説明

煤煙臭除去装置および煤煙臭除去システム

【課題】 近年、喫煙に対する受動喫煙などによる人体への影響など周囲環境の目が厳しくなってきており、建物内や公共乗り物などにて喫煙箇所の設置が多くなっているが、そこより漏れ出す喫煙臭をさらに低減させるための煤煙臭除去器を提供する。
【解決手段】 紫外線透過筐体1に対して煤煙臭導入口2からたばこの煙、液体導入口3から水道水を導入し、ミスト発生室5において水とたばこの煙の混合クラスターをつくり、無機セラミックス構造体室7へ導入し、多孔質を有する無機セラミックス構造体12の親水性と気孔の相乗効果で効率よく吸着し、処理煤煙臭排出口8での除去率を向上し、たばこの受動喫煙の低減効果が可能となる技術を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煙や臭いなどを清浄化する煤煙臭除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
喫煙による煙や臭いから受動喫煙を防止する方法としては、限定された喫煙箇所の設置や禁煙車両などの設置がある。
【0003】
また、さらに効果を上げるために空気を吸い込んでフィルターを通過させて微細な埃やたばこの煙などを除去して吹き出す空気清浄器などでの強制的吸気をおこなう方法がある。
【0004】
特開2001−8675号公報には、片手で持てる程度の寸法とされ、その内部に煙が通過する流路が形成された筐体と、一端が開放され他端が筐体の流路に接続された吸込部材と、この吸込部材の下流の流路上に設けられ、煙の成分を吸着し除去する除去吸着部(フィルター及び吸着剤)と、この除去吸着部の下流の流路上に設けられ、空気を上流から吸引し下流へと排出する吸排部(ファン及びモータ)と、この吸排部の下流側の流路上に設けられ、吸排部を通過した空気に臭いを添加する芳香部(芳香剤)と、筐体の一側部に着脱自在に設けられると共にその上部が吸込部材に接続された灰皿とを備えた携帯用空気清浄器の装置の提案がある。
【特許文献1】特開2001−8675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、喫煙箇所を限定しても限定された空間から漏れ出す喫煙による煙や臭いを除去することは出来ず、第63回日本公衆衛生学会総会の「喫煙・禁煙車両におけるたばこ粉塵濃度の調査結果」では漏れ出す喫煙による煙や臭いによる受動喫煙に関する問題提起の報告もなされている。
【0006】
また、空気清浄器による強制吸気による手法においては、喫煙箇所周辺の空気の流れや喫煙者の向きによっても吸気できる量が限られるのと同時に、一定箇所に喫煙者が集まらなければならず、一定箇所に大人数が集合するとさらに吸気の効果が限られる。また、吸気のための大掛かりなファンやポンプなど設備も大型化してしまう。
【0007】
一方、特開2001−8675号公報は前述問題点を解決すべく各人持ち回りの小型携帯化に特化しているものの、これは暗に喫煙箇所を選ばないということになり、マナーを無視する喫煙者を増長させることもある。また、吸着した煙や臭い成分を除去できず、頻繁にフィルターなどの交換を有する必要がある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は次のとおりである。限定された喫煙箇所または居室などにおいてたばこの煙や臭いが漏れることなく回収し、回収された煙や臭い成分を簡易な方法で分解除去できる小型化も可能な煤煙臭除去装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記内容を具体化するために以下に本発明の具体的方法を記す。
【0010】
これらを解決するための本発明の煤煙臭除去装置の特徴は、吐き出された煙や臭い成分または燃焼による煙や臭いを液体が流れる空間に挿入し、空間を通過する液体を電場印加によりミスト化することにより、前述煙や臭い成分を水などのクラスターで水素結合分子または水分子内包集合分子体化にし、多孔質の形状を有した無機セラミックス構造体で吸着することである。
【0011】
また、本発明の煤煙臭除去装置の特徴は、ミスト化をおこなう手段として強誘電体セラミック超音波振動子を用いており、装置の小型化ならびに複数箇所へのミスト発生位置の設置を可能とすることである。
【0012】
また、本発明の煤煙臭除去装置の特徴は、構造体自体が紫外線を透過できる材質で構成されており、構造体内壁や空壁には光触媒機能を持った無機セラミックス材が塗布または坦持されていることにより、吸着された煙や臭い成分の紫外線による酸化除去分解が可能とすることである。
【0013】
また、本発明の煤煙臭除去装置の特徴は、多孔質の形状を有し、光触媒機能を持った無機セラミックス材に対しアパタイト構造材をコーティングすることによって煙や臭い成分に含まれるアルデヒド系の有害物質を効率よく吸着させ排出させないことである。
【0014】
また、本発明の煤煙臭除去装置の特徴は、煙や臭い成分などの気体の導入口やミスト化のための液体の導入口を複数箇所設けることにより、複数人による同時喫煙時の煙や臭い成分の除去を可能とすることである。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係わる煤煙臭除去装置を用いれば、限定された喫煙箇所などからの煙や臭い成分の漏れ出しが解決され、回収した煙や臭い成分を自己浄化行うことができ、マナーにのっとった喫煙の提供と喫煙を行わないものへの空気清浄化による居室や乗り物内での不快感の緩和を行う効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を実施例を用いて詳細に説明する。
【0017】
図1は、煤煙臭除去装置100の断面図である。図2は、多孔質を有する無機セラミックス構造体の概念図である。図3は、ミスト発生ユニット200の断面図である。図4は、煤煙臭除去装置100へ煤煙や臭い成分を導入する為の煤煙臭捕集器300の側面図である。図5は、煤煙臭除去装置100を備え複数同時処理をおこなう固定室設置型煤煙臭除去装置の概念図である。
【0018】
煤煙臭除去装置100は、紫外線透過筐体1、強誘電体セラミックス超音波振動子9と振動子固定板10と図示しない周波数印加装置とから構成されるミスト発生ユニット、および無機セラミックス構造体12から構成されている。紫外線透過筐体1は、ミスト発生室5、無機セラミックス構造体室7を形成し、煤煙臭導入口2、液体導入口3、液体排出口4、混合クラスター導入口6、処理煤煙臭排出口8を備えている。これらにより、煤煙の流通路が形成される。
【0019】
紫外線透過筐体1は、混合クラスター導入口6が設けられた壁によりミスト発生室5と無機セラミックス構造体室7とを遮断する内部構造をもっている。煤煙臭導入口2は、処理をおこなう煤煙や臭い物質を煤煙臭除去装置に導入する為のもので紫外線透過筐体1のミスト発生室5の側面に設置されている。
【0020】
なお、紫外線透過筐体1の材料は、石英やガラスなど185nmの波長を透過する材料が望ましいが、プラスチックやセラミックス材等380nm以下の波長を透過するものであってもよい。
【0021】
液体導入口3は、ミスト発生室5内に液体を導入する為のもので紫外線透過筐体1のミスト発生室5の側面に設置されている。液体排出口4は、液体導入口3より導入された液体の排出口で紫外線透過筐体1のミスト発生室5の底面に設置されている。
【0022】
ミスト発生室5は、導入した液体をミスト化させ導入された煤煙や臭い物質を液体中の水分子または水を含まない有機溶媒等でクラスター化させる為のものである。これにより、煤煙や臭い物質の除去効率を向上させることができる。ミスト発生ユニット200は、強誘電体セラミックス超音波振動子9を共振させてミストを発生させる。混合クラスター導入口6は、ミスト発生室5で形成された混合クラスターを無機セラミックス構造体室7に導入するためのもので、ミスト発生室5と無機セラミックス構造体室7を遮蔽する壁に設置されている。
【0023】
無機セラミックス構造体室7は、多孔質の無機セラミックス構造体12を設置する為のものである。多孔質の無機セラミックス構造体12は、混合クラスター導入口6より導入された煤煙や臭い物質と水分子とのクラスター物質を効率的に吸着させる。処理煤煙臭排出口8は、無機セラミックス構造体室7に設置された図2に示す多孔質を有した無機セラミックス構造体12で吸着された煤煙や臭い物質を除去、分解処理した後の物質を排出する排出口である。
【0024】
図3に断面図を示すミスト発生ユニット200は、強誘電体セラミックス超音波振動子9と振動子固定板10および周波数印加装置11から構成されており、強誘電体セラミックス超音波振動子9は、500KHz以上3MHz以下の周波数を周波数印加装置11からリード線13を介して印可することにより共振し、ミスト発生室5に導入された液体成分をミスト化させるためのものである。振動子固定板10は、強誘電体セラミックス超音波振動子9を紫外線透過筐体1のミスト発生室5部に取り付け穴14をもってネジで固定するためのものある。
【0025】
図4に示す煤煙臭捕集器300は、媒煙臭吐き出し用捕集部15と煤煙臭捕集部16と捕集物質導入管17とから構成されている。捕集物質導入管17は、煤煙臭除去装置100の煤煙臭導入口2と接続可能な構造となっている。喫煙者は、媒煙臭吐き出し用捕集部15を口の周りにあてがい捕集器内部に向かって煤煙臭を吐き出す。また、吸入後の火の点火しているたばこ本体を煤煙臭捕集部16に設置し外部への漏れを防止する。吐き出された煤煙臭は、捕集物質導入管17を通り、煤煙臭除去装置100の煤煙臭導入口2を介してミスト発生室5に導入される。
【0026】
図5に示す大容量煤煙臭除去装置400は、内部にミスト発生ユニット200を設置したミスト発生室5と無機セラミックス構造体室7とから構成されている煤煙臭除去装置100の構造を複数個接続して配置したものであり、複数の煤煙臭除去装置100の煤煙臭導入口2を介して煤煙臭を導入し、導入された煤煙臭は、液体導入口3から液体を導入して発生させたミストによりクラスター化され無機セラミックス構造体室7に設置されている多孔質を有した無機セラミックス12を介し、分解除去され、連続的に設置されているその他の煤煙臭除去装置100を通って、最終的に処理煤煙臭排出口8に接続され気体排出の吸引を行っている排気ファンから分解除去され排出される。かつ導入された液体は、液体排出口4から連続的に設置されているその他の煤煙臭除去装置100の液体導入口3と連結されており、ミスト発生室5を通って最終的には末尾の煤煙臭除去装置100の液体排出口4に接続されている廃液槽へ放出される構造システムとなっている。
【0027】
図6に示す光源付煤煙臭除去装置500は、紫外線透過筐体1と煤煙臭導入口2、液体導入口3、液体排出口4、ミスト発生室5、混合クラスター導入口6、無機セラミックス構造体室7、処理煤煙臭排出口8及びミスト発生ユニット200の強誘電体セラミックス超音波振動子9、振動子固定板10、周波数印加装置11および紫外線発光体18から構成されている。
【0028】
紫外線発光体18は、無機セラミックス構造体室7の周囲に設置され、混合クラスター導入口6より導入された煤煙や臭い物質と水分子とのクラスター物質を吸着した多孔質を有した無機セラミックス構造体12に対し、紫外線を用いることにより効率的に除去、分解処理をおこなうために設置されている。
【0029】
なお、紫外線発光体18は、発光ダイオード(LED)や紫外線ランプをもって形成されている。
【実施例1】
【0030】
煤煙臭除去装置100を用いて、紫外線透過筐体1に対して煤煙臭導入口2からたばこの煙、液体導入口3から水道水を導入し、ミスト発生室5において水とたばこの煙の混合クラスターをつくり、混合クラスター導入口6から無機セラミックス構造体室7へ導入し、処理煤煙臭排出口8において除去効果(排出率)の検証を行った。
【0031】
本実施例における実施の形態を以下に示す。
【0032】
除去率の効果を検証するためにたばこの煙を導入する煤煙臭除去装置100において、A無機セラミックス構造体およびミスト発生を無しにした場合、B無機セラミックス構造体は設置し、ミストを発生しない場合、C無機セラミックス構造体の設置およびミストを発生させた場合の3種について検証した。
【0033】
無機セラミックス構造体室7に設置する多孔質を有した無機セラミックス構造体12に光触媒シリカゲル(新東Vセラミックス製HQC21)を用いた。
処理煤煙臭排出口8から排出される物質の測定には、図7で示す水晶マイクロバランス法を用いた周波数変化分析測定装置600を使用した。
【0034】
水晶マイクロバランス法を用いた周波数変化分析測定装置600に具備したひとつの水晶振動子検出素子19は、9MHZ・AT-CUT(ヘルツ(株)社製)を用い、直径5mmの金電極上に親水基と疎水基の両方をもつポリイオンコンプレックス型脂質(相互薬工(株)社製)を3000ng塗布し、感応膜として用いた。
【0035】
ミスト発生ユニット200の強誘電体セラミックス超音波振動子9には、チタン酸ジルコン酸鉛を用いた1MHZ振動素子を用い、電圧を印加させ、たばこの煙と水道水の混合クラスターを作成した。
【0036】
水晶振動検出素子19を30秒間の発振安定化後に各サンプルにたばこの煙を投入し、その際の周波数変化の測定を行った。
【0037】
図8は、各サンプルについて単位時間あたりの周波数変化量を測定した結果を示すグラフである。周波数変化量は、吸着量に比例しており、両者には1Hz=1ngの対応関係がある。
【0038】
図8より吸着開始から210秒時のサンプル試料の周波数変化量を比較すると、A560ng、B64ng、C16ngの結果となった。Cの除去効果(排出率)はAに対して2.85%、Bに対して25%となり効果が確認された。
【実施例2】
【0039】
たばこの煤煙臭は、各種の成分で構成されているが、そのうち人体に影響を及ぼす環境ホルモンであるホルムアルデヒドが含まれていることがわかっている。そこで煤煙臭除去装置100を用いて、紫外線透過筐体1に対して煤煙臭導入口2から気化したホルムアルデヒド、液体導入口3から水道水を導入し、ミスト発生室5においてホルムアルデヒドとたばこの煙の混合クラスターをつくり、混合クラスター導入口6から無機セラミックス構造体室7へ導入し、処理煤煙臭排出口8においてホルムアルデヒドの除去効果(排出率)の検証を行った。
【0040】
図9に示す構成により本実施例における実施の形態を以下に示す。
【0041】
除去率の効果を検証するために気化したホルムアルデヒドを導入する煤煙臭除去装置100において、D無機セラミックス構造体およびミスト発生を無しにした場合、E無機セラミックス構造体は設置し、ミストを発生しない場合、F無機セラミックス構造体の設置およびミストを発生させた場合の3種について検証した。
【0042】
無機セラミックス構造体室7に設置する多孔質を有した無機セラミックス構造体12に光触媒シリカゲル(新東Vセラミックス製HQC21)を用いた。
【0043】
処理煤煙臭排出口8から排出される物質の測定には、水晶マイクロバランス法を用いた周波数変化分析測定装置600を使用した。
【0044】
水晶マイクロバランス法を用いた周波数変化分析測定装置600に具備したひとつの水晶振動子検出素子19は、9MHZ・AT-CUT(ヘルツ(株)社製)を用い、直径5mmの金電極上に親水基と疎水基の両方をもつポリイオンコンプレックス型脂質(相互薬工(株)社製)を3000ng塗布し、感応膜として用いた。
【0045】
ミスト発生ユニット200の強誘電体セラミックス超音波振動子9には、チタン酸ジルコン酸鉛を用いた1MHZ振動素子を用い、電圧を印加させ、気化したホルムアルデヒドと水道水の混合クラスターを作成した。
【0046】
水晶振動子検出素子19を30秒の発振安定化後に各サンプルに気化したホルムアルデヒドを投入し、その際の周波数変化の測定を行った。
【0047】
図10は、各サンプルについて単位時間あたりの周波数変化量を測定した結果を示すグラフで
ある。周波数変化量は、吸着量に比例しており、両者には1Hz=1ngの対応関係がある。
【0048】
図10より吸着開始から210秒時のサンプル試料の周波数変化量を比較すると、D168ng、E82ng、F9ngの結果となった。Fの除去効果(排出率)はDに対して5.35%、Eに対して10.9%となり効果が確認された。
【0049】
実施例1ならびに実施例2の結果より煤煙臭除去装置100を用いることにより、紫外線透過筐体1に対して煤煙臭導入口2から導入したたばこの煤煙臭は、ミスト発生室5において水との混合クラスターをつくり、混合クラスター導入口6から無機セラミックス構造体室7へ運ばれ、混合クラスター化されたものが無機セラミック構造体の親水性と気孔の相乗効果で効率よく吸着され、たばこの受動喫煙の低減効果が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明にかかる煤煙臭除去装置の断面図である。
【図2】多孔質を有する無機セラミックス構造体の概念図である。
【図3】ミスト発生ユニットの断面図である。
【図4】煤煙臭除去装置へ煤煙や臭い成分を導入する為の器具の側面図である。
【図5】本発明にかかる固定室設置型煤煙臭除去装置の概念図である。
【図6】本発明にかかる煤煙臭除去装置の断面図である。
【図7】本発明にかかる周波数変化分析測定装置の概念図である。
【図8】実施例1における除去効果を周波数変化であらわした図である。
【図9】実施例2における煤煙臭除去装置を用いた概念図である。
【図10】実施例2における除去効果を周波数変化であらわした図である。
【符号の説明】
【0051】
1 紫外線透過筐体
2 煤煙臭導入口
3 液体導入口
4 液体排出口
5 ミスト発生室
6 混合クラスター導入口
7 無機セラミックス構造体室
8 処理煤煙臭排出口
9 強誘電体セラミックス超音波振動子
10 振動子固定板
11 周波数印加装置
12 無機セラミックス構造体
13 リード線
14 取り付け穴
15 媒煙臭吐き出し用捕集部
16 煤煙臭捕集部
17 捕集物質導入管
18 紫外線発光体
19 水晶振動子検出素子
100 煤煙臭除去装置
200 ミスト発生ユニット
300 煤煙臭捕集器
400 大容量煤煙臭除去装置
500 光源付煤煙臭除去装置
600 周波数変化分析測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
煤煙臭の粒子をクラスター化し分解処理することで除去する煤煙臭除去装置であって、
煤煙臭を流通させる煤煙臭流通路と、
前記煤煙臭流通路の上流に設けられ、ミスト用の液体を超音波振動させることにより液体微粒子を発生させるミスト発生ユニットと、
前記煤煙臭流通路の下流に設けられ、多孔質の形状を有し、前記液体微粒子と前記導入された煤煙臭の粒子とが集合して形成されたクラスターを吸着し、分解処理する無機セラミックス構造体と、を備える煤煙臭除去装置。
【請求項2】
前記ミスト発生ユニットは、強誘電体セラミックスにより構成され、電場を印加することにより超音波を発生させる超音波振動子を有することを特徴とする請求項1に記載の煤煙臭除去装置。
【請求項3】
前記煤煙臭流通路を形成する筐体は、紫外線を透過する材料により構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の煤煙臭除去装置。
【請求項4】
前記無機セラミックス構造体は、光触媒機能材料を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の煤煙臭除去装置。
【請求項5】
前記煤煙臭流通路を形成する筐体の内面に光触媒機能材料のコーティングが施されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の煤煙臭除去装置。
【請求項6】
前記光触媒機能材料は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化バナジウムまたはチタン酸ストロンチウムのうち少なくとも一種であることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の煤煙臭除去装置。
【請求項7】
前記無機セラミックス構造体にアパタイト構造体のコーティングが施されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の煤煙臭除去装置。
【請求項8】
前記煤煙臭流通路を形成する筐体が、煤煙臭および液体の導入口ならびに排出口をそれぞれ少なくとも1箇所以上有していることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の煤煙臭除去装置。
【請求項9】
煤煙臭および液体を流通させる空間を持つ筐体と、
前記筐体の少なくとも1箇所に多孔質の形状を有した無機セラミックス構造体と、
空間を通過する液体を電場印加によりミスト化するミスト化手段と、を備える煤煙臭除去装置が、直線状、環状または多段状に連続的に配置されて形成されることを特徴とする煤煙臭除去システム。
【請求項10】
前記煤煙臭流通路を形成する筐体の側面の少なくとも1箇所に、紫外線発光体を装着していることを特徴とする請求項2から請求項8のいずれかに記載の煤煙臭除去装置。
【請求項11】
煤煙臭および液体を流通させる空間を持つ筐体の側面の少なくとも1箇所に、紫外線発光体を装着していることを特徴とする請求項9に記載の煤煙臭除去システム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−230808(P2006−230808A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−51751(P2005−51751)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(391005824)株式会社日本セラテック (200)
【Fターム(参考)】