説明

照明付き表示装置

【課題】業務用の電飾看板などに用いられる照明付き表示装置において、その製造コストを大幅に削減する。
【解決手段】この照明付き表示装置1では、複数の透明なアクリル樹脂板2が所定の配置間隔を置いて互いに平行に配置されている。各アクリル樹脂板2にはそれぞれ、互いに異なる情報を有する表示部4が形成されている。各アクリル樹脂板2の端縁にはそれぞれ発光ダイオードモジュールが、その発光ダイオード7からの出射光がアクリル樹脂板2内を進行して表示部4を照明して情報を浮かび上がらせうるように配設されている。各発光ダイオードモジュールの発光ダイオード7を点滅するように制御する点滅器10が設けられている。これにより、発光ダイオード7の使用個数を桁違いに減らすことができ、照明付き表示装置1の製造コストが大幅に削減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務用の電飾看板などの用途に適用するのに好適な照明付き表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の省エネルギーの流れを受けて、この種の照明付き表示装置としては、消費電力が少なくて長寿命の発光ダイオード(LED)を発光素子として用いたものが普及しつつある(例えば、特許文献1参照)。その一例として、表示パネルの全面に多数の発光ダイオードをマトリックス状に配列し、これらの発光ダイオードのうち特定の発光ダイオードを適宜点灯することにより、様々なイメージ(文字、符号、絵柄など)を表現しうるように構成されたものが広く用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−345539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これでは、高価な発光ダイオードを多数使用しなければならないため、必然的に照明付き表示装置の製造コストが高騰するという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑み、製造コストを大幅に削減することが可能な照明付き表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するため、本発明者は、発光素子の使用個数を減らせるような構成を採用することに着目し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、請求項1に記載の発明は、複数の透明な導光板が所定の配置間隔を置いて互いに平行に配置され、前記各導光板にそれぞれ、互いに異なる情報を有する表示部が形成され、前記各導光板の端縁にそれぞれ光源モジュールが、当該光源モジュールの発光素子からの出射光が当該導光板内を進行して前記表示部を照明して情報を浮かび上がらせうるように配設され、前記各光源モジュールの前記発光素子を点滅するように制御する制御手段が設けられている照明付き表示装置としたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記表示部は、その情報の一部または全部が前記導光板ごとに異なる位置に設定され、前記制御手段は、前記複数の導光板に順序付けを行い、これら導光板において前記光源モジュールの前記発光素子を順次点滅することにより、これらの導光板の前記表示部が連携して一連の動きを表現するように制御することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の構成に加え、前記各光源モジュールが取り付けられるフレームをそれぞれ有し、前記各導光板は、前記各フレームに対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成に加え、前記光源モジュールは、回路基板に前記発光素子として発光ダイオードが実装された発光ダイオードモジュールであることを特徴とする。
【0011】
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の構成に加え、前記導光板は、アクリル樹脂板であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、発光素子の使用個数を桁違いに減らすことができるため、照明付き表示装置の製造コストを大幅に削減することが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、複数の表示部が連携して一連の動きを表現することができるため、これらの表示部の情報の視認性を向上させることが可能となる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、表示部に様々な情報が表示された複数の導光板を用意しておき、必要に応じて導光板を交換することにより、照明付き表示装置で様々な情報を簡単に表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1に係る照明付き表示装置の組立斜視図である。
【図2】同実施の形態1に係る照明付き表示装置の分解斜視図である。
【図3】同実施の形態1に係る照明付き表示装置を示す図であって、(a)はその水平断面図、(b)は(a)のB部分の拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る照明付き表示装置の分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る照明付き表示装置の使用状態図である。
【図6】同実施の形態3に係る照明付き表示装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
【0017】
図1乃至図3には、本発明の実施の形態1を示す。この実施の形態1では、導光板の一例としてアクリル樹脂板2を用い、光源モジュールの一例として発光ダイオードモジュール5を用い、発光素子の一例として発光ダイオード7を用い、制御手段の一例として点滅器10を用いている。なお、図1においては、点滅器10およびリード線15の図示を省いている。
【0018】
実施の形態1に係る照明付き表示装置1は、各種のサービスを提供する店舗(例えば、理髪店、飲食店など)の店先で使用するのに適したもので、図1乃至図3に示すように、3枚の表示パネル9(9A、9B、9C)を有している。各表示パネル9はそれぞれ、縦長の長方形板状の透明なアクリル樹脂板2と、このアクリル樹脂板2の左右両側に固定された略H字断面形のアルミニウム製のフレーム3と、このフレーム3に取り付けられた発光ダイオードモジュール5とを備えている。
【0019】
ここで、各アクリル樹脂板2はそれぞれ、図2および図3に示すように、所定の大きさ(例えば、縦500mm、横300mm、厚さ5mm)に形成されており、これら3枚のアクリル樹脂板2は、2mm以上の配置間隔D1を置いて互いに平行に配置されている。
【0020】
また、各アクリル樹脂板2にはそれぞれ、図2に示すように、互いに異なる情報を有する表示部4が形成されている。すなわち、3枚の表示パネル9のうち、一番前方(図3下方)に位置する表示パネル9Aのアクリル樹脂板2には、その表示部4に「只今の待ち時間10分」という情報が表示されており、その後方(つまり、中央)に位置する表示パネル9Bのアクリル樹脂板2には、その表示部4に「あと少しお待ち下さい20分」という情報が表示されており、さらに、その後方(つまり、一番後方)に位置する表示パネル9Cのアクリル樹脂板2には、その表示部4に「しばらくお待ち下さい30分」という情報が表示されている。
【0021】
なお、これらの表示部4は、アクリル樹脂板2の背面に円錐状凹部またはV溝を加工することによって情報を形成しており、後述する複数の発光ダイオード7からの出射光を乱反射して情報を浮かび上がらせるように構成されている。例えば、表示パネル9Aのアクリル樹脂板2では、図2に示すように、表示部4に表示された情報のうち「10」が円錐状凹部によって形成されているとともに、それ以外の情報がV溝によって形成されている。また、表示パネル9Bのアクリル樹脂板2では、表示部4に表示された情報のうち「20」が円錐状凹部によって形成されているとともに、それ以外の情報がV溝によって形成されている。さらに、表示パネル9Cのアクリル樹脂板2では、表示部4に表示された情報のうち「30」が円錐状凹部によって形成されているとともに、それ以外の情報がV溝によって形成されている。
【0022】
また、各表示パネル9においては、図2および図3に示すように、アクリル樹脂板2の左右両側にそれぞれフレーム3が固定されている。各フレーム3にはそれぞれ、発光ダイオードモジュール5が取り付けられており、各発光ダイオードモジュール5はそれぞれ、回路基板6と、この回路基板6上に等間隔で実装された複数の発光ダイオード7と、入力端子8とを備えている。なお、3枚の表示パネル9に装備された発光ダイオード7の発光色は、すべて同一の色(例えば、白色)であってもよく、3枚のうち2枚の表示パネル9のみが共通していてもよく、すべて異なる3色(例えば、白色、赤色、青色)であってもよい。なお、発光ダイオード7の出射面からフレーム3の先端までは、10mm以上の距離D2が確保されている。
【0023】
そして、3個の発光ダイオードモジュール5の入力端子8には、図2に示すように、3組のリード線15を介して点滅器10が接続されており、点滅器10は、プリント基板11と、このプリント基板11上に実装されたICチップ12と、プリント基板11上に取り付けられた給電端子13および出力端子14とを備えている。なお、この出力端子14には、3組のリード線15が接続されている。
【0024】
また、3枚の表示パネル9には、図1乃至図3に示すように、上下両側に金属製の外装カバー16が嵌着されているとともに、左右両側に金属製の外装カバー17が3本のフレーム3を覆い隠すように嵌着されている。さらに、3枚の表示パネル9の後方には、図2および図3に示すように、硬質樹脂製の背面板18が4つの外装カバー16、17に接触して取り付けられている。
【0025】
照明付き表示装置1は以上のような構成を有するので、この照明付き表示装置1を使用する際には、電圧12Vの直流電源などの電源(図示せず)を点滅器10の給電端子13に接続した後、以下に述べるとおり、照明付き表示装置1に明示すべき情報に応じて点滅器10を適宜操作する。
【0026】
まず、3枚の表示パネル9のうち、一番前方に位置する表示パネル9Aのアクリル樹脂板2の表示部4に表示された情報「只今の待ち時間10分」を明示しようとするときには、その旨をICチップ12に指令する。この指令を受けて、ICチップ12は、この表示パネル9Aの発光ダイオードモジュール5に通電する。なお、他の2枚の表示パネル9B、9Cにおいては、発光ダイオードモジュール5への通電は行われない。
【0027】
すると、この表示パネル9Aにおいて、発光ダイオードモジュール5の複数の発光ダイオード7がすべて点灯され、これらの発光ダイオード7からの出射光がアクリル樹脂板2内を横方向(水平方向)に進行し、アクリル樹脂板2の表示部4を照明する。その結果、この表示部4に表示された情報「只今の待ち時間10分」が浮かび上がり、この情報を照明付き表示装置1の前方(図3下方)から視認することが可能となる。
【0028】
また、3枚の表示パネル9のうち、中央に位置する表示パネル9Bの表示部4に表示された情報「あと少しお待ち下さい20分」を明示しようとするときには、その旨をICチップ12に指令する。この指令を受けて、ICチップ12は、この表示パネル9Bの発光ダイオードモジュール5に通電する。なお、他の2枚の表示パネル9C、9Aにおいては、発光ダイオードモジュール5への通電は行われない。
【0029】
すると、この表示パネル9Bにおいて、発光ダイオードモジュール5の複数の発光ダイオード7がすべて点灯され、これらの発光ダイオード7からの出射光がアクリル樹脂板2内を横方向に進行し、アクリル樹脂板2の表示部4を照明する。その結果、この表示部4に表示された情報「あと少しお待ち下さい20分」が浮かび上がり、この情報を照明付き表示装置1の前方から視認することが可能となる。
【0030】
このとき、中央に位置する表示パネル9Bの手前には表示パネル9Aがあるが、この表示パネル9Aのアクリル樹脂板2は透明であるので、表示パネル9Bのアクリル樹脂板2の表示部4に表示された情報「あと少しお待ち下さい20分」は、この表示パネル9Aのアクリル樹脂板2を透過して照明付き表示装置1の前方から支障なく見ることができる。
【0031】
さらに、3枚の表示パネル9のうち、一番後方に位置する表示パネル9Cの表示部4に表示された情報「しばらくお待ち下さい30分」を明示しようとするときには、その旨をICチップ12に指令する。この指令を受けて、ICチップ12は、この表示パネル9Cの発光ダイオードモジュール5に通電する。なお、他の2枚の表示パネル9A、9Bにおいては、発光ダイオードモジュール5への通電は行われない。
【0032】
すると、この表示パネル9Cにおいて、発光ダイオードモジュール5の複数の発光ダイオード7がすべて点灯され、これらの発光ダイオード7からの出射光がアクリル樹脂板2内を横方向に進行し、アクリル樹脂板2の表示部4を照明する。その結果、この表示部4に表示された情報「しばらくお待ち下さい30分」が浮かび上がり、この情報を照明付き表示装置1の前方から視認することが可能となる。
【0033】
このとき、一番後方に位置する表示パネル9Cの手前には2枚の表示パネル9A、9Bがあるが、これらの表示パネル9A、9Bのアクリル樹脂板2はいずれも透明であるので、表示パネル9Cのアクリル樹脂板2の表示部4に表示された情報「しばらくお待ち下さい30分」は、これらの表示パネル9A、9Bのアクリル樹脂板2を透過して照明付き表示装置1の前方から支障なく見ることができる。
【0034】
このように、この照明付き表示装置1を使用すれば、3枚の表示パネル9の表示部4に表示された3種類の情報、つまり「只今の待ち時間10分」「あと少しお待ち下さい20分」「しばらくお待ち下さい30分」のうち任意の情報を明示することができる。したがって、照明付き表示装置1を正面から視認している状態で、1つの画面上に異なる情報を簡単に表示させることが可能となる。
【0035】
しかも、この照明付き表示装置1では、表示パネル9の全面に多数の発光ダイオードをマトリックス状に配列した従来の照明付き表示装置に比べて、発光ダイオード7の使用個数を桁違いに減らすことができるため、照明付き表示装置1の製造コストを大幅に削減することが可能となる。
【0036】
また、3枚のアクリル樹脂板2の配置間隔D1は、上述したとおり、2mm以上であるため、アクリル樹脂板2の厚薄とは無関係に、3枚の表示パネル9の発光ダイオード7からの出射光が混色する事態を未然に防止することができる。すなわち、3枚の表示パネル9のうち、任意の表示パネル9の発光ダイオード7からの出射光が、その隣の表示パネル9のアクリル樹脂板2にまで達する現象は生じない。したがって、照明付き表示装置1に明示すべき情報と異なる情報が浮かび上がってしまう不都合を回避することができる。
【0037】
さらに、発光ダイオード7の出射面からフレーム3の先端までの距離D2は、上述したとおり、10mm以上であるため、発光ダイオード7からアクリル樹脂板2内に入射した光をアクリル樹脂板2の表裏面(界面)でほぼ全反射させることができる。その結果、この光がアクリル樹脂板2の表裏面から外部へ漏れる無駄を減らし、アクリル樹脂板2の照度を確保することが可能となる。
[発明の実施の形態2]
【0038】
図4には、本発明の実施の形態2を示す。なお、図4においては、点滅器10およびリード線15の図示を省いている。
【0039】
実施の形態2に係る照明付き表示装置1は、各種の小売店(例えば、スーパーマーケットやブティックなど)の店先において、複数の情報を連続的に切り替えて表示させるのに適したもので、図4に示すように、各表示パネル9において、アクリル樹脂板2が横長の長方形板状である。また、これに対応して、発光ダイオード7は、アクリル樹脂板2の上下両側に、その出射光がアクリル樹脂板2内を縦方向(上下方向)に進行するように取り付けられているとともに、発光色が表示パネル9ごとに異なる3色(例えば、白色、赤色、青色)になっている。さらに、3枚の表示パネル9のうち、一番前方に位置する表示パネル9Aのアクリル樹脂板2には、その表示部4に「営業中」という情報が表示されており、その後方(つまり、中央)に位置する表示パネル9Bのアクリル樹脂板2には、その表示部4に「本日特売日」という情報が表示されており、さらに、その後方(つまり、一番後方)に位置する表示パネル9Cのアクリル樹脂板2には、その表示部4に「全品20%OFF」という情報が表示されている。その他の構成については、上述した実施の形態1と同じ構成を有している。なお、実施の形態1と同一の部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0040】
したがって、この実施の形態2では、上述した実施の形態1と同じ作用効果を奏する。これに加えて、実施の形態2では、横長の長方形板状のアクリル樹脂板2の上下両側(つまり、この長方形の2つの長辺)に複数の発光ダイオード7が出射光をアクリル樹脂板2内を縦方向(つまり、この長方形の短辺方向)に進行させるように配置されている。そのため、発光ダイオード7の照光時の減衰を最小限に抑えて、アクリル樹脂板2の照度を確保することができる。また、照明付き表示装置1は、発光ダイオード7の発光色が表示パネル9ごとに異なっているため、カラフルな情報を発信することができる。
[発明の実施の形態3]
【0041】
図5および図6には、本発明の実施の形態3を示す。なお、図5、図6においては、点滅器10およびリード線15の図示を省いている。
【0042】
実施の形態3に係る照明付き表示装置1は、図5に示すように、A型スタンド(支持枠)19に搭載した状態で道路工事現場に設置してA型看板として使用するのに適したもので、3枚の表示パネル9の表示部4が連携して一連の動き(ここでは、表示部4に表示された複数の矢印20の連続的な動き)を表現することができるようになっている。
【0043】
すなわち、この照明付き表示装置1では、図6に示すように、3枚の表示パネル9のうち、一番前方に位置する表示パネル9Aのアクリル樹脂板2には、その表示部4に、「片側通行」「注意」「工事中」という3情報が表示されているとともに、クランク状の道路に複数の矢印20が連続的に書き込まれた情報が表示されている。また、その後方(つまり、中央)に位置する表示パネル9Bのアクリル樹脂板2には、その表示部4に、クランク状の道路に複数の矢印20が連続的に書き込まれた情報が表示されており、これらの矢印20は、表示パネル9Aのアクリル樹脂板2上の矢印20より少し前進した状態を表している。さらに、その後方(つまり、一番後方)に位置する表示パネル9Cのアクリル樹脂板2には、その表示部4に、「片側通行」という情報が表示されているとともに、クランク状の道路に複数の矢印20が連続的に書き込まれた情報が表示されており、これらの矢印20は、表示パネル9Bのアクリル樹脂板2上の矢印20よりさらに少し前進した状態を表している。そのため、3枚の表示パネル9A、9B、9Cにおいて、その発光ダイオード7を順次点滅すれば、これらの表示パネル9A、9B、9Cのアクリル樹脂板2上の矢印20が前進するように視認されることになる。
【0044】
その他の構成については、上述した実施の形態1と同じ構成を有している。なお、実施の形態1と同一の部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
したがって、この実施の形態3では、上述した実施の形態1と同じ作用効果を奏する。これに加えて、実施の形態3では、上述したとおり、3枚の表示パネル9の表示部4が連携して一連の動き(矢印20の動き)を表現することができるため、これらの表示部4に表示された情報の視認性が向上する。その結果、車両運転者や歩行者に注意を喚起することができ、通行時の安全性を高めることが可能となる。
[発明のその他の実施の形態]
【0046】
なお、上述した実施の形態1〜3では、各表示パネル9において、アクリル樹脂板2の左右両側または上下両側に配置した複数の発光ダイオード7を同時に点灯させる場合について説明した。しかし、任意の表示パネル9において、これらの発光ダイオード7を複数のグループに組分けし、グループごとに発光ダイオード7を独立して点灯させるようにしてもよい。
【0047】
また、上述した実施の形態1、3では、各表示パネル9において、アクリル樹脂板2の左右両側にそれぞれ同一の発光色の発光ダイオード7が設けられた照明付き表示装置1について説明した。しかし、アクリル樹脂板2の左右で異なる発光色の発光ダイオード7を設けておき、状況に応じて左右いずれか一方の発光ダイオード7を切り替えて発光させるようにしても構わない。
【0048】
また、上述した実施の形態2では、各表示パネル9において、アクリル樹脂板2の上下両側にそれぞれ同一の発光色の発光ダイオード7が設けられた照明付き表示装置1について説明した。しかし、アクリル樹脂板2の上下で異なる発光色の発光ダイオード7を設けておき、状況に応じて上下いずれか一方の発光ダイオード7を切り替えて発光させるようにしても構わない。
【0049】
また、上述した実施の形態1、3では、各表示パネル9において、アクリル樹脂板2の左右両側にそれぞれ発光ダイオードモジュール5が配設された照明付き表示装置1について説明したが、アクリル樹脂板2の左右いずれか片側に発光ダイオードモジュール5を配設してもよい。この場合、アクリル樹脂板2の左右両側に発光ダイオードモジュール5を配設する場合に比べて、発光ダイオード7の使用個数が半減するため、照明付き表示装置1の製造コストをますます削減することが可能となる。
【0050】
また、上述した実施の形態2では、各表示パネル9において、アクリル樹脂板2の上下両側にそれぞれ発光ダイオードモジュール5が配設された照明付き表示装置1について説明したが、アクリル樹脂板2の上下いずれか片側に発光ダイオードモジュール5を配設してもよい。この場合、アクリル樹脂板2の上下両側に発光ダイオードモジュール5を配設する場合に比べて、発光ダイオード7の使用個数が半減するため、照明付き表示装置1の製造コストをますます削減することが可能となる。
【0051】
また、上述した実施の形態1〜3では、使用中のいずれの時刻においても、3枚の表示パネル9のうち、いずれか1枚の表示パネル9の情報のみを浮かび上がらせる場合について説明した。しかし、2枚または3枚の表示パネル9の情報を同時に浮かび上がらせるようにしても構わない。
【0052】
また、上述した実施の形態1〜3では、3枚の表示パネル9を有する照明付き表示装置1について説明した。しかし、表示パネル9の枚数は3枚に限るわけではなく、2枚または4枚以上の表示パネル9を有する照明付き表示装置1に本発明を同様に適用することも可能である。
【0053】
また、上述した実施の形態1〜3では、アクリル樹脂板2とフレーム3とが固定された表示パネル9について説明した。しかし、各表示パネル9において、アクリル樹脂板2をフレーム3に対して着脱自在に取り付けても構わない。この場合、表示部4に様々な情報が表示された複数のアクリル樹脂板2を用意しておき、必要に応じてアクリル樹脂板2を交換することにより、照明付き表示装置1で様々な情報を簡単に表示することが可能となる。
【0054】
また、上述した実施の形態1〜3では、導光板としてアクリル樹脂板2を用いる場合について説明したが、表示部4を形成しうる透明なものである限り、アクリル樹脂板2以外の導光板(例えば、ガラス板など)を代用することもできる。
【0055】
また、上述した実施の形態1〜3では、発光素子として発光ダイオード7を用いる場合について説明した。しかし、点滅器10からの指令に応答して瞬間的に点滅可能なものである限り、発光ダイオード7以外の発光素子(例えば、陰極管、プラズマランプなど)を代用または併用することも可能である。
【0056】
また、上述した実施の形態1〜3では、照明付き表示装置1の使用に際して、作業者が点滅器10を操作して表示パネル9の点滅状況(どの表示パネル9の発光ダイオードモジュール5に通電するか)を切り替える場合について説明した。しかし、例えば、駐車場において、空車状況をセンサで検知して点滅器10に出力し、この空車状況に基づいてICチップ12が表示パネル9の点滅状況を切り替えるようにしてもよい。
【0057】
さらに、上述した実施の形態3では、3枚の表示パネル9の表示部4が連携することにより、表示部4に表示された情報の一部(具体的には、矢印20)を動かして一連の動きを表現することができる照明付き表示装置1について説明したが、表示部4に表示された情報の一部ではなく全部を動かして一連の動きを表現するようにしても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、業務用の電飾看板、袖看板(ファサードサイン)、壁面看板、道路工事用の予告板、ガソリンスタンドの料金表示板など各種の看板に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1……照明付き表示装置
2……アクリル樹脂板(導光板)
3……フレーム
4……表示部
5……発光ダイオードモジュール(光源モジュール)
6……回路基板
7……発光ダイオード(発光素子)
8……入力端子
9、9A、9B、9C……表示パネル
10……点滅器(制御手段)
11……プリント基板
12……ICチップ
13……給電端子
14……出力端子
15……リード線
16、17……外装カバー
18……背面板
19……A型スタンド
20……矢印
D1……配置間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の透明な導光板が所定の配置間隔を置いて互いに平行に配置され、
前記各導光板にそれぞれ、互いに異なる情報を有する表示部が形成され、
前記各導光板の端縁にそれぞれ光源モジュールが、当該光源モジュールの発光素子からの出射光が当該導光板内を進行して前記表示部を照明して情報を浮かび上がらせうるように配設され、
前記各光源モジュールの前記発光素子を点滅するように制御する制御手段が設けられていることを特徴とする照明付き表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、その情報の一部または全部が前記導光板ごとに異なる位置に設定され、
前記制御手段は、前記複数の導光板に順序付けを行い、これら導光板において前記光源モジュールの前記発光素子を順次点滅することにより、これらの導光板の前記表示部が連携して一連の動きを表現するように制御することを特徴とする請求項1に記載の照明付き表示装置。
【請求項3】
前記各光源モジュールが取り付けられるフレームをそれぞれ有し、
前記各導光板は、前記各フレームに対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明付き表示装置。
【請求項4】
前記光源モジュールは、回路基板に前記発光素子として発光ダイオードが実装された発光ダイオードモジュールであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の照明付き表示装置。
【請求項5】
前記導光板は、アクリル樹脂板であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の照明付き表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−234033(P2012−234033A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102239(P2011−102239)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(501467751)株式会社エー・ピー・エス (3)
【Fターム(参考)】