焦電型赤外線検出器
【課題】二次実装用のフランジ構造を有し、実装基板底面から焦電型赤外線検出器高さを含む総高さを低くする事が可能な表面実装型の焦電型赤外線検出器を提供すること。
【解決手段】本焦電型赤外線検出器は、二次実装用のフランジ構造を有し、低背可能とするために表面実装を可能とするためのパターン6が形成されている。焦電型赤外線センサ素子、FET、抵抗、高周波ノイズ対策用の抵抗、コンデンサが、搭載された上層ベースより、スルーホールにて下層ベース8まで接続されている。下層ベース表面には、二次実装用に金属膜にて形成されたパターンを有し、電気的に接続させ、機械的に固定出来るようにしている。
【解決手段】本焦電型赤外線検出器は、二次実装用のフランジ構造を有し、低背可能とするために表面実装を可能とするためのパターン6が形成されている。焦電型赤外線センサ素子、FET、抵抗、高周波ノイズ対策用の抵抗、コンデンサが、搭載された上層ベースより、スルーホールにて下層ベース8まで接続されている。下層ベース表面には、二次実装用に金属膜にて形成されたパターンを有し、電気的に接続させ、機械的に固定出来るようにしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焦電型赤外線検出器の構造に関し、経済性に優れた表面実装可能なパッケージである。パッケージのシールド性を向上させた焦電型赤外線検出器、及び、素子収納部サイズが4.7×4.7×2.2mmt未満に納める事が可能であり、且つ、二次実装時に実装基板底面から焦電型赤外線検出器高さを含む総高さを低くする事を目的とした実装方法への対応が可能とするための図7のフランジ構造を有することにより、実装性、経済性に優れた表面実装型の焦電型赤外線検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の表面実装型焦電型赤外線検出器は、特許文献1で提案されている二次実装時実装基板底面から焦電型赤外線検出器高さを含む総高さを低くする事を目的とした表面実装可能な焦電型赤外線検出器がある。
【0003】
特許文献1の表面実装型焦電型赤外線検出器は図1、図2、図3に示す様に、光学フィルター2を具備した金属缶1とセラミック基板3からなる表面実装型焦電型赤外線検出器のセラミック基板最下層に設けられた表面実装可能な出力取り出し用パターンへ、半田付け可能なメッキ処理されたコバール等のストレート型金属リード5あるいは図5のフォーミング式の金属リード9が図4の様にロウ付け等で取り付けられている。
【0004】
上記、ストレート型金属リード5あるいは、フォーミング式金属リード9はリードフレーム状態でセラミック基板と銀ロウなどの高融点のロウ材にて図5の様にロウ付けされ、ロウ付け後リードフレームをカットされる事により、形成されている。
【0005】
しかしながら、リードフレームを具備する構造の場合、金属リードをセラミック基板作製後、別工程でロウ付けする必要があり、コストが高いといった問題がある。また、焦電型赤外線検出器組み立て時、リードカット、リード矯正といった工程が必要となり、工数が掛かるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特願2010−174890
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、この課題を解決するものであり、表面実装可能な簡素化された構造を有し、シールド性に優れ、素子収納部のパッケージサイズが4.7×4.7×2.2mmt未満に納める事が可能であり、且つ、製造工程を簡素化することによって、経済性に優れた焦電型赤外線検出器を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの課題を解決する為に、ベース部の最下部は、二次実装時、実装基板底面から焦電型赤外線検出器高さを含む総高さを低くする事を可能とするためのフランジ構造を有し、図7の通りフランジ部上面へ二次実装可能な出力取り出し用端子6を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記ベース部は、最上面に素子と信号処理用回路部品を搭載するメタルパターン、光学フィルターを具備した金属缶と接合する為のメタルパターンを有し、ベース最上面には、焦電素子の出力を効率よく得る為に必要な、素子−ベース間の空間を設ける事が可能なキャビティー、あるいは素子の両端を支える支持台構造を有する。
【0010】
また、いずれかの層に光学フィルターを具備した金属缶と接合する為のメタルパターンとスルーホール、及び、側面メタライズで接続された全面グラウンド層を有する。
【0011】
更に、ベース部最下層の少なくとも1辺にフランジ構造を有し、そのフランジ構造上面に、出力取り出し用端子を形成し、二次実装基板とはんだ等により電気的接続、機械的固定が可能となる構造を有する。
【0012】
赤外線を受光し赤外線入射量の変化により電荷を生じる焦電素子、及び焦電素子により生じた電荷を電圧に変換するFET、抵抗、及びコンデンサが、前記ベース部へのパターン配線により電気的接続された構造体において、前記ベース部は、高さ0.8mm未満の構造体とし、光学フィルターを具備した金属缶の高さを1.7mm未満の形状体として、前記ベース部と前記光学フィルターを具備した金属缶を組み合わせたトータル高さ寸法を2.2mm未満へ格納した構造体とする。
【0013】
前記焦電型赤外線センサ素子は、強誘電体の表面に、電極を設けたものを使用する。但し、本発明の焦電型赤外線検出器は、約260℃のリフロー処理に耐え得る高いキュリー温度を備えた焦電特性素子を使用する。
【0014】
また、前記金属缶の赤外線受光窓部へ赤外線を透過させる光学フィルターを接着した構造体とする。
【0015】
前記ベース、光学フィルターを具備した金属缶は、溶接あるいはロウ付けによって接合し、気密封止される。この様に気密封止されることによって、前記ベース、光学フィルターを具備した金属缶の電気的接合がなされた焦電型赤外線検出器のパッケージとなる。
【0016】
前記ベースがセラミックのみで構成されるため、金属リードをセラミック基板作製後別工程でロウ付けする必要がなくなり、また、焦電型赤外線検出器の実装工程に於いても、リードカット工程、リード矯正といった工程が不要となり、工数が削減できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の焦電型赤外線検出器は、上記のような構成となることにより、実装基板と焦電型赤外線検出器のトータル高さを低くする事を目的とした二次実装用フランジ構造を有し、シールド性に優れ、小型パッケージとすることで、経済性に優れた焦電型赤外線検出器を提供する事が可能である。
【0018】
また、本焦電型赤外線検出器は、前記金属缶と光学フィルターにて接着された構造を有している為、金属缶の高さ、及び赤外線受光窓となる金属缶の開口部サイズは、ベース部のパッケージサイズに依存される事無く任意のサイズへの変更が可能な事から、容易に所望の視野を得る事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来の特許文献1に係る焦電型赤外線検出器を示す斜視外観図である。
【図2】従来の特許文献1に係わる別の形態の焦電型赤外線検出器を示す斜視外観図である。
【図3】従来の特許文献1に係る焦電型赤外線検出器を示す基板実装概略図である。
【図4】従来の特許文献1に係るフォーミングされたリードの焦電型赤外線検出器を示す外観図である。
【図5】従来の特許文言1に係る焦電型赤外線検出器で、裏面リード部を示す外観図である。
【図6】本発明の実施例1に係る焦電型赤外線検出器を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例1に係る焦電型赤外線検出器を示す斜視外観図である。
【図8】本発明の実施例1に係る焦電型赤外線検出器を示す基板実装概略図である。
【図9】本発明の実施例1に係る焦電型赤外線検出器基板実装時の半田を示す概略図である。
【図10】本発明の実施例1に係る別の形態の焦電型赤外線検出器基板実装概略図である。
【図11】本発明の実施例1に係る別の形態の焦電型赤外線検出器基板実装時の半田を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。
実施例1に係る焦電型赤外線検出器について、図6、図7、図8を参照して詳細に説明する。
【0021】
本焦電型赤外線検出器のベース部は、上層基板、中層基板、下層基板の3層からなり、上層基板、中層基板は、素子収納部ベース部分となり、下層基板は、二次実装可能なフランジ構造部となっている。
【0022】
上層基板3は、1層以上の層からなるセラミック基板で、焦電型赤外線センサ素子14の出力を効率よく得る為に必要な素子−上層基板間の空間を設ける事が可能なキャビティー15を備える構造で、上層基板3最上面に金属膜により形成された配線上に焦電型赤外線センサ素子14により生じた電荷を電圧に変換するFET11、抵抗器12、外来ノイズ除去用の抵抗器10及びコンデンサ13が、はんだ等により部品実装され、電気的接続されている。
【0023】
また、前記上層基板3上の金属膜配線の上には内部搭載電子部品実装時の電気的なパターンショート防止の為、絶縁保護膜を設けても良い。
【0024】
焦電型赤外線センサ素子14は、上層基板3のキャビティー16に橋をかける様に設置し、導電性接着剤等により電気的に接続、機械的に固定されている。
【0025】
中層基板7は、1層以上の層からなるセラミック基板で、シールド性を得るため、スルーホール及び、配線を除く全面に、金属膜により形成されたシールドパターンを施している。
【0026】
下層基板8は、1層以上の層からなるセラミック基板で、図7の様に上層基板、中層基板の向かい合う2辺に飛び出した構造(以下、フランジ構造と記す)を有する。
【0027】
前記フランジ構造の上面には、スルーホール等配線パターンにより、上層基板の配線と電気的に接続された出力取り出し様のパターン6が形成されている。
【0028】
ここでは、フランジ構造は、向かい合う2辺方向に飛び出すこととしているが、少なくとも1辺以上のフランジ構造を有する事で、実装基板底面から焦電型赤外線検出器高さを含む総高さを低くする事を可能とする構造となる。
【0029】
前述のようなフランジ構造を有する事で、図8に示すような、二次実装時実装基板底面から焦電型赤外線検出器高さを含む総高さを低くする事を目的とした実装方法が可能となる。
【0030】
この様にフランジ構造を有する事で、二次実装時、半田による電気的接続、機械的固定を行う。図9に示す通り、下層基板8の側面に半田によるフィレットが形成され、機械的強度が増す構造としている。
【0031】
また、下層基板8の下面17には、シールド性を得るために、金属膜により形成されたシールドパターンを設けており、このシールドパターンは、設置可能なエリア全面に設けている。
【0032】
また、実施例1の別の形態として、図10に示す通り、基板上に焦電型赤外線センサを実装する事も可能である。この場合、図11に示す通り、フランジ構造と同様、下層基板8の側面に半田によるフィレットが形成され、機械的強度が増す構造としている。
【0033】
赤外線受光面(上面)に開口部を有したハット型のニッケル、金等によりメッキ仕上げされた金属缶1と、所望の赤外線を透過する光学フィルター2は、耐熱性接着剤を用いて、加圧状態によって電気的に接続され、機械的に固定を行う。
【0034】
また、前記上層基板3は、最上面に所望の赤外線を透過する光学フィルター2を赤外線受光面(上面)の開口部へ具備したハット型の金属缶1と電気的に接続され、機械的に接続する為の金属膜配線を有し、中層基板に形成された全面グランド層とスルーホール及び、側面のメタライズにより接続されている。
【0035】
上層基板3と所望の赤外線を透過する光学フィルター2を赤外線受光面(上面)の開口部へ具備したハット型の金属缶1のフランジ4との間にロウ材を挟み込み、加圧しながら還元雰囲気下にてリフローし、ロウ材を溶融する事により電気的に接続させ、機械的に固定を行う。
【0036】
前記ロウ材は、前記上層基板3上の金属膜により形成された配線、及び金属缶1のフランジ4への良好な濡れ性を示し、二次実装でのリフロー時に溶融しない融点を持つロウ材を使用する。
【0037】
また、前記ロウ材の形状としては、シート状のプリフォームロウ材、あるいはペースト状のロウ材を使用する。
【0038】
また、実施例1の別形態として、上層基板3と所望の赤外線を透過する光学フィルター21を赤外線受光面(上面)の開口部へ具備したハット型の金属缶1のフランジ4との接続をロウ材による接続の代わりに、シーム溶接による事も可能である。
【0039】
接合をシーム溶接にて行う際、上層基板3は、最上面に所望の赤外線を透過する光学フィルター2を赤外線受光面(上面)の開口部へ具備したハット型の金属缶1と電気的機械的に接続する為のニッケル、金等によりメッキ仕上げされたシールリングを具備した金属膜配線を有し、中層基板に形成された全面グランド層とスルーホールにより接続されており、下層基板に出力取り出し用端子を有する。
【0040】
前述上層基板3と、所望の赤外線を透過する光学フィルター2を赤外線受光面(上面)の開口部へ具備したハット型の金属缶1のフランジ4を電極により挟み込み、電極が移動・加圧しながら電流を流す事により、上層基板3上のシールリングと金属缶1のフランジ4の間にジュール熱を発熱させる事で、金属缶1のフランジ4のメッキ部と上層基板3上のシールリングのメッキ部との接合部分を溶着させ電気的に接続させ、機械的な固定を行うシーム溶接にて接合する。
【0041】
前述金属缶1のフランジ4は、シーム溶接に於いて電極の通過が可能となる寸法である0.5mm以上とする。
【符号の説明】
【0042】
1 金属缶
2 光学フィルター
3 上層基板
4 フランジ
5 リード端子
6 パターン
7 中層基板
8 下層基板
9 フォーミング型金属リード
10 抵抗
11 FET
12 抵抗
13 コンデンサ
14 焦電型赤外線センサ素子
15 焦電型赤外線センサ素子支持台
16 キャビティー
17 下層基板裏面
18 ロウ
19 半田フィレット
【技術分野】
【0001】
本発明は、焦電型赤外線検出器の構造に関し、経済性に優れた表面実装可能なパッケージである。パッケージのシールド性を向上させた焦電型赤外線検出器、及び、素子収納部サイズが4.7×4.7×2.2mmt未満に納める事が可能であり、且つ、二次実装時に実装基板底面から焦電型赤外線検出器高さを含む総高さを低くする事を目的とした実装方法への対応が可能とするための図7のフランジ構造を有することにより、実装性、経済性に優れた表面実装型の焦電型赤外線検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の表面実装型焦電型赤外線検出器は、特許文献1で提案されている二次実装時実装基板底面から焦電型赤外線検出器高さを含む総高さを低くする事を目的とした表面実装可能な焦電型赤外線検出器がある。
【0003】
特許文献1の表面実装型焦電型赤外線検出器は図1、図2、図3に示す様に、光学フィルター2を具備した金属缶1とセラミック基板3からなる表面実装型焦電型赤外線検出器のセラミック基板最下層に設けられた表面実装可能な出力取り出し用パターンへ、半田付け可能なメッキ処理されたコバール等のストレート型金属リード5あるいは図5のフォーミング式の金属リード9が図4の様にロウ付け等で取り付けられている。
【0004】
上記、ストレート型金属リード5あるいは、フォーミング式金属リード9はリードフレーム状態でセラミック基板と銀ロウなどの高融点のロウ材にて図5の様にロウ付けされ、ロウ付け後リードフレームをカットされる事により、形成されている。
【0005】
しかしながら、リードフレームを具備する構造の場合、金属リードをセラミック基板作製後、別工程でロウ付けする必要があり、コストが高いといった問題がある。また、焦電型赤外線検出器組み立て時、リードカット、リード矯正といった工程が必要となり、工数が掛かるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特願2010−174890
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、この課題を解決するものであり、表面実装可能な簡素化された構造を有し、シールド性に優れ、素子収納部のパッケージサイズが4.7×4.7×2.2mmt未満に納める事が可能であり、且つ、製造工程を簡素化することによって、経済性に優れた焦電型赤外線検出器を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの課題を解決する為に、ベース部の最下部は、二次実装時、実装基板底面から焦電型赤外線検出器高さを含む総高さを低くする事を可能とするためのフランジ構造を有し、図7の通りフランジ部上面へ二次実装可能な出力取り出し用端子6を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記ベース部は、最上面に素子と信号処理用回路部品を搭載するメタルパターン、光学フィルターを具備した金属缶と接合する為のメタルパターンを有し、ベース最上面には、焦電素子の出力を効率よく得る為に必要な、素子−ベース間の空間を設ける事が可能なキャビティー、あるいは素子の両端を支える支持台構造を有する。
【0010】
また、いずれかの層に光学フィルターを具備した金属缶と接合する為のメタルパターンとスルーホール、及び、側面メタライズで接続された全面グラウンド層を有する。
【0011】
更に、ベース部最下層の少なくとも1辺にフランジ構造を有し、そのフランジ構造上面に、出力取り出し用端子を形成し、二次実装基板とはんだ等により電気的接続、機械的固定が可能となる構造を有する。
【0012】
赤外線を受光し赤外線入射量の変化により電荷を生じる焦電素子、及び焦電素子により生じた電荷を電圧に変換するFET、抵抗、及びコンデンサが、前記ベース部へのパターン配線により電気的接続された構造体において、前記ベース部は、高さ0.8mm未満の構造体とし、光学フィルターを具備した金属缶の高さを1.7mm未満の形状体として、前記ベース部と前記光学フィルターを具備した金属缶を組み合わせたトータル高さ寸法を2.2mm未満へ格納した構造体とする。
【0013】
前記焦電型赤外線センサ素子は、強誘電体の表面に、電極を設けたものを使用する。但し、本発明の焦電型赤外線検出器は、約260℃のリフロー処理に耐え得る高いキュリー温度を備えた焦電特性素子を使用する。
【0014】
また、前記金属缶の赤外線受光窓部へ赤外線を透過させる光学フィルターを接着した構造体とする。
【0015】
前記ベース、光学フィルターを具備した金属缶は、溶接あるいはロウ付けによって接合し、気密封止される。この様に気密封止されることによって、前記ベース、光学フィルターを具備した金属缶の電気的接合がなされた焦電型赤外線検出器のパッケージとなる。
【0016】
前記ベースがセラミックのみで構成されるため、金属リードをセラミック基板作製後別工程でロウ付けする必要がなくなり、また、焦電型赤外線検出器の実装工程に於いても、リードカット工程、リード矯正といった工程が不要となり、工数が削減できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の焦電型赤外線検出器は、上記のような構成となることにより、実装基板と焦電型赤外線検出器のトータル高さを低くする事を目的とした二次実装用フランジ構造を有し、シールド性に優れ、小型パッケージとすることで、経済性に優れた焦電型赤外線検出器を提供する事が可能である。
【0018】
また、本焦電型赤外線検出器は、前記金属缶と光学フィルターにて接着された構造を有している為、金属缶の高さ、及び赤外線受光窓となる金属缶の開口部サイズは、ベース部のパッケージサイズに依存される事無く任意のサイズへの変更が可能な事から、容易に所望の視野を得る事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来の特許文献1に係る焦電型赤外線検出器を示す斜視外観図である。
【図2】従来の特許文献1に係わる別の形態の焦電型赤外線検出器を示す斜視外観図である。
【図3】従来の特許文献1に係る焦電型赤外線検出器を示す基板実装概略図である。
【図4】従来の特許文献1に係るフォーミングされたリードの焦電型赤外線検出器を示す外観図である。
【図5】従来の特許文言1に係る焦電型赤外線検出器で、裏面リード部を示す外観図である。
【図6】本発明の実施例1に係る焦電型赤外線検出器を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例1に係る焦電型赤外線検出器を示す斜視外観図である。
【図8】本発明の実施例1に係る焦電型赤外線検出器を示す基板実装概略図である。
【図9】本発明の実施例1に係る焦電型赤外線検出器基板実装時の半田を示す概略図である。
【図10】本発明の実施例1に係る別の形態の焦電型赤外線検出器基板実装概略図である。
【図11】本発明の実施例1に係る別の形態の焦電型赤外線検出器基板実装時の半田を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。
実施例1に係る焦電型赤外線検出器について、図6、図7、図8を参照して詳細に説明する。
【0021】
本焦電型赤外線検出器のベース部は、上層基板、中層基板、下層基板の3層からなり、上層基板、中層基板は、素子収納部ベース部分となり、下層基板は、二次実装可能なフランジ構造部となっている。
【0022】
上層基板3は、1層以上の層からなるセラミック基板で、焦電型赤外線センサ素子14の出力を効率よく得る為に必要な素子−上層基板間の空間を設ける事が可能なキャビティー15を備える構造で、上層基板3最上面に金属膜により形成された配線上に焦電型赤外線センサ素子14により生じた電荷を電圧に変換するFET11、抵抗器12、外来ノイズ除去用の抵抗器10及びコンデンサ13が、はんだ等により部品実装され、電気的接続されている。
【0023】
また、前記上層基板3上の金属膜配線の上には内部搭載電子部品実装時の電気的なパターンショート防止の為、絶縁保護膜を設けても良い。
【0024】
焦電型赤外線センサ素子14は、上層基板3のキャビティー16に橋をかける様に設置し、導電性接着剤等により電気的に接続、機械的に固定されている。
【0025】
中層基板7は、1層以上の層からなるセラミック基板で、シールド性を得るため、スルーホール及び、配線を除く全面に、金属膜により形成されたシールドパターンを施している。
【0026】
下層基板8は、1層以上の層からなるセラミック基板で、図7の様に上層基板、中層基板の向かい合う2辺に飛び出した構造(以下、フランジ構造と記す)を有する。
【0027】
前記フランジ構造の上面には、スルーホール等配線パターンにより、上層基板の配線と電気的に接続された出力取り出し様のパターン6が形成されている。
【0028】
ここでは、フランジ構造は、向かい合う2辺方向に飛び出すこととしているが、少なくとも1辺以上のフランジ構造を有する事で、実装基板底面から焦電型赤外線検出器高さを含む総高さを低くする事を可能とする構造となる。
【0029】
前述のようなフランジ構造を有する事で、図8に示すような、二次実装時実装基板底面から焦電型赤外線検出器高さを含む総高さを低くする事を目的とした実装方法が可能となる。
【0030】
この様にフランジ構造を有する事で、二次実装時、半田による電気的接続、機械的固定を行う。図9に示す通り、下層基板8の側面に半田によるフィレットが形成され、機械的強度が増す構造としている。
【0031】
また、下層基板8の下面17には、シールド性を得るために、金属膜により形成されたシールドパターンを設けており、このシールドパターンは、設置可能なエリア全面に設けている。
【0032】
また、実施例1の別の形態として、図10に示す通り、基板上に焦電型赤外線センサを実装する事も可能である。この場合、図11に示す通り、フランジ構造と同様、下層基板8の側面に半田によるフィレットが形成され、機械的強度が増す構造としている。
【0033】
赤外線受光面(上面)に開口部を有したハット型のニッケル、金等によりメッキ仕上げされた金属缶1と、所望の赤外線を透過する光学フィルター2は、耐熱性接着剤を用いて、加圧状態によって電気的に接続され、機械的に固定を行う。
【0034】
また、前記上層基板3は、最上面に所望の赤外線を透過する光学フィルター2を赤外線受光面(上面)の開口部へ具備したハット型の金属缶1と電気的に接続され、機械的に接続する為の金属膜配線を有し、中層基板に形成された全面グランド層とスルーホール及び、側面のメタライズにより接続されている。
【0035】
上層基板3と所望の赤外線を透過する光学フィルター2を赤外線受光面(上面)の開口部へ具備したハット型の金属缶1のフランジ4との間にロウ材を挟み込み、加圧しながら還元雰囲気下にてリフローし、ロウ材を溶融する事により電気的に接続させ、機械的に固定を行う。
【0036】
前記ロウ材は、前記上層基板3上の金属膜により形成された配線、及び金属缶1のフランジ4への良好な濡れ性を示し、二次実装でのリフロー時に溶融しない融点を持つロウ材を使用する。
【0037】
また、前記ロウ材の形状としては、シート状のプリフォームロウ材、あるいはペースト状のロウ材を使用する。
【0038】
また、実施例1の別形態として、上層基板3と所望の赤外線を透過する光学フィルター21を赤外線受光面(上面)の開口部へ具備したハット型の金属缶1のフランジ4との接続をロウ材による接続の代わりに、シーム溶接による事も可能である。
【0039】
接合をシーム溶接にて行う際、上層基板3は、最上面に所望の赤外線を透過する光学フィルター2を赤外線受光面(上面)の開口部へ具備したハット型の金属缶1と電気的機械的に接続する為のニッケル、金等によりメッキ仕上げされたシールリングを具備した金属膜配線を有し、中層基板に形成された全面グランド層とスルーホールにより接続されており、下層基板に出力取り出し用端子を有する。
【0040】
前述上層基板3と、所望の赤外線を透過する光学フィルター2を赤外線受光面(上面)の開口部へ具備したハット型の金属缶1のフランジ4を電極により挟み込み、電極が移動・加圧しながら電流を流す事により、上層基板3上のシールリングと金属缶1のフランジ4の間にジュール熱を発熱させる事で、金属缶1のフランジ4のメッキ部と上層基板3上のシールリングのメッキ部との接合部分を溶着させ電気的に接続させ、機械的な固定を行うシーム溶接にて接合する。
【0041】
前述金属缶1のフランジ4は、シーム溶接に於いて電極の通過が可能となる寸法である0.5mm以上とする。
【符号の説明】
【0042】
1 金属缶
2 光学フィルター
3 上層基板
4 フランジ
5 リード端子
6 パターン
7 中層基板
8 下層基板
9 フォーミング型金属リード
10 抵抗
11 FET
12 抵抗
13 コンデンサ
14 焦電型赤外線センサ素子
15 焦電型赤外線センサ素子支持台
16 キャビティー
17 下層基板裏面
18 ロウ
19 半田フィレット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焦電型赤外線センサ素子、FET、ゲート抵抗等を実装した表面実装型セラミックパッケージ基板と、光学フィルターを具備した金属缶を、ロウ付け技術により電気的接続且つ、機械的固定した表面実装型の焦電型赤外線検出器に於いて、表面実装型セラミック基板に二次実装用のフランジ構造を有することを特徴とする表面実装型の焦電型赤外線検出器。
【請求項2】
請求項1の表面実装型赤外線検出器に於いて、フランジ構造部を除く素子収納部のサイズが、4.7×4.7×2.2mmt未満となる事を特徴とする表面実装型の焦電型赤外線検出器。
【請求項1】
焦電型赤外線センサ素子、FET、ゲート抵抗等を実装した表面実装型セラミックパッケージ基板と、光学フィルターを具備した金属缶を、ロウ付け技術により電気的接続且つ、機械的固定した表面実装型の焦電型赤外線検出器に於いて、表面実装型セラミック基板に二次実装用のフランジ構造を有することを特徴とする表面実装型の焦電型赤外線検出器。
【請求項2】
請求項1の表面実装型赤外線検出器に於いて、フランジ構造部を除く素子収納部のサイズが、4.7×4.7×2.2mmt未満となる事を特徴とする表面実装型の焦電型赤外線検出器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−122908(P2012−122908A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275186(P2010−275186)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000229081)日本セラミック株式会社 (129)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000229081)日本セラミック株式会社 (129)
【Fターム(参考)】
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