(ステップST215)。
【0022】
また、送信判定部33は、ステップST212において応答データBを送信許容時間内に送信不可と判定した場合には(ステップST212;No)、当該応答データBを破棄する(ステップST216)。なお、本実施の形態では、親局は、許容時間通知において指定した送信許容時間内に子局から応答データを受信しなかった場合に、子局に対して指定した送信許容時間が不足していると認識する。
【0023】
以上説明したように、実施の形態1の無線通信システムおよび無線通信方法によれば、親局が配下の各子局に対して送信許容時間を指定し、子局は、親局から指定された送信許容時間内に、応答データを送信するようにしたので、一定周期で親局と各子局との通信を行うことが可能となる。
【0024】
また、子局は、送信許容時間内に応答データを送信できない場合は、当該応答データの送信を停止するようにしたので、子局から送信される応答データのデータ量により通信遅延を生じることなく、一定周期で親局と各子局との通信を行うことが可能となる。
【0025】
実施の形態2.
本実施の形態では、子局側において応答データを送信許容時間内に送信不可と判定した場合は、子局が親局に対して応答データの送信が不可能であることを通知する例について説明する。なお、実施の形態2にかかる無線通信システムにおける子局の構成は、実施の形態1において説明した図3の構成と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0026】
実施の形態2にかかる無線通信システムにおける子局側の動作を、図3、図5、図6、および図7を参照して説明する。図5は、実施の形態2にかかる無線通信システムにおける子局側の処理の一例を示すフローチャートである。また、図6は、子局が親局に対して送信する送信不可通知のメッセージフォーマットの一例を示す図である。図7は、残データの種別毎の優先度を規定するテーブルの一例を示す図である。
【0027】
図5において、ステップST201〜ステップST215までの処理は、実施の形態1において説明した図4のフローチャートと同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0028】
本実施の形態では、送信判定部33は、ステップST212において応答データBを送信許容時間内に送信不可と判定した場合には(ステップST212;No)、応答データBを残データとして保持すると共に、図6に示すメッセージフォーマットに従い、送信不可通知を生成する(ステップST217)。この送信不可通知は、図6に示すように、例えば、親局識別子41、子局識別子42、メッセージ種別(ここでは送信不可通知)43、メッセージ長44、残データ(ここでは応答データB)のデータ量を示す残データ長45、および残データの優先度46等のデータが残データ情報として格納される。ここで、残データの種別毎の優先度46は、予め親局と各子局との間で、図7に示すような共通のテーブルで設定されているものとする。送信判定部33は、当該テーブルを参照して、残データの優先度46を判定し、図6に示すメッセージフォーマットに格納する。
【0029】
そして、送信判定部33は、送信不可通知を無線データ送信部35に送信し(ステップST218)、無線データ送信部35は、当該送信不可通知を受信し(ステップST219)、送信不可通知を親局に送信する(ステップST220)。なお、本実施の形態では、親局は、この送信不可通知を受信した場合に、子局に対して指定した送信許容時間が不足していることを認識すると共に、残データのデータ長や優先度等を認識する。
【0030】
以上説明したように、実施の形態2の無線通信システムおよび無線通信方法によれば、子局は、親局に対する応答データの送信が不可能である場合には、親局から指定された送信許容時間内に、残データのデータ長や優先度等の残データ情報を格納した送信不可通知を送信するようにしたので、一定周期で親局と各子局との通信を行うことが可能となると共に、親局は、残データのデータ長や優先度等の必要な情報を得ることができる。
【0031】
実施の形態3.
本実施の形態では、応答データを送信許容時間内に送信可能なデータ長分の分割応答データと送信不可能なデータ長分の残データとに分割して、分割応答データと、残データ情報とを格納した分割応答データ通知を親局に送信する例について説明する。なお、実施の形態3にかかる無線通信システムにおける子局の構成は、実施の形態2と同様に、実施の形態1において説明した図3の構成と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0032】
実施の形態3にかかる無線通信システムにおける子局側の動作を、図3、図8、および図9を参照して説明する。図8は、実施の形態3にかかる無線通信システムにおける子局側の処理の一例を示すフローチャートである。また、図9は、子局が親局に対して送信する分割応答データ通知のメッセージフォーマットの一例を示す図である。
【0033】
図8において、ステップST201〜ステップST215までの処理は、実施の形態1において説明した図4のフローチャートと同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0034】
本実施の形態では、送信判定部33は、ステップST212において応答データBを送信許容時間内に送信不可と判定した場合には(ステップST212;No)、応答データBを送信許容時間内に送信可能なデータ長分の分割応答データと、送信不可能なデータ長分の残データとに分割して(ステップST221)、残データを保持し、図9に示すメッセージフォーマットに従い、分割応答データ通知を作成する(ステップST222)。この分割送信データは、図9に示すように、例えば、親局識別子41、子局識別子42、メッセージ種別(ここでは分割応答データ通知)43、メッセージ長44、分割応答データ長47、残データのデータ量を示す残データ長48、および残データの優先度46等の残データ情報と、送信可能な分割応答データ49とが格納される。
【0035】
そして、送信判定部33は、分割応答データ通知を無線データ送信部35に送信し(ステップST223)、無線データ送信部35は、当該分割応答データ通知を受信し(ステップST224)、分割応答データ通知を親局に送信する(ステップST225)。本実施の形態では、親局は、この分割応答データ通知を受信した場合に、分割応答データを取得すると共に、子局に対して指定した送信許容時間が不足していること、および、送信不可能な残データのデータ長や優先度等を認識する。
【0036】
以上説明したように、実施の形態3の無線通信システムおよび無線通信方法によれば、子局は、親局に対する応答データの送信が不可能である場合には、親局から指定された送信許容時間内に、送信可能なデータ長分の分割応答データと、送信不可能な残データのデータ長や優先度等の残データ情報を格納した分割応答データ通知を送信するようにしたので、一定周期で親局と各子局との通信を行うことが可能となると共に、親局は、送信可能なデータ長分の分割応答データと、送信不可能な残データのデータ長や優先度等の必要な情報とを得ることができる。
【0037】
実施の形態4.
実施の形態1〜実施の形態3では、子局側の動作について説明したが、本実施の形態では、親局側の動作について説明する。
【0038】
図10は、データの再送シーケンスの一例を示す図である。図10に示す例では、子局82から送信された応答データを親局81が正常に受信できない場合に、親局81が予め設定した通信周期83の間に、応答データの再送を含む送受信が終了する例を示している。
【0039】
図10に示すように、親局81は、子局82に対して指令データAを送信し(ステップST301)、続いて、子局82の送信許容時間84を指定した送信許容時間通知を送信する(ステップST302)。
【0040】
子局82は、親局81に対して、指令データAに対する応答データBを送信する(ステップST303)。この応答データBを親局81が正常に受信できなかった場合、親局81は、非受信確認応答としてNACK(Negative Acknowledgement)データを子局82に送信する(ステップST304)。
【0041】
子局82は、親局81からNACKデータを受信すると、送信許容時間内において応答データの送信可否を再判定し、送信許容時間内において応答データの送信が可能であると判定した場合に、親局81に対して、応答データBを再度送信する(ステップST305)。親局81が応答データBを正常に受信すると、親局81は、受信確認応答としてACK(Acknowledgement)データを子局82に送信する(ステップST306)。このように、本実施の形態では、親局81と子局82との間で、送信許容時間84内にACKデータ、NACKデータを送受信することによりデータの送達確認を行い、子局82が親局81からのNACKデータを受信した場合には、同一の応答データを再度送信することにより、通信の信頼性を高めている。
【0042】
また、親局は、各子局に対するNACKデータ送信回数をカウントすることにより、各子局毎の再送発生回数を集計することができる。この再送発生回数により、親局は、親局と再送発生回数の多い子局との間の通信環境が悪いことを認識する。なお、各通信装置間で送達確認情報を送受することにより、データを再送する手法として、無線LANでは、ACKデータを規定時間以内に送信しないことにより、データの再送を実行する手法が一般的に使用されているが、本実施の形態では、NACKデータを送信して応答データの再送信を実施することにより、一定の通信周期内にデータの再送を実行するようにしている。
【0043】
図11は、実施の形態4にかかる無線通信システムにおける親局の一構成例を示す図である。図11に示すように、親局91は、指令データを生成する指令生成部92、通信周期の管理および各子局1−1〜1−n(nは自然数)の送信許容時間を決定する周期管理部93、各子局1−1〜1−nに対して無線データを送信すると共に、送達確認用のACKデータ、NACKデータを生成する無線データ送信部94、各子局1−1〜1−nからの無線データを受信する無線データ受信部95、および各子局1−1〜1−nからのデータを分析する受信データ分析部96を備えている。
【0044】
つぎに、親局側における指令データおよび送信許容時間通知の送信動作を、図11、図12、および図13を参照して説明する。図12は、親局側における指令データおよび送信許容時間通知の送信処理の一例を示すフローチャートである。また、図13は、通信周期内における時間枠割り当ての一例を示す図である。
【0045】
指令生成部92は、各子局1−1〜1−nに対する指令データを生成し(ステップST401)、周期管理部93に送信する(ステップST402)。周期管理部93は、当該指令データを受信すると(ステップST403)、一定の通信周期の開始時刻になった時点で当該指令データを無線データ送信部94に送信し(ステップST404)、無線データ送信部94は、指令データを受信し(ステップST405)、当該指令データを子局に送信する(ステップST406)。
【0046】
一方、周期管理部93は、ステップST404において指令データを無線データ送信部94に送信すると共に、一定の通信周期をカウントする通信周期タイマを起動する(ステップST407)。なお、当該通信周期タイマがタイムアウトしたタイミングを次の通信周期の開始時刻として、次の指令データを無線データ送信部94に送信し、無線データ送信部94を経由して各子局に送信することになる。
【0047】
つぎに、周期管理部93は、自局配下の各子局1−1〜1−nに対する送信許容時間を算出して送信許容時間通知を生成し(ステップST408)、各子局1−1〜1−nのうち、最初の子局(ここでは子局1−1)に対する送信許容時間通知を送信する時刻までの時間をカウントする送信許容時間通知送信待ちタイマを起動する(ステップST409)。なお、送信許容時間の算出手法については、図13を用いて後述する。周期管理部93は、子局1−1に対する送信許容時間送信待ちタイマがタイムアウトすると(ステップST410)、子局1−1に対する送信許容時間通知を無線データ送信部94に送信し(ステップST411)、無線データ送信部94は、子局1−1に対する送信許容時間通知を受信し(ステップST412)、当該送信許容時間通知を子局に送信する(ステップST413)。
【0048】
一方、周期管理部93は、ステップST411において子局1−1に対する送信許容時間通知を無線データ送信部94に送信すると共に、当該送信許容時間分のタイマを起動し(ステップST414)、当該タイマがタイムアウトすると(ステップST415)、ステップST411の処理に戻り、次の子局(ここでは子局1−2)に対する送信許容時間通知を無線データ送信部94に送信する(ステップST411)。以降、ステップST411〜ステップST415の処理を繰り返して、各子局1−1〜1−nに対する送信許容時間通知を送信する。
【0049】
ここで、各子局に対する送信許容時間を算出する手法について、図13を参照して説明する。図13に示すように、指令データの送信間隔となる通信周期121は、予め親局91において固定値が設定され、本通信周期121の間に親局91と各子局1−1〜1−nとの通信を行う。この通信周期121は、指令処理完了時間122と、各子局1−1〜1−nに対する各送信許容時間123−1〜123−nと、送信許容時間再割当時間124とを含んでいる。
【0050】
指令処理完了時間122は、親局が指令データを送信する指令データ送信時間Aと、各子局1−1〜1−nが当該指令に対する処理を完了するまでの時間B(以下「指令処理時間」という)を含み、次式(1)により求める。
【0051】
指令処理完了時間=指令データ送信時間A+指令処理時間B …(1)
【0052】
上式(1)において、指令データ送信時間Aは、指令データ長を伝送時間で除することで得られ、指令処理時間Bは、予め親局91において固定値が設定されている。
【0053】
各子局1−1〜1−nに対する送信許容時間123−1〜123−nは、全て同一とし、次式(2)により算出する。
【0054】
送信許容時間=(通信周期−指令処理完了時間−送信許容時間再割当時間)
÷子局数(n) …(2)
【0055】
なお、送信許容時間再割当時間124は、各送信許容時間で通信できなかった子局に対して、再度送信許容時間を割当てるための時間であり、予め親局91において固定値が設定されている。
【0056】
つぎに、親局側におけるデータ受信後の動作を、図11、図14、図15および図16を参照して説明する。図14は、親局側におけるデータ受信後の処理の一例を示すフローチャートである。図15は、周期管理部における送信許容時間再割り当て処理の一例を示すサブフローチャートである。図16は、残データ管理テーブルの一例を示す図である。
【0057】
無線データ受信部95は、各子局1−1,1−nからデータを受信すると(ステップST501)、当該データが正常か否かを判定する(ステップST502)。データが正常ではないと判定した場合は(ステップST502;No)、無線データ受信部95は、NACKデータ送信要求を無線データ送信部94に送信し(ステップST503)、無線データ送信部94は、NACKデータ送信要求を受信して(ステップST504)、当該子局に対してNACKデータを送信する(ステップST505)。一方、無線データ受信部95は、再送が発生したことを当該子局の識別子と共に再送発生通知として周期管理部93に通知する(ステップST506)。
【0058】
ステップST502においてデータが正常であると判定した場合は(ステップST502;Yes)、無線データ受信部95は、当該データを受信データ分析部96に送信すると共に(ステップST507)、ACKデータ送信要求を無線データ送信部94に送信し(ステップST508)、無線データ送信部94は、ACKデータ送信要求を受信して(ステップST504)、当該子局に対してACKデータを送信する(ステップST505)。
【0059】
受信データ分析部96は、無線データ受信部95からのデータを受信し(ステップST509)、当該データの種別を解析し、応答データあるいは分割応答データ通知であるか否かを判定する(ステップST510)。データの種別が応答データあるいは分割応答データ通知であると判定した場合は(ステップST510;Yes)、受信データ分析部96は、当該応答データあるいは分割応答データ通知に格納された分割応答データを指令生成部92に送信する(ステップST511)。
【0060】
また、受信データ分析部96は、当該データが分割応答データ通知である場合、あるいは、ステップST510におけるデータ種別解析の結果、当該データの種別が応答データあるいは分割応答データではない(すなわち、送信不可通知である)と判定した場合は(ステップST510;No)、分割応答データ通知あるいは送信不可通知から残データ情報を抽出して(ステップST512)、周期管理部93に子局識別子と共に通知する(ステップST513)。ここで残データ情報とは、残データ量を示す残データ長と残データの優先度とを示す。
【0061】
周期管理部93は、無線データ受信部95からの再送発生通知、および受信データ解析部95からの残データ情報を受信すると、図15に示す送信許容時間再割り当て処理600に移行する。
【0062】
周期管理部93は、無線データ受信部95からの再送発生通知、および受信データ解析部95からの残データ情報を受信し(ステップST601)、受信したデータの種別を分析し、再送発生通知であるか否かを判定し(ステップST602)、再送発生通知であれば(ステップST602;Yes)、該当する子局毎に再送回数をインクリメントして記憶する(ステップST603)。また、受信したデータが残データ情報通知であれば(ステップST602;No)、当該情報の優先度順に、子局識別子、残データ量を示す残データ長、当該残データを送信するために要する送信所要時間等の残データ情報を記憶する(ステップST604)。ここで、残データを送信するために要する送信所要時間は、残データ長を伝送速度で除することにより求める。
【0063】
周期管理部93は、各子局1−1〜1−nに対して設定した送信許容時間が経過したか否かを判定し(ステップST605)、送信許容時間が経過していなければ(ステップST605;No)、ステップST601の処理に戻り、ステップST601〜ステップST605の処理を繰り返し実行して、図16に示す残データ管理テーブルを作成する。送信許容時間が経過すると(ステップST605;Yes)、周期管理部93は、応答データ未受信および残データを保持している子局に対して再度割り当てる送信許容時間(以下、「再割り当て送信許容時間」という)を算出する(ステップST606)。
【0064】
ここで、再割り当て送信許容時間の算出手法について、図16を参照して説明する。図16に示す例では、各子局毎の残データ情報を優先度51順に並べ、各残データ情報に該当する子局識別子52、再送発生回数53、残データ長54、送信所要時間55を関連付けて管理する。なお、図16に示す例では、優先度51の数字が小さいものほど高い優先度としている。
【0065】
各子局に対する送信許容時間の再割り当ては、図13に示す送信許容時間再割当時間124を使用して実施する。周期管理部93は、図16に示した残データ管理テーブルを参照し、まず、送信所要時間55を再割り当て送信許容時間として割り当てる。
【0066】
つぎに、周期管理部93は、残データを保持する各子局に再割り当て送信許容時間を割り当てた後に、送信許容時間再割当時間124が残っている場合は、優先度51の高い残データを保持している子局に対し、再送発生回数53が多い子局から順に、再割り当て送信許容時間を倍増する。例えば、図16に示す例では、まず、優先度51の値が「1」の残データを保持する子局1−1と子局1−3とのうち、再送発生回数53が多い子局1−3の再割り当て送信許容時間を倍増して2msecとする。子局1−1は、再送発生回数51が「0」であるので、再割り当て送信許容時間を2msecのままとする。以下、優先度51の高い残データを保持している子局から順に、送信許容時間再割当時間124がなくなるまで、再割り当て送信許容時間を倍増する処理を繰り返す。なお、図16に示す例では、子局1−5の再送発生回数53は「3」であるが、今回の通信周期では残データが発生していないため、送信許容時間の再割り当ては実施しない。
【0067】
周期管理部93は、送信許容時間再割当時間がなくなった時点で、ステップST606の再割り当て送信許容時間算出処理を完了し、子局1−1に対する再割り当て送信許容時間通知を無線データ送信部94に送信すると共に(ステップST607)、子局1−1に対する再割り当て送信許容時間分のタイマを起動し(ステップST608)、当該タイマがタイムアウトすると(ステップST609)、ステップST607の処理に戻り、次の子局(ここでは子局1−3)に対する再割り当て送信許容時間通知を無線データ送信部94に送信する(ステップST607)。以降、ステップST607〜ステップST609の処理を繰り返して、残データを保持している各子局に対する再割り当て送信許容時間通知を無線データ送信部94に送信する。なお、図16に示す残データ管理テーブルは、通信周期毎に作成するものであり、次の通信周期の開始時点でクリアし、再度当該通信周期内における残データ管理テーブルを作成する。
【0068】
図14に示すフローチャートに戻り、無線データ送信部94は、残データを保持している各子局毎に再割り当て送信許容時間通知を受信し(ステップST514)、該当する子局に対する再割り当て送信許容時間通知を送信する(ステップST515)。なお、残データを保持している各子局は、各子局毎に割り当てられた再割り当て送信許容時間内に、送信判定部33に保持していた残データを親局91に送信する。
【0069】
一方、指令生成部92は、応答データあるいは分割応答データを受信すると(ステップST516)、次周期における指令データを生成し(ステップST517)、周期管理部93に送信する(ステップST518)。
【0070】
周期管理部93は、指令生成部92から指令データを受信すると(ステップST519)、次の通信周期の開始タイミングになるまで当該指令データの送信を保留し、次の通信周期の開始タイミングにおいて当該指令データを無線データ送信部94に送信し(ステップST520)、無線データ送信部94は、当該データを受信して(ステップST521)、親局91の配下の各子局1−1〜1−nに対して指令データを送信する(ステップST522)。
【0071】
以上説明したように、実施の形態4の無線通信システムおよび無線通信方法によれば、親局が算出した送信許容時間内に、親局と子局との間でACKデータおよびNACKデータを送受信することによりデータの送達確認を行い、子局が親局からのNACKデータを受信した場合には、送信許容時間内において応答データの送信可否を再判定し、送信許容時間内において応答データの送信が可能であると判定した場合に、同一の応答データを再度送信するようにしたので、一定周期で親局と各子局との通信を行うことが可能となると共に、通信の信頼性を高めることができる。
【0072】
また、親局は、各子局に対するNACKデータ送信回数をカウントして各子局毎の再送発生回数を集計することにより、親局と再送発生回数の多い子局との間の通信環境が悪いことを認識することができる。
【0073】
また、親局は、残データを保持している各子局に対して送信許容時間を再割り当てするための送信許容時間再割当時間を通信周期内に設け、子局からの送信不可通知や分割応答データ通知により得た各子局が保持する残データのデータ量や優先度、あるいは各子局に対するNACKデータ送信回数をカウントすることにより得た各子局毎の再送発生回数に応じて、送信許容時間再割当時間内における各子局毎の再割り当て送信許容時間を設定し、各子局は、自局に設定された再割り当て送信許容時間内に残データの送信を行うようにしたので、一定の通信周期中に指令データに対する応答データの送受信が可能となる。
【0074】
実施の形態5.
本実施の形態では、親局あるいは子局において緊急停止を要する事象が発生したことを検出するための通信時間枠として、緊急通信用の時間枠を設ける例について説明する。なお、実施の形態5にかかる無線通信システムにおける子局の構成は、実施の形態1において説明した図3の構成と同一であり、同様に、親局の構成は、実施の形態4において説明した図11の構成と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0075】
図17は、緊急通信用の時間枠を設定した通信周期の一例を示す図である。図17に示すように、通信周期171は、図13に示した通信周期121と同様に、予め親局91において固定値が設定され、指令処理完了時間122と、各子局1−1〜1−nに対する各送信許容時間123−1〜123−nと、送信許容時間再割り当て時間124とを含み、さらに緊急通信時間175を含んでいる。この緊急通信時間175は、予め親局91において固定値が設定されている。また、緊急通信時間175の開始までの時間である緊急通信開始時間176は、親局91内の周期管理部93において決定する。
【0076】
つぎに、子局において緊急事態が発生した場合の親局および子局の動作を、図11、図17、および図18を参照して説明する。図18は、子局において緊急停止を要する事象が発生した場合の親局および子局の処理の一例を示すフローチャートである。
【0077】
親局91側において、指令生成部92は、指令データを周期管理部93に送信し(ステップST701)、周期管理部93は、指令データに緊急通信開始時間情報を付加して(ステップST702)、無線データ送信部94経由で子局31に送信する(ステップST703)。子局31側において、無線データ受信部32は、当該指令データを送信判定部33に送信し(ステップST704)、送信判定部33は、指令データに付加されていた緊急通信開始時間を記憶して(ステップST705)、指令処理部34に指令データを送信し(ステップST706)、指令処理部34は、指令に基づいた処理を行う(ステップST707)。
【0078】
ステップST707において指令処理実施中に何らかの障害が発生し、緊急停止が必要な事象が発生した場合(ステップST708)、指令処理部34は、送信判定部33に緊急通知を送信する(ステップST709)。送信判定部33は、緊急通知を受信し、緊急通信開始時間176が経過するまで当該緊急通知の送信を保留し(ステップST710)、緊急通信開始時間176が経過した時点で、当該緊急通知を無線データ送信部9493経由で親局に送信する(ステップST711)。
【0079】
親局91側において、無線データ受信部95は、当該緊急通知を受信データ分析部9695に送信し(ステップST712)、受信データ分析部9695は、周期管理部93、および指令生成部92に緊急通知を送信する(ステップST713,ステップST714)。指令生成部92は、緊急通知を受信すると、新たな指令生成を停止し(ステップST715)、周期管理部93は、緊急停止指示を生成し(ステップST716)、当該緊急停止指示を無線データ送信部94経由で子局に送信する(ステップST717)。なお、この緊急停止指示は、指令生成部92が生成および送信するようにしてもよい。
【0080】
子局側において、緊急停止指示を受信した無線データ受信部32は、当該緊急停止指示を送信判定部33経由で指令処理部34に送信し(ステップST718)、指令処理部34は、処理を緊急停止する(ステップST719)。なお、親局91から送信される緊急停止指示は、同報通信により親局91配下の各子局に送信され、各子局毎に緊急停止指示を受信し(ステップST720)、処理を緊急停止する(ステップST721)。
【0081】
以上説明したように、実施の形態5の無線通信システムおよび無線通信方法によれば、親局あるいは子局において緊急停止を要する事象が発生したことを検出するための通信時間枠として、緊急通信時間を通信周期内に設けたので、親局あるいは子局において緊急停止を要する事象が発生した場合でも、一定の通信周期内に緊急停止処理を行うことが可能となる。
【0082】
実施の形態6.
本実施の形態では、親局において何らかの異常電波を受信した場合の例について説明する。なお、実施の形態6にかかる無線通信システムにおける子局の構成は、実施の形態1において説明した図3の構成と同一であり、同様に、親局の構成は、実施の形態4において説明した図11の構成と同一であり、また、緊急通信用の時間枠を設定した通信周期についても、実施の形態5において説明した図17の通信周期と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0083】
図19は、親局において何らかの異常電波を受信した場合の親局および子局の処理の一例を示すフローチャートである。図19において、ステップST701〜ステップST703までの処理は、実施の形態5において説明した図18のフローチャートと同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0084】
本実施の形態では、親局91側において、周期管理部93は、指令データに緊急通信開始時間情報を付加して(ステップST702)、無線データ送信部94経由で子局に送信すると共に(ステップST703)、無線データ受信部95に緊急通信開始時間を通知する(ステップST801)。
【0085】
無線データ受信部95は、緊急通信開始時間が経過すると、緊急通信受信処理を開始する(ステップST802)。無線データ受信部95は、緊急通信時間中において、子局からの緊急通知以外に、他の無線通信システムの無線機等から何らかの異常電波を受信した場合(ステップST803)、無線電波干渉と判断し、緊急通知を受信データ分析部96に送信する(ステップST804)。以降のステップST713〜ステップST721の処理は、実施の形態5において説明した図18のフローチャートと同一であるので、ここでは説明を省略する。なお、ここでいう何らかの異常電波の受信とは、自局が使用する周波数において、予め規定した電波強度以上の電波を受信することを示す。
【0086】
以上説明したように、実施の形態6の無線通信システムおよび無線通信方法によれば、緊急通信時間内に親局が何らかの異常電波を受信した場合に、親局および親局の配下の各子局を緊急停止するようにしたので、他システムからの無線電波干渉が発生した場合においても、一定の通信周期中に緊急停止処理を行うことが可能となる。
【0087】
実施の形態7.
本実施の形態では、子局において何らかの異常電波を受信した場合の例について説明する。なお、実施の形態7にかかる無線通信システムにおける子局の構成は、実施の形態1において説明した図3の構成と同一であり、同様に、親局の構成は、実施の形態4において説明した図11の構成と同一であり、また、緊急通信用の時間枠を設定した通信周期についても、実施の形態5において説明した図17の通信周期と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0088】
図20は、子局において何らかの異常電波を受信した場合の親局および子局の処理の一例を示すフローチャートである。図20において、ステップST701〜ステップST706までの処理は、実施の形態5において説明した図18のフローチャートと同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0089】
本実施の形態では、子局31側において、送信判定部33は、指令処理部34に指令データを送信すると共に(ステップST706)、無線データ受信部32に緊急通信開始時間を通知する(ステップST901)。無線データ受信部32は、緊急通信開始時間が経過すると、緊急通信受信処理を開始する(ステップST902)。
【0090】
無線データ受信部32は、緊急通信時間中において、他の無線通信システムの無線機等から何らかの異常電波を受信した場合(ステップST903)、緊急電波受信通知を送信判定部33に送信し(ステップST904)、送信判定部33は、指令処理部34に緊急停止指示を送信し(ステップST905)、指令処理部34は、当該緊急停止指示を受信して、処理を緊急停止する(ステップST906)。なお、ここでいう何らかの異常電波の受信とは、自局が使用する周波数において、予め規定した電波強度以上の電波を受信することを示し、他の無線通信システムの無線機等からの電波を異常受信した場合だけでなく、親局91配下の他の子局が送信した緊急通知を受信した場合も含んでいる。
【0091】
以上説明したように、実施の形態7の無線通信システムおよび無線通信方法によれば、緊急通信時間内に子局が何らかの異常電波を受信した場合に、自局の処理を緊急停止するようにしたので、他システムからの無線電波干渉や、自局以外の他の子局で緊急停止を要する事象が発生した場合に、子局の判断により一定の周期処理中に自局の緊急停止処理を行うことが可能となる。
【0092】
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上のように、本発明にかかる無線通信システムおよび無線通信方法は、一定周期で通信を行うことができる発明として有用である。
【符号の説明】
【0094】
1−1,1−2,…,1−n,12,13,31,82 子局
11,81,91 親局
19,20,84,123−1,123−2,…,123−n 送信許容時間
22,83,121,171 通信周期
32 無線データ受信部(子局)
33 送信判定部
34 指令処理部
35 無線データ送信部(子局)
41 親局識別子
42,52 子局識別子
43 メッセージ種別
44 メッセージ長
45,48,54 残データ長
46,51 優先度
47 分割応答データ長
49 分割応答データ
55 送信所要時間
92 指令生成部
93 周期管理部
94 無線データ送信部(親局)
95 無線データ受信部(親局)
96 受信データ分析部
122 指令処理完了時間
124 送信許容時間再割当時間
175 緊急通信時間
176 緊急通信開始時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親局と、前記親局の配下の複数の子局とで構成される無線通信システムであって、
前記親局は、前記各子局に対してデータの送信を許容する送信許容時間を一定の通信周期内に設定し、前記各子局に対する指示命令である指令データと前記送信周期とを前記各子局に通知し、
前記各子局は、前記指令データに対する処理を実施して応答データを生成し、前記応答データのデータ量、および、自局と前記親局との間の伝送速度に基づいて、前記送信許容時間内における前記応答データの送信可否を判定し、前記送信許容時間内において前記応答データの送信が不可能であると判定した場合に、前記応答データを破棄して当該応答データの送信を停止する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
親局と、前記親局の配下の複数の子局とで構成される無線通信システムであって、
前記親局は、前記各子局に対してデータの送信を許容する送信許容時間を一定の通信周期内に設定し、前記各子局に対する指示命令である指令データと前記送信周期とを前記各子局に通知し、
前記各子局は、前記指令データに対する処理を実施して応答データを生成し、前記応答データのデータ量、および、自局と前記親局との間の伝送速度に基づいて、前記送信許容時間内における前記応答データの送信可否を判定し、前記送信許容時間内において前記応答データの送信が不可能であると判定した場合に、前記応答データを残データとして保持すると共に、前記残データのデータ量および優先度を残データ情報として格納した送信不可通知を前記送信許容時間内に前記親局に送信する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
親局と、前記親局の配下の複数の子局とで構成される無線通信システムであって、
前記親局は、前記各子局に対してデータの送信を許容する送信許容時間を一定の通信周期内に設定し、前記各子局に対する指示命令である指令データと前記送信周期とを前記各子局に通知し、
前記各子局は、前記指令データに対する処理を実施して応答データを生成し、前記応答データのデータ量、および、自局と前記親局との間の伝送速度に基づいて、前記送信許容時間内における前記応答データの送信可否を判定し、前記送信許容時間内において前記応答データの送信が不可能であると判定した場合に、前記応答データを前記送信許容時間内において送信可能なデータ量の分割応答データと送信不可能なデータ量の残データとに分割して前記残データを保持すると共に、前記残データのデータ量および優先度を残データ情報とし、前記分割応答データと前記残データ情報とを格納した分割応答データ通知を前記送信許容時間内に前記親局に送信する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
前記親局は、前記子局に対して設定した前記送信許容時間内に前記子局からの前記応答データを正常に受信できなかった場合に、非受信確認を示すNACKデータを当該子局に送信し、
前記各子局は、前記親局からのNACKデータを受信した場合に、前記送信許容時間内において前記応答データの送信可否を再判定し、前記送信許容時間内において前記応答データの送信が可能であると判定した場合に、前記応答データを前記親局に再送信する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記親局は、前記各子局毎に前記NACKデータを送信した回数を前記各子局毎の再送発生回数として保持し、前記残データを保持している前記各子局に対して、前記残データの送信を許容する再割り当て送信許容時間を割り当てるための送信許容時間再割当時間を前記通信周期内に設け、前記残データのデータ量および優先度と、前記再送発生回数とに基づいて、前記各子局毎に異なる前記再割り当て送信許容時間を設定し、
前記各子局は、自局に割り当てられた前記再割り当て送信許容時間内に、前記残データを送信する
ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記親局は、当該親局あるいは前記各子局に緊急停止を行う必要のある事象が生じたことを検出するための緊急通信時間を前記通信周期内に設け、前記緊急通信時間を前記指令データに付加して前記各子局に通知することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記各子局は、自局において緊急停止を行う必要のある事象が生じた場合に、前記緊急通信時間内に緊急通知を送信し、
前記親局は、前記緊急通知に基づいて、自局および前記各子局の緊急停止を実施する
ことを特徴とする請求項6に記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記親局は、前記緊急通信時間内に、自局が使用する周波数において、予め規定した電波強度以上の電波をシステム外部から受信した場合に、自局および前記各子局の緊急停止を実施することを特徴とする請求項6または7に記載の無線通信システム。
【請求項9】
前記各子局は、前記緊急通信時間内に、自局が使用する周波数において、予め規定した電波強度以上の電波をシステム外部から受信した場合、および、前記親局の配下の他の前記子局からの前記緊急通知を受信した場合に、自局の緊急停止を実施することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項10】
親局と、前記親局の配下の複数の子局とで構成される無線通信システムであって、
前記親局は、前記各子局に対してデータの送信を許容する送信許容時間を一定の通信周期内に設定し、前記各子局に対する指示命令である指令データと前記送信周期とを前記各子局に通知し、
前記各子局は、
前記指令データを含む子局側受信データを受信する子局側無線データ受信部と、
前記指令データに対する処理を実施して応答データを生成する指令処理部と、
前記応答データのデータ量、および、自局と前記親局との間の伝送速度に基づいて、前記送信許容時間内における前記応答データの送信可否を判定する送信判定部と、
前記応答データを含む子局側送信データを前記親局に送信する子局側無線データ送信部と、
を備え、
前記送信判定部は、
前記送信許容時間内において前記応答データの送信が不可能であると判定した場合に、前記応答データを破棄して当該応答データの送信を停止する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項11】
親局と、前記親局の配下の複数の子局とで構成される無線通信システムであって、
前記親局は、前記各子局に対してデータの送信を許容する送信許容時間を一定の通信周期内に設定し、前記各子局に対する指示命令である指令データと前記送信周期とを前記各子局に通知し、
前記各子局は、
前記指令データを含む子局側受信データを受信する子局側無線データ受信部と、
前記指令データに対する処理を実施して応答データを生成する指令処理部と、
前記応答データのデータ量、および、自局と前記親局との間の伝送速度に基づいて、前記送信許容時間内における前記応答データの送信可否を判定する送信判定部と、
前記応答データを含む子局側送信データを前記親局に送信する子局側無線データ送信部と、
を備え、
前記送信判定部は、
前記送信許容時間内において前記応答データの送信が不可能であると判定した場合に、前記応答データを残データとして保持すると共に、前記残データのデータ量および優先度を残データ情報として格納した送信不可通知を生成し、
前記子局側無線データ送信部は、前記送信許容時間内に、前記送信不可通知を前記親局に送信する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項12】
親局と、前記親局の配下の複数の子局とで構成される無線通信システムであって、
前記親局は、前記各子局に対してデータの送信を許容する送信許容時間を一定の通信周期内に設定し、前記各子局に対する指示命令である指令データと前記送信周期とを前記各子局に通知し、
前記各子局は、
前記指令データを含む子局側受信データを受信する子局側無線データ受信部と、
前記指令データに対する処理を実施して応答データを生成する指令処理部と、
前記応答データのデータ量、および、自局と前記親局との間の伝送速度に基づいて、前記送信許容時間内における前記応答データの送信可否を判定する送信判定部と、
前記応答データを含む子局側送信データを前記親局に送信する子局側無線データ送信部と、
を備え、
前記送信判定部は、
前記送信許容時間内において前記応答データの送信が不可能であると判定した場合に、前記応答データを前記通信周期内において送信可能なデータ量の分割応答データと送信不可能なデータ量の残データとに分割して前記残データを保持すると共に、前記残データのデータ量および優先度を残データ情報とし、前記分割応答データと前記残データ情報とを格納した分割応答データ通知を生成し、
前記子局側無線データ送信部は、前記送信許容時間内に、前記分割応答データ通知を前記親局に送信する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項13】
前記親局は、
前記指令データを生成する指令生成部と、
前記各子局からの前記応答データを含む親局側受信データを受信する親局側無線データ受信部と、
前記送信許容時間を設定し、前記送信許容時間を前記各子局に通知する送信許容時間通知を生成する周期管理部と、
前記指令データおよび前記送信許容時間通知を含む親局側送信データを前記各子局に送信する親局側無線データ送信部と、
を備え、
前記親局側無線データ受信部は、前記子局に対して設定した前記送信許容時間内に前記子局からの前記応答データを正常に受信できなかった場合に、非受信確認を示すNACKデータ送信要求を前記親局側無線データ送信部に送信し、
前記親局側無線データ送信部は、前記NACKデータ送信要求に応じて、NACKデータを生成して前記各子局に送信し、
前記指令処理部は、前記NACKデータを受信した場合に、前記送信許容時間内において前記応答データの送信可否を再判定し、前記送信許容時間内において前記応答データの送信が可能であると判定した場合に、前記応答データを前記親局に再送信する
ことを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項14】
前記親局は、
前記親局側受信データを分析し、前記親局側受信データが前記分割応答データ通知あるいは前記送信不可通知である場合に、前記残データ情報を前記周期管理部に送信する受信データ分析部をさらに備え、
前記周期管理部は、
前記各子局毎に前記NACKデータを送信した回数を前記各子局毎の再送発生回数として保持し、前記残データを保持している前記各子局に対して、前記残データの送信を許容する再割り当て送信許容時間を割り当てるための送信許容時間再割当時間を前記通信周期内に設け、前記残データ情報に格納された前記残データのデータ量および優先度と、前記再送発生回数とに基づいて、前記各子局毎に異なる前記再割り当て送信許容時間を設定し、
前記送信判定部は、
自局に割り当てられた前記再割り当て送信許容時間内に、前記残データを送信する
ことを特徴とする請求項13に記載の無線通信システム。
【請求項15】
前記周期管理部は、当該親局あるいは前記各子局に緊急停止を行う必要のある事象が生じたことを検出するための緊急通信時間を前記通信周期内に設け、前記緊急通信時間を前記指令データに付加して前記各子局に通知することを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項16】
前記指令処理部は、自局において緊急停止を行う必要のある事象が生じた場合に、緊急通知を生成して前記緊急通信時間内に前記緊急通知を送信し、
前記指令生成部は、前記緊急通知に基づいて、指令生成処理を停止し、
前記周期管理部は、前記緊急通知に基づいて、前記各子局に対する緊急停止指示を実施する
ことを特徴とする請求項15に記載の無線通信システム。
【請求項17】
前記親局側無線データ受信部は、前記緊急通信時間内に、自局が使用する周波数において、予め規定した電波強度以上の電波をシステム外部から受信した場合に、緊急通知を生成し、
前記指令生成部は、前記緊急通知に基づいて、指令生成処理を停止し、
前記周期管理部は、前記緊急通知に基づいて、前記各子局に対する緊急停止指示を生成し、
前記指令処理部は、前記緊急停止指示に基づいて、指令処理を停止する
ことを特徴とする請求項15または16に記載の無線通信システム。
【請求項18】
前記子局側無線データ受信部は、前記緊急通信時間内に、自局が使用する周波数において、予め規定した電波強度以上の電波をシステム外部から受信した場合、および、前記親局の配下の他の前記子局からの前記緊急通知を受信した場合に、緊急電波受信通知を生成し、
前記送信判定部は、前記緊急電波受信通知に基づいて、前記指令処理部に対する緊急停止指示を生成し、
前記指令処理部は、前記緊急停止指示に基づいて、指令処理を停止する
ことを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項19】
親局と、前記親局の配下の複数の子局との間でデータの送受信を行う無線通信方式であって、
前記親局が前記各子局に対して前記応答データの送信を許容する送信許容時間を一定の通信周期内に設定する第1ステップと、
前記親局が前記各子局に対する指示命令である指令データと前記送信周期とを前記各子局に送信する第2ステップと、
前記指令データに対する処理を実施して応答データを生成し、前記応答データのデータ量、および、自局と前記親局との間の伝送速度に基づいて、前記各子局が前記送信許容時間内における前記応答データの送信可否を判定する第3ステップと、
前記子局が前記送信許容時間内において前記応答データの送信が不可能であると判定した場合に、前記応答データを破棄して当該応答データの送信を停止する第4ステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方法。
【請求項20】
親局と、前記親局の配下の複数の子局との間でデータの送受信を行う無線通信方式であって、
前記親局が前記各子局に対してデータの送信を許容する送信許容時間を一定の通信周期内に設定する第1ステップと、
前記親局が前記各子局に対する指示命令である指令データと前記送信周期とを前記各子局に送信する第2ステップと、
前記指令データに対する処理を実施して応答データを生成し、前記応答データのデータ量、および、自局と前記親局との間の伝送速度に基づいて、前記各子局が前記送信許容時間内における前記応答データの送信可否を判定する第3ステップと、
前記子局が前記送信許容時間内において前記応答データの送信が不可能であると判定した場合に、前記応答データを残データとして保持すると共に、前記残データのデータ量および優先度を残データ情報として格納した送信不可通知を前記送信許容時間内前記親局に送信する第4ステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方法。
【請求項21】
親局と、前記親局の配下の複数の子局との間でデータの送受信を行う無線通信方式であって、
前記親局が前記各子局に対してデータの送信を許容する送信許容時間を一定の通信周期内に設定する第1ステップと、
前記親局が前記各子局に対する指示命令である指令データと前記送信周期とを前記各子局に送信する第2ステップと、
前記指令データに対する処理を実施して応答データを生成し、前記応答データのデータ量、および、自局と前記親局との間の伝送速度に基づいて、前記各子局が前記送信許容時間内における前記応答データの送信可否を判定する第3ステップと、
前記各子局が前記送信許容時間内において前記応答データの送信が不可能であると判定した場合に、前記応答データを前記送信許容時間内において送信可能なデータ量の分割応答データと送信不可能なデータ量の残データとに分割して前記残データを保持すると共に、前記残データのデータ量および優先度を残データ情報とし、前記分割応答データと前記残データ情報とを格納した分割応答データ通知を前記送信許容時間内に前記親局に送信する第4ステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方法。
【請求項22】
前記第1ステップにおいて、前記親局が前記残データを保持している前記各子局に対して前記残データの送信を許容する再割り当て送信許容時間を割り当てるための送信許容時間再割当時間を前記通信周期内に設け、
前記親局が前記各子局に対して設定した前記送信許容時間内に前記子局からの前記応答データを正常に受信できなかった場合に、非受信確認を示すNACKデータを当該子局に送信する第5ステップと、
前記各子局が前記親局からのNACKデータを受信した場合に、前記送信許容時間内において前記応答データの送信可否を再判定し、前記送信許容時間内において前記応答データの送信が可能であると判定した場合に、前記応答データを前記親局に再送信する第6ステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項19〜21のいずれか一項に記載の無線通信方法。
【請求項23】
前記親局が前記各子局毎に前記NACKデータを送信した回数を前記各子局毎の再送発生回数として保持する第7ステップと、
前記親局が前記残データのデータ量および優先度と前記再送発生回数とに基づいて、前記各子局毎に異なる前記再割り当て送信許容時間を設定する第8ステップと、
前記各子局が自局に割り当てられた前記再割り当て送信許容時間内に前記残データを送信する第9ステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の無線通信方法。
【請求項24】
前記第1ステップにおいて、前記親局が当該親局あるいは前記各子局に緊急停止を行う必要のある事象が生じたことを検出するための緊急通信時間を前記通信周期内に設け、
前記第2ステップにおいて、前記指令データに前記緊急通信時間を付加して前記各子局に通知する
ことを特徴とする請求項19〜23のいずれか一項に記載の無線通信方法。
【請求項25】
前記各子局が自局において緊急停止を行う必要のある事象が生じた場合に前記緊急通信時間内に緊急通知を送信する第10ステップと、
前記親局が前記緊急通知に基づいて自局および前記各子局の緊急停止を実施する第11ステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の無線通信方法。
【請求項26】
前記親局が前記緊急通信時間内に自局が使用する周波数において予め規定した電波強度以上の電波をシステム外部から受信した場合に自局および前記各子局の緊急停止を実施する第12ステップをさらに含むことを特徴とする請求項24または25に記載の無線通信方法。
【請求項27】
前記各子局が前記緊急通信時間内に自局が使用する周波数において予め規定した電波強度以上の電波をシステム外部から受信した場合、および、前記親局の配下の他の前記子局からの前記緊急通知を受信した場合に、自局の緊急停止を実施する第13ステップをさらに含むことを特徴とする請求項24〜26のいずれか一項に記載の無線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−119990(P2012−119990A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268674(P2010−268674)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】