説明

無線通信システム並びに無線通信装置

【課題】反射器を備えた端末同士で高速のデータ通信を実現する。
【解決手段】反射器200は、サブキャリア周波数の送受信のためのアンテナ230と、サブキャリア変調波を受信するための受信機232を備える。データ送信を行なう際、アンテナ・スイッチ231は図中b側に接続され、サブキャリア変調波は、サブキャリア変調器220からアンテナ・スイッチ231を経由して、アンテナ230より送信される。データ受信を行なうときは、アンテナ・スイッチ231は図中a側に接続され、受信されたサブキャリア変調波は、受信部232でベースバンド信号に変換され、ベースバンド処理部208で復調される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的近距離の機器間において低消費電力の通信動作を実現する無線通信システム並びに無線通信装置に係り、特に、反射波読取器側からの無変調キャリアの送信と、反射器側におけるアンテナの終端操作に基づく受信電波の吸収と反射を利用した反射波伝送方式によりデータ通信を行なう無線通信システム並びに無線通信装置に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、反射器を備えた端末同士でのデータの授受を実現する無線通信システム並びに無線通信装置に係り、特に、反射波読取装置の介在なしに反射器を備えた端末同士で高速のデータ通信を実現する無線通信システム並びに無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信技術は、有線通信方式におけるケーブルの配線からユーザを解放するシステムとして期待され、急速に普及してきている。ここで言う無線通信には、携帯電話(PDC:Personal Digital Cellular)やPHS(Personal Handyphone System)、IEEE802.11に代表される無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth通信などが挙げられる。
【0004】
また、最近ではRFID(Radio Frequency IDentifier)などに使用される非接触通信方式を利用したデータ通信システムについて提案がなされている。非接触の通信方法には、静電結合方式、電磁誘導方式、電波通信方式などが挙げられる。このうち電波通信方式のRFIDシステムは、受信した無変調キャリアに対し変調処理を施した反射波によりデータを送信する反射器と、反射器からの変調反射波信号からデータを読み取る反射波読取器で構成され、「バックスキャッタ」とも呼ばれる反射波伝送を行なう。
【0005】
反射器は、反射波読取器から無変調キャリアが送られてくると、アンテナ負荷インピーダンスの切り替え操作などに基づいてその反射波に変調を施してデータを重畳する。すなわち、反射器側ではキャリア発生源が不要であることから、低消費でデータ伝送動作を駆動する。そして、反射波読取器側では、このような変調反射波を受信し、復調並びに復号処理して伝送データを取得することができる。
【0006】
また、反射器においてアンテナの負荷インピーダンスを変化させるためのアンテナ・スイッチを、送受信処理用の回路モジュールに組み込んでCMOSトランジスタで構成することもできるが、回路モジュールとは切り離して、ガリウム砒素(GaAs)のIC(Integrated Circuit)で構成することで、低消費電力で高速な切り替え動作が可能となる。後者の場合、反射波変調によるデータ伝送レートが向上するとともに、その消費電力は数10μW以下に抑制される。したがって、無線LANでは通信時に数百mW〜数W程度の電力を消費することを考慮すると、反射波通信は一般的な無線LANの平均消費電力と比較すると(現在市販されているIEEE802.11bの無線LANカードの多くは、送信時に800mW以上、受信時に600mW以上の消費電力がある)、圧倒的な性能差を持つと言える(例えば、特許文献1を参照のこと)。
【0007】
反射器を搭載した端末は受信電波を反射する動作を行なうだけであるから、無線局とはみなされず、電波通信に課される法規制の対象外として扱われる。また、電磁誘導方式など他の非接触通信システムでは数MHz〜数百MHz(例えば13.65MHz)の周波数を用いるのに対し、反射波通信方式では例えばISM(Industrory Science and Medical Band)と呼ばれる2.4GHz帯の高帯域を用いた高速なデータ伝送を実現することができる。
【0008】
例えば、デジタルカメラや、ビデオ・カメラ、携帯電話、携帯情報端末、携帯型音楽再生装置など、消費電力を極力抑えたいモバイル系の端末機器に反射器を組み込み、テレビ、モニタ、プリンタ、PC、VTR、DVDプレイヤなど、据え置き型の家電製品などからなるホスト機器に反射波読取器を組み込む。そして、カメラ付き携帯電話やデジタルカメラで撮った画像データを、反射波伝送路を経由でPCにアップロードし、画像データの蓄積や表示出力、プリントアウトなどを行なうことができる。
【0009】
図4には、反射波伝送を行なう反射器と反射波読取器の構成を示している。同図に示す例では、
【0010】
端末装置200は、アンテナ201と、SPDTスイッチ(単極双投スイッチSingle−Pole/Double−Throw Switch)202と、高周波アンプ206と、ASK検波器207と、ベースバンド処理部208と、アプリケーション部209と、中心周波数fsのサブキャリア変調器220を備え、反射器機能を搭載しているである。
【0011】
まず、端末装置200について説明する。SPDTスイッチ202は、ガリウム砒素のFETで構成され、反射波の生成と送受信のアンテナ切り替えを行なう。すなわち、データ送信時には、ベースバンド処理部208より、周波数SPDTスイッチ202内のスイッチ204はオフに制御され、アンテナ201が高周波アンプ206及びASK検波器207からなる受信系統から切り離されるとともに、ベースバンド処理部208からは送信データ(TXDATA)が出力されてサブキャリア変調器220で1次変調が施され、中心周波数fsのデジタル送信データが生成される。周波数SPDTスイッチ202内のスイッチ203は、サブキャリア変調された送信データに従いオンオフを繰り返すように制御される。例えば、送信データが1のときは、スイッチ203がオンになり、アンテナ負荷インピーダンス(例えば50オーム)と同じ値の抵抗205で終端されるが、送信データが0のときには、スイッチ203はオフとなり、アンテナ201から受信された信号は反射する。このようにして、SPDTスイッチ202内のスイッチ203において、反射波読取装置210からの無変調キャリア周波数f2±fsの反射によるASK(又はPSK)の変調波が生成され、アンテナ201から放射される。
【0012】
また、データ受信時には、スイッチ203はオフに制御され、スイッチ204がオンとなる。したがって、アンテナ201から入力された受信信号(ここではASK変調波とする)は、高周波アンプ206で増幅され、ASK検波器207で復調される。復調された受信データ(RXDATA)は、ベースバンド処理部208に渡される。
【0013】
ベースバンド処理部208は、送受信の制御、通信プロトコル処理を行なう。送受信データは、アプリケーション部209とインターフェースされる。携帯端末装置200が例えばデジタルカメラの場合、アプリケーション部209はカメラ部やメモリ部、操作部などで構成される。
【0014】
次に反射波読取装置210について説明する。反射波読取装置210は、アンテナ211と、サーキュレータ212と、受信周波数f1の受信部213と、送信周波数f2の送信部214と、ベースバンド処理部215と、アプリケーション部216を備えている。送信部214は、ベースバンド処理部215の指示により動作し、データ受信時には周波数f2の無変調キャリアをそのまま送信し、送信時には周波数f2の無変調キャリアを制御信号などの送信データで変調したASK変調波を送信する。これらの送信信号は、サーキュレータ212を経由してアンテナ211より放射される。
【0015】
反射波読取装置210側にとって受信状態のときに、送信部214は無変調キャリアを送信し続けている。そして、受信部213では、端末装置200からのサブキャリア周波数fsだけシフトした周波数f1(ここでは、f1=f2−fsとする)の変調反射波信号を受信する。
【0016】
ベースバンド処理部215は、データ送信時にはASK変調信号の生成、受信時には変調反射波信号の復調、送受信の制御、通信プロトコル処理を行なう。送受信データは、アプリケーション部209とインターフェースされる。アプリケーション部209は、例えばJPEG(Joint Picture Experts Group)画像データのデコード部を含み、デコードされたビデオ信号はTVなどに出力される。
【0017】
図5には、反射波伝送方式を利用した通信システムの構成例を示している。図示の通信システムは、反射器を搭載したデジタルカメラ100と、反射波読取装置101で構成される。デジタルカメラ100には、反射波伝送によりデータ伝送する送信機能の他に、反射波読取装置101からのデータを受信する受信機能が装備されている。また、反射波伝送による送信機能を備えた端末として、デジタルカメラ100の他に、携帯電話106も存在している。
【0018】
図示の通信システムでは、反射波読取装置101から送信される無変調キャリア102に対して、JPEG画像データを乗せた反射波103がデジタルカメラ100から送られる。このJPEG画像データは、反射波読み取り装置101でデコードされた後、アナログのビデオ信号として、テレビ104の画面で表示出力される。
【0019】
無線LANやBluetooth通信では、端末間での直接通信が可能である。これに対し、図5に示したような反射波伝送を利用する通信システムにおいては、反射器を搭載した端末間(具体的には、デジタルカメラ100と携帯電話106間)での直接通信を行なうことができない。何故ならば、双方の端末は反射波信号を生成するためのキャリア発生源を持たないからである。言い換えれば、データ供給源であるデジタルカメラ100からデータを読み出すには、無変調キャリアを供給する必要がある。例えば、デジタルカメラ100内のJPEG画像データを携帯電話106に転送するには、反射波読取装置101内のメモリ105にデジタルカメラ100のJPEG画像データを一度蓄積してから、デジタルカメラ100の代わりに携帯電話106を反射波読取装置101に乗せて、メモリ105内のデータを携帯電話106にコピーするという手順が必要となる。
【0020】
このように、反射波伝送を行なう端末同士で、データコピーのような端末間直接通信を行なうためには、常に反射波読取装置が必要である。家庭内ではそれほど大きな問題ではないが、屋外での使用を考えると、利便性が悪く、大きな欠点となる。また、反射波読取装置を経由することがボトルネックとなり、データ通信の高速化の障害となる。
【0021】
【特許文献1】特開2005−64822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、反射器側におけるアンテナの終端操作に基づく受信電波の吸収と反射を利用した反射波伝送方式によりデータ通信を好適に行なうことができる、優れた無線通信システム並びに無線通信装置を提供することにある。
【0023】
本発明のさらなる目的は、反射波読取装置の介在なしに反射器を備えた端末同士で高速のデータ通信を実現することができる、優れた無線通信システム並びに無線通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、無変調キャリアを受信して変調反射波信号を送信する反射器と、無変調キャリアを送信するとともに変調反射波信号を受信する反射波読取器で構成される無線通信システムであって、
前記反射器において、送信データをサブキャリア周波数fsで1次変調し、さらに該1次変調信号を無変調キャリアfoの入力と掛け算して2次変調した変調反射波信号を送信して反射器から反射波読取器へのデータ伝送を行なう第1のデータ伝送手段と、
前記反射器において、周波数fsのサブキャリアを送信データで1次変調したサブキャリアの変調信号を送信して他の反射器へのデータ伝送を行なう第2のデータ伝送手段と、
を具備することを特徴とする無線通信システムである。
【0025】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない(以下、同様)。
【0026】
本発明は、無変調キャリアを受信してデータを重畳させた変調反射波を送出する反射器を搭載した反射器と、変調反射波からデータを読み取る反射波読取器を搭載した反射波読取器で構成される、電波の反射技術を利用した無線通信システムに関する。反射波伝送を利用した通信システムによれば、反射器側ではキャリア発生源が不要であることから、消費電力を格段に削減しながらデータ伝送を行なうことができ、一般的な無線LANに比べると圧倒的な性能差である。
【0027】
ここで、反射器自体は反射波信号を生成するためのキャリア発生源を持たないことから、反射器を搭載した端末装置の間でデータの授受を行なうには、反射波読取装置を介在させる必要がある。すなわち、一方の端末装置に格納されているデータを反射波読取装置が反射波伝送方式により読み出してから、この反射波読取装置から他方の端末装置に対して読み出しデータを転送する。このような場合、端末間でデータの授受を行なうには、場所の制限があるためユーザの利便性が低くなり、また、反射波読取装置の介在がボトルネックとなりデータ通信の高速化が困難となる。
【0028】
これに対し、本発明では、サブキャリア変調を用いた反射波伝送を行なう場合に、反射器がサブキャリア周波数fsにより送信データを1次変調し、さらにアンテナで受信した無変調キャリアと掛け算して2次変調するという構成に着目して、反射器で生成されるサブキャリアを用いて反射波伝送を行なう端末同士での反射波読取装置を使用しない直接通信を行なうようにしている。
【0029】
すなわち、本発明に係る通信システムでは、反射器は、無変調キャリアの周波数fo及びその変調反射波の中心周波数帯において送受信する第1のアンテナと、サブキャリア周波数fsにおいて送受信する第2のアンテナと、サブキャリア周波数fsにより送信データをサブキャリア変調するサブキャリア変調手段と、前記第2のアンテナで受信したサブキャリア変調信号を受信処理するサブキャリア変調信号受信手段と、該サブキャリア変調信号を前記第1のアンテナで受信した周波数foの無変調キャリアと掛け算して反射波変調する反射波変調手段を備えている。そして、このような反射器は、前記反射波変調手段により生成された変調反射波信号を前記第1のアンテナから反射波読取装置へ送信する反射波伝送動作の他に、同様の構成を備えた反射器との間において、前記サブキャリア変調手段により生成されたサブキャリア変調信号を前記第2のアンテナから送信する送信動作、並びに前記サブキャリア変調信号受信手段による他の反射器からのサブキャリア変調信号の受信動作を行なうことができる。
【0030】
このような反射器は、従来から備えているサブキャリア変調器を利用して、新たにサブキャリア用のアンテナと受信機を装備するだけで、反射波読取装置無しで反射器を備えた端末間の直接通信が実現することができる。
【0031】
このようなサブキャリア変調信号を受信する受信部は、微弱電波用のVHF帯のものであり、CMOS回路を用いて実装することで低消費電力の通信動作を実現することが可能である。したがって、従来の反射器に受信部をさらに追加することに伴う消費電力は、反射波通信を行なっているときとほぼ同じと考えることができ、低消費電力という特徴を損なうことなく、端末間直接通信が可能である。一方、反射波読取装置との間で使用される変調反射波信号f1、並びに無変調キャリアf2を2.4GHz帯とすると、反射器側には、2.4GHz帯の電波を自ら送信する送信機(キャリア発生源)を持つ必要がなく、従来からあるサブキャリア変調器を利用して、新たにサブキャリア用のアンテナと受信機を装備するだけで、反射波読取装置無しで端末間の直接通信が実現することができる。
【0032】
サブキャリアには、例えば30〜60MHzなどの周波数帯が使用される。そして、サブキャリアを用いた反射器同士のデータ通信を行なう際には、パワーダウンの制御を受け、微弱電波レベルまで送信電力を絞って使用される。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、反射波読取装置の介在なしに反射器を備えた端末同士で高速のデータ通信を実現することができる、優れた無線通信システム並びに無線通信装置を提供することができる。
【0034】
本発明によれば、反射波読取装置がない環境でも、反射器を備えた端末同士でデータ受信を直接行なうことができるので、どこでも使用することが可能となり、利便性が格段に向上する。また、反射波読取装置が介在しないことから、端末間で高速のデータ通信を実現することができる。
【0035】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0037】
図1には、本発明の一実施形態に係る通信システムの構成を示している。図示の通信システムでは、反射器200を搭載したモバイル機器と、反射波読取器210の間で反射波伝送を行なう。本実施形態では、サブキャリア変調を用いた反射波伝送が行なわれるものとする。反射器200と反射波読取装置210間のデータ通信、並びに反射波読取装置210の構成は図4に示した従来例と相違ないので、ここでは説明を省略する。反射器200は、サブキャリア周波数の送受信のためのアンテナ230と、サブキャリア変調波を受信するための受信機232と、送受信を切り替えるアンテナ・スイッチ231をさらに備えている点で、図4に示したものとは相違する。
【0038】
反射器200からデータ送信を行なう際、サブキャリア変調波は、サブキャリア変調器220からアンテナ・スイッチ231を経由して、アンテナ230より送信される。このとき、アンテナ・スイッチ231は、ベースバンド処理部208より、アンテナ230を図中b側に接続するように制御される。サブキャリアには、例えば30〜60MHzなどの周波数帯が使用され、ベースバンド処理部208よりパワーダウンの制御を受け、微弱電波レベルまで送信電力を絞って使用される。
【0039】
一方、反射器200がデータ受信を行なうときには、アンテナ・スイッチ231はベースバンド処理部208より図中a側に接続するように制御される。そして、受信されたサブキャリア変調波は、受信部232でベースバンド信号に変換され、ベースバンド処理部208で復調される。
【0040】
受信部232は、微弱電波用のVHF帯のものでCMOS回路を用いて実装することで、低消費電力で実現することが可能である。したがって、図4に示した反射器に受信部232をさらに追加することに伴う消費電力は、反射波通信を行なっているときとほぼ同じと考えることができ、低消費電力という特徴を損なうことなく、端末間直接通信が可能である。
【0041】
反射波読取装置210との間で使用される変調反射波信号f1、並びに無変調キャリアf2を2.4GHz帯とすると、端末装置200側には、2.4GHz帯の電波を自ら送信する送信機を持つ必要がなく、従来からあるサブキャリア変調器を利用して、新たにサブキャリア用のアンテナと受信機を装備するだけで、反射波読取装置無しで端末間の直接通信が実現することができる。
【0042】
図2には、反射器を備えた端末装置間で反射波読取装置の介在なしにデータの授受を行なうための通信制御シーケンスの一例を示している。ここでは図3に示すように、端末装置400と端末装置401間で直接通信を行なうことを想定する。端末装置400を携帯電話、端末装置401をデジタルカメラとすると、相互の端末を近付けるだけで、例えば画像データの交換が可能となる。
【0043】
(1)まず、端末装置400及び401をともに、端末間通信モードに設定する(300、301)。
(2)次いで、端末装置400は端末装置401に対して、接続の操作を行なう(302)。
(3)端末装置400は、サブキャリアを用いて接続要求信号303を送信する。
(4)端末装置401は、端末装置400からの接続要求信号303を正しく受信することができたときには、サブキャリアを用いて接続応答信号304を返信する。
(5)通信相手となる端末装置400は、端末応答信号304を正しく受信することができたときには、サブキャリアを用いてデータ305送信する。
【0044】
(6)端末装置401は、通信相手となる端末装置400からのデータ305を正しく受信することができたときには、サブキャリアを用いて肯定応答のAck306を返信する。
(7)端末装置400は、通信相手となる通信装置401からのAck306を正しく受信することができたときには、サブキャリアを用いて後続のデータ307を送信する。
(8)端末装置401は、通信相手となる通信装置400から続くデータ307を正しく受信することができたときには、サブキャリアを用いて肯定応答付のデータ308を送信する。
【0045】
(9)端末装置400は、肯定応答付きのデータ308が正しく受信することができたときには、サブキャリアを用いて肯定応答のAck309を送信する。
【0046】
このように、本実施形態に係る通信システムでは、反射波読取装置が無い状態であっても、サブキャリアを利用して端末間の直接通信が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明を実現するのに適した典型的なパーソナル・コンピュータ(PC)100のハードウェア構成を模式的に示した図である。
【図2】図2は、反射器を備えた端末装置間で反射波読取装置の介在なしにデータの授受を行なうための通信制御シーケンスの一例を示した図である。
【図3】図3は、端末装置400と端末装置401間で直接通信を行なう様子を示した図である。
【図4】図4は、反射波伝送を行なう反射器と反射波読取器の構成を示した図である。
【図5】図5は、反射波伝送方式を利用した通信システムの構成例を示した図である。
【符号の説明】
【0049】
100…デジタルカメラ
101…反射波読取装置
104…テレビ
105…メモリ
106…携帯電話
200…端末装置
201…アンテナ
202…単極双投(SPDT)スイッチ
203、204…FETスイッチ
206…高周波アンプ
207…ASK検波部
208…ベースバンド処理部
209…アプリケーション部
210…反射波読取装置
211…アンテナ
212…サーキュレータ
213…受信部
214…送信部
215…ベースバンド処理部
216…アプリケーション部
220…サブキャリア変調器
230…アンテナ
231…アンテナ・スイッチ
232…受信機


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無変調キャリアを受信して変調反射波信号を送信する反射器と、無変調キャリアを送信するとともに変調反射波信号を受信する反射波読取器で構成される無線通信システムであって、
前記反射器において、送信データをサブキャリア周波数fsで1次変調し、さらに該1次変調信号を無変調キャリアfoの入力と掛け算して2次変調した変調反射波信号を送信して反射器から反射波読取器へのデータ伝送を行なう第1のデータ伝送手段と、
前記反射器において、周波数fsのサブキャリアを送信データで1次変調したサブキャリアの変調信号を送信して他の反射器へのデータ伝送を行なう第2のデータ伝送手段と、
を具備することを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
無変調キャリアを受信して変調反射波信号を送信する無線通信装置であって、
無変調キャリアの周波数fo及びその変調反射波の中心周波数帯において送受信する第1のアンテナと、
サブキャリア周波数fsにおいて送受信する第2のアンテナと、
サブキャリア周波数fsにより送信データをサブキャリア変調するサブキャリア変調手段と、
前記第2のアンテナで受信したサブキャリア変調信号を受信処理するサブキャリア変調信号受信手段と、
該サブキャリア変調信号を前記第1のアンテナで受信した周波数foの無変調キャリアと掛け算して反射波変調する反射波変調手段と、
前記反射波変調手段により生成された変調反射波信号を前記第1のアンテナから送信する反射波伝送動作と、前記サブキャリア変調手段により生成されたサブキャリア変調信号を前記第2のアンテナから送信する送信動作、及び前記サブキャリア変調信号受信手段によるサブキャリア変調信号の受信動作を含む、当該装置動作を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とする無線通信装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第2のアンテナを用いてサブキャリア変調信号の送受信動作を行なうときには、微弱電波レベルまで送信電力を絞るようパワーダウンの制御を行なう、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。


【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−124916(P2008−124916A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−308194(P2006−308194)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】