説明

照明パネル

【課題】 外観上は木板と見える素材を照明装置により内部から自光させる照明装置を提供する。
【解決手段】 透光性のある、いわゆる突板と呼ばれる木質の薄い板材のものを、アクリルパネル・ガラスパネル等の透過性のある板状のものに貼り付けることにより、裏面から表面に照明光が透過するようにし、その裏面から照明装置により光を透過させ、表面側からこれを見た場合には、木板が自光しているように見せる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明パネル、特に木製パネルの内部に照明装置を内蔵することにより、照明具の点灯時に木製パネルが自光しているように見える装置であって、建築内外装材及び建具・額絵等の好適な装置を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
これまで屋内用の天井照明具としては、天井板の一部をくり抜き、ここに乳白色の透光板を取り付け、天井裏側(内側)には照明具を取り付けて、照明具を点灯することで透光板を光らせていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−340023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これまでの天井取り付け型の照明具の大部分は、その枠体がプラスチックや塗装した金属枠で作られていたため、天井全体の色調や雰囲気になじまなく、天井全体を室内側から眺める際には違和感が生じて室内の雰囲気を損ねていた。
この発明は室内の雰囲気を損ねることなしに、天井、壁、建具やインテリア用品等のあらゆるものに対し、一見木製と見える素材が自ら光って見えるようにすることによって、周囲の雰囲気と調和した状態で美術的、空間的照明を可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこでこの発明は、例えば天井取り付けよう照明パネルにおいては、天井板に雰囲気を壊さずに木質枠体を天井に取り付け、天井裏側には室内側から順に透光性のある、いわゆる突板と呼ばれる木質の薄い板材を配置し、その突板の室内側に絵や書を描き、また透光性のある薄紙に絵や書を描き突板の室内側または室外側に貼り付けるとともにその上側に光源を内蔵した照明枠体を取り付け、この枠体内の照明を点灯することで、突板を内側から光らせて天井全体の雰囲気を損ねることなしに天井の一部を光らせたものである。
【0006】
またこの発明は、壁面の一部をくり抜き、ここに木質枠体を取り付け、その内側に突き板を配置して、さらにその内側に照明具を取り付けて、壁面内側から突き板を浮き出るように照らしたものでもある。
【0007】
さらにまたこの発明では、建具や額絵のようなインテリア用品などにもその一部を浅くくり抜き、ここに必要に応じて突き板を取り付けてくり抜いた内側に照明具を取り付けて、建具や額絵を光らせることで周囲に調和させてこれらを見やすくしたものである。なお、ここでの照明具は、文化財的な側面および消費電力、発熱量等を勘案して、発光ダイオード(LED)を用いると安全上も好ましい。
【0008】
透光性のある、いわゆる突板と呼ばれる木質の薄い板材の表面に、様々な絵画・書等の美術コンテンツを自筆・複製・貼付等によって設けることにより、木素材を生かした多様な美術表現・空間表現を可能とさせる。
【0009】
透光性のある、いわゆる突板と呼ばれる木質の薄い板材の裏面側の照明具の中間に、様々な絵画・書等の美術コンテンツを自筆・複製・貼付等によって設け、室内側に向けて照明具を点灯し表面を光らせることで、全体的な調和を乱さず趣があり一層多様な美術表現・空間表現を可能とさせる。
【発明の効果】
【0010】
天井・壁・建具・インテリア品等のあらゆるものに対し、一見木製と見える素材が自光する事により、多様な美術表現・空間表現を可能とする。
【0011】
照明装置として、従来にない装飾性に富むひかりの空間を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】天井材の部分構成を示す分解斜視図
【図2】天井材の使用状況を示す取付け断面略図
【図3】天井材の照明具の構造を示す断面図
【図4】建具の部分構成を示す分解斜視図
【図5】建具の使用状況を示す取付け断面略図
【図6】建具の照明具の構造を示す断面図
【図7】額絵の部分構成を示す分解斜視図
【図8】額絵の使用状況を示す取付け断面略図
【図9】額絵の照明具の構造を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
天井用照明具の一例を説明する。この例はまず、既存の井桁状の天井桟を撤去して代わりに図1に示す一辺がおよそ410mmの正方形の井桁状の天井枠1を設置する。その天井枠体内に室内側から順番に、絵画を施した突板2、アクリルパネルからなる透光材3、LEDパネルからなる照明具4を設置し、最後に裏板5を天井裏側から天井枠1に固定する。図2はこの状態の断面略図である。この照明パネルの使用は、天井裏に設置したコンセントから電気を供給し、照明具(LEDパネル)4を点灯させ室内側に向けて透光材3を貫いて、突板2を照らす事により、天井全体の雰囲気を壊す事無く調和の取れた趣で、天井全体が光っているように見える。
【0014】
次に建具の例を説明する。これは既存の建具を撤去し、これに変わって発光パネルを用いた建具を設置する。建具枠体11内に室内側から順番に、絵画を描いた突板12、透光材13、前記と同じ.照明具14、裏板15を設置し、これらを.建具枠体11で四方から取り囲む形で固定する。一方、鴨居の建具溝内に吊下げ式スポットライト用の電源レールを設置して電源供給部分とし、照明具24を点灯させ室内側に向けて照らす事により、建具全体の雰囲気を壊す事無く調和の取れた趣で、建具全体が光っているように見える。
【0015】
さらに額絵の例を説明する。この例では壁面に発光パネルを用いた額縁を吊下げる。額縁21の内側には額縁手前側から順番に、前記同様の絵画を施した突板22、透光材23、照明具24を設置し、裏板25を裏側から額縁に固定する。壁面に設置したコンセントから電気を供給し、照明具24を点灯させ室内側を照らす事により、額絵全体の雰囲気を壊す事無く調和の取れた趣で、額絵全体が光っているように見える。
【産業上の利用可能性】
【0016】
住宅・学校・神社仏閣・商業店舗等のあらゆる建築物の内外装材及び建具・額絵等として様々な分野で利用が可能である。
【符号の説明】
【0017】
[図1]1.天井枠
2.突板(絵画を施す)
3.透光材
4.照明具(LEDパネル)
5.裏板
[図2]1.天井枠
2.突板(絵画を施す)
3.透光材
4.照明具(LEDパネル)
5.裏板
[図3]6.反射シート
7.導光板(アクリル)
8.LED−Chip
9.アルミフレーム
[図4]11.建具枠
12.突板(絵画を施す)
13.透光材
14.照明具(LEDパネル)
15.裏板
[図5]11.建具枠
12.突板(絵画を施す)
13.透光材
14.照明具(LEDパネル)
15.裏板
[図6]6.反射シート
7.導光板(アクリル)
8.LED−Chip
9.アルミフレーム
[図7]21.額縁
22.突板(絵画を施)
23.透光材
24.照明具(LEDパネル)
25.裏板
[図8]21.額縁
22.突板(絵画を施す)
23.透光材
24.照明具(LEDパネル)
25.裏板
[図9]6.反射シート
7.導光板(アクリル)
8.LED−Chip
9.アルミフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質製枠体と、この枠体内にはめ込まれた透光性木質薄板と、この薄板の枠体とは反対側に設けた照明具を内蔵した照明枠体とからなる照明パネル。
【請求項2】
透光性木質薄板を、アクリルパネル・ガラスパネル等の透光性のある板材に貼り付けたことを特徴とする照明パネル。
【請求項3】
透光性のある板状部材のものの裏面より表面に照明光が透過するようにし、その裏面より照明装置により光を透過させ、表面側よりこれを見た場合には、木板が自光しているように見せることを特徴とする建築内外装材及び建具・額絵。
【請求項4】
透光性木質薄板の表面に、様々な絵画・書等の美術コンテンツを自筆・複製・貼付等によって設けることにより、木素材を生かしたことを特徴とする建築内外装材及び建具・額絵。
【請求項5】
透光性木質薄板の裏面側と発光物の中間に、様々な絵画・書等の美術コンテンツを自筆・複製・貼付等によって設け、表面に影を作ることで、より一層豊富な表現を可能としたことを特徴とする建築内外装材及び建具・額絵。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−215050(P2012−215050A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93486(P2011−93486)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(511076871)株式会社天地游々 (1)
【出願人】(501026248)株式会社三光エンジニアリング (1)
【Fターム(参考)】