無線通信装置
【課題】データシンボルの復調に必要な情報を受信側で容易に推定でき、データシンボルを高精度に復調できる無線通信装置を提供する。
【解決手段】既知情報を伝送するための複数のグループのいずれかに分類された複数のサブキャリアからなる少なくとも1つの既知シンボルを含み、同一アンテナから送信する2つのサブキャリアで伝送される既知情報のいずれか一方の位相の反転・非反転が、送信すべき情報に応じてグループ毎に制御された既知シンボル列を複数のアンテナを用いて送信し、既知シンボル列の送信後に複数のアンテナを用いてデータシンボルを送信する。
【解決手段】既知情報を伝送するための複数のグループのいずれかに分類された複数のサブキャリアからなる少なくとも1つの既知シンボルを含み、同一アンテナから送信する2つのサブキャリアで伝送される既知情報のいずれか一方の位相の反転・非反転が、送信すべき情報に応じてグループ毎に制御された既知シンボル列を複数のアンテナを用いて送信し、既知シンボル列の送信後に複数のアンテナを用いてデータシンボルを送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のアンテナおよび複数のサブキャリアを用いて通信を行うMIMO−OFDMに属し、さらに高速無線LANの技術に属する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線LAN(802.11a)においては、データ信号の前に既知シンボル(ショートプリアンブル、ロングプリアンブル)を送信して同期処理や伝送路推定を行っており、これらのプリアンブルを用いることで、データ部分の復調を行うことができる。一方、周波数帯域幅を拡大せずに伝送速度を向上させる技術としてMIMO(Multi-Input Multi-Output)が知られている。MIMOは送受信機で複数のアンテナを用いるため、従来の無線LANにMIMOを適用する場合は、ショートプリアンブルやロングプリアンブルの構成をMIMO用に変更する必要がある。
【0003】
非特許文献1で提案されたプリアンブル信号案によると、まず1つの送信アンテナから時間同期、周波数同期及びAGCに用いるショートプリアンブル列、伝送路応答推定用のシンボルを含むロングプリアンブル、及びシグナルフィールドを送信した後、他の送信アンテナから伝送路応答推定用のロングプリアンブルを順に送信する。このようにしてプリアンブル信号の送信が終了した後に、複数の送信アンテナからデータを同時に送信する。すなわち、複数の送信アンテナから伝送路応答用のロングプリアンブルを時分割多重によって送信する。
【0004】
ところで、MIMOシステムでは受信信号を復調するために、送信アンテナ数、変調方式、符号化率などの情報を受信側で知る必要がある。受信側でこれらの情報を知る方法として、これらの情報を通知する専用の信号を送信する方式も考えられるが、この方法ではオーバヘッドが増加し、データ伝送のスループットが低下してしまう問題がある。一方、復調に必要な情報を受信信号から推定する場合、推定に失敗すると復調が不可能となるため、推定には高い精度が要求される。受信したプリアンブル信号を用いてこれらの情報を推定する方式も考えられるが、非特許文献1のプリアンブル信号は上記情報を推定することを前提としているものではなく、このプリアンブル信号を用いて高精度に推定することは困難である。
【非特許文献1】Jan Boer他2名“Backwards compatibility”、 [online]、平成15年9月、IEEE LMSC(発行元)、[平成15年9月15日検索]、インターネット<URL:ftp://ieee:wireless@ftp.802wirelessworld.com/11/03/11-03-0714-00-000n-backwards-compatibility.ppt>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようにMIMOシステムにおいて、送信アンテナ数などの復調に必要な情報を受信信号から推定する場合、推定にはデータの復調以上の精度が要求されており、非特許文献1のプリアンブル信号を用いて高精度に推定することは困難であるという問題があった。一方、復調に必要な情報を送信する方式ではオーバヘッドの増加が否めないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、データシンボルの復調に必要な情報を通知する専用の信号を付加することなく、これらの情報を受信側で容易に推定可能とし、データシンボルの正しい復調を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の無線通信装置(送信機)は、複数のアンテナと、既知情報を伝送するための複数のグループのいずれかに分類された複数のサブキャリアからなる少なくとも1つの既知シンボルを含み、同一アンテナから送信する2つのサブキャリアで伝送される既知情報のいずれか一方の位相の反転・非反転が、送信すべき情報に応じて前記グループ毎に制御された既知シンボル列を前記複数のアンテナを用いて送信する既知シンボル送信手段と、前記既知シンボル列の送信後に前記複数のアンテナを用いてデータシンボルを送信するデータシンボル送信手段とを有する。
【0008】
伝送路推定用の既知シンボルを周波数分割多重で伝送する場合に、サブキャリアを複数のグループのいずれかに分類し、送信すべき情報(既知シンボル列送信後に送信されるデータシンボルの復調に用いる情報(例えば、送信アンテナ数、データシンボルの変調方式の種類、データシンボルの符号化方式の種類、データシンボルの符号率、データシンボルのシンボル数、データシンボルに含まれる情報量など))に応じて、サブキャリアの位相をグループ毎に制御する構成とした。この構成により、受信側では復調に用いる情報を高精度で推定することが可能となる。
【0009】
(1−2)同一アンテナから送信する2つのサブキャリアが隣接し、既知シンボル送信手段は、この隣接する2つのサブキャリアのいずれか一方で伝送される既知情報の位相の反転・非反転が、送信すべき情報に応じて、グループ毎に制御された既知シンボル列を複数のアンテナを用いて送信する。
【0010】
隣接したサブキャリアでは伝送路の相関が高いため、受信側でこの隣接したサブキャリア間で相関値を計算した場合大きい値となる。その場合、既知シンボルを用いて通知された復調に用いる情報を高精度に推定できる。
【0011】
(1−3)既知シンボル列が、既知情報を伝送するサブキャリアが同一の複数の既知シンボルを含むことにより、同じパターンの既知シンボルを繰り返して送信し受信側で累積加算することで、伝搬路の推定精度と復調に必要な情報の推定精度の両方を改善できる。
【0012】
(2)本発明の無線通信装置(受信機)は、複数のアンテナによって送信される、既知情報を伝送するための複数のグループのいずれかに分類された複数のサブキャリアからなる少なくとも1つの既知シンボルを含み、データシンボルの復調に用いる情報を送信するために、同一アンテナから送信する2つのサブキャリアで伝送される既知情報のいずれか一方の位相の反転・非反転が前記グループ毎に制御された既知シンボル列及び該既知シンボル列より後の前記データシンボルを受信する受信手段と、受信した既知シンボルから伝送路推定値を求める伝送路推定手段と、前記受信した既知シンボルから求めた前記伝送路推定値のうち当該既知シンボルの前記2つのサブキャリアに対応する2つの伝送路推定値の間の相関値を前記グループ毎に求める手段と、前記グループ毎に求められた相関値を基に、前記データシンボルの復調に用いる情報を再生する手段とを有する。
【0013】
(2−1)既知シンボル列は、既知情報を伝送するためのサブキャリアが同一である複数の既知シンボルを含み、伝送路推定手段は、各既知シンボルの同一のサブキャリアで伝送される既知情報に対応する周波数波形を累積加算して、伝送路推定値を求める。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、データシンボルの復調に必要な情報を受信側で容易に推定でき、もってデータシンボルを高精度に復調できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて第1の実施形態に係る送信機について説明する。図1は送信機の物理層であり、ここに上位層から送信すべきデータ(ビット列)10がある送信単位(例えば、フレームもしくはパケット)毎に入力される。入力されるデータ10は、符号化器11により例えば誤り訂正符号化が施され、符号化ビット系列が生成される。符号化ビット系列は、直並列変換器(S/P)12によって直並列変換されることにより、複数のストリームに分割される。各ストリームは変調器13−1〜13−Mによって複素平面上にマッピングされ、変調されたデータシンボルが生成される。変調されたデータシンボルは、OFDM(直交周波数分割多重)の各サブキャリアに乗せて伝送されるように、直並列変換器(S/P)14−1〜14Mによって直並列変換され、さらに逆高速フーリエ変換部(IFFT)19−1〜19−Mにより周波数軸上の信号から時間波形に変換される。IFFT部19−1〜19−Mからは時間波形に変換された信号が出力されて、送信回路20に入力される。送信回路20では、IFFT部19−1〜19−Mの出力信号に対しガードインターバル(GI)を付加した後、D/A変換器によってアナログ信号に変換する。D/A変換器の出力信号は、周波数変換器によってRF(高周波)帯に周波数変換(アップコンバート)され、電力増幅器を介して送信アンテナ21−1〜21−Mに供給されることにより、送信アンテナ21−1〜21−Mから通信相手の無線通信装置へOFDM信号が送信される。
【0017】
このようにしてデータシンボルがOFDM信号として送信される前に、プリアンブルが送信される。以下、プリアンブルの特に伝送路推定用の既知シンボルの送信系について説明する。
【0018】
既知シンボルパターン発生器15は例えばROMであり、複数の既知シンボルパターンを格納している。既知シンボルは、それぞれOFDMの予め割り当てられた複数のサブキャリアの幾つかに情報が乗せられて送信される。既知シンボルパターンとは、既知シンボルの情報をどのサブキャリアに乗せるかを示すパターンである。既知シンボルパターン発生器15のROMには周波数軸上の既知シンボルパターンが格納されている。
【0019】
既知シンボルの送信時には、既知シンボルパターン発生器15のROMに格納された複数の既知シンボルパターンが送信されるタイミングで順次読み出され、セレクタ16に入力される。セレクタ16は、既知シンボルの送信タイミングに合わせて、既知シンボル発生器15のROMから読み出された既知シンボルの各既知情報を適切な送信アンテナから送信するように各アンテナに対応する位相制御器18−1〜18−Mに振り分ける操作を行う。
【0020】
なお、無線LANのプリアンブルに含まれるショートプリアンブルとロングプリアンブルのように複数種類の既知シンボルが存在する場合、セレクタ16は、これら複数種類の既知シンボルをROMを切り替えて読み出す。
【0021】
グループ情報発生器17は、位相制御器18−1〜18−Mに入力された各サブキャリアが属するグループ情報を格納しており、位相制御器18−1〜18−Mにその情報を出力している。このグループ情報発生器17が格納しているグループ情報については後述する。
【0022】
位相制御器18−1〜18−Mに入力された各サブキャリアの既知情報の位相は、グループ単位に、既知シンボルを用いて受信側に通知する情報(本実施形態では送信に用いられるアンテナ数)に応じて反転・非反転制御され、IFFT部19−1〜19−Mに入力される。その後、IFFT部19−1〜19−Mの出力信号は送信回路20に導かれる。
【0023】
グループ情報発生器17はセレクタ16から出力された各サブキャリアが属するグループ情報として、図5に示すようなテーブルを予め記憶している。図5のG(n)はn番目のサブキャリアのグループ番号を示しており、グループの総数をNgとすると1〜Ngのいずれかの数となる。グループの総数Ngは受信側に通知したい情報(本実施形態では送信アンテナ数)のパターン数Npにより決定される数であり、次式を満たす。
【0024】
Ng−1<log2(Np)≦Ng …(1)
例えば、送信アンテナ数として「1」、「2」、「3」、「4」という4パターンを受信側へ通知する場合や、「1」、「2」、「3」という3パターンを受信側へ通知する場合には、上記(1)式から2グループあればよいことになる。
【0025】
一方、後述する受信機においては、各送信アンテナから同時に送信される既知シンボルを受け取った時点で、各サブキャリアに対応する伝送路推定値を求めつつ、送信アンテナ数を推定することが可能となる。
【0026】
次に、図2を用いて伝送路推定用の既知シンボルの送信方法の一例を詳しく説明する。
【0027】
図2(a)(b)(c)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「1」の場合、「2」の場合及び「3」の場合に、プリアンブルを含む無線フレームの構造を示している。なお、この例においては、送信アンテナ数は最大「3」であるため、グループの総数Ngは式(1)よりNg=2となる。
【0028】
図2に示すように、第1の実施形態では、無線LANのようにデータフィールドDATAに先立って同期用のショートプリアンブルSP、伝送路推定用のロングプリアンブルLPを送信するシステムを仮定している。ここで、ショートプリアンブルSPの構成は特に限定されるものではなく、例えばIEEE802.11aと同様のものを複数の送信アンテナから送信してもよい。既知シンボルは、MIMO通信の際に伝送路応答の推定に用いられ、無線LANでは図2(a)(b)(c)中のロングプリアンブルLPに相当する。
【0029】
図2(a)(b)(c)では、各送信アンテナから送信されるロングプリアンブルLPが周波数分割多重されている。ここで、送信アンテナの数をM、OFDMのサブキャリアの数をNとし、N/2Mが余りなく割り切れるとした場合、次式(2)及び(3)のサブキャリア(N個のサブキャリアの番号を0番目からN−1番目と定義する)に既知シンボルの情報が存在し、他のサブキャリアには情報が存在しない。
【0030】
2(Ml+m−1)mod N …(2)
{2(Ml+m−1)+1}mod N …(3)
ここで、m=1,2,…、Mはアンテナ番号であり、l=0,1,…,(N/2M−1)である。さらにn番目のサブキャリアが属するグループ番号は
n < N/2なら G(n)=1 …(4)
n ≧ N/2なら G(n)=2 …(5)
で与えられる。また、図2(a)に示す、アンテナ数が「1」の場合の既知シンボルがn番目のサブキャリアに乗せている情報値をL1(n)とすると、アンテナ数がM(≧2)の場合の既知シンボルがm番目のアンテナのn番目のサブキャリアに乗せている情報値 LM(n)は式(6)〜(8)で与えられる。
【0031】
M=2かつG(n)=1かつnが偶数ならば LM(n)=−L1(n) …(6)
M=3かつG(n)=2かつnが偶数ならば LM(n)=−L1(n) …(7)
上記以外ならば LM(n)=L1(n) …(8)
例えば、図2(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合は、アンテナ1から送信される1つの既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0032】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0033】
図2(b)(アンテナ数Mが「2」)の場合は、式(2)〜(8)よりアンテナ1、2からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0034】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,4,5,8,9}、グループ番号{1,1,1,1,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),−L1(4),L1(5),L1(8),L1(9)}。
【0035】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{2,3,6,7,10,11}、グループ番号{1,1,2,2,2,2}、情報値{−L1(2),L1(3),L1(6),L1(7),L1(10),L1(11)}。
【0036】
図2(c)(アンテナ数Mが「3」)の場合は、式(2)〜(8)よりアンテナ1、2、3からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0037】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,6,7}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),−L1(6),L1(7)}。
【0038】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{2,3,8,9}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(2),L1(3),−L1(8),L1(9)}。
【0039】
アンテナ3の既知シンボル:サブキャリア番号{4,5,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(4),L1(5),−L1(10),L1(11)}。
【0040】
なお、図2(a)(b)(c)においては、プリアンブルの構造は時間的に表されているが、便宜上、ロングプリアンブルLPについては、情報が存在するサブキャリアを斜線とドットで表している。図中のドットで示したサブキャリアは式(6)(7)により位相を反転させた情報が挿入されているサブキャリアを表しており、各サブキャリアの上部にそのサブキャリアが属するグループ番号を記している。
【0041】
図2(a)(b)(c)に示すように、第1の実施形態に係る既知シンボルは、受信側に通知したい情報(例えば送信アンテナ数)に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をそのサブキャリアが属するグループ毎に反転・非反転制御されていることを特徴としている。
【0042】
グループ数を上記(1)式に従って求めると、各グループについて、隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相を反転させるグループとするか、隣接する2つのサブキャリアのいずれも位相を反転させないグループとするかを定めたパターンは、受信側に通知し得る情報の数だけ得られる。各パターンには、受信側に通知する情報が予め対応付けられている。すなわち、図2(a)に示すパターンは、送信アンテナ数が「1」という情報が対応付けられており、図2(b)に示すパターンは、送信アンテナ数が「2」という情報が対応付けられており、図2(c)に示すパターンは、アンテナ数が「3」という情報が対応付けられている。
【0043】
送信側では、セレクタ16は、既知シンボルパターン発生器(ROM)15から、既知シンボルに含まれる各既知情報をどのサブキャリアで伝送するかを定めた既知シンボルパターン(既知情報のサブキャリアへの割当)を1つ読み出して、各既知情報を既知シンボルの送信タイミングに合わせて、各既知情報を適切な送信アンテナから送信するように各アンテナに対応する位相制御器18−1〜18−Mに振り分ける。
【0044】
位相制御器18−1〜18−Mは、受信側に通知したい(データシンボルを復号する際に用いる)情報に対応するパターンを用いて、当該パターンにより隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相を反転させるグループであると定められているグループに属するサブキャリア群については、隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相を反転させ、当該パターンにより隣接する2つのサブキャリアのいずれも位相を反転させないグループであると定められているグループに属するサブキャリア群については、位相反転を行わないよう、サブキャリアの反転・非反転を制御するようになっている。
【0045】
なお、図2(a)(b)(c)では送信アンテナの最大数Mmaxが「3」である場合の例を示したが、Mmaxが「4」以上場合においても拡張可能である。この場合、送信アンテナ数のパターンはMmax個になるため、式(1)にNp=Mmaxを代入した式を満たすグループ数Ngだけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に送信するアンテナ数に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転・非反転制御すればよい。
【0046】
また、図2(a)(b)(c)では受信側に通知する既知情報が送信アンテナ数である場合の例を示したが、この通知する情報は送信アンテナ数に限定されるものではなく、データフィールドの変調方式の種類、符号化方式の種類、符号化率、シンボル数、情報ビット数などの情報やこれらの組み合わせでもかまわない。その場合、通知したい情報のパターン数(種類の数)に応じて式(1)の数だけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に通知する情報に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転制御すればよい。
【0047】
次に、図3を用いて本発明の第1の実施形態に係る受信機について説明する。図3において、図1の送信機から送信されるRF(Radio Frequency)帯のOFDM信号は複数の受信アンテナ30−1〜30−Mにより受信される。受信アンテナ30−1〜30−MからのOFDM受信信号は、受信回路31に入力される。受信アンテナ30−1〜30−Mから入力されるOFDM信号は、受信回路31において、それぞれ低雑音増幅器(LNA)により増幅された後、周波数変換器によりベースバンド帯に周波数変換(ダウンコンバート)され、さらにA/D変換器によってディジタル信号に変換され、さらにガードインターバル(GI)が除去される。
【0048】
受信回路31からの出力信号は、高速フーリエ変換部(FFT)32−1〜32−Mに入力されることにより、時間波形の信号が周波数波形の信号、すなわちサブキャリアごとの波形に変換される。FFTユニット32−1〜32−Mからの出力信号のうち、データシンボルの区間の信号はMIMO信号処理器40に入力される。
【0049】
一方、FFTユニット32−1〜32−Mからの出力信号のうち、プリアンブル、特に既知シンボルの区間の信号は除算器33−1〜33−Mに入力される。除算器に入力されたサブキャリアごとの波形はROM34に格納された既知シンボルで除算されることで伝送路特性の推定値に変換される。伝送路特性の推定値は、メモリ39−1〜39−Mへ格納されるとともに、相関器35−1〜35−Mへ入力される。
【0050】
ROM34に格納された既知シンボルは図2(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合の周波数軸上の既知シンボルと同一のものである。
【0051】
相関器35−1〜35−Mでは、グループ情報発生器36からのサブキャリアのグループ情報を基に、伝送路特性の推定値についてグループ毎に相関値を計算し、算出したグループ毎の相関値を判定器37に入力する。グループ情報発生器36は図1のグループ情報発生器17と同様の構成となっており、各サブキャリアが属するグループ情報を相関器35−1〜35−Mに出力している。判定器37では入力された相関値が正値であるか、もしくは負値であるかの判定をグループ毎に行い、その結果を送信アンテナ数判定部38に出力する。送信アンテナ数判定部38では、各グループの相関値の組み合わせを基に送信アンテナ数を決定し、送信アンテナ数をMIMO受信部40に出力する。以上の送信アンテナ数推定のアルゴリズムについては、詳細な説明を後述する。
【0052】
MIMO信号処理部40では、FFTユニット32−1〜32−Mからのデータシンボル区間の信号に対して、メモリ39−1〜39−Mからの伝送路推定値と送信アンテナ数判定部38からの送信アンテナ数に従って例えば最尤推定のようなMIMO信号受信処理がなされる。MIMO信号受信処理後の信号に対してチャネル復号が行われ、これによって送信されてきたデータ41が再生される。
【0053】
ここで、j番目の受信アンテナにおいて受信された既知シンボルのn番目のサブキャリア信号をXj(n)とする。このサブキャリアの伝送路特性の推定値(除算器の出力信号)Aj(n)は式(9)で与えられる。
【0054】
Aj(n)=Xj(n)/L1(n) …(9)
このサブキャリアの実際の伝送路特性値をhj(n)、雑音信号をNj(n)とすると、Xj(n)は、
Xj(n)=hj(n)・LM(n)+Nj(n)
と表現できるため、式(9)は式(10)で表現できる。
【0055】
Aj(n)
=hj(n)LM(n)/L1(n)+Nj(n)/L1(n)…(10)
説明を簡単にするため、雑音が付加されない理想的な環境(Nj(n)=0)を仮定すると式(10)は式(11)で簡略化できる。
【0056】
Aj(n)=hj(n)LM(n)/L1(n) …(11)
同一のアンテナから送信された隣接するサブキャリア間では伝送路の影響はほぼ同じ、すなわち、同一アンテナから送信される隣接するサブキャリアの伝送路特性は高い正の相関値を持つとすると、全ての受信アンテナにおいて以下のような伝送路特性Aj(n)が求まることが予想される。
【0057】
<送信アンテナ数が「1」の場合>
グループ番号「1」に対応するサブキャリアでは、LM(n)=L1(n)であるため、式(11)からAj(n)=hj(n)となる。グループ番号「1」に属するすべてのサブキャリアは同一のアンテナから送信されているので、偶数番目のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n)とその次の番号の隣接サブキャリアの伝搬路特性の推定値Aj(n+1)は高い正の相関を持つ。
【0058】
グループ番号「2」についても上記と同様であり、偶数番目のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n)とその次の番号の隣接サブキャリアの伝搬路特性の推定値Aj(n+1)は高い正の相関を持つ。
【0059】
<送信アンテナ数が「2」の場合>
グループ番号「1」に対応するサブキャリアでは、式(6)より偶数番目のサブキャリアについてLM(n)=−L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=−hj(n)という実際の伝送路特性に比べ位相が反転した特性となる。一方、奇数番目のサブキャリアについては、式(8)よりLM(n)=L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=hj(n)となる。偶数番目のサブキャリアとその次の番号の隣接サブキャリアは同一アンテナから送信されているので、偶数番目のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n)とその次の番号のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n+1)は高い相関を持つが、Aj(n)は奇数番目のサブキャリアであり、実際の伝送路とは位相を反転した特性が求まっているため、高い負の相関を持つ。
【0060】
グループ番号「2」に対応するサブキャリアでは、式(8)より偶数番目のサブキャリアについてLM(n)=L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=hj(n)となる。一方、奇数番目のサブキャリアについても同様に、式(8)よりLM(n)=L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=hj(n)となる。偶数番目のサブキャリアとその次の番号の隣接サブキャリアは同一アンテナから送信されているので、偶数番目のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n)とその次の番号のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n+1)は高い正の相関を持つ。
【0061】
<送信アンテナ数が「3」の場合>
グループ番号「1」に対応するサブキャリアでは、式(8)より偶数番目のサブキャリアについてLM(n)=L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=hj(n)となる。一方、奇数番目のサブキャリアについても同様に、式(8)よりLM(n)=L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=hj(n)となる。偶数番目のサブキャリアとその次の番号の隣接サブキャリアは同一アンテナから送信されているので、偶数番目のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n)とその次の番号のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n+1)は高い正の相関を持つ。
【0062】
グループ番号「2」に対応するサブキャリアでは、式(7)より偶数番目のサブキャリアについてLM(n)=−L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=−hj(n)という実際の伝送路特性に比べ位相が反転した特性となる。一方、奇数番目のサブキャリアについては、式(8)よりLM(n)=L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=hj(n)となる。偶数番目のサブキャリアとその次の番号の隣接サブキャリアは同一アンテナから送信されているので、偶数番目のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n)とその次の番号のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n+1)は高い相関を持つが、Aj(n)は奇数番目のサブキャリアであり、実際の伝送路とは位相を反転した特性が求まっているため、高い負の相関を持つ。
【0063】
以上のことから分かるように、グループ「1」とグループ「2」の相関値の符号の組み合わせがそれぞれ{正、正}であるときは送信アンテナ1本、{負、正}であるときは送信アンテナ2本、{正、負}であるときは送信アンテナ数3本であると判定できる。
【0064】
以下、図4に示すフローチャートを参照して、図3の受信機における送信アンテナ数推定手順のアルゴリズムの詳細について説明する。まず、j番目アンテナで受信した既知シンボルの周波数波形を除算器30−jに入力する(ステップS1、ステップS2)。除算器33−jに入力されたサブキャリアごとの波形はROM34に格納された既知シンボルで除算することにより伝送路特性の推定値を求める。サブキャリア毎の伝送路特性の推定値は、メモリ39−jへ格納され、さらに、相関器35−jへ出力される(ステップS3)。
【0065】
相関器35−jは、サブキャリアのグループ毎に偶数番目のサブキャリアの伝送路特性の推定値と奇数番目のサブキャリアの伝送路特性の相関値を求める。グループ番号kのサブキャリアにおける相関値Zkは以下のように定義される。
【0066】
Zk=Aj(Nk)*Aj(Nk+1)+Aj(Nk+2)*Aj(Nk+3)+…+Aj(Nk+N/2−2)*Aj(Nk+N/2−1)
但し、a*bはbの複素共役をaに乗算する演算である。また、Nk=N・(k−1)/2である。
【0067】
相関器35−1〜35−Mで算出された各受信アンテナの相関値はグループ毎に加算され、判定器37において合計後の各グループの相関値が正であるか、もしくは負であるかの判定が行われる。送信アンテナ数判定部38では、図6に示すような正負判定後の各グループの相関値の組み合わせと送信アンテナ数の対応表を保持しており、判定器37から入力された判定後の各グループの相関値とその対応表を基に送信アンテナ数を決定する(ステップS4)。この例では、判定器37から入力された判定後の各グループ相関値の組み合わせが{正、正}である場合アンテナ数が「1」(ステップS5)、{負、正}である場合アンテナ数が「2」(ステップS6)、{正、負}である場合アンテナ数が「3」(ステップS7)であると判定する。MIMO信号処理部40は、こうして推定された送信アンテナ数を用いてデータシンボルの再生を行う。
【0068】
なお、図3、4では送信側から既知シンボルを用いて通知された情報が送信アンテナ数である場合の受信器構成と推定法の例を示したが、この受信器構成と推定法は通知情報が送信アンテナ数である場合に限定されるものではなく、通知情報がデータフィールド(データシンボル)の変調方式の種類、符号化方式の種類、符号化率、シンボル数、情報ビット数(情報量)等である場合についても、図3の送信アンテナ数判定部38が通知情報に対応する判定部に変更になることを除いて、同様の構成と推定法を用いることが可能である。
【0069】
以上述べたように、上記第1の実施形態によれば、送信アンテナ数などデータ信号部の復調に必要な情報を通知する信号を別途送信することなく、既知シンボルを用いて、アンテナ毎の伝送路推定を行いながら、復調に必要な情報を推定することが可能である。
【0070】
(第2の実施形態)
次に、図7を参照して第2の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法について説明する。図7(a)(b)(c)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「1」の場合、「2」の場合及び「3」の場合のプリアンブルを含む無線フレームの構造を示している。
【0071】
図7(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合は、アンテナ1から送信される1つの既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0072】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0073】
図7(b)(アンテナ数Mが「2」)の場合は、アンテナ1、2からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0074】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5}、グループ番号{1,1,1,1,1,1}、情報値{−L1(0),L1(1),−L1(2),−L1(3),L1(4),−L1(5)}。
【0075】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{6,7,8,9,10,11}、グループ番号{2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0076】
図7(c)(アンテナ数Mが「3」)の場合は、アンテナ1、2、3からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0077】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3}、グループ番号{1,1,1,1}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3)}。
【0078】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{4,5,6,7}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(4),L1(5),−L1(6),L1(7)}。
【0079】
アンテナ3の既知シンボル:サブキャリア番号{8,9,10,11}、グループ番号{2,2,2,2}、情報値{−L1(8),L1(9),−L1(10),L1(11)}。
【0080】
なお、図7(a)(b)(c)においては、プリアンブルの構造は時間的に表されているが、便宜上、ロングプリアンブルLPについては、情報が存在するサブキャリアを斜線とドットで表している。図中のドットで示したサブキャリアは位相を反転させた情報が挿入されているサブキャリアを表しており、各サブキャリアの上部にそのサブキャリアが属するグループ番号を記している。
【0081】
図7(a)(b)(c)に示すように、前述の第1の実施形態と同様、第2の実施形態に係る既知シンボルは、受信側に通知したい情報(例えば送信アンテナ数)に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をそのサブキャリアが属するグループ毎に反転・非反転制御されていることを特徴とする。そのため、前述の第1の実施形態と同様、図3の受信機を用いることで送信アンテナ数を推定することが可能である。
【0082】
なお、図7(a)(b)(c)では送信アンテナの最大数Mmaxが「3」である場合の例を示したが、Mmaxが「4」以上場合においても拡張可能である。この場合、送信アンテナ数のパターンはMmax個になるため、式(1)にNp=Mmaxを代入した式を満たすグループ数Ngだけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に送信するアンテナ数に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転制御すればよい。
【0083】
また、図7(a)(b)(c)では受信側に通知する既知情報が送信アンテナ数である場合の例を示したが、この通知する情報は送信アンテナ数に限定されるものではなく、データフィールドの変調方式、符号化方式、符号化率、シンボル数、情報ビット数などの情報やこれらの組み合わせでもかまわない。その場合、通知したい情報のパターン数に応じて式(1)の数だけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に通知する情報に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転制御すればよい。
【0084】
(第3の実施形態)
次に、図8を参照して第3の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法について説明する。図8(a)(b)(c)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「1」の場合、「2」の場合及び「3」の場合のプリアンブルを含む無線フレームの構造を示している。
【0085】
図8(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合は、アンテナ1から送信される1つの既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0086】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,2,2,1,1,2,2,1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0087】
図8(b)(アンテナ数Mが「2」)の場合は、アンテナ1、2からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0088】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5}、グループ番号{1,1,2,2,1,1}、情報値{−L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),−L1(4),L1(5)}。
【0089】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{6,7,8,9,10,11}、グループ番号{2,2,1,1,2,2}、情報値{L1(6),L1(7),−L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0090】
図8(c)(アンテナ数Mが「3」)の場合は、アンテナ1、2、3からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0091】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),−L1(2),L1(3)}。
【0092】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{4,5,6,7}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(4),L1(5),−L1(6),L1(7)}。
【0093】
アンテナ3の既知シンボル:サブキャリア番号{8,9,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(8),L1(9),−L1(10),L1(11)}。
【0094】
なお、図8(a)(b)(c)においては、プリアンブルの構造は時間的に表されているが、便宜上、ロングプリアンブルLPについては、情報が存在するサブキャリアを斜線とドットで表している。図中のドットで示したサブキャリアは位相を反転させた情報が挿入されているサブキャリアを表しており、各サブキャリアの上部にそのサブキャリアが属するグループ番号を記している。
【0095】
図8(a)(b)(c)に示すように、前述の第1の実施形態及び第2の実施形態と同様、第3の実施形態に係る既知シンボルは、受信側に通知したい情報(例えば送信アンテナ数)に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をそのサブキャリアが属するグループ毎に反転・非反転制御されていることを特徴とする。そのため、前述の第1の実施形態及び第2の実施形態と同様、図3の受信機を用いることで送信アンテナ数を推定することが可能である。
【0096】
なお、図8(a)(b)(c)では送信アンテナの最大数Mmaxが「3」である場合の例を示したが、Mmaxが「4」以上場合においても拡張可能である。この場合、送信アンテナ数のパターンはMmax個になるため、式(1)にNp=Mmaxを代入した式を満たすグループ数Ngだけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に送信するアンテナ数に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転・非反転制御すればよい。
【0097】
また、図8(a)(b)(c)では受信側に通知する既知情報が送信アンテナ数である場合の例を示したが、この通知する情報は送信アンテナ数に限定されるものではなく、データフィールドの変調方式、符号化方式、符号化率、シンボル数、情報ビット数などの情報やこれらの組み合わせでもかまわない。その場合、通知したい情報のパターン数に応じて式(1)の数だけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に通知する情報に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転・非反転制御すればよい。
【0098】
(第4の実施形態)
次に、図9を参照して第4の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法について説明する。図9(a)(b)(c)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「1」の場合、「2」の場合及び「3」の場合のプリアンブルを含む無線フレームの構造を示している。
【0099】
図9(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合は、アンテナ1から送信される1つの既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0100】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0101】
図9(b)(アンテナ数Mが「2」)の場合は、アンテナ1、2からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0102】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,6,7,8}、グループ番号{1,1,1,2,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),−L1(2),L1(6),L1(7),L1(8)}。
【0103】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{3,4,5,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,2,2,2}、情報値{L1(3),−L1(4),L1(5),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0104】
図9(c)(アンテナ数Mが「3」)の場合は、アンテナ1、2、3からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0105】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(9),−L1(10),L1(11)}。
【0106】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{3,4,5}、グループ番号{1,1,1}、情報値{L1(3),L1(4),L1(5)}。
【0107】
アンテナ3の既知シンボル:サブキャリア番号{6,7,8}、グループ番号{2,2,2}、情報値{−L1(6),L1(7),−L1(8)}。
【0108】
なお、図9(a)(b)(c)においては、プリアンブルの構造は時間的に表されているが、便宜上、ロングプリアンブルLPについては、情報が存在するサブキャリアを斜線とドットで表している。図中のドットで示したサブキャリアは位相を反転させた情報が挿入されているサブキャリアを表しており、各サブキャリアの上部にそのサブキャリアが属するグループ番号を記している。
【0109】
図9(a)(b)(c)に示すように、前述の第1〜3の実施形態と同様、第4の実施形態に係る既知シンボルは、受信側に通知したい情報(例えば送信アンテナ数)に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をそのサブキャリアが属するグループ毎に反転・非反転制御されていることを特徴とする。そのため、前述の第1〜3の実施形態と同様、図3の受信機を用いることで送信アンテナ数を推定することが可能である。
【0110】
なお、図9(a)(b)(c)では送信アンテナの最大数Mmaxが「3」である場合の例を示したが、Mmaxが「4」以上場合においても拡張可能である。この場合、送信アンテナ数のパターンはMmax個になるため、式(1)にNp=Mmaxを代入した式を満たすグループ数Ngだけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に送信するアンテナ数に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転・非反転制御すればよい。
【0111】
また、図9(a)(b)(c)では受信側に通知する既知情報が送信アンテナ数である場合の例を示したが、この通知する情報は送信アンテナ数に限定されるものではなく、データフィールドの変調方式、符号化方式、符号化率、シンボル数、情報ビット数などの情報やこれらの組み合わせでもかまわない。その場合、通知したい情報のパターン数に応じて式(1)の数だけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に通知する情報に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転制御すればよい。
【0112】
(第5の実施形態)
次に、図10を参照して第5の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法について説明する。図10(a)(b)(c)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「1」の場合、「2」の場合及び「3」の場合のプリアンブルを含む無線フレームの構造を示している。
【0113】
図10(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合は、アンテナ1から送信される1つの既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0114】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0115】
図10(b)(アンテナ数Mが「2」)の場合は、アンテナ1、2からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0116】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,2,4,6,8,10}、グループ番号{1,1,1,2,2,2}、情報値{L1(0),−L1(2),L1(4),L1(6),L1(8),L1(10)}。
【0117】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{1,3,5,7,9,11}、グループ番号{1,1,1,2,2,2}、情報値{L1(1),−L1(3),L1(5),L1(7),L1(9),L1(11)}。
【0118】
図10(c)(アンテナ数Mが「3」)の場合は、アンテナ1、2、3からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0119】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,3,6,9}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(3),−L1(6),L1(9)}。
【0120】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{1,4,7,10}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(1),L1(4),−L1(7),L1(10)}。
【0121】
アンテナ3の既知シンボル:サブキャリア番号{2,5,8,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(2),L1(5),−L1(8),L1(11)}。
【0122】
なお、図10(a)(b)(c)においては、プリアンブルの構造は時間的に表されているが、便宜上、ロングプリアンブルLPについては、情報が存在するサブキャリアを斜線とドットで表している。図中のドットで示したサブキャリアは位相を反転させた情報が挿入されているサブキャリアを表しており、各サブキャリアの上部にそのサブキャリアが属するグループ番号を記している。
【0123】
図10(a)(b)(c)に示すように、第5の実施形態に係る既知シンボルは、受信側に通知したい情報(例えば送信アンテナ数)に応じて、既知シンボルにおいて同一アンテナから送信される近隣の2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をそのサブキャリアが属するグループ毎に反転・非反転制御されていることを特徴とする。このような構成を用いた場合においても、近隣のサブキャリア間で伝送路の相関が高い場合には、前述の第1〜4の実施形態と同様、図3の受信機を用いることで送信アンテナ数を推定することが可能である。
【0124】
なお、図10(a)(b)(c)では送信アンテナの最大数Mmaxが「3」である場合の例を示したが、Mmaxが「4」以上場合においても拡張可能である。この場合、送信アンテナ数のパターンはMmax個になるため、式(1)にNp=Mmaxを代入した式を満たすグループ数Ngだけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に送信するアンテナ数に応じて、既知シンボルにおいて同一アンテナから送信される近隣の2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転制御すればよい。
【0125】
また、図10(a)(b)(c)では受信側に通知する既知情報が送信アンテナ数である場合の例を示したが、この通知する情報は送信アンテナ数に限定されるものではなく、データフィールドの変調方式、符号化方式、符号化率、シンボル数、情報ビット数などの情報やこれらの組み合わせでもかまわない。その場合、通知したい情報のパターン数に応じて式(1)の数だけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に通知する情報に応じて、既知シンボルにおいて同一アンテナから送信される近隣の2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転制御すればよい。
【0126】
(第6の実施形態)
次に、図11、図12を参照して第6の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法について説明する。第1〜第5の実施形態では、1つの既知シンボルを用いて送信アンテナ数などの情報通知を行っていたが、第6の実施形態では複数の既知シンボルを用いて情報の通知を行う。図11(a)(b)(c)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「1」の場合、「2」の場合、「3」の場合のプリアンブルを含む無線フレームの構造を示し、図12(a)(b)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「4」の場合及び「5」の場合のプリアンブルを含む無線フレームの構造を示している。
【0127】
図11(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合は、アンテナ1から送信される1つの既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0128】
アンテナ1の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0129】
アンテナ1の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0130】
図11(b)(アンテナ数Mが「2」)の場合は、アンテナ1、2からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0131】
アンテナ1の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{0,1,4,5,8,9}、グループ番号{1,1,1,1,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),−L1(4),L1(5),L1(8),L1(9)}。
【0132】
アンテナ1の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{2,3,6,7,10,11}、グループ番号{1,1,2,2,2,2}、情報値{L1(2),L1(3),L1(6),L1(7),L1(10),L1(11)}。
【0133】
アンテナ2の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{2,3,6,7,10,11}、グループ番号{1,1,2,2,2,2}、情報値{−L1(2),L1(3),L1(6),L1(7),L1(10),L1(11)}。
【0134】
アンテナ2の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{0,1,4,5,8,9}、グループ番号{1,1,1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(4),L1(5),L1(8),L1(9)}。
【0135】
図11(c)(アンテナ数Mが「3」)の場合は、アンテナ1、2、3からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0136】
アンテナ1の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{0,1,6,7}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),L1(6),L1(7)}。
【0137】
アンテナ1の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{2,3,8,9}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(2),L1(3),L1(8),L1(9)}。
【0138】
アンテナ2の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{2,3,8,9}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(2),L1(3),L1(8),L1(9)}。
【0139】
アンテナ2の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{4,5,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(4),L1(5),L1(10),L1(11)}。
【0140】
アンテナ3の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{4,5,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(4),L1(5),L1(10),L1(11)}。
【0141】
アンテナ3の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{0,1,6,7}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),L1(6),L1(7)}。
【0142】
図12(a)(アンテナ数Mが「4」)の場合は、アンテナ1、2、3、4からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0143】
アンテナ1の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{0,1,8,9}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(8),L1(9)}。
【0144】
アンテナ1の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{4,5}、グループ番号{1,1}、情報値{−L1(4),L1(5)}。
【0145】
アンテナ2の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{2,3,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(2),L1(3),L1(10),L1(11)}。
【0146】
アンテナ2の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{6,7}、グループ番号{2,2}、情報値{L1(6),L1(7)}。
【0147】
アンテナ3の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{4,5}、グループ番号{1,1}、情報値{L1(4),L1(5)}。
【0148】
アンテナ3の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{0,1,8,9}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),L1(8),L1(9)}。
【0149】
アンテナ4の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{6,7}、グループ番号{2,2}、情報値{L1(6),L1(7)}。
【0150】
アンテナ4の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{2,3,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(2),L1(3),L1(10),L1(11)}。
【0151】
図12(b)(アンテナ数Mが「5」)の場合は、アンテナ1、2、3、4、5からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0152】
アンテナ1の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{0,1,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),−L1(10),L1(11)}。
【0153】
アンテナ1の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{4,5}、グループ番号{1,1}、情報値{−L1(4),L1(5)}。
【0154】
アンテナ2の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{2,3}、グループ番号{1,1}、情報値{L1(2),L1(3)}。
【0155】
アンテナ2の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{6,7}、グループ番号{1,1}、情報値{L1(6),L1(7)}。
【0156】
アンテナ3の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{4,5}、グループ番号{1,1}、情報値{L1(4),L1(5)}。
【0157】
アンテナ3の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{8,9}、グループ番号{1,1}、情報値{L1(8),L1(9)}。
【0158】
アンテナ4の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{6,7}、グループ番号{1,1}、情報値{−L1(6),L1(7)}。
【0159】
アンテナ4の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{0,1,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),L1(10),L1(11)}。
【0160】
アンテナ5の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{8,9}、グループ番号{1,1}、情報値{−L1(8),L1(9)}。
【0161】
アンテナ5の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{2,3}、グループ番号{1,1}、情報値{−L1(2),L1(3)}。
【0162】
なお、図11(a)(b)(c)、図12(a)(b)においては、プリアンブルの構造は時間的に表されているが、便宜上、ロングプリアンブルLP1、LP2については、情報が存在するサブキャリアを斜線とドットで表している。図中のドットで示したサブキャリアは位相を反転させた情報が挿入されているサブキャリアを表しており、各サブキャリアの上部にそのサブキャリアが属するグループ番号を記している。
【0163】
図11(a)(b)(c)、図12(a)(b)に示すように、第6の実施形態に係る既知シンボルは、受信側に通知したい情報(例えば送信アンテナ数)に応じて、各既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をそのサブキャリアが属する既知シンボル番号とグループ毎に反転・非反転制御されていることを特徴とする。
【0164】
図13は、第6の実施形態に係る受信機の構成例を示したものである。なお、図13において、図3と同一部分には同一符号を付している。図13において、図3と異なる部分は、図13では、図3の受信機の構成にさらにメモリ42が追加されていることである。
【0165】
図13において、送信機から送信されるRF(Radio Frequency)帯のOFDM信号は複数の受信アンテナ30−1〜30−Mにより受信される。受信アンテナ30−1〜30−MからのOFDM受信信号は、受信回路31に入力される。受信アンテナ30−1〜30−Mから入力されるOFDM信号は、受信回路31において、それぞれ低雑音増幅器(LNA)により増幅された後、周波数変換器によりベースバンド帯に周波数変換(ダウンコンバート)され、さらにA/D変換器によってディジタル信号に変換され、さらにガードインターバル(GI)が除去される。
【0166】
受信回路31からの出力信号は、高速フーリエ変換部(FFT)32−1〜32−Mに入力されて、時間波形の信号が周波数波形の信号、すなわちサブキャリアごとの波形に変換される。FFTユニット32−1〜32−Mからの出力信号のうち、データシンボルの区間の信号はMIMO信号処理器41に入力される。
【0167】
一方、FFTユニット32−1〜32−Mからの出力信号のうち、プリアンブル、特に既知シンボルの区間の信号はシンボル単位で除算器33−1〜33−Mに入力される。除算器に入力されたサブキャリアごとの波形はROM34に格納された既知シンボルで除算することにより、伝送路特性の推定値が得らえる。サブキャリア毎の伝送路特性の推定値は、メモリ39−1〜39−Mへ格納されるとともに、相関器35−1〜35−Mへ入力される。ROM34に格納された既知シンボルは図11(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合の周波数軸上の既知シンボルと同一のものである。
【0168】
相関器35−1〜35−Mではグループ情報発生器36からのサブキャリアのグループ情報を基に、伝送路特性の推定値について、各既知シンボルにおけるグループ毎に相関値を計算し、各既知シンボルのグループ毎の相関値を判定器37に入力する。グループ情報発生器36は図1のグループ情報発生器17と同様の構成となっており、各サブキャリアが属するグループ情報を相関器35−1〜35−Mに出力している。
【0169】
判定器37は、入力された相関値が正値であるか、もしくは負値であるかの判定を各既知シンボルのグループ毎に行い、その結果をメモリ42に格納する。送信アンテナ数判定部38は、メモリ42にすべての既知シンボルに対する各グループの相関値が格納された時点で、その相関値の組み合わせを基に送信アンテナ数を決定する。
【0170】
送信アンテナ数判定部38は、図14に示すような正負判定後の各既知シンボルにおける各グループの相関値の組み合わせと送信アンテナ数の対応表を保持しており、判定器37から入力された判定後の各グループの相関値とその対応表を基に送信アンテナ数を決定し、MIMO受信部40に出力する。MIMO信号処理部40では、FFTユニット32−1〜32−Mからのデータシンボル区間の信号に対して、メモリ39−1〜39−Mからの伝送路推定値と送信アンテナ数判定部38からの送信アンテナ数に従って例えば最尤推定のようなMIMO信号受信処理がなされる。MIMO信号受信処理後の信号に対してチャネル復号が行われ、これによって送信されてきたデータ41が再生される。
【0171】
このように上記第6の実施形態によれば、連続して複数の既知シンボルを送信するため、既知シンボルが増えることによる効率の低下は招くが、各既知シンボルにおけるグループ数を増加させることなく送信側に通知できる情報パターン数を増やすことができる。
【0172】
(第7の実施形態)
次に、図15を参照して第7の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法について説明する。第7の実施形態は第6の実施形態と同様、複数の既知シンボルを用いて情報の通知を行う。図15(a)(b)(c)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「1」の場合、「2」の場合、及び「3」の場合のプリアンブルを含む無線フレームの構造を示している。
【0173】
例えば、図15(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合は、アンテナ1から送信される1つの既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0174】
アンテナ1の既知シンボルLP1とLP2:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0175】
図15(b)(アンテナ数Mが「2」)の場合は、アンテナ1、2からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0176】
アンテナ1の既知シンボルLP1とLP2:サブキャリア番号{0,1,4,5,8,9}、グループ番号{1,1,1,1,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),−L1(4),L1(5),L1(8),L1(9)}。
【0177】
アンテナ2の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{2,3,6,7,10,11}、グループ番号{1,1,2,2,2,2}、情報値{−L1(2),L1(3),L1(6),L1(7),L1(10),L1(11)}。
【0178】
図15(c)(アンテナ数Mが「3」)の場合は、アンテナ1、2、3からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0179】
アンテナ1の既知シンボルLP1とLP2:サブキャリア番号{0,1,6,7}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),−L1(6),L1(7)}。
【0180】
アンテナ2の既知シンボルLP1とLP2:サブキャリア番号{2,3,8,9}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(2),L1(3),−L1(8),L1(9)}。
【0181】
アンテナ3の既知シンボルLP1とLP2:サブキャリア番号{4,5,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(4),L1(5),−L1(10),L1(11)}。
【0182】
なお、図15(a)(b)(c)においては、プリアンブルの構造は時間的に表されているが、便宜上、ロングプリアンブルLPについては、情報が存在するサブキャリアを斜線とドットで表している。図中のドットで示したサブキャリアは位相を反転させた情報が挿入されているサブキャリアを表しており、各サブキャリアの上部にそのサブキャリアが属するグループ番号を記している。
【0183】
図15(a)(b)(c)に示すように、第7の実施形態に係る既知シンボルは、受信側に通知したい情報(例えば送信アンテナ数)に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をそのサブキャリアが属するグループ毎に反転・非反転制御されており、同一の複数の既知シンボルが連続して送信されることを特徴とする。
【0184】
第7の実施形態に係る受信機では、図16に示すような構成を有する。なお、図16において、図3と同一部分には同一符号を付している。図16において、図3と異なる部分は、図16では図3の受信機の構成に、さらに加算平均器43−1〜43−Mが追加されている。
【0185】
図16において、送信機から送信されるRF(Radio Frequency)帯のOFDM信号は複数の受信アンテナ30−1〜30−Mにより受信される。受信アンテナ30−1〜30−MからのOFDM受信信号は、受信回路31に入力される。受信アンテナ30−1〜30−Mから入力されるOFDM信号は、受信回路31において、それぞれ低雑音増幅器(LNA)により増幅された後、周波数変換器によりベースバンド帯に周波数変換(ダウンコンバート)され、さらにA/D変換器によってディジタル信号に変換され、さらにガードインターバル(GI)が除去される。
【0186】
GI除去後の出力信号のうち、既知シンボル区間の信号は、加算平均器43−1〜43−Mに入力される。加算平均器43−1〜43−Mは、既知シンボルが入力される度に、当該既知シンボルとそれまでに入力された既知シンボルとの加算平均を求める。全ての既知シンボルとの加算平均を行った後、加算平均後の既知シンボルが高速フーリエ変換(FFT)ユニット32−1〜32−Mに入力される。
【0187】
なお、データシンボル区間の信号に関しては、この加算平均器43−1〜43−Mはバイパスされ、高速フーリエ変換(FFT)ユニット32−1〜32−Mに入力される。
【0188】
高速フーリエ変換(FFT)ユニット32−1〜32−Mは、時間波形の信号を周波数波形の信号、すなわちサブキャリアごとの波形に変換する。FFTユニット32−1〜32−Mからの出力信号のうち、データシンボルの区間の信号は、MIMO信号処理部40に入力される。
【0189】
受信回路31からの出力信号は、高速フーリエ変換部(FFT)32−1〜32−Mに入力されることにより、時間波形の信号が周波数波形の信号、すなわちサブキャリアごとの波形に変換される。FFTユニット32−1〜32−Mからの出力信号のうち、データシンボルの区間の信号はMIMO信号処理器40に入力される。
【0190】
一方、FFTユニット32−1〜32−Mからの出力信号のうち、プリアンブル、特に、既知シンボルの区間の信号は除算器33−1〜33−Mに入力される。除算器に入力されたサブキャリアごとの波形をROM34に格納された既知シンボルで除算することにより、伝送路特性の推定値を得る。サブキャリア毎の伝送路特性の推定値はメモリ39−1〜39−Mへ格納されるとともに、相関器35−1〜35−Mへ入力される。ROM34に格納された既知シンボルは図15(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合の周波数軸上の既知シンボルと同一のものである。
【0191】
相関器35−1〜35−Mではグループ情報発生器36からのサブキャリアのグループ情報を基に、伝送路特性の推定値についてグループ毎に相関値を計算し、そのグループ毎の相関値を判定器37に入力する。グループ情報発生器36は図1のグループ情報発生器17と同様の構成となっており、各サブキャリアが属するグループ情報を相関器35−1〜35−Mに出力している。
【0192】
判定器37では入力された相関値が正値であるか、もしくは負値であるかの判定を各グループ毎に行い、その結果を送信アンテナ数判定部38に出力する。送信アンテナ数判定部38では各グループの相関値の組み合わせを基に送信アンテナ数を決定し、送信アンテナ数をMIMO受信部40にそれぞれ出力する。
【0193】
MIMO信号処理部40では、FFTユニット32−1〜32−Mからのデータシンボル区間の信号に対して、メモリ39−1〜39−Mからの伝送路推定値と送信アンテナ数判定部38からの送信アンテナ数に従って例えば最尤推定のようなMIMO信号受信処理がなされる。MIMO信号受信処理後の信号に対してチャネル復号が行われ、これによって送信されてきたデータ41が再生される。
【0194】
このように上記第7の実施形態によれば、連続して既知シンボルを送信するため、既知シンボルが増えることによる効率の低下は招くが、受信側では上述したように同じパターンの既知シンボルを累積加算した結果を用いて、伝送路特性の推定および送信アンテナ数を推定するので、雑音の影響を緩和でき、通知情報の推定精度を改善することができる。
【0195】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0196】
【図1】第1の実施形態に係る無線通信装置(送信機)の構成例を示す図。
【図2】第1の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図3】第1の実施形態に係る無線通信装置(受信機)の構成例を示す図。
【図4】図3の受信機の送信アンテナ数推定処理動作を説明するためのフローチャート。
【図5】グループ情報発生器で記憶されているサブキャリアのグループ情報を記憶したテーブルの一例を示した図。
【図6】送信アンテナ数判定部で記憶されている、各グループの相関値の組み合わせと送信アンテナ数の対応表の一例を示した図。
【図7】第2の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図8】第3の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図9】第4の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図10】第5の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図11】第6の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図12】第6の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図13】第6の実施形態に係る無線通信装置(受信機)の構成例を示した図。
【図14】送信アンテナ数判定部で記憶されている、各グループの相関値の組み合わせと送信アンテナ数の対応表の他の例を示した図。
【図15】第7の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図16】第7の実施形態に係る無線通信装置(受信機)の構成例を示した図。
【符号の説明】
【0197】
11…符号化器、12…直並列変換器(S/P)、13−1〜13−M…変調器、14−1〜14−M…直並列変換器(S/P)、15…既知シンボルパターン発生器、16…セレクタ、17…グループ情報発生器、18−1〜18−M…位相制御器、19−1〜19−M…逆高速フーリエ変換部(IFFT)、20…送信回路、21−1〜21−M…送信アンテナ。
30−1〜30−M…受信アンテナ、31…受信回路、32−1〜32−M…高速フーリエ変換部(FFT)、33−1〜33−M…除算器、34…ROM、35−1〜35−M…相関器、36…グループ情報発生器、37…判定器、38…送信アンテナ数判定部、39−1〜39−M…メモリ、40…MIMO受信部。42…メモリ、43−1〜43−M…加算平均器。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のアンテナおよび複数のサブキャリアを用いて通信を行うMIMO−OFDMに属し、さらに高速無線LANの技術に属する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線LAN(802.11a)においては、データ信号の前に既知シンボル(ショートプリアンブル、ロングプリアンブル)を送信して同期処理や伝送路推定を行っており、これらのプリアンブルを用いることで、データ部分の復調を行うことができる。一方、周波数帯域幅を拡大せずに伝送速度を向上させる技術としてMIMO(Multi-Input Multi-Output)が知られている。MIMOは送受信機で複数のアンテナを用いるため、従来の無線LANにMIMOを適用する場合は、ショートプリアンブルやロングプリアンブルの構成をMIMO用に変更する必要がある。
【0003】
非特許文献1で提案されたプリアンブル信号案によると、まず1つの送信アンテナから時間同期、周波数同期及びAGCに用いるショートプリアンブル列、伝送路応答推定用のシンボルを含むロングプリアンブル、及びシグナルフィールドを送信した後、他の送信アンテナから伝送路応答推定用のロングプリアンブルを順に送信する。このようにしてプリアンブル信号の送信が終了した後に、複数の送信アンテナからデータを同時に送信する。すなわち、複数の送信アンテナから伝送路応答用のロングプリアンブルを時分割多重によって送信する。
【0004】
ところで、MIMOシステムでは受信信号を復調するために、送信アンテナ数、変調方式、符号化率などの情報を受信側で知る必要がある。受信側でこれらの情報を知る方法として、これらの情報を通知する専用の信号を送信する方式も考えられるが、この方法ではオーバヘッドが増加し、データ伝送のスループットが低下してしまう問題がある。一方、復調に必要な情報を受信信号から推定する場合、推定に失敗すると復調が不可能となるため、推定には高い精度が要求される。受信したプリアンブル信号を用いてこれらの情報を推定する方式も考えられるが、非特許文献1のプリアンブル信号は上記情報を推定することを前提としているものではなく、このプリアンブル信号を用いて高精度に推定することは困難である。
【非特許文献1】Jan Boer他2名“Backwards compatibility”、 [online]、平成15年9月、IEEE LMSC(発行元)、[平成15年9月15日検索]、インターネット<URL:ftp://ieee:wireless@ftp.802wirelessworld.com/11/03/11-03-0714-00-000n-backwards-compatibility.ppt>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようにMIMOシステムにおいて、送信アンテナ数などの復調に必要な情報を受信信号から推定する場合、推定にはデータの復調以上の精度が要求されており、非特許文献1のプリアンブル信号を用いて高精度に推定することは困難であるという問題があった。一方、復調に必要な情報を送信する方式ではオーバヘッドの増加が否めないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、データシンボルの復調に必要な情報を通知する専用の信号を付加することなく、これらの情報を受信側で容易に推定可能とし、データシンボルの正しい復調を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の無線通信装置(送信機)は、複数のアンテナと、既知情報を伝送するための複数のグループのいずれかに分類された複数のサブキャリアからなる少なくとも1つの既知シンボルを含み、同一アンテナから送信する2つのサブキャリアで伝送される既知情報のいずれか一方の位相の反転・非反転が、送信すべき情報に応じて前記グループ毎に制御された既知シンボル列を前記複数のアンテナを用いて送信する既知シンボル送信手段と、前記既知シンボル列の送信後に前記複数のアンテナを用いてデータシンボルを送信するデータシンボル送信手段とを有する。
【0008】
伝送路推定用の既知シンボルを周波数分割多重で伝送する場合に、サブキャリアを複数のグループのいずれかに分類し、送信すべき情報(既知シンボル列送信後に送信されるデータシンボルの復調に用いる情報(例えば、送信アンテナ数、データシンボルの変調方式の種類、データシンボルの符号化方式の種類、データシンボルの符号率、データシンボルのシンボル数、データシンボルに含まれる情報量など))に応じて、サブキャリアの位相をグループ毎に制御する構成とした。この構成により、受信側では復調に用いる情報を高精度で推定することが可能となる。
【0009】
(1−2)同一アンテナから送信する2つのサブキャリアが隣接し、既知シンボル送信手段は、この隣接する2つのサブキャリアのいずれか一方で伝送される既知情報の位相の反転・非反転が、送信すべき情報に応じて、グループ毎に制御された既知シンボル列を複数のアンテナを用いて送信する。
【0010】
隣接したサブキャリアでは伝送路の相関が高いため、受信側でこの隣接したサブキャリア間で相関値を計算した場合大きい値となる。その場合、既知シンボルを用いて通知された復調に用いる情報を高精度に推定できる。
【0011】
(1−3)既知シンボル列が、既知情報を伝送するサブキャリアが同一の複数の既知シンボルを含むことにより、同じパターンの既知シンボルを繰り返して送信し受信側で累積加算することで、伝搬路の推定精度と復調に必要な情報の推定精度の両方を改善できる。
【0012】
(2)本発明の無線通信装置(受信機)は、複数のアンテナによって送信される、既知情報を伝送するための複数のグループのいずれかに分類された複数のサブキャリアからなる少なくとも1つの既知シンボルを含み、データシンボルの復調に用いる情報を送信するために、同一アンテナから送信する2つのサブキャリアで伝送される既知情報のいずれか一方の位相の反転・非反転が前記グループ毎に制御された既知シンボル列及び該既知シンボル列より後の前記データシンボルを受信する受信手段と、受信した既知シンボルから伝送路推定値を求める伝送路推定手段と、前記受信した既知シンボルから求めた前記伝送路推定値のうち当該既知シンボルの前記2つのサブキャリアに対応する2つの伝送路推定値の間の相関値を前記グループ毎に求める手段と、前記グループ毎に求められた相関値を基に、前記データシンボルの復調に用いる情報を再生する手段とを有する。
【0013】
(2−1)既知シンボル列は、既知情報を伝送するためのサブキャリアが同一である複数の既知シンボルを含み、伝送路推定手段は、各既知シンボルの同一のサブキャリアで伝送される既知情報に対応する周波数波形を累積加算して、伝送路推定値を求める。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、データシンボルの復調に必要な情報を受信側で容易に推定でき、もってデータシンボルを高精度に復調できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて第1の実施形態に係る送信機について説明する。図1は送信機の物理層であり、ここに上位層から送信すべきデータ(ビット列)10がある送信単位(例えば、フレームもしくはパケット)毎に入力される。入力されるデータ10は、符号化器11により例えば誤り訂正符号化が施され、符号化ビット系列が生成される。符号化ビット系列は、直並列変換器(S/P)12によって直並列変換されることにより、複数のストリームに分割される。各ストリームは変調器13−1〜13−Mによって複素平面上にマッピングされ、変調されたデータシンボルが生成される。変調されたデータシンボルは、OFDM(直交周波数分割多重)の各サブキャリアに乗せて伝送されるように、直並列変換器(S/P)14−1〜14Mによって直並列変換され、さらに逆高速フーリエ変換部(IFFT)19−1〜19−Mにより周波数軸上の信号から時間波形に変換される。IFFT部19−1〜19−Mからは時間波形に変換された信号が出力されて、送信回路20に入力される。送信回路20では、IFFT部19−1〜19−Mの出力信号に対しガードインターバル(GI)を付加した後、D/A変換器によってアナログ信号に変換する。D/A変換器の出力信号は、周波数変換器によってRF(高周波)帯に周波数変換(アップコンバート)され、電力増幅器を介して送信アンテナ21−1〜21−Mに供給されることにより、送信アンテナ21−1〜21−Mから通信相手の無線通信装置へOFDM信号が送信される。
【0017】
このようにしてデータシンボルがOFDM信号として送信される前に、プリアンブルが送信される。以下、プリアンブルの特に伝送路推定用の既知シンボルの送信系について説明する。
【0018】
既知シンボルパターン発生器15は例えばROMであり、複数の既知シンボルパターンを格納している。既知シンボルは、それぞれOFDMの予め割り当てられた複数のサブキャリアの幾つかに情報が乗せられて送信される。既知シンボルパターンとは、既知シンボルの情報をどのサブキャリアに乗せるかを示すパターンである。既知シンボルパターン発生器15のROMには周波数軸上の既知シンボルパターンが格納されている。
【0019】
既知シンボルの送信時には、既知シンボルパターン発生器15のROMに格納された複数の既知シンボルパターンが送信されるタイミングで順次読み出され、セレクタ16に入力される。セレクタ16は、既知シンボルの送信タイミングに合わせて、既知シンボル発生器15のROMから読み出された既知シンボルの各既知情報を適切な送信アンテナから送信するように各アンテナに対応する位相制御器18−1〜18−Mに振り分ける操作を行う。
【0020】
なお、無線LANのプリアンブルに含まれるショートプリアンブルとロングプリアンブルのように複数種類の既知シンボルが存在する場合、セレクタ16は、これら複数種類の既知シンボルをROMを切り替えて読み出す。
【0021】
グループ情報発生器17は、位相制御器18−1〜18−Mに入力された各サブキャリアが属するグループ情報を格納しており、位相制御器18−1〜18−Mにその情報を出力している。このグループ情報発生器17が格納しているグループ情報については後述する。
【0022】
位相制御器18−1〜18−Mに入力された各サブキャリアの既知情報の位相は、グループ単位に、既知シンボルを用いて受信側に通知する情報(本実施形態では送信に用いられるアンテナ数)に応じて反転・非反転制御され、IFFT部19−1〜19−Mに入力される。その後、IFFT部19−1〜19−Mの出力信号は送信回路20に導かれる。
【0023】
グループ情報発生器17はセレクタ16から出力された各サブキャリアが属するグループ情報として、図5に示すようなテーブルを予め記憶している。図5のG(n)はn番目のサブキャリアのグループ番号を示しており、グループの総数をNgとすると1〜Ngのいずれかの数となる。グループの総数Ngは受信側に通知したい情報(本実施形態では送信アンテナ数)のパターン数Npにより決定される数であり、次式を満たす。
【0024】
Ng−1<log2(Np)≦Ng …(1)
例えば、送信アンテナ数として「1」、「2」、「3」、「4」という4パターンを受信側へ通知する場合や、「1」、「2」、「3」という3パターンを受信側へ通知する場合には、上記(1)式から2グループあればよいことになる。
【0025】
一方、後述する受信機においては、各送信アンテナから同時に送信される既知シンボルを受け取った時点で、各サブキャリアに対応する伝送路推定値を求めつつ、送信アンテナ数を推定することが可能となる。
【0026】
次に、図2を用いて伝送路推定用の既知シンボルの送信方法の一例を詳しく説明する。
【0027】
図2(a)(b)(c)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「1」の場合、「2」の場合及び「3」の場合に、プリアンブルを含む無線フレームの構造を示している。なお、この例においては、送信アンテナ数は最大「3」であるため、グループの総数Ngは式(1)よりNg=2となる。
【0028】
図2に示すように、第1の実施形態では、無線LANのようにデータフィールドDATAに先立って同期用のショートプリアンブルSP、伝送路推定用のロングプリアンブルLPを送信するシステムを仮定している。ここで、ショートプリアンブルSPの構成は特に限定されるものではなく、例えばIEEE802.11aと同様のものを複数の送信アンテナから送信してもよい。既知シンボルは、MIMO通信の際に伝送路応答の推定に用いられ、無線LANでは図2(a)(b)(c)中のロングプリアンブルLPに相当する。
【0029】
図2(a)(b)(c)では、各送信アンテナから送信されるロングプリアンブルLPが周波数分割多重されている。ここで、送信アンテナの数をM、OFDMのサブキャリアの数をNとし、N/2Mが余りなく割り切れるとした場合、次式(2)及び(3)のサブキャリア(N個のサブキャリアの番号を0番目からN−1番目と定義する)に既知シンボルの情報が存在し、他のサブキャリアには情報が存在しない。
【0030】
2(Ml+m−1)mod N …(2)
{2(Ml+m−1)+1}mod N …(3)
ここで、m=1,2,…、Mはアンテナ番号であり、l=0,1,…,(N/2M−1)である。さらにn番目のサブキャリアが属するグループ番号は
n < N/2なら G(n)=1 …(4)
n ≧ N/2なら G(n)=2 …(5)
で与えられる。また、図2(a)に示す、アンテナ数が「1」の場合の既知シンボルがn番目のサブキャリアに乗せている情報値をL1(n)とすると、アンテナ数がM(≧2)の場合の既知シンボルがm番目のアンテナのn番目のサブキャリアに乗せている情報値 LM(n)は式(6)〜(8)で与えられる。
【0031】
M=2かつG(n)=1かつnが偶数ならば LM(n)=−L1(n) …(6)
M=3かつG(n)=2かつnが偶数ならば LM(n)=−L1(n) …(7)
上記以外ならば LM(n)=L1(n) …(8)
例えば、図2(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合は、アンテナ1から送信される1つの既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0032】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0033】
図2(b)(アンテナ数Mが「2」)の場合は、式(2)〜(8)よりアンテナ1、2からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0034】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,4,5,8,9}、グループ番号{1,1,1,1,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),−L1(4),L1(5),L1(8),L1(9)}。
【0035】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{2,3,6,7,10,11}、グループ番号{1,1,2,2,2,2}、情報値{−L1(2),L1(3),L1(6),L1(7),L1(10),L1(11)}。
【0036】
図2(c)(アンテナ数Mが「3」)の場合は、式(2)〜(8)よりアンテナ1、2、3からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0037】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,6,7}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),−L1(6),L1(7)}。
【0038】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{2,3,8,9}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(2),L1(3),−L1(8),L1(9)}。
【0039】
アンテナ3の既知シンボル:サブキャリア番号{4,5,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(4),L1(5),−L1(10),L1(11)}。
【0040】
なお、図2(a)(b)(c)においては、プリアンブルの構造は時間的に表されているが、便宜上、ロングプリアンブルLPについては、情報が存在するサブキャリアを斜線とドットで表している。図中のドットで示したサブキャリアは式(6)(7)により位相を反転させた情報が挿入されているサブキャリアを表しており、各サブキャリアの上部にそのサブキャリアが属するグループ番号を記している。
【0041】
図2(a)(b)(c)に示すように、第1の実施形態に係る既知シンボルは、受信側に通知したい情報(例えば送信アンテナ数)に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をそのサブキャリアが属するグループ毎に反転・非反転制御されていることを特徴としている。
【0042】
グループ数を上記(1)式に従って求めると、各グループについて、隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相を反転させるグループとするか、隣接する2つのサブキャリアのいずれも位相を反転させないグループとするかを定めたパターンは、受信側に通知し得る情報の数だけ得られる。各パターンには、受信側に通知する情報が予め対応付けられている。すなわち、図2(a)に示すパターンは、送信アンテナ数が「1」という情報が対応付けられており、図2(b)に示すパターンは、送信アンテナ数が「2」という情報が対応付けられており、図2(c)に示すパターンは、アンテナ数が「3」という情報が対応付けられている。
【0043】
送信側では、セレクタ16は、既知シンボルパターン発生器(ROM)15から、既知シンボルに含まれる各既知情報をどのサブキャリアで伝送するかを定めた既知シンボルパターン(既知情報のサブキャリアへの割当)を1つ読み出して、各既知情報を既知シンボルの送信タイミングに合わせて、各既知情報を適切な送信アンテナから送信するように各アンテナに対応する位相制御器18−1〜18−Mに振り分ける。
【0044】
位相制御器18−1〜18−Mは、受信側に通知したい(データシンボルを復号する際に用いる)情報に対応するパターンを用いて、当該パターンにより隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相を反転させるグループであると定められているグループに属するサブキャリア群については、隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相を反転させ、当該パターンにより隣接する2つのサブキャリアのいずれも位相を反転させないグループであると定められているグループに属するサブキャリア群については、位相反転を行わないよう、サブキャリアの反転・非反転を制御するようになっている。
【0045】
なお、図2(a)(b)(c)では送信アンテナの最大数Mmaxが「3」である場合の例を示したが、Mmaxが「4」以上場合においても拡張可能である。この場合、送信アンテナ数のパターンはMmax個になるため、式(1)にNp=Mmaxを代入した式を満たすグループ数Ngだけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に送信するアンテナ数に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転・非反転制御すればよい。
【0046】
また、図2(a)(b)(c)では受信側に通知する既知情報が送信アンテナ数である場合の例を示したが、この通知する情報は送信アンテナ数に限定されるものではなく、データフィールドの変調方式の種類、符号化方式の種類、符号化率、シンボル数、情報ビット数などの情報やこれらの組み合わせでもかまわない。その場合、通知したい情報のパターン数(種類の数)に応じて式(1)の数だけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に通知する情報に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転制御すればよい。
【0047】
次に、図3を用いて本発明の第1の実施形態に係る受信機について説明する。図3において、図1の送信機から送信されるRF(Radio Frequency)帯のOFDM信号は複数の受信アンテナ30−1〜30−Mにより受信される。受信アンテナ30−1〜30−MからのOFDM受信信号は、受信回路31に入力される。受信アンテナ30−1〜30−Mから入力されるOFDM信号は、受信回路31において、それぞれ低雑音増幅器(LNA)により増幅された後、周波数変換器によりベースバンド帯に周波数変換(ダウンコンバート)され、さらにA/D変換器によってディジタル信号に変換され、さらにガードインターバル(GI)が除去される。
【0048】
受信回路31からの出力信号は、高速フーリエ変換部(FFT)32−1〜32−Mに入力されることにより、時間波形の信号が周波数波形の信号、すなわちサブキャリアごとの波形に変換される。FFTユニット32−1〜32−Mからの出力信号のうち、データシンボルの区間の信号はMIMO信号処理器40に入力される。
【0049】
一方、FFTユニット32−1〜32−Mからの出力信号のうち、プリアンブル、特に既知シンボルの区間の信号は除算器33−1〜33−Mに入力される。除算器に入力されたサブキャリアごとの波形はROM34に格納された既知シンボルで除算されることで伝送路特性の推定値に変換される。伝送路特性の推定値は、メモリ39−1〜39−Mへ格納されるとともに、相関器35−1〜35−Mへ入力される。
【0050】
ROM34に格納された既知シンボルは図2(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合の周波数軸上の既知シンボルと同一のものである。
【0051】
相関器35−1〜35−Mでは、グループ情報発生器36からのサブキャリアのグループ情報を基に、伝送路特性の推定値についてグループ毎に相関値を計算し、算出したグループ毎の相関値を判定器37に入力する。グループ情報発生器36は図1のグループ情報発生器17と同様の構成となっており、各サブキャリアが属するグループ情報を相関器35−1〜35−Mに出力している。判定器37では入力された相関値が正値であるか、もしくは負値であるかの判定をグループ毎に行い、その結果を送信アンテナ数判定部38に出力する。送信アンテナ数判定部38では、各グループの相関値の組み合わせを基に送信アンテナ数を決定し、送信アンテナ数をMIMO受信部40に出力する。以上の送信アンテナ数推定のアルゴリズムについては、詳細な説明を後述する。
【0052】
MIMO信号処理部40では、FFTユニット32−1〜32−Mからのデータシンボル区間の信号に対して、メモリ39−1〜39−Mからの伝送路推定値と送信アンテナ数判定部38からの送信アンテナ数に従って例えば最尤推定のようなMIMO信号受信処理がなされる。MIMO信号受信処理後の信号に対してチャネル復号が行われ、これによって送信されてきたデータ41が再生される。
【0053】
ここで、j番目の受信アンテナにおいて受信された既知シンボルのn番目のサブキャリア信号をXj(n)とする。このサブキャリアの伝送路特性の推定値(除算器の出力信号)Aj(n)は式(9)で与えられる。
【0054】
Aj(n)=Xj(n)/L1(n) …(9)
このサブキャリアの実際の伝送路特性値をhj(n)、雑音信号をNj(n)とすると、Xj(n)は、
Xj(n)=hj(n)・LM(n)+Nj(n)
と表現できるため、式(9)は式(10)で表現できる。
【0055】
Aj(n)
=hj(n)LM(n)/L1(n)+Nj(n)/L1(n)…(10)
説明を簡単にするため、雑音が付加されない理想的な環境(Nj(n)=0)を仮定すると式(10)は式(11)で簡略化できる。
【0056】
Aj(n)=hj(n)LM(n)/L1(n) …(11)
同一のアンテナから送信された隣接するサブキャリア間では伝送路の影響はほぼ同じ、すなわち、同一アンテナから送信される隣接するサブキャリアの伝送路特性は高い正の相関値を持つとすると、全ての受信アンテナにおいて以下のような伝送路特性Aj(n)が求まることが予想される。
【0057】
<送信アンテナ数が「1」の場合>
グループ番号「1」に対応するサブキャリアでは、LM(n)=L1(n)であるため、式(11)からAj(n)=hj(n)となる。グループ番号「1」に属するすべてのサブキャリアは同一のアンテナから送信されているので、偶数番目のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n)とその次の番号の隣接サブキャリアの伝搬路特性の推定値Aj(n+1)は高い正の相関を持つ。
【0058】
グループ番号「2」についても上記と同様であり、偶数番目のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n)とその次の番号の隣接サブキャリアの伝搬路特性の推定値Aj(n+1)は高い正の相関を持つ。
【0059】
<送信アンテナ数が「2」の場合>
グループ番号「1」に対応するサブキャリアでは、式(6)より偶数番目のサブキャリアについてLM(n)=−L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=−hj(n)という実際の伝送路特性に比べ位相が反転した特性となる。一方、奇数番目のサブキャリアについては、式(8)よりLM(n)=L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=hj(n)となる。偶数番目のサブキャリアとその次の番号の隣接サブキャリアは同一アンテナから送信されているので、偶数番目のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n)とその次の番号のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n+1)は高い相関を持つが、Aj(n)は奇数番目のサブキャリアであり、実際の伝送路とは位相を反転した特性が求まっているため、高い負の相関を持つ。
【0060】
グループ番号「2」に対応するサブキャリアでは、式(8)より偶数番目のサブキャリアについてLM(n)=L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=hj(n)となる。一方、奇数番目のサブキャリアについても同様に、式(8)よりLM(n)=L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=hj(n)となる。偶数番目のサブキャリアとその次の番号の隣接サブキャリアは同一アンテナから送信されているので、偶数番目のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n)とその次の番号のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n+1)は高い正の相関を持つ。
【0061】
<送信アンテナ数が「3」の場合>
グループ番号「1」に対応するサブキャリアでは、式(8)より偶数番目のサブキャリアについてLM(n)=L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=hj(n)となる。一方、奇数番目のサブキャリアについても同様に、式(8)よりLM(n)=L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=hj(n)となる。偶数番目のサブキャリアとその次の番号の隣接サブキャリアは同一アンテナから送信されているので、偶数番目のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n)とその次の番号のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n+1)は高い正の相関を持つ。
【0062】
グループ番号「2」に対応するサブキャリアでは、式(7)より偶数番目のサブキャリアについてLM(n)=−L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=−hj(n)という実際の伝送路特性に比べ位相が反転した特性となる。一方、奇数番目のサブキャリアについては、式(8)よりLM(n)=L1(n)となるため、式(11)からAj(n)=hj(n)となる。偶数番目のサブキャリアとその次の番号の隣接サブキャリアは同一アンテナから送信されているので、偶数番目のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n)とその次の番号のサブキャリアの伝送路特性の推定値Aj(n+1)は高い相関を持つが、Aj(n)は奇数番目のサブキャリアであり、実際の伝送路とは位相を反転した特性が求まっているため、高い負の相関を持つ。
【0063】
以上のことから分かるように、グループ「1」とグループ「2」の相関値の符号の組み合わせがそれぞれ{正、正}であるときは送信アンテナ1本、{負、正}であるときは送信アンテナ2本、{正、負}であるときは送信アンテナ数3本であると判定できる。
【0064】
以下、図4に示すフローチャートを参照して、図3の受信機における送信アンテナ数推定手順のアルゴリズムの詳細について説明する。まず、j番目アンテナで受信した既知シンボルの周波数波形を除算器30−jに入力する(ステップS1、ステップS2)。除算器33−jに入力されたサブキャリアごとの波形はROM34に格納された既知シンボルで除算することにより伝送路特性の推定値を求める。サブキャリア毎の伝送路特性の推定値は、メモリ39−jへ格納され、さらに、相関器35−jへ出力される(ステップS3)。
【0065】
相関器35−jは、サブキャリアのグループ毎に偶数番目のサブキャリアの伝送路特性の推定値と奇数番目のサブキャリアの伝送路特性の相関値を求める。グループ番号kのサブキャリアにおける相関値Zkは以下のように定義される。
【0066】
Zk=Aj(Nk)*Aj(Nk+1)+Aj(Nk+2)*Aj(Nk+3)+…+Aj(Nk+N/2−2)*Aj(Nk+N/2−1)
但し、a*bはbの複素共役をaに乗算する演算である。また、Nk=N・(k−1)/2である。
【0067】
相関器35−1〜35−Mで算出された各受信アンテナの相関値はグループ毎に加算され、判定器37において合計後の各グループの相関値が正であるか、もしくは負であるかの判定が行われる。送信アンテナ数判定部38では、図6に示すような正負判定後の各グループの相関値の組み合わせと送信アンテナ数の対応表を保持しており、判定器37から入力された判定後の各グループの相関値とその対応表を基に送信アンテナ数を決定する(ステップS4)。この例では、判定器37から入力された判定後の各グループ相関値の組み合わせが{正、正}である場合アンテナ数が「1」(ステップS5)、{負、正}である場合アンテナ数が「2」(ステップS6)、{正、負}である場合アンテナ数が「3」(ステップS7)であると判定する。MIMO信号処理部40は、こうして推定された送信アンテナ数を用いてデータシンボルの再生を行う。
【0068】
なお、図3、4では送信側から既知シンボルを用いて通知された情報が送信アンテナ数である場合の受信器構成と推定法の例を示したが、この受信器構成と推定法は通知情報が送信アンテナ数である場合に限定されるものではなく、通知情報がデータフィールド(データシンボル)の変調方式の種類、符号化方式の種類、符号化率、シンボル数、情報ビット数(情報量)等である場合についても、図3の送信アンテナ数判定部38が通知情報に対応する判定部に変更になることを除いて、同様の構成と推定法を用いることが可能である。
【0069】
以上述べたように、上記第1の実施形態によれば、送信アンテナ数などデータ信号部の復調に必要な情報を通知する信号を別途送信することなく、既知シンボルを用いて、アンテナ毎の伝送路推定を行いながら、復調に必要な情報を推定することが可能である。
【0070】
(第2の実施形態)
次に、図7を参照して第2の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法について説明する。図7(a)(b)(c)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「1」の場合、「2」の場合及び「3」の場合のプリアンブルを含む無線フレームの構造を示している。
【0071】
図7(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合は、アンテナ1から送信される1つの既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0072】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0073】
図7(b)(アンテナ数Mが「2」)の場合は、アンテナ1、2からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0074】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5}、グループ番号{1,1,1,1,1,1}、情報値{−L1(0),L1(1),−L1(2),−L1(3),L1(4),−L1(5)}。
【0075】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{6,7,8,9,10,11}、グループ番号{2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0076】
図7(c)(アンテナ数Mが「3」)の場合は、アンテナ1、2、3からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0077】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3}、グループ番号{1,1,1,1}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3)}。
【0078】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{4,5,6,7}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(4),L1(5),−L1(6),L1(7)}。
【0079】
アンテナ3の既知シンボル:サブキャリア番号{8,9,10,11}、グループ番号{2,2,2,2}、情報値{−L1(8),L1(9),−L1(10),L1(11)}。
【0080】
なお、図7(a)(b)(c)においては、プリアンブルの構造は時間的に表されているが、便宜上、ロングプリアンブルLPについては、情報が存在するサブキャリアを斜線とドットで表している。図中のドットで示したサブキャリアは位相を反転させた情報が挿入されているサブキャリアを表しており、各サブキャリアの上部にそのサブキャリアが属するグループ番号を記している。
【0081】
図7(a)(b)(c)に示すように、前述の第1の実施形態と同様、第2の実施形態に係る既知シンボルは、受信側に通知したい情報(例えば送信アンテナ数)に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をそのサブキャリアが属するグループ毎に反転・非反転制御されていることを特徴とする。そのため、前述の第1の実施形態と同様、図3の受信機を用いることで送信アンテナ数を推定することが可能である。
【0082】
なお、図7(a)(b)(c)では送信アンテナの最大数Mmaxが「3」である場合の例を示したが、Mmaxが「4」以上場合においても拡張可能である。この場合、送信アンテナ数のパターンはMmax個になるため、式(1)にNp=Mmaxを代入した式を満たすグループ数Ngだけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に送信するアンテナ数に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転制御すればよい。
【0083】
また、図7(a)(b)(c)では受信側に通知する既知情報が送信アンテナ数である場合の例を示したが、この通知する情報は送信アンテナ数に限定されるものではなく、データフィールドの変調方式、符号化方式、符号化率、シンボル数、情報ビット数などの情報やこれらの組み合わせでもかまわない。その場合、通知したい情報のパターン数に応じて式(1)の数だけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に通知する情報に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転制御すればよい。
【0084】
(第3の実施形態)
次に、図8を参照して第3の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法について説明する。図8(a)(b)(c)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「1」の場合、「2」の場合及び「3」の場合のプリアンブルを含む無線フレームの構造を示している。
【0085】
図8(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合は、アンテナ1から送信される1つの既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0086】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,2,2,1,1,2,2,1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0087】
図8(b)(アンテナ数Mが「2」)の場合は、アンテナ1、2からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0088】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5}、グループ番号{1,1,2,2,1,1}、情報値{−L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),−L1(4),L1(5)}。
【0089】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{6,7,8,9,10,11}、グループ番号{2,2,1,1,2,2}、情報値{L1(6),L1(7),−L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0090】
図8(c)(アンテナ数Mが「3」)の場合は、アンテナ1、2、3からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0091】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),−L1(2),L1(3)}。
【0092】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{4,5,6,7}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(4),L1(5),−L1(6),L1(7)}。
【0093】
アンテナ3の既知シンボル:サブキャリア番号{8,9,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(8),L1(9),−L1(10),L1(11)}。
【0094】
なお、図8(a)(b)(c)においては、プリアンブルの構造は時間的に表されているが、便宜上、ロングプリアンブルLPについては、情報が存在するサブキャリアを斜線とドットで表している。図中のドットで示したサブキャリアは位相を反転させた情報が挿入されているサブキャリアを表しており、各サブキャリアの上部にそのサブキャリアが属するグループ番号を記している。
【0095】
図8(a)(b)(c)に示すように、前述の第1の実施形態及び第2の実施形態と同様、第3の実施形態に係る既知シンボルは、受信側に通知したい情報(例えば送信アンテナ数)に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をそのサブキャリアが属するグループ毎に反転・非反転制御されていることを特徴とする。そのため、前述の第1の実施形態及び第2の実施形態と同様、図3の受信機を用いることで送信アンテナ数を推定することが可能である。
【0096】
なお、図8(a)(b)(c)では送信アンテナの最大数Mmaxが「3」である場合の例を示したが、Mmaxが「4」以上場合においても拡張可能である。この場合、送信アンテナ数のパターンはMmax個になるため、式(1)にNp=Mmaxを代入した式を満たすグループ数Ngだけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に送信するアンテナ数に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転・非反転制御すればよい。
【0097】
また、図8(a)(b)(c)では受信側に通知する既知情報が送信アンテナ数である場合の例を示したが、この通知する情報は送信アンテナ数に限定されるものではなく、データフィールドの変調方式、符号化方式、符号化率、シンボル数、情報ビット数などの情報やこれらの組み合わせでもかまわない。その場合、通知したい情報のパターン数に応じて式(1)の数だけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に通知する情報に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転・非反転制御すればよい。
【0098】
(第4の実施形態)
次に、図9を参照して第4の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法について説明する。図9(a)(b)(c)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「1」の場合、「2」の場合及び「3」の場合のプリアンブルを含む無線フレームの構造を示している。
【0099】
図9(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合は、アンテナ1から送信される1つの既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0100】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0101】
図9(b)(アンテナ数Mが「2」)の場合は、アンテナ1、2からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0102】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,6,7,8}、グループ番号{1,1,1,2,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),−L1(2),L1(6),L1(7),L1(8)}。
【0103】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{3,4,5,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,2,2,2}、情報値{L1(3),−L1(4),L1(5),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0104】
図9(c)(アンテナ数Mが「3」)の場合は、アンテナ1、2、3からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0105】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(9),−L1(10),L1(11)}。
【0106】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{3,4,5}、グループ番号{1,1,1}、情報値{L1(3),L1(4),L1(5)}。
【0107】
アンテナ3の既知シンボル:サブキャリア番号{6,7,8}、グループ番号{2,2,2}、情報値{−L1(6),L1(7),−L1(8)}。
【0108】
なお、図9(a)(b)(c)においては、プリアンブルの構造は時間的に表されているが、便宜上、ロングプリアンブルLPについては、情報が存在するサブキャリアを斜線とドットで表している。図中のドットで示したサブキャリアは位相を反転させた情報が挿入されているサブキャリアを表しており、各サブキャリアの上部にそのサブキャリアが属するグループ番号を記している。
【0109】
図9(a)(b)(c)に示すように、前述の第1〜3の実施形態と同様、第4の実施形態に係る既知シンボルは、受信側に通知したい情報(例えば送信アンテナ数)に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をそのサブキャリアが属するグループ毎に反転・非反転制御されていることを特徴とする。そのため、前述の第1〜3の実施形態と同様、図3の受信機を用いることで送信アンテナ数を推定することが可能である。
【0110】
なお、図9(a)(b)(c)では送信アンテナの最大数Mmaxが「3」である場合の例を示したが、Mmaxが「4」以上場合においても拡張可能である。この場合、送信アンテナ数のパターンはMmax個になるため、式(1)にNp=Mmaxを代入した式を満たすグループ数Ngだけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に送信するアンテナ数に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転・非反転制御すればよい。
【0111】
また、図9(a)(b)(c)では受信側に通知する既知情報が送信アンテナ数である場合の例を示したが、この通知する情報は送信アンテナ数に限定されるものではなく、データフィールドの変調方式、符号化方式、符号化率、シンボル数、情報ビット数などの情報やこれらの組み合わせでもかまわない。その場合、通知したい情報のパターン数に応じて式(1)の数だけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に通知する情報に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転制御すればよい。
【0112】
(第5の実施形態)
次に、図10を参照して第5の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法について説明する。図10(a)(b)(c)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「1」の場合、「2」の場合及び「3」の場合のプリアンブルを含む無線フレームの構造を示している。
【0113】
図10(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合は、アンテナ1から送信される1つの既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0114】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0115】
図10(b)(アンテナ数Mが「2」)の場合は、アンテナ1、2からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0116】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,2,4,6,8,10}、グループ番号{1,1,1,2,2,2}、情報値{L1(0),−L1(2),L1(4),L1(6),L1(8),L1(10)}。
【0117】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{1,3,5,7,9,11}、グループ番号{1,1,1,2,2,2}、情報値{L1(1),−L1(3),L1(5),L1(7),L1(9),L1(11)}。
【0118】
図10(c)(アンテナ数Mが「3」)の場合は、アンテナ1、2、3からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0119】
アンテナ1の既知シンボル:サブキャリア番号{0,3,6,9}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(3),−L1(6),L1(9)}。
【0120】
アンテナ2の既知シンボル:サブキャリア番号{1,4,7,10}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(1),L1(4),−L1(7),L1(10)}。
【0121】
アンテナ3の既知シンボル:サブキャリア番号{2,5,8,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(2),L1(5),−L1(8),L1(11)}。
【0122】
なお、図10(a)(b)(c)においては、プリアンブルの構造は時間的に表されているが、便宜上、ロングプリアンブルLPについては、情報が存在するサブキャリアを斜線とドットで表している。図中のドットで示したサブキャリアは位相を反転させた情報が挿入されているサブキャリアを表しており、各サブキャリアの上部にそのサブキャリアが属するグループ番号を記している。
【0123】
図10(a)(b)(c)に示すように、第5の実施形態に係る既知シンボルは、受信側に通知したい情報(例えば送信アンテナ数)に応じて、既知シンボルにおいて同一アンテナから送信される近隣の2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をそのサブキャリアが属するグループ毎に反転・非反転制御されていることを特徴とする。このような構成を用いた場合においても、近隣のサブキャリア間で伝送路の相関が高い場合には、前述の第1〜4の実施形態と同様、図3の受信機を用いることで送信アンテナ数を推定することが可能である。
【0124】
なお、図10(a)(b)(c)では送信アンテナの最大数Mmaxが「3」である場合の例を示したが、Mmaxが「4」以上場合においても拡張可能である。この場合、送信アンテナ数のパターンはMmax個になるため、式(1)にNp=Mmaxを代入した式を満たすグループ数Ngだけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に送信するアンテナ数に応じて、既知シンボルにおいて同一アンテナから送信される近隣の2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転制御すればよい。
【0125】
また、図10(a)(b)(c)では受信側に通知する既知情報が送信アンテナ数である場合の例を示したが、この通知する情報は送信アンテナ数に限定されるものではなく、データフィールドの変調方式、符号化方式、符号化率、シンボル数、情報ビット数などの情報やこれらの組み合わせでもかまわない。その場合、通知したい情報のパターン数に応じて式(1)の数だけサブキャリアのグループ分けを行い、実際に通知する情報に応じて、既知シンボルにおいて同一アンテナから送信される近隣の2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をグループ毎に反転制御すればよい。
【0126】
(第6の実施形態)
次に、図11、図12を参照して第6の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法について説明する。第1〜第5の実施形態では、1つの既知シンボルを用いて送信アンテナ数などの情報通知を行っていたが、第6の実施形態では複数の既知シンボルを用いて情報の通知を行う。図11(a)(b)(c)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「1」の場合、「2」の場合、「3」の場合のプリアンブルを含む無線フレームの構造を示し、図12(a)(b)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「4」の場合及び「5」の場合のプリアンブルを含む無線フレームの構造を示している。
【0127】
図11(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合は、アンテナ1から送信される1つの既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0128】
アンテナ1の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0129】
アンテナ1の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0130】
図11(b)(アンテナ数Mが「2」)の場合は、アンテナ1、2からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0131】
アンテナ1の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{0,1,4,5,8,9}、グループ番号{1,1,1,1,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),−L1(4),L1(5),L1(8),L1(9)}。
【0132】
アンテナ1の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{2,3,6,7,10,11}、グループ番号{1,1,2,2,2,2}、情報値{L1(2),L1(3),L1(6),L1(7),L1(10),L1(11)}。
【0133】
アンテナ2の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{2,3,6,7,10,11}、グループ番号{1,1,2,2,2,2}、情報値{−L1(2),L1(3),L1(6),L1(7),L1(10),L1(11)}。
【0134】
アンテナ2の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{0,1,4,5,8,9}、グループ番号{1,1,1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(4),L1(5),L1(8),L1(9)}。
【0135】
図11(c)(アンテナ数Mが「3」)の場合は、アンテナ1、2、3からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0136】
アンテナ1の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{0,1,6,7}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),L1(6),L1(7)}。
【0137】
アンテナ1の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{2,3,8,9}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(2),L1(3),L1(8),L1(9)}。
【0138】
アンテナ2の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{2,3,8,9}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(2),L1(3),L1(8),L1(9)}。
【0139】
アンテナ2の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{4,5,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(4),L1(5),L1(10),L1(11)}。
【0140】
アンテナ3の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{4,5,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(4),L1(5),L1(10),L1(11)}。
【0141】
アンテナ3の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{0,1,6,7}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),L1(6),L1(7)}。
【0142】
図12(a)(アンテナ数Mが「4」)の場合は、アンテナ1、2、3、4からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0143】
アンテナ1の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{0,1,8,9}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(8),L1(9)}。
【0144】
アンテナ1の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{4,5}、グループ番号{1,1}、情報値{−L1(4),L1(5)}。
【0145】
アンテナ2の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{2,3,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(2),L1(3),L1(10),L1(11)}。
【0146】
アンテナ2の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{6,7}、グループ番号{2,2}、情報値{L1(6),L1(7)}。
【0147】
アンテナ3の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{4,5}、グループ番号{1,1}、情報値{L1(4),L1(5)}。
【0148】
アンテナ3の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{0,1,8,9}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),L1(8),L1(9)}。
【0149】
アンテナ4の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{6,7}、グループ番号{2,2}、情報値{L1(6),L1(7)}。
【0150】
アンテナ4の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{2,3,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(2),L1(3),L1(10),L1(11)}。
【0151】
図12(b)(アンテナ数Mが「5」)の場合は、アンテナ1、2、3、4、5からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0152】
アンテナ1の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{0,1,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),−L1(10),L1(11)}。
【0153】
アンテナ1の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{4,5}、グループ番号{1,1}、情報値{−L1(4),L1(5)}。
【0154】
アンテナ2の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{2,3}、グループ番号{1,1}、情報値{L1(2),L1(3)}。
【0155】
アンテナ2の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{6,7}、グループ番号{1,1}、情報値{L1(6),L1(7)}。
【0156】
アンテナ3の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{4,5}、グループ番号{1,1}、情報値{L1(4),L1(5)}。
【0157】
アンテナ3の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{8,9}、グループ番号{1,1}、情報値{L1(8),L1(9)}。
【0158】
アンテナ4の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{6,7}、グループ番号{1,1}、情報値{−L1(6),L1(7)}。
【0159】
アンテナ4の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{0,1,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),L1(10),L1(11)}。
【0160】
アンテナ5の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{8,9}、グループ番号{1,1}、情報値{−L1(8),L1(9)}。
【0161】
アンテナ5の既知シンボルLP2:サブキャリア番号{2,3}、グループ番号{1,1}、情報値{−L1(2),L1(3)}。
【0162】
なお、図11(a)(b)(c)、図12(a)(b)においては、プリアンブルの構造は時間的に表されているが、便宜上、ロングプリアンブルLP1、LP2については、情報が存在するサブキャリアを斜線とドットで表している。図中のドットで示したサブキャリアは位相を反転させた情報が挿入されているサブキャリアを表しており、各サブキャリアの上部にそのサブキャリアが属するグループ番号を記している。
【0163】
図11(a)(b)(c)、図12(a)(b)に示すように、第6の実施形態に係る既知シンボルは、受信側に通知したい情報(例えば送信アンテナ数)に応じて、各既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をそのサブキャリアが属する既知シンボル番号とグループ毎に反転・非反転制御されていることを特徴とする。
【0164】
図13は、第6の実施形態に係る受信機の構成例を示したものである。なお、図13において、図3と同一部分には同一符号を付している。図13において、図3と異なる部分は、図13では、図3の受信機の構成にさらにメモリ42が追加されていることである。
【0165】
図13において、送信機から送信されるRF(Radio Frequency)帯のOFDM信号は複数の受信アンテナ30−1〜30−Mにより受信される。受信アンテナ30−1〜30−MからのOFDM受信信号は、受信回路31に入力される。受信アンテナ30−1〜30−Mから入力されるOFDM信号は、受信回路31において、それぞれ低雑音増幅器(LNA)により増幅された後、周波数変換器によりベースバンド帯に周波数変換(ダウンコンバート)され、さらにA/D変換器によってディジタル信号に変換され、さらにガードインターバル(GI)が除去される。
【0166】
受信回路31からの出力信号は、高速フーリエ変換部(FFT)32−1〜32−Mに入力されて、時間波形の信号が周波数波形の信号、すなわちサブキャリアごとの波形に変換される。FFTユニット32−1〜32−Mからの出力信号のうち、データシンボルの区間の信号はMIMO信号処理器41に入力される。
【0167】
一方、FFTユニット32−1〜32−Mからの出力信号のうち、プリアンブル、特に既知シンボルの区間の信号はシンボル単位で除算器33−1〜33−Mに入力される。除算器に入力されたサブキャリアごとの波形はROM34に格納された既知シンボルで除算することにより、伝送路特性の推定値が得らえる。サブキャリア毎の伝送路特性の推定値は、メモリ39−1〜39−Mへ格納されるとともに、相関器35−1〜35−Mへ入力される。ROM34に格納された既知シンボルは図11(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合の周波数軸上の既知シンボルと同一のものである。
【0168】
相関器35−1〜35−Mではグループ情報発生器36からのサブキャリアのグループ情報を基に、伝送路特性の推定値について、各既知シンボルにおけるグループ毎に相関値を計算し、各既知シンボルのグループ毎の相関値を判定器37に入力する。グループ情報発生器36は図1のグループ情報発生器17と同様の構成となっており、各サブキャリアが属するグループ情報を相関器35−1〜35−Mに出力している。
【0169】
判定器37は、入力された相関値が正値であるか、もしくは負値であるかの判定を各既知シンボルのグループ毎に行い、その結果をメモリ42に格納する。送信アンテナ数判定部38は、メモリ42にすべての既知シンボルに対する各グループの相関値が格納された時点で、その相関値の組み合わせを基に送信アンテナ数を決定する。
【0170】
送信アンテナ数判定部38は、図14に示すような正負判定後の各既知シンボルにおける各グループの相関値の組み合わせと送信アンテナ数の対応表を保持しており、判定器37から入力された判定後の各グループの相関値とその対応表を基に送信アンテナ数を決定し、MIMO受信部40に出力する。MIMO信号処理部40では、FFTユニット32−1〜32−Mからのデータシンボル区間の信号に対して、メモリ39−1〜39−Mからの伝送路推定値と送信アンテナ数判定部38からの送信アンテナ数に従って例えば最尤推定のようなMIMO信号受信処理がなされる。MIMO信号受信処理後の信号に対してチャネル復号が行われ、これによって送信されてきたデータ41が再生される。
【0171】
このように上記第6の実施形態によれば、連続して複数の既知シンボルを送信するため、既知シンボルが増えることによる効率の低下は招くが、各既知シンボルにおけるグループ数を増加させることなく送信側に通知できる情報パターン数を増やすことができる。
【0172】
(第7の実施形態)
次に、図15を参照して第7の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法について説明する。第7の実施形態は第6の実施形態と同様、複数の既知シンボルを用いて情報の通知を行う。図15(a)(b)(c)は、既知シンボルを同時に送信するアンテナの数が「1」の場合、「2」の場合、及び「3」の場合のプリアンブルを含む無線フレームの構造を示している。
【0173】
例えば、図15(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合は、アンテナ1から送信される1つの既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0174】
アンテナ1の既知シンボルLP1とLP2:サブキャリア番号{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11}、グループ番号{1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),L1(2),L1(3),L1(4),L1(5),L1(6),L1(7),L1(8),L1(9),L1(10),L1(11)}。
【0175】
図15(b)(アンテナ数Mが「2」)の場合は、アンテナ1、2からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0176】
アンテナ1の既知シンボルLP1とLP2:サブキャリア番号{0,1,4,5,8,9}、グループ番号{1,1,1,1,2,2}、情報値{−L1(0),L1(1),−L1(4),L1(5),L1(8),L1(9)}。
【0177】
アンテナ2の既知シンボルLP1:サブキャリア番号{2,3,6,7,10,11}、グループ番号{1,1,2,2,2,2}、情報値{−L1(2),L1(3),L1(6),L1(7),L1(10),L1(11)}。
【0178】
図15(c)(アンテナ数Mが「3」)の場合は、アンテナ1、2、3からそれぞれ送信される既知シンボルにおいて情報が存在するサブキャリアの番号、そのサブキャリアのグループ番号、そのサブキャリアに乗せている情報値の組み合わせは以下の通りとなる。
【0179】
アンテナ1の既知シンボルLP1とLP2:サブキャリア番号{0,1,6,7}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(0),L1(1),−L1(6),L1(7)}。
【0180】
アンテナ2の既知シンボルLP1とLP2:サブキャリア番号{2,3,8,9}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(2),L1(3),−L1(8),L1(9)}。
【0181】
アンテナ3の既知シンボルLP1とLP2:サブキャリア番号{4,5,10,11}、グループ番号{1,1,2,2}、情報値{L1(4),L1(5),−L1(10),L1(11)}。
【0182】
なお、図15(a)(b)(c)においては、プリアンブルの構造は時間的に表されているが、便宜上、ロングプリアンブルLPについては、情報が存在するサブキャリアを斜線とドットで表している。図中のドットで示したサブキャリアは位相を反転させた情報が挿入されているサブキャリアを表しており、各サブキャリアの上部にそのサブキャリアが属するグループ番号を記している。
【0183】
図15(a)(b)(c)に示すように、第7の実施形態に係る既知シンボルは、受信側に通知したい情報(例えば送信アンテナ数)に応じて、既知シンボルにおける隣接する2つのサブキャリアのどちらか一方の位相をそのサブキャリアが属するグループ毎に反転・非反転制御されており、同一の複数の既知シンボルが連続して送信されることを特徴とする。
【0184】
第7の実施形態に係る受信機では、図16に示すような構成を有する。なお、図16において、図3と同一部分には同一符号を付している。図16において、図3と異なる部分は、図16では図3の受信機の構成に、さらに加算平均器43−1〜43−Mが追加されている。
【0185】
図16において、送信機から送信されるRF(Radio Frequency)帯のOFDM信号は複数の受信アンテナ30−1〜30−Mにより受信される。受信アンテナ30−1〜30−MからのOFDM受信信号は、受信回路31に入力される。受信アンテナ30−1〜30−Mから入力されるOFDM信号は、受信回路31において、それぞれ低雑音増幅器(LNA)により増幅された後、周波数変換器によりベースバンド帯に周波数変換(ダウンコンバート)され、さらにA/D変換器によってディジタル信号に変換され、さらにガードインターバル(GI)が除去される。
【0186】
GI除去後の出力信号のうち、既知シンボル区間の信号は、加算平均器43−1〜43−Mに入力される。加算平均器43−1〜43−Mは、既知シンボルが入力される度に、当該既知シンボルとそれまでに入力された既知シンボルとの加算平均を求める。全ての既知シンボルとの加算平均を行った後、加算平均後の既知シンボルが高速フーリエ変換(FFT)ユニット32−1〜32−Mに入力される。
【0187】
なお、データシンボル区間の信号に関しては、この加算平均器43−1〜43−Mはバイパスされ、高速フーリエ変換(FFT)ユニット32−1〜32−Mに入力される。
【0188】
高速フーリエ変換(FFT)ユニット32−1〜32−Mは、時間波形の信号を周波数波形の信号、すなわちサブキャリアごとの波形に変換する。FFTユニット32−1〜32−Mからの出力信号のうち、データシンボルの区間の信号は、MIMO信号処理部40に入力される。
【0189】
受信回路31からの出力信号は、高速フーリエ変換部(FFT)32−1〜32−Mに入力されることにより、時間波形の信号が周波数波形の信号、すなわちサブキャリアごとの波形に変換される。FFTユニット32−1〜32−Mからの出力信号のうち、データシンボルの区間の信号はMIMO信号処理器40に入力される。
【0190】
一方、FFTユニット32−1〜32−Mからの出力信号のうち、プリアンブル、特に、既知シンボルの区間の信号は除算器33−1〜33−Mに入力される。除算器に入力されたサブキャリアごとの波形をROM34に格納された既知シンボルで除算することにより、伝送路特性の推定値を得る。サブキャリア毎の伝送路特性の推定値はメモリ39−1〜39−Mへ格納されるとともに、相関器35−1〜35−Mへ入力される。ROM34に格納された既知シンボルは図15(a)(アンテナ数Mが「1」)の場合の周波数軸上の既知シンボルと同一のものである。
【0191】
相関器35−1〜35−Mではグループ情報発生器36からのサブキャリアのグループ情報を基に、伝送路特性の推定値についてグループ毎に相関値を計算し、そのグループ毎の相関値を判定器37に入力する。グループ情報発生器36は図1のグループ情報発生器17と同様の構成となっており、各サブキャリアが属するグループ情報を相関器35−1〜35−Mに出力している。
【0192】
判定器37では入力された相関値が正値であるか、もしくは負値であるかの判定を各グループ毎に行い、その結果を送信アンテナ数判定部38に出力する。送信アンテナ数判定部38では各グループの相関値の組み合わせを基に送信アンテナ数を決定し、送信アンテナ数をMIMO受信部40にそれぞれ出力する。
【0193】
MIMO信号処理部40では、FFTユニット32−1〜32−Mからのデータシンボル区間の信号に対して、メモリ39−1〜39−Mからの伝送路推定値と送信アンテナ数判定部38からの送信アンテナ数に従って例えば最尤推定のようなMIMO信号受信処理がなされる。MIMO信号受信処理後の信号に対してチャネル復号が行われ、これによって送信されてきたデータ41が再生される。
【0194】
このように上記第7の実施形態によれば、連続して既知シンボルを送信するため、既知シンボルが増えることによる効率の低下は招くが、受信側では上述したように同じパターンの既知シンボルを累積加算した結果を用いて、伝送路特性の推定および送信アンテナ数を推定するので、雑音の影響を緩和でき、通知情報の推定精度を改善することができる。
【0195】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0196】
【図1】第1の実施形態に係る無線通信装置(送信機)の構成例を示す図。
【図2】第1の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図3】第1の実施形態に係る無線通信装置(受信機)の構成例を示す図。
【図4】図3の受信機の送信アンテナ数推定処理動作を説明するためのフローチャート。
【図5】グループ情報発生器で記憶されているサブキャリアのグループ情報を記憶したテーブルの一例を示した図。
【図6】送信アンテナ数判定部で記憶されている、各グループの相関値の組み合わせと送信アンテナ数の対応表の一例を示した図。
【図7】第2の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図8】第3の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図9】第4の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図10】第5の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図11】第6の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図12】第6の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図13】第6の実施形態に係る無線通信装置(受信機)の構成例を示した図。
【図14】送信アンテナ数判定部で記憶されている、各グループの相関値の組み合わせと送信アンテナ数の対応表の他の例を示した図。
【図15】第7の実施形態に係る伝送路推定用の既知シンボルの送信方法を説明するため図。
【図16】第7の実施形態に係る無線通信装置(受信機)の構成例を示した図。
【符号の説明】
【0197】
11…符号化器、12…直並列変換器(S/P)、13−1〜13−M…変調器、14−1〜14−M…直並列変換器(S/P)、15…既知シンボルパターン発生器、16…セレクタ、17…グループ情報発生器、18−1〜18−M…位相制御器、19−1〜19−M…逆高速フーリエ変換部(IFFT)、20…送信回路、21−1〜21−M…送信アンテナ。
30−1〜30−M…受信アンテナ、31…受信回路、32−1〜32−M…高速フーリエ変換部(FFT)、33−1〜33−M…除算器、34…ROM、35−1〜35−M…相関器、36…グループ情報発生器、37…判定器、38…送信アンテナ数判定部、39−1〜39−M…メモリ、40…MIMO受信部。42…メモリ、43−1〜43−M…加算平均器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナと、
既知情報を伝送するための複数のグループのいずれかに分類された複数のサブキャリアからなる少なくとも1つの既知シンボルを含み、同一アンテナから送信する2つのサブキャリアで伝送される既知情報のいずれか一方の位相の反転・非反転が、送信すべき情報に応じて前記グループ毎に制御された既知シンボル列を前記複数のアンテナを用いて送信する既知シンボル送信手段と、
前記既知シンボル列の送信後に前記複数のアンテナを用いてデータシンボルを送信するデータシンボル送信手段と、
を具備したことを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記送信すべき情報は、前記データシンボルの復調に用いる情報であることを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記データシンボルの復調に用いる情報は、前記データシンボルを送信する際に用いる送信アンテナの数であることを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記データシンボルの復調に用いる情報は、前記データシンボルの変調方式の種類を示す情報であることを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記データシンボルの復調に用いる情報は、前記データシンボルの符号化方式の種類を示す情報であることを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記データシンボルの復調に用いる情報は、前記データシンボルの符号化率であることを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記データシンボルの復調に用いる情報は、前記データシンボルのシンボル数であることを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記データシンボルの復調に用いる情報は、前記データシンボルに含まれる情報量であることを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記同一アンテナから送信する2つのサブキャリアが隣接していることを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項10】
前記既知シンボル列は、前記既知情報を伝送するサブキャリアが同一の複数の既知シンボルを含むことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項11】
前記既知シンボル列送信手段は、
前記既知情報を伝送するサブキャリアがそれぞれ異なる複数の既知シンボルパターンを格納した記憶手段と、
前記既知シンボルの送信されるべきタイミングを示すタイミング信号を発生するタイミング発生手段と、
前記タイミング信号に従って前記複数の既知シンボルパターンのなかから前記既知シンボルとして用いる既知シンボルパターンを選択する選択手段と、
前記送信すべき情報及び前記グループに応じてサブキャリアの位相の反転・非反転を制御する位相制御手段と、
を具備したことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項12】
前記グループの数を送信すべき情報の数に応じて決定することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項13】
複数のアンテナによって送信される、既知情報を伝送するための複数のグループのいずれかに分類された複数のサブキャリアよりなる少なくとも1つの既知シンボルを含み、データシンボルの復調に用いる情報を送信するために、同一アンテナから送信する2つのサブキャリアで伝送される既知情報のいずれか一方の位相の反転・非反転が前記グループ毎に制御された既知シンボル列及び該既知シンボル列より後の前記データシンボルを受信する受信手段と、
受信した既知シンボルから伝送路推定値を求める伝送路推定手段と、
前記受信した既知シンボルから求めた前記伝送路推定値のうち当該既知シンボルの前記2つのサブキャリアに対応する2つの伝送路推定値の間の相関値を前記グループ毎に求める手段と、
前記グループ毎に求められた相関値を基に、前記データシンボルの復調に用いる情報を再生する手段と、
を具備したことを特徴とする無線通信装置。
【請求項14】
前記既知シンボル列は、前記既知情報を伝送するためのサブキャリアが同一である複数の既知シンボルを含み、
前記伝送路推定手段は、各既知シンボルの同一のサブキャリアで伝送される既知情報に対応する周波数波形を累積加算して、前記伝送路推定値を求めることを特徴とする請求項13記載の無線通信装置。
【請求項1】
複数のアンテナと、
既知情報を伝送するための複数のグループのいずれかに分類された複数のサブキャリアからなる少なくとも1つの既知シンボルを含み、同一アンテナから送信する2つのサブキャリアで伝送される既知情報のいずれか一方の位相の反転・非反転が、送信すべき情報に応じて前記グループ毎に制御された既知シンボル列を前記複数のアンテナを用いて送信する既知シンボル送信手段と、
前記既知シンボル列の送信後に前記複数のアンテナを用いてデータシンボルを送信するデータシンボル送信手段と、
を具備したことを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記送信すべき情報は、前記データシンボルの復調に用いる情報であることを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記データシンボルの復調に用いる情報は、前記データシンボルを送信する際に用いる送信アンテナの数であることを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記データシンボルの復調に用いる情報は、前記データシンボルの変調方式の種類を示す情報であることを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記データシンボルの復調に用いる情報は、前記データシンボルの符号化方式の種類を示す情報であることを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記データシンボルの復調に用いる情報は、前記データシンボルの符号化率であることを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記データシンボルの復調に用いる情報は、前記データシンボルのシンボル数であることを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記データシンボルの復調に用いる情報は、前記データシンボルに含まれる情報量であることを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記同一アンテナから送信する2つのサブキャリアが隣接していることを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項10】
前記既知シンボル列は、前記既知情報を伝送するサブキャリアが同一の複数の既知シンボルを含むことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項11】
前記既知シンボル列送信手段は、
前記既知情報を伝送するサブキャリアがそれぞれ異なる複数の既知シンボルパターンを格納した記憶手段と、
前記既知シンボルの送信されるべきタイミングを示すタイミング信号を発生するタイミング発生手段と、
前記タイミング信号に従って前記複数の既知シンボルパターンのなかから前記既知シンボルとして用いる既知シンボルパターンを選択する選択手段と、
前記送信すべき情報及び前記グループに応じてサブキャリアの位相の反転・非反転を制御する位相制御手段と、
を具備したことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項12】
前記グループの数を送信すべき情報の数に応じて決定することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項13】
複数のアンテナによって送信される、既知情報を伝送するための複数のグループのいずれかに分類された複数のサブキャリアよりなる少なくとも1つの既知シンボルを含み、データシンボルの復調に用いる情報を送信するために、同一アンテナから送信する2つのサブキャリアで伝送される既知情報のいずれか一方の位相の反転・非反転が前記グループ毎に制御された既知シンボル列及び該既知シンボル列より後の前記データシンボルを受信する受信手段と、
受信した既知シンボルから伝送路推定値を求める伝送路推定手段と、
前記受信した既知シンボルから求めた前記伝送路推定値のうち当該既知シンボルの前記2つのサブキャリアに対応する2つの伝送路推定値の間の相関値を前記グループ毎に求める手段と、
前記グループ毎に求められた相関値を基に、前記データシンボルの復調に用いる情報を再生する手段と、
を具備したことを特徴とする無線通信装置。
【請求項14】
前記既知シンボル列は、前記既知情報を伝送するためのサブキャリアが同一である複数の既知シンボルを含み、
前記伝送路推定手段は、各既知シンボルの同一のサブキャリアで伝送される既知情報に対応する周波数波形を累積加算して、前記伝送路推定値を求めることを特徴とする請求項13記載の無線通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−14234(P2006−14234A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192079(P2004−192079)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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