説明

焼結型混合炭酸塩の放射性炭素格納への使用

【課題】本発明の目的は、発生する廃棄物の容積の点から見て、そして化学的耐久性の点から見ても、更に効率の良い新規の格納母材を提案すること、またこれらの母材を製造するための合成方法を提供する。
【解決手段】
本発明は、放射性炭素を格納するための、式AB(COの混合炭酸塩の使用に関するものであり、式中、A及びBは相違し、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類から選ばれる。
本使用は、放射性炭素の格納に、例えば、次を含むプロセスが可能である:AB(COの沈殿物を得るために、格納される放射性炭素を有するCOを、又は格納される放射性炭素を有する、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属の単純炭酸塩を、AClとBClとの混合物の水溶液と、又はA(OH)とB(OH)との混合物の水溶液と混合することであり、式中、n及びmは、各々、A及びBの電荷を相殺するのに充分な整数である;AB(COの沈殿物を粉末形態で回収すること;並びに、次いで混合炭酸塩の焼結ペレットを得るために、製造された混合炭酸塩の脱炭酸温度より低い温度で前記粉末を加圧成形したのち焼結すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結型混合炭酸塩を放射性炭素の格納に使用する方法、及びこれらの混合炭酸塩を使用する、放射性炭素の格納プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
13Cの形態の、及び本質的には14Cの形態の放射性炭素は、燃料の照射過程で発生し、使用済み燃料の再処理における種々の工程の過程で気体の形態(CO又はCO)で排出される。この気体排出物は、環境に対して放射性廃棄物の再処理施設の総合的放射性物質の影響の30%を占めることがある。
【0003】
気体の中に存在している放射性炭素を捕捉するのに幾つかの方法があり、これらの方法では全て、BaCO、CaCO、SrCO又はMgCOタイプの単純炭酸塩が生成することになる。本発明は、放射性炭素によって放射性であるこれらの炭酸塩を使用する。
【0004】
放射性炭素の半減期(5740年)が長いため、14Cによる環境の汚染は長年にわたって続く。従って、この炭素を格納するのに有効な手段を持つことが必要である。
【0005】
現時点では、炭素を格納するために、僅か2種類の母材(matrix)、即ち、瀝青母材及びセメント母材、だけがこれまで使用されてきた。
【0006】
瀝青母材は、1966−1971年の期間から、炭酸塩流出物処理の場合にナトリウム炭素タイプの炭酸塩流出物を封入(encapsulate)するために使用されてきた。従って、これは実証済みの技術である。このプロセスに関しては、炭酸塩と母材との間に何等の発熱反応も存在しないので、瀝青封入炭酸塩の安全性を疑問視することはできない。瀝青母材の中に封入される炭酸塩の最大量は、特定の試験を新たに設けてはいないけれども、この量は、放射性スラッジ用の瀝青封入材の量に近い、即ち瀝青封入材の約45重量%であると考えられる。
【0007】
しかしながら、瀝青封入は多くの欠点を持っている。瀝青は照射に対する安定性が低いので、高いクリープ(creep)のために瀝青の機械的結着性は極めて劣り、この母材によって発生する廃棄物の容積は極めて大きく、格納される炭素1kgに対して約14リットルである。しかも、この封入された物質は、引火性があり(引火危険性)、放射性廃棄物の貯蔵に当っては大きな問題を抱える。
【0008】
炭酸塩封入の場合に炭素の格納用の母材としてセメント母材を使用することは一般的方法である。セメント母材の主な長所は、この母材にはセラフィールド(Sellafield)からの、及びこの母材の中の炭酸塩の挙動に関する特別研究からの実験上のフィードバックがあると言うメリットがあることである。
【0009】
しかしながら、セメント母材のこのタイプの主な欠点は、化学的耐久性が劣ることである。それは、オーブ(Aube)県にあるアンドラ(ANDRA)(放射性廃棄物管理機関(National Agency for the Management of Radioactive Waste))のタイプの廃棄物の地表(surface)貯蔵センター用に意図された廃棄物の場合に特に該当している。
【0010】
更に、格納される量が多い場合には、関連する容積は極めて大きくなるだろう。この母材によって発生する廃棄物の容積は、実際に、格納される炭素1kgに対して約12リットルである。
【0011】
このタイプの母材について現在入手できる結果から、格納は、セメントの中に概ね30〜35重量%の封入度で炭酸カルシウムの形で可能であると思われる。
【0012】
将来、恐らく、SiCを使って封入される窒化物又は炭化物タイプの燃料を使用することが考えられる。格納される炭素の量は、12Cと13Cとの混合物の場合もあり、従って更に多くなるだろう。
【0013】
先行技術には前述の欠点があるために、及び将来、使用できる新規の燃料のために、発生する廃棄物の容積から見て、そして、可能ならば化学的耐久性の点から見ても、更に効率の良い格納母材を提案することが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、発生する廃棄物の容積の点から見て、そして化学的耐久性の点から見ても、更に効率の良い新規の格納母材を提案することによって、先行技術の多くの前述の欠点に対する解決策を具体的に提供することである。本発明は、また、廃棄物の容積を少なくとも4分の1に減らすことが可能であり、これらの母材を製造するための合成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、放射性炭素を格納するための、式AB(CO(n+m)/2の混合炭酸塩の使用に関するものであり、この混合炭酸塩の焼結温度は混合炭酸塩の脱炭酸温度より低く、混合炭酸塩の硬さはモース硬さスケール(Mohs scale)で4以上である(式中のA及びBは相違し、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類から選ばれ、並びに式中のn及びmは、AB(CO(n+m)/2の電荷が中性になるような正の整数である)。
【0016】
本発明は、また、放射性炭素の格納プロセスにも関するものであり、次の諸工程を含む:
a)AB(CO(n+m)/2の沈殿物を得るために、格納される放射性炭素を有するCOを、又は格納される放射性炭素を有する、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属の単純炭酸塩を、AClとBClとの混合物の水溶液と、又はA(OH)とB(OH)との混合物の水溶液(式中、A及びBは相違し、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類から選ばれ、並びにn及びmは、ACl、BCl、A(OH)、B(OH)及びAB(CO(n+m)/2の電荷が中性になるような正の整数である)と混合する工程;
b)工程a)で得られたAB(CO沈殿物を粉末形態で回収する工程;
c)随意に前記粉末を濯ぐ工程;並びに
d)前記粉末を加圧成形する工程、及び式AB(CO(n+m)/2の混合炭酸塩の焼結ペレットを得るために、合成した前記混合炭酸塩の脱炭酸温度より低い焼結温度で前記粉末を焼結する工程であって、前記ペレットの硬さはモース硬さスケールで4以上であること、その後、放射性炭素を格納する工程。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に従うと、A及びBは、Na、K、Ca、Ba、Mg及びSrから選ばれるのが有利となり得る。このことは、これらの元素が、容易に入手可能であり、安価であるからである。
【0018】
例えば使用済み核燃料再処理プラントから放射する気体流出物の中に存在しているCOの形態の放射性炭素を格納するために、種々の捕捉プロセスがある。最も広く採用されているプロセスには次のプロセスがある:二工程アルカリプロセス;直接水酸化物反応プロセス;及び気体/固体プロセス。これらのプロセスは当業者では知られている。
【0019】
簡潔に言えば:
1)二工程アルカリプロセスでは、COは、先ず、例えば4規定(N)の水酸化ナトリウムがスプレーされる充填カラムの中で炭酸ナトリウムの形で捕捉される。次いで、この炭酸ナトリウムは、炭酸カルシウムを生成するために反応器の中で水酸化カルシウムと反応し、この炭酸カルシウムは、炭素−14を貯蔵するための本発明のプロセスで有用な化学形態である。COの捕捉は、次の反応に従って起こる:
2NaOH+CO→NaCO+H
NaCO+Ca(OH)→2NaOH+CaCO
第1工程では、NaOHをKOHに置換えることができる。前記例では、充填カラムから放出する溶液は、約1規定の水酸化ナトリウムと3.2モル濃度(M)のNaCOの溶液である。次いで、この溶液はCa(OH)と反応し、不溶の炭酸カルシウムを生成し、4規定の水酸化ナトリウムを発生する。その次に、この溶液を濾過し、炭酸カルシウムを回収するが、この炭酸カルシウムは、残留する水酸化ナトリウムを取り除くために、洗浄されるのが好ましい;
【0020】
2)直接水酸化物反応プロセスでは、COは次の反応によって水酸化物と直接反応する:
2/n・M(OH)+CO→M2/nCO+H
Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類から選ばれ、nはM(OH)及びM2/nCOの電荷が中性になるような正の整数である。Mは、例えば、Na、K、Ca、Ba、Mg及びSrから選ばれる。例えば、NaOH、Ba(OH)、Ca(OH)及びMg(OH)
【0021】
3)気体/固体プロセスでは、使用される化学反応は、水性懸濁液を使用するプロセスの場合の化学反応と同じである。そのために反応体が互いに接触する技術だけが異なり、このプロセスの故に、気体は固体反応体と直接接触する。次の反応に従って捕捉が起こる:
M(OH)+CO→MCO+H
式中、Mは前記の定義の通りである。このように、14COは固体の中に直接捕捉される。例えば、水酸化バリウムを使った実証実験が固定床及び流動床で実施されてきた。試験された水酸化バリウムのなかでは、COに対して最も反応性が高いのは八水和物、Ba(OH)・8HOである。
反応は次の通りである:
Ba(OH)・8HO+CO→BaCO+9H
【0022】
このプロセスは、液体/固体での分離を必要としない気体/液体プロセスよりも優れている。
【0023】
1)、2)及び3)のこれらのプロセスの利点は、放射性炭素が、本発明の中で直接使用され得る、例えばBaCO、CaCO、SrCO又はMgCOのタイプの単純炭酸塩の形態で捕捉されることである。
【0024】
更に、本発明によると、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属の単純炭酸塩に格納される放射性炭素は、気体流出物からCOの形態で放射性炭素を捕捉することにより得ることが可能であり、前記の捕捉は、二工程アルカリプロセス、直接水酸化物反応プロセス及び気体/固体プロセスから選ばれるのが有利である。
【0025】
本発明によると、AB(COタイプの焼結型混合炭酸塩を製造するために本発明のプロセスを実施する第1の方法は、例えば前記のプロセスの1つによって、水に溶解し、室温で、ACl+BClの水溶液、例えば水に溶解したCaCl+BaClと化学量論的モル比率で反応して得られるNaCOを製造する際のプロセスのa)工程にあってもよい。これらの比率では、例えば:2モルのNaCO+1モルのCaCl+1モルのBaClから1モルのBaCa(CO+4モルのNaClが得られる。この反応は瞬間的であり、沈殿する混合炭酸塩及び溶解したNaClが生成する。
【0026】
本発明によると、AB(COタイプの焼結型混合炭酸塩を製造するために本発明のプロセスを実施する第2の方法は、例えば前述のプロセスの1つによって、A(OH)+B(OH)の水溶液、例えば水に溶解したCa(OH)+Ba(OH)と化学量論的モル比率で反応して得られるNaCOを製造することにあってもよい。これらの比率では、例えば:2モルのNaCO+1モルのCa(OH)+1モルのBa(OH)から1モルのBaCa(CO+2モルのNaOHが得られる。
【0027】
本発明によると、AB(COタイプの焼結型混合炭酸塩を製造するために本発明のプロセスを実施する第3の方法は、前記混合炭酸塩を生成するために、放射性炭素が格納されるCOが、前記で定義されたA及びBを含むA(OH)+B(OH)の両水酸化物の混合物と直接反応して製造することにあってもよい。この反応は、例えば、気体COを捕捉するための前述の気体/固体プロセス(プロセス3)によって実施されてもよい。
【0028】
本発明のプロセスの2番目のb)工程は、混合炭酸塩を粉末形態で回収するように、例えば簡単な濾過により、例えば固体/液体分離を実施することが可能である。
【0029】
得られた粉末は、c)工程で濯ぐことが可能である。このような濯ぎは、高純度の蒸留水で実施するのが極めて好ましい。
【0030】
焼結温度が、合成された混合炭酸塩の脱炭酸温度より低いならば、加圧成形及び焼結は、焼結型混合炭酸塩を得るのに好適ないずれの焼結圧力及び焼結温度でも、そしていずれの焼結時間でも実施してよい。なぜならば、500℃より低いと、焼結は観察されない、又は処理期間が余りにも長くなるからである。680℃を超えると、脱炭酸効果が観察され、期待する格納が妨げられる。
【0031】
本発明に従って、例えばBaCa(COの場合、加圧成形は10〜20MPaの範囲の圧力で有利に実施してよく、焼結は500℃から680℃未満の温度範囲で1〜3時間有利に実施してよく、好ましくは、加圧成形は14〜16MPaの圧力で実施してよく、焼結は550〜600℃の温度で1時間45分〜2時間30分実施してよい。尚、更に好ましくは、加圧成形は、15MPaの圧力で実施してよく、焼結は580℃の温度で2時間実施してよい。
【0032】
本発明の実施例では、本発明のプロセスの前述の条件下での加圧成形により、90%より大きい高密度化、モース硬さスケールで4〜4.5の高い硬さ、即ち蛍石とアパタイトとの間の硬さ、及び3.7の密度で7〜10重量%の炭素含量を有利に有するペレットを得ることができ、このことは、1kgの炭素を格納するのに3.3リットルの容積の廃棄物を意味する。
【0033】
本発明のプロセスによって、内包することなく、焼結型炭酸塩の中に放射性炭素を直接格納することができる。本発明の混合炭酸塩は、次の特性を有するのが有利である:
− 放射性廃棄物を貯蔵するのに定義された規準を満たすために、300℃を超える高い脱炭酸温度;
− 前記混合炭酸塩は水に不溶であり、浸出効果を防ぐ;
− 前記混合炭酸塩は4以上の高い硬さを有する;及び
− 前記混合炭酸塩は、合成された混合炭酸塩の脱炭酸温度より低い焼結温度を有する。
【0034】
本発明による焼結型炭酸塩によって発生する廃棄物の容積は、使用される炭酸塩によって決まるが、格納される炭素1kgに対して約3リットルである。この容積は、先行技術のプロセスで得られる容積より実質的に小さい。
【0035】
その他の特性及び長所は、図面を参照しながら次の実施例を読むと明白であろう。
【実施例】
【0036】
(実施例1)混合炭酸塩BaCa(COの事例
− ビーカー1の中で21.198gのNaCOを1リットルの水に溶解した;
− ビーカー2の中で48.85gのBaCl+22.196gのCaClを2リットルの水に溶解した。
【0037】
次いで、これら2個のビーカーの内容物を混合した。沈殿物を得た。
【0038】
得られた沈殿物を濾過したのち、高純度蒸留水で3回濯いだ。
【0039】
得られた粉末は、所望の混合炭酸塩、即ちBaCa(COであった。
【0040】
図2の中に図示しているDTA/TGAスペクトルが示すように、このBaCa(CO粉末の脱炭酸が680℃で始まったのは好ましかった。
【0041】
15MPaでの加圧成形の後に580℃で2時間の普通の焼結によって、次の特性を有するペレットを得ることができた:
・ 90%より大きい高密度化(図3を参照されたい);
・ モース硬さスケールで4〜4.5の高い硬さ;
・ 3.7の密度で約8重量%の炭素含量であり、このことは、1kgの炭素を格納する場合は3.31の廃棄物容積を意味する;並びに
・ 次の反応では90℃で8.6のpKsであった:
Ba1/2Ca1/2(CO)⇔1/2・Ba2++1/2Ca2++CO2−
【0042】
これらのペレットを走査型電子顕微鏡で検証した。図3はこの検証の写真である。
【0043】
BaCa(CO炭酸塩を合成することにより、図1のX線(XRD)スペクトル及び図3の走査型電子顕微鏡で得られた写真が示すように、幾らかのBaCO不純物を有するアルストナイト(alstonite)セラミックを得ることができる。BaCO及びCaCOの単純炭酸塩の硬さより遥かに高い硬さを有するこのセラミックが普通の焼結によって得られる。従って、得られたこの脆くない材料は容易に取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明によって得られるアルストナイトセラミックの回折角(2θ°)の関数とするX線スペクトル(強度(I)(カウント数)(任意単位で)である。
【図2】BaCa(CO粉末の脱炭酸が680℃で始まることを示すDTA/TGAスペクトル(膨張分析計)である。この図面の左側にあるy軸上のプロットは、μV単位の熱流束(F)であり、右側はμg単位の損失重量(ΔW)である。曲線1は示差熱分析(DTA)(熱流束)を表し、曲線2は熱重量分析(TGA)(損失重量)を表し、及び曲線3は損失重量の解釈を表す。
【図3】本発明による材料の、走査型電子顕微鏡によって得られた画像である。倍率は写真に示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性炭素を格納するための、式AB(CO(n+m)/2の混合炭酸塩の使用において、前記炭酸塩の焼結温度が前記炭酸塩の脱炭酸温度より低く、及び前記炭酸塩の硬さがモース硬さスケールで4以上である(式中、A及びBは相違し、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類から選ばれ、並びに式中、n及びmは、AB(CO(n+m)/2の電荷が中性になるような正の整数である)ことを特徴とする、前記使用。
【請求項2】
A及びBは相違し、Na、K、Ca、Ba、Mg及びSrから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記混合炭酸塩がBaCa(COから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記混合炭酸塩が、放射性炭素を格納するために焼結されることを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記放射性炭素が、使用済み核燃料再処理プラントの気体流出物から生じることを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項6】
次の諸工程を含むことを特徴とする放射性炭素の格納プロセス:
a)AB(CO(n+m)/2の沈殿物を得るために、格納されるべき放射性炭素を有するCOを、又は格納されるべき放射性炭素を有する、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属の単純炭酸塩を、AClとBClとの混合物の水溶液と、又はA(OH)とB(OH)との混合物の水溶液(式中、A及びBは相違し、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類から選ばれ、並びにn及びmは、ACl、BCl、A(OH)及びB(OH)の電荷が中性になるような正の整数である)と混合する工程;
b)工程a)で得られたAB(CO沈殿物を粉末形態で回収する工程;
c)随意に前記粉末を濯ぐ工程;並びに
d)前記粉末を加圧成形する工程、及び式AB(CO(n+m)/2の混合炭酸塩の焼結ペレットを得るために、合成した前記混合炭酸塩の脱炭酸温度より低い焼結温度で前記粉末を焼結する工程であって、前記ペレットの硬さはモース硬さスケールで4以上であること、その後、放射性炭素を格納する工程。
【請求項7】
A及びBは相違し、Na、K、Ca、Ba、Mg及びSrから選ばれることを特徴とする請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記混合炭酸塩がBaCa(COから選ばれることを特徴とする請求項6に記載のプロセス。
【請求項9】
前記加圧成形が10〜20MPaの圧力で実施されたのち、前記焼結が1〜3時間前記温度で実施されることを特徴とする請求項6に記載のプロセス。
【請求項10】
前記加圧成形が14〜16MPaの圧力が実施されたのち、前記焼結が1時間45分〜2時間30分、550℃〜600℃の温度で実施されることを特徴とする請求項6に記載のプロセス。
【請求項11】
アルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属の単純炭酸塩の格納されるべき放射性炭素が、二工程アルカリプロセス、直接水酸化物反応プロセス及び気体/固体プロセスから選ばれるプロセスにより、COの形態で放射性炭素を捕捉することにより得られることを特徴とする請求項6に記載のプロセス。
【請求項12】
格納されるべき放射性炭素を有するCO、又は格納されるべき放射性炭素を有するアルカリ金属、アルカリ土類金属もしくは希土類金属の単純炭酸塩が、使用済み核燃料再処理プラントの流出物から生じることを特徴とする請求項6に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−510147(P2007−510147A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537378(P2006−537378)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【国際出願番号】PCT/FR2004/050523
【国際公開番号】WO2005/043554
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(590000514)コミツサリア タ レネルジー アトミーク (429)
【Fターム(参考)】