説明

無線通信装置

【課題】従来のアンテナでは、多数の無線タグとの交信においてその能力の改善が求められていた。
【解決手段】本発明は、送信アンテナ、受信アンテナ切替用の専用スイッチを挿入し、従来の送信専用アンテナをCPU等の制御信号により送信機からの送信出力を送出し、かつタグからの応答信号を受信することが可能となるように制御し、同様に、受信専用のアンテナをCPU等の制御により送信機からの送信出力を送出し、かつタグからの応答信号を受信することが可能となるように制御するために、上記送信受信アンテナ切替スイッチを挿入した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UHF帯の電波を利用して無線タグと交信する無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、UHF帯の無線通信(リーダライタ)装置では、送信受信共用の1個のアンテナを使用し、無線タグとの通信を行っていた。しかしながら、送信パワーに対して無線タグからの応答電力が小さい為、近年、送信専用のアンテナと受信専用のアンテナとを別々に分けて構成する方法も実現されている。
【0003】
この無線通信装置の通信方式もタグへの送信波と受信波との周波数が等しいダイレクトコンバージョン方式が一般的である。このUHF帯無線通信装置の基本動作としては、無線通信装置から無線タグへ電波を発信し、無線タグ側の電源を起動させる。その後、無線通信装置にてAM(振幅変調)若しくはPM(位相変調)された信号を無線タグ側へ発信する。無線通信装置からの送信時には、送信専用のアンテナにて送信を行う。無線タグ側では、無線通信装置からの信号を受け、無線タグ内部のメモリ等に蓄えられた情報をバックスキャタ変調等で返す。その無線タグからの応答信号を無線通信装置で受信専用のアンテナにて受けることで一連の通信処理が完了する。
【0004】
図11には、従来の無線通信装置の回路ブロック図、また、図12には、従来の無線タグの回路ブロック図を示す。これらの図に沿って従来のUHF帯無線通信装置の動作について以下に説明する。図11において、512はCPU(Central Processing Unit)でシンセサイザ514のデータ設定、パワーアンプ503の電源ON/OFF制御(AM変調)、ADコンバータ511の受信データ処理等を行う。シンセサイザ514では、無線タグとの通信に必要なタグの起動電力源となり、変調データを搬送することになる搬送波が生成される。このシンセサイザ信号は、周波数ホッピングシステムの場合では一定時間毎に周波数を変化させることが可能である。
【0005】
また、UHF帯の無線通信装置の場合には、850MHz〜930MHz帯が使用されている。シンセサイザ514の出力は、送信アンプ502により信号増幅される。送信アンプ502により増幅された搬送波は、次のパワーアンプ503に入力される。このパワーアンプ503では、電源のON/OFF制御がCPU512により行なわれる。このパワーアンプ電源のON/OFF制御により搬送波がAM変調される。このAM変調された変調波は、バンドパスフィルタ505で不要なスプリアス成分を除去される。スプリアス成分が除去された変調波は、送信アンテナ506にて空間に電波が放出されることになる。空間に放出された電波は、空間での伝播損失により一部のパワーが失われるが、図12の無線タグのアンテナ520aで受信され、レクテナ520cにて整流動作によりタグ内CPU(Central Processing Unit)を起動する電圧に変換される。
【0006】
無線タグで受信される電界強度が無線タグ内のCPU520dを起動させる電力レベルに到達すると、変復調器520bにて無線通信装置からの送信信号を復調し、CPU520dにて、その信号を処理することになる。さらにCPU520dからメモリ520eにアクセスして無線タグ内のデータを読み取ることが出来るようにもなる。このメモリ520eに蓄積されたデータを変復調器520bにてバックスキャタ変調することで、アンテナ520aを通じて無線通信装置側へ応答信号を返すことになる。
【0007】
無線タグからの応答信号は、図11の受信専用アンテナ515にて受信される。受信アンテナにて受信された無線タグからの応答信号は、分配器507へ入力され受信電力が均等に2分配される。この2分配された電力は、ミキサ508a、bへ入力される。ここで、ミキサへのローカル信号は、シンセサイザ514で生成された送信信号と同一の周波数となる。そのローカル周波数成分を移相器515により90度位相の遅れた成分と、生成ローカル周波数と同位相(0度)の成分とに分配される。この2分配されて、さらに位相差90度のローカル信号は、ミキサ508a、bへ入力されて受信信号をダイレクトにベースバンド信号に変換する。
【0008】
ここで、0度ローカル周波数成分とミキシングされた出力をI成分、90度移相ローカル成分とミキシングされた出力をQ成分とする。ベースバンド信号に変換されたI、Q信号成分は、フィルタ509a、509bにより不要な周波数成分が除去される。その後、受信アンプ510a、bにより、所要のレベルまで増幅される。受信アンプ510a、bにより増幅されたベースバンド信号は、ADコンバータ511により2値化され、CPU512にて受信データが復調処理される。復調されたデータはI/Oインターフェース513を通して外部のインターフェースとのデータのやり取りが行なわれる。
【0009】
以上が送信アンテナ1個及び受信アンテナ1個によりタグとの通信を行う方式の従来のUHF帯の無線通信装置の通信処理の流れである。しかしながら、この方式では、タグとの通信範囲が狭く、通信のエリアが限定されてしまう。
【0010】
その欠点を補うために、図13に示す複数アンテナ構成にてタグとの通信を行う構成にすることで通信確立が向上し、安定したタグ読み取り性能を得ることができる。また、図13には送信4個、受信4個のアンテナを使用した場合のアンテナ制御方法に関して示す。
【0011】
更に、図14には図13中のSPDT(Single Pole Double Throw:単極双投)スイッチの制御方法の一例を示す。図15には、図13中のスイッチ制御マトリクスの一例を示す。これらの図を基に従来のアンテナの制御方法に関して説明する。図14には、SPDTスイッチの制御の一例を示す。SPDTスイッチa−b間に信号を伝達するときは、制御信号は1bit制御信号の「0」にて制御され、a−c間に信号を伝達するときには、1bit制御信号の「1」にてSPDTスイッチの経路の制御が行える例を示している。このSPDTスイッチを3個使用した場合の制御マトリクスの例を図15に示す。この制御により送信系回路550の出力は、送信アンテナ1から4のどれかのアンテナにより送信される。ここで、アンテナ制御の一例を説明すると、SPDTスイッチ542の制御信号が「0」でSPDTスイッチ540と541の制御信号が「0」の場合、「1」の送信アンテナが選択されることになる。
【0012】
ここで、SPDTスイッチ540とSPDTスイッチ541の制御論理は同一とする。この送信アンテナ選択は、時間的に切り替えなどして、通信エリアの拡大が行える。一方、受信アンテナに関しても、図15の送信アンテナ制御と同様にして受信アンテナ1から4の切替制御が行われ、受信アンテナの通信エリア拡大によりタグ読取性能の向上が可能になる。
【特許文献1】特開2005−102215号公報
【特許文献2】特開2005−159653号公報
【特許文献3】特開2005−122633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記従来の構成では、送信アンテナ及び受信アンテナの2個のアンテナによりシステムを組む際に、アンテナダイバーシチ受信等を行うときには、最低でも1個以上の追加の受信アンテナが必要になり、コスト的にも問題となっていた。また、複数のアンテナを使用し、SPDTスイッチにてアンテナを切り替える場合でも、受信ダイバーシチは、受信アンテナのみを切り替えることで実現し、送信ダイバーシチも送信アンテナのみを切り替えることで実現し、送受信の全アンテナ位置でのスペースダイバーシチ効果が得られることはないため、その効果が小さかった。
【0014】
本発明は、極めて簡単な構成により高いダイバーシチ効果を得ることができる無線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記課題に対して、第1のアンテナ部と、第2のアンテナ部と、無線タグに対する所定の送信信号を生成する送信信号生成部と、当該送信信号生成部が生成した送信信号を前記第1のアンテナ部から送信する送信部と、上記無線タグからの応答信号を上記第2のアンテナ部を介して受信する受信部と、を備える無線通信装置であって、上記アンテナ部が受信した上記無線タグからの応答信号における所定のエラーを検出するエラー検出部と、当該エラー検出部の検出結果に基づいて、上記第1のアンテナ部が上記タグからの応答信号を受信し、かつ上記第2のアンテナ部から上記所定の送信信号を送信するように切り替えるアンテナ切替部と、を備えて構成される。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、上記構成により、上記エラー検出部の検出結果に基づいて、第1のアンテナ部を送信側から受信側に及び第2のアンテナ部を受信側に切り替えることにより、極めて簡単な構成をもって高いダイバーシチ効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(実施の形態1)
以下に、本発明の無線通信装置における実施の形態1について図面に沿って説明する。
【0018】
<本体装置Aの説明>
図1は、本発明の実施の形態1における無線通信装置の回路構成ブロック図であり、同図には、無線通信装置の送信系回路120及び受信系回路121の内部の例を示す。また、本実施の形態1では、850MHz〜960MHz帯が使用されている。
【0019】
図1において、CPU112(Central Processing Unit)により、シンセサイザ114のデータ設定、パワーアンプ103の電源ON/OFF制御(AM変調)、受信ADコンバータ111の受信データ処理等を行う。また、シンセサイザ114では、無線タグとの通信に必要な搬送波が生成される。この生成されたシンセサイザ信号は、周波数ホッピングシステムにおいて、ある一定時間毎に周波数を変化させることが可能である。シンセサイザ114の出力は、送信アンプ102により信号増幅される。この増幅された搬送波は、次のパワーアンプ103に入力される。パワーアンプ103では、電源のON/OFF制御がCPU112により行われる。このパワーアンプ103のON/OFF制御により搬送波がAM変調される。次に、このパワーアンプ103によりAM変調された変調波は、バンドパスフィルター105で不要なスプリアス成分を除去される。このスプリアス成分が除去された変調波は、送信アンテナ100c又は受信アンテナ101cにより空間に電波が放出され、無線タグへの送信信号となる。また、無線タグからの応答信号は、受信アンテナ101c又は送信アンテナ100cにて受信される。受信された無線タグからの応答信号は、分配器107へ入力され、受信電力が均等に2分配される。次に、2分配された電力は、ミキサ108a、bへ入力される。ここで、当該各ミキサ108a、bへのローカル信号は、シンセサイザ114で生成された送信信号と同一の周波数となる。そのローカル周波数信号を移相器115により生成ローカル信号に対して90度位相の遅れた周波数信号と、生成ローカル周波数と同位相(0度)の周波数信号とに分配される。
【0020】
次に、移相器115では、信号を2分配するのと同時に、2分配した信号に対して90度の移相差のある信号を生成する。即ち、この2分配されて、さらに位相差90度のローカル2信号は、ミキサ108a、bへ入力され、受信信号をダイレクトにベースバンド信号に変換する。ミキサ108aでは、受信信号と同周波数の0度ローカル信号がミキシングされる。ミキサ108aの出力には、直交復調された受信ベースバンド信号が出力される。次に、ミキサ108bでは、受信信号と同周波数の90度移相されたローカル信号がミキシングされる。ミキサ108bの出力には、直交復調された受信ベースバンド信号が出力される。
【0021】
ここで、0度ローカル周波数成分とミキシングされた出力をI成分、また90度移相ローカル成分とミキシングされた出力をQ成分とする。ベースバンド信号に変換されたI、Q信号成分は、フィルタ109a、109bにより不要な周波数成分が除去される。その後、受信アンプ110a,bにより所要のレベルまで増幅される。
【0022】
増幅されたベースバンド信号は、ADコンバータ111により2値化され、CPU112にて受信データが復調処理される。復調されたデータは、I/Oインターフェース113を通して外部のインターフェースとのデータのやり取りが行なわれる。
【0023】
<アンテナ部B1の構成の説明>
ここで説明する送信周波数は、300MHzから3000MHz帯のUHF帯のシステムに適用可能である。
【0024】
図1において、送信系回路120からの送信出力がSPDT(Single Pole Double Throw 単極双投)スイッチ125cからSPDTスイッチ122c、若しくはSPDTスイッチ123cに接続されるように制御される。よって、SPDTスイッチ122cに接続された場合は、送信アンテナ100cにより送信される。また、SPDTスイッチ123cに接続された場合は、受信アンテナ101cにより送信される。
【0025】
同様に、受信系回路121への入力はSPDTスイッチ126cからSPDTスイッチ122c、若しくはSPDTスイッチ123cに接続されるように制御される。SPDTスイッチ122cに接続された場合には、送信アンテナ100cにより受信される。よって、SPDTスイッチ123cに接続された場合は、受信アンテナ101cにより受信される。
【0026】
図2は、本発明の無線通信装置の実施の形態1における機能構成ブロック図である。同図において、送信信号生成部130は、無線タグに対しての応答指示コマンド等を含む所定の送信信号を生成する。この送信信号生成部130には、送信部131が接続されており、送信部131は、送信信号生成部130が生成した送信信号を送信するためにアンテナ切替部137を介して第1のアンテナ部132に接続されている。また、受信部134は、上記アンテナ切替部137を介して第2のアンテナ部135に接続されている。この受信部134は、第2のアンテナ部135が受信した応答信号を応答信号解読部133に送信し、応答信号解読部133は、受信信号を解読(エンコード)する。
【0027】
更に、エラー検出部136は、応答信号解読部133に送信された無線タグからの応答信号のうちエラーとなった信号を検出し、その検出結果を制御部138に送信する。アンテナ切替部137は、上記制御部138からの指示により、上記第1のアンテナ部132及び第2のアンテナ部135のそれぞれの接続を送信部131又は受信部134に切り替える。尚、上記制御部138は、2つの種類のエラー検出方式を備え、ユーザの指示により入力部(図示せず)により検出方法を選択することができる。
【0028】
以下に、図1の本実施の形態における無線通信装置の回路構成ブロック図と図2の同機能ブロック図との対応について説明する。送信信号生成部130は、CPU112により実現されている。送信部131は、送信アンプ102、パワーアンプ103により構成される。第1のアンテナ部132は、送信アンテナ100cにより実現されている。応答信号解読部133は、CPU112により実現されている。また、受信部134は、分配器107、ミキサ108a、108b、フィルタ109a、109b、受信アンプ110a、110b、ADコンバータ111により構成される。また、第2のアンテナ部135は、受信アンテナ101cにより実現されている。エラー検出部136は、CPU112により実現される。アンテナ切替部137は、SPDTスイッチ122c、123c、125c、126cにより構成される。更に、制御部138は、CPU112により実現される。
【0029】
<アンテナ制御の説明>
次に、図1に示されている経路切替のためのSPDTスイッチの信号経路切替制御信号の一例を図4(a)に示す。このスイッチでは制御信号「0」入力でa−b間の経路が有効になるようにスイッチが制御される。また、制御信号「1」の入力でa−c間の経路が有効になるようにスイッチが制御される。また、図4の(b)に、図1におけるSPDTスイッチ制御信号とアンテナ経路との関係についての制御マトリクスを示す。同図に示すように、スイッチ制御をもってアンテナ制御がなされる。
【0030】
以下、図1及び図3に沿って、本実施の形態1における信号の流れに関してアンテナ制御について詳細に説明する。送信系回路120からの出力がSPDTスイッチ125cにてSPDTスイッチ122cかSPDTスイッチ123cのどちらかに接続される。
【0031】
図3の(a)の場合、SPDTスイッチ125cからSPDTスイッチ122cに接続され、送信系回路120からの出力は、送信アンテナ100cから出力される。このときには、受信アンテナ101cでの受信信号はSPDTスイッチ123cを通ってSPDTスイッチ126cに接続され、受信系回路121に接続されるように制御される。このシステムでは、別の通信経路の制御も可能である。
【0032】
また、図3の(b)の場合、送信系回路120からの出力は、SPDTスイッチ125cからSPDTスイッチ123cに接続されているため、受信アンテナ101cを通じて送信出力が出力される。このとき、送信アンテナ100cにて受信信号を受信し、SPDTスイッチ122cを通じてSPDTスイッチ126c経由で受信経回路121で受信信号を受信する。
【0033】
尚、本実施の形態1では、アンテナ切替えにおける2つの切替モードを採用しており、1つは「CRCエラー検出方式」を利用した切替モード、他方は「パイロットトーンエラー検出方式」を利用した切替モードである。以下に、この2つの検出切替モードについて詳細に説明する。尚、CRCとは、「CYCLICAL REUNDANCY CHECK」である。また、パイロットトーンとは、データ通信における同期信号である。
【0034】
<CRCエラー検出の概略説明>
図5は、本発明の実施の形態1における無線通信装置(R/W)と無線タグ間のデータの流れ及びアンテナ制御の例図であり、無線通信装置(R/W)と無線タグとの間のデータの流れ及びそのときのCRCエラー検出によるアンテナ選択の例を示す。
【0035】
図5の(a)に、無線通信装置と無線タグとの間のデータの流れを示す。また、図5の(b)に、上記(a)の通信時の選択アンテナの例を示す。アンテナは、アンテナ100cとアンテナ101cの2本のみとする。図5の(c)に無線タグと無線通信装置と間のCRCデータに含まれるエラーをカウントし、当該カウント値が設定閾値に達したときに、カウント値が「0」にクリアされる制御例を示す。
【0036】
先ず、無線通信装置から無線タグへ送信データが送信されると、一定時間(t1)後に無線タグからの受信データを無線通信装置にて受信する。無線通信装置と無線タグとの間の通信は、基本的には、このような送信データ、受信データの通信の繰り返しとなっており、その繰り返し時に通信に使用するアンテナを制御することとなる。受信データには、受信データに対応するCRC(エラー判定bit)200が付加されており、そのCRCエラー(送信データと付加されたチェック符号の関係の正しさ)をCPU112にて判定する。即ち、CPU112にて、無線タグとの通信開始時にCRCエラー回数を指定し、通信中では常にCRCエラー回数をカウントしておき、指定されたCRCエラー回数に達したときに、無線通信装置と無線タグとの間の通信に使用する2つのアンテナ同士を切り替えるように制御する。この例では、受信データをN回受信する間にCRCエラー回数が設定エラー回数閾値に到達する場合の一例を示している。図5の(a)の受信データN中のCRCデータ受信時には、図5の(c)にてCRCエラー回数が設定閾値に達しており、ここでカウント値を「0」にクリアして、更に、選択されたアンテナが図5の(b)にてアンテナ100cからアンテナ101cに切り替わる。
【0037】
また、このアンテナ切替えを行うときのCRCエラー回数は、読み取るタグの枚数により最適な値に設定する必要がある。本実施の形態1では、CRCエラーは判定回数をフィールド内に存在するであろう読み取るタグ枚数に合わせて適切に制御する。具体的には、読み取りタグ枚数をN1枚に設定した場合、アンテナ切替えを行うトリガとなるCRCエラー判定回数e1をn1回に比例する値に設定する。ただし、ここで設定するCRCエラー判定回数は、e1>1とする。このようなUHF帯のリーダーのシステムにおいては、e1=N1/100〜N1に設定する。また、読取タグ枚数N1に対してCRCエラー判定回数e1を上記の関係式に設定することで、効率的に無線タグの読取が可能になる。尚、e1>n1とすれば、無線タグの読取時間の劣化が起こるばかりではなく、アンテナ切り替えが適切に行えなくなるケースが発生する可能性がある。e1<n1/100では頻繁にアンテナ切替えが行われる可能性があり適切ではない。尚、上記設定は、ユーザが図示しないキーボード(入力手段)により行うことができる。
【0038】
<CRCエラー検出による動作のフローチャートの説明>
以下、本実施の形態1の装置のアンテナ切替機能の動作をフローチャートに沿って説明する。ここでは、図6を用いてCRCエラー回数によるアンテナ切替制御手順に関して説明する。
【0039】
先ず、ステップ1にて、読取枚数n1を設定する(尚、n1はタグからの応答信号に含まれる乱数のbit数に等しい値となることもある。)。次に、n1に比例したCRCエラー判定回数e1、読取回数m1を設定する。m1は読取タグ枚数以上の値を設定し、このようなUHFRFIDシステムでは、m1>n1の値となるようにする(尚、m1<n1の場合、すべてのタグを読み取ることが困難になる可能性があり現実的ではない。)。
【0040】
次に、ステップ2にて、読み取りを行う送信及び受信アンテナを設定する。次に、ステップ3にて無線タグの読取を行う。更に、ステップ4では、読取回数を判定する。更に、読取回数m1に到達した時には、通信処理を終了する(ステップ6)。読取回数m1未満の場合は、ステップ5に移行する。
【0041】
次に、ステップ5にて、無線タグからの応答CRCエラー回数と読み取り枚数を判定する。また、CRCエラー回数がe1以上かつ読取枚数がn1未満の時には、通信アンテナの切替えを行うステップ2に移行する。また、CRCエラー回数がe1未満かつ読取枚数がn1未満の時には、タグ読取コマンド発行を行うステップ3に移行する。また、ステップ5にて、読取枚数がn1に到達した場合には、ステップ6に移行して通信終了となる。以上がCRCエラー検出をもとに送受信のアンテナを切り替える制御である。
【0042】
<パイロットトーンエラー検出の概略説明>
図7にパイロットトーンエラー判定によるアンテナ切替制御例に関して詳細に説明する。尚、パイロットトーン信号とは、無線タグからの通信データに含まれる同期信号を意味する。
【0043】
図7の(a)に無線タグと無線通信との間のデータの流れを示す。また、図7の(b)に図7の(a)の通信時のアンテナの例を示す。尚、アンテナは、ここではアンテナ100cとアンテナ101cの2本のみとする。
【0044】
図7の(c)に、無線タグと無線通信との間のパイロットトーンデータに含まれるエラーをカウントし、設定閾値に達したときにカウント値が「0」にクリアされる制御例を示す。尚、この実施の形態1では、受信データをN回受信する間にパイロットトーンエラー回数が設定エラー回数閾値に到達する場合の一例を示している。
【0045】
図7の(a)の受信データN中のパイロットトーンデータ受信時には、図7の(c)にてパイロットトーンエラーが設定閾値に達しており、ここでカウント値を「0」にクリアしてさらに、選択したアンテナが図7の(b)にてアンテナ100cからアンテナ101cに切り替わっている。また、このアンテナ切替えを行うときのパイロットトーンエラー回数は、読み取る無線タグの枚数により最適な値に設定する必要がある。本実施の形態1では、パイロットトーンエラーは、判定回数をフィールド内に存在するであろう読み取る無線タグ枚数にあわせて適切に制御する。具体的には、読み取りタグ枚数をN1枚に設定した場合、アンテナ切替えを行うトリガとなるパイロットトーンエラー判定回数p1をN1回に比例する値に設定する。ただし、ここで、設定するパイロットトーンエラー判定回数は、p1>1とする。このようなUHF帯のリーダーのシステムにおいてはp1=N1/100〜N1に設定する。読取タグ枚数N1に対してパイロットトーンエラー判定回数p1を上記の関係式に設定することで、効率的にタグの読取が可能になるためである。また、p1>N1とすれば、タグの読取時間の劣化が起こるばかりではなく、アンテナ切り替えが適切に行えなくなるケースが発生する可能性がある。尚、p1<N1/100では頻繁にアンテナ切替えが行われる可能性があり適切でない。
【0046】
<パイロットトーンエラー検出による動作のフローチャートの説明>
以下に、本実施の形態1の装置の本機能の動作を図8のフローチャートに沿って説明する。尚、本機能とは、タグからの受信データに含まれるパイロットトーンのエラー検出によるアンテナ切替えである。
【0047】
先ず、ステップ1にて、読取枚数n1を設定する(n1は、タグからの応答信号に含まれる乱数のbit数に等しい値となることもある。)。次に、n1に比例したパイロットトーンエラー判定回数p1、読取回数m1を設定する。尚、パイロットトーンエラーは、タグからの応答がぶつかり、パイロットトーンが崩れて検出不可能な場合にエラーとして検出される(また、環境のノイズ等の影響によりパイロットトーンが崩れることによりエラー検出されることもある。)。m1は読取タグ枚数以上の値を設定し、UHFRFIDシステムでは、m1>n1の値となるようにする。尚、m1<n1の場合、すべてのタグを読み取ることが困難になる可能性があり現実的ではない。
【0048】
次に、ステップ2にて、読み取りを行う送信、受信アンテナを指定する。そして、ステップ3にて、タグ読取を行う。次に、ステップ4では、読取回数を判定する。読取回数m1に到達した時には通信処理を終了する(ステップ6)。読取回数m1未満の場合は、ステップ5に移行する。
【0049】
次に、ステップ5にて、タグからの応答パイロットトーンエラー回数と読み取り枚数とを判定する。パイロットトーンエラー回数がe1以上かつ読取枚数がn1未満の時には、通信アンテナの切替をおこない、ステップ2に移行する。パイロットトーンエラー回数がe1未満かつ読取枚数がn1未満の時にはタグ読取コマンド発行を行い、ステップ3に移行する。
【0050】
また、ステップ5にて読取枚数がn1に到達した場合には、ステップ6に移行し、通信終了となる。以上がパイロットトーンエラーをもとにアンテナを切り替える制御である。
【0051】
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2について図面に沿って説明する。尚、上記本発明の実施の形態1との相違は、図1においてのアンテナ部B2であり、以下に詳細に説明する。
【0052】
<複数アンテナの構成の説明>
図9は、図1のSPDTスイッチ122c、SPDTスイッチ123cの後段(アンテナスイッチ部:B1の後段)に複数のブランチのアンテナスイッチ部B2(以下、「ブランチスイッチ部」)を接続するダイバーシチ構成の一例を示す構成ブロック図である。
【0053】
本実施の形態では、複数のアンテナを有するブランチスイッチ部200、201の切替えをSP4T(Single Pole Forth Throw)単極4投スイッチを使用して、送信受信それぞれ4個のアンテナ切替えを実現可能としている。
【0054】
以下、本実施の形態2の無線通信装置の構成及び制御方法に関して更に詳細に説明する。尚、本実施の形態においても、アンテナの切り替えには、CRCエラー検出及びパイロットトーンエラー検出が利用される。
【0055】
送信系回路120の出力は、SPDTスイッチ125cに接続される。SPDTスイッチ125cでは、1bitの制御信号により、SPDTスイッチ122c経由で送信アンテナ側のSP4Tスイッチ200か、SPDTスイッチ123c経由で受信アンテナ側のSP4Tスイッチ201に接続される。
【0056】
ここで、送信アンテナ側のSP4Tスイッチ200に制御された場合、送信系回路120出力は、送信アンテナ160〜163のいずれか1本から出力されることになる。また、受信側のSP4Tスイッチ201に制御された場合、送信系回路120出力は、受信アンテナ164〜167のいずれか1本から出力されることになる。
【0057】
即ち、SPDTスイッチ125c、122c、123cにて送信信号を送信アンテナか受信アンテナのどちらかで送信することを選択することが可能になる。送信系回路120出力が送信アンテナ160〜163もしくは受信アンテナ164〜167にて出力する場合、4本のアンテナのうちのどれか1個のアンテナにて出力することになる。そのときのアンテナの選択はリーダーライタでの受信CRCエラーにて行われる。尚、CRCとは、「CYCLICAL REDUNDANCY CHECK」である。ここでのCRCデータは、タグからの応答データに付加されたエラー判定用の冗長符号を意味し、この冗長符号をリーダーライター側にて復号し、正規の受信データが応答されているかどうかの判定に用いるものである。又、アンテナの選択はパイロットトーンエラーにて行われることもある。
【0058】
パイロットトーンとは、タグからの応答データの先頭に含まれる信号同期用の符号をさす。この符号を元にリーダーライター側ではタグからの応答信号を判定し、同期をとることになる。タグの種類によりこの同期用の符号は異なる為、様々な種類のタグに対し同期を取り受信することも可能である。
【0059】
本実施の形態においては、前述のCRCエラーもしくはパイロットトーンエラーにて判定され、アンテナ切替が行われることになる。アンテナ選択の為の判定の手順は実施の形態1と同様である。同様に、受信系においても、受信アンテナ164〜167のいずれか1本からの受信信号はSP4Tスイッチ201を通ってSPDTスイッチ123cにてSPDTスイッチ126c経由で受信系回路121へ入力されるか、送信アンテナ160〜163のいずれか1本からの受信信号がSP4Tスイッチ200を通ってSPDTスイッチ122c経由でSPDTスイッチ126cにて受信系回路121へ入力されるかどうか制御される。受信系回路121の入力が送信アンテナ160〜163もしくは受信アンテナ164〜167にて受信される場合、4本のアンテナのうちのどれか1個のアンテナにて受信することになる。そのときのアンテナの選択はリーダーライタでの受信CRCエラー、もしくはパイロットトーンエラーにて判定され、アンテナ切替が行われることになる。そのときのアンテナの選択はリーダーライタでの受信CRCエラーにて行われる。尚、CRCとは、「CYCLICAL REDUNDANCY CHECK」である。ここでのCRCデータは、タグからの応答データに付加されたエラー判定用の冗長符号を意味し、この冗長符号をリーダーライター側にて復号し、正規の受信データが応答されているかどうかの判定に用いるものである。また、アンテナの選択はパイロットトーンエラーにて行われることもある。
【0060】
パイロットトーンとは、タグからの応答データの先頭に含まれる信号同期用の符号をさす。この符号を元にリーダーライター側ではタグからの応答信号を判定し、同期をとることになる。タグの種類によりこの同期用の符号は異なる為、様々な種類のタグに対し同期を取り受信することも可能である。
【0061】
本実施の形態においては、前述のCRCエラーもしくはパイロットトーンエラーにて判定され、アンテナ切替が行われることになる。アンテナ選択の為の判定の手順は実施の形態1と同様である。
【0062】
以上のような方法で、送信時には、送信受信アンテナの切替制御が可能であり、受信時にも送信、受信アンテナの切替制御が可能になる。また、SP4Tスイッチ200、201では各4ブランチのアンテナの切替制御を行う。
【0063】
尚、アンテナのブランチスイッチ部の切替制御詳細の一部は、に示すマトリクスに従う。ここでは、SPDTスイッチ2個とSP4Tスイッチ2個の制御の例を示したが、SP4Tスイッチ200、201がSP5T、SP6Tとなるように構成することで、送受アンテナのブランチ数を5個、6個というように増やすことが可能になる。また、この構成にてパスの途中に移相器を設けて信号の位相制御を行うことが可能である。また、SP4Tスイッチ200、201の代わりにSPDTスイッチの組み合わせによる複数ブランチのアンテナ制御も可能である。また、ここに記載しているSP4Tスイッチ、SPDTスイッチ等の構成は、スイッチ専用のMMICを使用することも可能であるが、PINダイオードのバイアスにてON/OFF制御を行うスイッチ構成にすることで安価な構成でスイッチを実現することが可能になる。
【0064】
(実施の形態3)
本実施の形態3は、本装置構成については、実施の形態2と同じであるが、上記スイッチ群によるアンテナ切替制御が異なる。即ち、CPU(制御部及びエラー検出部)は、上述のCRCエラー検出又はパイロットトーンエラー検出を行い、当該エラーの検出によりアンテナの切り替えを行う場合、ブランチスイッチ部200、201のみを動作させる。
【0065】
本実施の形態では、モードA及びモードBの2つのモードを備えている。先ず、モードAでは、上記検出により、制御部がブランチスイッチ部200に連結されるアンテナ160〜163のうち現在連結中のアンテナから最も遠いアンテナに切り替えるか、または、ブランチスイッチ部201に連結されるアンテナ164〜167のうち現在のアンテナから最も遠いアンテナに切り替える。また、モードBでは、上記検出により、制御部がブランチスイッチ部200に連結されるアンテナ160〜163のうち現在連結中のアンテナとは異なる別のアンテナに切りかえる。かつ、ブランチスイッチ部201に連結されるアンテナ164〜167のうち現在のアンテナの切りかえ順序は自由に設定が可能である。このモードの切り替えは、キーボード等の入力手段(図示せず)によりユーザが行う。
【0066】
以上のように、スイッチマトリクスに従い信号経路を制御することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の無線通信装置のダイバーシチ制御は複数のアンテナにてタグ読取を行うシステムに有効である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態1における無線通信装置の回路ブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における無線通信装置の機能ブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における無線通信装置のアンテナスイッチの切り替えを示す図
【図4】本発明の実施の形態1における無線通信装置のアンテナスイッチの制御マトリクスを示す図
【図5】本発明の実施の形態1における無線通信装置とタグ間のデータの流れとアンテナ制御を示す図
【図6】本発明の実施の形態1における無線通信装置の動作のフローチャート
【図7】本発明の実施の形態1における無線通信装置とタグ間のデータの流れとアンテナ制御を示す図
【図8】本発明の実施の形態1における無線通信装置の動作のフローチャート
【図9】本発明の実施の形態2における無線通信装置のアンテナ部の概略構成図
【図10】本発明の実施の形態2における無線通信装置のアンテナスイッチの制御マトリクスを示す図
【図11】従来の無線通信装置の回路ブロック図
【図12】従来の無線タグの回路ブロック図
【図13】従来の無線通信装置のアンテナ部の概略構成図
【図14】従来の無線通信装置のアンテナスイッチの概略構成図
【図15】従来の無線通信装置のアンテナスイッチの制御マトリクス図
【符号の説明】
【0069】
131 送信部
132 第1のアンテナ部
133 応答信号解読部
134 受信部
135 第2のアンテナ部
136 エラー検出部
137 アンテナ切替部
138 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアンテナ部と、
第2のアンテナ部と、
無線タグに対する所定の送信信号を生成する送信信号生成部と、
当該送信信号生成部が生成した送信信号を前記第1のアンテナ部から送信する送信部と、
上記無線タグからの応答信号を前記第2のアンテナ部を介して受信する受信部と、を備える無線通信装置であって、
前記アンテナ部が受信した上記無線タグからの応答信号における所定のエラーを検出するエラー検出部と、
当該エラー検出部の検出結果に基づいて、前記第1のアンテナ部を介して上記タグからの応答信号を受信し、かつ前記第2のアンテナ部を介して上記所定の送信信号を送信するように切り替えるアンテナ切替部と、を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
請求項1記載の無線通信装置において、上記所定のエラーが応答信号における所定時間内の所定回数のCRCエラーであることを特徴とする無線通信装置。
【請求項3】
請求項1記載の無線通信装置において、上記所定のエラーが応答信号における所定時間内の所定回数のパイロットトーンエラーであることを特徴とする無線通信装置。
【請求項4】
請求項1記載の無線通信装置において、前記エラー検出部のエラー検出は、上記受信した応答信号におけるCRCに関するエラーを検出するモード及び上記受信した応答信号におけるパイロットトーンに関するエラーを検出するモードを有し、当該両方のモードを切り替える制御部を有することを特徴とする無線通信装置。
【請求項5】
請求項1記載の無線通信装置において、前記第1のアンテナ部及び前記第2のアンテナ部が、それぞれ複数のアンテナと、当該それぞれ複数のアンテナのうちそれぞれ1つのアンテナを選択するブランチスイッチ部とを有することを特徴とする無線通信装置。
【請求項6】
第1のアンテナ部と、
第2のアンテナ部と、
無線タグに対する所定の送信信号を生成する送信信号生成部と、
当該送信信号生成部が生成した送信信号を前記第1のアンテナ部から送信する送信部と、
上記無線タグからの応答信号を前記第2のアンテナ部を介して受信する受信部と、
前記アンテナ部が受信した上記無線タグからの応答信号における所定のエラーを検出するエラー検出部と、を備え、
前記第1のアンテナ部及び第2のアンテナ部がそれぞれ複数のアンテナを有する無線通信装置であって、
当該エラー検出部の検出結果に基づいて、前記第1のアンテナ部にて送信するアンテナを前記第1のアンテナ部の別のアンテナに変更し、または、前記第2のアンテナ部にて受信するアンテナを前記第2のアンテナ部の別のアンテナに変更するブランチスイッチを備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項7】
請求項6記載の無線通信装置において、上記所定の検出エラーが応答信号における所定時間内の所定回数のCRCエラーであることを特徴とする無線通信装置。
【請求項8】
請求項6記載の無線通信装置において、上記所定の検出エラーが応答信号における所定時間内の所定回数のパイロットトーンエラーであることを特徴とする無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−336034(P2007−336034A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−163153(P2006−163153)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】