説明

焦点検出装置及びその駆動方法

【課題】焦点検出時における消費電力が大きい。
【解決手段】入射光を光電変換するセンサ部および検知部を含む一対のセンサブロックと、前記検知部のそれぞれに電力を供給する電力供給部と、を含み、前記一対のセンサブロックのうち一方は第1モードとして動作し、他方は第2モードとして動作し、前記第1モードとして動作する前記センサブロックの前記検知部は、前記センサ部の出力が所定値に達したことを検知し、前記第2モードとして動作する前記センサブロックの前記センサ部は、光電変換により発生した電荷を蓄積し、前記検知にしたがって電荷の蓄積を終了し、前記電力供給部は、前記第2モードとして動作する前記センサブロックの前記検知部への電力の供給を、当該センサブロックが前記第2モードとして動作する期間の少なくとも一部の期間において遮断する、ことを特徴とする焦点検出装置を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焦点検出装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラの焦点検出の従来方法の一つとして、ラインセンサを使って焦点検出を行う技術がある。また、特許文献1にはエリアセンサを使用することにより焦点検出領域を拡張する技術が開示されている。いずれのセンサを用いる焦点検出装置においても、これらの出力電位が所定値に達したことを検知するために、センサの数、例えば測距点の数に応じた個数の検知部が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−104502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの検知部は、焦点検出をするにあたって、例えば検知信号を受けるまでの間の待機状態における貫通電流による消費電力が大きい。特に、例えば、測距点の数が増える場合には、多くの検知部を設けることを要するため、焦点検出時における消費電力が大きかった。
【0005】
本発明の目的は、焦点検出装置の焦点検出時における消費電力を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの側面は焦点検出装置にかかり、前記焦点検出装置は、入射光を光電変換するセンサ部および検知部を含む一対のセンサブロックと、前記検知部のそれぞれに電力を供給する電力供給部と、を含み、前記一対のセンサブロックのうち一方は第1モードとして動作し、他方は第2モードとして動作し、前記第1モードとして動作する前記センサブロックの前記検知部は、前記センサ部の出力が所定値に達したことを検知し、前記第2モードとして動作する前記センサブロックの前記センサ部は、光電変換により発生した電荷を蓄積し、前記検知にしたがって電荷の蓄積を終了し、前記電力供給部は、前記第2モードとして動作する前記センサブロックの前記検知部への電力の供給を、当該センサブロックが前記第2モードとして動作する期間の少なくとも一部の期間において遮断する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、焦点検出装置の焦点検出時における消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態の構成の一例を説明する図
【図2】センサ部の構成の一例を説明する図
【図3】本発明の第1実施形態における動作の一例を説明する図
【図4】本発明の第2実施形態の構成の一例を説明する図
【図5】本発明の第2実施形態における動作の一例を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1を参照しながら、本発明の第1実施形態の焦点検出装置1を説明する。焦点検出装置1は、一対のセンサブロック100と、検知部120のそれぞれに電力を供給する電力供給部210と、を含む。一対のセンサブロック100のそれぞれは、入射光を光電変換するセンサ部110および検知部120を含む。一対のセンサブロック100のそれぞれは、さらにセンサ部110に蓄積された電荷量に応じた信号を読み出す読出部130を含んでもよい。電力供給部210は、例えば、制御系200に含まれうる。また、焦点検出装置1は、一対のセンサブロック100に含まれる読出部130のそれぞれが読み出した信号を増幅して出力する増幅部400を含みうる。一対のセンサブロック100のそれぞれは、互いに隣接して配置されうる。一対のセンサブロック100のうち一方は第1モードとして動作し、他方は第2モードとして動作するように、制御系200によって制御されうる。この制御は、例えば、制御系200に含まれるモード切替部230によってされうる。制御系200は、さらに、前述の機能ブロックのそれぞれと通信して動作の指示を出しうるコントローラ240を含みうる。
【0010】
制御系200は、互いに隣接する2つのセンサ部110の一方において発生した電荷量を検知することにより、他方のセンサ部110における焦点検出のための電荷の蓄積動作を制御する。具体的には、第1モードとして動作する一方のセンサブロック100においては、検知部120はセンサ部110の出力が所定値に達したことを検知する。この検知部120は、例えば、このセンサ部110の出力を予め設定された基準電位と比較することにより検知しうる。第2モードとして動作する他方のセンサブロック100のセンサ部110は、光電変換により発生した電荷を蓄積する。この電荷の蓄積動作は、第1モードとして動作するセンサブロック100の検知部120による検知にしたがって、終了する。この電荷の蓄積動作の終了は、例えば、この検知の通知を受けたコントローラ240からの指示によってなされてもよい。
【0011】
すなわち、第1モードとして動作するセンサブロック100においては、センサ部110の出力を検知部120によって監視し、所定値に達したことを検知する。これにより、第2モードとして動作するセンサブロック100における電荷の蓄積動作を制御するための制御情報が決定される。一方で、第2モードとして動作するセンサブロック100においては、焦点検出用の電荷蓄積を行い、この第1モードとして動作するセンサブロック100における検知結果にしたがって電荷蓄積を終了させる。この蓄積された電荷に応じた信号にしたがって、焦点検出が行われる。
【0012】
このとき、電力供給部210は、第2モードとして動作するセンサブロック100の検知部120への電力の供給を、このセンサブロック100が第2モードとして動作する期間の少なくとも一部の期間において遮断する。特に、検知部120が検知を行わない期間においては電力の供給が不要であり、電力を遮断することが可能である。これにより、一対のセンサブロック100に含まれる検知部120のそれぞれは、一方は電源の供給をうけてアクティブ状態となり、他方は電源の供給が遮断されてノンアクティブ状態となりうる。従って、センサブロック100における消費電力が抑制されうる。ここで、増幅部400の増幅率は、例えば、制御系200に含まれうる増幅率決定部220によって、第2モードとして動作するセンサブロック100の検知部120が検知した読出部130からの信号に応じて決定されうる。このときは、センサブロック100が第2モードとして動作する期間において、電力供給部210からこの検知部120への電力の供給がなされうる。また、検知部120への電力の供給または遮断については、例えば、直流電源と直列に接続されたスイッチにより切り替えられてもよい。本実施形態においては、pvc信号により切り替えられる場合を考える。
【0013】
図2に、センサ部110の構成の例を示す。センサ部110は、例えば、フォトダイオードPD、転送トランジスタTX、増幅トランジスタSF、容量Cm、ノイズクランプ回路NC、増幅器AMP、スイッチSW_M、およびスイッチSW_Rを含みうる。図2には、一画素を含むセンサ部の場合の構成を示すが、センサ部110はライン状またはアレイ状に配置された複数の画素を含みうる。実際には、例えば、約30〜80画素で2つの像を形成して、位相差検出法による焦点検出において用いられうる。
【0014】
フォトダイオードPDにおいて受光した光のエネルギーにより発生した電荷が、転送トランジスタTXを介して、増幅トランジスタSFのゲートに転送される。転送トランジスタTXは、例えば、制御信号cnt_txがHi状態になることによって導通しうる。そして、増幅トランジスタSFにより増幅された信号は容量Cmを充電し、同時に、ノイズクランプ回路NCに入力される。ノイズクランプ回路NCにおいては、増幅トランジスタSFのゲートがリセット(後述)されたときの増幅トランジスタSFの出力がノイズレベルとして予めクランプされている。その後、ノイズクランプ回路NCにおいては、増幅トランジスタSFにより増幅された信号とこのノイズレベルとの差分が読み出されることによりノイズが除去されうる。ノイズクランプ回路NCからの出力信号は増幅器AMPにより増幅される。この増幅器AMPは、複数の画素を含むセンサ部110の場合は、それに対応する容量Cmのそれぞれに充電された信号のうち、例えば最大値や最小値を検出して出力しうる。図2においては、最大値を検出して出力しうる増幅器AMPを図示している。増幅器AMPの出力信号は、スイッチSW_Mを介して検知部120へと接続された端子mon_outに、また、スイッチSW_Rを介して読出部130へと接続された出力端子read_outに、それぞれ出力されうる。スイッチSW_MとスイッチSW_Rはそれぞれ、例えば、制御信号cnt_monとcnt_readがHi状態となることによって、導通しうる。また、画素のそれぞれは、増幅トランジスタSFのゲートの電位を所定の電圧にリセットするリセットトランジスタRESを含みうる。リセットトランジスタRESは、例えば、制御信号cnt_resがHi状態となることによって導通しうる。ここで、制御信号cnt_res、cnt_tx、cnt_mon、およびcnt_readは、図1においては不図示であるが、これらは例えば、コントローラ240により出力されてもよい。
【0015】
図3は、本実施形態における動作時の、制御信号(cnt_res、cnt_tx、cnt_mon)のそれぞれの状態、センサ部110の容量Cmの電位v_cm、および電力供給部210からの電源の供給状態pvcのタイミングチャートを表す。図3の上段には第1モードとして動作するセンサブロック100についての、下段には第2モードとして動作するセンサブロック100についての、それぞれの状態を示す。図3の中の記号の括弧内の数字(1)は第1モードとして動作するセンサブロック100についてのそれぞれの状態を示し、(2)は第2モードとして動作するセンサブロック100についてのそれぞれの状態を示す。以下、この図3を参照しながら、本実施形態における動作の一例を述べる。
【0016】
時刻t1において、リセット処理が開始される。時刻t1において、cnt_res(1)、cnt_tx(1)、cnt_res(2)、およびcnt_tx(2)を、それぞれHi状態とし、第1モードと第2モードのいずれのセンサブロック100のセンサ部110についてもリセットされる。この工程において、このセンサ部110のそれぞれに含まれる容量Cmの初期化も行われる。
【0017】
時刻t2において、cnt_res(1)およびcnt_res(2)はLow状態となり、第1モードと第2モードのセンサブロック100のそれぞれについてのセンサ部のリセット状態が解除される。同時に、cnt_mon(1)はHi状態となり、第1モードとして動作するセンサブロック100についてのセンサ部110のスイッチSW_Mは導通状態となる。cnt_tx(1)はHi状態のままであるので、第1モードのセンサブロック100のセンサ部110において光電変換により発生した電荷が、転送トランジスタTXを介して増幅トランジスタSFのゲートに転送される。これにより、増幅された信号がこのセンサ部110の容量Cmを充電し、電位v_cm(1)は上昇し、その後、ノイズクランプ回路NC、増幅器AMP、およびスイッチSW_Mを介して、対応する検知部120へ出力される。この工程においては、第1モードのセンサブロック100において、検知部120は、pvc(1)がHi状態とされて電源が給電されることにより、センサ部110の出力が所定値に達したことを検知することが可能な状態となっている。また、この時刻t2において、cnt_tx(2)はLow状態となり、第2モードのセンサブロック100のセンサ部110において光電変換により発生した電荷の蓄積が開始される。
【0018】
ある時刻において、第1モードとして動作するセンサブロック100において、検知部120はセンサ部110の出力が所定値に達したことを検知し、この時刻を時刻t3とする。この検知は、例えば、検知部120が、センサ部110の出力と予め設定された基準電位(不図示)とを比較することにより、されることが可能である。
【0019】
時刻t4において、時刻t3でなされた検知に応じて、cnt_tx(1)はLow状態となり、cnt_mon(1)はLow状態となる。これにより、第1モードのセンサブロック100において、センサ部110において光電変換により発生した電荷の増幅トランジスタSFのゲートへの転送は終了し、検知部120による検知を終了する。このとき、pvc(1)はLow状態となり、この検知部120への電源の供給は遮断されうる。一方で、この時刻t4において、cnt_tx(2)はHi状態となる。これにより、第2モードのセンサブロック100においては、センサ部110において光電変換により発生した電荷の蓄積動作は終了し、蓄積された電荷は転送トランジスタTXを介して増幅トランジスタSFのゲートへ転送が開始される。従って、電位v_cm(2)が上昇する。
【0020】
時刻t5において、cnt_tx(2)はLow状態となる。これにより、第2モードのセンサブロック100においては、センサ部110において光電変換により発生し蓄積された電荷を、増幅トランジスタSFのゲートへ転送する動作は終了する。そして、この蓄積された電荷量に応じた信号を増幅して読み出すための増幅部400の増幅率を決定する工程が開始されうる。ここで前述のとおり、この増幅率は、第2モードとして動作するセンサブロック100の検知部120が検知した読出部130からの信号に応じて決定されてもよい。この場合は、pvc(2)をHi状態として、電力供給部210からこの検知部120への電力の供給がなされることを要する。
【0021】
時刻t6において、cnt_mon(2)はLow状態となり、pvc(2)はLow状態となり、この増幅率を決定する工程を終了する。その後、例えばコントローラ240の指示にしたがって、第2モードのセンサブロック100のセンサ部110において蓄積された電荷量に応じた信号の読出し工程が開始されうる。
【0022】
以上に述べた手順によって、第2モードとして動作するセンサブロック100の検知部120への電力の供給を、このセンサブロック100が第2モードとして動作する期間の少なくとも一部の期間において遮断する。これによって、焦点検出装置1の消費電力が抑制されうる。
【0023】
<第2実施形態>
図4を参照しながら、本発明の第2実施形態の焦点検出装置2を説明する。本実施形態は、センサ部110が第1センサ領域111および第2センサ領域112を含み、一対のセンサブロック100のそれぞれがセレクタ140をさらに含むセンサブロック100’である点で、第1実施形態と異なる。セレクタ140のそれぞれは、制御信号region_selによって、第1センサ領域111もしくは第2センサ領域112の出力のうちいずれか一方を選択して出力しうる。検知部120は、それが属するセンサブロック100’の第1センサ領域111もしくは第2センサ領域112の出力のうちセレクタ140によって選択されたいずれか一方を検知しうる。制御信号region_selは、例えばコントローラ240により出力されうる。
【0024】
この構成を採用することにより、第1センサ領域111と第2センサ領域112は、それが属するセンサブロック100’の検知部120を共有することが可能となる。これによって、例えば、第1センサ領域111によって位相差検出法による焦点検出のための第1像を、第2センサ領域112によって位相差検出法による焦点検出のための第2像を、選択的に形成することも可能である。また、本実施形態においては、センサ部110が含む領域を2つとしているがそれ以上の数を含んでもよく、これによって、例えば、行方向の位相差検出と列方向の位相差検出を選択的に行うことも可能である。
【0025】
図5は、本実施形態における動作時の、制御信号のそれぞれの状態、第1センサ領域111および第2センサ領域112の容量Cmの電位v_cm、並びに電力供給部210からの電源の供給状態pvcのタイミングチャートを表す。図3の上段には第1モードとして動作するセンサブロック100’についての、下段には第2モードとして動作するセンサブロック100’についての、それぞれの状態を示す。図中の記号の括弧内の数字(11)は第1モードとして動作するセンサブロック100’の第1センサ領域111についてのそれぞれの状態を示す。また、(21)は第2モードとして動作するセンサブロック100’の第1センサ領域111についてのそれぞれの状態を示す。同様にして、(12)は第1モードとして動作するセンサブロック100’の第2センサ領域112についてのそれぞれの状態を示す。また、(22)は第2モードとして動作するセンサブロック100’の第2センサ領域112についてのそれぞれの状態を示す。
【0026】
本実施形態においては、時刻t1〜t6において、第1センサ領域111のそれぞれについての処理がなされ、時刻t6〜t9において、第2センサ領域112のそれぞれについての処理がなされる場合を考える。この場合、制御信号region_selは、時刻t6において、Low状態からHi状態へと切り替えられうる。以下、この図5を参照しながら、本実施形態における動作の一例を述べる。時刻t1〜t6において、第1モードと第2モードのセンサブロック100’における第1センサ領域111のそれぞれの動作は、前述の第1実施形態(図3の時刻t1〜t6)と同じであるため説明を省略する。
【0027】
時刻t1において、第1モードと第2モードのいずれのセンサブロック100’の第2センサ領域112についてもリセットされる。この工程において、この第2センサ領域112のそれぞれに含まれる容量Cmの初期化も行われる。時刻t2において、cnt_res(12)およびcnt_res(22)はLow状態となり、第1モードと第2モードのセンサブロック100’のそれぞれについての第2センサ領域112のリセット状態が解除される。cnt_tx(12)はHi状態のままであるため、第1モードのセンサブロック100’の第2センサ領域112において光電変換により発生した電荷が、転送トランジスタTXを介して増幅トランジスタSFのゲートに転送されうる。これにより、その後、電位v_cm(12)は上昇していく。
【0028】
時刻t6において、制御信号region_selがHi状態へと切り替えられ、cnt_mon(12)はHi状態となり、pvc(1)はHi状態となる。従って、第1モードのセンサブロック100’においては、セレクタ140により選択された第2センサ領域112の出力が、電源が供給された検知部120に入力される。これにより、第2センサ領域112のそれぞれについての処理が開始されうる。一方で、電位v_cm(12)は時刻t2から既に上昇しているため、この検知部120は第2センサ領域112の出力が所定値に達していることを検知しうる。
【0029】
時刻t7において、時刻t6でなされた検知に応じて、cnt_tx(12)はLow状態となり、cnt_mon(12)はLow状態となる。これにより、第1モードのセンサブロック100’において、第2センサ領域112において光電変換により発生した電荷の増幅トランジスタSFのゲートへの転送は終了し、検知部120による検知を終了する。このとき、pvc(1)はLow状態となり、この検知部120への電源の供給は遮断されうる。一方で、この時刻t7において、cnt_tx(22)はHi状態となる。これにより、第2モードのセンサブロック100’においては、第2センサ領域112において光電変換により発生した電荷の蓄積動作は終了し、蓄積された電荷は転送トランジスタTXを介して増幅トランジスタSFのゲートへ転送が開始される。従って、電位v_cm(22)が上昇する。
【0030】
時刻t8において、cnt_tx(22)はLow状態となる。これにより、第2モードのセンサブロック100’においては、第2センサ領域112において光電変換により発生し蓄積された電荷を、増幅トランジスタSFのゲートへ転送する動作は終了する。そして、この蓄積された電荷量に応じた信号を増幅して読み出すための増幅部400の増幅率を決定する工程が開始されうる。前述のとおり、この増幅率は、第2モードとして動作するセンサブロック100’の検知部120が検知した読出部130からの信号に応じて決定されてもよい。この場合は、pvc(2)をHi状態として、電力供給部210からこの検知部120への電力の供給がなされることを要する。
【0031】
時刻t9において、cnt_mon(22)はLow状態となり、pvc(2)はLow状態となり、この増幅率を決定する工程を終了する。その後、例えばコントローラ240の指示にしたがって、第2モードのセンサブロック100’の第2センサ領域112において蓄積された電荷量に応じた信号の読出し工程が開始されうる。
【0032】
以上、本実施形態によれば、焦点検出装置2は複数のセンサ領域について焦点検出を行いつつ、第1実施形態と同様にして消費電力を抑制することも可能である。
【0033】
以上の2つの実施形態を述べたが、本発明はこれらに限られるものではなく、目的、状態、用途、機能、およびその他の仕様の変更が適宜可能であり、他の実施形態によっても実施されうることは言うまでもない。センサ部は、例えば、CMOSイメージセンサとして構成され、その他の如何なるセンサでもよい。また、上記の各機能ブロックの動作制御は、コントローラと共に、または、コントローラに代わってコンピュータ上で稼動しているOS等が、その一部または全部を行ってもよい。
【0034】
また、以上の実施形態は、カメラに含まれる焦点検出装置について述べたが、カメラの概念には、撮影を主目的とする装置のみならず、撮影機能を補助的に備える装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末)も含まれる。カメラは、上記の実施形態として例示された本発明に係る焦点検出装置と、固体撮像装置と、この固体撮像装置から出力される信号を処理する処理部とを含みうる。この処理部は、例えば、A/D変換器、および、このA/D変換器から出力されるデジタルデータを処理するプロセッサを含みうる。焦点検出処理はこの処理部によってなされてもよいし、焦点検出処理を実行する演算部が焦点検出装置に含まれてもよく、適宜変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を光電変換するセンサ部および検知部を含む一対のセンサブロックと、前記検知部のそれぞれに電力を供給する電力供給部と、を含み、
前記一対のセンサブロックのうち一方は第1モードとして動作し、他方は第2モードとして動作し、
前記第1モードとして動作する前記センサブロックの前記検知部は、前記センサ部の出力が所定値に達したことを検知し、
前記第2モードとして動作する前記センサブロックの前記センサ部は、光電変換により発生した電荷を蓄積し、前記検知にしたがって電荷の蓄積を終了し、
前記電力供給部は、前記第2モードとして動作する前記センサブロックの前記検知部への電力の供給を、当該センサブロックが前記第2モードとして動作する期間の少なくとも一部の期間において遮断する、
ことを特徴とする焦点検出装置。
【請求項2】
前記センサ部は、ライン状またはアレイ状に配置された複数の画素を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の焦点検出装置。
【請求項3】
前記第2モードとして動作する前記センサブロックの前記センサ部に蓄積された電荷量に応じた信号を増幅して出力する増幅部をさらに含み、
前記電力供給部は、当該センサブロックの前記センサ部が電荷の蓄積を終了した後、当該センサブロックの前記検知部に電力を供給し、
前記増幅部の増幅率は、当該検知部が検知した前記信号に応じて決定される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の焦点検出装置。
【請求項4】
前記センサ部は第1センサ領域および第2センサ領域を含み、
前記一対のセンサブロックのそれぞれはセレクタをさらに含み、
前記検知部は、それが属する前記センサブロックの前記第1センサ領域もしくは前記第2センサ領域の出力のうち前記セレクタによって選択されたいずれか一方を検知する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の焦点検出装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の焦点検出装置と、
固体撮像装置と、
前記固体撮像装置から出力される信号を処理する処理部と、
を備えることを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−57827(P2013−57827A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196498(P2011−196498)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】