説明

無線通信端末、無線通信方法

【課題】無線通信端末の大型化を招くことなくS/N比を改善する。
【解決手段】無線通信端末120は、送信元の機器から、変調された第1の情報を含む第1信号を受信する第1アンテナ150と、第1アンテナで受信した第1信号を復調する復調回路152と、復調回路をオンオフするオンオフ制御部170と、復調された第1信号から第1の情報を抽出する情報抽出部172と、抽出した第1の情報と自無線通信端末に関する第2の情報とを送信する送信制御部と、を有し制御回路用クロックに同期して動作する制御回路164と、第1の情報および第2の情報を変調し、第2アンテナを通じて送信する変調回路154とを備え、当該無線通信端末内で生成される割込信号に応じて制御回路用クロックが動作し、情報抽出部が起動して第1信号から第1の情報を抽出した後に、制御回路用クロックが停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末、およびそれを用いて無線通信を行う無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁界や電磁界を通じて数cm〜数mといった近距離の無線通信(NFC:Near Field Communication)を行う、非接触型のRF(Radio Frequency)タグやRFID(RF IDentification)といった無線通信端末が普及している。無線通信端末は、ETC(Electronic Toll Collections)、キーレスエントリ、乗車カード、電子マネー、認証カード等様々な分野に利用されている。
【0003】
かかる無線通信端末の利用例として、無線通信端末が、HF送信機の位置を特定する位置情報をHF送信機から受信し、自無線通信端末を特定する情報と合わせてUHF受信機に送信することで、無線通信端末とUHF受信機との通信による干渉を回避しつつ、UHF受信機側で無線通信端末の位置を特定する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−136435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来から、無線通信端末は、ポータビリティを考慮して比較的小型、低コストで構成されていた。近年では、無線通信端末のさらなる小型化、低コスト化が望まれている。したがって、従来では、無線通信端末の外形をある程度大きくでき、電磁波を受けるアンテナと、高周波数の矩形波で動作する制御回路(MCU:Micro Controller Unit)との距離を離隔させて配置することが可能であったが、無線通信端末自体の小型化や、無線通信端末の設置先の空間制限により、アンテナや制御回路の配置の自由度がなくなり、アンテナと制御回路との距離を短縮しなければならなくなっている。
【0006】
そうすると無線通信端末内部で制御回路の動作に伴う高周波数のノイズがアンテナや復調回路に回り込み、S/N比(Signal to Noise ratio)や受信感度の劣化を招くことになる。かかるS/N比等の劣化に対し、上述した特許文献1を適用したとしても解決には至らない。
【0007】
そこで、本発明は、このような課題に鑑み、無線通信端末の大型化を招くことなくS/N比を改善できる無線通信端末、無線通信方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の無線通信端末は、送信元の機器から、変調された第1の情報を含む第1信号を受信する第1アンテナと、第1アンテナで受信した第1信号を復調する復調回路と、復調回路をオンオフするオンオフ制御部と、復調された第1信号から第1の情報を抽出する情報抽出部と、抽出した第1の情報と自無線通信端末に関する第2の情報とを送信する送信制御部と、を有する、制御回路用クロックに同期して動作する制御回路と、第1の情報および第2の情報を変調し、第2アンテナを通じて送信する変調回路とを備え、当該無線通信端末内で生成される割込信号に応じて制御回路用クロックが動作し、情報抽出部が起動して第1信号から第1の情報を抽出した後に、制御回路用クロックが停止することを特徴とする。
【0009】
第1信号から第1の情報を抽出した後とは、第1の情報を抽出してから、復調回路が第1信号の次の復調を開始するまでの任意の時点であってもよい。
【0010】
間欠的にオンオフ制御部が起動して復調回路をオンし、制御回路用クロックが停止してもよい。
【0011】
制御回路は、オンオフ制御部または送信制御部のうち、少なくともいずれか1つの処理を割込信号に応じて間欠的に行ってもよい。
【0012】
割込信号は、タイマ用クロックを計数するタイマが予め定められた値に到達したとき発生するオーバーフロー信号、または、復調された第1信号におけるエッジに基づく信号であってもよい。
【0013】
復調された第1信号におけるエッジに基づく信号は、復調された第1信号における有効データの開始信号を示すエッジに基づく信号を含んでもよい。
【0014】
タイマは、情報抽出部が第1の情報を抽出する処理を行っている間、タイマ用クロックとして制御回路のペリフェラル動作に用いられるサブクロックを計数してもよい。
【0015】
制御回路に供給されるアナログクロックより周波数が高いクロックを生成する外部発振器をさらに備え、タイマは、情報抽出部が第1の情報を抽出する処理を行っている間、タイマ用クロックとして、外部発振器によって生成されたクロックを計数してもよい。
【0016】
第1信号または第2信号の搬送波に基づいてクロックを形成するクロック形成回路をさらに備え、タイマは、情報抽出部が第1の情報を抽出する処理を行っている間、タイマ用クロックとして、クロック形成回路によって形成されたクロックを計数してもよい。
【0017】
第1信号の変調方式は、OOK変調方式またはPPM変調方式が用いられてもよい。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の他の無線通信端末は、送信元の機器から、変調された第1の情報を含む第1信号を受信する第1アンテナと、第1アンテナで受信した第1信号を復調する復調回路と、復調回路をオンオフするオンオフ制御部と、復調された第1信号から第1の情報を抽出する情報抽出部と、を有する、制御回路用クロックに同期して動作する制御回路とを備え、当該無線通信端末内で生成される割込信号に応じて制御回路用クロックが動作し、情報抽出部が起動して第1信号から第1の情報を抽出した後に、制御回路用クロックが停止することを特徴とする。
【0019】
上記課題を解決するために、第1アンテナで受信した、変調された第1の情報を含む第1信号を復調する復調回路と、制御回路用クロックに同期して動作し復調回路を制御する制御回路とを有する無線通信端末によって無線通信を行う無線通信方法において、制御回路は、当該無線通信端末内で生成された割込信号に応じて制御回路用クロックが動作し、制御回路が起動して復調回路をオンし、制御回路用クロックを停止して、復調回路を第1信号を抽出できる状態に移行させ、割込信号に応じて制御回路用クロックが動作し、制御回路が起動して復調された第1信号から第1の情報の一部または全部を抽出し、制御回路用クロックを停止し、第1の情報を抽出すると、復調回路をオフすることを特徴とする。
【0020】
上述した無線通信端末の技術的思想に基づく構成要素やその説明は、当該無線通信方法にも適用可能である。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明の無線通信端末および無線通信方法によれば、無線通信端末の大型化を招くことなくS/N比を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】無線通信システムを構成する各装置の概略的な関係を示した説明図である。
【図2】無線通信端末の概略的な機能を示した機能ブロック図である。
【図3】無線通信端末の外観を例示した外観図である。
【図4】復調された第1信号へのノイズの影響を説明するための説明図である。
【図5】復調回路、制御回路、変調回路の間欠動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】復調回路、制御回路、変調回路の間欠動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】復調回路、制御回路、変調回路の間欠動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】無線通信方法の全体的な流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0024】
RFタグやRFIDといった無線通信端末は、非接触式に数cm〜数mといった近距離の無線通信を行う。ここでは、RFリーダから電力の供給を受けて動作するパッシブタイプの無線通信端末は勿論のこと、無線通信端末自体に電源が設けられたアクティブタイプの無線通信端末であっても、敢えてその受信距離を近距離とすることで無線通信端末の通信エリアを限定し、その無線通信端末がどの通信エリア(地域、場所)に含まれているかを特定することができる。例えば、物流の分野における荷物、パレット、コンテナ等に搭載された無線通信端末が、平面位置が固定された所定のHF送信機と通信することで、物流システムでは、その荷物等がそのHF送信機の近くに存在することを把握でき、対象となる荷物がどこにあるかを追跡することが可能となる。
【0025】
このような追跡システムの中でも無線通信端末の検出範囲が比較的広い、例えば、資産管理システムにおいては、資産としてのパソコン、什器、測定器等に無線通信端末を取り付け、その無線通信端末から定期的に信号を送信させることで、対象資産の持ち出しや所在管理を行っている。また、児童監視システムにおいては、小学生等の児童の鞄等に無線通信端末を取り付けて、登下校の確認、定点通過の管理を行っている。さらに、工事現場等への入退場では、その近辺の道路の渋滞緩和の観点から、自動車に乗ったままで、自動車および作業員等搭乗者の入退管理を行いたいという要望もある。以下の実施形態では、このような様々な環境下で利用可能な無線通信システムについて説明する。
【0026】
(無線通信システム100)
図1は、無線通信システム100を構成する各装置の概略的な関係を示した説明図である。無線通信システム100は、HF送信機110と、無線通信端末120と、UHF受信機130と、情報収集サーバ140とを含んで構成される。
【0027】
HF送信機110は、HF(High Frequency)の無線送信回路を有し、所定の情報である第1の情報、例えばHF送信機110自体を特定可能な機器情報、を含む第1信号を定期的に送信(発信)する。HFの無線送信回路は、無線通信端末120の受信距離と消費電力とを考慮し、搬送波として、例えば、13.56MHzの電磁波を送信している。ここでは、HF3MHz〜30MHz中の13.56MHzを搬送波として利用しているが、かかる帯域に限られず、LF(Low Frequency)30kHz〜300kHzやMF(Middle Frequency)300kHz〜3MHzの帯域を利用することもできる。また、電磁波のみならず、HF送信機110は、光、超音波または赤外線を通じて第1信号を送信するものとしてもよい。第1信号に含まれる第1の情報の一例としては、HF送信機110が設置されている位置情報を特定するもの、が挙げられる。第1信号に含まれる第1の情報の他の例としては、HF送信機110が正常に動作しているか否かの動作情報およびこのHF送信機110のIDからなる組み合わせ、が挙げられる。以下、第1の情報を、HF送信機110自体を特定可能な機器情報としたときを例にして説明する。
【0028】
第1信号に含まれる機器情報は、自HF送信機110と他のHF送信機110とを識別できる識別子で構成される。HF送信機110が固定配置されている場合、HF送信機110自体を特定できるということは、HF送信機110の位置も特定できるということになる。例えば、情報収集サーバ140において、機器情報で特定されるHF送信機110に、そのHF送信機110の位置が対応付けられている場合、機器情報によってHF送信機110の位置を一意に特定することができる。さらに、機器情報は、HF送信機110が配置された緯度、経度を示す数値や、国、県、市等地域単位で配置された複数のHF送信機110に共通に付された識別子等、位置を直接的に示す情報であってもよい。ここで、「位置」は、絶対的な位置のみならず、相対的な位置またはコンピュータ等における仮想的な位置等も含んでいる。
【0029】
また、第1信号を定期的に送信するとは、機器情報を含む有効データのみを第1信号として所定の周期で間欠的に送信したり、HF送信機110の存在を無線通信端末120に把握させるべく、第1信号として搬送波のみを継続的に送信し、その間に所定の周期で機器情報を含む有効データを間欠的に重畳する場合を含む。
【0030】
無線通信端末120は、RFタグやRFIDで形成され、移動可能な様々な被搭載物(例えば、荷物、パレット、コンテナ、カード、携帯電話等)に組み込まれ、HF送信機110で送信された第1信号を受信し、第1信号と搬送波の周波数が異なる第2信号をUHF受信機130に送信(発信)する。また、無線通信端末120は、所定の情報である第2の情報、例えば自無線通信端末120または自無線通信端末120を含むグループを一意に特定可能な端末情報を有する。無線通信端末120は、HF送信機110で送信された第1信号に含まれる機器情報と、当該端末情報との組み合わせをUHF受信機130に送信することで、その機器情報で特定されるHF送信機110の通信エリア内に自無線通信端末120が位置していることを、情報収集サーバ140に認識させることができる。
【0031】
また、第1信号の変調方式として、例えば、10%ASK(Amplitude Shift Keying)変調方式(%は変調度を示す。)や30%ASK変調方式を2値で表したOOK(On Off Keying)変調方式、または、PPM(Pulse Position Modulation)変調方式を用いることができる。上述したパッシブタイプの無線通信端末120では、HF送信機110からの電力の供給を受けて動作するように構成されているので、第1信号は電力供給と信号の伝送の両方の機能を担う。したがって、限られた電力で無線通信端末120を動作させなければならない。ここでは、比較的簡易な構成で変復調を実現可能なOOK変調方式やPPM変調方式を用いることで、消費電力の低減を図ることが可能となる。
【0032】
このような変調方式およびデータフォーマットはISO(International Organization for Standardization)で規定され、世界的に標準化が進んでいる。これらのパッシブタイプの無線通信端末120は、第1信号に基づく電力以外の給電がないので、自無線通信端末120を動作するための電力を確保した上での受信距離は数cmから数十cm程度となる。これに対し、本実施形態のようなアクティブタイプの無線通信端末120では、アンプが付加されており受信した第1信号が増幅されるので、HF送信機110から無線通信端末120まで(下り方向)の受信距離は数mから数十m程度にまで延長される。
【0033】
UHF受信機130は、UHF(Ultra HF)の無線受信回路を有し、無線通信端末120で送信された第2信号を受信する。UHFの無線受信回路は、電磁界を通じ、例えば、315MHz、433MHz、950MHzといった電波を受信している。また、UHF受信機130は、第2信号を受信する機能に加え、信号を送信する機能を備えていてもよく、無線通信端末120が送受信のいずれにも対応している場合、無線通信端末120に対して情報を提供することもできる。
【0034】
また、HF送信機110が10m程度の通信距離(下り)を想定しているのに対し、UHF受信機130は、UHFを利用しているため、それより長い100m程度の通信距離(上り)を実現できる。したがって、UHF受信機130の配置密度をHF送信機110より低くすることができる。
【0035】
情報収集サーバ140は、インターネットや専用回線といった通信網142を通じて複数のUHF受信機130と接続され、UHF受信機130から、UHF送信機110に関する機器情報と無線通信端末120に関する端末情報との組み合わせを収集し、無線通信端末120が存在するHF送信機110の通信エリア、即ち、無線通信端末120の位置を特定する。
【0036】
上述した無線通信システム100において、移動可能な被搭載物に組み込まれた無線通信端末120では、通信距離が短いが比較的多く設置されているHF送信機110から第1信号を受信し(図1中、実線矢印で示す。)、自無線通信端末120の端末情報を加えて、通信距離が長いUHF受信機130に送信している(図1中、破線矢印で示す。)。
【0037】
このように、無線通信システム100は、無線通信端末120を基準に、上りと下りの通信経路を異ならせることで、UHF受信機130の負荷をHF送信機110にも分散することが可能となり、従来におけるUHF受信機のみを配する構成のように、UHF受信機からの呼びかけに対して、その近辺に存在する無線通信端末が一斉に応答したときの電波干渉を原因とした通信エラーが解消される。また、結果として、送受信のタイミングが分散され無線信号同士の衝突が回避されて無線通信システム100のスループットも向上する。
【0038】
さらに、従来のUHF受信機のみの構成では、UHF受信機による広い通信エリア内における無線通信端末の移動を把握することができなかったが、本実施形態では、HF送信機110による狭い通信エリア間を跨いたことが、機器情報の違いによって認識されるため、無線通信端末120のより短い距離の移動まで把握することが可能となった。また、無線通信システム100のネットワーク上に、一度、UHF受信機130を敷設さえすれば、後は、比較的安価なHF送信機110の増設や減設によって無線通信システム100全体の通信エリアを自由に拡縮することができる。
【0039】
(無線通信端末120)
図2は、無線通信端末120の概略的な機能を示した機能ブロック図であり、図3は、無線通信端末120の外観を例示した外観図である。図2に示すように、無線通信端末120は、アクティブタイプに形成され、第1アンテナ150と、復調回路152と、変調回路154と、第2アンテナ156と、電力供給部158と、メモリ160と、タイマ162と、制御回路164とを含んで構成されている。
【0040】
第1アンテナ150は、図3に示すように、プリント基板180上に数ターン巻回されたコイルで構成され、変調された第1の情報を含む第1信号を受信する。仮に、40kHzといった低い周波数では、アンテナの形状が比較的大きくなり、周囲のノイズを拾いやすいが、本実施形態では、13.56MHzのHFを利用しているので、このような数ターンのコイルのみでアンテナを実現することが可能となる。
【0041】
復調回路152は、受信アンプ182、カップリングコンデンサ184、BPF(Band Pass Filter)186、整流器188、第1LPF(Low Pass Filter)190、コンパレータ192、第2LPF194を含み、第1アンテナ150で受信した無線信号中の第1信号を復調する。
【0042】
受信アンプ182は、入力された無線信号を比較的低いゲインで増幅する。これにより、HF送信機110の出力電力が200mW程度であっても、受信距離を10m程度まで延長できる。一般的にHF送信機110の電波強度は、10m離隔した位置で47mV/m以下であり、受信アンプ182でわずかに増幅することでこのような10mもの受信距離を実現できる。また、受信距離は、その用途に応じて、HF送信機110の出力電力や、第1アンテナ150のアンテナゲイン、受信アンプ182のアンプゲインを増減することで、適切な値に設定することができる。例えば、長距離の通信を要する、コンテナ単位の位置管理では受信距離を十数m以上に設定し、物流で利用されるパレット単位の位置管理では数m程度に設定する。
【0043】
カップリングコンデンサ184は、入力された無線信号の直流成分をカットする。無線通信端末120の通信に利用される周波数が、仮に40kHzのように低いと、カップリングコンデンサの容量が大きくなる。この場合に、復調回路152の間欠動作を実行するため、電力供給部158による電力の供給をオンオフすると、投入時の突入電流が大きくなると共に、受信アンプ182が正常に動作するまでの整定時間が長くなり、電力の供給を停止している時間を長く確保することができなくなる。本実施形態では、13.56MHzのHFを利用しているので、カップリングコンデンサ184の容量を小さくすることができ、受信アンプ182の整定時間も短くなるので、電力の供給を停止している時間を長く確保することが可能となる。
【0044】
BPF186は、無線信号から13.56MHzを中心とした予め定められた帯域を通過させ、第1信号を抽出する。整流器188は、抽出された第1信号を整流し、第1LPF190や第2LPF194との組み合わせにより第1信号の包絡線を生成する。第1LPF190は、整流された第1信号を平滑化する。コンパレータ192は、平滑化された第1信号を所定の閾値と比較して、第1信号を2値化する。本実施形態においては、OOK変調方式やPPM変調方式が採用されているため、コンパレータ192は、第1信号の2段階の振幅の差さえ判別できればよい。しかし、第1LPF190や第2LPF194から出力された信号は、無線通信端末120の受信感度が低かったり、消費電力が多いと、振幅が小さくなってしまい、コンパレータ192で判別し難くなる。本実施形態においては、受信アンプ182による受信感度の維持と、後述する復調回路152および制御回路164の間欠動作による消費電力の低減とを通じて、第1信号の振幅を維持し、データの誤認識を回避している。
【0045】
第2LPF194は、第1LPF190同様、整流された第1信号を平滑化する。ただし、第1LPF190が、復調された第1信号を制御回路164に正確に読み取らせるのを目的としているのに対し、第2LPF194は、信号の変化タイミングを制御回路164に正確に取得させるのを目的としている。このため、第2LPF194は、整定時間による遅延を回避すべく第1LPF190よりカットオフ周波数が高く設定されている。
【0046】
変調回路154は、制御回路164において加工された情報、例えば、機器情報および端末情報を、第2アンテナ156を通じ、例えば、950MHzのUHFを利用してUHF受信機130に送信する。第2アンテナ156は、ヘリカルアンテナで構成され、電磁界による電波を送出する。なお、本実施例では、第1アンテナ150と第2アンテナ156を別体として構成しているが、同体として構成してもよい。すなわち、第1アンテナ150から受信して抽出した情報に変調を加え、第1アンテナ150から送信してもよい。第1アンテナ150と第2アンテナ156を同体とする構成にすることは、当業者であれば自明である。
【0047】
電力供給部158は、一次電池または二次電池を含んで構成され、HF送信機110で送信される第1信号に基づく電力を、電池の電力で補いながら、復調回路152、変調回路154、メモリ160、タイマ162、制御回路164等に電力を供給する。したがって、第1信号に基づく電力の供給がない状況下であっても、復調処理や変調処理が可能である。ただし、復調回路152および変調回路154には、スイッチ196a、196bを介して接続されており、スイッチ196a、196bは制御回路164によってオンオフ制御される。
【0048】
メモリ160は、ROM、RAM、EEPROM、フラッシュメモリ等で構成され、本実施形態を遂行するための制御プログラムおよび端末情報を保持する。また、メモリ160は、第1信号から読み取った機器情報を一時的に保持する。
【0049】
タイマ162は、制御回路164から出力される複数のタイマ用クロック(アナログクロック、メインクロック、サブクロック)から1のタイマ用クロックを選択して、そのタイマ用クロックを計数する。ここで、アナログクロックは、制御回路164に外付けされた水晶発振器を源振とするクロックである。メインクロックは、制御回路164内で生成され、制御回路164のコア部分である、オンオフ制御部170、情報抽出部172、送信制御部174を動作するクロックであり、以下、制御回路164の動作クロックとして説明に用いる場合、制御回路用クロックと呼ぶこともある。制御回路は、このような制御回路用クロック(メインクロック)に同期して動作する。サブクロックは、制御回路164内で生成され、制御回路164に内蔵されたペリフェラル、例えば、シリアル通信、タイマ制御等を制御するためのクロックである。なお、本実施形態では、アナログクロックは32kHz、メインクロックやサブクロックは8MHzで動作するとしている。
【0050】
電池により駆動されることが想定される消費電力が比較的低い制御回路164は、通常、複数の低消費電力モードが準備されており、その低消費電力モードの設定により、アナログクロック、メインクロック、サブクロックを停止できる。本実施形態の間欠動作は、例えば、制御回路164へのメインクロックおよびサブクロックの供給を停止し、アナログクロックのみを動作させ、タイマ162は、かかるアナログクロックを計数し、計数した値が予め定められた値に到達したとき、割込のためのオーバーフロー信号を生成する。
【0051】
ただし、制御回路164の割込端子aには、タイマ162のオーバーフロー信号以外にも、復調された第1信号も入力されており、制御回路164は、オーバーフロー信号または第1信号のエッジに基づく信号を契機に割り込み処理を発生させる。
【0052】
また、上述したアナログクロック、メインクロック、サブクロック以外にもタイマ用クロックとして、外部発振器やクロック形成回路で形成されるクロックを用いることもできる。かかる外部発振器やクロック形成回路の本実施形態の適用に関しては、後ほど詳述する。
【0053】
制御回路164は、MCUを含む半導体集積回路で構成され、ROMから自制御回路164を動作させるための制御プログラムや各パラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して無線通信端末120全体を管理および制御する。また、制御回路164は、割込信号によって動作を開始する、オンオフ制御部170、情報抽出部172、送信制御部174として機能する。以下では、まず、本実施形態の必要性(前提部分)を述べ、その後で、制御回路164中の各機能部を詳述する。
【0054】
本実施形態の前提は、所定の周期で間欠的にオンオフ制御部170が起動して復調回路152をオンしたら、制御回路用クロックが停止し、オンオフ制御部170が停止した上で、復調回路152が第1アンテナ150から変調信号を取り込む。そして、当該無線通信端末120内で生成される割込信号に応じて制御回路用クロック(メインクロック)が動作し、情報抽出部172が起動して第1信号から第1の情報を抽出した後(第1の情報を抽出してから、復調回路152が第1アンテナ150からの変調信号(第1信号)の次の取り込み(復調)を開始するまでの任意の時点)に、制御回路用クロックが停止する点にある。この結果、復調回路152が変調信号を取り込み復調した復調信号から第1の情報を抽出するとき、制御回路用クロック(メインクロック)の動作に伴うノイズが重畳しないので、無線通信端末の大型化を招くことなく、S/N比を改善できるという効果が得られる。
【0055】
ところで、上述したように、無線通信端末120の小型化、低コスト化の要請に伴う、アクティブタイプの無線通信端末120では、電池の外形を小さくするため、また、長時間動作させるために、無線通信端末120の低消費電力化が求められている。かかる低消費電力化を実現するために、消費電力が比較的高い、復調回路152や変調回路154の間欠動作が実行されることが望ましい。
【0056】
ただし、間欠周期を長くとると平均の消費電流は低減されるものの、無線通信端末120がHF送信機110を受信できる範囲を通過する速度に制約が生じる。即ち、復調回路152が停止している間に、無線通信端末120がHF送信機110周辺を通り抜けてしまうような間欠動作では、無線通信端末120がHF送信機110と通信を行うという本来の役割を果たせなくなる。したがって、消費電力を低減する目的であっても極端な間欠動作を行うことはできない。
【0057】
一方、従来では、外形の制約が少なく、電磁波を受ける第1アンテナと、高周波数の矩形波で動作する制御回路との距離を離隔して配置することが可能であった。しかし、小型化や、無線通信端末の設置先の空間制限により、第1アンテナと制御回路との距離を短縮せざるを得なくなっている。
【0058】
そうすると無線通信端末内部で制御回路の動作に伴う、具体的には制御回路164のオンオフ制御部170、情報抽出部172、送信制御部174を動作するメインクロック(制御回路用クロック)の動作に伴って発生する高周波数のノイズが第1アンテナや復調回路に回り込み、S/N比や受信感度の劣化を招くことになる。例えば、HF送信機110の出力電力が200mWである場合において、制御回路における制御回路用クロックが動作していない状態では、HF送信機110からの受信距離は10m程度まで確保できるが、制御回路用クロックを動作させた途端、受信距離が1m弱まで縮まってしまう。
【0059】
これは、制御回路における制御回路用クロックの動作の有無により、HF送信機110との通信距離に約10倍の差が発生することを示し、その受信感度比をデシベルで換算すると単純に10dBにもなる。また、制御回路における制御回路用クロックの波形は矩形を成しているため、高レベルの高調波を含み、それがS/N比や受信感度をさらに劣化させる。
【0060】
図4は、復調された第1信号へのノイズの影響を説明するための説明図である。例えば、100%ASKであるPPM変調方式の変調信号を例に挙げると、無線通信端末120に入力される理想的な変調信号の波形は、図4(a)に示すように、搬送波が有る状態と搬送波が無い状態とが交互に繰り返される。復調回路152では、コンパレータを通じ、図4(a)に示す復調信号のように、その変調信号に搬送波が有る間HI(High)レベルの信号を出力し、搬送波が無い間LOWレベルを出力し、制御回路164がその復調された第1信号を読み取ってデータ化する。しかし、この復調動作の間、第1アンテナに近い位置で制御回路が動作し続けると、制御回路の動作に伴うノイズが発生し、実際の変調信号には、図4(b)のように、本来、搬送波が検出されるべきではない期間200にノイズが重畳される。
【0061】
こうして、復調回路は、コンパレータ192の閾値以上となった期間200のノイズをHIと認識してしまい、図4(b)に示す復調信号のように、本来、LOWとHIを繰り返すはずの復調された第1信号が、HIに固定されてしまう。ここで、復調された第1信号の読み取り動作(制御回路の動作)を継続しつつ、図4(a)のような本来の復調信号を得るためには、S/N比が確保できる受信距離、例えば、1m弱まで距離を縮めざるを得なくなる。
【0062】
また、制御回路164は、復調回路を間欠的に動作する場合、一例として以下のような手順を踏む。即ち、間欠周期が到来すると、制御回路は、復調回路をオンし、第1信号が整定すると、第1信号の搬送波の有無を判定し、搬送波が有ると判定すると、第1信号を復調した後、復調回路を停止する。また、搬送波が無いと判定すると、すぐに復調回路を停止する。
【0063】
ここで、第1アンテナ150と制御回路164との配置によって、S/N比が劣化し、図4(b)で示したように、本来の復調信号に正しく復調されなかった場合、制御回路は、実際には第1信号の搬送波が無い場合であっても、搬送波が有ると誤認識してしまい、誤って第1信号の復調を開始し、消費電力を無駄に費やす結果を招いていた。
【0064】
このような復調された第1信号に対する制御回路164の動作の影響を回避すべく、第1アンテナと制御回路との配置を工夫しようにも、近年望まれている無線通信端末の外形では配置を自由に変更できず、制御回路の動作に伴うノイズを配置的に回避するのは難しい。また、制御回路の周囲をシールドし、ノイズの漏洩を防止する加工も可能であるが、さほどの効果を得ることができない。そうすると、折角、受信アンプを付加し、受信感度に関して受信距離を延長したにも拘わらず、S/N比の劣化を通じて受信距離が短くなってしまい、受信アンプの優位性が失われてしまう。
【0065】
このような状況下において、復調された第1信号を読み取り、データ化するデコード機能をハードウェア的に制御回路から分離し、そのデコード機能と復調回路とを合わせてカスタムチップ化し、復調時には、そのカスタムチップのみを動作させるようにすれば、制御回路を停止することができるので、制御回路の動作に伴うノイズの問題も生じ難くなると考えられる。しかし、その場合は、カスタムチップの製作等、膨大なコストを要することになる。
【0066】
そこで、本実施形態では、復調回路152や変調回路154を間欠動作させる。制御回路164には、復調回路152や変調回路154を動作させるための最低限の処理(復調回路152のオンオフ制御、復調された第1信号を読み取って機器情報を抽出する処理、または、抽出された機器情報と自無線通信端末120を特定する端末情報とを送信するための送信制御)のみを実行させ、それ以外は制御回路164を停止して割込信号の待ち状態に移行させる。即ち、復調回路152や変調回路154を間欠動作させている間に、さらに、それより短い時間、制御回路164も間欠動作させる。
【0067】
図5〜7は、復調回路152、制御回路164、変調回路154の間欠動作を説明するためのタイミングチャートである。特に、図5、図6は、OOK変調方式、図7はPPM変調方式における間欠動作を示している。ここでは、仮に、HF送信機110が、HF送信機110の存在を無線通信端末120に把握させるべく、第1信号として搬送波のみを継続的に送信し、所定の周期、例えば約30msec毎に約5msec(例えば、40μsec×128bit)分だけ、機器情報を含む有効データを重畳する。
【0068】
ここでは、まず、復調回路152を間欠動作するための間欠周期(以下、単に間欠周期とした場合、復調回路152を間欠動作するための周期(例えば、30msec)をいう。)が定められ、タイマ162に設定される。間欠周期は、無線通信端末120の想定される移動速度と、有効データの必要な取得頻度とによって決定される。制御回路164の機能部である、オンオフ制御部170、情報抽出部172、送信制御部174は、割込信号を契機に動作する。割込信号としては、上述したタイマ162が予め定められた値に到達したとき発生するオーバーフロー信号や、復調された第1信号におけるエッジに基づく信号を用いる。
【0069】
本実施形態において、第1信号の搬送波を検出してはいるが、その一部である有効なデータを検出していない状態において、コンパレータ192からはHIレベルが出力されるので、有効データの開始信号は、第1信号がHIからLOWに立ち下がるエッジに基づく信号を通じて判別される。
【0070】
オンオフ制御部170は、復調回路152をオンオフするオンオフ制御を実行する。具体的に、オンオフ制御部170は、タイマ162において間欠周期に基づくオーバーフロー信号が生じると(図5(a)時点t1)起動し、復調回路152を、スイッチ196aを通じてオンし、受信アンプ182およびコンパレータ192が起動する前に、速やかに制御回路164自体を停止する。かかる停止は、制御回路164における制御回路用クロックの停止であり、割込信号を受け付けるため制御回路164の電源自体は継続的にオンしている。受信アンプ182およびコンパレータ192の起動時間は大凡250μsec程度なので、オンオフ制御部170は、十分余裕を持って制御回路164を停止(正確には制御回路用クロックを停止)することが可能である。
【0071】
すなわち、所定の周期で間欠的にオンオフ制御部170が起動して復調回路152をオンしたら、制御回路用クロックが停止し、オンオフ制御部170が停止した上で、復調回路152が第1アンテナ150から変調信号を取り込む。
【0072】
本実施形態では、制御回路164が必要な処理を完了すると自制御回路164を速やかに停止するのみならず、復調回路152や変調回路154を間欠的に動作させることにより、消費電力をさらに低減することができる。
【0073】
続いて、オンオフ制御部170は、第1信号が整定するタイミング(図5(a)時点t2)で起動し、第1信号の搬送波の有無を判定し、搬送波が有ると判定すると、図5(a)、(b)に示すように、第1信号を復調した後、復調回路152を停止し、搬送波が無ければ、次回の間欠周期まで有効データの取得を見込めないとみなして、図6に示すように、すぐに復調回路152を停止して、次回の間欠周期の到来を待つ。こうして、復調回路152、制御回路164、変調回路154に費やされる消費電力を低減する。
【0074】
情報抽出部172は、復調された第1信号を読み取って機器情報を抽出する処理を実行する。
【0075】
オンオフ制御部170が、第1信号が整定するタイミング(図5(a)時点t2)で第1信号の搬送波の有無を判定し、搬送波が有ると判定すると、制御回路164を停止させて第1信号の有効データを待つ待機状態に移行する。そして、情報抽出部172は、割込信号としての、復調された第1信号における有効データの開始信号を示すエッジに基づく信号(ここでは、HIに維持された第1信号の立ち下がり信号)を受けて(図5(b)時点t3)、有効データの読み取り処理を開始する。
【0076】
情報抽出部172は、有効データを読み取る前に、まず、その有効データの認証を行う。有効データは、例えば1ビット40μsecで送られるが、その先頭には認証のため、時間幅の異なる、例えば33.76μsecのパルスが設けられている。情報抽出部172は、最初のエッジに基づく信号(図5(b)時点t3)を受けて起動し、タイマ162のカウント値を読んでメモリ160に保持し、速やかに制御回路164自体を停止する。
【0077】
そして、情報抽出部172は、2回目のエッジに基づく信号(図5(b)時点t4)を受けて起動し、タイマ162のカウント値を再読し、メモリ160に保持してあるカウント値との差分が33.76μsecと一致しているか否か確認する。ここで、カウント値との差分が33.76μsecであると判断できれば、OOK変調方式に基づいて、有効データの開始信号を基準にした、予め定められたデータ取得周期と回数をタイマ162に設定し、速やかに制御回路164自体を停止する。
【0078】
ここで、カウント値との差分が33.76μsecと一致していない場合、その信号が搬送波の周波数は同じであるが本実施形態では想定していない他の信号であるか、または、第1信号の有効データが送信されている間に復調回路152が起動し、有効データの途中のエッジに基づく信号によって情報抽出部172が反応してしまったと考えられる。したがって、情報抽出部172は、カウント値との差分が33.76μsecと一致していない場合、その間欠周期における機器情報を抽出する処理をキャンセルすればよい。
【0079】
ここでは、有効データが固定長であることを前提にデータ取得周期と回数をタイマ162に設定しているが、可変長であった場合、データ取得周期のみをタイマ162に設定し、情報抽出部172が上述した有効データの先頭に設けられた認証データに相当する有効データの終了を示す認証データを検出して、タイマ162を停止する。
【0080】
以後、情報抽出部172は、タイマ162によるオーバーフロー信号待ち状態に移行し、変調信号のビットレートに合わせて設定したデータ取得周期に到達する度に、タイマ162によるオーバーフロー信号を受けて(図5(b)時点t5〜時点t10)起動し、制御回路164の読取端子bを通じて第1信号から復調信号を1ビット単位で読み取り、その都度、速やかに制御回路164自体を停止する。こうすることで、第2LPF194を通過した第1信号には制御回路164の動作に伴うノイズの影響が及ばないため、本来の第1信号の値を正確に読み取ることができる。情報抽出部172は、その有効データを全て読み取ると(図5(b)時点t10)、その最後のビットを読み取った後、復調回路152をオフする。このようにして、情報抽出部172は、第1信号から機器情報を抽出する。
【0081】
すなわち、当該無線通信端末120内で生成される割込信号に応じて制御回路用クロック(メインクロック)が動作し、情報抽出部172が起動して第1信号から第1の情報を抽出した直後に、制御回路用クロックが停止する。
【0082】
かかる情報抽出部172の構成により、本実施形態の無線通信端末120は、新たなカスタムチップの追加を伴うことなく、既存の制御回路164を用いて機器情報を含む復調信号を抽出できる。
【0083】
また、本実施形態の無線通信端末120は、所定の周期で間欠的にオンオフ制御部170が起動して復調回路152をオンしたら、制御回路用クロックが停止し、オンオフ制御部170が停止した上で、復調回路152が第1アンテナ150から変調信号を取り込む。そして、当該無線通信端末120内で生成される割込信号に応じて制御回路用クロック(メインクロック)が動作し、情報抽出部172が起動して第1信号から第1の情報を抽出した直後に、制御回路用クロックが停止する。このように本実施形態の無線通信端末120は、第1信号に制御回路164の動作に伴うノイズの影響が及ばないため、S/N比の劣化を回避し、受信距離の延長や小型化を図られる。そして、本実施形態の無線通信端末120は、制御回路用クロック(メインクロック)を停止して制御回路164を間欠動作させるので、低消費電力化により長時間の利用が可能となる。
【0084】
さらに、本実施形態の無線通信端末120は、カスタムチップの追加を回避できるのみならず、S/N比を確保しつつ、制御回路164と第1アンテナ150との距離を短くすることも可能である。例えば、制御回路164と第1アンテナ150は、図3のように、小型かつ立体的に形成されたプリント基板180に隣接する形で各素子を配置することができ、小型化、軽量化の要望を満たすことが可能となる。
【0085】
送信制御部174は、抽出された機器情報と無線通信端末120自体を特定する端末情報とを送信するための送信制御を実行する。上述したように、情報抽出部172は、その有効データを全て読み取ると、その最後のビットを読み取った後、復調回路152をオフする。このとき、送信制御部174は、復調回路152をオフすると共に、スイッチ196bを通じて、変調回路154をオンし(図5(b)時点t11)、機器情報と端末情報とを変調回路154に送信させ、その送信完了(図5(b)時点t12)をもって、変調回路154をオフする。そして、送信制御部174は、速やかに制御回路164自体を停止する。
【0086】
ここで、変調回路154の動作時には、制御回路164を間欠動作させていないが、既に復調信号は抽出済みなので、ノイズの問題は生じない。また、変調回路154が送信完了を示す信号を出力できる場合、または、送信完了すると自動的に変調回路154自体を停止できる機能を有する場合、送信制御部174は、復調回路152同様、変調回路154をオンした後、制御回路164自体を速やかに停止することができる。制御回路164は、上述したオンオフ制御部170または送信制御部174のうち、少なくともいずれか1つの処理を割込信号に応じて間欠的に行っている。
【0087】
ここでは、送信制御部174が、情報抽出部172が機器情報を抽出する度に機器情報と端末情報とを送信するとしたが、かかる場合に限られず、例えば、機器情報が等しいうちは、即ち、受信対象となるHF送信機110が等しいうちは、情報収集サーバ140が、無線通信端末120の位置(通信エリア)も変わっていないと判定するため、機器情報と端末情報とを毎回送信しないとしたり、等しい機器情報が予め定められた数だけ受信されたときにはじめて送信したり、送信回数やタイミングを自由に設定することができる。かかる構成により、不要なデータ送信を排除し、さらなる消費電力の低減を図ることが可能となる。
【0088】
次に、図7を用いてPPM変調方式における間欠動作を説明する。OOK変調方式と実質的に等しい動作に関しては、重複説明を省略し、ここでは、動作が異なる部分のみを説明する。
【0089】
オンオフ制御部170は、OOK変調方式同様、復調回路152のオンオフ制御を実行する。情報抽出部172は、復調された第1信号を読み取って機器情報を抽出する処理を実行する。
【0090】
具体的に、情報抽出部172は、2回目のエッジに基づく信号(図7(b)時点t4)を受けて起動し、有効データの認証を行う。ここで、有効データが認証されれば、PPM変調方式に基づいて、タイマ162のカウント値を読んでメモリ160に保持し、速やかに制御回路164自体を停止する。
【0091】
以後、情報抽出部172は、第1信号の立ち下がりエッジに基づく信号による割込待ちに移行し、第1信号の立ち下がりエッジに基づく信号を検出する度(図7(b)時点t5〜時点t10)に、タイマ162のカウント値を読んで、メモリ160に保持された前回値との差を算出し、その差に応じてビット値を判定し(キャプチャモード)、その都度、速やかに制御回路164自体を停止する。こうすることで、第2LPF194を通過した第1信号には制御回路164の動作に伴うノイズの影響が及ばないため、本来の第1信号の値を正確に読み取ることができる。情報抽出部172は、その有効データを全て読み取ると(図7(b)時点t10)、その最後のビットを読み取った後、復調回路152をオフする。このようにして、情報抽出部172は、第1信号から機器情報を抽出する。送信制御部174は、OOK変調方式同様、抽出された機器情報と無線通信端末120自体を特定する端末情報とを送信するための送信制御を実行する。
【0092】
このように、PPM変調方式であっても、OOK変調方式同等の効果を得ることができ、新たなデコード回路の追加を伴うことなく、S/N比の劣化を回避し、受信距離の延長や小型化を図ると共に、低消費電力化により長時間の利用が可能となる。
【0093】
ここで、タイマ用クロックについて、具体的に述べる。図2に示したように、タイマ162は、制御回路164から出力される複数のタイマ用クロック(アナログクロック、メインクロック、サブクロック)から1のタイマ用クロックを選択して、そのタイマ用クロックを計数する。また、制御回路164のコア部分はメインクロックによって動作し、また、制御回路164に内蔵されたペリフェラルはサブクロックによって動作する。
【0094】
しかし、通信を停止している通常時は、消費電力を低減すべく、制御回路164を動作するメインクロックおよびサブクロックをいずれも停止し、アナログクロックのみを有効にしている。従って、タイマ162は、アナログクロックに基づいて間欠周期を計数し、間欠周期に到達すると、オーバーフロー信号により制御回路164に割込をかけ(図5(a)または図7(a)時点t1)、復調回路152をオンする。
【0095】
制御回路164は割込後に、メインクロックおよびサブクロックを有効化するが、上述した処理が終了する毎にメインクロックおよびサブクロックを再度無効化して制御回路164自体の制御回路用クロックを停止する。
【0096】
しかし、アナログクロックは、その周期が30μsec以上あるので、OOK変調方式やPPM変調方式の転送速度によっては、適切にビット値を取得できない場合がある。上述した例では、OOK変調方式おいて、40μsecの周期で任意の時点のビット値を検出できなければならず、また、PPM変調方式において、8μsecといった短いパルスを判定しなければならない。
【0097】
そこで、制御回路164におけるメインクロックとサブクロックのうち、メインクロックのみを停止し、サブクロックは停止しないとして、間欠周期が到来すると(図5(a)または図7(a)時点t1)、制御回路164の情報抽出部172が機器情報を抽出する処理を行っている間、タイマ162は、アナログクロックの換わりに、タイマ用クロックとしてサブクロックを計数する。サブクロックは、例えば周波数8MHzといったように高速で動作しているので、OOK変調方式やPPM変調方式の転送速度が速い場合においてもビット値を適切に取得できる。
【0098】
サブクロックは、その対象とするペリフェラルの消費電力も少なく、メインクロックと比較して、復調回路152への影響が非常に小さい。したがって、サブクロックを継続して動作させたとしてもノイズの問題は生じない。そして、送信制御部174が機器情報と端末情報とを変調回路154に送信させ、送信完了すると(図5(b)または図7(b)時点t12)、タイマ162は、タイマ用クロックとして、再びアナログクロックを計数する。
【0099】
また、その他の例として、無線通信端末120が、アナログクロックより周波数が高いクロックを生成する外部発振器210をさらに備えるとし(図2中一点鎖線で示す。)、タイマ162は、制御回路164の情報抽出部172が機器情報を抽出する処理を行っている間、タイマ用クロックとして、外部発振器210によって生成されたクロックを計数してもよい。このように、そもそも他の回路に利用されるために存在しているため周波数を容易に変更できないアナログクロック、メインクロック、サブクロックとは別に自由に周波数を設定できる外部クロックを設けることで、OOK変調方式やPPM変調方式による通信速度の設定や変更に柔軟に対応でき、最適な周波数を設定することが可能となる。
【0100】
さらに他の例として、無線通信端末120が、第1信号または第2信号の搬送波に基づいてクロックを形成するクロック形成回路212をさらに備えるとし(図2中破線で示す。)、タイマ162は、制御回路164の情報抽出部172が機器情報を抽出する処理を行っている間、タイマ用クロックとして、クロック形成回路212によって形成されたクロックを計数することもできる。第1信号または第2信号の搬送波は、第1信号のビットが変化する周期と比べ非常に高い周波数を有している。そこで、このような搬送波をPLL(Phase Locked Loop)等で整形することで十分に高いクロックを得ることができる。
【0101】
(無線通信方法)
次に、上述した無線通信端末120を用いて無線通信を行う無線通信方法について説明する。図8は、無線通信方法の全体的な流れを示したフローチャートである。無線通信端末120では、タイマ162に復調回路152の間欠動作を行うための間欠周期が予め設定され、タイマ162は、アナログクロックを通じて、間欠周期を計数している。また、制御回路164は、クロックを計数するタイマが予め定められた値(間欠周期)に到達したとき発生するオーバーフロー信号、もしくは復調された第1信号におけるエッジに基づく信号を検出して発生する割込信号の都度、制御回路用クロックが動作し、制御回路164が起動することで各機能部が機能し、予め定められた処理が完了した後、すぐに制御回路クロックを停止している。ここでは、無線通信方法の全体的な流れを理解するため、制御回路クロックの動作および停止についてフローチャートへの記載を省略する。
【0102】
割込信号として、タイマ162によるオーバーフロー信号を受けると(S250におけるYES)、制御回路164が起動し、制御回路164のオンオフ制御部170は、復調回路152をオンし、一旦制御回路164を停止する(S252)。こうして、復調回路152を、第1信号を読み取れる状態に移行させる。そして、オンオフ制御部170は、復調回路152の受信アンプ182やコンパレータ192が起動したのを見計らい、タイマ162からの割込信号に応じて、再度、制御回路164を起動し、第1信号の搬送波の有無を判定する(S254)。
【0103】
ここで、搬送波が有ると判定されると(S254におけるYES)、情報抽出部172は、割込信号として、第1信号における有効データの開始信号を示すエッジに基づく信号を待つ(S256)。情報抽出部172は、復調回路152から、割込信号として、第1信号における有効データの開始信号を示すエッジに基づく信号を受けると(S256におけるYES)、その開始信号が正しいかどうか認証する(S258)。情報抽出部172は、開始信号認証ステップS258で認証して、それが所望する開始信号のエッジに基づく信号であれば(S258のYES)、割込信号を待って(S260)、割込信号毎に(S260におけるYES)、制御回路164を起動し、復調された一部または全部(ここでは、1ビット単位)の第1信号を読み取り、制御回路164を停止する(S262)。
【0104】
情報抽出部172は、第1信号における有効データを全て読み取ったか否か判定し(S264)、まだ読み取り終えていないと判定すると(S264におけるNO)、速やかに制御回路164自体を停止し、割込信号の待ち状態S260からの処理を繰り返す。全て読み取ったと判定されると(S264におけるYES)、その最後のビットを読み取った後、機器情報を抽出し(S266)、復調回路152をオフし(S268)、変調回路154をオンして(S270)、抽出された機器情報と端末情報とを変調回路154を通じて送信し(S272)、変調回路をオフする(S274)。
【0105】
また、搬送波判定ステップS254において、搬送波が無いと判定されると(S254におけるNO)、次回の間欠周期まで有効データの取得を見込めないとみなして、復調回路152をオフすると共に、速やかに制御回路164自体を停止する(S276)。
【0106】
同様に、開始信号認証ステップS258において、認証した信号が所望する開始信号のエッジに基づく信号でなければ(S258のNO)、有効データの取得を見込めないとみなして、復調回路152をオフすると共に、速やかに制御回路164自体を停止する(S276)。
【0107】
かかる無線通信方法を用いても、新たなデコード回路の追加を伴うことなく、S/N比の劣化を回避し、受信距離の延長や小型化を図ると共に、低消費電力化により長時間の利用が可能となる。
【0108】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0109】
上述した実施形態においては、第1信号から機器情報を抽出し、それに端末情報を加えて第2信号として送信する例を挙げた。しかし、本実施形態の効果は、第1信号から情報を抽出する処理において奏され、第2信号の送信を要さない。
【0110】
そこで、本実施形態の変形例として、例えば、送信元の機器から、変調された第1の情報を含む第1信号を受信する第1アンテナ150と、第1アンテナ150で受信した第1信号を復調する復調回路152と、復調回路152をオンオフするオンオフ制御部170と、復調された第1信号から第1の情報を抽出する情報抽出部172と、を有する制御回路用クロックに同期して動作する制御回路164とを備え、当該無線通信端末120内で生成される割込信号に応じて制御回路用クロックが動作し、情報抽出部172が起動して第1信号から第1の情報を抽出した直後に、制御回路用クロックが停止する無線通信端末120も提供される。かかる無線通信端末120では、第1信号から機器情報を取得し、それを所定の条件に応じて判定することで、例えば、予め定められたHF送信機110に近づくことで、無線通信端末120に設けられたLEDを緑色や赤色に点灯させたり、ブザーを鳴らしたりすることが可能である。
【0111】
また、上述した実施形態においては、主としてアクティブタイプの無線通信端末120を説明したが、パッシブタイプにも適用可能である。
【0112】
なお、本明細書の無線通信方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、無線通信端末、無線通信方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0114】
110 …HF送信機
120 …無線通信端末
130 …UHF受信機
150 …第1アンテナ
152 …復調回路
154 …変調回路
156 …第2アンテナ
158 …電力供給部
162 …タイマ
164 …制御回路
170 …オンオフ制御部
172 …情報抽出部
174 …送信制御部
210 …外部発振器
212 …クロック形成回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信元の機器から、変調された第1の情報を含む第1信号を受信する第1アンテナと、
前記第1アンテナで受信した前記第1信号を復調する復調回路と、
前記復調回路をオンオフするオンオフ制御部と、復調された前記第1信号から前記第1の情報を抽出する情報抽出部と、抽出した該第1の情報と自無線通信端末に関する第2の情報とを送信する送信制御部と、を有する、制御回路用クロックに同期して動作する制御回路と、
前記第1の情報および前記第2の情報を変調し、第2アンテナを通じて送信する変調回路と、
を備え、
当該無線通信端末内で生成される割込信号に応じて前記制御回路用クロックが動作し、前記情報抽出部が起動して前記第1信号から前記第1の情報を抽出した後に、前記制御回路用クロックが停止する、
ことを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
前記第1信号から前記第1の情報を抽出した後とは、前記第1の情報を抽出してから、前記復調回路が前記第1信号の次の復調を開始するまでの任意の時点であることを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
間欠的に前記オンオフ制御部が起動して前記復調回路をオンし、前記制御回路用クロックが停止する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記制御回路は、オンオフ制御部または送信制御部のうち、少なくともいずれか1つの処理を前記割込信号に応じて間欠的に行う、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無線端末。
【請求項5】
前記割込信号は、タイマ用クロックを計数するタイマが予め定められた値に到達したとき発生するオーバーフロー信号、または、前記復調された第1信号におけるエッジに基づく信号であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無線通信端末。
【請求項6】
前記復調された第1信号におけるエッジに基づく信号は、該復調された第1信号における有効データの開始信号を示すエッジに基づく信号を含むことを特徴とする請求項5に記載の無線通信端末。
【請求項7】
前記タイマは、前記情報抽出部が前記第1の情報を抽出する処理を行っている間、前記タイマ用クロックとして前記制御回路のペリフェラル動作に用いられるサブクロックを計数することを特徴とする請求項5または6に記載の無線通信端末。
【請求項8】
前記制御回路に供給されるアナログクロックより周波数が高いクロックを生成する外部発振器をさらに備え、
前記タイマは、前記情報抽出部が前記第1の情報を抽出する処理を行っている間、前記タイマ用クロックとして、前記外部発振器によって生成されたクロックを計数することを特徴とする請求項5または6に記載の無線通信端末。
【請求項9】
前記第1信号または第2信号の搬送波に基づいてクロックを形成するクロック形成回路をさらに備え、
前記タイマは、前記情報抽出部が前記第1の情報を抽出する処理を行っている間、前記タイマ用クロックとして、前記クロック形成回路によって形成されたクロックを計数することを特徴とする請求項5または6に記載の無線通信端末。
【請求項10】
前記第1信号の変調方式は、OOK変調方式またはPPM変調方式が用いられることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の無線通信端末。
【請求項11】
送信元の機器から、変調された第1の情報を含む第1信号を受信する第1アンテナと、
前記第1アンテナで受信した前記第1信号を復調する復調回路と、
前記復調回路をオンオフするオンオフ制御部と、復調された前記第1信号から前記第1の情報を抽出する情報抽出部と、を有する、制御回路用クロックに同期して動作する制御回路と、
を備え、
当該無線通信端末内で生成される割込信号に応じて前記制御回路用クロックが動作し、前記情報抽出部が起動して前記第1信号から前記第1の情報を抽出した後に、前記制御回路用クロックが停止する、
ことを特徴とする無線通信端末。
【請求項12】
第1アンテナで受信した、変調された第1の情報を含む第1信号を復調する復調回路と、制御回路用クロックに同期して動作し該復調回路を制御する制御回路とを有する無線通信端末によって無線通信を行う無線通信方法であって、
前記制御回路は、
当該無線通信端末内で生成された割込信号に応じて前記制御回路用クロックが動作し、前記制御回路が起動して前記復調回路をオンし、該制御回路用クロックを停止して、前記復調回路を第1信号を抽出できる状態に移行させ、
前記割込信号に応じて前記制御回路用クロックが動作し、前記制御回路が起動して復調された前記第1信号から前記第1の情報の一部または全部を抽出し、該制御回路用クロックを停止し、
前記第1の情報を抽出すると、前記復調回路をオフすることを特徴とする無線通信方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−65101(P2012−65101A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206880(P2010−206880)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】