説明

無線通信システムにおける方法及び装置

スケジュール要求を基地局に送信するユーザ装置における方法及び装置である。基地局は、ユーザ装置にサービスを提供する様に構成される。ユーザ装置は、特定の予め定めたスケジュール要求機会にのみ基地局にスケジュール要求を送信する様に構成される。本方法は、スケジュール要求の送信をトリガするステップと、次に生じるスケジュール要求機会にスケジュール要求を基地局に送信するステップと、スケジュール要求禁止タイマを開始するステップと、スケジュール要求禁止タイマの動作中、それから先のスケジュール要求機会での、更なるスケジュール要求の再送信を禁止するステップと、を含んでいる。また、基地局における対応する方法及び装置が記述される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基地局における方法及び装置と、ユーザ装置における方法及び装置に関する。本発明は、特に、スケジュール要求送信時の通信チャネルにおける負荷及び干渉を削減するための機構に関する。
【背景技術】
【0002】
第4世代(4G)セルラ・ネットワークの標準化がIMT−Advancedの名の下に進行している。IMT−Advancedは、異なるネットワーク内における高速データ速度、シームレスな接続性及び移動通信による次世代移動ネットワークを約束する。
【0003】
多くのアプリケーションに対し、短いアクセス遅延は良好なエンド・ユーザ性能の提供に重要な役割を果たす。IMT−Advancedの遅延要求条件は、移動端末と基地局間の一方向無線アクセス遅延が10ms未満であるべきと規定する。
【0004】
第3世代パートナシップ・プロジェクト(3GPP)が規定するロング・ターム・エボリューション(LTE)は、旧来の技術と比較して、短いアクセス遅延であり、ビット速度の改善を提供する。リリース8のユーザ装置(UE)ユニットの場合、ユーザ装置ユニットをスケジュールすれば、IMT−Advancedの遅延目標を達成する。ユーザ装置がリソースの要求を必要とすれば、遅延目標を達成しない。
【0005】
LTEアクセス技術は、ダウンリンクでは直交周波数分割多重(OFDM)に基づき、アップリンクでは単一キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)に基づく。
【0006】
本コンテキストでは、アップリンクとの表現を、ユーザ装置から基地局への信号の送信に使用し、ダウンリンクとの表現を、反対方向、即ち基地局からユーザ装置への信号の送信に使用する。基地局はさらにLTE環境ではeノードB又はeNBと呼ばれ得る。
【0007】
リソースは、ダウンリンク及びアップリンク双方においてユーザ装置に1ms単位で動的に配分され、或いは、1msより長い期間に亘り半固定的に配分される。リソースのスケジュールはeNBが行い、eNBは、各ユーザ装置のデータバッファと、無線伝搬特性を考慮する。
【0008】
LTEにおける標準的なアップリンク・スケジュール手順を図1に示す。新規データがユーザ装置の空のバッファに到達、或いは、既存データより高い優先度の論理チャンネルグループに属すデータがバッファに到達すると、ユーザ装置はそのバッファサイズをレポートするバッファ状態レポート(BSR)をトリガする。ユーザ装置が、バッファ状態レポートを送信するアップリンク・リソースを有していなければ、ユーザ装置は、スケジュール要求(SR)を開始する。
【0009】
スケジュール要求は、個別スケジュール要求チャネル(D−SR)又は競合ベースのランダム・アクセス・チャネル(RA−SR)で送信できる。個別スケジュール要求チャネルの使用には、ユーザ装置がアップリンクに同期していることと、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)上のスケジュール要求チャネルが、ユーザ装置に割り当てられていることが必要である。個別スケジュール要求リソースは、無線リソース制御(RRC)プロトコルにより、現行のLTEリリース8では、5、10、20、40及び80msの周期で割り当てられる。LTEリリース9では、5msより短い値さえ可能である。eNBがスケジュール要求を受信すると、eNBはユーザ装置をスケジュールし、初期許可を送信できる。初期許可を使用して、ユーザ装置はバッファ状態レポートを最終的に送信できる。
【0010】
要約すれば、ユーザ装置をスケジュールする前に、複数のステップを行わなければならない。これはアップリンクのアクセス遅延を増大させる。アップリンクで同期する場合、PUCCHのスケジュール要求周期が、遅延を増加させる最も大きな要因の1つである。あるアプリケーションで最も良い性能を得るためには、スケジュール要求周期を非常に短い値に選択すべきである。
【0011】
非特許文献1において、スケジュール要求は、トリガ時からキャンセル時まで保留される。アップリンクのスケジュール・リソースが新たな送信のために利用可能な場合、スケジュール要求はキャンセルされる。
【0012】
ユーザ装置ユニットが、PUCCH上で有効なスケジュール要求リソースを持つとき、各サブフレームの間において、スケジュール要求を保留する場合、ユーザ装置ユニットは、スケジュール要求を通知するために物理層に指令する。これはスケジュール要求の物理的な送信に繋がる。図1の例では、スケジュール要求周期は5msで固定であり、PUCCHでスケジュール要求を送信する最初の機会は、サブフレームt0においてである。eNBがスケジュール要求を受信した後、ユーザ装置ユニットをスケジュールし、許可を送信する前において、3msの典型的な処理時間を想定する。ユーザ装置ユニットは、5ms後のt1に次のスケジュール要求の機会を有する。ユーザ装置ユニットがスケジュール要求をキャンセルしていないので、ユーザ装置ユニットはスケジュール要求を再送信するであろう。その結果、スケジュール要求周期を5msに構成すると、スケジュール要求の少なくとも2度の物理的送信に繋がる。これはPUCCHに不要な負荷を発生させる。
【0013】
スケジュール要求の送信を禁止する機構と、ネットワークによるそのような機構の構成は、特許文献1にある様に既知である。しかしながら、特許文献1では、スケジュール要求の送信を禁止する場合に唯一記載する条件は、アップリンク同期、即ち時間調節タイマがやがて期間満了すると予期するか、スケジュール要求の送信総数が一定の数を超えた場合である。スケジュール要求を禁止すれば、特許文献1の考え方は代わりにランダム・アクセスを開始することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開第2009/038381号パンフレット
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】3GPPTS36.521MAC仕様書V8.6.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
よって、本発明の目的は、無線通信システムの性能改善機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の態様によれば、本目的は、基地局にスケジュール要求を送信するユーザ装置における方法により達成される。基地局は、ユーザ装置にサービスを提供する様に構成される。ユーザ装置は、さらに、スケジュール要求送信トリガを含み、スケジュール要求を基地局に送信する様に構成される。しかしながら、スケジュール要求は、特定の予め定めたスケジュール要求機会でのみ送信される。本方法は、スケジュール要求送信トリガを開始するステップを含む。また、開始したトリガへの応答として、次に生じるスケジュール要求機会にスケジュール要求を基地局に送信する。さらに、スケジュール要求を基地局に初めて送信すると、ユーザ装置に含まれるスケジュール要求禁止タイマが開始される。加えて、スケジュール要求禁止タイマを動作中、それから先のスケジュール要求機会での任意の更なるスケジュール要求の再送信は禁止される。
【0018】
本発明の第2の態様によれば、本目的は、基地局にスケジュール要求を送信するユーザ装置における装置により達成される。基地局はユーザ装置にサービスを提供する様に構成される。ユーザ装置は、さらに、スケジュール要求送信トリガを含み、基地局にスケジュール要求を送信する様に構成される。しかしながら、スケジュール要求は、特定の予め定めたスケジュール要求機会でのみ送信される。本装置は、スケジュール要求送信トリガを含む。スケジュール要求送信トリガは、スケジュール要求の送信をトリガする様に構成される。また、本装置は送信機を含む。送信機は、開始したトリガへの応答として、次に生じるスケジュール要求機会に基地局にスケジュール要求を送信する様に構成される。加えて、本装置は、さらに、スケジュール要求禁止タイマも含む。スケジュール要求禁止タイマは、スケジュール要求を送信されると開始し、スケジュール要求禁止タイマが動作している間、それから先のスケジュール要求機会では任意の更なるスケジュール要求の再送信を禁止する様に構成される。
【0019】
本発明の第3の態様によれば、本目的は、基地局にスケジュール要求を送信するユーザ装置を支援する基地局における方法により達成される。基地局はユーザ装置にサービスを提供する様に構成される。ユーザ装置は、特定の予め定めたスケジュール要求機会にのみ基地局にスケジュール要求を送信する様に構成される。本方法は、ユーザ装置に送信する係数kを決定するステップと、ユーザ装置にスケジュール要求禁止タイマ長の計算を可能にするステップを含む。本方法は、さらに、ユーザ装置に決定した係数kを送信するステップも含む。加えて、本方法は、さらに、スケジュール要求をユーザ装置から受信するとユーザ装置をスケジュールするステップを含む。
【0020】
本発明の第4の態様によれば、本目的は、基地局にスケジュール要求を送信するユーザ装置を支援する基地局における装置により達成される。基地局は、ユーザ装置にサービスを提供する様に構成される。ユーザ装置は、特定の予め定めたスケジュール要求機会にのみ基地局にスケジュール要求を送信する様に構成される。本装置は、決定ユニットを含む。決定ユニットは、ユーザ装置にスケジュール要求禁止タイマ長を計算させるためにユーザ装置に送信する係数kを決定する様に構成される。さらに、本装置は送信機を含む。送信機は、ユーザ装置に決定した係数kを送信する様に構成される。加えて、本装置はスケジューラを含む。スケジューラは、スケジュール要求をユーザ装置から受信するとユーザ装置をスケジュールする様に構成される。
【0021】
ユーザ装置が最初にPUCCHにスケジュール要求を送信した場合にスケジュール要求禁止タイマを開始させることにより、PUCCHの負荷を大幅に削減できる。さらに、異なるユーザ装置に異なる長さのスケジュール要求禁止タイマを設定することにより、スケジュール要求の再送信は、時間的にも分散する。このようにして無線通信システムの性能を改善する。
【0022】
本発明の他の目的、利点及び新しい特徴は、本発明の以下の詳細な説明から明らかになろう。
【0023】
本発明の詳細な説明について、本発明の例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来の無線通信システム内の通信を示す概略的なブロック図。
【図2】無線通信システムの実施形態を示す概略的なブロック図。
【図3】幾つかの実施形態による無線信号の送信を示す信号方式とフローチャートの組み合わせを示す図。
【図4A】幾つかの実施形態による無線信号の送信を示す信号方式とフローチャートの組み合わせを示す図。
【図4B】幾つかの実施形態による無線信号の送信を示す信号方式とフローチャートの組み合わせを示す図。
【図5】ユーザ装置における方法の実施形態を示すフローチャート。
【図6】ユーザ装置構成の実施形態を示す概略的なブロック図。
【図7】基地局における方法の実施形態を示すフローチャート。
【図8】基地局構成の実施形態を示す概略的なブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、ユーザ装置における方法及び装置と、基地局における方法及び装置として規定し、これら方法及び装置は、以下で説明する実施形態において実行に移し得る。しかしながら、本発明は多くの異なる形態で実施でき、本明細書で示す実施形態に限定されず、これら実施形態は、本開示が詳細かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に示唆するために提供される。
【0026】
本発明のさらに他の目的及び特徴は、添付の図面と共に考察される以下の詳細な説明から明らかになろう。しかしながら、図面は例示のために作成されるものであり、本発明の範囲の制限を規定するものでなく、範囲規定は、添付の特許請求の範囲により行われることを理解すべきである。さらに図面は必ずしも規模に合わせて描かれず、特に規定しない限り、図面は単に本明細書で説明する構成及び手順を概念的に示すことを意図するものと理解すべきである。
【0027】
図2は、幾つか少しの任意の可能なオプションにただ言及するための、例えば、IMT−Advanced、E−UTRAN、LTE、LTE−Adv、第3世代パートナシップ・プロジェクト(3GPP)WCDMAシステム、GSM/EDGE、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、WiMax又はUMBといった、例示的な無線通信システム100を示している。
【0028】
無線通信システム100は、少なくとも1つの無線チャネルにより相互に通信する様に構成された基地局28及びユーザ装置30をセル内に含む。無線通信システム100は、典型的には、他の基地局ノードの様な多くの他のノードと、幾つかの実施形態では制御ノード等の他のノードを含み得ることが理解されよう。簡略化のため、図2には、厳しく制限したノード28,30のみを示している。
【0029】
基地局28は、例えば、無線アクセス技術及び使用する用語に応じて、例えば、ノードB、発展型ノードB(eNodeB又はeNB)、基地通信局、アクセスポイント基地局、基地局ルータ又はセル内のユーザ装置30と通信可能な任意の他のネットワーク・ユニットと呼び得る。以下の説明では、用語“基地局”を基地局28に使用することにし、本方法及び装置の理解を容易にする。
【0030】
基地局28は、無線インタフェース経由で送信する情報フレームを送信する様に構成される1つ以上の送受信機を含む。ユーザ装置30へのダウンリンク送信のため、送受信機は、複数のサブキャリアを提供する機能の複数のアンテナに信号を供給する。送受信機は、よって、周波数領域の複数サブキャリアを、ダウンリンクのフレームのサブフレームのシンボルで送信する。
【0031】
また幾つかの実施形態によれば、基地局28は、基地局フレーム・ハンドラも含み得る。サブフレーム・ハンドラは、ダウンリンクでユーザ装置30に送受信機が送信する情報フレームの準備又はフォーマットを行う様に構成できる。オプションの基地局フレーム・ハンドラは、リソース管理部/スケジュール部にアクセスし、或いは、幾つかの実装ではリソース管理部/スケジュール部を含み得る。リソース管理部/スケジュール部は、ユーザ装置30及び他のユーザ装置ユニット(図示せず)のリソースを管理及び配分し、リソースをスケジュールする。リソース管理部/スケジュール部が監視するリソース種別の1つは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソースである。PUCCHは、アップリンク制御情報を伝送し、複数フォーマットをサポートする。
【0032】
ユーザ装置30は、例えば無線通信端末、移動セルラ電話機、パーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)、無線プラットフォーム、ラップトップ・コンピュータ、コンピュータ又は基地局28と無線により通信可能な任意の他の種類のデバイスの代表である。
【0033】
図2に示すユーザ装置30は、送受信機を含み得る。送受信機は、ユーザ装置のアンテナを含むか、ユーザ装置のアンテナに接続できる。また幾つかの実施形態によれば、ユーザ装置30は、ユーザ装置フレーム・ハンドラも含み得る。無線端末フレーム・ハンドラは、ダウンリンク・サブフレームを受信、処理でき、アップリンク・サブフレームを準備、フォーマットできる。ユーザ装置フレーム・ハンドラが準備し、ユーザ装置30から送受信機によって基地局28に送信されるアップリンク・サブフレームの少なくとも1つは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)を搬送する。
【0034】
ユーザ装置30は、スケジュール要求禁止タイマを含むことができ、スケジュール要求禁止タイマは、以前のスケジュール要求試行後の、ユーザ装置30からの早すぎるスケジュール要求の送信を禁止する様に構成され、サービスする。
【0035】
以下では、IMT−Advancedシステムを特に参照し、より詳細にはIMT−Advancedのアップリンク、つまり、ユーザ装置30から基地局28へのリンクに関して、本方法及び装置をさらに詳説する。しかしながら、対応する概念が他の無線通信システム100にも適用できることは当業者には明らかである。
【0036】
本方法及び装置は、ユーザ装置30がPUCCHにおいて基地局28にスケジュール要求を最初に送信した時に開始するスケジュール要求禁止タイマを備える。スケジュール要求禁止タイマの考え方は、以前のスケジュール要求試行後に、ユーザ装置30が早すぎるスケジュール要求を送信することを禁止することである。
【0037】
スケジュール要求の早すぎる送信の禁止により、冗長なスケジュール要求は送信されず、よって、PUCCHの負荷をかなり削減できる。さらに幾つかの実施形態によれば、種々のユーザ装置30のスケジュール要求禁止タイマは、異なるタイマ長に構成できる。異なるタイマ長により、異なるユーザ装置30からのスケジュール要求の再送は、時間的に分散し、ユーザ装置間の送信の衝突を回避できる。
【0038】
図3は、幾つかの実施形態による、ユーザ装置30と基地局28との間の無線信号の送信を示す信号方式とフローチャートの組み合わせである。この例は、本方法と、それに関係する機能の一般的な概観を提供することを目的とする。また、一般的な目的と、本方法及び装置を実装できる例示的環境を図示する。
【0039】
データは、ユーザ装置のバッファで受信する。ユーザ装置のバッファにおける送信データの受信及び/又は検出は、基地局28へのスケジュール要求SRの送信のトリガとなる。スケジュール要求SRは、受信/検出データを送信するアップリンク・スケジュール・リソースを要求するために使用される。
【0040】
しかしながら、ユーザ装置30は、特定の予め定めたスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞にのみ、スケジュール要求SRの送信を行うことができる。無限に可能な予め定めたスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞又は有限数のスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞とすることができ、t∞は種々の実施形態によりt−maxに制限される。
【0041】
このように、スケジュール要求SRは、ユーザ装置のバッファにおける受信データによりトリガされる。図3に示す例では、トリガされたスケジュール要求SRは、次に可能なスケジュール要求機会t0まで送信できない。よって、スケジュール要求SRは、キャンセルするまで保留と看做される。
【0042】
データが集められ、このデータが、バッファ状態レポートをトリガした最終イベント迄のバッファ状態を含むバッファ状態レポートを含む場合、或いは、アップリンク許可により総ての保留データを送信できる場合、総ての保留中のスケジュール要求SRをキャンセルでき、スケジュール要求禁止タイマを停止できる。
【0043】
ユーザ装置30が、構成された任意の予め定めたスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞において、スケジュール要求SRを送信するために有効なPUCCHリソースを持たないのであれば、ランダム・アクセス手順を初期化し、総ての保留スケジュール要求をキャンセルできる。ユーザ装置30が、スケジュール要求SRのために有効なPUCCHリソースを、少なくとも幾つかの予め定めたスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞において有し、かつ、スケジュール要求禁止タイマ40が動作中でなければ、生成したスケジュール要求SRを次のスケジュール要求機会t0に送信できる。
【0044】
トリガされたスケジュール要求SRを、t0において、PUCCHで送信すると、スケジュール要求禁止タイマ40が開始される。スケジュール要求禁止タイマ40は、ユーザ装置ユニット30に含まれる。スケジュール要求禁止タイマ40が動作中である場合、ユーザ装置ユニット30は、スケジュール要求SRを再送信できない。幾つかの実施形態によれば、スケジュール要求SRがトリガされ、他の保留スケジュール要求SRがない場合、ユーザ装置30はスケジュール要求禁止タイマ40を0(零)に設定できる。
【0045】
スケジュール要求禁止タイマ48が期限に達すると、ユーザ装置ユニット30は、PUCCHでスケジュール要求SRを再送信/送信できる。ユーザ装置ユニット30がスケジュール要求SRをキャンセルする場合と、スケジュール要求禁止タイマ40が停止された場を除き、タイマ40が期間満了すると、タイマ40は停止する。
【0046】
幾つかの実施形態によれば、スケジュール要求禁止タイマ40は開始時に零に設定され、その後、予め定めた最大タイマ値に達するまで各経過時間単位で増加される。しかしながら幾つかの実施形態によれば、スケジュール要求禁止タイマ40は、開始時に予め定めた最大タイマ値に設定され、その後、零又は任意の他の予め定めた最小タイマ値までカウントダウンされる。
【0047】
スケジュール要求禁止タイマ40が動作中である限り、スケジュール要求SRは再送信されない。図3に示す例では、スケジュール要求SRはt1、t2及びt3でキャンセルされる。
【0048】
基地局28がユーザ装置30からスケジュール要求SRを受信すると、基地局28は、ユーザ装置30をスケジュールする。ユーザ装置30のスケジュールにより、ユーザ装置30に、ユーザ装置のバッファで受信するデータのアップリンク送信のためのリソースを割り当てできるように許可を生成しユーザ装置30に送信できる。
【0049】
ユーザ装置30は許可を受信すると、割り当てられリソースでデータを基地局28に送信する。
【0050】
図4Aは、幾つかの実施形態による無線信号の送信を示す信号方式とフローチャートの組み合わせである。
【0051】
図4Aは、許可をサブフレームで受信し、スケジュール要求SRをキャンセルするとスケジュール要求禁止タイマ40を停止する場合の、スケジュール要求禁止タイマ40の使用を示している。つまり、図4Aにおいて、スケジュール要求禁止タイマ40は、ユーザ装置30がスケジュール要求SRを2度送信することを禁止する。スケジュール要求SRをキャンセルするとスケジュール要求禁止タイマ40は停止する。スケジュール要求タイマの停止後に新たなスケジュール要求SRをトリガすると、ユーザ装置30はスケジュール要求SRを再び送信できる。
【0052】
図4Bは、幾つかの実施形態による無線信号の送信を示す信号方式とフローチャートの組み合わせである。
【0053】
図4Bにおける例では、スケジュール要求SRがキャンセルされる前に、スケジュール要求禁止タイマ40は期間満了する。即ち、スケジュール要求禁止タイマ40は、サブフレームt1及びt2でのユーザ装置ユニット30によるスケジュール要求SRの送信を禁止する。スケジュール要求禁止タイマ40は、期間が満了すると停止する。スケジュール要求禁止タイマ40の期間満了後、ユーザ装置30は保留中のスケジュール要求SRを再び送信できる。
【0054】
従って、SR禁止タイマ40が期間満了し、なお保留中のスケジュール要求SRがあれば、保留中のスケジュール要求SRを再送信できる。スケジュール要求SRのキャンセルによりSR禁止タイマ40が停止する場合、保留中のスケジュール要求SRはないが、新たにトリガされたスケジュール要求SRが発生すると、新たにトリガされたスケジュール要求SRを送信でき、SR禁止タイマ40は再び開始され得る。
【0055】
スケジュール要求禁止タイマ40の負の側面は、基地局28が、スケジュール要求SRを見落とせば、再試行が遅延することである。スケジュール要求SRを見落とした場合の長すぎる遅延を回避するために、スケジュール要求禁止タイマ40は、幾つかの実施形態によれば、長過ぎなくできる。一方、スケジュール要求禁止タイマ40の導入は、PUCCHの負荷を軽減でき、従ってスケジュール要求SRの再送信の必要は小さくなる。
【0056】
不要なスケジュール要求SR及びそれに伴うPUCCHへの過負荷の回避に加えて、スケジュール要求禁止タイマ40は、時間領域における、見落としたスケジュール要求SRの再試行の分散に利用できる。隣接するセルに位置する2つのユーザ装置ユニットが、同じPUCCHリソースで同時にスケジュール要求SRを送信することを考える。干渉により、対応セルの基地局28は、どちらのユーザ装置30がスケジュール要求SRを送信していたのかを検出できない場合があり、従って何れのユーザ装置30もスケジュールされない。これら2つのユーザ装置ユニットが同じスケジュール要求周期を持つと、2つのユーザ装置ユニットは、再び大きな干渉をもたらす、スケジュール要求SRの再送信を同時に行う。これら2つのユーザ装置ユニットが異なるスケジュール要求禁止タイマ長を持つとすれば、スケジュール要求周期の遅れによる干渉の相関は回避できる。
【0057】
スケジュール要求禁止タイマ40は、種々の実施形態例をとり、異なる実装を有することができる。以下は可能な、限定しない、非網羅的で例示的な実装及び/又は構成である。
【0058】
実装例1:スケジュール要求禁止タイマ長は、例えば10msのようなある共通の値、つまり、スケジュール要求周期長に固定できる。
【0059】
実装例2:スケジュール要求禁止タイマ40は固定長を有し、RRCを有する基地局28により構成される。可能な値はスケジュール要求周期とkの乗算した値であり、kはRRCにより通知され得る。幾つかの実施形態によれば、k=0、1、2、3の4つの異なる可能な値を持つと、ユーザ装置30の振舞いを決定する柔軟性を基地局28に与え得る。
【0060】
実装例3:スケジュール要求禁止タイマ長は、例えば、スケジュール要求周期と(k+l)の乗算でありえ、kは基地局28が構成し、lは、ユーザ装置30が選択する[0、1、・・・、m]の範囲のランダム部であり得る。幾つかの実施形態によれば、mの適する値の例は4であり得る。
【0061】
実装例1は、不要なスケジュール要求SRを回避する最も簡単な解決策であろう。実装例2は、種々のユーザ装置30を異なる値により構成する更なる柔軟性を基地局28に提供でき、従ってスケジュール要求SRの同時再試行を回避できる。実装例2は、不要な再試行の回避と必要な再試行のために遅延を増すこととの間のトレードオフを処理する方法でもあり、トレードオフは異なるサービスに対し異なって見え得る。最後に、実装例3で提案するように、スケジュール要求禁止タイマ40にランダム部を持てば、衝突するスケジュール要求SRの再試行による隣接セル間の干渉を軽減できよう。
【0062】
ユーザ装置30が、前の試行直後にPUCCHに不要なスケジュール要求SRを送信しないように、基地局28はスケジュール要求禁止タイマ40を構成できる。この様にPUCCHの負荷を軽減でき、不要な干渉を回避できる。加えてランダム部を持つことで、スケジュール要求禁止タイマ40は、種々のユーザ装置30でのスケジュール要求SRの再送信の試みを、異なる時間に発生させることを可能にする。
【0063】
図5はユーザ装置30で実行する基地局28へのスケジュール要求SRの送信の方法ステップ501〜506の実施形態を示すフローチャートである。基地局28は、ユーザ装置30にサービスを提供する様に構成される。ユーザ装置30は、スケジュール要求送信トリガ620を含む。さらに、ユーザ装置30は、特定の予め定めたスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞にのみスケジュール要求SRを基地局28に送信する様に構成される。
【0064】
基地局28及びユーザ装置30は、無線通信システム100に含まれる。無線通信システム100は、幾つかの実施形態によれば、例えば、IMT−Adavanced又はLTE無線ネットワークであり、基地局28は、例えば、発展ノードB、eNBであり得る。
【0065】
ユーザ装置30はスケジュール要求禁止タイマ40を含む。
【0066】
基地局28にスケジュール要求SRを適切に送信するために、本方法は複数の方法ステップ501〜506を含み得る。
【0067】
しかしながら、幾つかの方法ステップはオプションであり、幾つかの実施形態内のみに含まれることに留意すべきである。さらに、方法ステップ501〜506は、異なる時間順序で実行でき、そのうちの幾つか、例えばステップ502及びステップ503や、全ステップは、同時に若しくは変更又は再配置した時間順序で実行できることに留意すべきである。本方法は以下のステップを含み得る。
【0068】
ステップ501
このステップはオプションであり、幾つかの実施形態のみに含まれ得る。
【0069】
ケジュール要求禁止タイマ40の開始後、構成されたスケジュール要求禁止タイマ長が経過すると、スケジュール要求禁止タイマ40が期間満了する様なスケジュール要求禁止タイマ長に、スケジュール要求禁止タイマ40は構成され得る。
【0070】
ステップ502
スケジュール要求送信トリガ620が開始される。これによりスケジュール要求の送信がトリガされ、スケジュール要求SRを送信するリソースがユーザ装置30に割り当られると、次に生じるスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞にスケジュール要求SRが送信される。
【0071】
幾つかの実施形態によれば、ユーザ装置のバッファに送信データがあると、スケジュール要求送信トリガ620が開始され得る。
【0072】
ステップ503
スケジュール要求SRは、次に生じるスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞で基地局28に送信される。スケジュール要求SRは、開始したトリガ620への応答として送信される。
【0073】
ステップ504
ユーザ装置30に含まれるスケジュール要求禁止タイマ40が開始される。スケジュール要求禁止タイマ40は、スケジュール要求SRが基地局28に最初に送信されると、開始される。幾つかの実施形態によれば、スケジュール要求禁止タイマ40は、固定スケジュール要求禁止タイマ長に構成され得る。
【0074】
スケジュール要求禁止タイマ40は、
スケジュール要求禁止タイマ長=k(t2−t1)
といった、係数kにより乗算した2つのスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞間の時間に等しいスケジュール要求禁止タイマ長に構成できる。
【0075】
幾つかの実施形態によれば、スケジュール要求禁止タイマ40は、
スケジュール要求禁止タイマ長=(k+l)・(t2−t1)
といった、ランダム変数lにより演算された係数kの結果により乗算した2つのスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞間の時間に等しいスケジュール要求禁止タイマ長に構成できる。
【0076】
係数kは、基地局28からオプションとして受信できる。ランダム変数lは、ユーザ装置30によりランダムに生成できる。
【0077】
係数kは、k=[0,1、・・・、∞]のような零から無限大の範囲とすることができ、係数kは、基地局28から無線リソース制御(RRC)により送信でき、スケジュール要求SRは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で送信できる。
【0078】
ステップ505
あらゆる更なるスケジュール要求の送信は、スケジュール要求禁止タイマ40が動作中、即ち停止していない間は、あらゆるそれから先のスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞で禁止される。
【0079】
この禁止でスケジュール要求SRを再送信しないことにより、チャネルのトラフィック負荷が軽減し、これは無線通信システム100内の容量の全体的な改善に繋がる。
【0080】
ステップ506
このステップはオプションであり、幾つかの実施形態内のみに含まれる。
【0081】
スケジュール要求SRがキャンセルされるか、スケジュール要求禁止タイマ40が期間満了すると、スケジュール要求禁止タイマ40は停止される。
【0082】
図6はユーザ装置30の装置600である。ユーザ装置30は、スケジュール要求SRを基地局28に送信する方法ステップ501〜506を実行する様に構成される。基地局28は、ユーザ装置30にサービスを提供する様に構成される。ユーザ装置30は、特定の予め定めたスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞にのみスケジュール要求SRを基地局28に送信する様に構成される。基地局28及びユーザ装置30は、無線通信システム100に含まれる。無線通信システム100は、例えばIMT−Advanced又はLTE無線ネットワークであり得る。幾つかの実施形態によれば、基地局28は、例えば、発展型ノードB、eNBであり得る。
【0083】
方法のステップ501〜506を正確に実行するために、ユーザ装置構成600は、例えば、スケジュール要求送信トリガ620のような複数のユニットを含む。スケジュール要求送信トリガ620は、スケジュール要求の送信をトリガする様に構成される。さらに、ユーザ装置構成600は、送信機630を含む。送信機630は、トリガされたスケジュール要求送信への応答として、次に生じるスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞でスケジュール要求SRを基地局28に送信する様に構成される。またさらに、装置600は、スケジュール要求禁止タイマ40を含む。スケジュール要求禁止タイマ40は、スケジュール要求SRを最初に送信すると開始され、スケジュール要求禁止タイマ40が動作中、即ち停止していない間は、それから先のスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞におけるあらゆる更なるスケジュール要求の送信を禁止する様に構成される。
【0084】
幾つかの実施形態によれば、装置600は、さらに構成ユニット610を含み得る。オプションの構成ユニット610は、スケジュール要求禁止タイマ40を開始させた後、構成したスケジュール要求禁止タイマ長が経過したときにスケジュール要求禁止タイマ40が期間満了する様に、スケジュール要求禁止タイマ40をスケジュール要求禁止タイマ長にする様に構成される。幾つかの実施形態によれば、構成ユニット610は、基地局28からスケジュール要求禁止タイマ長を受信できる。しかしながら、幾つかの実施形態によれば、スケジュール要求禁止タイマ長は、予め定められているか、基地局28から受信するスケジュール要求禁止タイマ長に基づき計算され得る。
【0085】
さらに幾つかの実施形態によれば、装置600は、受信機44を含み得る。受信機44は、基地局28から信号を受信する様に構成される。
【0086】
幾つかの実施形態によれば、装置600は、オプションとしてバッファ640を含み得る。バッファ640は、データを受信し、送信データを含む様に構成される。
【0087】
さらに加えて、装置600は、送信機630を含み得る。幾つかの実施形態によれば、送信機630は、例えば、基地局28に信号を送信する様に構成される。
【0088】
さらに、装置600は、フレーム・ハンドラ46を含み得る。フレーム・ハンドラ46は、ダウンリンク・サブフレームを受信、処理し、アップリンク・サブフレームを準備し、フォーマットする様に構成される。
【0089】
オプションとして、装置600は、さらにまた、プロセッサ660を含み得る。プロセッサ660は、例えば、中央処理ユニット(CPU)、処理ユニット、マイクロプロセッサ又は命令を解釈、実行できる他の処理ロジックにより代表され得る。プロセッサ660は、データ・バッファリングを含むデータの入力、出力及び処理のための総てのデータ処理機能と、呼処理制御やユーザ・インタフェース制御等のデバイス制御機能を実行できる。
【0090】
方法のステップ501〜506による本方法の理解に完全に必要ではないユーザ装置30及び/又はユーザ装置構成600の任意の内部電子装置は、明確化のため、図6から省略されていることに留意すべきである。さらに、ユーザ装置30の装置600内に含まれる説明したユニット40〜660の幾つかは、個別論理エンティティと見做されるが、必ずしも物理的に個別のエンティティではないことに留意すべきである。唯一つの例を述べれば、受信機44及び送信機630は、送信機回路及び受信機回路を含み、アンテナ経由でそれぞれ出力無線周波数信号を送信し、入力無線信号周波数を受信する送受信機として同じ物理ユニット内に含まれ、或いは、共値され得る。基地局28とユーザ装置30間で伝送される無線周波数信号は、トラフィック及び制御信号の双方、例えば、着信呼のページング信号/メッセージを含み、ページング信号/メッセージは、別の相手との音声呼通信の確立及び維持に使用され、或いは、遠隔ユーザ装置とのSMS、電子メール若しくはMMSメッセージのようなデータ送信及び/又は受信に使用され得る。
【0091】
ユーザ装置30の方法ステップ501〜506は、本方法ステップ501〜506の機能を実行するコンピュータ・プログラム・コードと共に、ユーザ装置30の1つ以上のプロセッサ660により実装できる。従って、例えば、コンピュータ・プログラム格納媒体のようなコンピュータ・プログラムは、ユーザ装置30の方法ステップ501〜506を実行する命令を含み、基地局28にスケジュール要求SRを送信できる。
【0092】
上述した物理的及び具体的なコンピュータ・プログラムは、例えば、プロセッサ660にロードされたとき、本解決策による方法ステップを実行するコンピュータ・プログラム・コードを含むデータ担体の形態で提供できる。データ担体は、例えばハードディスク、CD−ROMディスク、メモリスティック、光蓄積デバイス、磁気蓄積デバイス又は機械可読データを保持できるディスク若しくはテープのような任意の他の適切な媒体であり得る。コンピュータ・プログラム・コードは、さらに、サーバにおけるプログラム・コードとして提供でき、例えばインターネット又はイントラネット接続により遠隔からユーザ装置30にダウンロードできる。
【0093】
さらにコンピュータ・プログラムが、ユーザ装置30内のプロセッサ660で実行される場合、方法のステップ501〜506の少なくとも幾つかを実行する命令を含むコンピュータ・プログラムは、ユーザ装置30において基地局28にスケジュール要求SRを送信する前記方法を実行するために使用され得る。
【0094】
図7は、基地局28へのスケジュール要求SRの送信において、ユーザ装置30を支援する基地局28で実行される方法ステップ701〜703の実施形態を示すフローチャートである。基地局28は、ユーザ装置30にサービスを提供する様に構成される。ユーザ装置30は、特定の予め定めたスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞にのみスケジュール要求SRを基地局28に送信する様に構成される。基地局28及びユーザ装置30は、無線通信システム100に含まれる。無線通信システム100は、例えば、IMT−Advanced/LTE/LTE−Advanced無線ネットワークであり、基地局28は、幾つかの実施形態によれば、例えば、発展型ノードB、eNBであり得る。
【0095】
基地局28へのスケジュール要求SRの送信においてユーザ装置30を適切に支援するために、本方法は幾つかの方法ステップ701〜703を含み得る。方法ステップ701〜703は、幾らか異なる時間順序で実行でき、そのうちの幾つかは同時に又は変更若しくは再配地された時間順序で実行できることに留意すべきである。本方法は次のステップを含み得る。
【0096】
ステップ701
ユーザ装置30に送信する係数kを決定し、ユーザ装置30がスケジュール要求禁止タイマ長を計算することを可能にする。
【0097】
ステップ702
決定した係数kをユーザ装置30に送信する。
【0098】
ステップ703
スケジュール要求SRをユーザ装置30から受信すると、ユーザ装置30をスケジュールする。
【0099】
図8は基地局28の装置800である。装置800は、方法ステップ701〜703を実行する様に構成される。従って、基地局構成800は、基地局28へのスケジュール要求SRの送信においてユーザ装置30を支援する様に構成される。
【0100】
基地局28は、ユーザ装置30にサービスを提供する様に構成される。ユーザ装置30は、特定の予め定めたスケジュール要求機会t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞にのみスケジュール要求SRを基地局28に送信する様に構成される。基地局28及びユーザ装置30は、無線通信システム100に含まれる。無線通信システム100は、例えば、IMT−Advanced又はLTE無線ネットワークであり、基地局28は、幾つかの実施形態によれば、例えば、発展型ノードB、eNBであり得る。
【0101】
方法ステップ701〜703を実行するために、装置800は、例えば、決定ユニット810のような複数のユニットを含む。決定ユニット810は、ユーザ装置30に送信する係数kを決定し、ユーザ装置30にスケジュール要求禁止タイマ長を計算させる様に構成される。さらに、装置800は、送信機820を含む。送信機820は、決定した係数kをユーザ装置30に送信する様に構成される。さらに、装置800は、スケジューラ38を含む。スケジュール要求SRをユーザ装置30から受信すると、スケジューラ38は、ユーザ装置30をスケジュールする様に構成される。
【0102】
さらに幾つかの実施形態によれば、オプションとして、基地局構成800は、受信機805を含み得る。受信機805は、ユーザ装置30から信号を受信する様に構成され得る。また幾つかの実施形態によれば、装置800は、スケジュール要求禁止タイマ構成ユニット42を含み得る。
【0103】
オプションとして、装置800は、さらにまたプロセッサ840を含み得る。プロセッサ840は、例えば、中央処理ユニット(CPU)、処理ユニット、マイクロプロセッサ又は命令を解釈、実行できる他の処理ロジックにより代表され得る。プロセッサ840は、データ・バッファリングを含むデータの入力、出力及び処理のための総てのデータ処理機能と、呼処理制御、ユーザ・インタフェース制御等のデバイス制御機能を実行できる。
【0104】
方法ステップ701〜703による本方法の理解に完全に必要でない基地局28及び/又は基地局構成800のあらゆる内部電子装置は、明確化のため、図8から省略していることに留意すべきである。さらに、基地局28の装置800に含まれる説明したユニット38〜840の幾つかは、個別論理エンティティと見做されるが、必ずしも物理的に個別のエンティティではないことに留意すべきである。ただ一例を述べれば、受信機805及び送信機820は、送信機回路及び受信機回路を含み、アンテナ経由でそれぞれ出力無線周波数信号を送信し、入力無線信号周波数を受信する送受信機として同じ物理ユニット内に含まれ、或いは、共値され得る。基地局28とユーザ装置30間で伝送される無線周波数信号は、トラフィック及び制御信号の双方、例えば、着信呼のページング信号/メッセージを含み、ページング信号/メッセージは、別の相手との音声呼通信の確立及び維持に使用され、或いは、遠隔ユーザ装置とのSMS、電子メール若しくはMMSメッセージのようなデータ送信及び/又は受信に使用され得る。
【0105】
スケジュール要求SRの送信においてユーザ装置30を支援する本機構は、本解決策の方法ステップ701〜703を実行するコンピュータ・プログラム・コードと共に図8に示す基地局構成800の1つ以上のプロセッサ840により実現され得る。上述したプログラム・コードは、例えば、基地局28にロードされると、本解決策を実行するコンピュータ・プログラム・コードを含むデータ担体の形態のコンピュータ・プログラムとして提供され得る。1つのそのような担体は、メモリスティックの形態であり得る。しかしながら、他のデータ担体でも実現可能である。コンピュータ・プログラム・コードは、さらに、サーバにおけるプログラム・コードとして提供され、遠隔から基地局28にダウンロードできる。
【0106】
“含む”又は“備える”を使用する場合、非限定的、即ち“少なくとも構成上含んでいる”と解釈すべきである。本発明は、上述した好ましい実施形態に限定されない。種々の代替、修正及び均等物を使用できる。よって、上述した実施形態は本発明の範囲を限定するものと考えるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局(28)にスケジュール要求(SR)を送信するユーザ装置(30)における方法であって、
前記基地局(28)は、前記ユーザ装置(30)にサービスを提供する様に構成され、
前記ユーザ装置(30)は、スケジュール要求送信トリガ(620)を含み、スケジュール要求(SR)を、特定の予め定めたスケジュール要求機会(t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞)にのみ前記基地局(28)に送信する様に構成され、
前記スケジュール要求送信トリガ(620)を開始するステップ(502)と、
前記開始したトリガ(620)の応答として、次に生じるスケジュール要求機会(t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞)にスケジュール要求(SR)を前記基地局に(28)送信するステップ(503)と、
前記スケジュール要求(SR)を前記基地局(28)に初めて送信すると、前記ユーザ装置(30)のスケジュール要求禁止タイマ(40)を開始するステップ(504)と、
前記スケジュール要求禁止タイマ(40)の動作中、その後のスケジュール要求機会(t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞)での総ての更なるスケジュール要求の再送信を禁止するステップ(505)と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記スケジュール要求送信トリガ(620)がキャンセルされたとき、或いは、前記スケジュール要求禁止タイマ(40)が期間満了となったときに、前記スケジュール要求禁止タイマ(40)を停止するステップ(506)を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記各ステップを実行する前に、
前記スケジュール要求禁止タイマ(40)の開始後、構成されたスケジュール要求禁止タイマ長が経過すると、前記スケジュール要求禁止タイマ(40)が期間満了となる様に、前記スケジュール要求禁止タイマ(40)を前記スケジュール要求禁止タイマ長に構成するステップ(501)を更に含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記スケジュール要求禁止タイマ(40)は、固定のスケジュール要求禁止タイマ長に構成される、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記スケジュール要求禁止タイマ(40)は、
2つのスケジュール要求機会(t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞)間の時間に係数kを乗じた時間に等しいスケジュール要求禁止タイマ長、
スケジュール要求禁止タイマ長=k(t2−t1)
に構成される、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記スケジュール要求禁止タイマ(40)は、
2つのスケジュール要求機会(t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞)間の時間にランダム変数lにより演算された係数kの結果を乗じた時間に等しいスケジュール要求禁止タイマ長、
スケジュール要求禁止タイマ長=(k+l)・(t2−t1)
に構成される、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記係数kは、前記基地局(28)から受信する、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ランダム変数lは、前記ユーザ装置(30)がランダムに生成する、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記係数kは、零から無限大の範囲、k=[0,1、・・・、∞]、であり、
前記係数kは、前記基地局(28)から無線リソース制御(RRC)により送信され、
前記スケジュール要求(SR)は、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で送信される、
ことを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
基地局(28)にスケジュール要求(SR)を送信するユーザ装置(30)の装置(600)であって、
前記基地局(28)は、前記ユーザ装置(30)にサービスを提供する様に構成され、
前記ユーザ装置(30)は、特定の予め定めたスケジュール要求機会(t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞)にのみスケジュール要求(SR)を前記基地局(28)に送信する様に構成され、
前記装置(600)は、
スケジュール要求の送信をトリガする様に構成されたスケジュール要求送信トリガ(620)と、
前記開始したトリガ(620)の応答として、次に生じるスケジュール要求機会(t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞)にスケジュール要求(SR)を前記基地局に(28)送信する様に構成された送信機(630)と、
前記スケジュール要求(SR)を初めて送信すると開始し、その動作中、その後のスケジュール要求機会(t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞)での総ての更なるスケジュール要求の再送信を禁止する様に構成されるスケジュール要求禁止タイマ(40)と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項11】
基地局(28)にスケジュール要求(SR)を送信するユーザ装置(30)を支援する前記基地局(28)における方法であって、
前記基地局(28)は、前記ユーザ装置(30)にサービスを提供する様に構成され、
前記ユーザ装置(30)は、特定の予め定めたスケジュール要求機会(t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞)にのみ前記基地局(28)にスケジュール要求(SR)を送信する様に構成され、
前記ユーザ装置(30)がスケジュール要求禁止タイマ長を計算することを可能にするために、前記ユーザ装置(30)に送信する係数kを決定するステップ(701)と、
前記ユーザ装置(30)に前記決定した係数kを送信するステップ(702)と、
スケジュール要求(SR)を前記ユーザ装置(30)から受信すると、前記ユーザ装置(30)をスケジュールするステップ(703)と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
基地局(28)にスケジュール要求(SR)を送信するユーザ装置(30)を支援する前記基地局(28)における装置(800)であって、
前記基地局(28)は、前記ユーザ装置(30)にサービスを提供する様に構成され、
前記ユーザ装置(30)は、特定の予め定めたスケジュール要求機会(t0、t1、t2、t3、t4、・・・、t∞)にのみ前記基地局(28)にスケジュール要求(SR)を送信する様に構成され、
前記装置(800)は、
前記ユーザ装置(30)にスケジュール要求禁止タイマ長を計算させるために、前記ユーザ装置(30)に送信する係数kを決定する様に構成された決定ユニット(810)と、
前記ユーザ装置(30)に前記決定した係数kを送信する様に構成された送信機(820)と、
スケジュール要求(SR)を前記ユーザ装置(30)から受信すると、前記ユーザ装置(30)をスケジュールする様に構成されたスケジューラ(830)と、
を備えていることを特徴とする装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2012−532483(P2012−532483A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517447(P2012−517447)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【国際出願番号】PCT/SE2010/050113
【国際公開番号】WO2011/002386
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.GSM
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】