説明

無線通信装置及び該装置を有する無線通信システム

無線通信装置(3)は、起動ソフトウェアモジュールと、通常の無線リンクが構築されることを可能にすることに適した使用ソフトウェアモジュールとを有している。起動ソフトウェアモジュールは、ローカル無線通信ネットワークとの当該無線通信装置の簡易的な無線リンクを可能にすることに適し、且つ当該無線通信装置に含まれる使用ソフトウェアモジュールについて、その更新版を上記の簡易的な無線リンクを介してダウンロードすることを可能にすることに適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置及び該装置を有する無線通信システムに関する。
【0002】
より具体的には、本発明は:
− 起動(starter)ソフトウェアモジュール及び使用(use)ソフトウェアモジュールを格納する少なくとも1つのメモリー、
− 前記メモリーに結び付けられた少なくとも1つの電子処理ユニット、
− 前記処理ユニットにより制御される少なくとも1つの無線回路、
を有する無線通信装置であって、
前記起動モジュールは、当該無線通信装置の動作中に前記処理ユニットにて自動的に実行されるのに適しており、
前記使用モジュールは、前記処理ユニットにより実行されるときに、所定の無線通信プロトコルに従って、当該無線通信装置と無線通信ネットワークとの間の無線通信を可能にするのに適している、
無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1により、携帯電話と基地局との間の通信方法が知られている。それによる手順は、基地局が好適な動作モードに関する信号を送信し、携帯電話が自身のメモリーがこの好適な動作モードに対応するプログラムデータを格納しているか否かを示す信号を返送する第1の問い合わせ段階を有している。必要に応じて、基地局は問題としているプログラムデータを送信する。そして、基地局及び携帯電話はこの好適モードで動作する。電話が十分な記憶容量を有していない場合、この処理は、適したプログラムが特定されるまで繰り返される。特許文献1においては、電話は、後述される本発明の意味での、無線通信ネットワークとの簡易的な無線リンクを有効にするように適応された起動モジュールを有していない。特許文献1の通信方法は、基地局と電話との間で可能な最良の動作モードを使用するように設計されており、これは後述される本発明の目的とは異なるものである。
【0004】
また、特許文献2により、携帯端末に新機能を追加するために使用される方法が知られている。プラグインモジュールが端末のメモリーにダウンロードされる。特許文献2においては、電話は、後述される本発明の意味での、無線通信ネットワークとの簡易的な無線リンクを可能にするのに適した起動モジュールを有していない。
【0005】
また、特許文献3により、携帯端末用のソフトウェアダウンロード装置が知られている。特許文献3においては、ダウンロードは、簡易的な無線リンクによってではなく、標準的な無線通信ネットワークによって、あるいはISDNネットワークによって実行される。
【0006】
従来技術、特に特許文献1を鑑みるに、無線通信装置の使用モジュールを簡単に更新することが望まれる。
【特許文献1】米国特許第6349204号明細書
【特許文献2】米国特許第6622617号明細書
【特許文献3】欧州特許出願第0459344号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、無線通信装置の使用モジュールを簡単に更新することを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明に従った問題とする種類の無線通信装置は、起動モジュールが:
− 無線通信ネットワークとの当該無線通信装置の簡易的な無線リンクを可能にし、且つ
− この簡易的な無線リンクを介したダウンロード処理、使用モジュールの(完全な、あるいは部分的な)更新、及び当該無線通信装置のメモリー内への更新版の格納を可能にする、
ことに適していることを特徴とする。
【0009】
簡易的な無線リンクを可能にするために、所定の無線通信プロトコルの幾つかのレイヤのみが提供される。さらに、提供される前記レイヤは特定の機能に制限される。
【0010】
例えば、ブルートゥースプロトコルの場合、削減された数のレイヤが提供され、且つこれらレイヤは以下の機能に制限される:
− “LC”レイヤ(無線リンクの実時間制御):接続の構築のための単純なデータの多重化に制限、
− “LM”レイヤ(無線リンクの実時間制御):音声なし、認証又は暗号化なしの、入力接続に限定されたネゴシエーションに制限、
− “L2CAP”レイヤ:単一のサービスに制限された制御、信号伝達及び多重化、及び
− サービスレイヤ:ダウンロードサービス。
【0011】
これらの構成により、使用モジュールの更新版は、この更新処理の間、この使用モジュールを動作させ続けることを必要とせず、無線チャネルによってダウンロードされることができる。その結果、更新は非常に容易であり、必要であればメモリーが節約される。何故なら、使用モジュールの更新は、ダウンロード中にこのモジュールの以前のバージョンの全て又は一部を単純に消去することができるからである。
【0012】
また、本発明に従った無線通信装置の様々な実施形態において、以下の構成の1つ及び/又はその他に頼ることが可能である。
− 起動モジュールは、メモリーに当初格納されていた使用モジュールの少なくとも一部に代えて更新版を格納することに適している、
− 起動モジュールは、簡易的な無線リンクを介して指示を受け取り、且つ認識することに適している、
− 起動モジュールは、簡易的な無線リンクを介して、メモリーに更新版を格納するためのメモリーへの書き込み指示を受け取ることに適している、
− 起動モジュールは、簡易的な無線リンクを介して、メモリーの少なくとも一部の消去指示を受け取ることに適している、
− 当該無線通信装置のメモリーは、使用モジュールを格納するフラッシュメモリーを含んでいる、
− 前記起動モジュールは:
・簡易的な無線リンクを介して、メモリーのコンテンツに関する情報を要求する問い合わせを受け、
・この情報を探索し、且つこの情報を与える回答を簡易的な無線リンクを介して発する、
ことに適している、
− 起動モジュールは、ダウンロードされた更新版の完全性を検査することに適している、
− 起動モジュールは、使用モジュールの実行を行わせる通常動作モードと、使用モジュールの更新版のダウンロードを可能にし、使用モジュールの即座の実行を行わせないダウンロードモードとを有しており、起動モジュールは、簡易的な無線リンクを介して、通常動作モードに切り替えるための指示を受け取るように適応されている、
− 使用モジュールは、通常動作モードに切り換えるための指示を起動モジュールに与えることに適している、
− 当該無線通信装置は無線電話である、
− 無線通信プロトコルは、“ブルートゥース”プロトコル、“Wi−Fi”プロトコル、及び“DECT”プロトコルの中から選択されている。
【0013】
さらに、本発明はまた、上記のように定義された無線通信装置と、該無線通信装置とともにローカルネットワークを形成し、且つ無線通信プロトコルに従って該無線通信装置と通信する少なくとも1つの無線通信基地とを有する無線通信システムを提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明に従った無線通信システムの様々な実施形態において、以下の構成の1つ及び/又はその他に頼ることが可能である。
− 基地は簡易的な無線リンクを介して起動モジュールに指示を送信することに適している、
− 基地は、簡易的な無線リンクを介して起動モジュールに、メモリーに更新版を格納するための、無線通信装置のメモリーへの書き込み指示を送信することに適している、
− 基地は、少なくとも部分的に使用モジュールの既存バージョンに代えて更新版を格納することに適している、
− 基地は、簡易的な無線リンクを介して起動モジュールに、無線通信装置のメモリーの少なくとも一部の消去指示を送信することに適している、
− 基地は起動モジュールに、無線通信装置のメモリーのコンテンツに関する情報を要求する問い合わせを送信することに適しており、且つ起動モジュールは、この問い合わせに従って、この情報を探索し、この情報を与える回答を簡易的な無線リンクを介して送信することに適している、
− 起動モジュールは、ダウンロードされた更新版の完全性検査情報を基地に送信することに適しており、基地は、完全性検査情報が完全性に欠けることを示す場合に、更新版の無線通信装置へのダウンロードを再び検査することに適している、
− 完全性検査情報は、無線通信装置のメモリーに格納された更新版から計算された特徴であり、基地は、この特徴が完全性に欠けることを示しているかどうかを決定し、それにより、簡易的な無線リンクを介した更新版の新たなダウンロードを始動させることに適している、
− 起動モジュールは、使用モジュールの実行を行わせる通常動作モードと、使用モジュールの更新版のダウンロードを可能にし、使用モジュールの即座の実行を行わせないダウンロードモードとを有しており、基地は、簡易的な無線リンクを介して起動モジュールに、通常動作モードに切り替えるための指示を送信することに適している、
− 基地は外部ネットワークへのアクセスポイントである。
【0015】
本発明の他の特徴及び効果は、添付の図面を参照する本発明の一実施形態に関する以下の記載を読むことにより明らかになるであろう。この実施形態は、非限定的な例として与えられるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
相異なる図面において、同一の参照符号は同一あるいは類似の要素を指し示している。
【0017】
図1に示されるように、本発明は、基地1を有し得るローカルな無線通信システムに関し、基地1は幾つかのプロトコルに従って、例えばコンピュータ2、無線電話3、インターネットネットワーク4等の、様々な構成要素(エンティティ)と通信することに適している。
【0018】
無線通信装置又は端末(具体的には、コンピュータ2及び無線電話3)により構成されるこれら構成要素の幾つかと基地1との間の通信は、ローカル無線通信規格に従った無線チャネルにより行われることが可能である。ローカル無線通信規格は、例えば“ブルートゥース(Bluetooth)”規格、“ワイ・ファイ(Wi−Fi)”規格(IEEE802.11b規格、あるいは場合によりIEEE802.11a若しくはg規格)、又はDECT規格などである。
【0019】
さらに、基地1はまたインターネットネットワーク(TCP/IPプロトコル)と、特に“ADSL”リンクを介して、あるいは場合によりV32、V32bis、V34、V90、V92モデム若しくはその他により通信する。
【0020】
図2に更に詳細に示されるように、基地1は、例えば、特に以下のものと通信可能な処理ユニット5(CPU)を有することが可能である:
− この例ではADSLモデムである、インターネットネットワークネット4との通信を可能にするモデム6、
− ここでの例では、“Bluetooth”プロトコルに従って通信するローカル無線ネットワークを形成することによって、コンピュータ2(PC)及び無線電話3と通信するために使用される“Bluetooth”無線回路7(BT)、及び
− 必要に応じての、“Wi−Fi”プロトコルに従って通信する第2のローカル無線ネットワークを形成することによって、その他の端末(コンピュータ又はその他の装置)と通信するために使用される“Wi−Fi”無線回路8。
【0021】
当然ながら、上述のように、ADSL、“Bluetooth”及び“Wi−Fi”のリンクは単に例として挙げられたものであり、その他の種類のリンクも使用されることができる。
【0022】
さらに、無線電話3は、例えば、以下のものと通信する電子処理ユニット9(CPU)を有することが可能である:
− 基地1の“Bluetooth”無線回路7と通信するように適応された“Bluetooth”無線回路10(又は基地1で利用可能な無線リンクと互換性のある他の何れかの無線リンクプロトコル)、
− 特に起動ソフトウェアモジュール12及び使用モジュール13を格納しているメモリー11(例えば、フラッシュメモリー)、
− キーパッド14、及び
− 画面15。
【0023】
それ自体知られた手法にて、起動モジュール12は無線電話の各動作中に処理ユニット9上で自動的に実行される。
【0024】
無線電話3の通常動作モードにおいて、起動モジュール12は、メモリー11に格納されている使用モジュール13が完全に揃ったものであることを検査し、揃っていれば、この使用モジュールを処理ユニット9にロードする。そして、処理ユニット9は無線電話3の全ての機能を具えた操作(拡張“Bluetooth”プロトコルの使用、画面15及びキーパッド14によるユーザインターフェースの完全な操作、電話サービス及び関連サービスの完全な操作)を有効にする。
【0025】
一例として、通常の無線リンクは、以下のレイヤを有する拡張“Bluetooth”プロトコルを実現することができる:
− “LC”レイヤ(無線リンクの実時間制御):
・無線の実時間管理、
・データ/音声/ページ/要求の時分割多重、
・AFH(適応型周波数ホッピング)、
− “LM”レイヤ(無線リンクの管理及びネゴシエーション):
・入力接続と出力接続とのネゴシエーション、
・認証、暗号化確認、
・音声チャネルを開設するためのネゴシエーション、
・電力制御
・周辺装置探索、周辺装置探索への応答サービス、
− “L2CAP”レイヤ:
・サービス間(inter-service)リンクの開設のための制御/信号伝達、
・相異なるサービス間のデータリンクの多重化。
【0026】
無線電話3の動作中、起動モジュール12が使用モジュール13の改変(corruption)を検出すると、起動モジュール12は使用モジュール13を更新するために自動的に(後述の)ダウンロードモードに切り替わる。
【0027】
また、基地1は、使用モジュール13の更新を(例えばインターネットによって)受信すると、そのことを現在動作中の使用モジュール13に信号伝達することができる。この場合、使用モジュールはダウンロードモードで起動モジュール12の実行を行わせ、基地1は既存のBluetoothリンクを切断し、且つ、起動モジュール12がダウンロードモードでバックアップを開始するようにBluetooth無線リンクを再開させる。
【0028】
処理ユニット9上で起動モジュール12がダウンロードモードで実行されるとき、起動モジュール12は使用モジュール13の実行を行わず、その代わりに、簡易的な無線リンク(ここでの例ではBluetooth)を確立して基地1の指示を待つ。
【0029】
この簡易的な無線リンクは、基地1と所定のメッセージを交換するため、具体的には、このリンク上で指示を受け取るため、そして使用モジュール13の完全な、あるいは部分的な更新版をダウンロードするために使用される。この更新版は使用モジュールの新バージョンであり得るし、あるいは、起動モジュール12が使用モジュール13の改変を検出した場合に基地1から無線電話3に再ロードされる必要がある該モジュールの単なる既存バージョンでもあり得る。
【0030】
従って、この簡易的な無線リンクは、通常動作モードで確立される無線リンクとは対照的に、電話サービス又はその他のサービスがダウンロードサービスから実行されることを可能にするものではない。この簡易的な無線リンクは、以下のレイヤを有する縮減された“Bluetooth”プロトコルを実現することができる:
− “LC”レイヤ(無線リンクの実時間制御):接続の構築のための単純なデータの多重化に制限、
− “LM”レイヤ(無線リンクの実時間制御):音声なし、認証又は暗号化なしの、入力接続に限定されたネゴシエーションに制限、
− “L2CAP”レイヤ:単一のサービスに制限された制御、信号伝達及び多重化、
− サービスレイヤ:ダウンロードサービス。
【0031】
基地1と無線電話3との間に設けられる簡易的な無線リンクにおいて、基地はマスターであり、電話はスレーブである。
【0032】
最初に、基地が簡易的な無線リンクを介して電話に初期化指示(BTF_INIT)を送信する。電話の起動モジュール12は、この指示なしでは、如何なる他の指示をも受け取らない。そして、起動モジュール12は基地1に、例えば16バイトの、ランダムな認証コードを認証処理が必要かどうかを示すコードとともに送信する。認証が必要である場合、基地1は電話に、上記のランダムな認証コードの認証メッセージ(BTF_SRES)関数を送信する。起動モジュール12は認証が成功したかどうかを示すためにメッセージに応答する。
【0033】
認証が成功した場合、基地1は簡易的な無線リンクを介して電話3に、メモリー11を記述することを目的とする問い合わせ(consultation)(BTF_GET_FLASH_INFO)を送信する。起動モジュール12は、具体的に、使用モジュールに使用されているメモリー11のセクター数(2バイトに符号化)、そのセクターの大きさ(4バイトに符号化)及びメモリーのページサイズ(4バイトに符号化)を与えることによって、この協議に回答する。
【0034】
そして、基地1は簡易的な無線リンクを介して、メモリー11のレジスタごとに、アドレス(1バイトに符号化)を指定することによって該レジスタの読み取り指示(BTF_REG_READ)を送信する。これら指示の各々に応答して、起動モジュール12は指定されたレジスタ内のコンテンツ(例えば、4バイトに符号化)を基地1に送信する。
【0035】
そして、基地1は電話3に、使用モジュールに占有されたメモリー11のセクターごとに、消去されるべきセクター数(1バイトに符号化)を与える消去指示(BTF_FLASH_ERASE)を送信する。そして、起動モジュールはこの消去指示を実行し、要求されたセクターが正しく消去されたことを例えば1バイトに符号化されたメッセージにより、基地1に通知する。
【0036】
先に消去されたメモリー11のセクターごとに、基地1は起動モジュール12に使用モジュールの更新指示(BTF_FLASH_WRITE)を送信する。このとき、これらメッセージの各々は、とりわけ、メモリー11に書き込む開始セクター、データ長、そしてデータを与える。起動モジュールは、こうして受け取ったデータの要求セクターへの書き込み処理を制御し、メモリー11への書き込み処理が成功したかどうかを示す報告メッセージを基地1に送信する。更新指示は、ダウンロード処理を加速させるように、一度に512セクターに関係していてもよい。
【0037】
そして、基地1は電話3に、例えば確認されるべき開始アドレス及びデータ長を指定可能な整合性(integrity)確認指示(BTF_MISR)を送信する。そして、起動モジュール12は、例えば記録されたデータの128ビットの特徴(signature)を計算して基地1に送信し、基地1はダウンロードが正しく実行されたかどうかを確認し得る。正しく実行されなかった場合(例えば、電源障害又はその他の原因によりダウンロードが中断された場合)、基地1は再びダウンロード処理を上述のようにして開始する。
【0038】
最後に、基地1は簡易的な無線リンクを介して、通常動作モードに切り替わるように起動モジュールに指示を与え、起動モジュール12は通常動作モードに切り替わり、確認メッセージを基地1に返送する。基地1は、故に、起動モジュールが上述のように通常動作に切り替わるように、無線リンクの切断とその後の再接続とを行わせる。
【0039】
上述の構成により、無線電話3のメモリーサイズは削減されることが可能であり、特に、使用モジュールのメモリーサイズより明らかに小さくされることができる。何故なら、使用モジュール13は更新版のダウンロード中に部分的あるいは全体的に消去されることが可能であり、それにより、無線電話は起動モジュール12を用いて、ダウンロードモードで動作し続けることができるからである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態に従った無線通信システムの機能を示す図である。
【図2】図1のシステムの一部を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
起動ソフトウェアモジュール及び使用ソフトウェアモジュールを格納する少なくとも1つのメモリー、
前記メモリーに結び付けられた少なくとも1つの電子処理ユニット、及び
前記処理ユニットにより制御される少なくとも1つの無線回路、
を有し、
前記起動モジュールは、当該無線通信装置の動作中に前記処理ユニットにて自動的に実行され、且つ
前記使用モジュールは、前記処理ユニットにより実行されるときに、所定の無線通信プロトコルに従って、当該無線通信装置と無線通信ネットワークとの間の無線通信を可能にする、
無線通信装置であって、
前記起動モジュールは:
前記無線通信ネットワークとの当該無線通信装置の簡易的な無線リンクを確立する手段、及び
前記簡易的な無線リンクを介したダウンロード処理、前記使用モジュールの更新、及び当該無線通信装置の前記メモリー内への更新版の格納を実行する手段、
を有していることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記簡易的な無線リンクを可能にするために、前記所定の無線通信プロトコルの幾つかのレイヤのみが提供され、提供される前記レイヤは特定の機能に制限されることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記所定の無線通信プロトコルはブルートゥースプロトコルであり、且つ提供される前記レイヤは:
− “LC”レイヤ(無線リンクの実時間制御):接続の構築のための単純なデータの多重化に制限、
− “LM”レイヤ(無線リンクの実時間制御):音声なし、認証又は暗号化なしの、入力接続に限定されたネゴシエーションに制限、
− “L2CAP”レイヤ:単一のサービスに制限された制御、信号伝達及び多重化、及び
− サービスレイヤ:ダウンロードサービス、
であることを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記起動モジュールは、前記メモリーに当初格納されていた前記使用モジュールの少なくとも一部に代えて前記更新版を格納する、請求項1乃至3の何れか一項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記起動モジュールは、前記簡易的な無線リンクを介して指示を受け取り且つ認識する、請求項1乃至4の何れか一項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記起動モジュールは、前記簡易的な無線リンクを介して、前記メモリーに前記更新版を格納するための前記メモリーへの書き込み指示を受け取る、請求項5に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記起動モジュールは、前記簡易的な無線リンクを介して、前記メモリーの少なくとも一部の消去指示を受け取る、請求項5又は6に記載の無線通信装置。
【請求項8】
当該無線通信装置の前記メモリーは、前記使用モジュールを格納するフラッシュメモリーを含んでいる、請求項1乃至7の何れか一項に記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記起動モジュールは:
前記簡易的な無線リンクを介して、前記メモリーのコンテンツに関する情報を要求する問い合わせを受け、
前記情報を探索し、且つこの情報を与える回答を前記簡易的な無線リンクを介して発する、
請求項1乃至8の何れか一項に記載の無線通信装置。
【請求項10】
前記起動モジュールはダウンロードされた前記更新版の完全性を検査する、請求項1乃至9の何れか一項に記載の無線通信装置。
【請求項11】
前記起動モジュールは、前記使用モジュールの実行を行わせる通常動作モードと、前記使用モジュールの更新版のダウンロードを可能にし、前記使用モジュールの即座の実行を行わせないダウンロードモードとを有しており、前記起動モジュールは、前記簡易的な無線リンクを介して、通常動作モードに切り替えるための指示を受け取るように適応されている、請求項1乃至10の何れか一項に記載の無線通信装置。
【請求項12】
前記使用モジュールは、通常動作モードに切り換えるための指示を前記起動モジュールに与える、請求項1乃至11の何れか一項に記載の無線通信装置。
【請求項13】
無線電話を構成する請求項1乃至12の何れか一項に記載の無線通信装置。
【請求項14】
前記無線通信プロトコルは、“ブルートゥース”プロトコル、“Wi-Fi”プロトコル、及び“DECT”プロトコルの中から選択されている、請求項1乃至13の何れか一項に記載の無線通信装置。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか一項に記載の無線通信装置と、該無線通信装置とともにローカルネットワークを形成し、且つ前記無線通信プロトコルに従って該無線通信装置と通信する少なくとも1つの無線通信基地と、を有する無線通信システム。
【請求項16】
前記基地は、前記簡易的な無線リンクを介して、前記起動モジュールに指示を送信する、請求項15に記載の無線通信システム。
【請求項17】
前記基地は、前記簡易的な無線リンクを介して前記起動モジュールに、前記メモリーに前記更新版を格納するための、前記無線通信装置の前記メモリーへの書き込み指示を送信する、請求項16に記載の無線通信システム。
【請求項18】
前記基地は、少なくとも部分的に前記使用モジュールの既存バージョンに代えて前記更新版を格納する、請求項17に記載の無線通信システム。
【請求項19】
前記基地は、前記簡易的な無線リンクを介して前記起動モジュールに、前記無線通信装置の前記メモリーの少なくとも一部の消去指示を送信する、請求項16乃至18の何れか一項に記載の無線通信システム。
【請求項20】
前記基地は前記起動モジュールに、前記無線通信装置の前記メモリーのコンテンツに関する情報を要求する問い合わせを送信し、且つ
前記起動モジュールは、この問い合わせに従って、前記情報を探索し、この情報を与える回答を前記簡易的な無線リンクを介して送信する、
請求項16乃至19の何れか一項に記載の無線通信システム。
【請求項21】
前記起動モジュールは、ダウンロードされた前記更新版の完全性検査情報を前記基地に送信し、前記基地は、前記完全性検査情報が完全性に欠けることを示す場合に、前記更新版の前記無線通信装置へのダウンロードを再び制御する、請求項16乃至20の何れか一項に記載の無線通信システム。
【請求項22】
前記完全性検査情報は、前記無線通信装置の前記メモリーに格納された前記更新版から計算された特徴であり、前記基地は、この特徴が完全性に欠けることを示しているかどうかを決定し、それにより、前記簡易的な無線リンクを介した前記更新版の新たなダウンロードを始動させる、請求項21に記載の無線通信システム。
【請求項23】
前記起動モジュールは、前記使用モジュールの実行を行わせる通常動作モードと、前記使用モジュールの更新版のダウンロードを可能にし、前記使用モジュールの即座の実行を行わせないダウンロードモードとを有しており、前記基地は、前記簡易的な無線リンクを介して前記起動モジュールに、通常動作モードに切り替えるための指示を送信する、請求項16乃至22の何れか一項に記載の無線通信システム。
【請求項24】
前記基地は外部ネットワークへのアクセスポイントである、請求項15乃至23の何れか一項に記載の無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−533775(P2008−533775A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556597(P2007−556597)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060165
【国際公開番号】WO2006/089902
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】