説明

焦点検出装置

【課題】オートフォーカス制御を行なうこと。
【解決手段】撮影画面内に設定された評価エリア内の画像から高輝度領域を抽出する抽出手段と、前記評価エリア内の画像から前記抽出手段によって抽出された前記高輝度領域内の画像を除外する除外手段と、前記除外手段により除外された後の前記評価エリア内の画像に基づいて、焦点検出を行う焦点検出手段とを備える。前記抽出手段は、前記評価エリア内の画像の高輝度画素を特定し、特定した前記高輝度画素を色相を加味してグループ化することによって、或いは、前記高輝度領域の面積の割合を加味して、前記評価エリア内の画像から前記高輝度領域を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焦点検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
次のようなオートフォーカス制御装置が知られている。このオートフォーカス制御装置は、コントラスト評価値による山登り制御によって自動焦点調節を行う(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3697745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コントラスト評価値による山登り制御では、なるべく前側被写体に合焦するよう制御することが多い。このため、主要被写体の周辺(主に後方)に高輝度被写体が存在する場合には、この高輝度被写体に対するコントラスト評価値が大きくなってしまい、使用者の意図しない焦点距離に合焦してしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による焦点検出装置は、撮影画面内に設定された評価エリア内の画像から高輝度領域を抽出する抽出手段と、評価エリア内の画像から抽出手段によって抽出された高輝度領域内の画像を除外する除外手段と、除外手段により除外された後の評価エリア内の画像に基づいて、焦点検出を行う焦点検出手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、使用者が意図した焦点距離に合焦させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】カメラ100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】画像の具体例を示す図である。
【図3】コントラスト評価値の算出例を示す第1の図である。
【図4】AF制御の流れを示すフローチャート図である。
【図5】水平ライン内の輝度の変化の具体例を示した図である。
【図6】コントラスト評価値の算出例を示す第2の図である。
【図7】AF評価エリア内を複数の詳細エリアに分割した場合の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本実施の形態におけるカメラの一実施の形態の構成を示すブロック図である。カメラ100は、操作部材101と、レンズ102と、撮像素子103と、制御装置104と、メモリカードスロット105と、モニタ106とを備えている。操作部材101は、使用者によって操作される種々の入力部材、例えば電源ボタン、レリーズボタン、ズームボタン、十字キー、決定ボタン、再生ボタン、削除ボタンなどを含んでいる。
【0009】
レンズ102は、複数の光学レンズから構成されるが、図1では代表して1枚のレンズで表している。また、レンズ102を構成するレンズには、後述するAF(Auto Focus/自動焦点調整)のためのAFレンズ(焦点調節用レンズ)が含まれる。撮像素子103は、例えばCCDやCMOSなどのイメージセンサーであり、レンズ102により結像した被写体像を撮像する。そして、撮像によって得られた画像信号を制御装置104へ出力する。
【0010】
制御装置104は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路により構成され、カメラ100を制御する。なお、制御装置104を構成するメモリには、SDRAMやフラッシュメモリが含まれる。SDRAMは、揮発性のメモリであって、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリとして使用されたり、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、フラッシュメモリは、不揮発性のメモリであって、制御装置104が実行するプログラムのデータや、プログラム実行時に読み込まれる種々のパラメータなどが記録されている。
【0011】
本実施の形態では、制御装置104は、撮像素子103から入力された画像信号に基づいて所定の画像形式、例えばJPEG形式の画像データ(以下、「本画像データ」と呼ぶ)を生成する。また、制御装置104は、生成した画像データに基づいて、表示用画像データ、例えばサムネイル画像データを生成する。制御装置104は、生成した本画像データとサムネイル画像データとを含み、さらにヘッダ情報を付加した画像ファイルを生成してメモリカードスロット105へ出力する。
【0012】
メモリカードスロット105は、記憶媒体としてのメモリカードを挿入するためのスロットであり、制御装置104から出力された画像ファイルをメモリカードに書き込んで記録する。また、メモリカードスロット105は、制御装置104からの指示に基づいて、メモリカード内に記憶されている画像ファイルを読み込む。
【0013】
モニタ106は、カメラ100の背面に搭載された液晶モニタ(背面モニタ)であり、当該モニタ106には、メモリカードに記憶されている画像やカメラ100を設定するための設定メニューなどが表示される。また、制御装置104は、使用者によってカメラ100のモードが撮影モードに設定されると、撮像素子103から時系列で取得した画像の表示用画像データをモニタ106に出力する。これによってモニタ106にはスルー画が表示される。
【0014】
本実施の形態では、制御装置104は、撮影時にAF(オートフォーカス/自動焦点調節)処理を実行して焦点調節を行う。例えば、制御装置104は、使用者によってレリーズボタンが半押しされるとAF処理を実行して、単写時のAF制御を行なう。この他にも、スルー画撮影時の常時AF制御、被写体追尾動作時のAF制御、動画撮影時のAF制御等を行うことも可能である。
【0015】
ここでAFの方式には、例えばコントラスト方式や位相差方式があるが、本実施の形態では、コントラスト方式によってAF処理を行う場合について説明する。なお、コントラスト方式による焦点調節とは、撮影画面内に設定された複数のオートフォーカスエリア(AF評価エリア)を対象として、焦点調節用のAFレンズを移動させながらコントラスト評価値を演算し、コントラスト評価値がピークとなるAFレンズの位置を合焦位置として検出することによって焦点調節を行う方法である。このコントラスト方式による焦点調節処理は公知の処理のため、詳細な説明は省略する。
【0016】
このコントラスト方式による焦点調節では、AFレンズを至近側から無限遠側に移動させながらAF評価エリア内の最初のコントラスト評価値のピークを合焦位置として検出することにより、なるべく至近側に存在する被写体に合焦させるように制御を行なうことが多い。これは、主要被写体より後方に合焦することを避けるためである。しかし、主要被写体の周辺(主に後方)に光源等の高輝度被写体が存在する場合には、高輝度被写体からコントラスト評価値のピークが算出されて高輝度被写体に合焦してしまう可能性があり、使用者が意図しない焦点距離に合焦する場合がある。なお、高輝度被写体としては、スポットライト等の光源や窓ガラス等の反射物体等が挙げられる。
【0017】
例えば、図2に示すように、後方の高輝度光源2bで照明された至近側にいる主要被写体2aを撮影したい場合には、主要被写体2aに合焦させる必要があるが、従来のコントラスト方式による焦点調節を行った場合には、後方にある高輝度光源2bに合焦してしまい、主要被写体2aにピントを合わせることができない可能性があった。この図2に示す例では、至近側から無限遠側にAFレンズを移動させながら全域スキャンを行なった場合には、例えば図3に示すようにコントラスト評価値が算出される。この場合、上述したコントラスト方式による焦点調節によれば、本来合焦させたい主要被写体2aから算出される評価値3aよりも高輝度光源2bから算出される評価値3bの方が大きいため、後方にある高輝度光源2bにピントが合ってしまうことになる。本実施の形態では、このような問題点を解決するために、制御装置104は、以下のようにAF制御を行なう。
【0018】
図4は、本実施の形態におけるAF制御の流れを示すフローチャートである。図4に示す処理は、上述した単写時のAF制御、スルー画撮影時の常時AF制御、被写体追尾動作時のAF制御、動画撮影時のAF制御等のAF制御が開始されると起動するプログラムとして、制御装置104によって実行される。
【0019】
ステップS10において、制御装置104は、撮像素子103から電子シャッターモードで取り込まれた画像のAF評価エリア内の水平ライン、例えば1画素の水平ラインの画像の輝度を対象として、所定の値(例えば200(8bit))以上の画素を検出し、検出した画素によって構成される検出領域の座標値を特定する。例えば、図2に示す例では、AF評価エリア2c内に水平ライン2dを設定し、該水平ライン2dを対象として検出領域の座標値を特定する。また図5は、図2に示した画像内に設定された水平ライン2d内の輝度の変化を示した図である。この図5では、横軸が水平ライン2d内の水平方向の画素位置を示し、縦軸が輝度値を示している。そして、該水平ライン2d内では、図5に示すように輝度値が変化しており、水平エッジ間領域として領域5aと領域5bと領域5cとが検出された例を示している。なお、制御装置104は、AF評価エリア2c内で水平ライン2dを上方または下方に1画素ずつ移動させながら検出領域の座標値を特定していき、AF評価エリア2cの全体に対して検出領域の座標値を特定する。その後、ステップS20へ進む。
【0020】
ステップS20では、制御装置104は、AF評価エリア内の画像を取得し、取得したAF評価エリア内の画像の色空間をRGBからXYZに変換し、さらにLabに変換する。その後、制御装置104は、色空間をLabに変換した後の各AF評価エリア内の画像に基づいて、次式(1)により色相演算を行なって色相角を算出する。
h=tan−1(b/a) ・・・(1)
【0021】
その後、ステップS30へ進み、制御装置104は、ステップS20で算出した色相角に基づいて、ステップS10で検出した検出領域内を対象として水平方向の色相成分のエッジを検出して、検出したエッジの座標を登録する。そして、制御装置104は、検出したエッジ間の色相が所定の範囲内で均一である場合、水平エッジ間領域として識別番号を付加し、上述したエッジの座標に関連付けて登録する。すなわち、制御装置104は、エッジ座標が隣り合う2つのエッジの色相を比較して、色相の差が所定の範囲内、例えば色相角で15度以内である場合には、それらのエッジ間の色相は略均一であると判定してこれらを水平エッジ間領域としてグループ化し、各水平エッジ間領域に識別番号を付加する。
【0022】
その後、ステップS40へ進み、制御装置104は、AF評価エリア内の画像の全ての水平方向のラインに対してステップS10〜ステップS30の処理が完了したか否かを判断する。ステップS40で否定判断した場合には、ステップS10へ戻って処理を繰り返す。これに対して、ステップS40で肯定判断した場合には、ステップS50へ進む。
【0023】
ステップS50では、制御装置104は、ステップS30で抽出した水平エッジ間領域ごとに、上下間での垂直方向のズレ量を演算する。その後、ステップS60へ進み、制御装置104は、ステップS50で算出した垂直方向のズレ量が所定の閾値以内、例えば5画素以内か否かを判断する。ステップS60で肯定判断した場合には、ステップS70へ進み、制御装置104は、ズレ量が所定の閾値以内の水平エッジ間領域のそれぞれに付加されている識別番号が同一グループとなるようにグループ化を行なう。これによって、AF評価エリア内に存在する水平方向の色相差が小さく、かつ垂直方向のズレ量が小さい高輝度被写体をグループ化することができる。その後、ステップS80へ進む。一方、ステップS60で否定判断した場合には、ステップS80へ進む。
【0024】
ステップS80では、制御装置104は、AF評価エリア内の全ての水平方向のラインを対象とした垂直方向のズレ量の判定および識別番号のグループ化が完了したか否かを判断する。ステップS80で否定判断した場合には、ステップS50へ戻る。これに対して、ステップS80で肯定判断した場合には、ステップS90へ進む。
【0025】
ステップS90では、制御装置104は、AF評価エリア内におけるステップS70でグループ化したグループ領域の占める割合、すなわちAF評価エリアの面積に対するグループ領域の面積が占める割合を演算する。その後、ステップS100へ進み、制御装置104は、ステップS90で演算したグループ領域の占める割合が所定の閾値以内であるか否かを判断する。このときに用いる閾値は、例えばAF評価エリアの大きさに対して1/50〜1/4の範囲内の値とし、高輝度被写体の種類に応じて変更してもよい。ステップS100で肯定判断した場合には、ステップS110へ進む。ステップS110では、制御装置104は、AF評価エリア内の画像のうち、グループ領域内の画像をコントラスト評価値の算出対象から除外して、ステップS120へ進む。
【0026】
これによって、AF評価エリアの大きさに対して、グループ化されたグループ領域が小さい場合には、そのグループ領域は、主要被写体以外の高輝度被写体から検出されたエッジに基づく高輝度領域である可能性が高いため、このようなグループ領域内の画像を精度高くAF評価対象から除外することができる。一方、AF評価エリアの大きさに対して検出されたグループ領域が大きい場合には、そのグループ領域は、主要被写体以外の高輝度被写体から検出されたエッジに基づく領域ではない可能性が高いため、このようなグループ領域内の画像はAF評価対象として残して、AFの精度を向上させることができる。
【0027】
一方、ステップS100で否定判断した場合には、ステップS120へ進む。ステップS120では、制御装置104は、AF評価エリア内の画像のうち、ステップS110で除外したグループ領域以外の画像を対象としてコントラスト評価値を算出する。その後、ステップS130へ進み、制御装置104は、AFレンズを次の焦点距離に移動させてステップS10へ戻る。制御装置104は、AFレンズが無限遠端に到達するまで、上述したステップS10からステップS130の処理を繰り返すことにより、各焦点距離におけるAF評価値、すなわちコントラスト評価値を算出し、AF評価値が最大となるAFレンズの位置を合焦位置として特定する。
【0028】
このように、あらかじめAF評価エリア内の画像から高輝度被写体が存在している可能性が高い範囲(高輝度領域)内の画像を除外して、コントラスト評価値を算出することにより、図3に示したコントラスト評価値算出例は、図6に示すように変化する。すなわち、この図6に示すように、図3で検出されていた高輝度光源2bから算出される評価値3bは除去され、主要被写体2aから算出された評価値6aがコントラスト評価値のピークとして算出されることになる。これにより、AFレンズを至近側から無限遠側に移動させながら焦点調節を行った場合に、使用者が予期しない高輝度被写体に合焦してしまうことを防ぐことができる。
【0029】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)制御装置104は、AF評価エリア内から高輝度被写体が存在している可能性が高い範囲(高輝度領域)内の画像を除外してコントラスト評価値を算出し、AF処理を行なうようにした。これによって、使用者が予期しない高輝度被写体に合焦してしまうことを防ぐことができる。
【0030】
(2)制御装置104は、AF評価エリア内の水平ラインごとに検出領域を特定し、これを垂直方向のズレ量に基づいてグループ化することにより、高輝度被写体が存在している可能性が高い範囲を特定するようにした。これによって、高輝度被写体が存在している可能性が高い範囲を精度高く特定することができる。
【0031】
(3)制御装置104は、図4のステップS90で演算したグループ領域の占める割合が所定の閾値以内である場合に、該グループ領域内の画像をAF評価エリア内の画像から除外するようにした。これによって、AF評価エリアの大きさに対して、グループ化されたグループ領域が小さい場合には、そのグループ領域は、主要被写体以外の高輝度被写体から検出されたエッジに基づく領域である可能性が高いことを加味して、高輝度被写体が存在している可能性が高い範囲を精度高く除外することができる。
【0032】
―変形例―
なお、上述した実施の形態のカメラは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、制御装置104は、図4のステップS120において、AF評価エリア内の画像のうち、ステップS110で除外したグループ領域以外の画像を対象としてコントラスト評価値を算出することにより、AF評価エリア内の画像から高輝度被写体が存在している可能性が高い範囲内の画像を除外してコントラスト評価値を算出する例について説明した。しかしながら、制御装置104は、AF評価エリア内から多数の高輝度領域を検出した場合は、AF評価エリア内を細分化した詳細な評価エリアにおいて孤立した領域をコントラスト評価値の算出対象から除外するようにしてもよい。
【0033】
具体的には、制御装置104は、図7(a)に示す画像内のAF評価エリア7a内を、図7(b)に示すように複数の詳細エリアに分割することにより、AF評価エリア7a内を細分化する。そして、制御装置104は、AF評価エリア7a内に設定した詳細エリアの中から、孤立した高輝度な詳細エリアを孤立点として特定し、該孤立点をコントラスト評価値の算出対象から除外する。ここでは、詳細エリアk0が孤立点であるか否かを判定する方法について説明する。
【0034】
制御装置104は、詳細エリアk0〜k8のコントラスト評価値に基づいて、詳細エリアk0が、周囲の詳細エリアk1〜k8から孤立しているかどうかを判定する。具体的には、制御装置104は、詳細エリアk0のコントラスト評価値が、次式(2)に示す条件を満たす場合には、該詳細エリアk0は周囲の詳細エリアk1〜k8に対して孤立している、すなわち詳細エリアk0は孤立点であると判定し、この場合は、詳細エリアk0はコントラスト評価値の算出対象から除外される。なお、次式(2)におけるaは1以上の値をとり、これらは固定値であってもよいし、画像全体の輝度レベルによって変化する変数であってもよい。
詳細エリアk0のコントラスト評価値 > max(詳細エリアk1のコントラスト評価値〜詳細エリアk9のコントラスト評価値)×a ・・・(2)
【0035】
制御装置104は、上記処理をAF評価エリア7a内の全ての詳細エリアを対象として実行することによって孤立点を特定し、該孤立点をAF評価エリア7a内から除外して、残りの詳細エリアのコントラスト評価値の総和をAF評価エリア7aのコントラスト評価値として算出する。これによって、AF評価エリア7a内に複数の高輝度領域が存在する場合に、光源等の高輝度被写体である可能性が高い領域を精度高く検出して、その領域をコントラスト評価値の算出対象から除外することができる。
【0036】
なお、AF評価エリア7a内から孤立点として特定された詳細エリアを除外し、残りの詳細エリアのコントラスト評価値の総和をAF評価エリア7aのコントラスト評価値として算出すると、コントラスト評価値の算出に用いる詳細エリアの数が焦点距離ごとに変化してしまう。すなわち、焦点距離ごとの基準(母数)が変化してしまう。よって、制御装置104は、孤立点を除外した後の有効な詳細エリアの個数を考慮し、単位エリア基準でコントラスト評価値を算出することが望ましい。
【0037】
(2)上述した実施の形態では、撮影画面内に設定されたAF評価エリアを焦点調節用の評価エリアとし、AF評価エリア内の画像から高輝度被写体が含まれる可能性が高い範囲内の画像を除外して、焦点調節を行う例について説明した。しかしながら、本発明は、AF評価エリア以外の他の評価エリアを評価対象から除外する場合にも適用することができる。例えば、AE(自動露出),AWB(オートホワイトバランス)を行なうための評価エリア内の画像から、高輝度被写体が含まれる可能性が高い範囲の画像を除外する場合にも本発明を適用可能である。
【0038】
(3)上述した実施の形態では、制御装置104は、高輝度被写体が含まれる可能性が高い範囲内の画像を自動的に除外する例について説明した。しかしながら、制御装置104は、AF評価エリア内の高輝度被写体が含まれる可能性が高い範囲を画面上に強調表示して使用者に通知し、その範囲をコントラスト評価値の算出対象から除外するか否かを使用者に選択させるようにしてもよい。
【0039】
(4)上述した実施の形態では、本発明をカメラ100に適用する場合について説明した。しかしながら、撮影機能を備えた他の撮像装置、例えばカメラ付き携帯電話機やビデオカメラ等にも本発明は適用可能である。
【0040】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0041】
100 カメラ、101 操作部材、102 レンズ、103 撮像素子、104 制御装置、105 メモリカードスロット、106 モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影画面内に設定された評価エリア内の画像から高輝度領域を抽出する抽出手段と、
前記評価エリア内の画像から前記抽出手段によって抽出された前記高輝度領域内の画像を除外する除外手段と、
前記除外手段により除外された後の前記評価エリア内の画像に基づいて、焦点検出を行う焦点検出手段とを備えることを特徴とする焦点検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の焦点検出装置において、
前記抽出手段は、前記評価エリア内の画像の高輝度画素を特定し、特定した前記高輝度画素を色相を加味してグループ化することによって、前記評価エリア内の画像から前記高輝度領域を抽出することを特徴とする焦点検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の焦点検出装置において、
前記除外手段は、前記評価エリアの面積に対する前記高輝度領域の面積の割合を加味して、前記評価エリア内の画像から前記高輝度領域内の画像を除外することを特徴とする焦点検出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の焦点検出装置において、
前記除外手段は、前記評価エリア内を複数の詳細エリアに分割し、前記複数の詳細エリアの中から周囲の詳細エリアに対して孤立している詳細エリアを除外することを特徴とする焦点検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−253099(P2011−253099A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127826(P2010−127826)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】