説明

無線通信システムにおいてDTXおよびDRXを使用すること

【課題】無線通信システムにおける通信デバイスによる電力消費を低減する。
【解決手段】モバイル・デバイスは、予め定められたスリープ・モード基準に基づいて、所望のスリープ・モードの選択および/または切換を容易にするスリープ・モード・コントローラを用いる。スリープ・モードは非スリープ・モード、ライト・スリープ・モード、および/またはディープ・スリープ・モードを含む。モバイル・デバイスは、予め定められたスリープ・モード基準に基づいて、異なるスリープ・モードへの移行が条件が満たされているかを判定するために、明示的なシグナル、非明示的なシグナル、および/または現在のスリープ・モードに関連する情報を評価するアナライザを適用する。そのような条件が満たされた場合、スリープ・モード・コントローラは、モバイル・デバイスによる電力消費を低減することを容易にするために、現在のスリープ・モードからの移行を促す。

【発明の詳細な説明】
【関連出願に対する相互参照】
【0001】
本願は、2007年1月11日に出願され、"A METHOD AND APPARATUS FOR USING DTX-DRX MODES IN A WIRELESS COMMUNICATION SYSTEM"と題され、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている米国仮出願60/884,604号、および、2007年2月5日に出願され、"A METHOD AND APPARATUS FOR USING DTX AND DRX IN A WIRELESS COMMUNICATION SYSTEM"と題され、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている米国仮出願60/888,280号の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
以下の記述は、一般に、無線通信に関し、特に、無線通信システムにおける通信デバイスによる電力消費を低減するために、スリープ・モードを変えることを利用することに関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信システムは、さまざまなタイプの通信を提供するために広く用いられており、例えば、音声および/またはデータは、そのような無線通信システムによって提供されうる。一般的な無線通信システムまたはネットワークは、複数のユーザに、1または複数の共有リソース(例えば、帯域幅、送信電力等)に対するアクセスを提供することができる。例えば、システムは、例えば周波数分割多重化(FDM)システム、時分割多重化(TDM)システム、符号分割多重化(CDM)システム、第3世代パートナシップ計画(3GPP)ロング・ターム・エボリューション(LTE)システム、直交周波数分割多重化(OFDM)、およびその他のようなさまざまな多元接続技術を用いる。
【0004】
一般に、無線多元接続通信システムは、複数のモバイル・デバイスのための通信を同時にサポートすることができる。おのおののモバイル・デバイスは、順方向リンクおよび逆方向リンクにおける送信を介して1または複数の基地局と通信することができる。順方向リンク(すなわちダウンリンク)は、基地局からモバイル・デバイスへの通信リンクを称し、逆方向リンク(すなわちアップリンク)は、モバイル・デバイスから基地局への通信リンクを称する。この通信リンクは、単一入力単一出力システム、複数入力単数出力システム、あるいは、複数入力複数出力(MIMO)システムでありうる。
【0005】
例えば、MIMOシステムは、データ送信のために、複数(N個)の送信アンテナと、複数(N個)の受信アンテナとを用いることができる。N個の送信アンテナおよびN個の受信アンテナによって形成されるMIMOチャネルは、N個の独立チャネルへ分解されうる。それらは、空間チャネルとも称される。ここで、N≦min{N,N}である。N個の独立チャネルのおのおのは、ディメンションに相当しうる。MIMOシステムは、複数の送信アンテナおよび受信アンテナによって生成される追加のディメンションが利用される場合、改善されたパフォーマンス(例えば、高いスループットおよび/または高い信頼性)を与えることができる。
【0006】
MIMOシステムは、時分割二重化(TDD)システムおよび周波数分割二重化(FDD)システムをサポートする。TDDシステムでは、順方向リンクおよび逆方向リンクによる送信は、相互(reciprocity)原理によって、逆方向リンク・チャネルからの順方向リンク・チャネルの推定が可能となるように、同じ周波数領域でありうる。これによって、アクセス・ポイントは、アクセス・ポイントにおいて複数のアンテナが利用可能である場合、順方向リンクにおける送信ビームフォーミング・ゲインを抽出できるようになる。
【0007】
無線通信システムはしばしば、有効範囲領域を提供する1または複数の基地局を用いる。一般的な基地局は、ブロードキャスト・サービス、マルチキャスト・サービス、および/または、ユニキャスト・サービスのため、複数のデータ・ストリームを送信することができる。ここでは、データ・ストリームは、モバイル・デバイスに興味のある独立した受信でありうるデータのストリームでありうる。そのような基地局の有効範囲領域内のモバイル・デバイスは、合成ストリームによって搬送される1つ、1つより多い、あるいはすべてのデータ・ストリームを受信するために使用されうる。同様に、モバイル・デバイスは、基地局あるいは別のモバイル・デバイスへデータを送信することができる。
【0008】
一般に、モバイル・デバイスは、基地局と、および/または、基地局を介して他のモバイル・デバイスと通信している間のみならず、電源が投入されている間、電力(例えば、バッテリ電力)を利用する。モバイル・デバイスによって消費される電力量は、モバイル・デバイスの構成、および/または、モバイル・デバイスによって実行されている機能(例えば、動作)に部分的に依存しうる。モバイル・デバイスによって利用される電力量を低減することは望ましい。なぜなら、そのような低減によって、バッテリ寿命が延長され、モバイル・デバイスおよびバッテリを利用するコストが低減されるからである。
【発明の概要】
【0009】
以下は、1または複数の実施形態の基本的な理解を与えるため、そのような実施形態の簡単な概要を示す。この概要は、考慮されるすべての実施形態の広範な概観ではなく、それらすべての実施形態の重要要素や決定的要素を特定することでも、これら何れかあるいはすべての実施形態の範囲を線引きすることも意図されていない。その唯一の目的は、1または複数の実施形態のいくつかの概念を、後に示されるより詳細な記述に対する前置きとして、簡単な形式で表すことである。
【0010】
1または複数の実施形態およびそれに対応する開示にしたがって、さまざまな局面が、通信デバイス(例えば、モバイル・デバイス)においてさまざまなスリープ・モードを提供することによって、通信デバイスにおける電力消費の低減を容易にすることに関連して説明される。モバイル・デバイスは、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて、所望のスリープ・モードの選択および/または切換を容易にすることができる。スリープ・モードは、例えば、非スリープ・モード、ライト・スリープ・モード、および/または、ディープ・スリープ・モードを含むことができる。モバイル・デバイスは、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて、条件が満たされているかを判定するために、例えば、明示的なシグナル(例えば、スリープ・モードの変化を指示する基地局からのメッセージ)、非明示的なシグナル(例えば、予め定められた期間、モバイル・デバイスと基地局との間でデータ交換がないこと)、現在のスリープ・モード状態、および/または、利用可能なスリープ・モード状態のようなスリープ・モード移行を決定することに関連する情報を評価するために、スリープ・モード・コントローラと連携して動作するアナライザを適用することができる。これによって、異なるスリープ・モードへの移行が実行される。そのような条件が満たされる場合、スリープ・モード・コントローラは、モバイル・デバイスによる電力消費の低減を容易にするために、現在のスリープ・モードから、別のスリープ・モードへの移行を促すことができる。
【0011】
関連する局面によれば、本明細書では、モバイル・デバイスに関連するスループ・モードの選択を容易にする方法が記載される。この方法は、スリープ・モードの選択を容易にするためのシグナリングを含みうる。さらに、この方法は、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいてスリープ・モードを選択することを備える。
【0012】
別の局面は、無線通信装置に関する。無線通信装置は、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいてスリープ・モードを選択することに関連する命令群を保持するメモリを含むことができる。さらに、無線通信装置は、メモリに接続され、メモリに保持された命令群を実行するように構成されたプロセッサを含みうる。
【0013】
また、別の局面は、スリープ・モードの選択を容易にする無線通信装置に関する。無線通信装置は、スリープ・モードの選択を容易にするようにシグナリングする手段を含みうる。さらに、無線通信装置は、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいてスリープ・モードを選択する手段を備える。
【0014】
また、別の局面は、第1のスリープ・モードから別のスリープ・モードへの移行を促すようにシグナリングし、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいてスリープ・モードを選択するための機械実行可能命令群を格納して有している機械読取可能媒体に関する。
【0015】
別の局面によれば、無線通信システムにおける装置は、プロセッサを含む。このプロセッサは、条件が満たされた場合、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて、スリープ・モードを選択するようシグナルするように構成されうる。さらに、プロセッサは、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいてスリープ・モードを選択するように構成されうる。
【0016】
他の局面によれば、ここでは、モバイル・デバイスに関連するスリープ・モード移行を促す方法が説明される。この方法は、モバイル・デバイスに関連するスリープ・モード移行に関連する情報を評価することを含みうる。さらに、この方法は、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて、第1のスリープ・モードから別のスリープ・モードへの移行を促すシグナルを送信することを含みうる。
【0017】
また別の局面は、スリープ・モードを選択することに関連するシグナリング、および、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づく、モバイル・デバイスに関連するスリープ・モードの選択に関する命令群を保持するメモリを含む無線通信装置に関する。さらに、無線通信装置は、メモリに接続され、メモリに保持された命令群を実行するように構成されたプロセッサを備えうる。
【0018】
別の局面は、無線通信環境におけるモバイル・デバイスに関連するスリープ・モードの選択を容易にする無線通信装置に関する。この無線通信装置は、スリープ・モードの選択を容易にするようにシグナリングする手段を含みうる。さらに、この無線通信装置は、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいてスリープ・モードを選択する手段を含みうる。
【0019】
また別の局面は、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて、特定のスリープ・モードへ移行することに関連する情報を評価し、予め定められたスリープ・モード基準に関連する移行のための条件が満たされた場合、特定のスリープ・モードへの移行をシグナリングするための機械実行可能命令群を格納して有する機械読取可能媒体に関する。
【0020】
別の局面によれば、無線通信システムにおける装置は、プロセッサを含みうる。このプロセッサは、スリープ・モード基準に部分的に基づいて、スリープ・モード移行に関連する情報を評価するように構成されうる。さらに、このプロセッサは、モバイル・デバイスに関連するスリープ・モードを選択するように構成されうる。さらに、このプロセッサは、第1のスリープ・モードから異なるスリープ・モードへの移行に関連する少なくとも1つのシグナルを送信するように構成されうる。このプロセッサはさらに、モバイル・デバイスに関連するデータ交換をスケジュールするように構成されうる。
【0021】
前述の目的および関連する目的を達成するために、1または複数の実施形態は、後に十分に記載され、特に特許請求の範囲において指摘される特徴を備える。以下の記載および添付図面は、1または複数の実施形態のある例示的な局面をより詳細に述べる。しかしながら、これらの局面は、さまざまな実施形態の原理が適用され、説明された実施形態がそのようなすべての局面およびそれらの等価物を含むことが意図されているさまざまな局面のうちのほんのいくつかしか示していない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本明細書に記載のさまざまな局面にしたがった無線通信システムの例示である。
【図2】図2は、無線通信環境内のモバイル・デバイスに関連する異なるスリープ・モード間の移行を容易にするシステムの一例の例示である。
【図3】図3は、無線通信環境内のモバイル・デバイスに関連する異なるスリープ・モード間の移行を容易にするシステムの一例の例示である。
【図4】図4は、無線通信システムに関連するモバイル・デバイスにおけるスリープ・モードの選択を容易にする方法論の一例の例示である。
【図5】図5は、無線通信システムに関連するモバイル・デバイスにおけるスリープ・モードへの移行を促す方法論の一例の例示である。
【図6】図6は、無線通信システムに関連するモバイル・デバイスにおけるスリープ・モード間の移行を促すモバイル・デバイスの一例の例示である。
【図7】図7は、無線通信システムに関連するモバイル・デバイスにおけるスリープ・モード間の移行を促す方法論の一例の例示である。
【図8】図8は、本明細書に記載のさまざまなシステムおよび方法と連携して適用される無線ネットワーク環境の一例の例示である。
【図9】図9は、無線通信環境に関連するモバイル・デバイスにおいて、異なるスリープ・モード間の移行を促すシステムの一例の例示である。
【図10】図10は、無線通信環境に関連するモバイル・デバイスにおいて、異なるスリープ・モード間の移行を促すシステムの一例の例示である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
さまざまな実施形態が、全体を通じて同一符号が同一要素を参照するために使用される図面を参照して記載される。以下の記載では、1または複数の実施形態の完全な理解を与えるために、説明目的で、多くの具体的な詳細が述べられる。しかしながら、そのような実施形態は、これら具体的な詳細無しでも実現されうることが明白であろう。他の事例では、周知の構成およびデバイスが、1または複数の実施形態の説明を容易にするために、ブロック図形式で示される。
【0024】
本願で使用されるように、用語「構成要素」、「モジュール」、「システム」等は、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアの何れかであるコンピュータ関連エンティティを称することができる。例えば、構成要素は、限定される訳ではないが、プロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行形式、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータでありうる。例示によれば、コンピュータ・デバイス上で実行中のアプリケーションと、コンピュータ・デバイスとの両方が構成要素になりえる。1または複数の構成要素は、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在し、構成要素は、1または複数のコンピュータに局在化されるか、および/または、1または複数のコンピュータに分散されうる。さらに、これらの構成要素は、さまざまなデータ構造を格納して有するさまざまなコンピュータ読取可能媒体から実行可能である。これら構成要素は、例えば1または複数のデータ(例えば、信号によってローカル・システムや分散システム内の他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータ、および/または、他のシステムを備えた例えばインターネットのようなネットワークを介して他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータ)のパケットを有する信号にしたがって、ローカル処理および/またはリモート処理によって通信することができる。
【0025】
さらに本明細書では、さまざまな局面がモバイル・デバイスに関して記載される。モバイル・デバイスはまた、システム、加入者ユニット、加入者局、モバイル局、モバイル、遠隔局、遠隔端末、アクセス端末、ユーザ端末、端末、無線通信デバイス、ユーザ・エージェント、ユーザ・デバイス、あるいはユーザ機器(UE)とも称されうる。モバイル・デバイスは、セルラ電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、無線ローカル・ループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、無線接続機能を有するハンドヘルド・デバイス、コンピュータ・デバイス、あるいは、無線モデムに接続されたその他の処理デバイスでありうる。さらに、本明細書では、さまざまな実施形態が、基地局に関して説明される。基地局は、モバイル・デバイスと通信するために利用され、アクセス・ポイント、ノードB、またはその他いくつかの専門用語で称されうる。
【0026】
さらに、本明細書に記載のさまざまな局面または特徴は、標準的なプログラミング技術および/またはエンジニアリング技術を用いた方法、装置、または製造物品として実現されうる。本明細書で使用される用語「製造物品」は、任意のコンピュータ読取可能デバイス、キャリア、またはメディアからアクセスすることが可能なコンピュータ・プログラムを含むことが意図される。例えば、コンピュータ読取可能媒体は、限定される訳ではないが、磁気記憶装置(例えば、ハード・ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等)、光ディスク(例えば、コンパクト・ディスク(CD)、DVD等)、スマート・カード、およびフラッシュ・メモリ・デバイス(例えば、カード、スティック、キー・ドライブ等)を含みうる。さらに、本明細書に記載されたさまざまな記憶媒体は、情報を格納するための1または複数のデバイス、および/または、その他の機械読取可能媒体を表しうる。用語「機械読取可能媒体」は、限定する訳ではないが、無線チャネルを含むのみならず、命令群および/またはデータを格納、包含および/または伝送することが可能なその他さまざまな媒体を含む。
【0027】
図1に示すように、無線通信システム100が、本明細書に示すさまざまな実施形態にしたがって例示される。システム100は、複数のアンテナ・グループを含むことができる基地局102を備える。例えば、1つのアンテナ・グループは、アンテナ104および106を含み、他のアンテナ・グループは、アンテナ108および110を備え、更なるグループが、アンテナ112および114を含むことができる。おのおののグループに対して2つのアンテナが例示されているが、それより多い、またはそれより少ないアンテナが、おのおののグループのために利用されうる。基地局102はまた、送信機チェーンおよび受信機チェーンを含みうる。それらのおのおのは、当業者によって理解されるように、信号の送信および受信に関連する複数の構成要素(例えば、プロセッサ、変調器、マルチプレクサ、復調器、デマルチプレクサ、アンテナ等)を備えうる。
【0028】
基地局102は、例えばモバイル・デバイス116およびモバイル・デバイス122のような1または複数のモバイル・デバイスと通信することができるが、基地局102は、モバイル・デバイス116およびモバイル・デバイス122に類似した実質的に任意の数のモバイル・デバイスと通信しうることが認識されるべきである。モバイル・デバイス116およびモバイル・デバイス122は、例えば、セルラ電話、スマート・フォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルド・コンピュータ・デバイス、衛星ラジオ、全地球測位システム、PDA、および/または、無線通信システム100によって通信するためのその他任意の適切なデバイスでありうる。図示するように、モバイル・デバイス116は、アンテナ112およびアンテナ114と通信している。ここで、アンテナ112およびアンテナ114は、順方向リンク118でモバイル・デバイス116へ情報を送信し、逆方向リンク120でモバイル・デバイス116から情報を受信する。さらに、モバイル・デバイス122はアンテナ104およびアンテナ106と通信している。ここで、アンテナ104およびアンテナ106は、順方向リンク124でモバイル・デバイス122へ情報を送信し、逆方向リンク126でモバイル・デバイス122から情報を受信する。周波数分割二重(FDD)システムでは、例えば、順方向リンク118が、逆方向リンク120によって使用されるものとは異なる周波数帯域を利用し、順方向リンク124は、逆方向リンク126によって適用されるものとは異なる周波数帯域を適用することができる。さらに、時分割二重(TDD)システムでは、順方向リンク118と逆方向リンク120とが、共通の周波数帯域を利用し、順方向リンク124と逆方向リンク126とが、共通の周波数帯域を利用することができる。
【0029】
アンテナのおのおののグループ、および/または、それらが通信すると指定されている領域は、基地局102のセクタと称されうる。例えば、アンテナ・グループは、基地局102によってカバーされる領域のセクタ内のモバイル・デバイス(例えば、116)と通信するように設計されうる。順方向リンク118、124による通信では、基地局102の送信アンテナは、モバイル・デバイス116、122の順方向リンク118、124の信号対雑音比を改善するためにビームフォーミングを利用することができる。また、基地局102が、関連する有効範囲にわたってランダムに散在したモバイル・デバイス116、112へ送信するためにビームフォーミングを利用している間、近隣セルにおけるモバイル・デバイスは、単一アンテナによってすべてのモバイル・デバイスへ送信している基地局と比べて、低い干渉しか受けない。
【0030】
局面によれば、モバイル・デバイス(例えば、116)は、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて、例えばディープ・スリープ(DS)モード、ライト・スリープ(LS)モード、および/または、連続受信(CRX)モードのような異なるモード間を移行(例えば、切換)できるように構成されうる。1つの局面では、モバイル・デバイス(例えば、116)は、サイクル(例えば、不連続送信(DTX))を有しうる。おのおののサイクルは、モバイル・デバイスが基地局102からの送信をモニタする「オン」期間、および/または、電力消費の低減を促進するために、モバイル・デバイスにおけるラジオ周波数(RF)生成がオフされる「オフ」期間を含みうる。特定のモードに関連する特定のサイクルの長さは、サイクル内のおのおのの「オン」期間と結合されたおのおのの「オフ」期間の合計長さに部分的に基づきうる。したがって、例えば、DSモードに関連する「オフ」期間は、LSモードに関連する「オフ」期間よりも長くなりうるので、DSモードのDRXサイクルは、LSモードのDRXサイクルよりも長くなりうる。1つの局面では、DSモードは、電力消費の低減を促進するために、不連続受信(DRX)に関連する指定された「オフ」期間を持つサイクル(例えば、DRXサイクル)を有しうる。この「オフ」期間は、LSモードに関連するサイクルのために指定された「オフ」期間、または、CRXモードに関連するサイクルのために指定された「オフ」期間(例えば、それらは、ゼロに設定された「オフ」期間を持つことができる)よりも長くなりうる。「オフ」期間中、モバイル・デバイス(例えば、116)は、電力消費の低減を促進するために、(例えば、不連続送信(DTX)期間も同様に存在しうる)RF生成をオフ(例えば、非アクティブ)にする。「オフ」期間中、モバイル・デバイスは、データを受信することも、情報を制御することもできない。DSモードはまた、電力消費の低減を促進するために、DTXに関連する指定された「オフ」期間を有することができる。この「オフ」期間は、(例えば、ゼロに設定された「オフ」期間を有しうる)CRXモードまたはLSモードに関連する「オフ」期間よりも長くなりうる。DSモードはさらに、サイクル中、指定された「オン」期間を持つことができる。この「オン」期間は、LSモードの「オン」期間よりも低い頻度で引き起こり、モバイル・デバイス(例えば、116)は、そのような「オン」期間中、ある一定の情報(例えば、制御情報)を受信することができる。DSモードはまた、DTXサイクル中、指定された「オン」期間を持つことができる。DSモードである間、モバイル・デバイス(例えば、116)は、データ・チャネルを介してデータを送信することができないが、「オン」期間(例えば、「オン」インタバル)中、制御チャネルを介して制御情報を受信および/または送信することができる。基地局102とのデータ交換のために、モバイル・デバイス(例えば、116)は、DSモードからLSモードまたはCRXモードへ移行する必要がある。
【0031】
LSモードは、DSモードとは異なるサイクルを持つ。なぜなら、DRXに関連する「オフ」期間は、DSモードと比較して、DSモードのDRXに関連する「オフ」期間よりも短い長さであるからである。LSモードはまた、DTXに関連する、定められた「オフ」期間を有しうる。これは、DSモードのDTXに関連する「オフ」期間よりも短くなりうる。LSモードはさらに、DRXに関連する、定められた「オン」期間を有しうる。それは、DSモードの「オン」期間よりもより頻繁に(であるが、情報を受信するために連続して「オン」になりうるCRXモードよりもさほど頻繁ではなく)引き起こり、非DRXスロット中に、データおよび/または制御情報が受信されうる。LSモードは、DTXに関連する、定められた「オン」期間を有しうる。LSモードである間、モバイル・デバイス(例えば、116)は、データ・チャネルを介してデータを、制御チャネルを介して制御情報を送信および/または受信しうる。LSモードにおいて、モバイル・デバイス(例えば、116)は、電力消費の低減を促進することができるが、電力消費の低減は一般に、DSモードにおける電力消費の低減ほどではないだろう。
【0032】
CRXモードにおいて、モバイル・デバイス(例えば、116)は、(例えば、非DRXモードのように)すべての時間において「オン」である状態にあることができ、データおよび/または制御情報を受信することができる。すなわち、CRXモードでは、「オフ」期間は、サイクル中に「オフ」期間がないように、ゼロに設定されうる。実施形態によれば、CRXモード(例えば、非スリープ・モード)は、LSモードに関連する特別なモードと考えられうる。CRXモードの場合、「オフ」期間は、ゼロに設定され、サイクルは、例えば、モバイル・デバイス(例えば、116)が連続的に「オン」状態であるように、一連の「オン」スロットからなりうる。したがって、「オフ」期間がゼロに設定され、モバイル・デバイス(例えば、116)が「オン」状態に連続してあることができるように、LSモードは設定されうる。CRXモードである間、モバイル・デバイス(例えば116)は、一般に、LSモードまたはDSモードである場合よりも多くの電力を消費しうる。
【0033】
(例えば、DRXおよびDTXにそれぞれ関連している)「オフ」期間の長さは、好ましくは設定可能であり、例えば、CRXモードに関連するゼロから、所望の秒数(例えば、2秒)の範囲に及びうる。「オフ」期間の長さは一般に、DSモードの場合、LSモードよりも長くなりうる。(例えば、DRXとDTXとのそれぞれ関連する)「オン」期間の長さは、好ましくは設定可能であり、1msから1ms超へ及びうる。「オフ」期間および「オン」期間それぞれの長さは、モードのタイプ(例えば、DSモード、LSモード、CRXモード)に部分的に基づきうる。基地局102は、モバイル・デバイスが「オン」期間(例えば、「オン」スロット)である場合、モバイル・デバイス(例えば、116)が基地局102とデータを交換できないが基地局102と制御情報を交換できるDSモードにある場合を除いて、基地局102とモバイル・デバイス(例えば、116)との間のデータ送信のスケジュールおよび/または処理を行うことができる。
【0034】
DSモード、LSモード、およびCRXモードのおのおのはさらに、それぞれのCQI属性、それぞれのサウンディング・リファレンス信号(SRS)属性、それぞれの測定イベント、および/または、それぞれのタイマ値に部分的に基づいて設定されうる。ここで、タイマ値は、モバイル・デバイス(例えば、116)が、あるモードから別のモードへ移行すべき時の判定を容易にするために利用されうる。例えば、CQI属性は、スリープ・モードのタイプ、または、あるスリープ・モードから別のスリープ・モードへの移行に部分的に基づいて設定または更新されうる。
【0035】
予め定められたスリープ・モード基準に関し、そのような基準は、例えば、あるモードから別のモード(例えば、LSモードからDSモード)へ移行するようにモバイル・デバイス(例えば、116)へ指示および/または命令する基地局からの明示的なシグナル、および/または、(例えば、予め定められた期間またはそれ以上の期間、モバイル・デバイスに関連するデータ通信が存在しない)非明示的なシグナルに関連しうる。モバイル・デバイス(例えば、116)は、例えば、制御メッセージ、データ・メッセージ、および/または、イベント(例えば、データ送信または制御情報の受信または送信)間の時間の長さに関連する情報、および/または、発生するイベントのタイプのような受信情報をモニタおよび分析し、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて、異なるモードの選択および/または異なるモード間の切換を制御することができる。モバイル・デバイス(例えば、116)はまた、あるモードから別のモードへの移行をトリガできるように、特定のイベント間で予め定められた期間が経過したかの判定を容易にするために、イベント間の時間の長さを追跡することができる。モバイル・デバイス(例えば、116)は、電力消費の低減を促進するために、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて、LSモードまたはDSモードへ移行することができる。その結果、モバイル・デバイス(例えば、116)は、従来のモバイル・デバイスと比較して、電力消費の低減を促進することができる。
【0036】
1つの局面において、モバイル・デバイス(例えば、116)がDSモードにある場合、DSモードからLSモードへ移行させるための非明示的なシグナルは、例えば基地局102からモバイル・デバイス(例えば、116)へのダウンリンク・データ送信のスケジューリングのようなダウンリンク・データ送信に関する情報を受信すること、または、アップリンク・データ送信(例えば、スケジュールされたアップリンク送信)にアクセスすること、またはアップリンク・データ送信をスケジュールすることを含む。そして、前述したイベントのうちの何れかが発生すると、予め定められたスリープ・モード基準は、モバイル・デバイスがDSモードからLSモードへ移行すべきであることを示す。そのようなイベントが発生すると、モバイル・デバイス(例えば、116)は、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて、DSモードからLSモードへ移行することができる。
【0037】
DSモードにある場合、モバイル・デバイス(例えば、116)は、予め定められた時間インスタンス(例えば、「オン」期間中)において、アップリンク制御信号を送信することができる。モバイル・デバイス(例えば、116)はまた、制御チャネル(例えば、PDCCH)を介して「特別な」制御情報を受信した場合、DSモードに残ることができる。例えば、DSモードにある場合、モバイル・デバイス(例えば、116)は、電力制御情報、レイヤ1(例えば、物理レイヤ)/レイヤ2(例えば、データ・リンク・レイヤ)(L1/L2)制御チャネル・メッセージ、またはアップ/ダウン・コマンドを受信することができる。例えば、モバイル・デバイス(例えば、116)が情報を受信した場合、モバイル・デバイス(例えば、116)は、(例えば、ダウンリンク・データ送信が正しく復号されない場合)L1/L2制御のみが正しく復号されたことを基地局102へシグナルすることができる。このシグナルは、否定的なアクノレッジメント(NAK)になり得る。あるいは、モバイル・デバイスは、L1/L2制御と(例えば、データの)スケジュールされたダウンリンクとの両方が正しく復号されることをシグナルすることができる。このシグナルはアクノレッジメント(ACK)になり得る。
【0038】
非明示的な別のシグナルの例として、モバイル・デバイスにおける電力消費の低減を促進するために、モバイル・デバイス(例えば、116)がLSモードにある間、このモバイル・デバイスは、予め定められた期間、基地局102との間でデータを交換(例えば、送信および/または受信)せず、予め定められたスリープ・モード基準は、モバイル・デバイスがLSモードからDSモードへ移行すべきであることを明示し、モバイル・デバイスは、LSモードからDSモードに切り換わる。モバイル・デバイス(例えば、116)は、DRXに関連するDSモードからLSモードへの移行、および、LSモードからDSモードへの移行のための非明示的なシグナルが、DTXに関連するDSモードからLSモードへの移行、および、LSモードからDSモードへの移行に対応するか、あるいは、限定されるように設定されるか、または、DRXとDTXとにそれぞれ関連する移行が、他と関連することなく設定されうる。モバイル・デバイス(例えば、116)が、DRXに関連するDSモードでアクセスする場合、モバイル・デバイスは一般に、基地局102からのアクセスに関する明示的または非明示的な確認を受信するまで、DSモードから移行することができない。
【0039】
非明示的なシグナルの別の例は、CRXモードとLSモードとの間の移行に関する。モバイル・デバイスにおける電力消費の低減を促進するために、モバイル・デバイス(例えば、116)がCRXモードにある間、モバイル・デバイス(例えば、116)が、予め定められた時間、基地局102とデータを交換(例えば、送信および/または受信)できないのであれば、予め定められたスリープ・モード基準は、モバイル・デバイスが、CRXモードからLSモードへ移行すべきであることを明示し、モバイル・デバイスは、CRXモードからLSモードへと切り換わる。
【0040】
明示的なシグナルに関し、明示的なシグナルは、基地局102からモバイル・デバイス(例えば、116)から送信されたL1/L2制御メッセージ、および/または、L1/L2制御メッセージおよびスケジュールされたデータのダウンリンク(例えば、L1/L2制御チャネル+DL SCH)を含みうる。予め定められたスリープ・モード基準は、そのような明示的なシグナルを受信すると、モバイル・デバイスが(例えば、DRXおよび/またはDTXに関して)DSモードからLSモードへ移行すべきであると定め、モバイル・デバイスはDSモードからLSモードへ移行することができる。明示的なシグナルは、例えば基地局102が、基地局102とモバイル・デバイスとの間でデータ交換が予め定められた期間にないであろうこと、および/または、データ交換がなかったことを知っている場合、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて基地局102によって生成され、モバイル・デバイス(例えば、116)へ送信される。基地局102はまた、データ交換が予め定められた期間経過したかの判定を容易にするために、モバイル・デバイス(例えば、116)とのデータ交換に要した経過時間量を追跡する。
【0041】
明示的なシグナルの別の例として、明示的なシグナルはまた、基地局102からモバイル・デバイス(例えば、116)へ送られたL1/L2制御メッセージ、および/または、L1/L2制御メッセージとスケジュールされたデータのダウンリンクを含みうる。ここで、予め定められたスリープ・モード基準は、そのような明示的なシグナルを受信すると、モバイル・デバイスが(例えば、DRXおよび/またはDTXに関して)LSモードからDSモードへ移行すべきであると定め、モバイル・デバイスはLSモードからDSモードへ移行することができる。
【0042】
明示的なシグナルの別の例は、CRXモードと、LSモードまたはDSモードとの間の移行に関連しうる。そのような明示的なシグナルは、基地局102からモバイル・デバイス(例えば、116)へ送られるL1/L2制御メッセージ、および/または、L1/L2制御メッセージとスケジュールされたデータのダウンリンクとを含みうる。ここで、予め定められたスリープ・モード基準は、そのような明示的なシグナルを受信すると、モバイル・デバイスは(例えば、DRXおよび/またはDTXに関して)LSモードまたはDSモードとCRXモードとの間を移行すべきであると定め、モバイル・デバイスは、この明示的なシグナルを提供するメッセージで指定されたように、CRXモードと、所望のモード(例えば、LSモード、DSモード)との間を移行することができる。
【0043】
別の局面によれば、モバイル・デバイス(例えば、116)は、CQI情報を送るように構成されうる。例えば、CQIオフセットは、0から、いくつかのスロットまで及びうる。CQI情報を送る場合、アップリンクを同期させることが望ましい。一般に、(例えば、DRXに関連する)「オフ」期間が有意な期間(例えば、2秒またはそれ以上)である場合、CQIは送られず、同期を失う恐れがある。また、CQI情報を送る場合、電力制御されることが望ましい。なぜなら、基地局102において復号が成功する可能性が低い場合、CQIを送る利点がほとんどないからである。電力制御を容易にするために、さらなるブロードバンド・リファレンス・シグナルが、CQIに提供されうる。例えば、モバイル・デバイス(例えば、116)から基地局102へCQIを送る場合、SRSが適用されうる。基地局102とモバイル・デバイス(例えば、116)との間の適切なデータ送信レートの決定を容易にするために、基地局102によってCQI情報が利用されうる。なぜなら、高い品質インジケータを持つチャネルは、一般に、低い品質インジケータを持つチャネルよりも高いデータ送信レートをサポートするからである。
【0044】
1つの実施形態では、モバイル・デバイス(例えば、116)は、CRXモード、LSモード、およびDSモード(例えば、DRXおよび/またはDTX)を適用することができる。主題となるそのようなイノベーションの実施形態によって、例えばゲームまたはボイス・オーバ・インターネット・プロトコル(VoIP)のようなあるアプリケーションのための適切なサポートを提供しながら、従来のモバイル・デバイスと比較して、モバイル・デバイス(例えば、116)による電力消費を実質的に低減することができる。モバイル・デバイスは、明示的なシグナリングおよび/または非明示的なシグナリングに部分的に基づいて、LSモードとDSモード(例えば、DRXおよび/またはDTX)間を移行することができる。明示的なシグナリングはまた、(例えば、DRXおよび/またはDTXに関して)CRXモードから、あるいはCRXモードへの移行を容易にするために利用されうる。
【0045】
別の実施形態によれば、モバイル・デバイス(例えば、116)は、CRXモードおよびLSモード(例えば、DRXおよび/またはDTX)を使用することができる。その結果、例えば、ゲームまたはVoIPのようなあるアプリケーションのための適切なサポートを提供しながら、従来のモバイル・デバイスと比較して、(例えば、LSモードに移行することによって)モバイル・デバイス(例えば、116)による電力消費を低減することができる。CRXモードとLSモードとの間の移行は、明示的なシグナリングおよび/または非明示的なシグナリングを用いて実行されうる。
【0046】
また別の実施形態によれば、モバイル・デバイス(例えば116)は、CRXモードおよびDモード(例えば、DRXおよび/またはDTX)を使用することができる。その結果、従来のモバイル・デバイスと比較して、(例えば、DSモードに移行することによって)モバイル・デバイス(例えば、116)による電力消費を低減することができる。CRXモードとLSモードとの間の移行は、例えば、明示的なシグナリングおよび/または非明示的なシグナリングを用いて実行されうる。
【0047】
図2に示すように、無線通信環境内のモバイル・デバイスに関連する異なるスリープ・モード間の移行を容易にするシステム200が例示される。システム200は、例えばモバイル・デバイス116のような1または複数のモバイル・デバイスと通信することができる基地局102を含む。明確化および簡素化のために、図2にはモバイル・デバイスは1つしか示されていないことが認識され理解されるべきである。さらに、基地局102は、他の基地局、および/または、例えば認証、許可、アカウント、課金等のような機能を実行することができる(図示しない)別のデバイス(例えば、サーバ)と通信することができる。基地局102およびモバイル・デバイス116は、それぞれ同一であるか、または、例えばシステム100に関して本明細書でより十分に説明された構成要素と類似しうる。あるいは、それぞれ同一の機能を備えているか、または、例えばシステム100に関して本明細書でより十分に説明された構成要素と類似の機能を備えうる。
【0048】
モバイル・デバイス116は、基地局102と通信可能に接続(例えば、無線接続)されうる。この接続は、データ・チャネルおよび制御チャネルを備える。データ・チャネルは、モバイル・デバイス116と基地局102との間のデータの送信を容易とすることができる。また、制御チャネルは、モバイル・デバイスと基地局102との間の制御情報の送信を容易とすることができる。
【0049】
1つの局面では、モバイル・デバイス116は、データ・ストア204に格納されうる予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて、例えば(DRXおよびDTXに関連する)DSモード、LSモード、および/またはCRXモードのようなさまざまなスリープ・モード間でモバイル・デバイス116を移行させることを容易にするスリープ・モード・コントローラ202を含みうる。スリープ・モード・コントローラ202は、予め定められたスリープ・モード基準に関連する情報をデータ・ストア204から検索することを容易にし、この予め定められたスリープ・モード基準を、アナライザ要素206へ提供することができる。アナライザ要素206は、(例えば、モバイル・デバイス116に関連するデータ交換のような)アクティビティに関して受信した情報を評価し、受信した情報を、予め定められたスリープ・モード基準と比較して、モバイル・デバイス116があるモードから別のモードへ移行すべきかを判定することを容易にする。
【0050】
本明細書に記載のデータ・ストア204は、揮発性メモリまたは不揮発性メモリの何れかであるか、あるいは、揮発性メモリと不揮発性メモリとの両方を含みうることが認識されるだろう。限定ではなく例示として、不揮発性メモリは、読取専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電子的プログラマブルROM(EPROM)、電子的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、および/または、不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(NVRAM)を含みうる。揮発性メモリは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)を含む。これは、外部キャッシュ・メモリとして動作することができる。限定ではなく例示として、RAMは、例えばシンクロナスRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブル・データ・レートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)、およびダイレクトRambus RAM(DRRAM(登録商標))のような多くの形態で利用可能である。主題とするシステムおよび方法におけるメモリ608は、限定することなく、その他任意の適切なタイプのメモリを備えていることが意図される。
【0051】
モバイル・デバイス116はさらに、例えば、モバイル・デバイス116に関連するデータ交換中に経過した時間の長さのように、イベントが発生している間に経過した時間の長さを追跡することができるタイマ208を含みうる。このタイマ208は、予め定められた、あるいはそれ以上の時間の長さの間、モバイル・デバイス116がデータ交換に関して非アクティブになっているかを判定することを容易にするために、イベント間の経過時間に関する情報を、スリープ・モード・コントローラ202および/またはアナライザ206へ提供する。そのような予め定められた時間の長さは、予め定められたスリープ・モード基準によって指定され、異なるタイプの移行、および/または、異なるタイプの送信(例えば、データの受信、データの送信)に関して適用される別の予め定められた時間の長さ(例えば、CRXモードからLSモードへ移行すべきかを判定することに関連する予め定められた時間の長さ;LSモードとDSモードとの間で移行すべきかを判定することに関連する別の予め定められた時間の長さ)が存在する。
【0052】
例えば、モバイル・デバイス116は、CRXモードにあり、アナライザ要素206は、モバイル・デバイス116と基地局102との間で2秒間、データ交換がなかったことを示す時間情報をタイマ208から受け取ることができる。アナライザ206は、そのような時間情報を、予め定められたスリープ・モード基準と比較することができる。この基準は、この例では、最後のデータ交換から2秒以上経過した場合、モバイル・デバイス116はCRXモードからLSモードへ移行すべきであると指定することができる。アナライザ206は、CRXモードからLSモードへ移行するための予め定められたスリープ・モード基準が満たされていると判定し、この判定を、スリープ・モード・コントローラ202へ通知する。スリープ・モード・コントローラ202は、この判定および/または予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて、モバイル・デバイス116のCRXモードからLSモードへの移行(切換)を促す。CRXモードからLSモードへ移行するための予め定められたスリープ・モード基準を満たす経過時間は、そのような移行を実行させる非明示的なシグナルでありうる。
【0053】
別の例として、モバイル・デバイス116がLSモードにありうる。モバイル・デバイス116は、例えば、L1/L2制御信号またはL1/L2制御+SCHのように、モバイル・デバイス116がLSモードからDSモードへ移行すべきであることを示す明示的なシグナルを基地局102から受信することができる。そのようなメッセージは、アナライザ206に提供される。アナライザ206は、受信したこのメッセージを、予め定められたスリープ・モード基準と比較する。この基準は、このようなメッセージを受信すると、LSモードからDSモードへの移行がなされるべきであることを明記することができる。そして、アナライザ206は、LSモードからDSモードへの移行がなされるべきであると判定する。アナライザ206は、その判定をスリープ・モード・コントローラ202へ伝え、スリープ・モード・コントローラ202は、モバイル・デバイス116のLSモードからDSモードへの移行を促す。
【0054】
図3に示すように、無線通信環境内のモバイル・デバイスに関連する異なるスリープ・モード間の移行を容易にするシステム300が例示される。システム300は、例えばモバイル・デバイス116のような1または複数のモバイル・デバイスと通信する基地局102を含む。明確化および簡素化のために、図3にはモバイル・デバイスは1つしか示されていないことが認識され理解されるべきである。さらに、基地局102は、他の基地局、および/または、例えば認証、許可、アカウント、課金等のような機能を実行することができる(図示しない)別のデバイス(例えば、サーバ)と通信することができる。基地局102およびモバイル・デバイス116は、それぞれ同一であるか、または、例えばシステム100および/またはシステム200に関して本明細書でより十分に説明された構成要素と類似しうる。あるいは、それぞれ同一の機能を備えているか、または、例えばシステム100および/またはシステム200に関して本明細書でより十分に説明された構成要素と類似の機能を備えうる。
【0055】
基地局102は、モバイル・デバイス116におけるさまざまなスリープ・モード間の移行の制御を容易にするコントローラ302を含みうる。例えば、コントローラ302は、アナライザ304と連携している。アナライザ304は、移行判定に関する情報を評価する。さらにあるいはその代わりに、モバイル・デバイス116に対してあるスリープ・モードから別のスリープ・モードへ移行するように指示する明示的なシグナル(例えば、制御メッセージ)を生成してモバイル・デバイス116へ送るかの判定を容易にするために、移行判定に関する情報を、予め定められたスリープ・モード基準と比較する。
【0056】
基地局102はさらに、基地局102とモバイル・デバイス116との間のデータ交換中に経過した時間の長さ、あるいは、基地局102とモバイル・デバイス116との間の最後のデータ交換から経過した時間の長さを追跡するタイマ306を含みうる。タイマ306は、そのような時間情報を、コントローラ302および/またはアナライザ304へ提供する。この時間情報は、移行がなされるべきかの判定を容易にするために、予め定められたスリープ・モード基準に関連して評価(すなわち、予め定められたスリープ・モード基準と比較)されうる。
【0057】
基地局102はまた、基地局102とモバイル・デバイス116との間のアップリンク送信および/またはダウンリンク送信をスケジュールするスケジューラ308を備えうる。スケジューラ308は、モバイル・デバイス116が「オン」期間または「オン」状態にある場合(例えば、LSモードの「オン」期間、または、連続的な「オン」状態にあるCRXモードである場合)、ダウンリンク送信が生じるようにスケジュールすることができる。スケジューラ308はまた、モバイル・デバイス116が「オン」期間にある場合(例えば、LSモードの「オン」期間、または、連続的な「オン」状態にあるCRXモードである場合)、アップリンク送信が生じるようにスケジュールすることができる。スケジューラ308は、特定の送信の一部として、所望の制御メッセージおよび/または関連するデータの送信を促すことができる。
【0058】
図4および図5に示すように、無線通信環境におけるモバイル・デバイスに関連するスリープ・モードを選択すること、および/または、スリープ・モード間において移行することが例示されている。説明を簡単にする目的で、この方法論は、一連の動作として示され、説明されているが、1または複数の実施形態によれば、いくつかの動作は、本明細書に示され記載されたものとは異なる順序で、および/または、他の動作と同時になされ、説明された動作順序によって限定されないことが理解され認識されるべきである。例えば、当業者であれば、方法論は、代わりに、例えば状態図における一連の相互関連する状態またはイベントとして表されうることを理解および認識するだろう。さらに、1または複数の実施形態にしたがう方法論を実現するために、必ずしも例示されたすべての動作が必要される訳ではない。
【0059】
図4に示すように、無線通信システムに関連するモバイル・デバイスにおいてスリープ・モードを選択することを容易にする方法論400が例示される。402では、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいてスリープ・モードが選択されうる。1つの局面では、選択可能なスリープ・モードは、LSモード、DSモード、および/または、非スリープ・モード(例えば、CRXモード)を含む。モバイル・デバイスは、所望のスリープ・モードを選択することを容易にすることができる。404では、スリープ・モードを選択することを促すシグナリングが存在しうる。例えば、このシグナリングは、基地局(例えば102)からモバイル・デバイス(例えば、116)への制御メッセージのような明示的なシグナリングであり、モバイル・デバイスに対して、別のスリープ・モードを選択することによって、あるスリープ・モードから別のスリープ・モードへと移行するように指示する。あるいは、このシグナリングは、基地局とモバイル・デバイスとの間の最後のデータ交換中に経過した予め定められた時間の長さのように、満たされた条件に部分的に基づきうる非明示的なシグナリングでありうる。ここで、この条件は、例えば、予め定められたスリープ・モード基準によって定められる。
【0060】
図5には、無線通信システムに関連するモバイル・デバイスにおいて、スリープ・モードへ移行することを促す方法論500が例示される。502では、スリープ・モードに関連する情報が評価される。1つの局面では、モバイル・デバイス(例えば、116)または基地局(例えば、102)に関連するアナライザが、例えば、基地局とモバイル・デバイスとの間の最後のデータ交換から経過した時間の長さに関連する情報のような、スリープ・モードに関連する情報を評価する。504では、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて、第1のスリープ・モードから別のスリープ・モードへの移行が実行されるべきかに関する判定がなされる。例えば、アナライザは、スリープ・モードに関連して受信した情報を評価し、その受信した情報を、移行条件が満たされているかを判定する予め定められたスリープ・モード基準と比較した後に、LSモードからDSモードへの移行すべきかに関する判定を行うことができる。506では、第1のスリープ・モードから別のスリープ・モードへの移行を促すシグナルが存在する。例えば、移行条件が満たされているかが、受信した情報および/または予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて判定された場合、第1のスリープ・モードから別のスリープ・モードへの移行を促すために、明示的なシグナルおよび/または非明示的なシグナルが生成される。明示的なシグナリングは、基地局からモバイル・デバイスへの制御信号であり、モバイル・デバイスが、第1のスリープ・モードから別のスリープ・モードへ移行すべきであることを示す。非明示的なシグナリングは、例えば、満たされている予め定められたスリープ・モード基準に関連するある条件である。満たされているこの条件は、モバイル・デバイスおよび/または基地局に対して、モバイル・デバイスが第1のスリープ・モードから別のスリープ・モードへ移行すべきであることを示す(例えば、非明示的にシグナルする)。508では、第1のスリープ・モードから他のスリープ・モードへの移行がなされる。例えば、このシグナルは、モバイル・デバイスが、第1のスリープ・モード(例えば、LSモード)から別のスリープ・モード(例えば、DSモード)へ移行すべきであることを示しうる。
【0061】
本明細書に記載の1または複数の局面にしたがって、スリープ・モードを選択すること、および/または、モバイル・デバイスに関してスリープ・モード間でいつ移行すべきかを判定することに関する推論がなされることが認識されるであろう。本明細書で使用されるように、用語「推論する」または「推論」は、一般に、イベントおよび/またはデータによって取得された観察結果のセットから、システム、環境、および/または、ユーザに関する理由付けをするプロセス、あるいは、これらの状態の推論のプロセスを称する。推論は、特定のコンテクストまたはアクションを識別するために適用されるか、あるいは、例えば状態にわたった確率分布を生成することができる。この推論は、確率論的でありうる。すなわち、データおよびイベントの考慮に基づき、当該状態にわたった確率分布を計算することである。推論はまた、イベントおよび/またはデータのセットから高次レベルのイベントを構成するために適用される技術を称する。そのような推論によって、観察されたイベントおよび/または格納されたイベント・データのセットから、これらイベントが時間的に近接して関連付けられていようといまいと、これらイベントおよびデータが、1またはいくつかのイベント・ソースおよびデータ・ソースに由来していようとも、新たなイベントまたはアクションが構築される。
【0062】
一例によれば、上述した1または複数の方法は、スリープ・モードを選択すること、および/または、あるスリープ・モードから別のスリープ・モードへ移行することに関する推論を行う。さらなる例示によれば、あるスリープ・モードと別のスリープ・モードとの間の移行が実行されるべきであるか、あるいは既になされているかの判定に関する推論がなされる。前述の例は、本質的に例示的であって、なされうる推論の数、あるいは、そのような推論が本明細書に記載されたさまざまな実施形態および/または方法と連携してなされる方法に限定されることは意図されていないことが認識されるだろう。
【0063】
図6は、無線通信システムに関連するモバイル・デバイスにおけるスリープ・モード間の移行を容易にするモバイル・デバイス600の例示である。モバイル・デバイス600は、例えば、受信アンテナ(図示せず)から信号を受信し、この受信した信号に対して一般的な動作(例えば、フィルタ、増幅、ダウンコンバート等)を実行し、このように調整された信号をデジタル化してサンプルを得る受信機602を備える。受信機602は、例えば、MMSE受信機であり、受信したシンボルを復調し、チャネル推定のためにそれらをプロセッサ606へ提供する復調器604を備えうる。プロセッサ606は、受信機602によって受信された情報を分析し、および/または、送信機608による送信のための情報を生成することに特化されたプロセッサ、モバイル・デバイス600のうちの1または複数の構成要素を制御するプロセッサ、および/または、受信機602によって受信された情報の分析と、送信機608による送信のための情報の生成と、モバイル・デバイス600のうちの1または複数の構成要素の制御とのすべてを行うプロセッサでありうる。モバイル・デバイス600はまた、信号(例えば、データ)を、例えば基地局102、別のモバイル・デバイス等へ送信することを容易にするために、送信機608と連携して動作することができる。
【0064】
プロセッサ606はまた、モバイル・デバイス116に関連するさまざまなスリープ・モード間の移行の判定および/または制御を容易にするスリープ・モード・コントローラ202を備えうる。スリープ・モード・コントローラ202は、例えばシステム202に関して本明細書でより十分に説明されたようなそれぞれの構成要素と同一または類似しているか、あるいは、それらと同一または類似の機能を備えうることが認識され理解されるべきである。スリープ・モード・コントローラ202は、好ましくは、(図示するような)プロセッサ606内に含まれるか、スタンド・アロン・ユニットであるか、他の構成要素に組み込まれるか、および/または、実質的にこれらの任意の適切な組み合わせでありうることが認識され理解されるべきである。
【0065】
モバイル・デバイス600はさらに、プロセッサと動作可能に接続されたデータ・ストア204を備えうる。このデータ・ストア204は、送信されるデータ、受信されたデータ、予め定められたスリープ・モード基準に関連する情報、さまざまなスリープ・モード間の移行に関する判定に関連する情報(例えば、データ交換中の経過時間、明示的なシグナル、非明示的なシグナル等)、および、あるスリープ・モードから他のスリープ・モードへ移行するかの判定を容易にすることができるその他の適切な情報を格納することができる。データ・ストア204はさらに、あるスリープ・モードから別のスリープ・モードへ移行するかに関し、その判定を容易にするアルゴリズム、および/または、プロトコルを格納しうる。データ・ストア204は、例えばシステム202に関して本明細書でより十分に説明されたようなそれぞれの構成要素と同一または類似しているか、あるいは、それらと同一または類似の機能を備えうることが認識されるべきである。
【0066】
プロセッサ606は、例えば、さまざまなスリープ・モード間の移行に関する判定に関連する情報のような情報を評価するアナライザ206に接続されている。アナライザ206は、例えばシステム202に関して本明細書でより十分に説明されたそれぞれの構成要素と同一または類似しているか、あるいは、それらと同一または類似の機能を備えうることが認識されるべきである。アナライザ206は、好ましくは、(図示するように)スタンド・アロン・ユニットでありうるか、プロセッサ606内に含まれうるか、他の構成要素内に組み込まれるか、および/または、これらの実質的に任意の適切な組み合わせでありうることがさらに認識および理解されるべきである。
【0067】
プロセッサ606はまた、タイマ208に接続されうる。このタイマ208は、さまざまなスリープ・モード間の移行に関する判定を容易にするために、モバイル・デバイス116と基地局102との間の最後のデータ交換からの経過時間の長さ、あるいは、データ交換中の経過時間の長さを追跡することができる。タイマ208は、例えばシステム202に関して本明細書でより十分に説明されたそれぞれの構成要素と同一または類似しているか、あるいは、それらと同一または類似の機能を備えうることが認識されるべきである。タイマ208は、好ましくは、(図示するように)スタンド・アロン・ユニットであるか、プロセッサ606内に含まれるか、他の構成要素内に組み込まれるか、これらの実質的に任意の適切な組み合わせでありうることがさらに認識および理解されるべきである。
【0068】
図7は、無線通信システムに関連するモバイル・デバイスにおけるスリープ・モード間の移行を容易にするシステム700の例示である。システム700は、複数の受信アンテナ704を介して1または複数のモバイル・デバイス116から信号を受信する受信機702と、送信アンテナ708を介して1または複数のモバイル・デバイス116へ信号(例えば、データ)を送信する送信機706とを有する基地局102を備える。受信機702は、受信アンテナ704から情報を受信する。そして、受信した信号を復調する復調器710に関連付けられる。復調されたシンボルは、プロセッサ712によって分析されうる。プロセッサ712は、受信機702によって受信された情報の分析、および/または、送信機706による送信のための情報の生成に特化されたプロセッサであるか、基地局102のうちの1または複数の構成要素を制御するプロセッサであるか、および/または、受信機702によって受信された信号の分析、送信機706による送信のための情報の生成、および基地局102のうちの1または複数の構成要素の制御のすべてを行うプロセッサでありうる。基地局102はまた、例えばモバイル・デバイス116や他のデバイス等へ信号(例えば、データ)の送信を容易にする送信機706と連携して動作することができる変調器714を備えうる。
【0069】
プロセッサ712はメモリ716に接続されうる。このメモリは、送信されるデータに関連する情報、受信したデータ、スリープ・モード基準に関連する情報、さまざまなスリープ・モード間の移行に関する判定に関連する情報(例えば、データ交換中の経過時間、明示的なシグナル、非明示的なシグナル等)、および、あるスリープ・モードから別のモードへ移行すべきかの判定を容易にするその他任意の情報を格納することができる。メモリ716はさらに、モバイル・デバイス116があるスリープ・モードから別のモードへ移行すべきかに関連し、かつその判定を容易にするアルゴリズムおよび/またはプロトコルを格納することができる。
【0070】
プロセッサ712は、モバイル・デバイス116におけるさまざまなスリープ・モード間の移行に関する判定を容易にするコントローラ302であるか、あるいは、そのようなコントローラ302を備えうる。コントローラ302は、例えばシステム300に関して本明細書でより十分に説明されたそれぞれの構成要素と同一または類似しているか、あるいは、それらと同一または類似の機能を備えうることが認識および理解されるべきである。コントローラ302は、好ましくは、(図示するように)プロセッサ712内に含まれるか、スタンド・アロン・ユニットであるか、他の構成要素内に組み込まれるか、これらの実質的に任意の適切な組み合わせでありうることがさらに認識および理解されるべきである。
【0071】
プロセッサ712は、アナライザ304に接続されうる。アナライザ304は、例えば、モバイル・デバイス116内のさまざまなスリープ・モード間の移行に関する判定に関する情報のように、モバイル・デバイス116に関連する情報を評価し、モバイル・デバイス116があるスリープ・モードから別のモードへと移行すべきであるかを判定することを容易にする予め定められたスリープ・モード基準を分析することができる。アナライザ304は、モバイル・デバイス116から取得した情報、および/または、基地局102内で生成された情報(例えば、データ交換に関する経過時間情報)を受け取ることができる。そのような情報が評価され、移行判定が容易とされる。アナライザ304は、例えばシステム300に関して本明細書でより十分に説明されたそれぞれの構成要素と同一または類似しているか、あるいは、それらと同一または類似の機能を備えうることが認識および理解されるべきである。アナライザ304は、好ましくは、(図示するように)スタンド・アロン・ユニットであるか、プロセッサ712内に含まれるか、他の構成要素内に組み込まれるか、これらの実質的に任意の適切な組み合わせでありうることがさらに認識および理解されるべきである。
【0072】
プロセッサ712は、タイマ306に接続されうる。タイマ306は、さまざまなスリープ・モード間の移行に関する判定を容易にするために、モバイル・デバイス116と基地局102との間の最後のデータ交換からの経過時間の長さ、あるいは、データ交換中の経過時間の長さを追跡することができる。タイマ306は、例えばシステム300に関して本明細書でより十分に説明されたそれぞれの構成要素と同一または類似しているか、あるいは、それらと同一または類似の機能を備えうることが認識および理解されるべきである。タイマ306は、好ましくは、(図示するように)スタンド・アロン・ユニットであるか、プロセッサ712内に含まれるか、他の構成要素内に組み込まれるか、これらの実質的に任意の適切な組み合わせでありうることがさらに認識および理解されるべきである。
【0073】
プロセッサ712はまた、スケジューラ308に接続されうる。スケジューラ308は、基地局102とモバイル・デバイス116との間のデータ送信(例えば、アップリンク、ダウンリンク)をスケジュールすることができる。スケジューラ308は、例えばシステム300に関して本明細書でより十分に説明されたそれぞれの構成要素と同一または類似しているか、あるいは、それらと同一または類似の機能を備えうることが認識および理解されるべきである。スケジューラ308は、好ましくは、(図示するように)スタンド・アロン・ユニットであるか、プロセッサ712内に含まれるか、他の構成要素内に組み込まれるか、これらの実質的に任意の適切な組み合わせでありうることがさらに認識および理解されるべきである。
【0074】
図8は、無線通信システム800の一例を示す。無線通信システム800は、簡潔さの目的で、1つの基地局810と1つのモバイル・デバイス850とを示している。しかしながら、システム800は、1つより多い基地局、および/または、1つより多いモバイル・デバイスを含むことができることが認識されるべきである。これら追加の基地局および/またはモバイル・デバイスは、以下に説明する基地局810およびモバイル・デバイス850の例と実質的に類似しているか、異なっている。さらに、基地局810および/またはモバイル・デバイス850は、その間の無線通信を容易にするために、本明細書に記載のシステム(図1−3、図6−7、図9−10)および/または方法(図4−5)を適用できることが認識されるべきである。基地局810とモバイル・デバイス850とはおのおの、例えばシステム100、システム200、システム300、システム600、および/または、システム700のように、本明細書でより十分説明されたそれぞれの構成要素と同一または類似しているか、あるいは、それらと同一または類似の機能を備えうることが認識されるべきである。
【0075】
基地局810では、多くのデータ・ストリームのためのトラフィック・データが、データ・ソース812から送信(TX)データ・プロセッサ814へと提供される。例によれば、おのおののデータ・ストリームは、それぞれのアンテナを介して送信されうる。TXデータ・プロセッサ814は、符合化されたデータを提供するためにそのデータ・ストリームのために選択された特定の符合化スキームに基づいて、トラフィック・データ・ストリームをフォーマットし、符合化し、インタリーブする。
【0076】
おのおののデータ・ストリームの符合化されたデータは、直交周波数分割多重化(OFDM)技術を用いてパイロット・データと多重化されうる。さらにあるいはそれに加えて、パイロット・シンボルは、周波数分割多重化(FDM)、時分割多重化(TDM)、または符号分割多重化(CDM)されうる。パイロット・データは一般に、周知の方法で処理される周知のデータ・パターンであり、モバイル・デバイス850においてチャネル応答を推定するために使用されうる。おのおののデータ・ストリームの多重化されたパイロットと符合化されたデータとは、変調シンボルを提供するためそのデータ・ストリームのために選択された特定の変調スキーム(例えば、バイナリ・フェーズ・シフト・キーイング(BPSK)、直交フェーズ・シフト・キーイング(QPSK)、Mフェーズ・シフト・キーイング(M−PSK)、M直交振幅変調(M−QAM)等)に基づいて変調(シンボル・マップ)されうる。おのおののデータ・ストリームのデータ・レート、符合化、および変調は、プロセッサ830によって実行または提供される命令群によって決定されうる。
【0077】
データ・ストリームの変調シンボルはTX MIMOプロセッサ820に提供される。MIMOプロセッサはさらに、(例えばOFDMのため)変調シンボルを処理することができる。その後、TX MIMOプロセッサ820は、N個の変調シンボル・ストリームを、N個の送信機(TMTR)822a乃至822tへ提供する。さまざまな実施形態では、TX MIMOプロセッサ820は、データ・ストリームのシンボルと、このシンボルが送信されるアンテナとに、ビームフォーミング重みを適用する。
【0078】
おのおのの送信機822は、1または複数のアナログ信号を提供するために、それぞれのシンボル・ストリームを受信および処理する。さらに、このアナログ信号を調整(例えば、増幅、フィルタ、およびアップコンバート)して、MIMOチャネルを介した送信に適切な変調信号を提供する。さらに、送信機822a乃至822tからのN個の変調信号が、N個のアンテナ824a乃至824tそれぞれから送信される。
【0079】
モバイル・デバイス850では、送信された変調信号がN個のアンテナ852a乃至852rによって受信され、受信された信号が、おのおののアンテナ852からそれぞれの受信機(RCVR)854a乃至854rへ提供される。おのおのの受信機854は、それぞれの信号を調整(例えば、フィルタ、増幅、およびダウンコンバート)し、この調整された信号をデジタル化してサンプルを提供し、さらに、このサンプルを処理して、対応する「受信」シンボル・ストリームを提供する。
【0080】
RXデータ・プロセッサ860は、N個の受信機854で受信されたN個のシンボル・ストリームを受け取り、特定の受信機処理技術に基づいて処理して、N個の「検出」されたシンボル・ストリームを提供する。RXデータ・プロセッサ860は、検出されたおのおののシンボル・ストリームを復調、逆インタリーブ、および復号して、このデータ・ストリームのトラフィック・データを復元する。RXデータ・プロセッサ860による処理は、基地局810においてTX MIMOプロセッサ820およびTXデータ・プロセッサ814によって実行されるものと相補的である。
【0081】
プロセッサ870は、(後述するように)どの事前符合化行列を使用するかを定期的に決定することができる。さらに、プロセッサ870は、行列インデクス部とランク値部とを備える逆方向リンク・メッセージを作成する。
【0082】
この逆方向リンク・メッセージは、通信リンクおよび/または受信したデータ・ストリームに関連するさまざまなタイプの情報を備えうる。逆方向リンク・メッセージは、TXデータ・プロセッサ838によって処理され、変調器880によって変調され、送信機854a乃至854rによって調整され、基地局810へ送り戻される。TXデータ・プロセッサはまた、データ・ソース836から、多くのデータ・ストリームのトラフィック・データを受信する。
【0083】
基地局810では、モバイル・デバイス850からの変調信号がアンテナ824によって受信され、受信機822によって調整され、復調器840によって復調され、RXデータ・プロセッサ842によって処理されて、モバイル・デバイス850によって送信された逆方向リンク・メッセージが抽出される。さらに、プロセッサ830は、この抽出されたメッセージを処理し、ビームフォーミング重みを決定するためにどの事前符合化行列を使用すべきかを決定する。
【0084】
プロセッサ830およびプロセッサ870は、基地局810およびモバイル・デバイス850それぞれにおける動作を指示(例えば、制御、調整、管理等)することができる。プロセッサ830およびプロセッサ870はそれぞれ、プログラム・コードおよびデータを格納するメモリ832およびメモリ872と関連している。プロセッサ830およびプロセッサ870はまた、アップリンクおよびダウンリンクそれぞれのための周波数推定値およびインパルス応答推定値を導出するための計算を実行する。
【0085】
局面では、論理チャネルが、制御チャネルおよびトラフィック・チャネルへ分類される。論理制御チャネルは、システム制御情報をブロードキャストするDLチャネルであるブロードキャスト制御チャネル(BCCH)を備えうる。DLチャネルであるページング制御チャネル(PCCH)は、ページング情報を転送する。例えば、PCCHは、ネットワークが、UEのロケーション・セルを知らない場合に利用されうる。共通制御チャネル(CCCH)は、UEとネットワークとの間で制御情報を送信するために利用されるチャネルである。このチャネルは、ネットワークとのRRC接続を持たないUEによって使用されうる。マルチキャスト制御チャネル(MCCH)は、マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)スケジューリングと、1またはいくつかのMTCHのための制御情報とを送信するために使用されるポイント・トゥ・マルチポイントDLチャネルである。一般に、RRC接続を確立した後、このチャネルは、MBMS(注:以前のMCCH+MSCH)を受信するUEによってのみ使用される。MBMSが、MCCH上のL2/3シグナリングによって、あるいはL1シグナリングによって送信される方法がFFCであることが注目される。専用制御チャネル(DCCH)は、専用制御情報を送信するポイント・トゥ・ポイント双方向チャネルであり、RRC接続を有するUEによって使用される。局面では、論理トラフィック・チャネルは、ユーザ情報の転送のために、1つのUEに特化されたポイント・トゥ・ポイント双方向チャネルである専用トラフィック・チャネル(DTCH)を備えうる。DTCHは、ULとDLとの両方において使用することができる。さらに、トラフィック・データを送信するためのポイント・トゥ・マルチポイントDLチャネルであるマルチキャスト・トラフィック・チャネル(MTCH)。このチャネルは、MBMSを受信するUEによって使用される。
【0086】
局面では、輸送チャネルが、DLとULとに分類される。DL輸送チャネルは、ブロードキャスト・チャネル(BCH)、ダウンリンク共有データ・チャネル(DL−SDCH)、ページング・チャネル(PCH)、およびマルチキャスト・チャネル(MCH)を備える。BCHは、固定された予め定められたフォーマットによって特徴付けられ、セルの有効範囲領域全体においてブロードキャストされうる。DL−SDCHは、ハイブリッド自動反復要求(HARQ)のサポート、変調、符合化、および送信電力を変動させることによる動的リンク適応のサポート、セル全体においてブロードキャストされるべき能力、ビームフォーミングを使用する能力、動的リソース割当と準静的リソース割当との両方のためのサポート、UE省電力を可能にするUE不連続受信(DRX)のサポート、MBMS送信のサポートを有することによって特徴付けられうる。低速電力制御を利用する能力が、物理レイヤに部分的に基づきうることが注目される。PCHは、UE省電力のサポートを有すること(DRXサイクルが、ネットワークによってUEへ示される)、セルの有効範囲領域全体でブロードキャストされる能力を有することによって特徴付けられうる。そして、トラフィック・チャネルまたはその他の制御チャネルのために動的に使用される物理レイヤへマップされうる。MCHは、セルの有効範囲領域全体においてブロードキャストされうる能力、MBSFNが複数のセルにおけるMBMS送信を結合するためのサポート、および、(例えば、長い周期的プレフィクスの時間フレームを用いた)準静的リソース割当のためのサポートを有することによって特徴付けられうる。UL輸送チャネルは、アップリンク共有チャネル(UL−SCH)、ランダム・アクセス・チャネル(RACH)、および複数のPHYチャネルを備える。UL−SCHは、ビームフォーミングを使用する能力、送信電力および可能な変調および符合化を変化させることによる動的リンク適応のためのサポート、HARQのためのサポート、および、動的リソース割当と準静的リソース割当との両方のためのサポートを有することによって特徴付けられうる。UL同期およびタイミング先行を用いることの可能性は、物理レイヤに部分的に依存しうることが注目される。RACHは、限定された制御情報、および衝突リスクを有することによって特徴付けられる。開ループ電力制御を使用する可能性は、物理レイヤ・ソリューションに部分的に基づきうることが注目される。PHYチャネルは、DLチャネルおよびULチャネルのセットを備える。
【0087】
(例えば、E−ULTRAの)PHYチャネルは、物理ブロードキャスト・チャネル(PBCH)、物理制御フォーマット・インジケータ・チャネル(PCFICH)、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、物理ハイブリッドARQインジケータ・チャネル(PHICH)、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、および物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACH)でありうる。物理ブロードキャスト・チャネル(PBCH)では、符合化されたBCH輸送ブロックが、40ミリ秒間隔内で4つのサブフレームにマップされ、40ミリ秒タイミングは、無分別に検出され(例えば、40ミリ秒タイミングを示す明示的なシグナリングはなく)、おのおののサブフレームは、自己復号可能であると見なされる(例えば、十分良好なチャネル条件を仮定すると、BCHは、単一の受信から復号されうる)。物理制御フォーマット・インジケータ・チャネル(PCFICH)は、PDCCHのために使用されるOFDMシンボル数についてUEに通知し、すべてのサブフレームにおいて送信されうる。物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)は、PCHとDL−SCHのリソース割当と、DL−SCHに関するハイブリッドARQ情報についてUEに通知し、アップリンク・スケジュール許可を伝送することができる。物理ハイブリッドARQインジケータ・チャネル(PHICH)は、アップリンク送信に応答して、ハイブリッドARQ ACK/NAKを伝送し、DL−SCHおよびPCHを搬送することができる。物理マルチキャスト・チャネル(PMCH)は、MCHを伝送することができる。物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)は、ダウンリンク送信に応答してハイブリッドARQ ACK/NAKを伝送し、スケジューリング(SR)を伝送し、CQIレポートを伝送することができる。物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)は、UL−SCHを伝送することができる。物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACH)は、ランダム・アクセス・プリアンブルを伝送することができる。
【0088】
局面では、(与えられた任意の時間において、チャネルが周波数において隣接しているか、あるいは、一定間隔をなす)単一キャリア波形の低PAR特性を維持するチャネル構造が提供される。
【0089】
本明細書に記載の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、あるいはそれらの任意の組み合わせで実現されうることが理解されるべきである。ハードウェアで実現される場合、処理ユニットが、1または複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロ・コントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書に記載の技術を実行するために設計されたその他の電子ユニット、あるいはこれらの組み合わせ内に実装されうる。
【0090】
実施形態が、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアあるいはマイクロコード・プログラム・コードあるいはかコード・セグメントにおいて実現される場合、例えばストレージ要素のような機械読取可能媒体に格納されうる。コード・セグメントは、手順、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェア・パッケージ、クラス、あるいは、命令群、データ構造、またはプログラム・ステートメントの任意の組み合わせを表しうる。コード・セグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリ・コンテンツの引き渡しおよび/または受け取りを行うことによって、別のコード・セグメントまたはハードウェア回路に接続されうる。情報、引数、パラメータ、データ等は、メモリ共有、メッセージ引渡し、トークン引渡し、ネットワーク送信等を含む任意の適切な手段を用いて引渡し、転送、あるいは送信がなされうる。
【0091】
ソフトウェアで実現する場合、本明細書に記載の技術は、本明細書に記載の機能を実行するモジュール(例えば、手順、関数等)を用いて実現されうる。ソフトウェア・コードは、メモリ・ユニット内に格納され、プロセッサによって実行されうる。メモリ・ユニットは、プロセッサ内、あるいは、プロセッサ外に実装されうる。プロセッサ外に実装される場合、メモリ・ユニットは、当該技術分野で周知のさまざまな手段によってプロセッサへ通信可能に接続されうる。
【0092】
図9に示すように、無線通信環境に関連するモバイル・デバイスにおける異なるスリープ・モード間の移行を容易にするシステム900が例示される。例えば、システム900は、モバイル・デバイス(例えば、116)内に少なくとも部分的に存在しうる。システム900は、プロセッサ、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実現される機能を表す機能ブロックでありうる機能ブロックを含むものとして表されることが認識されるべきである。システム900は、連携して動作する電子構成要素の論理グループ902を含む。
【0093】
例えば、論理グルーピング902は、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいてスリープ・モードを選択する電子構成要素904を含みうる。ここで、スリープ・モードは、LSモード、DSモード、または非スリープ・モード(例えば、CRXモード)でありうる。例えば、スリープ・モードの選択は、あるスリープ・モードから別のスリープ・モードへ切り換わることを含みうる。局面によれば、非スリープ・モードは、LSモードに関連する特別なモードとして考えられ、非スリープ・モードの場合、「オフ」期間は、モバイル・デバイス(例えば、116)が「オン」状態に連続してあることができるように、ゼロに設定されうる。さらに、論理グルーピング902は、スリープ・モードに関連するシグナリングのための電子構成要素906を含みうる。例えば、このシグナリングは、(例えば、制御シグナルのような)明示的なシグナリングおよび/または(例えば、予め定められたスリープ・モード基準に関連する予め定められた条件が満たされる)非明示的なシグナリングを備えうる。それに加えて、システム900は、電子構成要素904、906に関連する機能を実行するための命令群を保持するメモリ908を含みうる。メモリ908の外側にあるように示されているが、これら電子構成要素904、906のうちの1または複数は、メモリ908内に存在しうることが理解されるべきである。
【0094】
図10に示すように、無線通信環境に関連するモバイル・デバイスにおける異なるスリープ・モード間の移行を容易にするシステム1000が例示されている。システム1000は、例えば、基地局(例えば102)内に存在することができる。図示するように、システム1000は、プロセッサ、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実現される機能を表す機能ブロックを含む。システム1000は、連携して動作することが可能な電子構成要素の論理グルーピング1002を含む。論理グルーピング1002は、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいてスリープ・モードを選択する電子構成要素1004を含みうる。ここで、スリープ・モードは、LSモード、DSモード、または非スリープ・モード(例えば、CRXモード)でありうる。例えば、スリープ・モードの選択は、基地局に関連するモバイル・デバイス(例えば、116)におけるあるスリープ・モードから別のスリープ・モードへの切り換えを含みうる。局面によれば、非スリープ・モードは、LSモードに関連する特別なモードであると考えられる。非スリープ・モードの場合、「オフ」期間は、モバイル・デバイス(例えば、116)が連続して「オン」状態にあるように、ゼロに設定されうる。さらに、論理グルーピング1002は、スリープ・モードに関連するシグナリングのための電子構成要素1006を備えうる。例えば、シグナリングは、(例えば、制御信号のような)明示的なシグナリング、および/または、(例えば、予め定められたスリープ・モード基準に関連する予め定められた条件が満たされた)非明示的なシグナリングを備えうる。さらに、論理グルーピング1002は、データ送信をスケジュールするための電子構成要素1008を含みうる。例えば、データ送信のスケジューリングは、基地局とモバイル・デバイスとの間の制御情報および/またはデータのアップリンク送信およびダウンリンク送信に関連しうる。データ送信のスケジューリングによって、データ送信は、モバイル・デバイスがダウンリンク送信について「オン」期間にあり、アップリンク送信について「オン」期間にある場合、時々実行されるようになる。データ伝送のスケジューリングは、モバイル・デバイス(例えば、116)に関連するスリープ・モードに部分的に基づきうる。さらに、システム1000は、電子構成要素1004、1006、1008に関連する機能を実行するための命令群を保持するメモリ1010を含みうる。メモリ1010の外部にあるものとして示されているが、電子構成要素1004、1006、1008のうちの1または複数は、メモリ1010内に存在しうることが理解されるべきである。
【0095】
上述したものは、1または複数の実施形態の一例を含む。もちろん、前述した実施形態を説明する目的で、構成要素または方法論の考えられるすべての組み合わせを説明することは可能ではないが、当業者であれば、さまざまな実施形態のさらに多くの組み合わせおよび置き換えが可能であることを認識することができる。したがって、説明された実施形態は、特許請求の範囲の精神およびスコープに入るそのようなすべての変更、修正および変形を含むことが意図される。さらに、用語「含む」が詳細説明あるいは特許請求の範囲の何れかで使用されている限り、そのような用語は、特許請求の範囲における遷移語として適用される場合に「備える」と解釈されている用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリープ・モードを選択することを促す方法であって、
スリープ・モードの選択を促すようにシグナリングすることと、
予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいてスリープ・モードを選択することと
を備える方法。
【請求項2】
前記予め定められたスリープ・モード基準は、利用可能なスリープ・モード、現在のスリープ・モード、モバイル・デバイスと基地局との間の最後のデータ交換からの時間長さ、現在のスリープ・モードから異なるスリープ・モードへの移行の指示のうちの少なくとも1つ、またはこれらの組み合わせに部分的に基づく請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シグナリングは、明示的なシグナル、非明示的なシグナルうちの少なくとも1つ、またはこれらの組み合わせに関連する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記明示的なシグナルは、モバイル・デバイスに対して、現在のスリープ・モードから異なるスリープ・モードへと切り換わるように指示する、基地局からモバイル・デバイスへのメッセージである請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記非明示的なシグナルは、前記モバイル・デバイスに関連する少なくとも1つの条件に関連する請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記条件は、モバイル・デバイスと基地局との間の最後のデータ交換からの時間の長さに関連する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
スリープ・モードを選択することに関する情報を評価することと、
第1のスリープ・モードから別のスリープ・モードへの移行が実行されるかを判定することと
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法を実行するように構成された電子デバイス。
【請求項9】
予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいてスリープ・モードを選択することに関連する命令群を保持するメモリと、
前記メモリに接続され、前記メモリに保持された命令群を実行するように構成されたプロセッサと
を備える無線通信装置。
【請求項10】
前記予め定められたスリープ・モード基準は、前記無線通信装置と基地局との間のデータ交換からの時間の長さ、現在のスリープ・モード状態、利用可能なスリープ・モード状態、前記現在のスリープ・モード状態から別のスリープ・モード状態へ移行せよとの明示的なシグナル、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つに関連する請求項9に記載の無線通信装置。
【請求項11】
前記メモリはさらに、第1のスリープ・モードと、少なくとも1つの他のスリープ・モードとに関連する命令群を保持し、
前記第1のスリープ・モードは、非スリープ・モード、ライト・スリープ・モード、またはディープ・スリープ・モードのうちの1つであり、
前記少なくとも1つの他のスリープ・モードは、前記第1のスリープ・モードとは異なり、非スリープ・モード、ライト・スリープ・モード、またはディープ・スリープ・モードのうちの1つである請求項9に記載の無線通信装置。
【請求項12】
前記メモリは、スリープ・モードを選択することに関連する情報を分析することに関連する命令群を保持する請求項9に記載の無線通信装置。
【請求項13】
前記無線通信装置は、ライト・スリープ・モードまたは非スリープ・モードのうちの少なくとも1つにある場合、データまたは制御情報のうちの少なくとも1つ、あるいはこれらの組み合わせを交換することができ、ディープ・スリープ・モードにある場合、制御情報を交換することができる請求項9に記載の無線通信装置。
【請求項14】
スリープ・モードの選択を促す無線通信装置であって、
スリープ・モードの選択を促すようにシグナリングする手段と、
予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいてスリープ・モードを選択する手段と
を備える無線通信装置。
【請求項15】
前記スリープ・モードを選択する手段はさらに、第1のスリープ・モードから別のスリープ・モードへ移行することをさらに備え、
前記第1のスリープ・モードは、非スリープ・モード、ライト・スリープ・モード、またはディープ・スリープ・モードのうちの1つであり、
前記少なくとも1つの他のスリープ・モードは前記第1のスリープ・モードとは異なり、非スリープ・モード、ライト・スリープ・モード、またはディープ・スリープ・モードのうちの1つである請求項14に記載の無線通信装置。
【請求項16】
前記予め定められたスリープ・モード基準は、利用可能なスリープ・モード、現在のスリープ・モード、モバイル・デバイスと基地局との間の最後のデータ交換からの時間の長さ、または、現在のスリープ・モードから他のスリープ・モードへ移行せよとの指示のうちの少なくとも1つ、あるいは、これらの組み合わせに関連する請求項14に記載の無線通信装置。
【請求項17】
スリープ・モードを選択することに関連する情報を分析する手段をさらに備える請求項14に記載の無線通信装置。
【請求項18】
第1のスリープ・モードから他のスリープ・モードへの移行を促すようにシグナリングし、
予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいてスリープ・モードを選択する
ための機械実行可能な命令群を格納して有する機械読取可能媒体。
【請求項19】
前記第1のスリープ・モードは、非スリープ・モード、ライト・スリープ・モード、またはディープ・スリープ・モードのうちの1つであり、
少なくとも1つの前記他のスリープ・モードは、非スリープ・モード、ライト・スリープ・モード、またはディープ・スリープ・モードのうちの1つである
請求項18に記載の機械読取可能媒体。
【請求項20】
前記機械実行可能な命令群はさらに、
前記第1のスリープ・モードから他のスリープ・モードへの移行に関連するシグナルを受信することと、
前記第1のスリープ・モードから他のスリープ・モードへ移行することと
を備える請求項18に記載の機械読取可能媒体。
【請求項21】
前記予め定められたスリープ・モード基準は、利用可能なスリープ・モード、現在のスリープ・モード、モバイル・デバイスと基地局との間の最後のデータ交換からの時間長さ、または、現在のスリープ・モードから異なるスリープ・モードへの移行の指示のうちの少なくとも1つ、あるいはこれらの組み合わせに部分的に基づく請求項18に記載の機械読取可能媒体。
【請求項22】
無線通信システムにおける装置であって、
予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて条件が満たされた場合、スリープ・モードを選択するようにシグナルし、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいてスリープ・モードを選択するように構成されたプロセッサを備える装置。
【請求項23】
前記シグナルは、前記装置と他の装置との間のデータ交換から経過した時間の長さに部分的に基づく非明示的なシグナルである請求項22に記載の装置。
【請求項24】
モバイル・デバイスに関連するスリープ・モード移行を促す方法であって、
前記モバイル・デバイスに関連するスリープ・モード移行に関連する情報を評価することと、
予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて、第1のスリープ・モードから他のスリープ・モードへの移行を促すシグナルを送信することと
を備える方法。
【請求項25】
前記第1のスリープ・モードから他のスリープ・モードへの移行が実行されるべきかを、前記予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて判定することをさらに備える請求項24に記載の方法。
【請求項26】
スリープ・モード移行に関連する情報は、前記モバイル・デバイスと基地局との間で生じたデータ交換から経過した時間の長さに関連する情報を含む請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記シグナルは、前記モバイル・デバイスに対して第1のスリープ・モードから他のスリープ・モードへ移行するように命令するメッセージを備える明示的なシグナルである請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記予め定められたスリープ・モード基準は、利用可能なスリープ・モード、現在のスリープ・モード、モバイル・デバイスと基地局との間の最後のデータ交換からの時間の長さ、または、現在のスリープ・モードから他のスリープ・モードへ移行せよとの命令のうちの少なくとも1つ、あるいはこれらの組み合わせに関連する請求項24に記載の方法。
【請求項29】
スリープ・モードを選択することに関連するシグナリングをすることと、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて、モバイル・デバイスに関連するスリープ・モードを選択することとに関連する命令群を保持するメモリと、
前記メモリに接続され、前記メモリに保持された命令群を実行するように構成されたプロセッサと
を備える無線通信装置。
【請求項30】
前記メモリはさらに、
前記スリープ・モードを選択することと、選択するためのスリープ・モードを、前記予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて決定することとに関連する情報を評価することに関連する命令群を保持する請求項29に記載の無線通信装置。
【請求項31】
前記シグナリングすることは、選択されるべき異なるスリープ・モードを示す明示的なシグナル、非明示的なシグナルのうちの少なくとも1つ、またはこれらの組み合わせである請求項29に記載の無線通信装置。
【請求項32】
前記メモリはさらに、前記モバイル・デバイスに関連するデータ交換をスケジュールすることに関連する命令群を保持する請求項29に記載の無線通信装置。
【請求項33】
前記予め定められたスリープ・モード基準は、利用可能なスリープ・モード、現在のスリープ・モード、モバイル・デバイスと基地局との間の最後のデータ交換からの時間の長さ、または、現在のスリープ・モードから異なるスリープ・モードへ移行するようにとの指示のうちの少なくとも1つ、あるいはこれらの組み合わせに基づく請求項29に記載の無線通信装置。
【請求項34】
無線通信環境におけるモバイル・デバイスに関するスリープ・モードの選択を促す無線通信装置であって、
スリープ・モードの選択を促すようにシグナリングする手段と、
予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいてスリープ・モードを選択する手段と
を備える無線通信装置。
【請求項35】
データ送信をスケジューリングする手段をさらに備える請求項34に記載の無線通信装置。
【請求項36】
前記予め定められたスリープ・モード基準は、利用可能なスリープ・モード、現在のスリープ・モード、モバイル・デバイスと基地局との間の最後のデータ交換からの時間の長さ、または、現在のスリープ・モードから他のスリープ・モードへ移行せよとの指示のうちの少なくとも1つ、あるいは、これらの組み合わせに部分的に基づく請求項34に記載の無線通信装置。
【請求項37】
前記スリープ・モードは、非スリープ・モード、ライト・スリープ・モード、または、ディープ・スリープ・モードのうちの少なくとも1つである請求項34に記載の無線通信装置。
【請求項38】
前記予め定められたスリープ・モード基準は、前記非スリープ・モードと前記ライト・スリープ・モードとの間の移行に関する第1の条件のセットと、前記ライト・スリープ・モードと前記ディープ・スリープ・モードとの間の移行に関する異なる条件のセットとを備える請求項37に記載の無線通信装置。
【請求項39】
特定のスリープ・モードへの移行に関する情報を、予め定められたスリープ・モード基準に部分的に基づいて評価し、
前記予め定められたスリープ・モード基準に関する移行のための条件が満たされている場合、前記特定のスリープ・モードへの移行をシグナリングする
ための機械実行可能な命令群を格納して有する機械読取媒体。
【請求項40】
前記予め定められたスリープ・モード基準は、利用可能なスリープ・モード、現在のスリープ・モード、モバイル・デバイスと基地局との間の最後のデータ交換からの時間の長さ、または、現在のスリープ・モードから他のスリープ・モードへ移行せよとの指示のうちの少なくとも1つ、あるいは、これらの組み合わせに部分的に基づく請求項39に記載の機械読取媒体。
【請求項41】
前記機械実行可能な命令群はさらに、モバイル・デバイスに関するデータ交換から経過した時間の長さを追跡することを備える請求項39に記載の機械読取媒体。
【請求項42】
無線通信システムにおける装置であって、
スリープ・モード移行に関する情報を、スリープ・モード基準に部分的に基づいて評価し、モバイル・デバイスに関するスリープ・モードを選択し、移行に関する少なくとも1つのシグナルを、異なるスリープ・モードへ送信し、前記モバイル・デバイスに関連するデータ交換をスケジュールするように構成されたプロセッサを備える無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−138931(P2012−138931A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−33008(P2012−33008)
【出願日】平成24年2月17日(2012.2.17)
【分割の表示】特願2009−545719(P2009−545719)の分割
【原出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】