説明

無電極型フォトセラピーランプ

フォトセラピー用の無電極型ランプであって、アーク形成および維持媒体を含んでいる閉ループ容器を有している。当該容器の内面の燐光性コーティングによって、254mm放射線からの励起に反応して可視放射線が生成される。当該可視放射線は12000μW/cm<の500〜800nmの領域のエネルギー出力を有している。前記容器の一部分上に形成された反射体は、前記可視放射線を放出するためのウィンドウを残しており、出力要求を集中する。254nmの放射線を生成するためのRF励起を提供するために、手段がランプと共に形成されている。このランプは、容易なオペレータ操作および良好な患者アクセスを可能にする効果領域を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスレファレンス
本願は2006年5月17日出願の係争中の特許出願S.N.60.801,157号の優先権を主張するものである。
【0002】
技術分野
本発明は、無電極型蛍光ランプに関し、より詳細にはフォトセラピーに使用される無電極型蛍光ランプに関する。
【0003】
背景技術
フォトセラピーは医療団体において、殊に、種々の肌不調を治療するために用いられている。治療では主に患者に特定の薬を与え、次に、患者に特定の可視または不可視の(例えばUV)放射線を放射することによってこれらの薬を活性化する。所望の放射線を生成するために、種々の光源が使用される。これらの光源の重要な特徴は以下のものである:放射されるパワー;パワーの帯域幅、パワーの均一性;時間のパワー低下(保持力とも称される)。有利には種々の光源が使用され、これは一般的に延長された蛍光管を含んでいる。この管は使用可能であるが、種々の操作上の問題を有している。
【0004】
発明の開示
従って本発明の課題は、従来技術の欠点を除去することである。
【0005】
本発明の別の課題は、病気の治療における従来の欠点を低減させることである。
【0006】
上述の課題は、本発明の1つの観点では、以下のものを有しているフォトセラピー用の無電極型ランプを提供することによって解決される。すなわち:アーク形成および維持媒体を含んでいる閉ループ容器を有している;当該容器の内面に燐光性コーティングを有しており、このコーティングによって、254mm放射線からの励起に反応して可視放射線が生成され、この可視放射線は12000μW/cm≦の500〜800nmの領域のエネルギー出力を有している;反射体を有しており、これは、前記可視放射線を放出するためのウィンドウを残した前記容器の一部分上に形成されている;前記254nmの放射線を生成するためのRF励起を提供する、前記ランプと共に形成された手段を有している。
【0007】
この無電極型ランプは長い寿命の見込みを有しており、所望の電力要求に応えることができる。
【0008】
図面の簡単な説明
図1は、本発明のアスペクトに従った、無電極型ランプの側方、立面図であり、
図2は、本発明の平面図であり、
図3は、特定の燐光体を伴ったランプのスペクトルパワー分布のグラフである。
【0009】
発明を実施するための最良の形態
他の課題およびさらなる課題、本発明の利点および能力とともに本発明をより良く理解するために、以下の開示内容および添付された特許請求の範囲を上述の図面と関連して参照されたい。
【0010】
ここで詳細な図面を参照されたい。図1には、フォトセラピー用の、無電極型ランプ10が示されている。ここでこのランプは、アーク形成および維持媒体を含んでいる閉ループ容器を有している。この媒体は、水銀を含んでいる。燐光性コーティングが容器12の内面に設けられている。この燐光性コーティングは、254mm放射線からの励起に反応して可視放射線を生成することができ、12000μW/cm≦の500〜800nmの領域のエネルギー出力を有する可視放射線を提供する。本発明の有利な実施形態では、燐光はY:Euである。これは、0.6nmの帯域幅で611nmでピークを有するスペクトル応答を有している;しかし、所望の放射線を提供するために他の燐光体、例えばGd(Zn,Mg)B10:Ce,Mn,Mg(F)GeO:MnまたはMg(F)(Ge,Sn)O:Mnまたは燐光体の混合物を使用することもできる。反射体を有している。図3に示された結果を生じさせる燐光体はY:Euであり、その検討は、500〜800nm領域における全光束が約13375μW/cmであることを示している。
【0011】
反射体16は、前記可視放射線を放出するためのウィンドウ20を残した容器12の一部分18上に形成されている。反射体16は、セラピー用の目的のランプから放射されるパワーを増大させるために重要であり、容器の内側または外側で使用される。反射体層は有利には適切な材料特性を処理する粉体を含んでおり、可視放射線をランプウィンドウ20へ向けて反射する。反射体の粉体使用量は5〜15mg/cmの間で変化し、Y:Eu燐光体が使用されている場合には、反射体材料は有利には、有利な7〜12mg/cmの使用量を有するアルファアルミナである。
【0012】
従来の手段24はランプ10とともに形成されており、254nmの放射線を生成するためにRF励起を提供し、巻き線26を伴った磁石コアを含んでいる。このような手段は例えばUS特許第5834905号に記載されており、これは本発明の譲り受け人に割り当てられており、その教示は本願発明に参照として取り入れられている。ランプ10は有利にはアルミニウム製の付属品によって保持されている。アマルガム先端部30によって、ランプの排出および充填が可能であり、アーク形成および維持媒体の一部であるアマルガムに貯蔵部を提供する。
【0013】
本発明の有利な実施形態では、容器は約250nm×137nmの寸法を有しており、従って約342.5cmの領域を取り囲む。この領域は例えば患者の顔の側面全体を十分に覆う。
【0014】
容器12内で形成された放電は、所望の254nm励起に対して付加的に、185nmでの放射線も形成し、後者の放射線は容器内で燐光体を低下させ、ランプの寿命を短くすることが知られている。この作用を避けるために、アルミニウムコーティングが燐光体上に設けられる。このコーティングは185nm放射線を吸収するが、燐光体を活性化するために所望の245nm放射線を通過させる。
【0015】
無電極型ランプ10は、RF源から供給されるRFエネルギーを磁石コアを通じて誘導的に結合させ、電極が存在しないことによって、電気的な放電をサポートするために電極を使用する通常の蛍光ランプの寿命を越えて無電極型ランプの寿命が長くなる。
【0016】
従って、長い寿命見込みを有し、実際のパターンにおけるコントロールされた均一の放射出力を有するセラピー用のランプが提供される。これによって、患者に近接したランプ操作において卓越したコントロールが可能になる。
【0017】
現時点で、有利であると考えられる本発明の実施形態を示し、説明したが、当業者には種々の変更および修正が、添付の特許請求の範囲で規定された本発明の範囲を逸脱せずに行われることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のアスペクトに従った、無電極型ランプの側方、立面図
【図2】本発明の平面図
【図3】特定の燐光を伴ったランプのスペクトルパワー分布のグラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトセラピー用の無電極型ランプであって、
アーク形成および維持媒体を含んでいる閉ループ容器を有しており;
当該容器の内面に燐光性コーティングを有しており、当該コーティングによって、254mm放射線からの励起に反応して可視放射線が生成され、当該可視放射線は12000μW/cm≦の500〜800nmの領域のエネルギー出力を有しており;
反射体を有しており、当該反射体は、前記可視放射線を放出するためのウィンドウを残した前記容器の一部分上に形成されており;
前記254nmの放射線を生成するためのRF励起を提供する、前記ランプと共に形成された手段を有している、
ことを特徴とする、フォトセラピー用の無電極型ランプ。
【請求項2】
前記容器は約342.5cmの領域を取り囲む、請求項1記載のランプ。
【請求項3】
前記燐光体はY:Euである、請求項1記載のランプ。
【請求項4】
前記燐光体はGd(Zn,Mg)B10:Ce,Mnである、請求項1記載のランプ。
【請求項5】
前記燐光体は、Mg(F)GeO:Mnである、請求項1記載のランプ。
【請求項6】
前記燐光体は、Mg(F)(Ge,Sn)O:Mnである、請求項1記載のランプ。
【請求項7】
前記可視放射線は600〜660nmの領域にある、請求項1記載のランプ。
【請求項8】
前記可視放射線は600〜620nmの領域にあり、0.5〜1nmの帯域幅を有している、請求項1記載のランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−537956(P2009−537956A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511231(P2009−511231)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/069138
【国際公開番号】WO2007/137113
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(596104131)オスラム シルヴェニア インコーポレイテッド (72)
【氏名又は名称原語表記】OSRAM SYLVANIA Inc.
【住所又は居所原語表記】100 Endicott Street, Danvers, Massachusetts 01923, USA
【Fターム(参考)】