説明

無線通信装置、通信制御装置、無線通信システム、無線通信方法および通信制御方法

【課題】リソース不足の発生を抑制することが可能な無線通信装置、通信制御装置、無線通信システム、無線通信方法および通信制御方法を提供する。
【解決手段】無線通信装置は、所定の無線多重方式を利用して基地局と通信する通信部と、時間帯情報を記憶する記憶部と、前記時間帯情報の示す時間帯において前記通信部に前記基地局と前記所定の無線多重方式を利用して通信させる制御部を備え、各無線通信装置の時間帯は複数の無線通信装置をグループ化し、通信が輻輳しないように割り当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、通信制御装置、無線通信システム、無線通信方法および通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、階層型セル構成(Hierarchical Cell Structure:HCS)を有する携帯電話システムが利用されている。この階層型セル構成は、カバレッジが広い高出力基地局(マクロセル)、およびカバレッジが狭い低出力基地局(マイクロセル)を含む。高出力基地局は、例えば一定面積毎に配置され、低出力基地局は、高出力基地局によるカバレッジ内の電波が届きにくい箇所(例えば特定の建物内)に設置される。
【0003】
また、現在も携帯電話システムの高度化が進められている。例えば、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式よりも最大通信速度の大きいHSPA(High Speed Packet Access)方式が既に実用化され、さらに高速の通信に対応するLTE(Long Term Evolution)方式も実用化が検討されている。
【0004】
このような状況では、以下の理由により、高速通信を必要とするユーザの近くにマイクロセルよりも更にカバレッジが狭い屋内用小型低出力基地局(フェムトセル:規格は標準化され、国外では既に実用化されている。)を設置する必要がある。
【0005】
(1)各端末における実効的な通信速度を高めるには、信号対雑音の比が大きい環境、つまり基地局と端末の距離が小さい通信環境が望ましい。
(2)携帯電話事業者のカバレッジとユーザ容量の拡大のためには、マクロセル基地局を増設するよりも、安価な小型低出力基地局を増設する方が、事業者にとって投資効率が良い。
(3)屋内ユーザによる高速データ通信のトラヒックを、フェムトセルからDSL等のブロードバンド網に逃がす事で、事業者コア・ネットワークの処理負荷を軽減させることが可能となる。
(4)フェムトセルによる事業者のメリットをユーザに還元することで、ユーザの通信料金を軽減する事業モデルが実現可能となる。
【0006】
なお、特許文献1には、特定の基地局への位置登録が集中することにより、端末がサービス参入時にリソース不足でサービスが受けられなくなる事態を回避するためのシステムが開示されている。このシステムにおいては、基地局が、位置登録された端末の台数を集計し、集計結果に基づいて、過剰な位置登録状態であることを示す報知情報をエリア内の端末に対して送信する。一方、端末は、受信した報知情報に基づいて、セルの状態が過剰位置登録状態にある場合にはマクロセルを選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−223447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、多種多様のデータ通信端末や通信機能を持つ家電製品が使用されるようになり、1ユーザが複数の端末を同時に使用する使い方が普及することが予想される。この場合、上記の(1)〜(4)に示したように、マクロセルとフェムトセルのサービス品質は同等ではないため、できるだけフェムトセルを使用して通信した方がユーザにも事業者にもメリットがある。したがって、フェムトセル内で既に過剰な端末が使用されているときには新規端末はマクロセルに位置登録する、という特許文献1のシステムは問題であった。
【0009】
しかし、ユーザが使用する複数の端末を無条件にフェムトセルなどの屋内低出力基地局に接続すると、端末が増えるにつれてリソース不足の発生率が増加してしまう。例えば、同じセルに登録した複数の端末間(1対1の場合や1対複数の場合)でデータ通信を行う場合、同時に使用端末数分のリソース要求が一つのセルに出されるため、リソース不足になる確率が高まる。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、リソース不足の発生を抑制することが可能な、新規かつ改良された無線通信装置、通信制御装置、無線通信システム、無線通信方法および通信制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、所定の無線多重方式を利用して基地局と通信する通信部と、時間帯情報を記憶する記憶部と、前記時間帯情報の示す時間帯において前記通信部に前記基地局と前記所定の無線多重方式を利用して通信させる制御部と、を備える無線通信装置が提供される。
【0012】
前記時間帯情報の示す時間帯は、周期的に繰り返される時間枠において複数の無線通信装置に重複しないように割当てられた時間帯であってもよい。
【0013】
前記時間帯情報の示す時間帯における前記通信部と前記基地局の通信は、前記無線通信装置の前記基地局への位置登録および位置登録解除を含んでもよい。
【0014】
前記通信部は、前記時間帯情報の示す時間帯において、不特定の基地局と通信してもよい。また、前記時間帯情報はユーザにより設定されてもよい。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線通信装置と所定の無線多重方式で通信する基地局と通信する通信部と、複数の無線通信装置の識別情報の各々と時間帯情報を対応付けて記憶する記憶部と、前記無線通信装置宛てのデータを、前記無線通信装置と対応付けられている時間帯情報の示す時間帯内において、前記通信部に前記基地局を介して前記無線通信装置へ向けて送信させる制御部と、を備える通信制御装置が提供される。
【0016】
前記複数の無線通信装置は、1または2以上のグループのうちのいずれかに属しており、同じグループに属している無線通信装置の各々に対応する時間帯情報の示す時間帯は、周期的に繰り返される時間枠において前記同じグループに属している無線通信装置に重複しないように割当てられた時間帯であってもよい。
【0017】
前記制御部は、通信量が増加した無線通信装置に割当てる時間帯を増加させてもよい。
【0018】
前記記憶部は、前記無線通信装置宛ての、前記無線通信装置と対応付けられている時間帯情報の示す時間帯外に送信されたデータを一時的に記憶してもよい。また、前記制御部は、ユーザ操作に応じて前記時間帯情報を設定してもよい。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、所定の無線多重方式を利用して基地局と通信する第1の通信部、時間帯情報を記憶する第1の記憶部、および前記時間帯情報の示す時間帯において前記第1の通信部に前記基地局と前記所定の無線多重方式を利用して通信させる第1の制御部、を有する無線通信装置と、前記基地局と通信する第2の通信部、複数の無線通信装置の識別情報の各々と時間帯情報を対応付けて記憶する第2の記憶部、および前記無線通信装置宛てのデータを、前記無線通信装置と対応付けられている時間帯情報の示す時間帯内において、前記第2の通信部に前記基地局を介して前記無線通信装置へ向けて送信させる第2の制御部、を有する通信制御装置と、を備える無線通信システムが提供される。
【0020】
記憶媒体に記憶されている時間帯情報の示す時間帯において、所定の無線多重方式を利用して基地局と通信する、無線通信方法。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、1の無線通信装置宛ての他装置から送信されたデータを、記憶媒体に記憶されている時間帯情報の示す時間帯において、前記無線通信装置と所定の無線多重方式で通信する基地局を介して前記無線通信装置へ向けて送信する、通信制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明にかかる無線通信装置、通信制御装置、無線通信システム、無線通信方法および通信制御方法によれば、リソース不足の発生を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】データ通信システムの構成を示した説明図である。
【図2】ある携帯電話システムにおける位置登録処理の流れを示したフローチャートである。
【図3】通信制御装置の構成を示した機能ブロック図である。
【図4】スケジュール情報の一例を示した説明図である。
【図5】グループ1に属する各データ通信端末への割当て時間を模式的に示した説明図である。
【図6】データ通信端末の構成を示した機能ブロック図である。
【図7】スケジュール情報の一例を示した説明図である。
【図8】通信制御装置の動作の流れを示したフローチャートである。
【図9】データ通信端末宛てのデータの流れを示した説明図である。
【図10】データ通信端末の第1の動作例の流れを示したフローチャートである。
【図11】データ通信端末の第2の動作例の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じてデータ通信端末20A、20Bおよび20Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、データ通信端末20A、20Bおよび20Cを特に区別する必要が無い場合には、単にデータ通信端末20と称する。
【0026】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.データ通信システムの構成
2.背景
3.通信制御装置の構成
4.データ通信端末の構成
5.通信制御装置の動作
6.データ通信端末の動作
7.まとめ
【0027】
<1.データ通信システムの構成>
まず、図1を参照し、本発明の一実施形態であるデータ通信システム1の構成を説明する。
【0028】
図1は、データ通信システム1の構成を示した説明図である。図1に示したように、データ通信システム1は、通信制御装置10と、インターネットと、データ通信端末20A〜20Cと、フェムトセル基地局30Aおよび30Bと、無線ネットワーク制御装置32A〜32Cと、ISP(Internet service provider)ネットワーク34Aおよび34Bと、コア・ネットワーク36と、マクロセル基地局40と、認証サーバ50と、位置管理サーバ60と、を備える。
【0029】
マクロセル基地局40は、カバレッジが広域なマクロセルを形成し、マクロセル内のデータ通信端末20と通信する。一方、フェムトセル基地局30は、例えば家庭内のように高出力基地局の電波が届きにくい場所に設置され、比較的カバレッジが狭いフェムトセルを形成する。図1に示した例では、フェムトセル基地局30Aおよび30Bはマクロセル内に設置されており、フェムトセル基地局30Aおよび30Bが形成するフェムトセルとマクロセル基地局40が形成するマクロセルが重複している。
【0030】
また、マクロセル基地局40、フェムトセル基地局30Aおよび30Bは、3GPP (Third Generation Partnership Project)で標準化されたTS25.104の規格に準拠してもよい。具体的には、データ通信端末20と、マクロセル基地局40またはフェムトセル基地局30とはW−CDMA方式の無線リンクで接続される。すなわち、同一セル内のすべてのデータ通信端末20は、同じ周波数帯域、時間を共有して通信を行い、各データ通信端末20は固有に割り当てられた拡散符号によって識別される。このW−CDMA方式に従う1つの無線フレームの長さは10msであり、各データ通信端末20への後述の時間の割り当ては、無線フレームの長さ以上の時間間隔(2以上の整数倍)で行われる。
【0031】
なお、データ通信端末20と、マクロセル基地局40またはフェムトセル基地局30との間の通信は、上記のW−CDMA方式に限定されず、他の方式であってもよい。例えば、周波数分割多重接続(FDMA)、または時間分割多重接続(TDMA)が利用されてもよい。OFDMAまたはTDMAが利用される場合であっても、各データ通信端末20への後述の時間の割り当ては、各通信方式で規定される無線フレーム以上の時間間隔で行われる。
【0032】
データ通信端末20は、データ通信端末20をカバレッジに含む基地局に位置登録することができる。例えば、データ通信端末20Aおよび20Bは、フェムトセル基地局30Aのカバレッジに含まれており、フェムトセル基地局30Aに位置登録することができる。なお、データ通信端末20Bは、マクロセル基地局40とも通信可能であるが、フェムトセル内で通信した方が良好な通信速度が期待され、また料金面でのメリットもあるため、フェムトセル基地局30Aへの位置登録を優先している。また、データ通信端末20Cは、フェムトセル基地局30Bのカバレッジに含まれており、フェムトセル基地局30Bに位置登録することができる。また、各データ通信端末20は、後述の割当て時間内に不特定の基地局に位置登録して通信を行うことができる。例えば、図1においてはデータ通信端末20Aがフェムトセル基地局30Aに位置登録する例を示しているが、データ通信端末20Aは、フェムトセル基地局30Bのカバレッジに含まれている場合、フェムトセル基地局30Bに位置登録することができる。
【0033】
なお、図1においてはデータ通信端末20が携帯端末である例を示しているが、データ通信端末20は携帯端末に限定されない。例えば、データ通信端末20は、PC(Personal Computer)、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置であってもよい。また、データ通信端末20は、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、携帯用ゲーム機器などの情報処理装置であってもよい。
【0034】
無線ネットワーク制御装置32は、マクロセル基地局40またはフェムトセル基地局30に接続され、無線回線の接続制御、およびハンドオーバー制御などを行う。なお、図1においては、無線ネットワーク制御装置32を1の機能ブロックで示しているが、実際のハードウェアでは、無線ネットワーク制御装置32の機能は複数の装置に分散して実装される場合もある。
【0035】
また、マクロセル基地局40またはフェムトセル基地局30用の無線ネットワーク制御装置32は、IMS(IP Multimedia Subsystem)方式に対応している。フェムトセル基地局30に接続される無線ネットワーク制御装置32Aおよび32Bは、DSLなどのブロードバンド回線を介してISPネットワーク34Aおよび34Bに接続され、さらにインターネット12を介して認証サーバ50、位置管理サーバ60、および通信制御装置10に接続される。
【0036】
認証サーバ50は、ユーザとデータ通信端末20のID管理、ユーザの加入情報、認証用情報の管理を行う。また、認証サーバ50は、データ通信端末20から位置登録を要求されるとデータ通信端末20の認証を行う。
【0037】
位置管理サーバ60は、データ通信端末20ごとに、データ通信端末20が位置登録している基地局(30、40)および無線ネットワーク制御装置32の情報を管理する。位置管理サーバ60は、データ通信端末20の位置情報の問い合わせがあった場合、該当するデータ通信端末20が位置登録をしていれば、位置登録している基地局(30、40)および無線ネットワーク制御装置32の情報を返す。一方、位置管理サーバ60は、データ通信端末20が位置登録していない場合、通信制御装置10の情報を返す。また、位置管理サーバ60は、データ通信端末20が所定の時間以上の長期に渡り位置登録をしていない場合、データ通信端末20が登録されていないことを示すステータスを返す。
【0038】
通信制御装置10は、データ通信端末20への割当て時間を示すスケジュール情報を記憶しており、データ通信端末20に関する通信が割当て時間内に行われるように制御する。このスケジュール情報は、例えばユーザがインターネット12を介して通信制御装置10にアクセスして必要に応じて変更することができる。なお、データ通信端末20は位置登録する際に、通信制御装置10が記憶しているスケジュール情報に変更があるか否か確認し、変更があれば変更後のスケジュール情報を通信制御装置10から取得して記憶する。その結果、通信制御装置10とデータ通信端末20が最新のスケジュール情報を共有することが可能となる。なお、スケジュール情報の詳細、および通信制御装置10が行う通信制御の詳細については、「3.通信制御装置の構成」や「通信制御装置の動作」において説明する。
【0039】
<2.背景>
次に、本発明の一実施形態に至った背景を説明する。
【0040】
図2は、ある携帯電話システムにおける位置登録処理の流れを示したフローチャートである。まず、ユーザが使用するデータ通信端末は、電源投入後に、通信を行うセルを選択するためのセル選択手順を行う(S91)。続いて、データ通信端末は、選択したセルの基地局に対して位置登録を行う(S92)。
【0041】
そして、データ通信端末は、データ通信サービスが実行されるか否か判断し(S93)、その時点でサービスを受けない場合には、待ち受け状態に移行する(S94)。一方、データ通信端末は、位置登録後にデータ通信サービスが実行されると判断した場合には、そのときのサービス(呼発信又は呼着信)に応じた手順を実行する(S95)。
【0042】
さらに、呼発信手順又は呼着信手順の実行時に、位置登録した基地局が提供するリソースに空きがあるか否か判断し(S96)、リソースに空きがある場合には、通信チャンネルなどが割当てられて、通信が開始される(S97)。リソースに空きがない場合には、呼確立に失敗し(S98)、S93のサービス実行判定に戻る。ここで、S96からS98に移行する状態が、オーバーロード状態が発生した状態であり、低出力基地局に位置登録する移動局が集中すると、このような事態が頻繁に発生してしまう。
【0043】
また、近日では、高速通信環境が整い、通信パケット量に比例しない定額の通信料金制度が通信事業から提供されるようになった。このため、高速データ通信端末が普及し、高速通信を生かした様々なサービスや大容量コンテンツが利用されて、通信ビジネスの活性化が促進されている。
【0044】
さらに、通信機能を持った音楽用端末やビデオ用端末などの様々な端末の普及が始まっている。このため、ユーザは、複数の端末を必要に応じて使い分けて高速通信環境を利用することにより、様々なライフスタイルを実現可能である。
【0045】
しかし、1ユーザが複数の端末を使用すると、各端末の使用頻度が非常に低かったとしても、現状の国内料金体制では使用端末数分の基本料金と通信料金が発生するため、通信料金の総和が高額となってしまう。その結果、1ユーザが複数の端末を使い分けるライフスタイルは浸透せず、端末数の拡大や新規サービスの展開を実現することが困難である。
【0046】
例えば、ユーザが複数の端末で1つのUSIM(universal subscriber identity module)を共有し、使用する端末を変えるたびにUSIMを差替えて使用すれば、通信料金は1端末分の料金で済む。しかし、使用する端末を変えるたびにUSIMを差替えることはユーザにとって不便である。
【0047】
上記のような背景のもと、本発明の一実施形態である通信制御装置10およびデータ通信端末20を創作するに至った。通信制御装置10およびデータ通信端末20によれば、
複数のデータ通信端末20が基地局との通信を重複しない時間に行うことで、リソース不足の発生を抑制することが可能である。以下、このような通信制御装置10およびデータ通信端末20について詳細に説明する。
【0048】
<3.通信制御装置の構成>
図3は、通信制御装置10の構成を示した機能ブロック図である。図3に示したように、通信制御装置10は、通信部110と、プロセッサ130および記憶部140を含む中央処理部120と、時刻管理部150と、を備える。
【0049】
通信部110は、インターネット12と接続されており、インターネット12を介してフェムトセル基地局30、マクロセル基地局40、データ通信端末20、および位置管理サーバ60などと通信する。
【0050】
プロセッサ130は、通信制御装置10の動作全般を制御する制御部として機能する。また、記憶部140には、複数のデータ通信端末20からなるグループごとに、各データ通信端末20への割当て時間を示すスケジュール情報(時間帯情報)が記憶されている。以下、図4を参照し、スケジュール情報について説明する。
【0051】
図4は、スケジュール情報の一例を示した説明図である。より詳細には、図4には、データ通信端末20A、20Bおよび20C(符号の後に付したアルファベットが端末IDに対応するものとする。)を含むグループ1、およびデータ通信端末20E、20F、20Gおよび20Hを含むグループ2のスケジュール情報を示している。
【0052】
各グループのスケジュール情報は、グループに属する各データ通信端末20への割当て時間を示す。具体的には、グループ1においてt1〜t2はデータ通信端末20Aへの割当て時間であり、t2〜t3はデータ通信端末20Bへの割当て時間であり、t3〜t4はデータ通信端末20Cへの割当て時間である。同様に、グループ2においてt1〜t5はデータ通信端末20Eへの割当て時間であり、t5〜t6はデータ通信端末20Fへの割当て時間であり、t6〜t7はデータ通信端末20Gへの割当て時間であり、t7〜t8はデータ通信端末20Hへの割当て時間である。
【0053】
このように、各グループにおいては、グループに属する各データ通信端末20に割当て時間が重複しないように割当てられている。なお、このスケジュール情報は、例えばユーザが任意の情報処理装置(データ通信端末20であってもよい。)からインターネット12を介して通信制御装置10にアクセスすることにより設定することができる。すなわち、ユーザは、任意の情報処理装置を利用することにより、グループの作成、グループへのデータ通信端末20の追加、グループからのデータ通信端末20の削除、データ通信端末20への割当て時間の設定、割当て時間の変更などを行うことができる。ここで、図5を参照し、割当て時間についてより具体的に説明する。
【0054】
図5は、グループ1に属する各データ通信端末20への割当て時間を模式的に示した説明図である。図5に示したように、データ通信端末20Aには毎分0s〜10sと毎分30s〜40sが割当てられ、データ通信端末20Bには毎分10s〜15sと毎分40s〜45sが割当てられ、データ通信端末20Cには毎分15s〜20sと毎分45s〜50sが割当てられている。また、毎分20s〜30sと毎分50s〜60sは空き時間となっている。このため、データ通信端末20を追加する際にこの空き時間を使用してもよい。また、プロセッサ130は、データ通信端末20A、BおよびCのうちで使用頻度が高くなった端末に空き時間を割当てても良い。
【0055】
また、詳細については後述するが、各データ通信端末20は、割当て時間内に認証、位置登録(アタッチ)、データ通信、位置登録削除(デタッチ)を行う。各データ通信端末20は、アプリケーションが要求するデータを1の割当て時間内に送信しきれない場合、残ったデータを次の割当て時間に送信する。なお、データ通信端末20は、ネットワーク側からの応答やデタッチに要する終了処理時間を予想して記憶しておき、この終了処理時間を確保してデータ通信を終了する。
【0056】
また、あるデータ通信端末20宛てのデータが当該データ通信端末20への割当て時間外に外部から送信された場合、データが通信制御装置10へ転送され、この記憶部140に一時的に記憶される。プロセッサ130は、記憶部140にデータ通信端末20宛てのデータが記憶されている場合、データ通信端末20への割り当て時間に位置管理サーバ60にデータ通信端末20の位置情報を問い合わせ、通信部110からデータ通信端末20に向けて記憶部140に記憶されているデータを送信する。
【0057】
なお、記憶部140は、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ディスク、およびMO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。不揮発性メモリとしては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)があげられる。また、磁気ディスクとしては、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどがあげられる。また、光ディスクとしては、CD(Compact Disc、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))などがあげられる。
【0058】
時刻管理部150は、時刻情報を取得して管理する。時刻管理部150は、例えば、IEEE1588などのプロトコルを使用して正確なマスタークロックを持つサーバと通信して時刻情報を得てもよい。また、人工衛星から送信されるGPS信号を受信するGPS受信装置を通信制御装置10が備える場合、時刻管理部150はGPS受信装置により得られる情報から時刻情報を抽出してもよい。この時刻情報は、プロセッサ130による割当て時間の判定に利用される。
【0059】
<4.データ通信端末の構成>
図6は、データ通信端末20の構成を示した機能ブロック図である。図6に示したように、データ通信端末20は、アンテナ204と、通信部210と、CPU220と、表示部224と、操作部228と、撮像部232と、画像制御部236と、内部クロック240と、USIM244と、UICC(Universal Integrated Circuit Card)制御部248と、時刻管理部252と、GPS受信装置256と、記憶部260と、を備える。
【0060】
通信部210は、アンテナ204を介して、フェムトセル基地局30またはマクロセル基地局40と所定の無線多重方式を利用して通信する。より詳細には、通信部210は、CPU220による制御に基づき、データ通信端末20への割当て時間内に、他の端末との干渉が生じないように所定の無線多重方式を利用して通信する。すなわち、通信部210は、割当て時間内に通信を行うのでマクロの視点ではTDMAを利用していることになるが、さらに、割当て時間内にFDMA、CDMAまたはTDMAなどの無線多重方式を利用して通信する。
【0061】
なお、通信部210により通信されるデータは、音声データや、音楽、講演およびラジオ番組などの音楽データや、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、写真、文書、絵画および図表などの映像データや、ゲームおよびソフトウェアなどであってもよい。
【0062】
CPU220は、データ通信端末20の動作全般を制御する制御部である。例えば、CPU220は、記憶部260に記憶されているスケジュール情報の示す割当て時間内に通信部210に通信させる。
【0063】
また、CPU220は、位置登録の際に通信部210を介して通信制御装置10にアクセスし、記憶部260に記憶されているスケジュール情報が最新の情報であるか否かを確認し、最新でなければ通信制御装置10からスケジュール情報を取得し、記憶部260に記憶させてもよい。
【0064】
表示部224は、静止画、動画、およびユーザ操作を誘導するユーザ操作画面などを表示する。この表示部224は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、またはOLED(Organic Light Emitting Diode)装置であってもよい。
【0065】
操作部228は、ユーザ操作を検出し、検出したユーザ操作に対応する信号をCPU220に出力する。この操作部228は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイク、スイッチまたはレバーであってもよい。
【0066】
撮像部232は被写体を撮像して画像を取得し、画像制御部236は、撮像部232により得られた画像を制御する。この撮像部232により得られた画像が通信部210から送信されてもよい。
【0067】
内部クロック240は、クロック信号を生成し、クロック信号のカウント値に基づいて時刻情報を更新する。時刻管理部252は、この内部クロック240から得られる時刻情報を、データ通信端末20が通信制御装置10に位置登録する際に得られる正確な時刻情報で校正することにより、データ通信端末20の時刻情報の精度を保つことができる。
【0068】
また、時刻管理部252は、通信部210による各通信に要した時間を計測する。例えば、時刻管理部252は、通信部210がデタッチなどに要した終了処理時間を計測し、終了処理時間を例えば平均化して記憶部260に記憶させる。なお、時刻管理部252は、GPS信号を受信するGPS受信装置256から時刻情報を取得してもよい。
【0069】
記憶部260は、データ通信端末20に対する通信の割当て時間を示すスケジュール情報を記憶している。一例として図7に示したスケジュール情報は、t1〜t2がデータ通信端末20への割当て時間であること、および終了処理時間がteであることを示している。なお、割当て時間t1〜t2は、周期的に繰り返される各時間枠の開始時点を基準とする時間であってもよい。例えば、各時間枠の周期が30秒であり、t1=0秒、t2=5秒であり、ある時間枠の開始時点が20時32分00秒であった場合、20時32分00秒〜05秒、20時32分30秒〜35秒、・・・がデータ通信端末20の割当て時間である。
【0070】
USIM(Universal Subscriber Identity Module)244は、認証に必要なユーザの加入者情報、端末ID、電話番号、ホスト名などを記憶しているモジュールであり、UICCという物理的なICカードに搭載されている。なお、USIMは「3GPP TS 31.102」に準拠しており、UICCは「3GPP TS 31.101」に準拠している。
【0071】
UICC制御部248は、UICCに設けられた端子のうち例えば電源端子への電源電圧の供給を制御する。ここで、CPU220は、UICCの電源が入ると認証、位置登録(アタッチ)のプロセスに入り、UICCの電源がOFFとなると位置登録を解除(デタッチ)する。そこで、UICC制御部248は、記憶部260に記憶されているスケジュール情報の示す割当て時間になったらUICCに電源を与え、割当て時間の終了時間からデタッチなどに要する終了処理時間teを差し引いた時間になったらUICCへの電源を遮断してもよい。
【0072】
<5.通信制御装置の動作>
次に、図8および図9を参照し、通信制御装置10の動作を説明する。
【0073】
図8は、通信制御装置10の動作の流れを示したフローチャートである。図8に示したように、データ通信端末20Aの割当て時間外に外部の端末から送信されたデータ通信端末20Aへのデータは、通信制御装置10に転送される。
【0074】
その後、プロセッサ130は、記憶部140からデータ通信端末20Aに対する割当て時間を読み出して確認し(S310)、許容時間内であるか否かを判断する(S320)。
ここで、許容時間は、データ通信端末20Aへの割当て時間から、デタッチなどに要することが予想される終了処理時間を差し引いた時間である。
【0075】
そして、プロセッサ130は、許容時間外であれば、データ通信端末20A宛てのデータを記憶部140に一時的に記憶させる(S330)。一方、プロセッサ130は、許容時間内であり、記憶部140にデータ通信端末20A宛の未送信データが記憶されている場合、未送信データをデータ通信端末20Aに向けて送信する(S350)。通信制御装置10は、S320〜S350の処理を未送信データが無くなるまで行い、未送信データが無くなったら処理を終了する。
【0076】
以下、図9を参照し、データ通信端末20Dが、データ通信端末20A宛てのデータを送信する場合のデータの流れを具体的に説明する。
【0077】
(1)データ通信端末20Dによるデータ送信
データ通信端末20Dは、データ通信端末20Aの端末IDを宛先としたデータを送信する際に、IPアドレス解決のため、位置管理サーバ60にデータ通信端末20Aの位置登録状況を問い合わせる。
【0078】
そして、位置管理サーバ60にデータ通信端末20Aの位置登録情報がある場合(データ通信端末20Aの割当て時間内の場合)、データ通信端末20Dは、図9の上側に示したように、データ通信端末20Aが位置登録している基地局30Aを制御する無線ネットワーク制御装置32Aのアドレスを得て、ヘッダ宛先アドレスに基地局制御装置32Aのアドレスを記載してデータを送信する。
【0079】
一方、位置管理サーバ60にデータ通信端末20Aの位置登録情報が無い場合(データ通信端末20Aの割当て時間外の場合)、データ通信端末20Dは、図9の下側に示したように、データ通信端末20Aのスケジュールを管理する通信制御装置10のアドレスを得て、ヘッダ宛先アドレスに通信制御装置10のアドレスを記載してデータを送信する。なお、データ通信端末20Aが一定期間以上に渡って位置登録していない場合、位置管理サーバ60は通信制御装置10のアドレスをデータ通信端末20Dに通知しなくてもよい。かかる構成により、データ通信端末20Aが長期にわたって位置登録していない場合に通信制御装置10に大量のデータが送信されてしまうことを防止できる。
【0080】
(2)通信制御装置10によるデータ送信
通信制御装置10は、図9の下側に示したように、データ通信端末20Aの割当て時間外にデータ通信端末20Dから送信されたデータ通信端末20A宛てのデータを受信し、当該データを記憶部140に一時的に記憶させる。
【0081】
一方、通信制御装置10は、図9の上側に示したように、データ通信端末20Aの割当て時間内に、IPアドレス解決のため、位置管理サーバ60にデータ通信端末20Aの位置登録状況を問い合わせる。そして、通信制御装置10は、ヘッダ宛先アドレスに基地局制御装置32Aのアドレスを記載し、記憶部140に記憶されているデータ通信端末20A宛てのデータを送信する。なお、通信制御装置10は、同じデータを複数のデータ通信端末20に送信する場合には、記憶部140が一時的に記憶しているデータを、送信先の各データ通信端末20への割当て時間に従って送信する。
【0082】
<6.データ通信端末の動作>
続いて、図10および図11を参照し、データ通信端末20の動作を説明する。
【0083】
図10は、データ通信端末20の第1の動作例の流れを示したフローチャートである。図10に示したように、データ通信端末20のCPU220は、電源がONになると、記憶部260に記憶されているスケジュール情報の示す割当て時間を読み出して確認する(S410)。
【0084】
そして、CPU220は、時刻管理部252が管理する時刻情報に基づいて通信の許容時間(割当て時間から終了処理時間を差し引いた時間)内であるか否かを判断する(S420)。許容時間内である場合には選択されたセルの基地局に対して認証とアタッチ(S430)が行われ、位置管理サーバ60にデータ通信端末20の位置情報が登録される。また、データ通信端末20は、通信制御装置10にアクセスして自端末への割当て時間を確認する。そして、データ通信端末20は、記憶部260に記憶されている割当て時間と相違があれば、通信制御装置10から自端末への割当て時間を取得して記憶部260に記憶させる。また、データ通信端末20は、通信制御装置10から時刻情報を併せて取得して時刻管理部252が管理する時刻情報を校正してもよい。
【0085】
CPU220は、認証・アタッチ手順後に、許容時間内であるか否かをさらに判断する(S440)。そして、CPU220は、許容時間内であり、かつ未通信データがある場合(S470)、未通信データの送受信および応答処理を行い(S480)、S440の処理へ戻る。なお、未通信データには、前回のデータ通信で許容時間の制限により送受信しきれなかったデータも含まれる。
【0086】
その後、許容時間外となると、CPU220によるデータ通信の中断、および記憶部260によるステータス情報(例えば、未通信データの有無を示す情報)の記憶などの中断処理が行われる(S450)。さらに、CPU220はデタッチ処理を行い(S460)、S420の処理に戻り、再び許容時間内となるまで待機する。
【0087】
以下、データ通信端末20Aがデータ送信する場合の流れをより具体的に説明する。
【0088】
(1)データ通信端末20Aから他の端末(割当て時間に基づく動作をしない端末)への送信
データ通信端末20Aは、他の端末の端末IDを宛先としたデータを送信する際に、IPアドレス解決をする。例えば、他の端末が移動体通信の端末である場合には、データ通信端末20Aは位置管理サーバ60に他の端末の位置登録状況を問い合わせる。一方、他の端末がインターネット上のホスト名を持つ場合には、データ通信端末20AはDNSサーバに他の端末のIPアドレスを問い合わせる。そして、データ通信端末20Aは、データ通信端末20Aへの割当て時間内に、ヘッダ宛先アドレスに問い合わせで得たアドレスを記載してデータを送信する。
【0089】
(2)データ通信端末20Aからデータ通信端末20Jへの送信
データ通信端末20Aは、データ通信端末20Jの端末IDを宛先としたデータを送信する際に、IPアドレス解決のため、位置管理サーバ60にデータ通信端末20Jの位置登録状況を問い合わせる。位置管理サーバ60にデータ通信端末20Jの位置登録情報がある場合(データ通信端末20Jの割当て時間内の場合)、データ通信端末20Aは、データ通信端末20Jが位置登録している基地局を制御する無線ネットワーク制御装置32Jのアドレスを得て、ヘッダ宛先アドレスに無線ネットワーク制御装置32Jのアドレスを記載してデータを送信する。
【0090】
ただし、データ通信端末20Aとデータ通信端末20Jが例えば同じグループに属する場合、双方の端末による位置登録は異なる時間帯に行われるため、双方の端末による通信は同時には行われない。このように位置管理サーバ60にデータ通信端末20Jの位置登録情報が無い場合(データ通信端末Bの割当て時間外の場合)、データ通信端末20Aは、データ通信端末20Jのスケジュールを管理する通信制御装置10のアドレスを得て、ヘッダ宛先アドレスに通信制御装置10のアドレスを記載してデータを送信する。
【0091】
続いて、図11を参照し、データ通信端末20の第2の動作例を説明する。上記では、データ通信端末20が割当て時間内にアタッチ、データ通信、デタッチの処理を終了する場合について説明した。しかし、基地局における位置登録数の管理に柔軟性のある通信システムや料金システムにおいては、アタッチおよびデタッチを毎回の割当て時間内に終了しなくてもよい場合がある。このような場合、以下に説明するデータ通信端末20の第2の動作例が有効である。
【0092】
図11は、データ通信端末20の第2の動作例の流れを示したフローチャートである。図11に示したように、データ通信端末20のCPU220は、電源がONになると、記憶部260に記憶されているスケジュール情報の示す割当て時間を読み出して確認する(S510)。そして、CPU220は、時刻管理部252が管理する時刻情報に基づいて通信の許容時間(割当て時間から終了処理時間を差し引いた時間)内であるか否かを判断する(S520)。許容時間内である場合には選択されたセルの基地局に対して認証とアタッチ(S530)が行われ、位置管理サーバ60にデータ通信端末20の位置情報が登録される。
【0093】
CPU220は、認証・アタッチ手順後に、許容時間内であるか否かをさらに判断する(S540)。そして、CPU220は、許容時間内であり、電源がOFFされず、かつ未通信データがある場合(S570)、未通信データの送受信および応答処理を行い(S580)、S540の処理へ戻る。その後、データ通信端末20は、許容時間外となってもデタッチを行わず、電源OFF時にデタッチを行う(S550、S560)。
【0094】
なお、実際にはハンドオーバー時にもアタッチ・デタッチ処理が発生するが、図10および図11では、割当て時間とアタッチ・デタッチ処理の関係を示しており、ハンドオーバー時のアタッチ・デタッチ処理は記載していない。
【0095】
<7.まとめ>
以上説明したように、通信制御装置10およびデータ通信端末20によれば、同一グループに属する複数のデータ通信端末20に割当て時間が重複しないように割当てられる。このため、複数のデータ通信端末20が同時にサービス要求することを防止し、トラヒックのピークを抑制することが可能である。また、1ユーザ分の通信リソースを複数のデータ通信端末20で共有できるため、データ通信料金の低価格化に資することも想定される。
【0096】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0097】
例えば、本明細書の通信制御装置10、またはデータ通信端末20の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、通信制御装置10、またはデータ通信端末20の処理における各ステップは、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)を含んでもよい。
【0098】
また、通信制御装置10に内蔵されるプロセッサ130およびデータ通信端末20に内蔵されるCPU220などのハードウェアを、上述した通信制御装置10、データ通信端末20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0099】
10 通信制御装置
20 データ通信装置
30、30A、30B フェムトセル基地局
40 マクロセル基地局
32、32A、32B、32C 無線ネットワーク制御装置
50 認証サーバ
60 位置管理サーバ
110、210 通信部
120 中央処理部
130 プロセッサ
140、260 記憶部
150、252 時刻管理部
220 CPU
224 表示部
228 操作部
240 内部クロック
244 USIM
248 UICC制御部
256 GPS受信装置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の無線多重方式を利用して基地局と通信する通信部と;
時間帯情報を記憶する記憶部と;
前記時間帯情報の示す時間帯において前記通信部に前記基地局と前記所定の無線多重方式を利用して通信させる制御部と;
を備える、無線通信装置。
【請求項2】
前記時間帯情報の示す時間帯は、周期的に繰り返される時間枠において複数の無線通信装置に重複しないように割当てられた時間帯である、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記時間帯情報の示す時間帯における前記通信部と前記基地局の通信は、前記無線通信装置の前記基地局への位置登録および位置登録解除を含む、請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記通信部は、前記時間帯情報の示す時間帯において、不特定の基地局と通信する、請求項3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記時間帯情報はユーザにより設定される、請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
無線通信装置と所定の無線多重方式で通信する基地局と通信する通信部と;
複数の無線通信装置の識別情報の各々と時間帯情報を対応付けて記憶する記憶部と;
前記無線通信装置宛てのデータを、前記無線通信装置と対応付けられている時間帯情報の示す時間帯内において、前記通信部に前記基地局を介して前記無線通信装置へ向けて送信させる制御部と;
を備える、通信制御装置。
【請求項7】
前記複数の無線通信装置は、1または2以上のグループのうちのいずれかに属しており、
同じグループに属している無線通信装置の各々に対応する時間帯情報の示す時間帯は、周期的に繰り返される時間枠において前記同じグループに属している無線通信装置に重複しないように割当てられた時間帯である、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、通信量が増加した無線通信装置に割当てる時間帯を増加させる、請求項7に記載の通信制御装置。
【請求項9】
前記記憶部は、前記無線通信装置宛ての、前記無線通信装置と対応付けられている時間帯情報の示す時間帯外に送信されたデータを一時的に記憶する、請求項7に記載の通信制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、ユーザ操作に応じて前記時間帯情報を設定する、請求項9に記載の通信制御装置。
【請求項11】
所定の無線多重方式を利用して基地局と通信する第1の通信部、
時間帯情報を記憶する第1の記憶部、および
前記時間帯情報の示す時間帯において前記第1の通信部に前記基地局と前記所定の無線多重方式を利用して通信させる第1の制御部、
を有する無線通信装置と;
前記基地局と通信する第2の通信部、
複数の無線通信装置の識別情報の各々と時間帯情報を対応付けて記憶する第2の記憶部、および
前記無線通信装置宛てのデータを、前記無線通信装置と対応付けられている時間帯情報の示す時間帯内において、前記第2の通信部に前記基地局を介して前記無線通信装置へ向けて送信させる第2の制御部、
を有する通信制御装置と;
を備える、無線通信システム。
【請求項12】
記憶媒体に記憶されている時間帯情報の示す時間帯において、所定の無線多重方式を利用して基地局と通信する、無線通信方法。
【請求項13】
1の無線通信装置宛ての他装置から送信されたデータを、記憶媒体に記憶されている時間帯情報の示す時間帯において、前記無線通信装置と所定の無線多重方式で通信する基地局を介して前記無線通信装置へ向けて送信する、通信制御方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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