説明

無線通信システムにおけるハンドオーバー方法及び基地局情報伝送方法

本発明は、無線通信システムにおけるハンドオーバー方法を提供する。本発明の一様相に係る、フェムトセルを含む無線通信システムにおけるハンドオーバー方法において、端末は、初期スキャニングから発見された第1フェムトセル基地局に関する情報または前記端末の位置情報のうち少なくとも一つを含む制御メッセージを基地局に伝送し、前記基地局から前記制御メッセージに基づいて検索された前記端末の接続を許容する少なくとも一つの第2フェムトセル基地局に関する情報を受信し、前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局のうちの一つへとハンドオーバーを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに係り、特に、無線通信システムでハンドオーバーを行う方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術によるハンドオーバー方法には、ハードハンドオーバー(hard handover:HHO)及びソフトハンドオーバー(soft handover)手法がある。さらに、ソフトハンドオーバー手法には、マクロダイバーシティーハンドオーバー(Macro Diversity Handover:MDHO)と高速基地局スイッチング(Fast Base Station Switching:FBSS)の手法があるが、ソフトハンドオーバー手法はオーバーヘッドが大きいという問題点があり、ハードハンドオーバー手法に関する技術が多く研究されている。
【0003】
図1は、従来技術によるハードハンドオーバー過程を示す図である。同図で、サービング基地局(serving base station:SBS)は、端末が現在サービスを受けている基地局であり、ターゲット基地局(target base station:TBS)は、端末がハンドオーバーしようとする基地局である。
【0004】
従来技術によるハードハンドオーバーは、ハンドオーバー時に通信断絶時間を減らす目的で、あらかじめターゲット基地局と同期を合わせて迅速なハンドオーバーを行う。
【0005】
図1に示すように、端末は、ハンドオーバーをするために、端末ハンドオーバー要請メッセージMOB_MSHO−REQをサービング基地局に伝送する(S110)。すると、サービング基地局は、ターゲット基地局にハンドオーバー要請メッセージHO_REQを伝送し(S120)、ターゲット基地局からハンドオーバー応答メッセージHO_RSPを受けると(S130)、端末に、端末のハンドオーバー要請メッセージに対する応答として端末ハンドオーバー応答メッセージMOB_BSHO_RSPを送る(S140)。端末は、端末ハンドオーバー応答メッセージからターゲット基地局に関する情報を確認し、ハンドオーバーをするための事前過程を準備し、端末ハンドオーバー指示メッセージMOB_HO_INDをサービング基地局に伝送する。
【0006】
そして、端末は、ターゲット基地局に合わせて通信設定を変え、ターゲット基地局から高速レンジング情報メッセージFast_Ranging_IEを受けるために、アクションタイム(Action Time)まで待つ。高速レンジング情報メッセージは、端末がターゲット基地局とレンジング過程を行う上で必要な情報を含むメッセージであり、アクションタイムは、ハンドオーバーする候補ターゲット基地局が端末(Mobile Station:MS)に高速レンジング情報メッセージの伝送を約束した時間である。
【0007】
MSは、ターゲット基地局から高速レンジング情報メッセージを受信した後(S160)、レンジング過程によって端末の認証を終え、通信を再開する。
【0008】
通信断絶中に発生するデータの損失を防止するために、端末、サービング基地局及びターゲット基地局はデータをバッファリング(buffering)し、ハンドオーバーに成功すると、バッファリングしている情報を送受信した後、正常の通信を続ける。端末は、端末ハンドオーバー指示メッセージを伝送した時点からバッファリングを始め、サービング基地局は、端末ハンドオーバー指示メッセージを受けた時点からバッファリングを始める。
【0009】
最近では、マクロセルが支援できない室内または陰影地域を支援するためのフェムトセル(Femto cell)基地局に関する技術が定義されている。フェムトセル基地局とは、超小型、低電力の屋内基地局のことを意味する。フェムトセルは、フェムトセル基地局によりカバーされる領域で、ピコセル(pico cell)に類似した概念である。ただし、フェムトセル基地局はピコセル基地局に比べて機能がさらに進化した基地局である。フェムトセル基地局は、ブロードバンドルータに接続する小型セルラー基地局で、データをDSL(Digital Subscriber Line)リンクなどを介して移動通信社のバックボーンネットワークに接続させる役割を果たす。
【0010】
かかるフェムトセル基地局の登場から、フェムトセル基地局へのハンドオーバー方法が必要となってきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上説明したように、従来技術によるハンドオーバー方法によれば、サービング基地局が、ハンドオーバー可能性のある周辺基地局に関する情報を、端末に知らせる。しかし、フェムトセル基地局はマクロ基地局より多すぎるので、サービング基地局が数多くの周辺フェムトセル基地局に関する情報を端末に提供すると、オーバーヘッドが増加する問題につながる。そして、フェムトセル基地局の接続タイプ(access type)によって端末はハンドオーバーを拒否される可能性がある。したがって、従来技術によるハンドオーバー方法をフェムトセル基地局に適用する場合、サービング基地局が端末に、端末がハンドオーバーする候補フェムトセル基地局を效率的に知らせ難いという問題点がある。
【0012】
本発明の目的は、効果的なハンドオーバー方法を提供することにある。
【0013】
本発明の目的は、オーバーヘッドを減少させるハンドオーバー方法を提供することにある。
【0014】
本発明の目的は、サービング基地局が端末に、端末がハンドオーバーする候補フェムトセル基地局を效率的に知らせることができるハンドオーバー方法を提供することにある。
【0015】
本発明で達成しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していない他の技術的課題は、下の記載から、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者には明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を達成するための、本発明の一様相に係るフェムトセルを含む無線通信システムにおけるハンドオーバー方法は、端末は、初期スキャニングから発見された第1フェムトセル基地局に関する情報または前記端末の位置情報のうち少なくとも一つを含む制御メッセージを基地局に伝送し、前記基地局から、前記制御メッセージに基づいて検索された前記端末の接続を許容する少なくとも一つの第2フェムトセル基地局に関する情報を受信し、前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局のうちの一つにハンドオーバーを行う。
【0017】
前記課題を達成するための、本発明の他の様相に係るフェムトセルを含む無線通信システムにおけるフェムトセル基地局情報伝送方法は、基地局が、端末から初期スキャニングから発見された第1フェムトセル基地局に関する情報または前記端末の位置情報のうちの少なくとも一つを含む制御メッセージを受信し、前記端末に前記制御メッセージに基づいて検索された前記端末の接続を許容する少なくとも一つの第2フェムトセル基地局に関する情報を伝送する。
【0018】
ここで、前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局は、OSG(open subscriber group)フェムトセル基地局及びCSG(closed subscriber group)フェムトセル基地局を含むことができる。
【0019】
さらに、前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局を、前記第1フェムトセル基地局の周辺に存在するフェムトセル基地局のうち、前記端末の接続を許容するフェムトセル基地局とすることができる。
【0020】
また、前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局を、前記端末の周辺に存在するフェムトセル基地局のうち、前記端末の接続を許容するフェムトセル基地局とすることもできる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施例によれば、下記のような効果がある。
【0022】
第一に、基地局が端末に、周辺基地局のうち、端末の接続を許容するフェムトセル基地局に関する情報のみを知らせることによってオーバーヘッドを減らすことができる。
【0023】
第二に、基地局が端末に、端末がハンドオーバーする候補フェムトセル基地局を效率的に知らせることによってハンドオーバー遅延を減らすことができる。
【0024】
本発明から得られる効果は以上で言及した効果に制限されず、言及していない他の効果は、下の記載から、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者には明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来技術によるハードハンドオーバー過程を示す図である。
【図2】フェムトセル基地局が追加された無線通信システムの構成図である。
【図3】本発明の第1実施例によるハンドオーバー方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施例によるハンドオーバー方法において無線通信システムの各個体が行う手順を示す図である。
【図5】端末が、発見されたフェムトセル基地局情報を含む制御メッセージをサービング基地局に伝送する場合におけるハンドオーバー過程を示す図である。
【図6】端末がサービング基地局に端末の位置情報を含む制御メッセージを伝送する場合におけるハンドオーバー過程を示す図である。
【図7】端末が初期スキャニングを行う時、サービング基地局との通信のために使用している周波数帯域と異なる周波数帯域をスキャンする場合を示す図である。
【図8】サービング基地局が端末に初期フェムトセルスキャニングを要請しない場合、本発明の第2実施例によるハンドオーバー方法を示す図である。
【図9】サービング基地局が端末に初期フェムトセルスキャニングを要請する場合、本発明の第2実施例によるハンドオーバー方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。ただし、本発明は様々な形態に具現することができ、ここで説明される実施例に限定されない。図面中、本発明を明確に説明するために、説明と無関係な部分は省略し、明細書全体を通じて類似の部分には類似の図面符号を付ける。
【0027】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を“含む”とする場合、これは、特に反対する記載がない限り、ある構成要素を除外するということを意味するのではなく、ある構成要素をさらに含むことができるという意味である。また、明細書に記載された“…部”、“…機”、“モジュール”などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェア及びソフトウェアの結合で具現することができる。
【0028】
まず、フェムトセル基地局が追加された無線通信システムについて図2を参照して説明する。図2は、フェムトセル基地局が追加された無線通信システムの構成図である。
【0029】
図2に示すように、フェムトセル基地局が追加された無線通信システムは、フェムトセル基地局210、マクロ基地局220、フェムトネットワークゲートウェイ(femto network gateway:以下、“FNG”という。)230、接続サービス網(access service network:以下、“ASN”という。)240、及び連結サービス網(connectivity service network:以下、“CSN”という。)250を含む。マクロ基地局220は、従来の無線通信システムの一般的な基地局を意味する。
【0030】
フェムトセル基地局210は、マクロ基地局220の小型バージョンで、マクロ基地局の機能を大部分行う。フェムトセル基地局210は、TCP/IP(transmission control protocol/internet protocol)ネットワークに直接接続してマクロ基地局220のように独立して作動し、カバレッジは0.1〜30m程度であり、一つのフェムトセル基地局210が収容可能な端末は10〜20個程度である。フェムトセル基地局210は、マクロ基地局220と同一の周波数を使用することもでき、異なる周波数を使用することもできる。
【0031】
フェムトセル基地局210は、マクロ基地局220とR1インターフェースを介して連結されて、マクロ基地局220のダウンリンクチャネルを受信することができ、フェムトセル基地局210は、マクロ基地局220に制御信号(control signal)を伝送することができる。
【0032】
フェムトセル基地局210は、マクロ基地局220がカバーできない室内または陰影地域をカバーでき、高いデータ伝送を支援することができる。フェムトセル基地局210は、マクロセル内にオーバレイ(overlay)形態で設置されることもでき、マクロ基地局220がカバーしない地域にノンオーバレイ(non−overlay)形態で設置されることもできる。
【0033】
フェムトセル基地局210は、2タイプに分類される。その一つのタイプは、CSG(closed subscriber group)フェムトセル基地局であり、もう一つのタイプはOSG(open subscriber group)フェムトセル基地局である。CSGフェムトセル基地局は、自身に接近可能な端末をグルーピングしてCSG ID(identification)を付与し、CSG IDの与えられた端末のみがCSGフェムトセル基地局に接続することができる。OSGフェムトセル基地局は、いかなる端末も接続できる基地局である。
【0034】
FNG 230は、フェムトセル基地局210を制御するゲートウェイで、ASN 240及びCSN 250とRxインターフェース及びRyインターフェースを介してそれぞれ連結されている。フェムトセル基地局210は、FNG 230を介してCSN 250からサービスを受けることができ、フェムトセル基地局210に連結されている端末は、認証、IMS等の機能に対して、FNG 230またはCSN 250からサービスを受けることができる。
【0035】
CSN 250は端末にインターネット、VoIPなどのような応用サービスの連結を提供し、認証及び課金機能を提供し、ASN 240はマクロ基地局220を制御し、マクロ基地局220とCSN 250との連結を管理する。
【0036】
次に、本発明の実施例によるハンドオーバー方法について図面を参照して説明する。本発明の第1実施例では、ハンドオーバーが端末により開始される場合について説明し、本発明の第2実施例ではハンドオーバーがサービング基地局により開始される場合について説明する。
【0037】
本発明の第1実施例によるハンドオーバー方法について、図3乃至図6を参照して説明する。
【0038】
図3は、本発明の第1実施例によるハンドオーバー方法を示すフローチャートであり、図4は、本発明の第1実施例によるハンドオーバー方法において無線通信システムの各個体が行う手順を示す図である。
【0039】
図3に示すように、端末はフェムトセルへのハンドオーバーが予測されると、発見されたフェムトセル基地局に関する情報または端末の位置情報のうちの少なくとも一つを含む制御メッセージ(control message)をサービング基地局に伝送する(S310)。
【0040】
端末は様々な基準によってフェムトセルへのハンドオーバーを予測することができる。
【0041】
フェムトセル基地局の信号強度やフェムトセルへの近接を、端末がハンドオーバーを予測する基準とすることができる。例えば、フェムトセルの周辺へと移動する時、フェムトセル基地局のダウンリンク信号を受信し、受信した信号の強度が臨界値以上であるとハンドオーバーを予測することができる。この場合、フェムトセル基地局のタイプのようなトリガー条件を与えることができる。例えば、フェムトセル基地局がCSGフェムトセル基地局であればハンドオーバーを予測せず、OSGフェムトセル基地局であればハンドオーバーを予測することができる。
【0042】
端末は、フェムトセルへのハンドオーバーが予測されると、発見されたフェムトセル基地局に関する情報を含む、端末の位置情報を含む、または、発見されたフェムトセル基地局に関する情報及び端末の位置情報の両方を含む制御メッセージをサービング基地局に伝送する。
【0043】
図4で、端末は、周辺フェムトセル基地局であるFM7を発見して、FM7に関する情報を含む制御メッセージをサービング基地局に伝送する。すると、マクロ基地局であるサービング基地局は、サービング基地局の領域内に存在するフェムトセルのトポロジー情報を知っているので、伝送したFM7の位置を推定することができる。したがってサービング基地局は、端末の周辺に存在するフェムトセル基地局のうち、端末の接続を許容するフェムトセル基地局であるFM7、FM2、FM1のシステム情報、周波数情報を含むスキャニングに必要な情報を伝達することができる。すると、端末は、サービング基地局から伝達された情報に基づいて該当のフェムトセルのみをスキャニングする。
【0044】
図5は、端末が、発見されたフェムトセル基地局に関する情報を含む制御メッセージをサービング基地局に伝送する場合におけるハンドオーバー過程を示す図であり、図6は、端末が、端末の位置情報を含む制御メッセージをサービング基地局に伝送する場合におけるハンドオーバー過程を示す図である。
【0045】
端末が、発見されたフェムトセル基地局に関する情報を含む制御メッセージを伝送する場合には、端末はフェムトセル基地局を探すために初期スキャニングを行う。このため、図5に示すように、端末はフェムトセルへのハンドオーバーが予測されると、初期スキャニングを行うためにサービング基地局に初期スキャニング区間(initial scanning interval)を要請する(S510)。端末が特定周波数でサービング基地局と通信中にあると、特定周波数と異なる周波数を使用するフェムトセル基地局を発見することができない。したがって、端末は、特定周波数と異なる周波数をスキャンしなければならないが、特定周波数と異なる周波数をスキャンする間にはサービング基地局と通信することができない。したがって、サービング基地局が許容した時間にのみ、端末は特定周波数と異なる周波数をスキャンするが、サービング基地局が許容した時間が初期スキャニング区間である。
【0046】
初期スキャニング区間要請を受信したサービング基地局は、端末に初期スキャニング区間を割り当てる(S520)。この時、サービング基地局が端末の位置を知っていると、サービング基地局は端末に、周辺フェムトセル基地局リストと周辺フェムトセル基地局が使用する周波数情報を共に伝送することができる。しかし、一般に基地局は端末の位置情報を知っていないと共に、初期スキャニング区間は、端末が初期フェムトセル基地局を探すための区間であるから、サービング基地局は、正規スキャニング(normal scanning)に割り当てられる区間よりも小さい区間を初期スキャニング区間として端末に割り当てることができる。
【0047】
端末は、割り当てられた初期スキャニング区間にフェムトセル基地局をスキャンし、発見されたフェムトセル基地局に関する情報を含む制御メッセージをサービング基地局に伝送する(S530)。端末は、初期スキャニングを行う時、現在サービング基地局との通信のために使用している周波数帯域と同一の周波数帯域をスキャンすることもでき、現在サービング基地局との通信のために使用している周波数帯域と異なる周波数帯域をスキャンすることもできる。
【0048】
図7は、端末が初期スキャニングを行う時、サービング基地局との通信のために使用している周波数帯域と異なる周波数帯域をスキャンする場合を示す図である。図7に示すように、端末は、中心周波数がf1である周波数帯域でサービング基地局と通信している時、中心周波数がf2である周波数帯域を初期スキャニングして2番のフェムトセル基地局を探し、2番のフェムトセル基地局に関する情報を含む制御メッセージをサービング基地局に伝送する。すると、基地局は、中心周波数がf3である周波数帯域を使用する周辺基地局である3番のフェムトセル基地局、中心周波数f4の周波数帯域を使用する周辺基地局である4番のフェムトセル基地局などを探して、端末に周辺基地局に関する情報を与えることができる。
【0049】
または、端末は、サービング基地局との通信のために使用している周波数帯域と同一の周波数帯域をスキャンすることができる。すなわち、図7で、2番のフェムトセル基地局が、中心周波数f1の周波数帯域を使用する場合、端末が中心周波数f1の周波数帯域を初期スキャニングして2番のフェムトセル基地局を探し、2番のフェムトセル基地局に関する情報を含む制御メッセージをサービング基地局に伝送する。すると、基地局は、中心周波数f3の周波数帯域を使用する周辺基地局である3番のフェムトセル基地局、中心周波数f4の周波数帯域を使用する周辺基地局である4番のフェムトセル基地局などを探して、端末に周辺基地局に関する情報を与えることができる。周辺基地局に関する情報は、システム情報を含む。
【0050】
発見されたフェムトセル基地局に関する情報は、発見されたフェムトセルの基地局ID、発見されたフェムトセル基地局とのチャネル推定結果、発見されたフェムトセル基地局が使用する周波数情報などを含むことができる。この時、端末は制御メッセージに端末の位置情報も共に含めて伝送することができる。
【0051】
端末が、発見されたフェムトセル基地局に関する情報は含まず、端末の位置情報を含む制御メッセージを伝送する場合には、端末はフェムトセル基地局を探すために初期スキャニングを行う必要がない。したがって、図6に示すように、端末は、初期スキャニング区間を要請する段階及びサービング基地局から初期スキャニング区間を受け取る段階を行わず、フェムトセルへのハンドオーバーが予測されると、端末の位置情報を含む制御信号をサービング基地局に伝送する(S610)。すると、サービング基地局は、端末の位置情報に基づいて周辺フェムトセル基地局リストを作成して、リストに含まれたフェムトセル基地局に関する情報を端末に伝送しながらスキャニング要請をすることができる(S620)。フェムトセル基地局に関する情報は、基地局ID、中心周波数、システム情報を含むことができる。
【0052】
再び図3を参照すると、端末はサービング基地局から、端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局に関する情報を受信する(S320)。この時、サービング基地局は、端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局に関する情報を伝送しながら端末に端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局をスキャンすることを要請でき、スキャニング区間を割り当てることができる。
【0053】
サービング基地局は、端末から受信した制御メッセージが含む発見されたフェムトセル基地局に関する情報または端末の位置情報に基づいて、隣接フェムトセル基地局のうち、端末の接続を許容するフェムトセル基地局のリストを作成する。すなわち、発見されたフェムトセル基地局に関する情報に基づく場合は、端末により初期発見されたフェムトセル基地局の周辺に存在するフェムトセル基地局のうち、端末の接続を許容するフェムトセル基地局のリストを作成し、端末の位置情報に基づく場合は、端末の周辺に存在するフェムトセル基地局のうち、端末の接続を許容するフェムトセル基地局のリストを作成する。
【0054】
端末は、OSGフェムトセル基地局及び自身の接続を許容したCSGフェムトセル基地局に接続することができる。したがって、端末は、周辺に存在するフェムトセル基地局のうち、端末の接続を許容するフェムトセル基地局にのみハンドオーバーすることができる。
【0055】
サービング基地局は、端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局リストを作成する時、サービング基地局が知っている情報を用いて作成することもでき、バックボーンネットワークを介してFNGと通信して作成することもできる。
【0056】
すなわち、図4に示すように、サービング基地局は、バックボーンネットワークを介してFNGと通信して発見されたフェムトセル基地局の周辺に存在するフェムトセル基地局のうち、端末の接続を許容するフェムトセル基地局リストを作成し(S420)、作成したリストのフェムトセル基地局(FM7、2、1)に関する情報を端末に伝送する(S430)。
【0057】
基地局は、作成した端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局リストに含まれたフェムトセル基地局に関する情報を、端末に伝送する。フェムトセル基地局に関する情報は、端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局のそれぞれのセルIDまたは端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局のそれぞれが使用する周波数情報のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0058】
端末は、割り当てられたスキャニング区間に、受信したスキャニング要請メッセージに含まれた端末が接続可能な隣接フェムトセル基地局リストのフェムトセル基地局をスキャンして、最適のフェムトセル基地局を選択する(S330)。
【0059】
そして、端末は、選択したフェムトセル基地局にハンドオーバーを行う(S340)。端末は、サービング基地局にハンドオーバー要請メッセージを伝送し、サービング基地局から応答メッセージを受信して選択したフェムトセル基地局にハンドオーバーを行う。
【0060】
次に、本発明の第2実施例によるハンドオーバー方法について図8乃至図9を参照して説明する。本発明の第2実施例では、ハンドオーバーがサービング基地局により始まる。
【0061】
サービング基地局が端末に初期フェムトセルスキャニングを要請しない場合、本発明の第2実施例によるハンドオーバー方法について図8を参照して説明し、サービング基地局が端末に初期フェムトセルスキャニングを要請する場合、本発明の第2実施例によるハンドオーバー方法について図9を参照して説明する。
【0062】
図8は、サービング基地局が端末に初期フェムトセルスキャニングを要請しない場合、本発明の第2実施例によるハンドオーバー方法を示す図である。
【0063】
図8に示すように、基地局は、知っている端末の位置に基づいて、端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局リストを作成する(S810)。すなわち、端末の周辺に存在するフェムトセル基地局のうち、端末の接続を許容するフェムトセル基地局のリストを作成する。
【0064】
サービング基地局は、端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局リストを作成する時、サービング基地局が知っている情報を用いて作成することもでき、バックボーンネットワークを介してFNGと通信して作成することもできる。
【0065】
サービング基地局は、作成したリストのフェムトセル基地局(FM7、2、1)情報を端末に伝送し、スキャニングを要請する(S820)。この時、サービング基地局は端末にスキャニング区間を割り当てることができる。そして、フェムトセル基地局に関する情報は、端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局リスト、端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局のそれぞれが使用する周波数情報を含むことができる。
【0066】
この場合、サービング基地局は、最優先の順位を持つフェムトセル基地局へのハンドオーバーを命令することができる。すると、端末は、S830段階を省き、最優先の順位を持つフェムトセル基地局へとハンドオーバーを行うことができる。
【0067】
端末は、割り当てられたスキャニング区間で、受信した端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局リストのフェムトセル基地局をスキャンし、最適のフェムトセル基地局を選択してハンドオーバーを行う(S830)。
【0068】
図9は、サービング基地局が端末に初期フェムトセルスキャニングを要請する場合、本発明の第2実施例によってハンドオーバーを行う方法を示す図である。
【0069】
図9に示すように、サービング基地局は端末に初期フェムトセルスキャニングを要請するために初期スキャニング区間を割り当てる(S910)。
【0070】
すると、端末は、割り当てられた初期スキャニング区間でフェムトセル基地局をスキャンして、発見されたフェムトセル基地局に関する情報を含む制御メッセージをサービング基地局に伝送する(S920)。ここで、発見されたフェムトセル基地局に関する情報は、発見されたフェムトセル基地局のプリアンブルや基地局IDを含むことができる。この時、端末は制御メッセージに端末の位置情報も共に含めて伝送することができる。
【0071】
サービング基地局は、端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局に関する情報を含むスキャニング要請メッセージを端末に伝送する(S950)。
【0072】
サービング基地局は、受信した制御メッセージにおける発見されたフェムトセル基地局に関する情報に基づいて、隣接フェムトセル基地局のうち、端末の接続を許容する基地局のリストを作成する。すなわち、端末により初期発見されたフェムトセル基地局の周辺に存在するフェムトセル基地局のうち、端末の接続を許容するフェムトセル基地局のリストを作成する。この時、サービング基地局は、サービング基地局が知っている情報を用いてフェムトセル基地局のリストを作成することもでき、FNGに端末の接続を許容する隣接フェムトセル情報を要請し(S930)、FNGから端末の接続を許容する隣接フェムトセル情報を受信することもできる(S940)。
【0073】
スキャニング要請メッセージは、作成した端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局リスト、端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局のそれぞれが使用する周波数情報を含むことができ、サービング基地局は、端末にスキャニング区間を割り当てることができる。
【0074】
端末は、割り当てられたスキャニング区間に、受信した端末の接続を許容する隣接フェムトセル基地局リストのフェムトセル基地局をスキャンし、最適のフェムトセル基地局を選択してハンドオーバーを行う一方で、サービング基地局との連結を解除する。
【0075】
本発明による実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェアまたはそれらの結合などにより具現することができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例によるハンドオーバー方法及び基地局情報伝送方法は、一つまたはそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどにより具現することができる。
【0076】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例によるハンドオーバー方法及び基地局情報伝送方法は、以上説明した機能または動作を行うモジュール、手順、関数などの形態とすることができる。ソフトウェアコードは、メモリーユニットに記憶されてプロセッサにより駆動することができる。メモリーユニットは、プロセッサの内部または外部に設けられて、公知の様々な手段によりプロセッサとデータを交換することができる。
【0077】
本発明は、本発明の技術的思想及び必須特徴を逸脱しない範囲で、別の特定の形態に具体化できるということは当業者には自明である。したがって、上記の詳細な説明はいずれの面においても制約的に解析してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的な解析により決定されなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。
【0078】
特許請求の範囲で明示的な引用関係にない請求項は互いに結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めることができることは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェムトセルを含む無線通信システムにおける端末によるハンドオーバー方法であって、
初期スキャニングから発見された第1フェムトセル基地局に関する情報または前記端末の位置情報のうちの少なくとも一つを含む制御メッセージを基地局に伝送する段階と、
前記基地局から、前記制御メッセージに基づいて検索された前記端末の接続を許容する少なくとも一つの第2フェムトセル基地局に関する情報を受信する段階と、
前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局のうちの一つへとハンドオーバーする段階と、
を含むハンドオーバー方法。
【請求項2】
前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局は、OSG(open subscriber group)フェムトセル基地局及びCSG(closed subscriber group)フェムトセル基地局を含むことを特徴とする、請求項1に記載のハンドオーバー方法。
【請求項3】
前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局に関する情報は、前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局のそれぞれのセルID及び前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局のそれぞれが使用する周波数情報のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載のハンドオーバー方法。
【請求項4】
前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局は、前記第1フェムトセル基地局の周辺に存在するフェムトセル基地局のうち、前記端末の接続を許容するフェムトセル基地局であることを特徴とする、請求項1に記載のハンドオーバー方法。
【請求項5】
前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局は、前記端末の周辺に存在するフェムトセル基地局のうち、前記端末の接続を許容するフェムトセル基地局であることを特徴とする、請求項1に記載のハンドオーバー方法。
【請求項6】
前記基地局から前記初期スキャニングを行うための初期スキャニング区間を受ける段階と、
前記初期スキャニング区間に周辺フェムトセルをスキャニングして、前記第1フェムトセル基地局を発見する段階と、
をさらに含む、請求項1に記載のハンドオーバー方法。
【請求項7】
前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局をスキャンして選択されたフェムトセル基地局にハンドオーバーを行う段階をさらに含む、請求項1に記載のハンドオーバー方法。
【請求項8】
フェムトセルを含む無線通信システムにおける基地局によるフェムトセルハンドオーバー方法であって、
端末から、初期スキャニングにより発見された第1フェムトセル基地局に関する情報または前記端末の位置情報のうち少なくとも一つを含む制御メッセージを受信する段階と、
前記端末に、前記制御メッセージに基づいて検索された前記端末の接続を許容する少なくとも一つの第2フェムトセル基地局に関する情報を伝送する段階と、
を含むフェムトセル基地局情報伝送方法。
【請求項9】
前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局は、OSG(open subscriber group)フェムトセル基地局及びCSG(closed subscriber group)フェムトセル基地局を含むことを特徴とする、請求項8に記載のハンドオーバー方法。
【請求項10】
前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局は、前記第1フェムトセル基地局の周辺に存在するフェムトセル基地局のうち、前記端末の接続を許容するフェムトセル基地局であることを特徴とする、請求項8に記載のハンドオーバー方法。
【請求項11】
前記少なくとも一つの第2フェムトセル基地局は、前記端末の周辺に存在するフェムトセル基地局のうち、前記端末の接続を許容するフェムトセル基地局であることを特徴とする、請求項8に記載のハンドオーバー方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−504363(P2012−504363A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528958(P2011−528958)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際出願番号】PCT/KR2009/006283
【国際公開番号】WO2010/050755
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】