説明

無線通信システムにおける待機時間を改善する方法と装置

【課題】無線通信システムにおける待機時間を改善する方法と装置を提供する。
【解決手段】
無線通信システムにおける待機時間を改善する方法と装置が開示される。本方法は、ユーザー装置(UE)で、eWaitTimeを示すメッセージを受信する工程と、eWaitTimeに対応する待機時間に進入し、且つ、待機時間内で、特定原因による接続要求を初期化しない工程と、UEを呼び出すページングメッセージを受信する時、待機期間終了を認める工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信ネットワーク(wireless communication network)に関するものであって、特に、無線通信システムにおける待機時間を改善する方法と装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動通信装置上で、大量のデータを通信する要求が迅速に増加するにつれて、従来の移動音声通信ネットワークは、インターネットプロトコル(Internet Protocol、IP) データパケットと通信するネットワークに発展している。このようなIP データパケット通信は、移動通信装置のユーザーに、ボイスオーバーIP、マルチメディア、マルチメディアおよびオンデマンド(on-demand)通信サービスを提供することができる。
【0003】
発展型ユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network、E-UTRAN)は常用のネットワーク構造である。E-UTRAN システムは、高いデータスループット(data throughput)を提供し、上述のボイスオーバー IPおよびマルチメディアサービスを実現する。E-UTRAN システムの標準化作業は、3GPP 規格組織により実行される。よって、3GPP 規格を進化させ、仕上げるために、3GPP 規格の最新組織への変化が提出および考慮される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、無線通信システムにおける待機時間を改善する方法と装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、無線通信システムにおける待機時間を改善する方法と装置が開示される。本方法は、ユーザー装置 (UE)で、eWaitTime を示すメッセージを受信する工程と、eWaitTimeに対応する待機時間に進入し、且つ、待機時間内で、特定原因による接続要求を初期化しない工程と、UEを呼び出すページングメッセージを受信する時、待機期間終了を認める工程と、を含む。
【発明の効果】
【0006】
無線通信システムにおける待機時間を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の好ましい例による無線通信システムを示す図である。
【図2】本発明の好ましい例によるトランスミッターシステム(別名、アクセスネットワーク)およびレシーバーシステム(別名、ユーザー装置またはUE)のブロック図である。
【図3】本発明の好ましい例による通信システムの機能ブロック図である。
【図4】本発明の好ましい例による図3のプログラムコードの機能ブロック図である。
【図5A】本発明の好ましい例によるUEとネットワークノード間のメッセージフローを示す図である。
【図5B】本発明の好ましい例によるUEとネットワークノード間のメッセージフローを示す図である。
【図5C】本発明の好ましい例によるUEとネットワークノード間のメッセージフローを示す図である。
【図6】本発明の好ましい例による待機時間の改善方法を示す図である。
【図7】本発明の好ましい例による待機時間の改善方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
無線通信システムおよび無線通信システムを使用する以下で説明される装置は、放送サービス(broadcast service)をサポートする。無線通信システムは幅広く展開されて、音声、データ等の各種タイプの通信を提供する。これらのシステムは、符号分割多重アクセス方式(code division multiple access、CDMA)、時分割多重アクセス(time division multiple access、TDMA)、直交周波数分割多元接続(orthogonal frequency division multiple access、OFDMA)、3GPP UMTS (Universal Mobile Telecommunications System)、3GPP LTE (Long Term Evolution) 無線アクセス、3GPP LTE-A (Long Term Evolution Advanced)、3GPP2 UMB (Ultra Mobile Broadband)、WiMaxまたは別の変調技術に基づく。
【0009】
特に、以下で記述する無線通信システム装置は、一つ以上の規格、例えば、RP-101026、3GPPTM 作業項目紹介を含む"第3世代(3G)移動体通信システムの標準化プロジェクト(3rd Generation Partnership Project、3GPP "、“機械タイプ通信によるCN過負荷を回避するRAN メカニズム”; TS 36.413 v9.4.0、“発展型ユニバーサル移動通信システム地上波無線アクセス(Evolved Universal Terrestrial Radio Access、E-UTRA); S1 アプリケーションプロトコル(Application Protocol、S1AP) (Release 9)”; TS 36.331 v9.4.0, “発展型ユニバーサル移動通信システム地上波無線アクセス(E-UTRA); 無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC); プロトコル仕様 (Release 9)”; S2-105318, “Reply LS on Release 10 NIMTC Conclusions”, SA2; TS 36.331 v10.0.0, “発展型ユニバーサル移動通信システム地上波無線アクセス(E-UTRA); Radio Resource Control (RRC); プロトコル仕様 (Release 10)”; R2-110711, “3GPP RAN2#72b会議記録”; TS 25.331 v10.2.0, “無線リソース制御(RRC); プロトコル仕様 (Release 10)”; TS 36.321 v10.0.0, “発展型ユニバーサル移動通信システム地上波無線アクセス(E-UTRA); 媒体アクセス制御(Medium Access Control、MAC); プロトコル仕様 (Release 10)”; TS 23.401 v10.2.0, “発展型ユニバーサル移動通信システム地上波無線アクセスネットワーク (E-UTRAN)を増進するジェネラル・パケット・ラジオ・サービス(General Packet Radio Service、GPRS) (Release 10)”により制定される規格をサポートするように設計される。上述の規格とドキュメントは明細書に組み込まれる。
【0010】
図1は、本発明の好ましい例によるマルチアクセス無線通信システムを示す図である。アクセスネットワーク 100 (AN) は、複数のアンテナ群を有し、104 と106の群、108と110の群、そして、112と114の群である。図1では、各アンテナ群は、二個のアンテナだけが示されているが、各アンテナ群のアンテナ数量はいくつでもよい。アクセスターミナル116 (access terminal、AT) はアンテナ 112と114と通信し、アンテナ 112と114 は、送信リンク(送信リンク) 120により、情報をアクセスターミナル 116に伝送し、逆方向リンク(reverse link) 118により、アクセスターミナル 116 から情報を受信する。アクセスターミナル(AT) 122 はアンテナ 106と108と通信し、アンテナ 106と108は、送信リンク 126により、情報をアクセスターミナル (AT) 122に伝送し、逆方向リンク 124により、アクセスターミナル (AT) 122 からの情報を受信する。FDD (Frequency division duplexing)システムで、通信リンク118、120、124 および126は異なる周波数を使用して通信する。例えば、 送信リンク 120 は、逆方向リンク 118と異なる周波数を使用する。
【0011】
各アンテナ群および/または通信のために設計される領域は、通常、アクセスネットワークのセクター(sector)と称される。この具体例では、アンテナ群は、それぞれ、アクセスネットワーク 100により被覆される領域のセクター内のアクセスターミナルと通信するように設計される。
【0012】
送信リンク120と126で通信する時、アクセスネットワーク100中の伝送アンテナは、ビーム形成(beamforming)を利用して、異なるアクセスターミナル116と122の送信リンクの信号対雑音比(signal-to-noise ratio)を改善する。また、単一アンテナによりそのアクセスターミナル全てに伝送されるアクセスネットワークよりも、ビーム形成を用いて、その受信領域によりランダムに散乱するアクセスターミナルに伝送するアクセスネットワークは、隣接セル中のアクセスターミナルへの干渉が少ない。
【0013】
アクセスネットワーク (AN)は、端子と通信するのに用いられる固定局(fixed station)または基地局(base station)で、アクセスポイント(access point)、Node B、基地局、拡張基地局、eNodeBと称されるかまたはその他の専門用語である。アクセスターミナル (AT)は、ユーザー装置 (UE)、無線通信装置、端子、アクセスターミナルと称されるかまたはその他の専門用語である。
【0014】
図2は、好ましい例によるMIMO システム 200に応用するトランスミッターシステム210(別名、アクセスネットワーク)およびレシーバーシステム 250 (別名、アクセスターミナル (AT)またはユーザー装置 (UE))を示す図である。トランスミッターシステム 210で、データソース 212から提供されるデータストリーム中のトラフィックデータは(TX)データプロセッサ 214に伝送される。
【0015】
好ましい例では、各データストリームは、個別の伝送アンテナにより伝送される。TX データプロセッサ 214は、そのデータストリームのために選択される特定の符号化スキームに基づいて、トラフィックデータをフォーマット(format)、符号化(code)およびインターリーブ(interleave)し、符号化データを提供する。
【0016】
各データストリームの符号化データは、OFDM 技術を用いて、パイロットデータ(pilot data)と多重化する。パイロットデータは、一般に、既知の方法で処理された既知のデータパターンで、レシーバーシステムで用いられて、チャネル応答を推定する。その後、データストリームのために選択される特定の変調スキーム (BPSK、QPSK、M-PSKまたはM-QAM)に基づいて、各データストリームの多重化パイロットと符号化データが変調され(符号標示symbol mapped) 、変調符号を提供する。各データストリームのデータレート(data rate)、符号化および変調は、プロセッサ 230により実行される命令により判断される。
【0017】
その後、全データストリームの変調符号がTX MIMO プロセッサ 220に提供され、更に変調符号を処理する(例えば、OFDMを使用)。続いて、TX MIMO プロセッサ 220は、NT 変調符号ストリームをNT トランスミッター(TMTR) 222a 〜222tに提供する。ある具体例では、TX MIMO プロセッサ 220は、ビーム形成比重をデータストリームの符号および符号を伝送するアンテナに提供する。
【0018】
各トランスミッター 222は、各自の符号ストリームを受信および処理して、一つ以上のアナログ信号を提供し、更に、アナログ信号を調節(増幅(amplifies)、ろ過(filter)およびアップコンバート(upconvert))して、MIMO チャネルにより、伝送に適する変調信号を提供する。その後、トランスミッター222a〜222tからの NT 変調信号は、それぞれ、NT アンテナ 224a〜224tから伝送される。
【0019】
レシーバーシステム 250で、伝送されてきた変調信号は NR アンテナ 252a〜252rにより受信され、各アンテナ252から受信された信号は各自のレシーバー(respective receiver、RCVR) 254a〜254rに提供される。各レシーバー 254は、各自受信した信号を調節(ろ過、増幅およびダウンコンバート) し、調節した信号をデジタル化して、サンプルを提供し、更に、サンプルを処理して、対応する“受信端”符号ストリームを提供する。
【0020】
RX データプロセッサ 260 は、特定のレシーバ処理技術に基づいて、NR レシーバー254 から受信したNR符号ストリームを受信および処理して、NT “検出” 符号ストリームを提供する。RX データプロセッサ 260は、その後、各検出符号ストリームを復調(demodulate)、デインターリーブ(deinterleave)およびデコード(decode)して、データストリームのトラフィックデータをリカバーする。RXデータプロセッサ 260による処理は、トランスミッターシステム 210中のTX MIMO プロセッサ 220およびTX データプロセッサ 214により実行される処理と相補される。
【0021】
プロセッサ 270は、周期的に、どのプレコーディングマトリクス(pre-coding matrix)が用いられるかを判断する (以下で討論する)。プロセッサ 270は、マトリクス索引(matrix index)部分およびランク値(rank value)部分を含む逆方向リンクメッセージを定式化する。
【0022】
逆方向リンクメッセージは、各種通信リンクおよび/または受信データストリームの相関情報を含む。逆方向リンクメッセージは、その後、TX データプロセッサ 238により処理され、データソース 236からのデータストリームもトラフィックデータに送られ、モジュレータ 280により変調され、トランスミッター254a 〜254rにより調節され、トランスミッターシステム 210に送り戻す。
【0023】
トランスミッターシステム 210で、レシーバーシステム 250からの変調信号はアンテナ 224により受信され、レシーバー222により調節され、復調器 240により復調され、RX データプロセッサ 242により処理されて、レシーバーシステム 250により伝送される逆方向リンクメッセージを取り出す。その後、プロセッサ 230は、どのプレコーディングマトリクスが用いられるか判断し、ビーム形成比重を決定して、取り出されたメッセージを処理する。
【0024】
図3は、本発明の好ましい例による通信装置の簡易機能ブロック図である。図3に示されるように、無線通信システム中の通信装置 300は、図1のUE (またはAT) 116および122の実現に用いられ、無線通信システムは、好ましくは、LTE-A システムである。通信装置 300は、入力装置 302、出力装置 304、制御回路 306、中央処理装置(central processing unit、CPU) 308、メモリ310、プログラムコード312およびトランシーバー314を含む。制御回路 306は、CPU 308により、メモリ 310中のプログラムコード 312を実行し、これにより、通信装置 300の操作を制御する。通信装置 300は、例えば、キーボードやキーパッド等の入力装置 302を通じて、ユーザーにより入力される信号を受信することができ、例えば、モニターやスピーカー等の出力装置 304により、イメージと音声を出力することができる。トランシーバー314は、無線信号を送受信し、受信した信号を制御回路306に伝送し、制御回路306により生成される信号を無線方式で出力するのに用いられる。
【0025】
図4 は、本発明の好ましい例による図3に示されるプログラムコード312の簡易ブロック図である。この例では、プログラムコード312は、応用層(application layer)400、第3層 402および 第2層 404を含み、第1層 406に結合される。第3層 402は、一般に、無線リソース制御を実行する。第2層 404は、一般に、リンク制御を実行する。第1層 406は、一般に、物理接続を実行する。
【0026】
RP-101026 は、コアネットワークCN (Core Network)をMTC (Machine-type Communication)による過負荷から保護するメカニズムを討論する。確認されていることは、大量の MTC 装置からの総シグナル伝達が問題で、少なくともアプリケーションが、同時に、大量の MTC 装置に“ある事情”を実行するように要求する時または大量のMTC 装置がローマー(roamer)で、それらのサービングネットワーク失敗の時、それらは全て、ローカル競合ネットワーク(local competing network)に移動し、 (まだ)失敗していないネットワークの過負荷を発生する可能性がある。よって、提案が提出されて、追加で構築される要素を導入し、RAN (無線アクセスネットワーク)ノードが、UMTSとLTE両方の別のトラフィック/シグナリングから、低い優先度の MTC トラフィック/シグナリング (およびその他の可能なMTC トラフィック/シグナリング)を分化できるようにする。一方、TS 36.413 v9.4.0によると、MME(Mobility Management Entity)が過負荷になる時、MMEは、OVERLOAD START メッセージにより、eNB (Evolved Node B) (図5Aに示される)に通知することができる。一般に、OVERLOAD START メッセージを受信するeNBは、受信されたメッセージのMMEが過負荷状態にあると仮定する。UE (ユーザー装置)がMME 過負荷期間でアクセスを試みる場合、UEは、eNBにより拒絶され、待機期間に進入する可能性がある。eNB は、値 ( “待機時間”と称される)をUE に伝送し、その値は、待機期間の持続時間の決定に用いられる。TS 36.331 v9.4.0およびTS 36.331 v10.0.0中で、待機期間の詳細な操作が見つけられ、その操作はタイマーT302 により実行される。MTC装置にとって、使用される待機時間は T302より長い。MTC 装置により使用される待機時間の実際の数値範囲は未だ決定されていないが、S2-105318によると、この期間は1時間に達する。
【0027】
更に、待機時間の新しいパラメータ(eWaitTime または“延長待機時間”と称される)の導入が討論および同意され、MTC 装置 (原因、例えば、遅延耐性または低い優先度を用い、接続要求または接続設定完成メッセージで示す)が、CN 過負荷状況下で、接続要求を伝送するのを回避するのに用いられる。T302とeWaitTime との差異は、eWaitTime は、大きい最大値を有することである。eWaitTime は、接続解除メッセージまたは接続拒否メッセージ中に含まれる。eWaitTime がNAS (Non-Access Stratum) 層で処理されることが確認される。NAS 層規格 TS 23.401 v10.2.0 (TS 36.331により引用される)によると、移動管理バックオフタイマー(Mobility Management back-off timer)は、低層、例えば、RRC 層中のeWaitTime に対応し、過負荷状態下で使用する。移動管理バックオフタイマーが動いている時、UEは、サービスユーザー/非常事態サービス以外に、いかなるNAS 要求も初期化しない。
【0028】
この他、TS 36.413 v9.4.0によると、MME 過負荷が終了する時、MME は、OVERLOAD STOPメッセージにより、過負荷の終了をeNBに通知する(図5Bに示される)。OVERLOAD STOP メッセージを受信するeNB は、受信されたメッセージのMMEが既に終了し、過負荷状況にあり、このMMEと通常操作を再開すると仮定する。eNBはOVERLOAD STOP メッセージの受信前に、MME 過負荷がいつ終了したか知らないので、eNBは、保守的な待機時間(例えば、長い時間)を UEに提供する可能性がある。これは、UE が、ネットワークがまだ過負荷の時、別の試みを実行するのを回避することができる。この場合、eNBがOVERLOAD STOPメッセージを受信する時、eNBにより拒絶されるUEは、恐らく、依然待っている状態である。現在、UE に過負荷の終了を通知する方法がない。UE は、待機タイマーの終了を待つことだけでき、余計な遅延が発生する。しかし、eNB が、MME 過負荷がいつ停止するかについての理解がある場合、待機時間により生じるUEの余分な遅延は減少する。好ましい例では、UE は、システム情報により、CN過負荷の終了について通知する (図5Cに示される)。別の好ましい例では、UEは、ページングメッセージにより、CN過負荷の終了について通知する (図5Cに示される)。ページングメッセージは、MTC (Machine-type Communication) 特定メッセージまたはUEの群によりシェアされる特殊な RNTI (Radio Network Temporary Identifier)にアドレスされるメッセージである。
【0029】
この他、eWaitTimeの数値が潜在的に大きいため、UE は、CN過負荷の軽減の何十分か後、再度、接続要求を伝送する。CN過負荷の軽減後、このように長い待機期間は不要である。この問題を解決する方法は、eNB がページングメッセージを伝送して、UE に、ページング応答の接続要求の伝送を通知することである。しかし、eWaitTime に対応するタイマーが運行時、例えば、T302が運行中、UE は接続要求の伝送を許可しない。現在のページングメッセージ中、ある追加情報を追加するのは、CN過負荷の軽減を示すのに用いられる。しかし、メッセージ構造を更新する必要があり、シグナリングオーバーヘッドが増加する。
【0030】
好ましい例では、UEがeWaitTimeのために、待機時間にある時でも、UE は、UEを呼び出すページングメッセージに反応する。別の好ましい例では、UEを呼び出すページングメッセージを受信時、UEは、eWaitTimeによる待機時間が終了したと見なす。別の好ましい例では、特定のPDCCH シグナリングを受信する時、UE は上述のあらゆる動作を実行する。
【0031】
好ましい例では、UEが、eWaitTime のために、待機時間にあり (例えば、UE中のeWaitTimeに対応するタイマーが運行中) UEがページングメッセージにより呼び出される時、UE は、RRC コネクション確立工程の初期化を許可する。RRC コネクション確立工程は、TS 36.331 v10.0.0 およびTS 25.331 v10.2.0に定められている。または、UEがeWaitTimeのために、待機時間にある(UE中のeWaitTime に対応するタイマーが作動中、且つ、UE がページングメッセージにより呼び出される)時、UEは待機時間を離れる (タイマー停止)。
【0032】
この他、ページングメッセージは、追加情報 (CN過負荷に関連する情報)を含まない。言い換えると、例えば、ページングメッセージは、TS 36.331 v10.0.0またはTS 25.331 v10.2.0で定められている同じコンテンツを有する。更に、コネクション確立工程に対応するRRC 接続要求メッセージ (TS 36.331 v10.0.0 およびTS 25.331 v10.2.0に定められている) 中、構築原因は遅延耐性 (または低い優先度)である。または、コネクション確立工程に対応するRRC 接続設定完成メッセージ(TS 36.331 v10.0.0およびTS 25.331 v10.2.0で定められる) 中、構築原因は遅延耐性 (または低い優先度)である。
【0033】
好ましい例による待機時間の改善方法 600 が図6で示される。工程602に示されるように、eWaitTimeを示すメッセージを受信する時、UE は、eWaitTimeに対応する待機期間に進入し、留まる。好ましい例では、eWaitTime は、RRC 接続拒否メッセージまたはRRC 接続解除メッセージにより伝送される。この他、待機期間は、eWaitTimeの受信時に開始されるタイマーにより制御される。別の好ましい例では、UE はMTC装置で、遅延耐性または低い優先度指示をネットワークに提供する。
【0034】
更に、待機期間中、UEは、特定原因による接続要求を初期化しない。好ましい例では、特定原因は、遅延耐性または低い優先度である。工程 604では、UEは、UEを呼び出すページングメッセージを受信する。ページングメッセージの受信に応えて、UE はRRC コネクション確立工程を実行する (待機時間を問わず)。この他、UEは、待機期間中、原因が非常事態である接続要求を初期化するのを許可し、待機時間は影響を受けない (TS 23.401 V10.2.0で討論される)。 更に、UEは、UEを呼び出さないページングメッセージに応答しない。RRC コネクション確立工程の構築原因は、移動終端コール(mobile terminating call)である。この他、RRC コネクション確立工程のため、待機期間は影響を受けない (例えば、完成とみなさない)。
【0035】
好ましい具体例による待機時間の別の改善方法700が図7で示される。工程 702に示されるように、eWaitTimeを示すメッセージを受信する時、UE は、 eWaitTime に対応する待機時間に進入し、留まる。好ましい例では、eWaitTime は、RRC 接続拒否メッセージまたはRRC 接続解除メッセージにより伝送される。この他、待機期間は、eWaitTimeの受信時に開始されるタイマーにより制御される。別の好ましい例では、UEは MTC 装置で、遅延耐性または低い優先度指示をネットワークに提供する。
【0036】
待機期間中、UE は、特定原因による接続要求を初期化しない。好ましい例では、特定原因は、遅延耐性または低い優先度である。工程 704では、UEを呼び出すページングメッセージを受信時、UE は待機期間を終了とみなす (待機期間に対応するタイマーを停止)。この他、ページングメッセージに対応して、UE は RRC コネクション確立工程を初期化する。RRC コネクション確立工程の構築原因は、移動終端コールである。更に、UEは、待機期間中、原因が非常事態である接続要求を初期化するのを許可し、待機時間は影響されない (TS 23.401 V10.2.0で討論される)。この他、UEを呼び出さないページングメッセージの受信時、UE は待機期間が終了したとみなさない。
別の好ましい例では、PDCCH (Physical Downlink Control Channel)信号の受信時、UEは、待機期間を終了とみなす。
【0037】
図3は、本発明の好ましい例による通信装置の機能ブロック図であり、通信装置 300は、メモリ310に保存されるプログラムコード 312を含む。CPU 308は、上述の本発明の各種態様に基づいて、プログラムコード 312を実行して、ログ報告方法を実行する。CPU 308はプログラムコード 312も実行して、上述の作業と工程やその他を実行する。
【0038】
以上の好ましい例は、各種態様により描写される。ここでの教示は多種の方式で具体化され、範例中で開示されるあらゆる特定の構造や機能は単なる代表である。本文の教示に基づくと、当業者なら理解できるように、開示される内容は、その他の態様を独立して利用するかまたは多種の形式を組み合わせて実行される。例えば、一装置の実施または一種の方法の実行は、幾つかの態様を利用する。この他、このような装置の実施またはこのような方法の実行は、別の構造、機能性または構造と機能性を利用して、一つまたはそれ以上の態様を実現する。以上のコンセプトを説明すると、ある態様で、並列チャネはパルス繰り返し周波数に基づいて構築される。ある態様で、並列チャネルは、パルス位置またはオフセットに基づいて構築される。ある態様で、並列チャネルはタイムホッピングシーケンスに基づいて構築される。ある態様で、並列チャネルはパルス繰り返し周波数、パルス位置またはオフセットおよびタイムホッピングシーケンスに基づいて構築される。
【0039】
当業者なら分かるように、情報および信号は、各種異なる科学技術および技術を用いて表現される。例えば、上記で参考にされるデータ、指令、命令、情報、信号、ビット、符号およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子またはそれらの組み合わせにより表現される。
【0040】
当業者なら更に分かるように、ここで描写される論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路および開示される態様に関連するアルゴリズムステップは、電子機器 (例えば、情報源符号化または別の技術を用いて設計されるデジタル実現、アナログ実現または両者の組み合わせ)、各種形式のプログラムまたは指令を含む設計コード(文中では、便宜上、“ソフトウェア”または“ソフトウェアモジュール”と称する)または両方の組み合わせとして実施される。ハードウェアおよびソフトウェアの互換性をはっきりと説明するため、各種コンポーネンツ、ブロック、モジュール、回路およびステップは、ほとんど、それらの機能性の観点から記述される。このような機能性がハードウェアまたはソフトウェアとして実施されるかは、総合システム上の特定のアプリケーションおよび設計制約に基づく。当業者は、各特定のアプリケーションに、記述される機能性を各種方式で実行することができるが、このような実現の判断は、本発明の領域から逸脱すると解釈されるべきではない。
【0041】
この他、各種実例となる開示される態様に関連する論理ブロック、モジュールおよび回路は、集積回路(“IC”)、アクセスターミナルまたはアクセスポイント内で実施されるかまたは集積回路、アクセスターミナルまたはアクセスポイントにより実行される。ICは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ (DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field programmable gate array、FPGA) または別のプログラム可能論理回路(programmable logic device)、離散ゲート(discrete gate)またはトランジスタ論理(transistor logic)、 離散ハードウェアコンポーネンツ(discrete hardware components)、電気部品、光学部品、機械素子またはそれらの組み合わせを含み、記載される機能を実行し、IC内、IC外または両方に存在するコードや指令を実行する。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであるが、別の方法では、プロセッサは、従来のプロセッサ、コントローラー、マイクロコントローラー(microcontroller)または状態機械である。プロセッサはコンピュータデバイスの組み合わせとして実施され、例えば、DSPおよびマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、一組以上のマイクロプロセッサおよびDSP コアまたはその他の類似の配置である。
【0042】
ここで開示されるプロセスのあらゆる特定の順序または分層の工程は例のアプローチである。デザイン嗜好に基づくと、理解できることは、本プロセスにおける特定の順序または分層の工程は、本発明の範囲内で再構成される。付随する方法は、例の順序で各種工程の素子の提示を要求し、提示される特定の順序または分層に制限されることを意味するのではない。
【0043】
開示される態様に関連する方法やアルゴリズムの工程は、直接、ハードウェアで、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールで、または両者の組み合わせで具体化される。ソフトウェアモジュール (実行可能命令と関連データを含む)および別のデータは、データメモリ、例えば、RAM メモリ、フラッシュメモリ、ROM メモリ、EPROM メモリ、EEPROM メモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク(removable disk)、CD-ROMまたは従来の技術の別の形式のコンピュータ可読ストレージ媒体中に存在する。サンプルストレージ媒体は、機械、例えば、コンピュータ/プロセッサ(本文中では、便宜上、“プロセッサ”とする)に結合され、このようなプロセッサは、ストレージ媒体から情報(例えば、コード)を読み取り、情報をストレージ媒体に書き込む。サンプルストレージ媒体はプロセッサに整合される。プロセッサおよびストレージ媒体はASIC中に存在する。ASICはユーザー装置中に存在する。また、プロセッサおよびストレージ媒体は、ユーザー装置中で、個別部品として存在する。さらに、ある態様では、適当なコンピュータプログラム製品は、本発明の一つまたはそれ以上の態様に関連するコードを含むコンピュータ可読媒体を含む。ある態様で、コンピュータプログラム製品はパッケージ材料を含む。
【0044】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0045】
100 アクセスネットワーク
104、106、108、110、112、114 アンテナ
116 アクセスターミナル
118 逆方向リンク
120 送信リンク
122 アクセスターミナル
124 逆方向リンク
126 送信リンク
210 トランスミッターシステム
212 データソース
214 TXデータプロセッサ
220 TXMIMOプロセッサ
222a〜222t トランスミッター
224a〜224t アンテナ
230 プロセッサ
232 メモリ
236 データソース
238 TXデータプロセッサ
242 RXデータプロセッサ
240 復調器
250 レシーバーシステム
252a〜252r アンテナ
254a〜254r レシーバー
260 RXデータプロセッサ
270 プロセッサ
272 メモリ
280 モジューレータ
300 通信装置
302 入力装置
304 出力装置
306 制御回路
308 CPU
310 メモリ
312 プログラムコード
314 トランシーバー
400 応用層
402 第三層
404 第二層
406 第一層
500、520、550 工程
600 改善方法
602、604、606 工程
700 改善方法
702、704 工程


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおける待機時間を改善する方法であって、
ユーザー装置 (UE)で、eWaitTime を示すメッセージを受信する工程と、
前記eWaitTimeに対応する待機時間に進入し、前記待機期間で、特定原因による接続要求を初期化しない工程と、
前記UEを呼び出すページングメッセージの受信時に、前記待機期間を終了とみなす工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
更に、
前記UEを呼び出す前記ページングメッセージに応答して、前記UE がコネクション確立工程を初期化する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記特定原因は、遅延耐性または低い優先度であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記UEは、前記待機期間で、原因が非常事態である接続要求を初期化するのを許可し、前記待機時間は影響されないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記UEを呼び出さないページングメッセージを受信時、前記UE は前記待機期間を終了とみなさないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記メッセージは、RRC 接続拒否メッセージまたはRRC 接続解除メッセージであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ページングメッセージは過負荷情報を含み、CN 過負荷の終了を示すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記待機期間が終了したと見なす工程は、前記UEが前記待機期間に対応するタイマーを停止する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記待機期間はタイマーにより制御されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記eWaitTime受信時、前記待機期間が開始されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
無線通信システムに用いられる通信装置であって、前記通信装置は、
制御回路と、
前記制御回路にインストールされるプロセッサと、
前記制御回路にインストールされ、前記プロセッサに結合されるメモリと、を含み、
前記プロセッサが設置されて、前記メモリに保存されるプログラムコードを実行するステップは、
ユーザー装置 (UE)で、eWaitTime を示すメッセージを受信する工程と、
前記eWaitTimeに対応する待機時間に進入し、前記待機期間中、特定原因による接続要求を初期化しない工程と、
前記UEを呼び出すページングメッセージ受信時、前記待機期間を終了とみなす工程と、
を含むことを特徴とする通信装置。
【請求項12】
前記プロセッサが更に設置されて、メモリに保存されるプログラムコードを実行し、
前記UEを呼び出す前記ページングメッセージに応答して、コネクション確立工程を初期化する工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項13】
前記特定原因は、遅延耐性または低い優先度であることを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項14】
前記UEは、前記待機期間で、原因が非常事態である接続要求の初期化を許可し、前記待機時間は影響されないことを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項15】
前記UEを呼び出さないページングメッセージを受信時、前記UEは、前記待機期間を終了とみなさないことを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項16】
前記メッセージは、RRC 接続拒否メッセージまたはRRC 接続解除メッセージであることを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項17】
前記ページングメッセージは過負荷情報を含み、CN 過負荷の終了を示すことを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項18】
待機期間を終了と見なす工程は、前記待機期間に対応するタイマーを停止する工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項19】
前記待機期間は、タイマーにより制御されることを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項20】
前記eWaitTimeの受信時、前記待機期間が開始されることを特徴とする請求項11に記載の通信装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−134973(P2012−134973A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−277854(P2011−277854)
【出願日】平成23年12月20日(2011.12.20)
【出願人】(510140283)創新音▲速▼股▲ふん▼有限公司 (25)
【Fターム(参考)】